JP6430437B2 - 集合体 - Google Patents

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Description

本発明は、集合体、その製造方法、及びその使用に関する。
近年、有機無機金属ハロゲン化物が様々な用途で注目されている。特に、この材料の発光材料としての適用が提案されている。例えば、非特許文献1では、メチルアンモニウムカチオン、鉛カチオン(Pb2+)及びハロゲンアニオンからなる化合物が、発光材料として用いられていることが記載されている。
また、非特許文献2では、セシウムカチオン(Cs+)、鉛カチオン(Pb2+)及び臭素(Br)アニオンからなる約4nmから12nm程度の大きさの粒子が、発光材料として用いられていることが記載されている。また、この粒子は、140℃から200℃までの温度に加熱した、ハロゲン化鉛を溶解させたオクタデセンと、オレイン酸と、オレイルアミンとの混合溶液に、セシウムオレイト溶液を、モル比がPb:Cs:Br=10:1:20程度となるように注ぐ方法により調製することができ、鉛カチオンにハロゲンカチオンが6配位した八面体を頂点共有した結晶構造が、優先的に形成されることが開示されている。
ACS NANO 2015, 9, 4533. Nano Lett. 2015, 15, 3692.
しかしながら、非特許文献1及び非特許文献2に記載の化合物は、発光に対する耐久性が十分ではなく、より発光耐久性に優れる材料の開発が求められている。
本発明は、上記の従来技術が有する課題に鑑みてなされたものであり、発光耐久性に優れる集合体、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の課題を解決すべく鋭意研究し実験を重ねた結果、所定のカチオンと所定のアニオンを含み、所定の結晶構造を含む粒子の集合体とすることで上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は下記のとおりのものである。
[1]
カチオンとアニオンとを含む結晶性粒子の集合体であって、
前記カチオンの10モル%以上95モル%以下が第14族元素カチオンであり、
前記カチオンの5モル%以上90モル%以下が対カチオンであり、ここで、当該対カチオンは一つの分子を構成する炭素と窒素の和が3以上20以下である有機分子カチオンを含み、
前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素アニオンであり、
前記結晶性粒子が、前記第14族カチオンに前記第17族元素アニオンが6配位した八面体構造を有し、
前記結晶性粒子が、前記八面体構造の少なくとも一部が面共有である結晶構造を有する結晶性粒子(A)を含み、
前記結晶性粒子の平均粒子径が0.1nm以上nm200nm以下である、集合体。
[2]
前記結晶性粒子が複数の結晶相を含む、[1]に記載の集合体。
[3]
前記結晶性粒子が、前記八面体構造の少なくとも一部が頂点共有である結晶構造を有する結晶性粒子(B)を含む、[1]又は[2]に記載の集合体。
[4]
前記結晶性粒子(A)が、六方晶の結晶構造を有する結晶性粒子(C)を含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の集合体。
[5]
前記カチオンの20モル%以上85モル%以下が第14族元素カチオンである、[1]〜[4]のいずれかに記載の集合体。
[6]
前記第14族元素カチオンがSnカチオン又はPbカチオンである、[1]〜[5]のいずれかに記載の集合体。
[7]
前記カチオンの10モル%以上、80モル%以下が対カチオンである、[1]〜[6]のいずれかに記載の集合体。
[8]
前記有機分子カチオンの一つの分子を構成する炭素と窒素の和が3以上11以下である、[1]〜[7]のいずれかに記載の集合体。
[9]
前記有機分子カチオンがホルムアミジンカチオンである、[1]〜[8]のいずれかに記載の集合体。
[10]
前記アニオンの55モル%以上100モル%以下が、塩素アニオン、臭素アニオン及びヨウ素アニオンからなる群より選択される少なくとも1種である、[1]〜[9]のいずれかに記載の集合体。
[11]
前記第17族元素アニオンが、塩素アニオン、臭素アニオン及びヨウ素アニオンからなる群より選択される少なくとも1種を含む、[1]〜[10]のいずれかに記載の集合体。
[12]
前記粒子径が、1nm以上100nm以下である、[1]〜[11]のいずれかに記載の集合体。
[13]
[1]〜[12]のいずれかに記載の集合体の製造方法であって、
0℃以上50℃以下で結晶生成及び/又は結晶成長させる工程を含む、集合体の製造方法。
[14]
[1]〜[12]のいずれかに記載の集合体の製造方法であって、
有機塩基とハロゲン化水素との塩と、第14族元素ハロゲン化物と、第1の溶媒と、を含む溶液を、第2の溶媒に添加する工程を含み、
前記第1の溶媒が、前記塩及び前記第14族元素ハロゲン化物の良溶媒であり、
前記第2の溶媒が、前記塩及び前記第14族元素ハロゲン化物の貧溶媒である、集合体の製造方法。
[15]
[1]〜[12]のいずれかに記載の集合体の、発光材料としての使用。
[16]
[1]〜[12]のいずれかに記載の集合体の、薄膜前駆体としての使用。
本発明に係る集合体は、発光耐久性に優れる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について、詳細に説明する。以下の本実施形態は本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
本実施形態に係る集合体は、カチオンとアニオンとを含む結晶性粒子の集合体であって、前記カチオンの10モル%以上95モル%以下が第14族元素カチオンであり、前記カチオンの5モル%以上90モル%以下が対カチオンであり、ここで、当該対カチオンは一つの分子を構成する炭素と窒素の和が3以上20以下である有機分子カチオンを含み、前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素アニオンであり、前記結晶性粒子が、前記第14族カチオンに前記第17族元素アニオンが6配位した八面体構造を有し、前記結晶性粒子が、前記八面体構造の少なくとも一部が面共有である結晶構造を有する結晶性粒子(A)を含み、前記結晶性粒子の平均粒子径が0.1nm以上nm200nm以下である。このように構成されているため、本実施形態に係る集合体は、発光耐久性に優れる。
(結晶性粒子)
本実施形態における結晶性粒子は、カチオンとアニオンとを含む。また、本実施形態において、当該結晶性粒子に含まれるカチオンの総量(100モル%)に対して、前記カチオンの10モル%以上95モル%以下が第14族元素カチオンである。光吸収特性に有利となる、及び/又は価電子帯や伝導帯を形成する状態密度がより大きくなる観点から、前記14族元素カチオンは20モル%以上が好ましく、30モル%がより好ましく、40モル%がさらに好ましい。吸光係数が大きくなることは、集合体が効率良く照射された光を吸収するために有利であり、状態密度が高くなると、吸光係数の増大などに有利となる。また、対カチオンを多く含むことができる、前記カチオンと前記アニオンから構成される八面体構造が面共有である結晶構造を形成するために有利となる観点から、85モル%以下が好ましく、75%以下がより好ましく、65モル%以下がさらに好ましい。上記のカチオンに対する第14族元素カチオンの量は、後述する実施例に記載のとおり、集合体をICP等で分析した値として得ることができる。
前記14族カチオンは、特に限定されないが、Si4+、Ge2+、Ge4+、Sn2+、Sn4+、Pb2+が挙げられる。本実施形態において、前記第14族カチオンと前記第17族元素アニオンとの八面体構造の形成に有利である観点、前記第14族カチオンとアニオンとの共有結合性を大きくすることで、それぞれの状態密度を広げることなどに有利である観点から、2価のカチオンが好ましく、具体的には、Ge2+、Sn2+、Pb2+などが好ましい。さらに、酸化に対して比較的安定である観点から、Sn2+、Pb2+がより好ましく、Pb2+がさらに好ましい。
本実施形態における結晶性粒子に含まれるカチオンうち、5モル%以上90モル%以下の、前記第14族元素かつ3周期以降のカチオン以外のカチオン(本明細書中、「対カチオン」とも表記する)が含まれる。対カチオンを含むことで、前記第14族元素カチオンの配列を制御できる。第14族元素カチオンの配列を制御することで、光励起キャリアの熱緩和がより抑制され、発光や光起電力の生成に有利となる傾向にある。前記第14族元素カチオンの配列に有利である観点から、結晶性粒子に含まれる対カチオンは、10モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、30モル%以上がさらに好ましい。また、前記第14族元素カチオンを多く含むことができる観点から、80モル%以下が好ましく、70モル%以下がより好ましく、60モル%以下がさらに好ましい。上記のカチオンに対する対カチオンの量は、後述する実施例に記載のとおり、集合体をICP等で分析した値として得ることができる。
本実施形態において、対カチオンは一つの分子を構成する炭素と窒素の和が3以上20以下である有機分子カチオンを含む。有機分子カチオンを含むことは、該結晶性粒子をより柔軟とするとことができる観点、結晶化が容易となる観点から、重要である。本明細書中、有機分子とは、構成元素に炭素を含む分子を指す。また、一つの有機分子カチオンを構成する炭素と窒素の和が3以上となることは、当該和が2以下である場合に比べ、耐熱性及び耐酸化性の少なくとも一方を向上させる観点、及び/又は発光に対する耐久性を向上させる観点から、重要である。また、一つの有機分子カチオンを構成する炭素と窒素の和が20以下となることは、結晶中でのキャリアの移動性の観点や、第14族元素カチオンの電子状態をより非局在化させる観点から重要である。
結晶性粒子を構成する対カチオンに含まれる有機分子カチオンは、結晶中でのキャリアの移動や、第17族元素カチオンの電子状態をより非局在化させるために有利である観点から、一つの分子を構成する炭素と窒素の和が11以下であることが好ましく、8以下がさらに好ましい。該結晶性粒子をより柔軟にできる観点から、一つの分子を構成する炭素数は、1以上が好ましい。結晶中でのキャリアの移動や、第14族元素カチオンの電子状態をより非局在化させるために有利である観点から、一つの分子を構成する炭素数は、10以下が好ましく、5以下がさらに好ましい。また、有機分子カチオンのカチオン性をより強くできる、有効イオン半径を大きくできる観点から、一つの分子を構成する窒素数は、2以上が好ましい。結晶の電子状態を非局在化するために有利である観点から、一つの分子を構成する窒素数は、20以下であることが好ましく、5以下がさらに好ましい。また、組成物の結晶構造をひずませないために有利である観点から、対称性の高い及び/又は、共役した不飽和結合を有する有機分子が好ましい。
結晶性粒子に柔軟性を付与できる、結晶化が容易となる観点から、対カチオンに含まれる有機分子カチオンが、30モル%以上が好ましく、50%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましい。上記の対カチオンに対する有機分子カチオンの量は、後述する実施例の記載と同様に、集合体をICP等で分析した値として得ることができる。
前記一つの分子を構成する炭素と窒素の和が3以上20以下となる有機分子を含む対カチオンの具体例としては、以下に限定されないが、エチルアンモニウムカチオン、プロピルアンモニウムカチオン、ブチルアンモニウムカチオン、ペンタアンモニウムカチオン、ヘキサアンモニウムカチオン、ジメチルアンモニウムカチオン、ジエチルアンモニウムカチオン、ジプロピルアンモニウムカチオン、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、ホルムアミジンカチオン、アセトアミジンカチオン、グアニジンカチオン、イミダゾールカチオン、アニリンカチオン、及びこれらの異性体などが挙げられる。分子サイズが大きいほど、耐熱性、耐酸化性、発光に対する耐久性などの耐久性に有利である観点から、ブチルアンモニウムカチオン、ペンタアンモニウムカチオン、ヘキサアンモニウムカチオン、ジメチルアンモニウムカチオン、ジエチルアンモニウムカチオン、ジプロピルアンモニウムカチオン、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、ホルムアミジンカチオン、アセトアミジンカチオン、グアニジンカチオン、イミダゾールカチオン、アニリンカチオン、及びこれらの異性体が好ましく、塩基性が強いほど、バンドギャップを大きくするために有利である観点、耐熱性、耐酸化性、発光に対する耐久性などの耐久性に有利である観点から、ホルムアミジンカチオン、アセトアミジンカチオン、グアニジンカチオン、イミダゾールカチオン、アニリンカチオン、及びこれらの異性体がより好ましく、有効イオン半径が小さいほど、第14族元素カチオンを密に配置できる観点から、ホルムアミジンカチオン、アセトアミジンカチオン、グアニジンカチオンがさらに好ましく、ホルムアミジンカチオンがよりさらに好ましい。
本実施形態において、結晶性粒子は、当該結晶性粒子に含まれるアニオンの総量(100モル%)に対して、第17族元素アニオンを30モル%以上100モル%以下含む。第17族元素アニオンをより多く含むことで、結晶性粒子中のカチオンとアニオンのイオン結合性が増し、結晶の形成に有利になる観点から、30モル%以上含むことが重要である。結晶のイオン結合性が増す観点から、第17族元素アニオンを55モル%以上含むことが好ましく、75%以上含むことがより好ましい。具体的な第17族元素としては、特に限定されないが、例えば、ヨウ素、臭素、塩素、フッ素等が挙げられ、共通結合性に有利である観点から、ヨウ素、臭素、塩素が好ましく、結晶化に有利である観点から臭素がより好ましい。上記のアニオンに対する第17族元素アニオンの量は、後述する実施例に記載のとおり、集合体をICP等で分析した値として得ることができる。
本実施形態において、集合体に含まれる少なくとも一部の結晶性粒子の結晶構造は、前記14族元素カチオンに前記第17族元素アニオンが6配位した八面体構造を有している。さらに、本実施形態における結晶性粒子は、この八面体構造の少なくとも一部が面共有されている結晶構造を有する結晶性粒子(A)を含む。本実施形態において、この八面体構造が面共有されることにより、耐久性、特に発光に対する耐久性が向上する。発光に対する耐久性の向上に特に効果的である観点から、八面体構造が面共有される結晶構造を有する結晶性粒子(A)は、六方晶の結晶構造を有する結晶性粒子(C)を含むことが好ましい。集合体には、他の結晶相の粒子を含むことができる。他の結晶相とは、前記八面体構造を頂点共有する結晶構造などが挙げられる。すなわち、本実施形態における結晶性粒子は、八面体構造の少なくとも一部が頂点共有である結晶構造を有する結晶性粒子(B)を含むことができる。これらの結晶構造は、X線回折による結晶構造解析や透過型電子顕微鏡像の格子像などにより評価することができる。なお、結晶性粒子(C)と結晶性粒子(B)の配合比としては、集合体のXRDパターンにおける、結晶性粒子(C)の(0001)面由来の回折ピークと、結晶性粒子(B)の(110)面由来の回折ピークとの、ピーク強度の比(結晶性粒子(B)/結晶性粒子(C))が、1以上が好ましく、10以上がより好ましい。また、前記ピーク強度の比(結晶性粒子(B)/結晶性粒子(C))が、200以下が好ましく、50以下がより好ましい。結晶性粒子(A)、特に結晶性粒子(C)については、例えば、後述する所定のカチオンとアニオンとを含む物質を共に溶媒に溶解させて溶液を得る工程や、この溶液を0℃以上50℃以下の貧溶媒に加える工程、を含む製造方法等により、結晶性粒子(A)や、結晶性粒子(C)が好ましく生成される傾向にあり、さらには上記配合比の範囲となる傾向にある。
集合体に含まれる結晶性粒子のバンドギャップは、吸収波長に対する発光波長へのエネルギー効率の観点から大きいことが好ましい。具体的には、2.1eV以上が好ましく、2.3eV以上がより好ましい。発光波長が広域になることで、目視でやわからい光とできる観点から、集合体はバンドギャップの異なる複数の結晶相を有することが好ましい。具体的には、前記14族元素カチオンに前記第17族元素アニオンが6配位した八面体構造を有し、この八面体構造の少なくとも一部が面共有されている結晶構造を有する結晶性粒子(A)、及び前記八面体構造の少なくとも一部が頂点共有である結晶構造を有する結晶性粒子(B)を共に含むことが好ましい。集合体が結晶性粒子(A)と結晶性粒子(B)を共に含むためには、例えば、結晶を形成する際の温度が高すぎず、低すぎないように調整することが好ましく、より具体的には、0℃以上、50℃以下の反応温度で集合体を製造することが好ましい。
(集合体)
本実施形態における集合体は、結晶性粒子を含む複数の粒子から構成される。集合体に含まれる粒子数としては特に限定されないが、典型的には、1000個以上の結晶性粒子を含む集合体が挙げられる。上記粒子数は種々公知の方法により測定することができ、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)による観測などが挙げられる。また、集合体における平均粒子間距離は、TEMによる観測や、空間中に存在する結晶性粒子の濃度を吸収係数や質量などから算出し、この濃度と結晶性粒子の密度と、空間の体積から平均粒子間距離を算出することで確認でき、特に限定されないが、典型的には、1〜2000Å程度である。集合体を構成する結晶性粒子の平均粒子径は、0.1nm以上200nm以下である。表面エネルギーの影響が少なく、凝集を抑制することに有利、バンドギャップを小さくするために有利である観点から、0.5nm以上であることが好ましく、1nm以上であることがより好ましい。また、バンドギャップを大きくするために有利、発光量子収率に有利となる観点から、100nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましく、30nm以下がさらに好ましい。上記平均粒子径は、後述する実施例に記載の方法により測定することができ、例えば、集合体を含む溶液に対し7000rpmなどの条件で行う遠心分離によって、上澄みを分離回収する方法、ろ紙により過剰に大きな粒子を除去する方法、などにより上記範囲に制御することができる。
前記粒子の形態は、球形、立方体、直方体、棒状、板状などとすることができる。表面エネルギーを小さくできる観点から、立方体、直方体、板状、棒状とすることが好ましく、立方体、直方体がより好ましい。本実施形態における集合体には、前記粒子の形態について、異なる形態の粒子を含むことができる。例えば、球形、立方体、直方体形状の粒子が共存することができる。粒子の形態は、TEMによる観測により確認することができる。
本実施形態における集合体には、結晶性粒子と共に、非結晶性粒子を含むことができる。例えば、非結晶性粒子には、アモルファスのハロゲン化鉛や、アミンなどの有機塩基と酸の塩などが挙げられる。前記結晶性粒子は、単一相の単結晶、複数の相から構成される粒子とすることができる。
集合体による発光は、発光波長が広域になることで、目視でやわからい光とできる観点から、集合体は広域な波長の発光であることが好ましい。具体的には、発光波長幅が、90nm以上であることが好ましく、120nm以上であることがより好ましい。
(集合体の製造方法)
本実施形態の集合体の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、後述する原料を用い、所定の工程を経るものとすることができる。本実施形態における好ましい集合体の製造方法としては、0℃以上50℃以下で結晶生成及び/又は結晶成長させる工程を含む態様が挙げられる。また、有機塩基とハロゲン化水素との塩と、第14族元素ハロゲン化物と、第1の溶媒と、を含む溶液を、第2の溶媒に添加する工程を含み、前記第1の溶媒が、前記塩及び前記第14族元素ハロゲン化物の良溶媒であり、前記第2の溶媒が、前記塩及び前記第14族元素ハロゲン化物の貧溶媒である態様も好ましい。
本実施形態の集合体の原料としては、該集合体を形成する粒子を構成するカチオン元素を含む物質、及び構成するアニオン元素を含む物質が好ましい。特に、所定のカチオンとアニオンとを含む物質を共に、溶媒に溶解させ溶液を得る工程や、この溶液を0℃以上50℃以下の貧溶媒に加える工程、を含むことで前記14族元素カチオンに前記第17族元素アニオンが6配位した八面体構造を有し、この八面体構造の少なくとも一部が面共有されている構造が形成されやすくなる観点から好ましい。その理由としては、特定のメカニズムに限定する趣旨ではないが、次のように推測される。すなわち、結晶の核生成や結晶成長する微小時間(数n秒〜数秒など)での反応場において、原料濃度、温度、反応速度、溶媒和、配位子の吸着状態などの、いずれか一つ、又はこれらの複数の条件の協奏効果によって、前記八面体構造の少なくとも一部が面共有されている結晶構造を形成できると推測される。特に、上述した工程を含む方法により集合体を製造する場合は、上記観点から好ましい条件といえるために、本実施形態の所定の構成を満たす集合体を調製できるものと推測される。
上記原料について、具体的には、ハロゲン化金属、アンモニア化合物、有機塩基とハロゲン化水素との塩などを原料とすることが好ましく、原料の熱的安定性や、製造が比較的容易である観点から、ハロゲン化金属を用いることがより好ましい。前記ハロゲン化金属を構成するハロゲン種は、新IPACの周期表における第17族元素が好ましく、具体的には、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが好ましい。イオン結合性が小さいほど、結合解離に有利である観点から、ヨウ素、臭素、塩素が好ましく、臭素がより好ましい。
上記塩基とハロゲン化水素との塩の具体例としては、以下に限定されないが、エチルアミン・ヨウ化水素塩、エチルアミン・臭化水素塩、エチルアミン・塩化水素塩、プロピルアミン・ヨウ化水素塩、プロピルアミン・臭化水素塩、プロピルアミン・塩化水素塩、ブチルアミン・ヨウ化水素塩、ブチルアミン・臭化水素塩、ブチルアミン・塩化水素塩、ペンタアミン・ヨウ化水素塩、ペンタアミン・臭化水素塩、ペンタアミン・塩化水素塩、ヘキサアミン・ヨウ化水素塩、ヘキサアミン・臭化水素塩、ヘキサアミン・塩化水素塩、アンモニア・ヨウ化水素塩、ジメチルアミン・ヨウ化水素塩、ジメチルアミン・臭化水素塩、ジメチルアミン・塩化水素塩、ジエチルアミン・ヨウ化水素塩、ジエチルアミン・臭化水素塩、ジエチルアミン・塩化水素塩、ジプロピルアミン・ヨウ化水素塩、ジプロピルアミン・臭化水素塩、ジプロピルアミン・塩化水素塩、トリメチルアミン・ヨウ化水素塩、トリメチルアミン・臭化水素塩、トリメチルアミン・塩化水素塩、トリエチルアミン・ヨウ化水素塩、トリエチルアミン・臭化水素塩、トリエチルアミン・塩化水素塩、ホルムアミジン・塩化水素塩、ホルムアミジン・ヨウ化水素塩、ホルムアミジン・臭化水素塩、アセトアミジン・塩化水素塩、アセトアミジン・ヨウ化水素塩、アセトアミジン・臭化水素塩、グアニジン・塩化水素塩、グアニジン・ヨウ化水素塩、グアニジン・臭化水素塩、イミダゾール・塩化水素塩、イミダゾール・ヨウ化水素塩、イミダゾール・臭化水素塩、アニリン・臭化水素塩、アニリン・塩化水素塩、などが挙げられ、より具体的には、ホルムアミジン・塩化水素塩、ホルムアミジン・ヨウ化水素塩、ホルムアミジン・臭化水素塩などが挙げられる。
本実施形態の集合体は、溶媒に所定のカチオンとアニオンとを含む物質を共に、溶解させた溶液を用いて製造することが好ましい。所定のカチオンとアニオンとを別の溶液に溶解させて混合させることで結晶性粒子生成及び集合体を製造すると、前記14族元素カチオンに前記第17族元素アニオンが6配位した八面体構造が面共有されている構造を形成する上で不利になりうる観点、不純物を多く生成しうる観点、及び/又は原料が多く溶液中に残存しうる観点から、溶媒に所定のカチオンとアニオンとを含む物質を共に、溶解させた溶液を用いて製造することが好ましい。
前記溶液に含まれる所定のカチオンとアニオンは、目的生成物の化学量論に近い組成で含まれることが好ましい。例えば、ホルムアミジンカチオン、鉛(Pb)カチオン、臭素(Br)アニオンは、1:1:3で溶液に含まれることが好ましい。
前記溶媒としては、原料となる第14族元素ハロゲン化物の溶解に有利である観点から、非プロトン性有機溶剤が好ましい。具体的には、ジメチルホルムアミド(以降、DMFと記す。)、ジメチルスルホキシド、γブチロラクトンなどが好ましく、前記粒子の析出に優れる観点から、DMF、γブチロラクトンがより好ましい。第14族元素ハロゲン化物の貧溶媒としては、以下に限定されないが、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、クロロベンゼン、トルエンなどが挙げられる。
前記溶液には、集合体に含まれる粒子径を小さくする観点から、結晶成長抑制剤が含まれることが好ましい。結晶成長抑制剤としては、特に限定されないが、例えば、カルボン酸などが挙げられ、具体的には、構成する炭素数が6以上、30以下のカルボン酸が挙げられ、より具体的には、以下に限定されないが、例えば、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、オレイン酸などが挙げられ、オクタデカン酸、オレイン酸が好ましい。
前記溶剤には、粒子の凝集や結晶成長を防ぐ観点から、配位子を含むことが好ましい。具体的には、有機アミンや、ホスフィンなどが挙げられる。具体的には、炭素数が6以上、30以下の有機アミンや、ホスフィンなどが挙げられ、より具体的には、トリオクチルホスフィン、オクチルアミン、オレイルアミンなどが挙げられる。
本実施形態において、原料の良溶媒に当該原料を溶解させた溶液を、当該原料の貧溶媒と反応させることで集合体を製造することが好ましい。貧溶媒は、粒子凝集剤や、配位子が吸着した粒子の凝集を防ぐ観点から、非極性溶媒が好ましい。具体的には、以下に限定されないが、例えば、トルエン、クロロベンゼン、ヘキサンなどが挙げられる。
該集合体に含まれる結晶生成及び/又は結晶成長させる温度、例えば、前記溶剤に原料を溶解させた溶液を、貧溶媒と反応させる温度は、0℃以上50℃以下が好ましい。溶液の粘度の過度な上昇を避ける観点から、0℃以上が好ましい。また、前記14族元素カチオンに前記第17族元素アニオンが6配位した八面体構造を有し、この八面体構造の少なくとも一部が面共有されている構造を形成しやすくする観点から、50℃以下であることが好ましく、40℃以下がより好ましく、30℃以下がさらに好ましい。
原料の良溶媒に当該原料を溶解させた溶液を、当該原料の貧溶媒と反応させて得た集合体は、分離操作を行うことが、発光量子収率を高める観点、より緻密な薄膜を形成できる観点から好ましい。分離操作には、遠心分離やろ過などが挙げられる。
(集合体の用途)
本実施形態における集合体は、特定の用途に限定されることなく、様々な用途で利用することができる。例えば、発光材料や、光センサーなどとして利用することができる。発光に対する耐久性に優れる観点から、発光材料としての利用が好ましい。また、異なる形態とするための材料としても利用することができ、例えば、薄膜の前駆体などとしての利用が挙げられる。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本実施形態をさらに具体的に説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、これらの実施例と比較例によって何ら限定されるものではない。後述する実施例及び比較例における物性、反応条件、及び生成物の同定は、以下に示す方法により、測定及び設定した。
(含カチオン量と含アニオン量)
集合体に含まれる第14族カチオン量、有機分子カチオン量、及びハロゲンアニオン量は、後述する遠心分離を施して得られた上澄み用液中の集合体をSEM−EDX(SEM:SU−70,日立製作所社製、EDX:EMAX X−max,堀場製作所社製)により評価することによって求めた。
(結晶構造、結晶相)
集合体を構成する結晶性粒子の結晶構造及び、前記14族元素カチオンに前記第17族元素アニオンが6配位した八面体構造を有し、この八面体構造の少なくとも一部が面共有されている構造(以下、面共有相などと記載する。)の存在は、X線回折装置(D8・ブルカー社製)を用いて測定したX線回折(XRD)パターンから評価した。
(平均粒子径、粒子形態)
集合体を構成する結晶性粒子の粒子径、および粒子形態は、透過型電子顕微鏡(H−9000NAR、日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、加速電圧200kVにて測定を行うことで求めた。平均粒子径は、任意の5つ以上粒子についての前記の方法で求めた粒子径の平均値から算出した。
(発光ピーク波長、発光波長範囲)
発光測定は、該集合体を含む溶液の吸光度のピークトップについて吸光度が0.1となるようにトルエンで希釈することで濃度を調製した液体について、発光測定装置(C9920−02、浜松ホトニクス社製)を用いて、大気中にて励起波長350nmで励起した際の発光スペクトルのピーク波長、及び発光立ち上がり波長と立下り波長との差から、それぞれ発光ピーク波長、及び発光波長範囲とした。
(発光減衰率)
発光減衰率は、前記濃度を調製した該集合体を含む溶液、及び前記発光測定装置を用いて、発光測定を行い、下記の量子収率について一回目測定の値と五回目測定の値を用い、下記の発光減衰率の式から算出した。なお、三回目の測定の後に10分間の乾燥窒素ガスによるバブリングを該溶液に施した。発光減衰率が小さいほど、発光に対する耐久性が高いことを示している。
(量子収率)=(溶液からの発光光子数の総和)/(溶液に吸収された光子数)
(発光減衰率)=1−((五回目測定の量子収率)/(一回目測定時の量子収率))
(配合比率)
集合体の結晶性粒子(B)と結晶性粒子(C)との配合比率((B)/(C))は、前記XRDパターンにおける、結晶性粒子(C)の六方晶の(0001)面由来の回折ピークと、結晶性粒子(B)の(110)面由来の回折ピークの強度比から求めた。
下記に示すとおり、実施例1及び比較例1〜2に係る集合体を調製し、その物性の評価を行った。
(実施例1)
ホルムアミジン臭化水素塩(CH42・HBr)と臭化鉛(PbBr2)を0.04mol/LとなるようにDMFに溶解させた溶液5mLに、0.5mLのオレイン酸と20μLのn−オクチルアミンを添加した溶液(溶液1)を調製した。すなわち、結晶性粒子の対カチオン源と、第14族カチオン及び第17族アニオン源とを混合した原料溶液を調製した。窒素中10℃で2mLの溶液1を10mLのトルエンに1mL/minの速度で滴下し、得られた溶液をトルエンで50mLに希釈し、7000rpmで遠心分離を施し得られた集合体を含む上澄み(溶液2)を用いて、発光測定を行った。また、この溶液2に0.5mLアセトンを添加し、遠心分離を施して得られた沈殿をXRDにより結晶構造を評価した。2θ=12°にPbカチオンとBrアニオンとの八面体が面共有した、六方晶の結晶構造が観測された。結果を表1に示す。
<比較例1>
溶液1のホルムアミジン臭化水素塩の代わりに、メチルアミン臭化水素塩を用いた溶液(溶液3)を用いて集合体溶液の調製及び評価を行った。XRDパターンより、PbカチオンとBrアニオンとの八面体が面共有した結晶構造は観測されなかった。結果を表1に示す。
<比較例2>
オレイン酸とオクタデセンを1:16の体積比で混合した溶液に、炭酸セシウムを0.017mol/Lとなるように窒素中で150℃にて溶解させた溶液(溶液4)を調製した。オレイン酸、オレイルアミン、オクタデセンを1:1:30の体積比で混合した溶液に、0.027Mとなるように臭化鉛を溶解させた溶液(溶液5)を調製した。すなわち、結晶性粒子の対カチオン源となる原料溶液と、第14族カチオン及び第17族アニオン源となる原料溶液と、を別々に調製した。140℃に加熱した13mLの溶液5に、50℃に加熱した0.8mLの溶液4を滴下し、その後氷冷した。溶液4の添加から氷冷までは、30秒であった。氷冷後の溶液にトルエンで希釈した溶液を用いて、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
実施例1と比較例1、2のXRDの結果比較から、本実施形態の好ましい調製条件により調製された集合体は、本実施形態の所定の組成を有し、PbカチオンとBrアニオンとの八面体が面共有した結晶構造を有することがわかった。
実施例1と比較例1、2のいずれのサンプルも発光を示し、発光材料として利用できることが示された。発光波長を実施例1と比較例1、2について比較すると、本実施形態の所定の構成を満たすことで、短波長に発光ピークを有するようになり、発光波長範囲が広くなることがわかった。
実施例1と比較例1、2の発光減衰率を評価すると、実施例1では発光の減衰がみられなかったが、比較例1、2では大きく減衰した。この結果から、本実施形態の所定の構成を満たすことで、発光に対する耐久性の高い集合体とできることが示された。

Claims (13)

  1. カチオンとアニオンとを含む結晶性粒子の集合体であって、
    前記カチオンの10モル%以上95モル%以下が第14族元素カチオンであり、
    前記カチオンの5モル%以上90モル%以下が対カチオンであり、ここで、当該対カチオンは一つの分子を構成する炭素と窒素の和が3以上20以下である有機分子カチオンを含み、
    前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素アニオンであり、
    前記結晶性粒子が、前記第14族カチオンに前記第17族元素アニオンが6配位した八面体構造を有し、
    前記結晶性粒子が、前記八面体構造の少なくとも一部が面共有である結晶構造を有する結晶性粒子(A)を含み、
    前記結晶性粒子の平均粒子径が0.1nm以上nm200nm以下であり、
    前記第14族元素カチオンがSnカチオン又はPbカチオンであり、
    前記有機分子カチオンがホルムアミジンカチオンであり、
    前記第17族元素アニオンが、塩素アニオン、臭素アニオン及びヨウ素アニオンからなる群より選択される少なくとも1種を含む、集合体。
  2. 前記結晶性粒子が複数の結晶相を含む、請求項1に記載の集合体。
  3. 前記結晶性粒子が、前記八面体構造の少なくとも一部が頂点共有である結晶構造を有する結晶性粒子(B)を含む、請求項1又は2に記載の集合体。
  4. 前記結晶性粒子(A)が、六方晶の結晶構造を有する結晶性粒子(C)を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の集合体。
  5. 前記カチオンの20モル%以上85モル%以下が第14族元素カチオンである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の集合体。
  6. 前記カチオンの10モル%以上、80モル%以下が対カチオンである、請求項1〜のいずれか1項に記載の集合体。
  7. 前記有機分子カチオンの一つの分子を構成する炭素と窒素の和が3以上11以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の集合体。
  8. 前記アニオンの55モル%以上100モル%以下が、塩素アニオン、臭素アニオン及びヨウ素アニオンからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜のいずれか1項に記載の集合体。
  9. 前記粒子径が、1nm以上100nm以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の集合体。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の集合体の製造方法であって、
    0℃以上50℃以下で結晶生成及び/又は結晶成長させる工程を含む、集合体の製造方法。
  11. 請求項1〜のいずれか1項に記載の集合体の製造方法であって、
    有機塩基とハロゲン化水素との塩と、第14族元素ハロゲン化物と、第1の溶媒と、を含む溶液を、第2の溶媒に添加する工程を含み、
    前記第1の溶媒が、前記塩及び前記第14族元素ハロゲン化物の良溶媒であり、
    前記第2の溶媒が、前記塩及び前記第14族元素ハロゲン化物の貧溶媒である、集合体の製造方法。
  12. 請求項1〜のいずれか1項に記載の集合体の、発光材料としての使用。
  13. 請求項1〜のいずれか1項に記載の集合体の、薄膜前駆体としての使用。
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