JP6418404B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、画像形成装置に関する。
従来より、画像形成装置には、現像ローラー、感光体ドラム、転写ローラー及び定着ローラーなど様々な回転体が搭載されている。これらの回転体は、ギアを介して駆動源であるモーター等に連結されている。ギアは、所定壁面から突出する樹脂製のボス部に回転可能に支持されている(例えば、特許文献1参照)。ボス部やギアには、潤滑剤としてグリースが塗布されている。
特開2006−208941号公報
しかしながら、上述のようにギアをボス部により支持するようにした場合、ボス部の外周面における所定壁面との接続部に応力集中が生じる。この応力集中部に、ギアの回転に伴って飛散したグリースが付着すると、時間が経過するに連れて該応力集中部に割れ(以下、ケミカル破壊という)が生じるという問題がある。このケミカル破壊は、樹脂部材に対して応力が作用することにより樹脂部材の分子間に隙間が生じ、この隙間にグリースが浸透して分子間凝集力が低下し分子間をグリースがすり抜けることにより生じる。ケミカル破壊を防止するためにはグリースとボス部に生じる応力集中とのいずれかを取り除けばよい。しかし、グリースはギアの潤滑性を維持する上で必要不可欠であり、また上記応力集中についてもボス部の形状に起因するためこれを回避するのは困難である。
そこで、樹脂部材の中でも比較的ケミカル破壊を起こし難い結晶性樹脂を用いてボス部を形成することが考えられる。しかし、樹脂部材が結晶性樹脂に限定されてしまうと、コスト面及び性能面でのデメリットを生じる虞がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、樹脂部材からなるボス部とボス部に支持されるギアとを備えた画像形成装置において、ボス部の応力集中部にケミカル破壊が生じるのを、樹脂部材の種類に拘わらず確実に防止することにある。
本発明の一局面に係る画像形成装置は、所定壁面から突出する円筒状の樹脂部材からなるボス部と該ボス部に回転可能に支持されたギアとを備えた画像形成装置を対象とする。
そして、上記ボス部の外周面における上記所定壁面との接続部である応力集中部には、接着剤成分と親水性成分との混合成分が塗布されている、画像形成装置。
本発明によれば、樹脂部材からなるボス部とボス部に支持されるギアとを備えた画像形成装置において、ボス部の応力集中部にケミカル破壊が生じるのを、樹脂部材の種類に拘わらず確実に防止することができる。
図1は、実施形態における画像形成装置を示す概略図である。 図2は、ギアの支持構造を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
《実施形態》
図1は、本実施形態における駆動装置を備えた画像形成装置1を示している。画像形成装置1は、本実施形態ではモノクロレーザープリンターからなる。
この画像形成装置1は、給紙部10、作像部20、定着部40、排紙部50、及び筐体60を有している。給紙部10から排紙部50に至る用紙搬送路Tには、用紙Pを挟持して搬送する複数の搬送ローラー対11〜13が配置されている。
上記給紙部10は、筐体60内の下部に配置されている。給紙部10は、シート状の用紙Pが収容される給紙カセット10aと、該給紙カセット10a内の用紙Pを取り出して該カセット外に送り出すためのピックアップローラー10bとを有している。給紙カセット10aよりカセット外に送り出された用紙Pは、搬送ローラー対11を介して作像部20に供給される。
作像部20は、感光体ドラム21、帯電器23、露光装置25、現像装置27、転写器29、及びトナーコンテナ(図示省略)を有している。作像部20では、帯電器23によって感光体ドラム21の周面を帯電させた後、露光装置25によって感光体ドラム21の表面に原稿画像データ(例えば、外部端末より受信した原稿画像の画像データ)に基づくレーザー光を照射することで静電潜像を形成する。感光体ドラム21の表面に形成(担持)された静電潜像は、現像装置27によりトナー像として現像される。現像装置27によって現像されたトナー像は、転写器29によって、給紙部10から供給される用紙Pに対して転写される。該転写後の用紙Pは、転写器29の転写ローラー29aと感光体ドラム21とよって定着部40に供給される。
定着部40は、加熱ローラー41と、該加熱ローラー41に対して所定の圧接荷重で圧接される加圧ローラー42とを有している。加熱ローラー41の内側には加熱手段であるハロゲンランプ(図示省略)が配置されている。このハロゲンランプから発せられた熱により加熱ローラー41の周面が加熱される。
定着部40は、上記作像部20より供給される用紙Pを加熱ローラー41及び加圧ローラー42間で加圧及び加熱することにより、当該用紙Pにトナー像を定着させる。そして、定着部40にてトナー像が定着された用紙Pは、上記両ローラー41,42により下流側へと送り出される。この送り出された用紙Pは、用紙搬送路Tに沿って設けられた複数の搬送ローラー対12,13によって、筐体60の上面に形成された排紙部50に排出される。
上記搬送ローラー対11〜13は駆動装置によって回転駆動される。この駆動装置は、動力源であるモーターと、モーターの駆動力を駆動プーリー(図示省略)に伝達するためのギア14とを有している。
図2に示すように、ギア14の内周面は、樹脂フレーム15の側壁面15aに形成されたボス部15bの外周面に対して摺動自在に嵌合されている。そうして、ギア14はボス部15bに対して回転自在に支持されている。
上記ボス部15bは、円筒状をなしていて樹脂フレーム15に一体成形されている。ボス部15bは、樹脂フレーム15の側壁面15aから装置内方側に向かって水平に突出している。ギア14の歯面と、ギア14及びボス部15bの摺動部とには、潤滑性を確保するためにグリースが塗布されている。
ここで、ボス部15bの外周面における樹脂フレーム15との接続部(以下、応力集中部という)Cには応力集中が生じる。この応力集中部Cは、ボス部15bの軸方向から見てボス部15bの外周を囲む円形状をなしている。この応力集中部にグリースが付着すると、時間の経過に伴い該応力集中部Cに割れが生じるという問題がある。この割れはケミカル破壊とも称される。ケミカル破壊は、樹脂部材に対して応力が作用することにより樹脂部材の分子間に隙間が生じ、この隙間にグリースが浸透して分子間凝集力が低下しグリースが分子間をすり抜けることで生じる。
本実施形態では、このケミカル破壊を防止するべく、ボス部15bの外周面の応力集中部Cを含む所定領域R(図2参照)に、接着剤成分と親水成分との混合成分を塗布するようにした。このように混合成分中に親水成分を含ませることで、混合成分に撥油性を付与することができる。よって、応力集中部Cにグリースなどの溶剤が浸透するのを防止し、該応力集中部Cにケミカル破壊が生じるのを確実に防止することができる。またボス部15bを構成する樹脂部材として、結晶性樹脂(PP : ポリプロピレン、PE : ポリエチレン、POM : ポリアセタール等)に比べてケミカル破壊が生じ易い非結晶性樹脂(PS : ポリスチレン、ABS、PC : ポリカーボネート等)を使用したとしても、上記親水成分の撥油作用によってケミカル破壊の発生を確実に抑制することができる。よって、樹脂部材が非結晶性樹脂に限定されない分だけ材料の選択技が増し、コスト面及び性能面でより有利な製品設計が可能となる。
ここで、混合成分中の親水成分の質量比率が接着剤成分に比べて高いと、接着剤成分によって親水成分をボス部15b表面に十分に固着させることができず、ボス部15b表面における撥油性(親水性)が不足する。一方、混合成分中の親水成分の質量比率が接着剤成分に比べて過度に低いと、親水成分のボス部15b表面に対する固着性は向上するものの、親水成分の絶対量が不足しているので、ボス部15bの表面における撥油性(親水性)を十分に確保することができない。発明者らは鋭意研究の上、接着剤成分と親水成分との質量比率が1:10〜5:5の範囲内であれば、ボス部15b表面における親水成分の接着性確保と親水成分の絶対量確保との両立が可能であるとの実験結果を得た。この実験の詳細については後述する。
図2に示すように、混合成分を塗布する所定領域Rは、ボス部15bの外周面における側壁面15aとの接続位置(応力集中部C)からボス軸方向にT/2だけ離間した位置までの領域である。ここで、Tは、ボス部15bの外周面における側壁面15aとの接続位置からボス部15bの外周面におけるギア14の支持領域Gまでの距離である。
この構成によれば、混合成分が塗布される所定領域Rとギア支持領域Gとの間に十分な間隔が空いているので、所定領域Rに塗布された混合成分が支持領域Gに付着するのを防止することができる。したがって、混合成分がギア14の内周面とボス部15bの外周面との間の僅かな隙間に侵入してギア14の回転摩擦力が増加するのを防止することができる。また応力集中部Cにのみ混合成分を塗布する場合に比べて混合成分の塗布範囲が広いのでその塗布作業を容易に行うことができる。
<実施例>
次に、実施例1〜3及び比較例のそれぞれについて行ったケミカル破壊試験の結果を説明する。実施例1では、混合成分中の接着剤成分と親水成分との質量比率を1:10とし、実施例2では、混合成分中の接着剤成分と親水成分との質量比率を5:5とし、実施例3では、混合成分中の接着剤成分と親水成分との質量比率を5:1とした。比較例では、応力集中部Cに混合成分を塗布しなかった。各実施例及び比較例において、親水性材料として水分散性シリカ剤を使用した。主成分はシリカ、アクリル、水酸化ナトリウムである。接着剤成分としてPVA系の接着剤を用いた。ボス部15bを形成する樹脂材料には、非結晶性樹脂であるABS樹脂を使用した。混合成分の塗布範囲は、上記実施形態で説明したように、ボス部15bの外周面における側壁面15aとの接続位置からT/2の範囲、つまり上記所定領域R内とした。そして、混合成分を所定領域Rに塗布して、混合成分中の接着剤成分を十分に乾燥させた後、ボス部15bの外周面における応力集中部Cにグリースを塗布した。グリースとしては合成炭化水素油系のグリースを使用した。そして、ボス部15bの先端部のギア支持領域Gに10Nの剪断荷重(ボス部15bの軸方向に直交する方向の荷重)を加えて一晩放置し、応力集中部Cにケミカル破壊が発生しているか否かをルーペを用いて目視で確認した。
その結果、実施例1、実施例2では、ケミカル破壊(割れ)は一切確認されず、比較例ではケミカル破壊(割れ)の発生が確認された。実施例3では、ケミカル破壊の発生が確認されたもののその大きさは比較例に比べて十分に小さいものであった。この実験結果によれば、ボス部15bの応力集中部に親水成分と接着剤成分との混合成分を塗布することで、ケミカル破壊の発生が抑制されていることがわかる。また、混合成分中における親水成分と接着剤成分との質量比率を1:10〜5:5(実施例1及び実施例2)の範囲内にすると、質量比率がその範囲外(例えば実施例3)である場合に比べて、ケミカル破壊の抑制効果がより一層高いことがわかる。
《他の実施形態》
上記実施形態では、画像形成装置1がモノクロレーザープリンターである例について説明したが、これに限ったものではない。すなわち、画像形成装置1は、例えば複写機、ファクシミリ、又は複合機(MFP)等であってもよい。
以上説明したように、本発明は、画像形成装置について有用である。
G ギア支持領域
T 距離
R 所定領域
1 画像形成装置
14 ギア
15a 側壁面(所定壁面)
15b ボス部

Claims (4)

  1. 所定壁面から突出する円筒状の樹脂部材からなるボス部と該ボス部に回転可能に支持されたギアとを備えた画像形成装置であって、
    上記ボス部の外周面における上記所定壁面との接続部である応力集中部には、接着剤成分と親水性成分との混合成分が塗布されている、画像形成装置。
  2. 請求項1記載の画像形成装置において、
    上記混合成分は、上記ボス部の外周面における上記応力集中部を含む所定領域に塗布されており、
    上記ボス部の外周面における上記所定壁面との接続位置から上記ボス部の外周面におけるギア支持領域までの距離をTとしたとき、
    上記所定領域は、上記ボス部の外周面における上記所定壁面との接続位置からボス軸方向に距離T/2だけ離間した位置までの領域である、画像形成装置。
  3. 請求項1又は2記載の画像形成装置において、
    上記混合成分中における接着剤成分と親水成分との混合比率は1:10〜5:5の範囲内である、画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
    上記ボス部を形成する樹脂は非結晶性樹脂である、画像形成装置
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