JP6413423B2 - 硬化性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、硬化性組成物に関する。本発明の硬化性組成物は特に、プラスチックフィルム基材の表面を覆うハードコート層等のコート層を形成するために用いることができる。
近年、スマートフォン、タブレットPCに代表される、タッチパネルが搭載された画像表示装置が普及している。これらの画像表示装置のタッチセンサーの部材としては一般にガラス基材が使用されている。
画像表示装置に関しては、薄型化、軽量化及びフレキシブル化が要求されており、これらの要求を満足させるために、従来使用されていたガラス基材をプラスチックフィルム基材に置き換える検討がなされている。
ガラス基材を代替し得るプラスチックフィルム基材として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリカーボネート(PC)フィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルムがある。ただし、良好な光学特性を有する透明プラスチックフィルムは、単体では耐擦傷性が十分でないことが多く、タッチセンサーの製造工程等におけるフィルム表面の傷の発生が問題となり易い。そのため、フィルムの表面を覆うハードコート層を設けることで、耐擦傷性を向上させることが検討されている(例えば、特許文献1)。
特開2008−165041号公報
しかし、従来の硬化性組成物を用いて形成されるコート層は脆く、コート層を有するコートフィルムが折り曲げられたときに、コートフィルムが割れ易いという問題があった。コート層の硬度が低ければ割れが生じにくくなるが、その場合、コート層の耐擦傷性が低下する傾向がある。しかも、例えば1mm未満の小さな直径を有するマンドレル又はピアノ線にコートフィルムが巻付けられるような非常に厳しい条件であっても割れが生じないことが求められることがあり、そのような高いレベルの屈曲性を、十分な耐擦傷性を維持しながら達成することは困難であった。
そこで、本発明の主な目的は、プラスチックフィルム基材の表面を覆うコート層を形成するために用いられたときに、耐擦傷性及び屈曲性が共に優れたコート層を形成し得る硬化性組成物を提供することにある。
本発明は、(A)重合性二重結合を有するアクリル樹脂、(B)3個以上の重合性二重結合を有し、該重合性二重結合を含む基として下記一般式(2−1)又は(2−2)で表される一価の基を1個以上有する多官能重合性化合物、及び(C)下記一般式(3)で表されるアルキレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートを含む硬化性組成物に関する。
Figure 0006413423
式(2−1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、dは2〜4の整数を示し、eは1〜6の整数を示す。
Figure 0006413423
式(2−2)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、mは5であり、nは1〜4の整数を示す。
Figure 0006413423
式(3)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、fは2〜5の整数を示し、g及びhは1以上の整数を示し、g+hが2〜40である。
二重結合当量が、式:二重結合当量=分子量/同一分子中の重合性二重結合の数、によって定義されるときに、前記多官能重合性化合物の二重結合当量が130以上500以下であってもよい。上記多官能重合性化合物は、上記アクリル樹脂及び上記アルキレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートとは異なる化合物である。
重合性二重結合を有するアクリル樹脂と、オキシアルキレン基等に結合した(メタ)アクリロイル基を有する三官能以上の多官能重合性化合物と、アルキレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートとを重合性成分として組み合わせたことにより、耐擦傷性及び屈曲性が共に優れたプラスチックフィルムのコート層を形成することが可能となった。
上記アクリル樹脂の二重結合当量は、220以上2500以下であってもよい。これにより、耐擦傷性及び屈曲性を更に高いレベルで両立することができる。
上記アクリル樹脂の重量平均分子量は、5000以上200000以下であってもよい。これにより、耐擦傷性及び屈曲性を更に高いレベルで両立することができる。
前記多官能重合性化合物の二重結合当量が130以上300以下であってもよい。これにより、コート層の耐擦傷性の点で、より優れた効果が得られる。
アルキレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートにおけるfが2であってもよい。これにより、耐擦傷性及び屈曲性を更に高いレベルで両立することができる。
硬化性組成物は、(D)2個以上の重合性二重結合を有し、二重結合当量が130未満である低二重結合当量重合性化合物を更に含んでいてもよい。これにより、コート層の耐擦傷性の点で、より優れた効果が得られる。
硬化性組成物は、アクリル樹脂を8質量部以上40質量部以下、多官能重合性化合物を40質量部以上80質量部以下、アルキレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートを4質量部以上40質量部以下、低二重結合当量重合性化合物を、0.5質量部以上15質量部以下の比率で含んでいてもよい。これにより、耐擦傷性及び屈曲性の点で特に優れた効果を得ることができる。
光照射によりコート層を形成する場合、硬化性組成物は、(E)光重合開始剤を更に含んでいてもよい。
本発明の硬化性組成物は、プラスチックフィルム基材の表面を覆うコート層を形成するための硬化性コーティング組成物として用いることができる。
本発明の硬化性組成物によれば、耐擦傷性及び屈曲性の両方の点で優れた、プラスチックフィルム基材のコート層を形成することができる。本発明の硬化性組成物により形成されるコート層は、コート層を有するコートフィルムが切断されたときに端面のバリが生じ難く、加工性の点でも優れている。また、本発明の硬化性組成物によれば、無機材料の膜等の他の膜を必要とせずに、有機材料によって構成される単層によってコート層としての十分な機能を得ることが可能である。
例えば、本発明の硬化性組成物を硬化させて形成されるコート層をポリカーボネート(PC)フィルムの片面又は両面上に有するコートフィルムは、スチールウール#0000等による傷が生じ難く、かつ曲げられたときの割れ及びクラックが生じ難い。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。本明細書において、「(メタ)アクリル」の用語は、メタクリル又はアクリルを意味する。「(メタ)アクリレート」等の用語も同様である。
本実施形態に係る硬化性組成物は、(A)重合性二重結合を有するアクリル樹脂、(B)特定の構造を有する多官能重合性化合物、及び(C)アルキレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートを含む。硬化性組成物は、必要に応じ、(D)低い二重結合当量を有する二官能以上の重合性化合物、及び(E)光重合開始剤等の他の成分を更に含んでいてもよい。
(A)重合性二重結合を有するアクリル樹脂
重合性二重結合を有するアクリル樹脂は、例えば、(メタ)アクリル酸エステルをモノマー単位として含む共重合体からなる主鎖と、主鎖に結合し、重合性二重結合を含む側鎖とを有していてもよい。重合性二重結合を含む側鎖は、典型的には(メタ)アクリロイル基を含むが、これに限られない。
重合性二重結合を有するアクリル樹脂は、例えば、1種又は2種以上の(メタ)アクリル酸エステル(a1)と、反応性官能基を有する1種又は2種以上の重合性化合物(a2)との共重合により、反応性官能基を有するアクリル樹脂を得ることと、このアクリル樹脂の反応性官能基と反応する官能基及び重合性二重結合を有する1種又は2種以上の化合物(b)をアクリル樹脂と反応させて、アクリル樹脂の側鎖に重合性二重結合を導入することとを含む方法により、得ることができる。
(メタ)アクリル酸エステル(a1)は、例えば、直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレート、脂環式(メタ)アクリレート、芳香族(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシ(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート、アルコキシアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、及びジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種であってもよい。
直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、エチルへキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、及びトリデシル(メタ)アクリレートが挙げられる。
脂環式(メタ)アクリレートとしては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
芳香族(メタ)アクリレートとしては、例えばフェノキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
アルコキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えばエトキシエチル(メタ)アクリレート、及びブトキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
アルコキシ(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートとしては、例えば、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、及びメトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。
アルコキシアルコキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、及び2−エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレートとしては、例えば、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びN,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
重合性化合物(a2)は、エポキシ基及びヒドロキシル基からなる群より選ばれる1種以上の反応性官能基を有していてもよい。エポキシ基及びヒドロキシル基は、カルボキシル基、イソシアネート基等を有する化合物(b)との反応性が良好であるため、好適である。
反応性官能基としてエポキシ基を有する重合性化合物(a2)としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、及び3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。
反応性官能基としてヒドロキシル基を有する重合性化合物(a2)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、及び2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸エステル(a1)及び重合性化合物(a2)に加えて、他の重合性化合物をモノマー単位として含んでいてもよい。他の重合性化合物としては、例えば、スチレン及びビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物が挙げられる。
重合性二重結合を有する化合物(b)は、重合性化合物(a2)の反応性官能基(エポキシ基、ヒドロキシル基等)と反応する、カルボキシル基及びイソシアネート基等からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する。
カルボキシル基を有する化合物(b)の具体例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸の2量体(例えば、東亜合成株式会社製アロニックスM5600)、カプロラクトン変性(メタ)アクリル酸(例えば、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、東亞合成株式会社製アロニックスM5300)、水酸基を有する(メタ)アクリレートと無水カルボン酸との開環反応により得られる化合物(例えば、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、東亞合成株式会社製アロニックスM5400)、及びβ−アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート(例えば、新中村化学株式会社製NKエステル A−SA)が挙げられる。
イソシアネート基を有する化合物(b)の具体例としては、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(例えば、昭和電工株式会社製カレンズMOI)が挙げられる。
重合性二重結合を有するアクリル樹脂の二重結合当量が、220以上2500以下であってもよい。アクリル樹脂の二重結合当量が220未満であると、コートフィルムの屈曲性が低下する傾向がある。アクリル樹脂の二重結合当量が2500より大きいと、耐擦傷性が低下する傾向がある。同様の理由から、アクリル樹脂の二重結合当量は、230以上1000以下、又は240以上500以下であってもよい。
本明細書において、二重結合当量は、式:二重結合当量=分子量/同一分子中の二重結合の数、によって定義される。
上記式によって定義される二重結合当量の値は、例えば、JIS K0070(1992年制定)の方法によって測定されるヨウ素価に基づいて定量される試料中の二重結合の量と、試料の質量又は分子量とから見積もることができる。試料が複数の成分を含む可能性がある場合、必要に応じて各成分を分取し、分取された成分のヨウ素価を測定することによって、二重結合当量を求めてもよい。
重合性二重結合を有するアクリル樹脂の重量平均分子量は、5000以上200000以下であってもよい。アクリル樹脂の重量平均分子量が5000以上であるとより優れた擦傷性が得られ、アクリル樹脂の重量平均分子量が200000以下であるとより優れた屈曲性が得られる。硬化性組成物を透明プラスチックフィルムに塗布したときに優れた塗膜外観が得られる点で、アクリル樹脂の重量平均分子量は10000以上100000以下、又は10000以上60000以下であってもよい。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーション・クロマトグラフィーによって測定される標準ポリスチレン換算値を意味する。
(B)多官能重合性化合物
(B)成分として用いられる多官能重合性化合物は、3個以上の重合性二重結合を有する。重合性二重結合を含む基は、典型的には(メタ)アクリロイル基であるが、これに限られない。多官能重合性化合物は、重合性二重結合を含む基として、下記一般式(2−1)又は(2−2)で表される一価の基を1個、2個又は3個以上有していてもよい。重合性二重結合を含む基として式(2−1)又は(2−2)の基を導入したことにより、形成されるコート層の高い強度を維持しつつ、コート層が変形したときの応力を緩和することができる。その結果、コート層の優れた屈曲性が得られる。多官能重合性化合物が3個以上の重合性二重結合を有していることにより、コート層の耐擦傷性が向上する。多官能重合性化合物中の重合性二重結合の数は、6個以上9個以下であってもよい。多官能重合性化合物中の重合性二重結合の全てが式(2−1)又は(2−2)の基中に含まれていてもよいし、多官能重合性化合物が式(2−1)又は(2−2)の基以外に、重合性二重結合を含む基を有していてもよい。
Figure 0006413423
Figure 0006413423
式(2−1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、dは2〜4の整数を示し、eは1〜6の整数を示す。式(2−2)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、mは5であり、nは1〜4の整数を示す。
上記多官能重合性化合物の二重結合当量は、130以上500以下、130以上300以下、又は130以上250以下であってもよい。これにより、保護膜の耐擦傷性の点で、より優れた効果を得ることができる。
多官能重合性化合物として、アルキレンオキシド変性又はカプロラクトン変性多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステルを使用することにより、高い硬度を保ちながらも優れた柔軟性を有する保護膜をより容易に形成することができる。
本明細書において、「アルキレンオキシド変性」とは、アルコール化合物のヒドロキシル基にエチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加させて形成されるオキシエチレン基又はポリオキシエチレン基を有する化合物であることを意味する。エチレンオキシド変性を「EO変性」、プロピレンオキシド変性を「PO変性」と略記することがある。アルキレンオキシド変性多価アルコールに由来する多官能重合性化合物は、式(2−1)の一価の基を有する。
本明細書において、「カプロラクトン変性」は、アルコール化合物のヒドロキシル基をカプロラクトン(ε−カプロラクトン等)と反応させて形成される二価の基を有する化合物であることを意味する。カプロラクトン変性多価アルコールに由来する多官能重合性化合物は、式(2−2)で表される一価の基を有する。
アルキレンオキシド変性又はカプロラクトン変性多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステルは、例えば、下記一般式(20)で表される。
(HO)−R10−(O−Z) (20)
式(20)中、R10は3個以上のヒドロキシル基を有する多価アルコールの残基(ヒドロキシル基を除いた部分)を示し、Zは式(2−1)若しくは(2−2)で示される一価の基、又はこれら以外の重合性二重結合を有する一価の基を示し、xは3以上の整数を示し、yは0以上の整数を示し、x+yはR10の価数に等しい。一分子中の複数のZは同一でも異なっていてもよく、複数のZのうち1個以上は、式(2−1)又は(2−2)で示される一価の基である。x+y(多価アルコールのヒドロキシル基の総数)は3〜12であってもよく、xは3〜9であってもよい。
10に対応する多価アルコールは、例えば、ポリグリセリン、ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール及びトリメチロールプロパンからなる群より選ばれる少なくとも1種であり得る。
多官能重合性化合物の具体例としては、アルキレンオキシド変性又はカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、アルキレンオキシド変性又はカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキレンオキシド変性又はカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アルキレンオキシド変性又はカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、アルキレンオキシド変性又はカプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アルキレンオキシド変性又はカプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及びアルキレンオキシド変性又はカプロラクトン変性ポリグリセリンのポリアクリレートが挙げられる。これらの化合物は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。例えば、アルキレンオキシド変性又はカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートと、アルキレンオキシド変性又はカプロラクトン変性ポリグリセリンのポリアクリレートとを併用してもよい。
(C)アルキレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート
アルキレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートは、下記一般式(3)で表される、オキシアルキレン基を含む構造を有する。
Figure 0006413423
式(3)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、fは2〜5の整数を示し、g及びhは1以上の整数を示し、g+hが2〜40である。fは2又は3であってもよい。すなわち、アルキレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートは、エチレンオキシド変性(EO変性)又はプロプレンオキシド変性(PO変性)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートであってもよい。g+hは10以上40以下、又は25以上35以下であってもよい。g+hがこれらの範囲内であると、応力緩和性が高められた、特に優れた屈曲性を有するコート層を得ることができる。硬化性組成物は、式(3)で表される化合物を、1種又は2種以上含むことができる。
(A)〜(C)成分の含有量
硬化性組成物は、(A)重合性二重結合を有するアクリル樹脂を、8質量部以上40質量部以下、10質量部以上25質量部以下、又は12質量部以上20質量部以下の比率で含んでいてもよい。アクリル樹脂の量がこの範囲であると擦傷性と屈曲性が更に高いレベルで両立できる。アクリル樹脂の量が8質量部未満の場合であると屈曲性が相対的に低下する傾向がある。アクリル樹脂の量が40質量部より多いと耐擦傷性が相対的に低下する傾向がある。
硬化性組成物は、(B)多官能重合性化合物を、40質量部以上80質量部以下、45質量部以上73質量部以下、又は58質量部以上69質量部以下の比率で含んでいてもよい。多官能重合性化合物の量が範囲であると擦傷性と屈曲性が更に高いレベルで両立できる。多官能性重合性化合物の量が40質量部未満であると耐擦傷性が相対的に低下する傾向がある。多官能性重合性化合物の量が80質量部より多いと屈曲性が相対的に低下する傾向がある。
硬化性組成物は、(C)アルキレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートを、4質量部以上40質量部以下、5質量部以上30質量部以下、又は10質量部以上20質量部以下の比率で含んでいてもよい。アルキレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートの量がこの範囲にあることで擦傷性と屈曲性が更に高いレベルで両立できる。アルキレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートの量が4質量部未満であると屈曲性が相対的に低下する傾向がある。アルキレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートの量が40質量部より多いと耐擦傷性が相対的に低下する傾向がある。
これらの比率は、硬化性組成物の全質量、又は硬化性組成物が溶剤を含む場合は硬化性組成物から溶剤を除いた成分の全質量を100質量部として、調整することができる。これは他の成分の比率に関しても同様である。
(D)低二重結合当量重合性化合物
硬化性組成物は、2個以上の重合性二重結合を有し、低い二重結合当量を有する重合性化合物(低二重結合当量重合性化合物)を含んでいてもよい。具体的には、この重合性化合物の二重結合当量は、130未満であってもよく、80以上であってもよい。低い二重結合当量を有する、すなわち高密度で重合性二重結合を有する重合性化合物は、硬化膜の耐擦傷性のより一層の向上に寄与することができる。
低二重結合当量重合性化合物は、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、及びウレタン(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含んでいてもよい。
多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステルとしては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、1個又は2個以上のウレタン基と、2個以上の(メタ)アクリロイル基とを有する。ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と、ヒドロキシル基及び(メタ)アクリロイル基を有するヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとの反応により、得ることができる。
ウレタン(メタ)アクリレートを形成するために用いられるポリイソシアネート化合物の具体例としては、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水素添加されたトリレンジイソシアネート、水素添加されたキシリレンジイソシアネート、水素添加されたジフェニルメタンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、ビフェニレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、及びそれらの2量体又は3量体が挙げられる。2量体として、例えば、ジヘキサメチレンジイソシアネート付加縮合体(ヘキサメチレンジイソシアネートの2量体)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート付加縮合体(トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの2量体又は3量体)が挙げられる。ポリイソシアネート化合物として、IPDI、及び/又はジヘキサメチレンジイソシアネート付加縮合体を選択することができる。
ウレタン(メタ)アクリレートを形成するために用いられるヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、及びジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリル酸エステル及びこれらのエチレンオキシド及びカプロラクトン変性物が挙げられる。特に、優れた硬化膜物性を与えるという理由から、ポリイソシアネート化合物と、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種のヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとの反応により得られるウレタン(メタ)アクリレートを使用することができる。ポリイソシアネート化合物として、イソホロンジイソシアネートを選択することもできる。
硬化性組成物は、低二重結合当量重合性化合物を、0.5質量部以上15質量部以下、1質量部以上10質量部以下、又は1質量部以上5質量部以下の比率で含んでいてもよい。低二重結合当量重合性化合物の量がこの範囲であることで優れた屈曲性を維持しながらも耐擦傷性をより一層向上させることができる。低二重結合当量重合性化合物の量が15質量部より多いと、屈曲性が相対的に低下する傾向がある。
(E)光重合開始剤
硬化性組成物は、塗膜を硬化させるなどの目的のために、光重合開始剤を含んでもよい。
光重合開始剤は、光照射により分解してラジカルを発生して重合を開始させることができる化合物であれば、特に制限されない。光重合開始剤の具体例としては、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、及びオリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)が挙げられる。これらの化合物は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
硬化性組成物は、光重合開始剤を、0.01質量部以上10質量部以下、0.1質量部以上6質量部以下、又は1質量部以上5質量部以下の比率で含んでいてもよい。光重合性化合物の量がこの範囲であることで特に良好な光重合性が得られる。
(溶剤)
硬化性組成物は、粘度、塗工性、及び塗膜の厚さ調整等の目的のために、各成分を溶解又は分散する溶剤を更に含んでいてもよい。
溶剤の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;イソプロピルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキベンゼン等の芳香族炭化水素類;フェノール、パラクロロフェノール等のフェノール類;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類が挙げられる。これら溶媒は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(その他添加剤)
硬化性組成物は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、その他の成分を含んでいてもよい。
例えば、硬化性組成物が、屈折率などの光学特性の調節、又はアンチブロッキング性を高めるために、無機微粒子を含んでもよい。無機微粒子の平均粒子径は、1〜1000nm、又は5〜200nmであってもよい。無機微粒子は、例えば、二酸化ケイ素粒子、酸化錫粒子、炭酸カルシウム粒子、酸化ジルコニウム粒子、タルク、カオリン、硫酸バリウム粒子、二酸化チタン粒子、酸化アルミニウム粒子および硫酸カルシウム粒子などが挙げられる。二酸化チタン粒子、酸化アルミニウム粒子、二酸化ケイ素粒子、及び酸化ジルコニウム粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種であり得る。無機微粒子は、表面処理されていてもよい。
硬化性組成物は、防汚剤、難燃剤、酸化防止剤、分散剤、紫外線吸収剤、顔料、可塑剤、界面活性剤、チクソトロピー化剤等を含んでいてもよい。これら添加剤は1種、又は2種類以上を併用してもよい。
(コートフィルム)
本実施形態に係る硬化性組成物は、プラスチックフィルム基材(特に、透明プラスチックフィルム基材)の表面を覆うコート層を形成して、プラスチックフィルム基材及びコート層から構成されるコートフィルムを得るための硬化性コーティング組成物として好適に使用できる。あるいは、硬化性組成物は、プラスチックフィルム基材の表面を覆うハードコート層を形成して、ハードコートフィルムを得るためのハードコート剤として用いることができる。
プラスチックフィルム基材の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、含ノルボルネン樹脂、ポリエーテルスルホン、セロファン、芳香族ポリアミド又はこれらの組み合わせのフィルムが挙げられる。
必要に応じて、密着性向上等の理由から、プラスチックフィルム基材に、コロナ処理、プラズマ処理といった表面処理が施されていてもよい。同じ理由から、プラスチックフィルム基材に下塗り剤(プライマー)を塗布してもよい。
プラスチックフィルム基材の厚さは、特に制限されないが、10〜300μmであってもよい。コート層の厚さは、0.5〜50μmであってもよい。
コート層は、プラスチックフィルム基材の片面上に設けられていてもよいし、プラスチックフィルム基材の両面上に設けられていてもよい。コート層は、プラスチックフィルム基材の表面の全面を覆っていてもよいし、一部を覆っていてもよい。コート層とプラスチック基材との間に何らかの層(プライマー層等)が設けられていてもよい。
コートフィルムは、例えば、プラスチックフィルム上に硬化性組成物の膜を形成する工程と、硬化性組成物の膜から必要に応じて溶剤を除去してから、活性エネルギー線等によって硬化性組成物を硬化させて、硬化性組成物の硬化膜をコート層として形成させる工程とを含む方法により、製造することができる。
硬化性組成物の膜を形成する方法、又は硬化性組成物をプラスチックフィルム基材に塗布する方法としては、通常の塗工方式又は印刷方式を適用することができる。具体的には、例えば、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング、スロットオリフィスコーティング、エアドクターコーティング、バーコーティング、ブレードコーティング、ダムコーティング、及びダイコーティング等のコーティング、並びに、グラビア印刷等の凹版印刷、及びスクリーン印刷等の孔版印刷を含む印刷が利用できる。
硬化性組成物を硬化させるための活性エネルギー線は、紫外線、電子線等を使用することができる。加熱により硬化性組成物を硬化させてもよい。この場合、硬化性組成物が熱ラジカル重合開始剤を含んでいてもよい。
本実施形態に係る硬化性組成物から形成された硬化膜(コート層)は、優れた耐擦傷性を有する。耐擦傷性は、例えば、コート層の表面に対して、所定の荷重で#0000スチールウールを押し付けながら、スチールウールを往復させたときに、コート層の表面の傷を目視で確認する方法により、評価することができる。荷重を段階的に高めたときに、表面に傷が確認されなかった荷重の最大値に基づいて、耐擦傷性を定量できる。この最大値は、タッチパネルなどの画像表示装置の製造工程におけるフィルム表面の傷付きを防ぐために、150gf以上、200gf以上、又は250gf以上であってもよい。この値がこれら下限値以上であると、フィルム搬送時のコート層と金属シャフトなどとの磨耗による傷付きを特に効果的に防ぐことができる。本実施形態に係る硬化性組成物によれば、このような優れた耐擦傷性を有するコート層を形成することができる。耐擦傷性の値の上限は、特に制限されないが、通常、2000gf以下である。
本実施形態に係る硬化性組成物から形成されたコート層を有するコートフィルムは、優れた屈曲性を有しており、折り曲げられたときの割れを生じにくい。コートフィルムの屈曲性は、所定の直径を有するマンドレル又はピアノ線に、コートフィルムをコート層を外側にして巻き付け、巻き付けられた部分のコートフィルムにおけるクラックの有無を目視で確認する方法(円筒形マンドレル法)により、評価することができる。マンドレル又はピアノ線の直径を段階的に小さくしたときに、クラックが生じなかったマンドレル又はピアノ線の直径の最小値に基づいて、屈曲性を定量することができる。円筒形マンドレル法による屈曲性試験においてクラックが生じるマンドレル又はピアノ線の直径は、1.5mm未満、1mm未満、又は0.5mm未満であってもよい。この屈曲性の値がこれらの範囲にあると、フィルムのスリット切断加工又は打抜き加工等の際に発生するクラックを特に効果的に防ぐことができる。このような屈曲性を有するコートフィルムであれば、タッチパネルなどの画像表示装置の製造工程において、硬化膜が割れたり、切断の端部にバリが生じることを、特に効果的に防ぐことができる。屈曲性の値の下限は、特に制限されないが、例えば0.01mm以上であってもよい。
硬化性組成物を硬化させて形成されるコート層は、透明であってもよい。具体的には、コート層のヘイズが1%以下であってもよい。
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
1.二重結合当量
高分子アクリルアクリレート(アクリル樹脂)の二重結合当量は、合成に用いたアクリル酸のモル数を高分子アクリルアクリレート中の重合性二重結合の数とみなして、式:二重結合当量=(合成に用いたモノマーの総質量部)/(合成に用いたアクリル酸のモル数)によって算出した。この式により算出される二重結合当量は、合成された高分子アクリルアクリレートの二重結合当量の平均値に相当するとみなすことができる。
(B)〜(D)成分については、下記式に基づいて二重結合当量を算出した。
二重結合当量=重量平均分子量(メーカー報告値)/同一分子中の重合性二重結合の数
2.原材料
(A)重合性二重結合を有するアクリル樹脂(高分子アクリルアクレート)の合成
(合成例1)
グリシジルメタクリレート(GMA)80質量部、メチルメタクリレート(MMA)18質量部、及びエチルアクリレート(EA)2質量部を、メチルイソブチルケトン(MIBK)中で常法に従って溶液重合させて、グリシジルメタクリレートに由来するエポキシ基を有するアクリル樹脂を合成した。得られたアクリル樹脂のエポキシ基とアクリル酸との反応により、アクリロイルオキシ基を有するアクリル樹脂(高分子アクリルアクリレート)を得た。重合反応に用いたGMA1当量に対して、1当量のアクリル酸を反応に用いた。得られた高分子アクリルアクリレートの重量平均分子量は15000であり、二重結合当量は256であった。
高分子アクリルアクリレートの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定される、標準ポリスチレン検量線によって換算して得た値である。GPC法の測定条件は以下の通りである。以下の合成例における高分子アクリレートの重量平均分子量は同じ条件で測定した。
装置:東ソー株式会社製 HLC−8320GPC(RI検出器内蔵)
検出器:RI(示差屈折計)
溶媒:純正1級THF(テトラヒドロフラン)
ガードカラム:TSK−guardcolumn SuperMP(HZ)−H(1本)
ガードカラムサイズ:4.6mm(ID)×20mm
カラム:東ソー株式会社製 TSK−GELSuperMulitipore HZ−H(3本連結)
カラムサイズ:4.6mm(ID)×150mm
温度:40℃
試料濃度:0.01g/5mL
注入量:10μL
流量:0.35mL/min
(合成例2)
各重合性化合物の量を以下のように変更したこと以外は合成例1と同様にして、高分子アクリルアクリレートA2(重量平均分子量:15000、二重結合当量:220)を合成した。
GMA:99質量部/MMA:0.5質量部/EA:0.5質量部
(合成例3)
各重合性化合物の量を以下のように変更したこと以外は合成例1と同様にして、高分子アクリルアクリレートA3(重量平均分子量:15000、二重結合当量:2480)を合成した。
GMA:6.1質量部/MMA:81.9質量部/EA:2質量部
(合成例4)
熱ラジカル重合開始剤の量を合成例1よりも増やして、重量平均分子量を4900に調整したこと以外は合成例1と同様にして、高分子アクリルアクリレートA4(二重結合当量:256)を合成した。
(合成例5)
熱ラジカル重合開始剤の量を合成例1よりも減らして、重量平均分子量を210000に調整したこと以外は合成例1と同様にして、高分子アクリルアクリレートA5(二重結合当量:256)を合成した。
(B)〜(E)成分
B、C、D及びE成分として以下を使用した。
(B)多官能重合性化合物
B1:カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製、KAYARAD DPCA−20、カプロラクトン2モル付加(式(2−2)におけるnが一分子中の合計で平均2)、六官能)
B2:エチレンオキシド変性ポリグリセリンポリアクリレート(新中村化学工業株式会社製、NKエコノマー A−PG5027E、エチレンオキシド27モル付加(式(2−1)におけるeが一分子中の合計で平均27)、九官能)
B3:エチレンオキシド変性ポリグリセリンポリアクリレート(新中村化学工業株式会社製 NKエコノマー A−PG5054E、エチレンオキシド54モル付加(式(2−1)におけるnが一分子中の合計で平均54)、九官能)
(C)アルキレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート
C1:EO変性ビスフェノールAジアクリレート(日立化成株式会社製 ファンクリル FA−323A、式(3)におけるRが水素原子、fが2、g+hが30である化合物)
C2:EO変性ビスフェノールAジアクリレート(日立化成株式会社製 ファンクリル FA−324A、式(3)におけるRが水素原子、fが2、g+hが4である化合物)
C3:PO変性ビスフェノールAジアクリレート(第一工業製薬株式会社製 ニューフロンティア BPP−4、式(3)におけるRが水素原子、fが3、g+hが4である化合物)
(D)低二重結合当量モノマー
D1:10官能ウレタンアクリレート(二重結合当量:116、日立化成株式会社製 ヒタロイド HA7909−1)
D2:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(二重結合当量:96、六官能、新中村化学工業株式会社製 NKエステル A−DPH)
(E)光開始剤
E1:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製 IRGACURE184)
3.硬化性組成物の調製
各成分を、表1〜6に示す比率で溶媒としてのMIBK150質量部に加え、40℃で1時間攪拌して、均一な硬化性組成物を得た。表中の数値は質量部であり、「固形分合計」は、硬化性組成物の溶剤以外の成分の合計を意味する。
4.評価
得られた硬化性組成物を、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ株式会社製 ルミラーU46 膜厚50μm)、又はポリカーボネート(PC)フィルム(三菱ガス化学株式会社製 ユーピロン FE2000 膜厚100μm)上にバーコーターを用いて塗布した。塗膜を80℃の熱風式乾燥機中で1分間乾燥して硬化性組成物の膜(膜厚2μm)を形成した。その後、コンベア式高圧水銀灯を用いて、窒素雰囲気下、積算光量400mJ/cm、照度300mW/cmで照射して硬化性組成物を硬化させることで、PETフィルム又はPCフィルムの片面を覆うコート層として、硬化性組成物の硬化膜を形成させた。
基材(PETフィルム又はPCフィルム)及び硬化性組成物の硬化膜(コート層)を有する各コートフィルムに関して、以下の評価を行った。評価結果を表1〜6に示す。
耐擦傷性
新東科学株式会社製 表面性測定機 HEIDON TYPE:14FWを用いてコート層の表面に対して、所定の荷重で#0000スチールウールを押し付けながら、スチールウールを2000mm/分の速度で20mmの距離を10往復させた。その後、コート層表面の傷つきの状態を目視にて確認し、傷が確認されなかった荷重の最大値に基づいて、以下の基準で耐擦傷性を判定した。3以上と判定されるコートフィルムが合格と判断される。
1:100gf未満
2:100gf以上150gf未満
3:150gf以上200gf未満
4:200gf以上250gf未満
5:250gf以上
屈曲性
円筒形マンドレル法(JIS K5600−5−1、1999年制定)に基づいて、屈曲性を評価した。マンドレル又はピアノ線に、コートフィルムをコート層を外側にして巻き付け、巻き付けられた部分のコートフィルムにおけるクラックの有無を目視で確認した。2mm未満の直径で評価する際はマンドレルの代わりにピアノ線を用いた。クラックが確認されなかったマンドレル又はピアノ線の直径の最小値に基づいて、以下の基準で屈曲性を判定した。3以上と判定されるコートフィルムが合格と判断される。
1:直径が2mm以上
2:1.5mm以上2mm未満
3:1mm以上1.5mm未満
4:0.5mm以上1mm未満
5:0.5mm未満
Figure 0006413423
Figure 0006413423
Figure 0006413423
Figure 0006413423
Figure 0006413423
Figure 0006413423
表1〜6に示されるように、特定の重合性化合物の組み合わせを含む各実施例の硬化性組成物によれば、耐擦傷性及び屈曲性に優れ、傷つき、クラック、及び割れが発生しがたいコートフィルムが得られることが確認された。実施例の硬化性組成物によれば、150gfの高い荷重で接触するスチールウールにも耐える優れた耐擦傷性と、1.5mm未満の屈曲性を両立するコート層を形成することができた。
(比較例15)
ウレタンアクリレート(日本合成化学工業株式会社製 紫光 UV1700−B)70質量部及びシリカ微粒子30質量部を含む硬化性組成物を、ポリカーボネート(PC)フィルム(三菱ガス化学株式会社製 ユーピロン FE2000 膜厚100μm)上にバーコーターを用いて塗布し、塗膜を光量200mJの光照射で硬化させて、厚み3μmのコート層を有するコートフィルムを作製した。得られたコートフィルムに関して、上記と同様に耐擦傷性及び屈曲性の評価を行った結果、耐擦傷性は5で、屈曲性は1であった。このように、シリカ微粒子等を用いて高い硬度の単層のコート層を形成した場合、優れた耐擦傷性は得られるものの、屈曲性が大きく低下する。
以上説明したように、本発明の硬化性組成物は、プラスチックフィルム基材用コーティング組成物として好適である。
本発明の硬化性組成物は、活性エネルギー線等によって硬化してプラスチックフィルム基材の表面上にコート層を形成するための硬化性コーティング組成物として好適に用いることができる。
本発明の硬化性組成物は、各種フィルムの表面傷付防止用コート層を形成するためのコーティング組成物、インプリント成型用硬化性組成物、インモールド成型用硬化性組成物、又は、飛散防止フィルムのコート層を形成するためのコーティング組成物として用いることができる。本発明の硬化性組成物は、COPフィルムの表面上に設けられるコート層を形成するためのコーティング組成物としても好適に用いることができる。
本発明に係る硬化性組成物は、耐擦傷性とあわせて、屈曲性、柔軟性、低硬化収縮率などが要求される用途のフィルム部材のコート層を形成するためのコーティング組成物として好適である。
例えば、PETフィルム、PCフィルム又はPMMAフィルム上に本発明の硬化性組成物の硬化膜を形成させて得られるコートフィルムは、各種光学フィルム、インモールド成型用フィルム、インプリント形状転写用フィルム等として好適に使用できる。言い換えると、本発明の硬化性組成物を、各種光学フィルム用コーティング組成物、インモールド成型用硬化性組成物、インプリント形状転写用硬化性組成物等として用いることができる。
トリアセテートセルロース(TAC)フィルム上に本発明の硬化性組成物の硬化膜を形成させて得られるコートフィルムは、偏光板などとして好適に使用できる。言い換えると、本発明の硬化性組成物を、偏光板用コーティング組成物として用いることができる。
COPフィルム上に本発明の硬化性組成物の硬化膜を形成させて得られるコートフィルムは、位相差フィルム、透明導電フィルムの支持基材等として好適に使用できる。言い換えると、本発明の硬化性組成物を、位相差フィルム用コーティング組成物、透明導電フィルムの支持基材用コーティング組成物等として用いることができる。
PENフィルム上に本発明の硬化性組成物の硬化膜を形成させて得られるコートフィルムは、有機ELディスプレイの電子回路基板等として好適に使用できる。言い換えると、本発明の硬化性組成物を、有機ELディスプレイの電子回路基板用コーティング組成物として用いることができる。
PPフィルム、又はPEフィルム上に本発明の硬化性組成物の硬化膜を形成させて得られるコートフィルムは、建材フィルム等として好適に使用できる。言い換えると、本発明の硬化性組成物を、建材フィルム用コーティング組成物として用いることができる。
PIフィルム上に本発明の硬化性組成物の硬化膜を形成させて得られるコートフィルムは、各種絶縁材料として好適に使用できる。言い換えると、本発明の硬化性組成物を、絶縁材料用コーティング組成物として用いることができる。

Claims (9)

  1. (A)重合性二重結合を有するアクリル樹脂、
    (B)3個以上の重合性二重結合を有し、該重合性二重結合を含む基として下記一般式(2−1)又は(2−2)で表される一価の基を1個以上有する多官能重合性化合物、及び(C)下記一般式(3)で表されるアルキレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートを含み、
    Figure 0006413423

    (式(2−1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、dは2〜4の整数を示し、eは1〜6の整数を示す。)
    Figure 0006413423

    (式(2−2)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、mは5であり、nは1〜4の整数を示す。)
    Figure 0006413423

    (式(3)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、fは2〜5の整数を示し、g及びhは1以上の整数を示し、g+hが2〜40である。)
    二重結合当量が、式:二重結合当量=分子量/同一分子中の重合性二重結合の数、によって定義されるときに、前記多官能重合性化合物の二重結合当量が130以上500以下であり、
    前記多官能重合性化合物が、前記アクリル樹脂とは異なる化合物である、
    硬化性組成物であって、
    前記アクリル樹脂を8質量部以上40質量部以下、
    前記多官能重合性化合物を40質量部以上80質量部以下、
    前記アルキレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートを4質量部以上40質量部以下の比率で含む、硬化性組成物
  2. 前記アクリル樹脂の二重結合当量が220以上2500以下である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記アクリル樹脂の重量平均分子量が5000以上200000以下である、請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記多官能重合性化合物の二重結合当量が130以上300以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  5. 式(3)におけるfが2である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  6. (D)2個以上の重合性二重結合を有し、二重結合当量が130未満である低二重結合当量重合性化合物を更に含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  7. (D)2個以上の重合性二重結合を有し、二重結合当量が130未満である低二重結合当量重合性化合物を、0.5質量部以上15質量部以下の比率で含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  8. (E)光重合開始剤を更に含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  9. プラスチックフィルム基材の表面を覆うコート層を形成するために用いられる硬化性コーティング組成物である、請求項1〜のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
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