以下、図面を参照しながら本実施形態に係る医用画像処理装置を説明する。医用画像処理装置は、単体であっても、X線診断装置と組み込ませた形態のいずれでも適用できる。以下、本実施形態では、説明を簡単にするために、Cアームを備えるX線診断装置に医用画像処理装置を組み込ませた装置を例に説明する。以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るX線診断装置のブロック構成の一例を示す図である。
第1実施形態に係るX線診断装置1(以下、第1X線診断装置1と呼ぶ)は、ガントリとデータ処理装置とを有する。データ処理装置は、医用画像処理装置2を含む。医用画像処理装置2は、単体でも機能する。その場合、医用画像処理装置2は、外部のX線診断装置等からX線画像のデータを受信するための受信部等が必要となる。
ガントリは、寝台10、Cアーム12、X線発生部13、X線検出部14、高電圧発生部15、寝台駆動部11、及びCアーム駆動部16を有する。
寝台10は、図示しない天板を移動可能に支持する。天板には被検体が載置される。寝台10は、撮影制御部23の制御に従って寝台駆動部11が駆動されることにより、天板を移動させる。
Cアーム12は、撮影系統を保持する。撮影系統は、X線発生部13とX線検出部14とを有する。Cアーム12は、その一端にX線発生部13を保持し、他端にX線検出部14を保持する。Cアーム12は、X線発生部13とX線検出部14とが対向するように保持する。
X線発生部13は、図示しないX線管と、X線フィルタと、X線絞り器とを有する。X線管は、X線を発生する真空管である。X線管は、高電圧発生部15からの高電圧(管電圧)の印加及び管電流の供給を受けて、焦点からX線を発生する。発生されたX線は、X線フィルタを透過し、X線絞り器によりビーム形成がされる。X線フィルタは、被検体のX線被曝量の低減や画質の向上等を目的に配置される。例えば、X線フィルタは、X線焦点から発生されたX線の連続スペクトルに関して、診断に必要のない低エネルギー成分を除去する。X線絞り器は、X線焦点から発生され、X線フィルタを通過したX線が、ユーザが所望する撮影部位以外に照射されないように、撮影制御部23の制御に従って、X線照射範囲を限定する。
X線検出部14は、複数のX線検出素子を有する。複数のX線検出素子は、2次元のアレイ状に配列される。2次元のアレイ状の検出器はFPD(Flat Panel Detector:平面検出器)と呼ばれる。FPDの各素子は、X線発生部13から発生され被検体を透過したX線をシンチレータ層で光に変換し、変換された光を2次元のアレイ状の検出器が検出する。その結果、FPDの各素子は、検出したX線強度に対応した電気信号を出力する。なお、X線検出部14は、前述したFPDに代えて、イメージインテンシファイアとTVカメラとの組み合わせ(I.I−TV)から構成されてもよい。X線管の焦点とX線検出部14の検出面の中心とを結ぶ線を撮影軸と呼ぶ。
Cアーム12は、図示しないCアーム支持機構により回転自在に支持される。Cアーム支持機構は、Cアーム12を回転させるための複数の回転軸を有する。Cアーム支持機構は、撮影制御部23の制御に従ってCアーム駆動部16が駆動されることにより、Cアーム12を複数の回転軸回りに回転させる。Cアーム12が複数の回転軸まわりに回転されることにより、撮影系統はX線発生部13とX線検出部14とで構成される。X線発生部13は、Cアーム12の一端に保持される。
なお、第1実施形態では、X線発生部13とX線検出部14とを保持する機構としてCアーム12を例に説明した。しかしながら、X線発生部13とX線検出部14とが対向するように保持でき、撮影軸を被検体に対して自在に移動(回転)できる機構であれば、その機構はCアーム12に限定されない。例えば、Cアーム12及びCアーム支持機構は、天井吊下げ型のΩ形アーム及びΩ形アーム支持機構で代替が可能である。また、Cアーム12及びCアーム支持機構は、X線発生部13を回転自在に保持する第1保持部と、X線検出部14を回転自在に保持する第2保持部とにより代替可能である。この時、例えば、第1保持部は床置き可能な機構を有し、第2保持部は天井から吊り下げ可能な機構を有する。このとき、第1保持部は、床面に対して平行移動可能な機構や床面に対して昇降移動可能な機構を有してもよい。また、第2保持部は、天井面に対して平行移動可能な機構や天井面に対して昇降移動可能な機構を有してもよい。第1保持部と第2保持部とにより、X線発生部13とX線検出部14とが対向するように保持される。そして、第1保持部の回転動作と第2保持部の回転動作とが、同期するように制御されることで、被検体に対して撮影軸を変更することができる。
データ処理装置は、入力部21、条件設定部22、撮影制御部23、システム制御部24,フィルタリング部27、アフィン変換部28、LUT29、画像発生部30、サブトラクション部32、移動軌跡特定部33、一致度計算部34、血管候補特定部35、記憶部31、及び表示部36を有する。
入力部21は、第1X線診断装置1に対してユーザが指示情報を入力するためのユーザインターフェースとして機能する。入力部21は、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、タッチパネル、及びスイッチ等の入力デバイスを有する。例えば、ユーザは、透視条件、被検体に関する情報等を、これらの入力デバイスを操作することにより入力することができる。また、入力部21は、血管特定スイッチを有し、ユーザは、血管特定スイッチの操作により、後述の血管特定機能のON/OFFを入力することができる。さらに、入力部21は、透視スイッチを有し、ユーザは、透視スイッチを押すことによりX線透視をONにすることができる。
条件設定部22は、第1X線診断装置1で設定が必要な各種条件に関して設定する。ここでの各種条件とは、例えば、撮影条件(透視条件)、造影条件等が該当する。条件設定部22は入力部21を介して入力された情報に従って、各種条件を設定する。
撮影制御部23は、X線撮影動作に係る各部を制御する。具体的には、撮影制御部23は、設定された諸条件に従って、被検体を撮影するために、Cアームの移動、X線の発生、及びX線の検出が連動するように、駆動部、高電圧発生部15、及びX線検出部14を制御する。例えば、透視スイッチが押されたのを契機に、撮影制御部23は、設定された透視条件に従って、高電圧発生部15を制御する。このとき、撮影制御部23は、高電圧発生部15の制御と同期して、X線検出部14、画像発生部30等の各動作を制御することにより、撮影系統に対応する透視画像のデータが発生される。
システム制御部24は、CPU(Central Processing Unit)と半導体メモリ等を有する。システム制御部24は、入力部21を介して、X線診断装置に入力された情報を、一時的に半導体メモリに記憶する。システム制御部24は、入力された情報に基づいて第1X線診断装置1の各部を統括して制御する。
フィルタリング部27は、X線画像等に対する高周波強調フィルタリングなどを行う。
アフィン変換部28は、表示部36に表示された画像等の拡大・移動などを行う。
LUT29は、X線画像等に対して階調変換を行う。
画像発生部30は、X線検出部14からの出力信号に対して、前処理を実行する。前処理とは、各種補正処理、増幅処理、及びA/D変換処理等である。そして、画像発生部30は、X線検出部14の出力信号に対応する前処理後のデータに基づいて、X線画像のデータ(投影データ)を発生する。ここでは、特にX線透視下で撮影されたX線画像を透視画像と呼ぶ。X線画像を構成する各画素に割り付けられた画素値は、X線の透過経路上の物質に関するX線減弱係数に応じた値等である。
サブトラクション部32は、2つの画像のデータのうち、一方の画像のデータから、他方の画像のデータを差し引いたサブトラクション画像のデータを発生する。第1実施形態において、サブトラクション部32は、デバイスが挿入された被検体に関する、撮影時刻の異なる2つのX線画像のデータに基づいて、デバイスの移動軌跡を表すサブトラクション画像のデータを発生する。なお、第1実施形態において、デバイスとは、主に被検体の血管内に挿入されるカテーテル、ガイドワイヤ等を指す。
図2は、図1のサブトラクション部32の処理を説明するための補足説明図である。図2において、A(1)〜A(n)各々は、透視画像に対応する。透視画像A(1)〜透視画像A(n)は、時系列を構成する。サブトラクション部32は、撮影時刻が前後する2つの透視画像に基づいて、サブトラクション画像のデータを発生する。具体的には、サブトラクション部32は、透視画像A(1)と透視画像A(2)とに基づいて、サブトラクション画像A12を発生する。サブトラクション画像に含まれる点は、例えば、デバイスの先端付近の位置を表す。すなわち、サブトラクション画像A12は、透視画像A(1)を撮影した時刻から透視画像A(2)を撮影した時刻までの、被検体に挿入されたデバイスの先端付近の位置の変化を表す。サブトラクション部32は、時系列に従って、繰り返し発生したサブトラクション画像のデータを移動軌跡特定部33に対して出力する。
なお、図2において、サブトラクション部32は、撮影時刻が前後する2つの透視画像に基づいて、サブトラクション画像のデータを発生する旨を説明した。しかしながら、サブトラクション画像の発生元となる2つの透視画像は、撮影時刻が前後する2つの透視画像でなくてもよい。例えば、サブトラクション部32は、撮影時刻が所定の時間間隔を有する2つの透視画像に基づいて、サブトラクション画像のデータを発生してもよい。所定の時間間隔は、経過時間及び撮影間隔等で指定が可能であり、予め登録されている。所定の時間間隔は、ユーザ指示に従って適宜変更が可能である。例えば、図2に示すように、サブトラクション部32は、所定の時間間隔を4画像分、例えば、透視画像A(1)と透視画像A(5)とに基づいて、サブトラクション画像A15を発生してもよい。
移動軌跡特定部33は、サブトラクション部32から出力されたサブトラクション画像のデータに基づいて、デバイスの移動軌跡に関するデータを発生する。その手順について、図3を参照して説明する。まず、移動軌跡特定部33は、サブトラクション部32から出力されたサブトラクション画像A12のデータに基づいて、点列画像のデータを発生する。次に、移動軌跡特定部33は、サブトラクション部32から出力されたサブトラクション画像A23のデータに基づいて、当該点列画像のデータを更新する。このようにして、移動軌跡特定部33は、サブトラクション部32から出力されたサブトラクション画像のデータに基づいて、最新の点列画像のデータを取得する。こうして得られる点列画像の一例を図3に示す。
図3は、図1の移動軌跡特定部33の処理を説明するための補足説明図である。画像50は、点列画像の一例を示す図である。図3に示すように、点列画像50には、サブトラクション画像から得られる複数の点が含まれる。複数の点は、それぞれデバイスの先端付近の位置を表している。また、複数の点は、撮影時刻が互いに異なる。したがって、点列画像は、デバイスの先端付近の移動の軌跡を表す。なお、点列画像において、デバイスの先端付近の位置を表す形状は、サブトラクション画像の取得間隔、デバイスの形状、及び、デバイスの先端付近の形状等に依存する。そのため、デバイスの先端付近の位置を表す形状は、点に限定されない。例えば、複数の画素から成る点であってもよいし、矩形形状であってもよいし、その他形状であってもよい。移動軌跡特定部33は、点列画像50に対して細線化処理51を実行することにより軌跡画像52のデータを発生する。具体的には、移動軌跡特定部33は、点列画像50に含まれる複数の点各々の中心位置を時系列に従って線で結ぶ線状化処理を行う。このように結ばれた線53は、時間経過に従って連続的に動くデバイスの移動軌跡を表す。これにより、移動軌跡特定部33は点列画像50に基づいて、点列画像50に対応し、デバイスの移動軌跡線53を含む軌跡画像52を発生することができる。なお、移動軌跡特定部33の線状化処理は、上述の方法に限定されない。例えば、点列画像54に対して上述の線状化処理を実行した場合において、デバイスの移動軌跡を表す線は、滑らかな線とならない。このようなとき、移動軌跡特定部33は、デバイスの移動軌跡を表す線を滑らかにするための平滑化処理を実行してもよい。例えば、移動軌跡特定部33は、点列画像54に対して、処理55(線状化処理及び平滑化処理)を実行することにより、軌跡画像56を発生する。軌跡画像56に含まれるデバイスの移動軌跡を表す線57は、滑らかな線で表される。
さて、第1実施形態では、血管に挿入されたデバイスは、ユーザ操作に従って、目的の位置まで進行されている場合を想定している。したがって、デバイスの大きさは、最大の径を有する血管の径に比べて大きくはない。また、デバイスが血管内で自由に方向を変えることができる程、血管の径に対するデバイスの大きさは小さくない。すなわち、デバイスの移動軌跡を表す線53及び57は、デバイスの移動軌跡を表すとともに、擬似的に血管の形状を表すともいえる。解剖学上、血管はそのほとんどが滑らかに走行している。したがって、上述のようなデバイスの移動軌跡を表す線を滑らかにするための平滑化処理は、後述の血管特定処理の精度を向上させる1つの有効な方法である。
一致度計算部34は、デバイスの移動軌跡に関するデータの、複数の血管モデル各々に対する一致度を計算する。以下、説明を簡単にするため、例えば、デバイスの移動軌跡に関するデータをデバイスの移動軌跡を表す線(以下、単にデバイスの移動軌跡と呼ぶ。)とする。また、血管モデルは、データベースなどから標準的な3次元人体血管モデルを入手しても良いし、あるいは標準的なCTA画像、MRA画像などを用いても良い。一致度を計算する時は、血管モデルの投影画像を作成する。投影画像は、取得した透視画像の撮影角度、透視画像の幾何学的拡大率などを考慮して作成される。また事前に撮影された投影データと比較して、体格の違いに因る血管の大きさを補正しても良い。すなわち、記憶部31には、複数の血管にそれぞれ対応する複数の血管モデルに関するデータが記憶されているものとする。
一致度計算部34は、複数の血管モデルから作成した投影画像各々に対するデバイスの移動軌跡の一致度を計算する。一致度の計算には、例えば、最小ニ乗和が適用される。具体的には、一致度計算部34は、1つの種類の投影画像に対してデバイスの移動軌跡を位置合わせし、位置合わせ後の投影画像とデバイスの移動軌跡との間の一致度を計算する。これは、同じ血管にデバイスが挿入されている場合であっても、取得した透視画像の向き、透視画像の拡大率、被検体の脈動等により、デバイスの移動軌跡の大きさ及び向き等が変化するため、デバイスの移動軌跡を投影画像に対してある程度位置合わせをしなければ、一致度の計算の精度が低下してしまうからである。したがって、一致度計算部34は、予め決められた複数種類の変換処理をデバイスの移動軌跡に対して実行する。具体的には、一致度計算部34は、デバイスの移動軌跡に対して剛体変換を実行する。そして、剛体変換後のデバイスの移動軌跡と投影画像との間の一致度を計算する。また、一致度計算部34は、デバイスの移動軌跡に対してアフィン変換を実行する。そして、アフィン変換後のデバイスの移動軌跡線と投影画像との間の一致度を計算する。このようにして、一致度計算部34は、1つのデバイスの移動軌跡に対して複数種類の変換を実行した上で、変換後のデバイスの移動軌跡と投影画像との間の一致度を計算する。なお、ここでは、変換処理として、剛体変換とアフィン変換とを挙げているが、他の変換処理、例えば、非剛体変換等が行われてもよい。なお、この変換処理は最初解像度を落として実施し、次第に解像度を上げて行くと処理を高速化できる。また、解像度を落とした段階で一致度が適切なレベル以上にならない場合、その段階で血管候補から外しても良い。
血管候補特定部35は、デバイスの移動軌跡に対する血管モデル各々の一致度に基づいて、1つの血管候補を特定する。具体的には、血管候補特定部35は、複数の血管モデルのうち、デバイスの移動軌跡に対する一致度が最も高い血管モデルを特定し、当該血管モデルに対応する血管を血管候補として特定する。なお、血管によってはカテーテルやガイドワイヤの挿入によって形状が変形してしまうことがある。このような問題は、血管候補特定の前処理として、血管モデルの投影画像に低周波強調フィルタを適用しておくと良い。
記憶部31は、半導体記憶素子であるFlash SSD(Solid State Disk)などの半導体記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)等である。記憶部31は、複数の血管にそれぞれ対応する複数の血管モデルのデータ、対応する血管内に挿入されたデバイスの軌跡を表すデータなどを記憶する。
表示部36は、透視画像のデータを表示する。また、表示部36は、血管候補特定部35により特定された血管候補に関するユーザ支援情報を表示する。
以下、第1X線診断装置1を用いたワークフローについて図4と図5とを参照して説明する。
図4は、第1X線診断装置1を用いたワークフローを説明するためのフローチャートである。
(ステップS11)透視条件が設定される。
入力部21を介してユーザにより入力された透視条件が設定される。
(ステップS12)X線透視が開始される。
透視スイッチが押されたのを契機に、X線透視が開始される。
(ステップS13)透視画像が収集される。
撮影制御部23の制御の下、設定された透視条件に従って、第1X線診断装置1により被検体に関する透視画像のデータが収集される。
(ステップS14)透視画像が表示される。
ステップS13で収集された透視画像のデータに応じた透視画像が表示部36に表示される。そして、ユーザは表示部36に表示された透視画像を確認しながら、患者へのガイドワイヤ、カテーテルの挿入等の手技を行う。
(ステップS15)血管特定機能のON/OFFが判定される。
血管特定機能がONの場合は、ステップS16に処理が移行される。血管特定機能がOFFの場合は、ステップS23に処理が移行される。
(ステップS16)血管特定処理が実行される。
血管特定処理が実行される。
(ステップS17)血管候補が特定される。
デバイスが挿入されている血管候補が特定される。
(ステップS18)血管候補の変更の有無が判定される。
特定された血管候補が直前に特定された血管候補と同一である場合は、ステップS20に処理が移行される。一方、特定された血管候補が直前に特定された血管と異なる場合は、ステップS19に処理が移行される。なお、ステップS18が最初に行われた場合において、ステップS18の判定処理はなく、自動的にステップS19に処理が移行される。
(ステップS19)血管候補に関する情報が読み出される。
システム制御部24により、ステップS17で特定された血管候補に関する情報が、記憶部31から読み出される。
(ステップS20)血管候補に関する情報が表示される。
ステップS19で記憶部31から読み出された血管候補に関する情報が、表示部36に表示される。
(ステップS21)血管特定機能のOFFが判定される。
血管特定機能がONの状態の場合は、ステップS13に処理が移行される。血管特定機能がOFFにされた場合は、ステップS22に処理が移行される。
(ステップS22)血管候補に関する情報が非表示される。
表示部36に表示されていた血管候補に関する情報が非表示にされる。したがって、ステップS22の後の表示部36には透視画像のみが表示されている状態である。
(ステップS23)X線透視の終了が判定される。
X線透視が終了された場合は、ステップS24に処理が移行される。一方、X線透視が継続する場合は、ステップS13に処理が移行される。
(ステップS24)X線透視が終了される。
X線透視が終了される。
以上、ステップS11乃至ステップS24までの処理が、第1X線診断装置1を用いたワークフローで行われる。
(血管特定機能)
血管特定機能は、デバイスが挿入されている血管候補を、デバイスが挿入された被検体に関するX線画像に基づいて特定する機能である。血管特定機能に係る処理(以下、血管特定処理と呼ぶ。)について、図5を参照して説明する。
図5は、図4のステップS16に係り、血管特定処理の一例を示すフローチャートである。
(ステップS161)サブトラクション画像のデータが発生される。
サブトラクション部32により、現在の透視画像と直前の透視画像とに基づいて、サブトラクション画像のデータが発生される。なお、ここでは、サブトラクションに用いる画像として直前の透視画像としているが、過去の透視画像であれば、直前の透視画像は、例えば、撮影回数4回前の透視画像、2秒前に対応する透視画像等で代替が可能である。過去の透視画像の条件は、ユーザにより適宜変更が可能である。
(ステップS162)軌跡画像のデータが発生される。
移動軌跡特定部33により、サブトラクション画像のデータに基づいて、デバイスの移動軌跡に関するデータが発生される。具体的には、移動軌跡特定部33により、ステップS161で発生されたサブトラクション画像に基づいて、点列画像のデータが発生される。そして、移動軌跡特定部33により、点列画像のデータに対して線状化処理が実行されることにより軌跡画像のデータが発生される。この軌跡画像には、デバイスの移動軌跡を表す線が含まれる。
(ステップS163)デバイスの移動軌跡に対して変換処理が実行される。
一致度計算部34により、デバイスの移動軌跡と血管モデルとの間の位置合わせが実行される。具体的には、一致度計算部34により、デバイスの移動軌跡に対して特定の変換処理が実行される。特定の変換処理は、予め決められた規定の複数種類の変換処理のうちの1つである。ステップS165から処理が移行された場合において、一致度計算部34により、デバイスの移動軌跡に対して他の種類の変換処理が実行される。他の種類の変換処理は、予め決められた複数種類の変換処理のうち、まだ実行されていない変換処理である。
(ステップS164)一致度が計算される。
一致度計算部34により、変換後のデバイスの移動軌跡と血管モデルとの間の一致度が計算される。一致度の計算には、例えば、最小ニ乗和が適用される。
(ステップS165)規定の複数種類の変換処理が実行されたかが判定される。
規定の複数種類の変換処理が実行された場合はステップS166に処理が移行される。この場合、複数の血管モデル各々に対するデバイスの移動軌跡の一致度が計算された状態である。一方、まだ、規定の複数種類の変換処理が実行されていない場合は、ステップS163に処理が移行される。
(ステップS166)一致度が最大となる血管モデルが特定される。
血管候補特定部35により、複数の血管モデルのうち、デバイスの移動軌跡に対する一致度が最大となる血管モデルが特定される。ステップS17において、当該血管モデルに対応する血管が、デバイスが挿入されている1つの血管候補として特定される。
以上のステップS161乃至ステップS166の血管特定処理により、デバイスが挿入されている血管候補が特定される。
次に、図4で説明したワークフローに沿って手技が行われた場合に表示部36に表示される透視画像の一例について、図6を参照して説明する。
図6は、第1実施形態の血管特定機能が実行されたときの透視画像を表す図である。図6は、第1X線診断装置1を用いたワークフローにおいて、表示部36に表示される透視画像の時間変化を表している。透視画像61、透視画像62、透視画像63、及び透視画像64の撮影時刻は、それぞれ時刻t1、t2、t3及びt4に対応する。この間、デバイス6dは、ユーザ操作に従って、血管内を走行されているものとする。血管特定機能により、時刻t1、t2、t3及びt4において、デバイス6dが挿入されている血管候補が特定される。そして、図6に示すように、透視画像各々には、血管候補に関する情報が重ねて表示される。図6に示した例では、透視画像61、透視画像62、透視画像63、及び透視画像64が取得されたときの、デバイス6dが挿入されている血管の候補が、それぞれ血管候補A,血管候補B、血管候補C、及び血管候補Cであることを表している。
第1X線診断装置1の血管特定機能によれば、第1X線診断装置1はデバイスが挿入されている血管の候補を特定することができる。具体的には、第1X線診断装置1は、血管の形状を表す複数種類の血管モデルのデータに対してデバイス6dの移動軌跡に関するデータを比較することにより、デバイス6dの移動軌跡に対して一致度の高い血管モデルを現在デバイス6dが挿入されている血管の候補として特定することができる。そして、特定した血管の候補をユーザに対して提示することができる。これにより、ユーザは、造影剤等を使用しなくても、現在デバイス6dが挿入されている血管がどこであるかを把握することができる。
また、第1X線診断装置1の血管特定機能は、デバイス6dの移動軌跡に関するデータが蓄積される程、血管を特定する精度が向上する。例えば、図6に示すように、時刻t1に透視画像61が取得されたとき、実際にデバイス6dが挿入されている血管が血管Bであるにもかかわらず、血管特定機能により、デバイス6dが挿入されている血管の候補が血管候補Aとして特定されてしまう場合がある。これは、デバイス6dの移動軌跡は血管の形状を疑似的に表すため、デバイス6dの移動軌跡に関する情報量が少ない場合に、血管の形状を表すために必要十分な情報が得られず、他の血管モデルが特定されてしまう現象である。
こういった現象は、デバイス6dの挿入開始直後、血管の構造が複雑であるとき、及び血管特定機能のON直後等に発生する可能性がある。しかしながら、血管特定機能がONであれば、血管特定処理は繰り返し実行される。したがって、デバイスを少しずつ移動等させることで、デバイスの移動量が増え、デバイス6dの移動軌跡に関する情報量が蓄積される。これにより、血管の形状を表すために必要な情報量が蓄積され、血管特定処理の精度は向上される。したがって、血管特定機能により、図6に示すように、時刻t1では、誤った血管(血管候補A)が候補として特定されてしまったが、時刻t1から時刻t2までに、デバイス6dの移動軌跡に関する情報が蓄積され、血管の形状を表すために必要な情報量が十分に得られ、時刻t2で透視画像62が取得されたときに、実際にデバイス6dが挿入されている血管の候補を血管候補Bとして特定することができる。
このように、第1X線診断装置1の血管特定機能では、血管の特定精度が低い場合があるが、これは大きな問題とならない場合が多い。例えば、冠動脈インターベンションにおいて、太ももの付け根の大腿動脈からカテーテルを挿入し、目的の冠動脈まで進行させる場合を想定する。このとき、カテーテルを挿入した時点において、血管の特定精度は高い精度が要求されない場合が多い。これは、大腿動脈にカテーテルが挿入された時点で誤った血管候補が提示されても、ユーザは、カテーテルを挿入した血管を分っており、大腿動脈の中をカテーテルが進められていくにつれて、血管特定機能の血管の特定精度が向上されるためである。つまり、カテーテル挿入時点に比べて複雑なカテーテル操作が必要な血管にカテーテルが到達したときには、血管特定機能による血管の特定精度は確保できるため、血管特定機能の精度が低い場合があっても、この問題は大きな問題とならないことが多い。
以上説明した血管特定機能により、第1X線診断装置1は、ユーザに対してデバイスが挿入されている血管の候補を提示することができる。これにより、ユーザは、血管構造に関する知識がなくても、デバイスが挿入されている血管の候補をリアルタイムに把握することができる。これにより、ユーザは、予定されていない血管に誤ってデバイスを進行させてしまう等の手技のミスの防止、および全体の手技に対する現在の手技の進行状況等の把握を簡単にすることができる。したがって、第1X線診断装置1は、ユーザによる診断、治療等の効率を改善することができる。
(変形例1)
第1実施形態の第1変形例に係るX線診断装置1は、第1実施形態のX線診断装置1よりも高い精度を有する血管特定機能を提供する。以下、第1実施形態との差異を中心に説明する。
記憶部31は、複数の被検体に関する項目にそれぞれ対応する複数の血管モデルセットのデータを記憶する。被検体に関する項目は、例えば、被検体の性別、年齢、体格等が該当する。血管モデルセットは、複数の血管にそれぞれ対応する複数の血管モデルのデータのセットである。例えば、記憶部31は、被検体に関する項目として「女性」に関連付けて血管モデルセットを記憶する。この血管モデルセットは、被検体が女性の場合における、複数の血管にそれぞれ対応する複数の血管モデルのデータのセットである。また、記憶部31は、被検体に関する項目として「男性」に関連付けて血管モデルセットを記憶する。この血管モデルセットは、被検体が男性の場合における、複数の血管にそれぞれ対応する複数の血管モデルのデータのセットである。さらに、例えば、記憶部31は、被検体に関する項目として、「女性」、「普通体型」に関連付けて血管モデルセットを記憶する。この血管モデルセットは、被検体が普通体型の女性の場合における、複数の血管にそれぞれ対応する複数の血管モデルのデータのセットである。このように、記憶部31は、複数の血管モデルセットのデータを被検体に関する情報に応じて、例えば、性別、体格、年齢等で階層的に記憶する。
入力部21は、被検体に関する情報を入力する。被検体に関する情報は、例えば、ユーザ操作に従って入力される。また、被検体に関する情報は、第1変形例に係るX線診断装置1とLAN等の公衆回線で接続された、PACS(Picture Archiving and Communication System:医療画像情報システム),RIS(Radiology Information System;放射線診療情報システム),およびHIS(Hospital Information System;病院情報システム)等から入力されてもよい。
一致度計算部34は、記憶部31に記憶されている複数の血管モデルセットから、入力部21から入力された被検体に関する情報に基づいて、一致度を計算する対象の血管モデルセットを選択する。そして、一致度計算部34は、デバイスの移動軌跡に関するデータの、複数の血管モデル各々に対する一致度を計算する。
このように、第1実施形態の第1変形例に係るX線診断装置1は、被検体に関する情報に応じた血管モデルセットを一致度の計算の対象にすることができる。したがって、被検体の性別、年齢、体格等が異なることによって発生する血管の形状の個人差に対応することができる。したがって、第1実施形態の第1変形例に係るX線診断装置1は、第1実施形態に係るX線診断装置1に比べて、血管特定処理の精度を高くすることができる。
(変形例2)
第1実施形態の第2変形例に係るX線診断装置1は、第1実施形態のX線診断装置1よりも高い精度を有する血管特定機能を提供する。以下、第1実施形態との差異を中心に説明する。
記憶部31は、複数の血管にそれぞれ対応する複数の血管モデルのデータを記憶する。複数の血管モデル各々のデータには、対応する血管が走行する部位に関するデータが付帯されている。例えば、記憶部31は、大腿動脈に対応する血管モデルのデータを、大腿動脈が走行する部位「下肢」に関するデータを付帯させて記憶する。また、肺動脈に対応する血管モデルのデータを、肺動脈が走行する部位「胸部」に関するデータを付帯させて記憶する。さらに、記憶部31は、複数の部位にそれぞれ対応する複数の部位モデルのデータを記憶する。部位モデルは、例えば、その部位に対応するX線画像のデータ等である。
一致度計算部34は、透視画像のデータに基づいて、現在透視中の部位を特定する。具体的には、一致度計算部34は、透視画像のデータを、複数の部位モデルデータに対して比較することにより、複数の部位モデルから、現在の透視画像に対して一致度の高い部位モデルを特定する。そして、一致度計算部34は、記憶部31に記憶されている複数の血管モデルから、特定した部位に対応する血管モデルを選択する。そして、一致度計算部34は、デバイスの移動軌跡に関するデータの、選択した血管モデル各々に対する一致度を計算する。例えば、一致度計算部34が、透視画像のデータに基づいて、現在透視中の部位を「腹部」と特定した場合、一致度計算部34は、部位情報「腹部」を付帯する血管モデル各々に対する、デバイスの移動軌跡に関するデータの一致度を計算する。
このように、一致度計算部34は、透視画像のデータに基づいて、透視中の部位を特定することができる。そして、記憶部31に記憶されている複数の血管モデルから、特定した部位に従って、一致度を計算する対象の血管モデルを選択することができる。つまり、第1実施形態の第2変形例に係るX線診断装置1は、透視画像に基づいて特定した部位に従って、複数の血管モデルから一致度を計算する対象の血管モデルを絞り込むことができる。したがって、第1実施形態の第2変形例に係るX線診断装置1は、部位で絞り込んだ血管モデルだけを対象に一致度を計算するだけでよい。計算する対象が絞られることで、血管特定処理の精度は向上される。そのため、第1実施形態の第2変形例に係るX線診断装置1は、第1実施形態に係るX線診断装置1に比べて、血管特定処理の精度を高くすることができる。
(変形例3)
第1実施形態の第3変形例に係るX線診断装置1は、第1実施形態のX線診断装置1よりも高い精度を有する血管特定機能を提供する。以下、第1実施形態との差異を中心に説明する。
記憶部31は、手技の種類毎に複数の移動経路に関するデータを記憶する。例えば、手技の種類は、冠動脈インターベンション、脳血管インターベンション、頸動脈インターベンション及び腎動脈インターベンション等が該当する。これらの手技において、挿入(穿刺)部位から目的(手技対象)の位置までのデバイスの移動経路は、予め決められている場合が多い。例えば、インターベンションの場合、穿刺部位としては、手首の橈骨動脈、肘の上腕動脈、及び腿の付け根の大腿動脈等が該当する。例えば、脳血管インターベンションにおいて、大腿動脈からカテーテルを挿入する場合、カテーテルは、例えば、大腿動脈から、外腸骨動脈、総腸骨動脈、腹部大動脈、胸部大動脈、大動脈弓、総頸動脈、及び内頸動脈等を経由して目的の脳血管まで進められる。記憶部31は、挿入部位から目的の位置までに進行する血管のデータを記憶する。このとき、記憶部31は、進行する順序に従って、血管のデータを記憶してもよいし、移動経路において連続する血管同士を関連付けて記憶してもよい。
入力部21は、手技の種類に関する情報を入力する。また、入力部21は、手技の種類とともに、穿刺部位に関する情報を入力してもよい。手技の種類に関する情報等は、例えば、ユーザ操作に従って入力される。さらに、入力部21は、デバイスの移動経路に関する情報を入力してもよい。
一致度計算部34は、入力された手技の種類に基づいて、複数の血管モデルから、一致度を計算する対象の血管モデルを絞り込む。なお、一致度計算部34は、入力された手技の種類と穿刺部位とに基づいて、複数の血管モデルから、一致度を計算する対象の血管モデルを絞り込んでもよい。そして、一致度計算部34は、デバイスの移動軌跡の、絞り込んだ複数の血管モデル各々に対する一致度を計算する。また、一致度計算部34は、デバイスが辿ってきた血管に基づいて、複数の血管モデルから、一致度を計算する対象の血管モデルを絞り込むことができる。これは、デバイスが辿ってきた血管が分かることで、入力された手技の種類に対応する複数の移動経路のうち、どの移動経路で実際にデバイスが進められているかが分かるためである。また、連続する血管同士が関連付けられている場合、デバイスが辿ってきた血管が分かることで、現在、デバイスが挿入されている血管から、次にデバイスが進行される可能性のある血管の種類が限定されるためである。
また、一致度計算部34は、入力されたデバイスの移動経路に基づいて、複数の血管モデルから一致度を計算する対象の血管モデルを絞り込む。具体的には、一致度計算部34は、複数の血管モデルから、一致度を計算する対象を2つの血管モデルに絞り込む。当該2つの血管モデルにそれぞれ対応する2つの血管は連続する血管同士である。
このように、第1実施形態の第3変形例に係るX線診断装置1は、複数の血管モデルから一致度を計算する対象の血管モデルを複数種類の絞り込み条件に従って絞り込むことができる。絞り込み条件には、入力された手技の種類、入力された穿刺部位、入力されたデバイスの移動経路、及びデバイスが辿ってきた血管の種類等がある。絞り込み条件により、一致度を計算する対象の血管モデルに、予め手技に関係がないと分かっている血管モデルを除外することができる。したがって、第1実施形態の第3変形例に係るX線診断装置1は、第1実施形態に係るX線診断装置1に比べて、血管特定処理の精度を高くすることができる。
なお、第1実施形態の第3変形例に係るX線診断装置1は、デバイスが予定されている移動経路から外れた旨をユーザに通知する機能を有してもよい。具体的には、血管候補特定部35は、デバイスの移動軌跡の、絞り込まれた血管モデル各々の一致度が所定の閾値以下の場合において、デバイスが予定されている移動経路から外れた血管に挿入されている可能性がある旨を通知するメッセージを表示部36に対して出力する。表示部36は、血管候補特定部35から出力されたメッセージを表示する。これにより、ユーザは、デバイスが予定されている移動経路から外れた可能性があることを把握することができ、すぐにやり直し等をすることができる。したがって、第1実施形態の第3変形例に係るX線診断装置1は、ユーザによる診断、治療等の効率を改善することができる。
(変形例4)
第1実施形態の第4変形例に係るX線診断装置1の血管特定機能は、複数の血管候補を提示する機能を提供する。以下、第1実施形態との差異を中心に説明する。
血管候補特定部35は、デバイスの移動軌跡に関するデータと一致度の高い少なくとも1つの血管モデルを特定する。そして、血管候補特定部35は、当該少なくとも1つの血管モデルに対応する少なくとも1つの血管を血管候補として特定する。例えば、血管候補特定部35は、デバイスの移動軌跡に関するデータと一致度の高い順に3つの血管モデルにそれぞれ対応する3つの血管を血管候補として特定する。また、例えば、血管候補特定部35は、デバイスの移動軌跡に関するデータに対して、所定の値以上の一致度を有する血管モデルに対応する血管を血管候補として特定する。デバイスの移動軌跡に関するデータに対して、所定の値以上の一致度を有する血管モデルがないとき、血管候補特定部35は、複数の血管のうち、デバイスの移動軌跡に関するデータと一致度の高い順に、予め決められた数の血管モデルに対応する血管を血管候補として特定する。
表示部36は、血管候補特定部35により特定された少なくとも1つの血管候補に関する情報を表示する。また、血管候補特定部35により複数の血管候補が特定された場合において、入力部21を介したユーザ指示に従って、表示部36の表示画面に表示された複数の血管候補から、1つの血管候補が選択されてもよい。そして、選択された血管候補に関する情報のみが表示部36に表示されてもよい。
このように、第1実施形態の第4変形例に係るX線診断装置1は、血管候補として複数の血管をユーザに対して提示することができる。このとき提示される血管候補は、所定の値以上の一致度を有する血管候補、または一致度が高い順に予め決められた数の血管候補である。ユーザは、提示された複数の血管候補から、1つの血管候補を選択する。しかしながら、ユーザは、提示された数よりも少ない数の血管候補を選択してもよいし、1つの血管候補または提示された数よりも少ない数に自動的に血管候補が絞られるまで手技を継続してもよい。これは、第1実施形態でも説明したように、デバイスの移動量が多くなることで、デバイスの移動軌跡に関する情報量が蓄積され、血管特定処理の精度を向上させることができるためである。第1実施形態の第4変形例に係るX線診断装置1において重要なポイントは、第1実施形態では、最も高い一致度を有する血管モデルに対応する血管を血管候補としてユーザに提示するのみであるのに対し、第1実施形態の第4変形例では、デバイスが挿入されている血管の候補が複数である場合に、複数の血管候補をユーザに提示できる点にある。
デバイスの移動軌跡に対する一致度が最も高い血管モデルに対応する血管が必ずしもデバイスが挿入されている血管とは限らない。したがって、血管特定機能により、誤った血管が血管候補として提示される可能性がある。このような血管特定機能におけるデバイスが挿入されている血管の誤認は、例えば、デバイスの移動軌跡に対して一致度が高い血管モデルが複数存在する場合に発生する。このような場合に、第1実施形態の第4変形例に係るX線診断装置1を用いることで、ユーザは、デバイスが挿入されている可能性の高い複数の血管候補を確認することができる。そして、ユーザは、その中から、ユーザ自身の知識で、デバイスが挿入されている血管を選択してもよいし、1つの血管候補に絞り込まれるまで、手技を継続してもよい。つまり、第1実施形態の第4変形例に係るX線診断装置1を用いることで、一致度が最も高い血管候補が誤っている場合においても、ユーザのデバイスが挿入されている血管の誤認のリスクを低減することができる。言い換えると、ユーザが血管を誤認したまま手技を継続した場合の手技のやり直しのリスクを低減することができる。したがって、第1実施形態の第4変形例に係るX線診断装置1は、ユーザによる診断、治療等の効率を改善するX線診断装置を提供することにある。
(変形例5)
第1実施形態に係るX線診断装置1は、血管特定機能により、ユーザに対して現在デバイスが挿入されている血管の候補を提示することができる。一方、第1実施形態の第5変形例に係るX線診断装置1は、特定した血管候補に関連する情報を、ユーザに対して提示する。以下、第1実施形態との差異を中心に説明する。
記憶部31は、複数の血管にそれぞれ対応する複数の項目に関するデータを記憶する。血管に対応する項目は、条件に関する情報に関する複数の項目と、ユーザ支援情報に関する複数の項目とが含まれる。条件に関する情報は、撮影プログラム、造影条件、及び撮影条件等が該当する。ユーザ支援情報は、特定した血管候補に関連する操作支援情報、血管情報、及びコメント情報のうち、少なくとも1つを含む。なお、記憶部31には、1つの血管に対して、複数の撮影プログラム、造影条件、撮影条件、操作支援情報、血管情報、及びコメント情報等が関連付けて記憶されていてもよい。
操作支援情報は、ユーザによるデバイスの操作を支援するための情報である。操作支援情報は、例えば、特定した血管候補の分岐している地点において、現在の血管から他の血管にデバイスを進めるための推奨進入角度が該当する。推奨進入角度は予め登録されている。また、推奨進入角度は、同様の手技が実施された過去のデータに基づいて決定されてもよい。過去のデータには、現在の血管から進入先の血管に進入した時のデバイスの移動軌跡が含まれる。従って、推奨進入角度は、過去のデータに対して画像処理等を実行し、現在の血管と進入先の血管との間の角度が導出されることで、特定することができる。例えば、過去のデータは、1つであっても、複数であってもよい。複数の場合、推奨進入角度は、複数の過去のデータ各々の進入角度を平均することで決定される。また、推奨進入角度は、複数の過去のデータのうち、手技対象の被検体と性別、年齢、体格等が同一または類似する被検体に対して実施された過去のデータに基づいて決定されてもよい。また、操作支援情報は、過去に行われた同様の手技におけるデバイスの移動軌跡に関する情報であってもよい。
血管情報は、特定した血管候補の血管分岐情報または特定した血管候補の末梢血管情報等が該当する。血管情報は、ユーザが、これからのデバイス操作、デバイスを用いた手技の参考にするための情報である。
コメント情報は、特定した血管候補の血管名及び特定した血管候補で行われる治療プロセスまたはデバイスの操作プロセス等が該当する。なお、特定した一血管候補に対して、複数の治療プロセスまたは操作プロセスが関連つけられていてもよい。
表示部36は、血管候補特定部35により特定された血管候補の関連情報を表示する。このとき、表示部36に表示される関連情報は、上記で説明した複数種類の情報(操作支援情報、血管情報、及びコメント情報等)のうち、1つであってもよい、複数であってもよい。また、表示部36は、1種類の関連情報であっても、表示する候補が複数であれば、当該複数の関連情報を表示する。これにより、ユーザは、特定された血管候補の関連情報から、必要な関連情報を取捨選択することができ、ユーザによる手技効率等を向上させることができる。例えば、特定された血管候補に対して、複数の撮影プログラムが関連付けされている場合、表示部36は、当該複数の撮影プログラムを表示する。ユーザは、表示された複数の撮影プログラムから、一撮影プログラムを選択することで、撮影プログラムを変更することができる。また、ユーザは、表示された複数の撮影プログラムを参考に、撮影プログラムを再設定してもよい。表示部36に表示される関連情報は、予めユーザにより設定されている。なお、当該設定は、ユーザ指示に従って適宜変更が可能である。頭部用のプロトコルが選択された場合を考える。頭部には6つの大きな血管(動脈)があり、さらに大きな動脈から分岐する血管までを含めると血管名だけで非常に多くの候補が必要になり、その大量の選択肢から選択するのは非常に困難である。しかし血管候補を同定することで、この選択肢を少数に絞ることができ、選択が容易になると言う効果がある。
図7は、第1実施形態の第5変形例に係るX線診断装置1の血管特定機能が実行されたときの表示画面の一例を示す図である。図7は表示部36に表示される表示画面70を示している。表示画面には、移動経路71、患者モデル73、及び透視画像75が予め設定されたレイアウトに従って表示されている。移動経路71は、どのような移動経路を辿って目的の血管までデバイスを進めるべきかをユーザに通知するための操作支援情報である。移動経路71は、複数の血管名称が進入される順序に従って配列されている。この中で、現在、デバイスが進入中の血管の血管名称72は、他の血管に対して強調して表示される。患者モデル73における撮影範囲74は、現在のX線透視の範囲をユーザに通知する。透視画像75は、撮影範囲74に対応する。透視画像75には、デバイス100の陰影が含まれる。透視画像75には、血管候補に関する情報と操作支援情報とが重ねて表示される。血管候補に関する情報には、現在、デバイス100が進入中の血管候補名称76a等が該当する。また、操作支援情報には、血管が分岐している推定位置77、進入先の血管候補名称76b、周辺の血管候補名称76c、現在の血管から進入先の血管への推奨進入角度78、及び進入方向を表す矢印79等が該当する。現在の血管候補名称76a及び進入先の血管候補名称76bは、周辺の血管候補名称76cに対して強調して表示される。
なお、ここでは、推奨進入角度に関する情報が透視画像に対して重ねて表示されると記載しているが、現在の血管から進入先の血管へのユーザによるデバイスの操作が支援できるのであれば、他の情報が透視画像に対して重ねて表示されてもよい。例えば、過去に行われた同様の手技に対応するデバイスの移動軌跡を表す線が、現在、撮影中の透視画像に対して重ねて表示されてもよい。
第1実施形態の第5変形例に係るX線診断装置1によれば、血管候補に関する情報とともに、血管候補に関連する項目を表示することができる。これにより、ユーザは、デバイスが挿入されている血管の血管候補を確認するとともに、血管候補に対応する造影条件、撮影条件、及び移動経路に関する情報を確認することができる。なお、第1実施形態の第5変形例に係るX線診断装置1は、特定した血管候補に関連する、造影条件、撮影条件、及び移動経路に関する情報等をユーザに対して提示することができるが、どの情報を提示するかは、入力部21を介したユーザ指示に従って適宜変更が可能である。
例えば、ユーザは、デバイスが挿入されている血管候補に対応する造影条件及び撮影条件を確認できることで、手動でこれらの条件を変更することができる。したがって、ユーザは、進入中の血管に適した造影条件を設定できるため、必要量以上の造影剤の使用を防ぐことができる。また、ユーザは、進入中の血管に適した撮影条件を設定できるため、現在進入中の血管のX線透視に必要量以上の線量での撮影を防ぐことができ、患者の被ばく線量を抑えることができる。
また、例えば、ユーザは進入中の血管の血管候補とともに操作支援情報を確認できることで、誤った血管へのデバイスの進入を防ぐことができる。具体的には、ユーザは、透視画像75に重ねて表示された血管分岐の推定位置77により、どこに血管の分岐があるかを確認することができる。また、ユーザは、透視画像75に重ねて表示された推奨進入角度78及び矢印79により、血管分岐の推定位置77でどの方向にどれだけの角度でデバイスを進入させればよいかを確認することができる。
したがって、ユーザは、特定された血管候補に関連する必要な情報をリアルタイムに把握しながら、デバイスの操作を行うことができる。すなわち、第1実施形態の第5変形例に係るX線診断装置1は、ユーザによる診断、治療等の効率を改善することができる。
(変形例6)
第1実施形態の第6変形例に係るX線診断装置1は、第1実施形態の第5変形例に係るX線診断装置1において、手動で設定する必要があった造影条件及び撮影条件を自動的に設定する機能を提供する。以下、第1実施形態との差異を中心に説明する。
記憶部31は、複数の血管にそれぞれ対応する複数の撮影条件のデータを記憶する。また、記憶部31は、複数の血管にそれぞれ対応する複数の造影条件のデータを記憶する。
血管候補特定部35は、特定した血管候補に関するデータを条件設定部22に対して出力する。
条件設定部22は、血管候補特定部35から出力された血管候補に関するデータに基づいて、特定された血管候補に対応する撮影条件及び造影条件のうち少なくとも一方を自動的に再設定する。
このように、第1実施形態の第6変形例に係るX線診断装置1は、特定した血管候補に応じた撮影条件及び造影条件を自動的に設定することができる。第5変形例に係るX線診断装置1の効果に加え、第5変形例に係るX線診断装置1に比べて、ユーザによるこれらの条件の設定の手間を省くことができる。すなわち、第1実施形態の第6変形例に係るX線診断装置1は、ユーザによる診断、治療等の効率を改善することができる。
なお、第1実施形態の第6変形例に係るX線診断装置1は、特定した血管候補に応じた撮影条件及び造影条件を半自動的に設定してもよい。具体的には、表示部36の表示画面には、特定された血管候補に対応する撮影条件及び造影条件が表示される。そして、表示画面には、撮影条件及び造影条件各々を変更する契機となるスイッチが表示される。ユーザによりスイッチが押されたのを契機に、条件設定部22により、表示中の撮影条件及び造影条件のうち、少なくとも一方が設定される。これにより、ユーザは、ユーザのスイッチ操作によって、撮影条件及び造影条件等を再設定することができる。これにより、ユーザの意図しない条件の変更を避けることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態に係るX線診断装置1の血管候補の特定方法は、第1実施形態のX線診断装置1を用いる場合の血管候補の特定方法と異なる。以下、第1実施形態との差異を中心に説明する。
図8は、第2実施形態に係るX線診断装置のブロック構成の一例を示す図である。差異は、第1実施形態に係るX線診断装置1を構成した一致度計算部34が第2実施形態に係るX線診断装置1を構成しない点と、第1実施形態に係るX線診断装置1を構成しない画像処理部37が第2実施形態に係るX線診断装置1を構成する点とにある。第2実施形態に係るX線診断装置1において、デバイスの移動軌跡に関するデータは透視画像とレンダリング画像との間の位置合わせに用いられる。
以下、第2実施形態に係るX線診断装置1の血管特定機能について、図9を参照して説明する。
図9は、第2実施形態に係るX線診断装置1の血管特定機能を説明するための補足説明図である。
記憶部31は、被検体に関する3Dの血管画像101のデータを記憶する。3Dの血管画像101のデータは複数種類の血管を含む。3Dの血管画像101のデータにおいて、血管領域と当該血管領域に対応する血管名とが関連付けされている。ここでの被検体は、手技対象の被検体と同一であるのが好適である。しかしながら、被検体に関する3Dの血管画像101のデータは、他の被検体、例えば、手技対象の被検体と性別、年齢、体格等が一致または類似する被検体に関する3Dの血管画像のデータであってもよい。
画像処理部37は、3Dの血管画像101のデータに対して画像処理を実行することにより、2次元の血管画像93のデータを発生する。ここでの画像処理とは、レンダリング処理、投影処理、断面変換処理等が該当する。以下、説明を簡単にするため、画像処理部37は、3Dの血管画像のデータに対してレンダリング処理を実行することとする。レンダリング処理により発生された2Dの血管画像をレンダリング画像93と呼ぶ。このとき、画像処理部37は、現在の撮影位置(撮影軸)に従って、レンダリング処理時の視点の位置を決定する。これにより、画像処理部37により発生されるレンダリング画像93は、現在の透視画像と同一または類似する。具体的には、レンダリング画像93は、現在の透視画像と同一または類似する画像範囲を有し、現在の透視画像と同様の視点102から被検体を見た場合の画像として表される。例えば、図9に示すように、レンダリング画像93は、複数種類の血管にそれぞれ対応する複数の血管領域が含まれ、複数の血管領域各々には血管名(血管A,血管B、及び血管J)が関連付けされている。
画像処理部37は、透視画像90に対して、レンダリング画像93の位置合わせを行う。この位置合わせにおいて、デバイスの移動軌跡91が使用される。画像処理部37は、レンダリング画像93から血管領域を抽出し、当該血管領域が、デバイスの移動軌跡91に一致するように、レンダリング画像93に対して、剛体変換、非剛体変換等の画像処理を実行する。以上の処理により、画像処理部37は、透視画像90に対して、レンダリング画像93を位置整合させることができる。
血管候補特定部35は、位置整合された透視画像90とレンダリング画像93とに基づいて、血管名とデバイスの移動軌跡91とを対応させる。これにより、血管候補特定部35は、デバイスの移動軌跡91において、どの範囲がどの血管名であるかを特定することができる。言い換えると、血管候補特定部35は、デバイスの位置に対応する血管名を、デバイスが挿入されている血管の候補として特定することができる。
表示部36は、透視画像90に対して、レンダリング画像93を重ねた透視画像90aを表示する。図9に示すように、透視画像90aは、血管名に関するテキスト情報(テキスト94a、94b及び94c)を含む。前に述べたように、血管候補特定部35により、血管名とデバイスの移動軌跡91とが対応付けされている。血管名のテキスト情報は、透視画像90aにおいて、当該血管名に対応する血管領域がわかるように配置される。なお、透視画像90aにおいて、血管の形態を表す画像(レンダリング画像93)及び血管の名称のテキスト情報の透過度は、ユーザ指示に従って適宜個別に変更が可能である。したがって、例えば、血管の形態を表す画像が非表示であってもよい。
なお、表示部36は、透視画像90に対して、レンダリング画像93から得られる他の情報を重ねて表示してもよい。例えば、表示部36は、透視画像90に対して、血管芯線を表す線を重ねた透視画像90bを表示してもよい。血管芯線は、画像処理部37により、レンダリング画像93に対して閾値処理等が実行されることで抽出される。血管芯線は、デバイスの理想的な移動経路を表す。したがって、図9の透視画像90bのように、抽出された血管芯線の一部分96が表示されてもよい。なお、ここでは、血管芯線について説明したが、ユーザによるデバイスの操作を支援することができるのであれば、レンダリング画像93から得られる他の情報は血管芯線でなくてもよい。例えば、レンダリング画像93から抽出された血管壁を表す線が透視画像90に対して重ねて表示されてもよい。
以上述べた血管特定機能により、第2実施形態に係るX線診断装置1はデバイスが挿入されている血管の候補を特定することができる。これにより、第1実施形態と同様の効果を得ることが出来る。具体的には、医師等のユーザは、透視画像90aまたは透視画像90bを見ることで、現在、デバイスが挿入されている血管がどこであるかを直観的に確認することができる。また、ユーザは、デバイスをどのように進めるべきか、その経路を確認することができる。したがって、第2実施形態に係るX線診断装置1は、ユーザによる診断、治療等の効率を改善することができる。
なお、第1実施形態の第5変形例及び第6変形例は、第2実施形態に係るX線診断装置1に対して適用が可能である。この場合、第5変形例及び第6変形例各々と同様の効果を得ることができる。すなわち、医師等のユーザは、特定された血管候補に関連する情報を透視画像とともに確認することができる。また、ユーザは、必要に応じて、撮影条件、造影条件等の変更をすることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や趣旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものある。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
複数の血管にそれぞれ対応する複数の血管モデルのデータを記憶する記憶部と、
デバイスが挿入された被検体に関する、撮影時刻の異なる複数のX線画像のデータに基づいて、前記デバイスの移動軌跡を特定する移動軌跡特定部と、
前記複数の血管モデル各々と前記デバイスの移動軌跡との間の一致度を計算する一致度計算部と、
前記デバイスの移動軌跡に対する前記複数の血管モデル各々の一致度に基づいて、前記複数の血管から前記一致度が高い少なくとも1つの血管の候補を特定する血管候補特定部と、
を具備することを特徴する医用画像処理装置。
[2]
前記記憶部は、前記複数の血管モデルのデータを、前記複数の血管モデルにそれぞれ対応する複数の部位に関するデータとともに記憶し、
前記一致度計算部は、前記複数のX線画像のデータに基づいて前記デバイスが挿入された部位を特定し、前記特定した部位に従って、前記一致度を計算する対象の血管モデルを絞り込むこと、
を特徴とする[1]記載の医用画像処理装置。
[3]
前記記憶部は、前記複数の血管のうち、互いに連続する血管を関連付けて記憶し、
前記一致度計算部は、前記血管候補特定部により過去に特定された血管の候補に従って、前記一致度を計算する対象の血管モデルを絞り込むこと、
を特徴とする[1]記載の医用画像処理装置。
[4]
前記特定された血管の候補に対応する血管名称を表示する表示部をさらに具備すること、
を特徴とする[1]記載の医用画像処理装置。
[5]
前記記憶部は、前記複数の血管にそれぞれ対応する複数のユーザ支援情報のデータを記憶し、
前記特定された血管の候補に対応するユーザ支援情報を表示する表示部をさらに具備すること、
を特徴とする[1]記載の医用画像処理装置。
[6]
前記血管の候補が複数であるとき、
前記特定された複数の血管の候補からユーザにより選択された血管の候補を入力する入力部をさらに具備し、
前記表示部は、前記ユーザにより選択された血管の候補に対応するユーザ支援情報を表示すること、
を特徴とする[5]記載の医用画像処理装置。
[7]
前記ユーザ支援情報は、前記デバイスの操作を支援する操作支援情報を含み、
前記操作支援情報は、前記特定された血管の候補から他の血管に前記デバイスを進めるための推奨角度情報を含むこと、
を特徴とする[5]記載の医用画像処理装置。
[8]
前記推奨角度は、前記特定された血管の候補から前記他の血管に前記デバイスが進められた過去のデータに基づいて決定されること、
を特徴とする[7]記載の医用画像処理装置。
[9]
前記ユーザ支援情報は、前記特定された血管の候補に関連する血管情報を含み、
前記血管情報は、前記特定された血管の血管分岐情報または前記特定された血管の末梢血管情報を少なくとも含むこと、
を特徴とする[5]記載の医用画像処理装置。
[10]
前記ユーザ支援情報は、前記特定された血管の候補に関するコメント情報を含み、
前記コメント情報は、前記特定された血管の候補で行われる治療プロセスまたは前記デバイスの操作プロセスを少なくとも含むこと、
を特徴とする[5]記載の医用画像処理装置。
[11]
前記記憶部は、前記複数の血管にそれぞれ対応する複数の条件のデータを記憶し、
前記特定された血管の候補に対応する条件を設定する条件設定部をさらに具備すること、
を特徴とする[1]記載の医用画像処理装置。
[12]
前記血管の候補が複数であるとき、
前記複数の血管の候補からユーザにより選択された血管の候補を入力する入力部をさらに具備し、
前記条件設定部は、前記ユーザにより選択された血管の候補に対応する条件を設定すること、
を特徴とする[11]記載の医用画像処理装置。
[13]
前記条件は、撮影条件、造影条件、及び撮影プログラムのうち、少なくとも1つを含むこと、
を特徴とする請求項11に記載の医用画像処理装置。
[14]
血管名と血管領域とが対応付けられている血管画像のデータを記憶する記憶部と、
デバイスが挿入された被検体に関する、撮影の時刻が異なる複数のX線画像のデータに基づいて、前記デバイスの移動軌跡を特定する移動軌跡特定部と、
前記デバイスの移動軌跡に基づいて、前記X線画像と前記血管画像との間の位置合わせを行う画像処理部と、
を具備することを特徴する医用画像処理装置。
[15]
前記記憶部は、前記血管名と前記血管領域とが対応付けられている3次元の血管画像のデータを記憶し、
前記画像処理部は、前記撮影の軸に基づいて、前記3次元の血管画像のデータから2次元の血管画像のデータを発生し、前記デバイスの移動軌跡に基づいて、前記X線画像と前記2次元の血管画像との間の位置合わせを行うこと、
を特徴とする[14]記載の医用画像処理装置。
[16]
複数種類の血管にそれぞれ対応する複数の血管モデルのデータを記憶する記憶部と、
被検体に挿入されたデバイスの移動軌跡に関するデータを取得する取得部と、
前記複数の血管モデル各々と前記デバイスの移動軌跡との間の一致度を計算する一致度計算部と、
前記デバイスの移動軌跡に対する前記複数の血管モデル各々の一致度に基づいて、前記複数種類の血管から前記一致度が高い少なくとも1つの血管の候補を特定する血管候補特定部と、
を具備することを特徴する医用画像処理装置。
[17]
[1]乃至[16]のうちいずれかに記載の医用画像処理装置を具備すること、
を特徴とするX線診断装置。