JP6439345B2 - 難燃剤エマルジョン、樹脂エマルジョン、樹脂組成物及び成型品 - Google Patents

難燃剤エマルジョン、樹脂エマルジョン、樹脂組成物及び成型品 Download PDF

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本発明は、難燃剤エマルジョン、樹脂エマルジョン、樹脂組成物及び成型品に関する。
現在、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(以下、ABS樹脂と呼ぶ場合がある)、ポリスチレン重合体(以下、PS樹脂と呼ぶ場合がある)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(以下、NBR樹脂と呼ぶ場合がある)等の熱可塑性樹脂を分散媒中に分散させた樹脂エマルジョンが、接着剤、改質剤、塗料等の分野で用いられている。そして、樹脂エマルジョンの更なる用途拡大等を目的として、難燃剤エマルジョンを配合して難燃性を付与することが検討されている。
難燃剤エマルジョンとしては、例えば、以下のものが知られている。
例えば、特許文献1には、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)等の縮合リン酸エステル難燃剤が、トリスチレン化フェノールエチレンオキサイド付加物等の界面活性剤を用いて、水中に乳化分散されてなる難燃剤エマルジョンが提案されている。
また、例えば、特許文献2には、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)の難燃剤が、界面活性剤を用いて水中で乳化分散した難燃剤エマルジョンが提案されている。
ところで、熱可塑性樹脂の樹脂エマルジョンに難燃剤エマルジョンを配合する場合には、得られる樹脂エマルジョンのエマルジョン安定性が求められる。
特開2004−75772号公報 特開2008−156616号公報
本発明の目的は、熱可塑性樹脂の樹脂エマルジョンに用いられる難燃剤エマルジョンにおいて、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)の難燃剤とトリスチレン化フェノールエチレンオキサイド付加物の界面活性剤と分散媒体とからなる難燃剤エマルジョンと比較して、得られる樹脂エマルジョンのエマルジョン安定性が向上する難燃剤エマルジョン、当該難燃剤エマルジョンを含む樹脂エマルジョン、樹脂組成物及び成型品を提供することにある。
請求項1に係る発明は、下記式(1)で表される縮合リン酸エステル及び下記式(2)で表される縮合リン酸エステルのうち少なくともいずれか一方を含む難燃剤と、アルキルホスフェート塩及びβ−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩を含む界面活性剤と、分散媒体と、を有する難燃剤エマルジョンである。
Figure 0006439345
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(ここで、Q1、Q2、Q3、Q4、Q9、Q10、Q11、Q12は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1から6のアルキル基を表し、Q5、Q6、Q7、Q8、Q13は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、nは1以上の整数を表し、m1、m2、m3、m4、m7、m8、m9、m10は、それぞれ独立に0から3の整数を示し、m5、m6は、それぞれ独立に0から2の整数を表し、m11は、0から4の整数を表す)。
請求項2に係る発明は、前記縮合リン酸エステル100質量部に対して、前記アルキルホスフェート塩の含有量は0.5質量部以上5質量部以下であり、前記β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩の含有量は0.5質量部以上5質量部以下である請求項1記載の難燃剤エマルジョンである。
請求項3に係る発明は、下記式(1)で表される縮合リン酸エステル及び下記式(2)で表される縮合リン酸エステルのうち少なくともいずれか一方を含む難燃剤と、アルキルホスフェート塩及びβ−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩を含む界面活性剤と、分散媒体と、熱可塑性樹脂と、を含む樹脂エマルジョンである。
Figure 0006439345
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(ここで、Q1、Q2、Q3、Q4、Q9、Q10、Q11、Q12は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1から6のアルキル基を表し、Q5、Q6、Q7、Q8、Q13は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、nは1以上の整数を表し、m1、m2、m3、m4、m7、m8、m9、m10は、それぞれ独立に0から3の整数を示し、m5、m6は、それぞれ独立に0から2の整数を表し、m11は、0から4の整数を表す。)
請求項4に係る発明は、前記熱可塑性樹脂は、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリスチレン樹脂(PS樹脂)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリル系樹脂から選択される1種以上の樹脂を含む請求項3記載の樹脂エマルジョンである。
請求項5に係る発明は、請求項3又は4記載の樹脂エマルジョンが固化された固化物を含む樹脂組成物である。
請求項6に係る発明は、請求項3又は4記載の樹脂エマルジョンが基材に塗布されてなる塗布膜を含む成型品である。
請求項1に係る発明によれば、熱可塑性樹脂の樹脂エマルジョンに用いられる難燃剤エマルジョンにおいて、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)の難燃剤とトリスチレン化フェノールエチレンオキサイド付加物の界面活性剤と分散媒体とからなる難燃剤エマルジョンと比較して、得られる樹脂エマルジョンのエマルジョン安定性が向上する難燃剤エマルジョンが提供される。
請求項2に係る発明によれば、上記縮合リン酸エステル100質量部に対して、アルキルホスフェート塩の含有量が0.5質量部未満又は5質量部を超える場合、又はβ−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩が0.5質量部未満又は5質量部を超える場合と比較して、得られる樹脂エマルジョンのエマルジョン安定性がより向上する難燃剤エマルジョンが提供される。
請求項3に係る発明によれば、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)の難燃剤とトリスチレン化フェノールエチレンオキサイド付加物の界面活性剤と分散媒体と熱可塑性樹脂とからなる樹脂エマルジョンと比較して、エマルジョン安定性が向上した樹脂エマルジョンが提供される。
請求項4に係る発明によれば、熱可塑性樹脂としてポリ塩化ビニルを用いた場合と比較して、エマルジョン安定性が向上した樹脂エマルジョンが提供される。
請求項5に係る発明によれば、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)の難燃剤とトリスチレン化フェノールエチレンオキサイド付加物の界面活性剤と分散媒体と熱可塑性樹脂とからなる樹脂エマルジョンが固化した樹脂組成物と比較して、難燃性が向上した樹脂組成物が提供される。
請求項6に係る発明によれば、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)の難燃剤とトリスチレン化フェノールエチレンオキサイド付加物の界面活性剤と分散媒体と熱可塑性樹脂とからなる樹脂エマルジョンを基材に塗布した成型品と比較して、難燃性が向上した成型品が提供される。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
[難燃剤エマルジョン]
本実施形態に係る難燃剤エマルジョンは、下記式(1)で表される縮合リン酸エステル及び下記式(2)で表される縮合リン酸エステルのいずれか一方を含む難燃剤と、アルキルホスフェート塩及びβ−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩を含む界面活性剤と、分散媒体と、を有する難燃剤エマルジョンである。そして、本実施形態に係る難燃剤エマルジョンは、下記式(1)で表される縮合リン酸エステル及び下記式(2)で表される縮合リン酸エステルのいずれか一方を含む難燃剤が、アルキルホスフェート塩及びβ−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩を含む界面活性剤の存在下で分散媒体中に分散した状態で使用されることが望ましい。
Figure 0006439345
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ここで、Q1、Q2、Q3、Q4、Q9、Q10、Q11、Q12は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1から6のアルキル基を表し、Q5、Q6、Q7、Q8、Q13は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、m1、m2、m3、m4、m7、m8、m9、m10は、それぞれ独立に0から3の整数を示し、m5、m6は、それぞれ独立に0から2の整数を表し、m11は、0から4の整数を表す。
上記式(1)及び(2)で表される縮合リン酸エステルは、ハロゲン化合物に代わる難燃剤として期待されているものであるが、通常、熱可塑性樹脂が分散した樹脂エマルジョンに、上記縮合リン酸エステルが分散した難燃剤エマルジョンを配合すると、上記縮合リン酸エステルあるいは熱可塑性樹脂の化学的安定性が損なわれるため、熱可塑性樹脂が凝集したり、上記縮合リン酸エステルが分離したりして、得られる樹脂エマルジョンのエマルジョン安定性に影響を及ぼす場合がある。
しかし、本実施形態の難燃剤エマルジョンでは、アルキルホスフェート塩及びβ−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩を含む界面活性剤が、上記縮合リン酸エステルに吸着すると共に、熱可塑性樹脂にも吸着して、難燃剤及び熱可塑性樹脂粒子を化学的に安定化させると考えられる。そして、アルキルホスフェート塩及びβ−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩を含む界面活性剤による熱可塑性樹脂及び上記縮合リン酸エステルの化学的安定性は、トリスチレン化フェノールエチレンオキサイド付加物の界面活性剤による熱可塑性樹脂及び上記縮合リン酸エステルの化学的安定性より高いと考えられる。このため、本実施形態の難燃剤エマルジョンの方が、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)の縮合リン酸エステルの難燃剤とトリスチレン化フェノールエチレンオキサイド付加物の界面活性剤と分散媒体とからなる難燃剤エマルジョンより、上記縮合リン酸エステルと熱可塑性樹脂との化学的反応又は物理的な衝撃が緩和され、得られる樹脂エマルジョンのエマルジョン安定性が向上すると考えられる。
以下に、本実施形態の難燃剤エマルジョンの各成分について説明する。
<上記式(1)、(2)で表される縮合リン酸エステル>
上記式(1)又は(2)で表される縮合リン酸エステルは、例えば、オキシ塩化リン等のハロゲン化リンと、二価のフェノール系化合物等のポリヒドロキシル化合物と、フェノール等のヒドロキシル化合物との反応により生成される。上記式(1)で表される縮合リン酸エステルは、例えば、レゾルシノールビス−ジフェニルホスフェート、ハイドロキノンビス−ジフェニルホスフェート、レゾルシノールビス−ジキシリルホスフェート、ハイドロキノンビス−ジキシリルホスフェート、レゾルシノールビス−ジトリルホスフェート等が挙げられる。また、上記式(2)で表される縮合リン酸エステルは、例えば、ビスフェノールAビス−ジフェニルホスフェート、ビスフェノールSビス−ジフェニルホスフェート、ビスフェノールAビス−ジキシレニルホスフェート、ビスフェノールAビス−ジトリルホスフェート等が挙げられる。これらの中では、得られる成型品等の難燃性を向上させる点で、レゾルシノールビス−ジフェニルホスフェート(以下、RDPと称する)、ビスフェノールAビス−ジフェニルホスフェート(以下、BDPと称する)が好ましい。
上記式(1)又は(2)で表される縮合リン酸エステルは、合成品に限られず市販品でもよい。縮合リン酸エステルの市販品としては、例えば、大八化学社製の市販品(「PX200」、「PX201」、「PX202」、「CR741」等)、アデカ社製の市販品(「アデカスタブFP2100」、「FP2200」等)等が挙げられる。これらの中では、得られる樹脂成形体の柔軟性を向上させる観点から、下記式(3)で示される化合物(例えば大八化学社製「PX200」)、及び下記式(4)で示される化合物(例えば大八化学社製「CR741」)から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
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本実施形態で用いられる上記縮合リン酸エステルの含有量は、例えば、難燃剤エマルジョンの全量に対して、5質量%以上50質量%以下であることが好ましく、10質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。上記縮合リン酸エステルの含有量が、5質量%未満であると、上記範囲を満たす場合と比較して、得られる成型品の難燃性が低下する場合があり、上記縮合リン酸エステルの含有量が、50量%を超えると、上記範囲を満たす場合と比較して、難燃剤エマルジョンの安定性が低下する場合がある。
<アルキルホスフェート塩>
本実施形態で用いられるアルキルホスフェート塩は、例えば、下記式(5)で表される化合物が挙げられる。
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上記式(5)において、Rはアルキル基を表し、炭素数6以上22以下のアルキル基であることが好ましく、炭素数6以上18以下のアルキル基であることがより好ましい。Rとしては、例えば、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ラウリル基、トリデシル基、セチル基、ミリスチル基、ステアリル基、イソステアリル基、ベヘニル基等が挙げられる。AOは、オキシアルキレン基を表し、例えば炭素数2以上4以下のオキシアルキレン基であることが好ましい。オキシアルキレン単位の繰り返し数であるmは0以上15以下の整数であることが好ましく、0以上8以下の整数であることがより好ましい。rは1以上2以下の整数であることが好ましい。Mは水素イオン又はアルカリ金属イオンを表している。
アルキルホスフェート塩としては、例えば、n−ヘキシルホスフェートカリウム塩、n−ヘプチルホスフェートカリウム塩、n−オクチルホスフェートカリウム塩、n−ラウリルホスフェートカリウム塩、n−ステアリルホスフェートカリウム塩、n−オレイルホスフェートカリウム塩、ポリオキシエチレンn−ヘキシルホスフェートカリウム塩、ポリオキシエチレンn−オクチルホスフェートカリウム塩、ポリオキシエチレンn−ラウリルホスフェートカリウム塩、ポリオキシエチレンn−ステアリルホスフェートカリウム塩、ポリオキシエチレンn−オレイルホスフェートカリウム塩、ポリオキシエチレンn−ラウリルホスフェートナトリウム塩等が挙げられる。また、アルキルホスフェート塩は、合成品でも市販品でもよく、市販品としては、例えば、東邦化学社製の市販品(「Lo−529」等)等が挙げられる。
<β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩>
β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩は、例えば、ナフタレンを硫酸でスルホン化した後、ホルムアルデヒドで縮合反応し、炭酸ナトリウム等で金属塩として中和することにより生成される。β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の金属塩としては、例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウムなどの2価の金属塩等が挙げられる。また、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩は、合成品でも市販品でもよく、市販品としては、例えば、花王社製の市販品(「デモールT−45」等)等が挙げられる。
本実施形態で用いられるアルキルホスフェート塩及びβ−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩の含有量は以下の範囲であることが好ましい。アルキルホスフェート塩の含有量は、上記縮合リン酸エステル100質量部に対し、0.5質量部以上5質量部以下であることが好ましく、1質量部以上4質量部以下であることがより好ましく、また、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩の含有量は、上記縮合リン酸エステル100質量部に対し、0.5質量部以上5質量部以下であることが好ましく、1質量部以上4質量部以下であることがより好ましい。アルキルホスフェート塩及びβ−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩の含有量が、上記縮合リン酸エステル100質量部に対し、0.5質量部以上5質量部以下である場合、上記範囲を満たさない場合と比較して、得られる樹脂エマルジョンのエマルジョン安定性がより向上する場合がある。
<分散媒体>
本実施形態で用いられる分散媒体は、上記縮合リン酸エステルを分散させるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、水、有機溶媒、及びこれらの混合溶媒である水性有機溶媒等が挙げられる。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−及びイソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、ポリアルキレングリコールのアルキルエーテル類等が挙げられる。これらの中では、環境に対する負荷の点から、水や水性有機溶媒等を用いることが好ましい。
本実施形態の難燃剤エマルジョンの製造方法は、特に制限されるものではないが、例えば、上記縮合リン酸エステルを含む難燃剤を上記アルキルホスフェート塩及び上記β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩を含む界面活性剤の存在下で機械的剪断力を与え、分散媒体中に分散させる方法等が挙げられる。
<樹脂エマルジョン>
本実施形態の樹脂エマルジョンは、上記式(1)で表される縮合リン酸エステル及び上記式(2)で表される縮合リン酸エステルのうち少なくともいずれか一方を含む難燃剤と、アルキルホスフェート塩及びβ−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩を含む界面活性剤と、分散媒体と、熱可塑性樹脂とを含むものである。そして、本実施形態の樹脂エマルジョンは、上記式(1)で表される縮合リン酸エステル及び上記式(2)で表される縮合リン酸エステルのうち少なくともいずれか一方を含む難燃剤及び熱可塑性樹脂が、アルキルホスフェート塩及びβ−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩を含む界面活性剤の存在下で分散媒体中に分散した状態で使用されることが望ましい。
本実施形態で用いられる熱可塑性樹脂エマルジョンは、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)エマルジョン、ポリスチレン重合体(PS樹脂)エマルジョン、スチレン−ブタジエンゴム(SBR樹脂)エマルジョン、ブタジエンゴム(BR樹脂)エマルジョン、イソプレンゴム(IR樹脂)エマルジョン、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR樹脂)エマルジョン、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM樹脂)エマルジョン、アクリル系(アクリル系樹脂)エマルジョン、アクリレート−スチレン−アクリロニトリル共重合体(ASA樹脂)エマルジョン等が挙げられる。熱可塑性樹脂は、難燃剤エマルジョンとブレンドした時の安定性の点で、ABS樹脂エマルジョン、PS樹脂エマルジョン、SBR樹脂エマルジョン、BR樹脂エマルジョン、IR樹脂エマルジョン、NBR樹脂エマルジョン、EPDM樹脂エマルジョン、アクリル系樹脂エマルジョンから選択される1種以上の熱可塑性樹脂エマルジョンを含むことが好ましい。
熱可塑性樹脂は、塊状重合法、溶液重合法、塊状懸濁重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の方法により製造され、重合が容易である等の点で、乳化重合が好ましい。乳化重合は、例えば、水等の分散媒体中に乳化剤を溶解させ、撹拌下で熱可塑性樹脂の単量体成分および重合開始剤を滴下させる方法等が挙げられる。
樹脂エマルジョンの製造方法は、特に制限されるものではないが、製造が容易である等の点で、例えば、上記難燃剤エマルジョンと、乳化重合により得られた熱可塑性樹脂を含む樹脂エマルジョンとを混合して機械的剪断力を与えることにより樹脂エマルジョンを製造する方法が好ましい。
<その他の成分>
本実施形態における樹脂エマルジョンは、エマルジョン安定性が損なわれない範囲で、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、例えば、加水分解防止剤、酸化防止剤等が挙げられる。
加水分解防止剤としては、例えば、カルボジイミド化合物、オキソゾリン系化合物が挙げられる。カルボジイミド化合物としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ナフチルカルボジイミド等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系、アミン系、リン系、イオウ系、ヒドロキノン系、キノリン系酸化防止剤等が挙げられる。
<樹脂組成物>
本実施形態の樹脂組成物は、上記説明した本実施形態の樹脂エマルジョンが固化された固化物を含むものである。樹脂エマルジョンの固化方法は、特に制限されるものではないが、例えば、樹脂エマルジョンに凝集剤を添加することにより得られる凝集物を水洗後、乾燥する方法等が挙げられる。上記固化方法によって、例えば、上記縮合リン酸エステル、アルキルホスフェート塩及びβ−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩を含む粉末として回収される。なお、得られた固化物をIR等の分析を行い、アルキルホスフェート塩、あるいはβ−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩由来のピークが見られる場合、本実施形態の樹脂エマルジョンが固化されたものであると推定される。
凝集剤としては、例えば、硫酸、塩酸、リン酸、酢酸、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化バリウム、塩化アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムアンモニウム、硫酸アルミニウムカリウムおよび硫酸アルミニウムナトリウムなどが挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物は、例えば、射出成型、押し出し成型、ブロー成型、熱プレス成型、ディップ成型などの成型方法により成型されて、電子・電気機器、家電製品、容器、自動車内装材などの成型品として利用されてもよいし、塗布用途や樹脂改質剤として利用されてもよい。
本実施形態の樹脂組成物は、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)の難燃剤とトリスチレン化フェノールエチレンオキサイド付加物の界面活性剤と分散媒体と熱可塑性樹脂とからなる樹脂エマルジョンが固化した樹脂組成物と比較して、難燃剤が高分散されていると考えられるため、難燃性が向上した樹脂組成物となる。
<成型品>
本実施形態の成型品は、上記説明した本実施形態の樹脂エマルジョンが基材に塗布されてなる塗布膜を含むものである。樹脂エマルジョンの塗布方法は、特に制限されるものではなく、例えば、ドクターブレードナイフコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ロータリーコーター、フローコーター、ダイコーター、バーコーター等の塗布方法、スピンコート、スプレイコート、ディップコート等の塗布方法、スクリーン印刷やグラビア印刷等の塗布方法等が挙げられる。これらの中では、塗布膜の形成が容易である等の点から、ディップコートによる塗布方法を選択することが好ましい。また、樹脂エマルジョンを基材に塗布した後に、必要に応じて、乾燥処理を行うことが好ましい。乾燥処理された塗布膜をIR等の分析を行い、アルキルホスフェート塩、あるいはβ−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩由来のピークが見られる場合、本実施形態の樹脂エマルジョンが塗布されたものであると推定される。
上記樹脂エマルジョンを塗布する基材としては、特に制限されるものではなく、例えば、ガラス基板、ステンレス、アルミナ、銅、ニッケル等の金属基板、ポリエチレングリコールテレフタレート、ポリエチレングリコールナフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリフェニレンスルフィド等の樹脂基板などが挙げられる。
塗布膜の厚みは、得られる成型品の大きさ等によって適宜調整されるものであるが、例えば、1μm以上1000μm以下の範囲である。
基材に塗布された樹脂エマルジョンの乾燥温度は、特に制限されるものではないが、例えば、80℃以上200℃以下の範囲である。
本実施形態の成型品は、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)の難燃剤とトリスチレン化フェノールエチレンオキサイド付加物の界面活性剤と分散媒体と熱可塑性樹脂とからなる樹脂エマルジョンを基材に塗布した成型品と比較して、難燃剤が高分散されていると考えられるため、難燃性が向上した成型品となる。
本実施形態に係る成型品は、電子・電気機器、家電製品、容器、自動車内装材などの用途に好適に用いられる。より具体的には、家電製品や電子・電気機器などの筐体、各種部品など、ラッピングフィルム、CD−ROMやDVDなどの収納ケース、食器類、食品トレイ、飲料ボトル、薬品ラップ材などであり、中でも、電子・電気機器の部品に好適である。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
縮合リン酸エステルとしてレゾルシノールビス−ジフェニルホスフェート(商品名「CR733S」、大八化学社製)100質量部と、蒸留水200質量部と、界面活性剤としてアルキルホスフェート塩(商品名「Lo−529」ポリオキシエチレントリデシルエーテルリン酸塩、東邦化学社製)3質量部及びβ−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩(商品名「デモールT−45」、花王社製)3質量部とを、ホモミキサーにより、10000rpmの条件で撹拌し、難燃剤エマルジョンA−1を得た。
(ABS樹脂の樹脂エマルジョンの製造)
ABS樹脂(ZFJ−5、UMGABS社製)をシクロヘキサンに溶解し、固形分濃度10質量部のABS樹脂のシクロヘキサン溶液を調製した。当該シクロヘキサン溶液と固形分濃度1.5質量部のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液を質量比で1:1となるように混合し、攪拌した。この操作をローター・ステーター型乳化機(太平洋機工社製 マイルダー307)により10回行い、ABS樹脂エマルジョンを得た。当該乳化液から80℃、−0.01〜−0.09MPaの減圧下でシクロヘキサンを留去し、その後、連続遠心分離機(アルファラバル社製 SGR509)で遠心分離を行い、固形分濃度33質量部のABS樹脂エマルジョンを得た。そして、難燃剤エマルジョンA−1を150質量部と、乳化重合により得られたABS樹脂の樹脂エマルジョンを500質量部とを混合し、ホモミキサーにより、30rpmで1時間撹拌し、樹脂エマルジョンB−1を得た。
(実施例2)
アルキルホスフェート塩を3質量部から0.5質量部に、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩を3質量部から5質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、難燃剤エマルジョンA−2を得た。また、難燃剤エマルジョンA−1を難燃剤エマルジョンA−2に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、樹脂エマルジョンB−2を得た。
(実施例3)
アルキルホスフェート塩を3質量部から5質量部に、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩を3質量部から0.5質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、難燃剤エマルジョンA−3を得た。また、難燃剤エマルジョンA−1を難燃剤エマルジョンA−3に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、樹脂エマルジョンB−3を得た。
(実施例4)
アルキルホスフェート塩を3質量部から0.4質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、難燃剤エマルジョンA−4を得た。また、難燃剤エマルジョンA−1を難燃剤エマルジョンA−4に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、樹脂エマルジョンB−4を得た。
(実施例5)
アルキルホスフェート塩を3質量部から6質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、難燃剤エマルジョンA−5を得た。また、難燃剤エマルジョンA−1を難燃剤エマルジョンA−5に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、樹脂エマルジョンB−5を得た。
(実施例6)
β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩を3質量部から0.4質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、難燃剤エマルジョンA−6を得た。また、難燃剤エマルジョンA−1を難燃剤エマルジョンA−6に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、樹脂エマルジョンB−6を得た。
(実施例7)
β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩を3質量部から6質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、難燃剤エマルジョンA−7を得た。また、難燃剤エマルジョンA−1を難燃剤エマルジョンA−7に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、樹脂エマルジョンB−7を得た。
(実施例8)
縮合リン酸エステルとしてビスフェノールAビス−ジフェニルホスフェート(商品名CR−741、大八化学社製)100質量部と、蒸留水200質量部と、界面活性剤としてアルキルホスフェート塩(商品名「Lo−529」、東邦化学社製、ポリオキシエチレントリデシルエーテルリン酸塩)3質量部及びβ−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩(商品名「デモールT−45」、花王社製)3質量部とを、ホモミキサーにより、10000rpmの条件で撹拌し、難燃剤エマルジョンA−8を得た。
難燃剤エマルジョンA−8を500質量部と、乳化重合により得られたABS樹脂エマルジョンを500質量部とを混合し、ホモミキサーにより、30rpmで1時間撹拌し、樹脂エマルジョンB−8を得た。
(実施例9)
アルキルホスフェート塩を3質量部から0.5質量部に、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩を3質量部から5質量部に変更したこと以外は、実施例8と同様の操作を行い、難燃剤エマルジョンA−9を得た。また、難燃剤エマルジョンA−8を難燃剤エマルジョンA−9に変更したこと以外は、実施例8と同様の操作を行い、樹脂エマルジョンB−9を得た。
(実施例10)
アルキルホスフェート塩を3質量部から5質量部に、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩を3質量部から0.5質量部に変更したこと以外は、実施例8と同様の操作を行い、難燃剤エマルジョンA−10を得た。また、難燃剤エマルジョンA−8を難燃剤エマルジョンA−10に変更したこと以外は、実施例8と同様の操作を行い、樹脂エマルジョンB−10を得た。
(実施例11)
アルキルホスフェート塩を3質量部から0.4質量部に変更したこと以外は、実施例8と同様の操作を行い、難燃剤エマルジョンA−11を得た。また、難燃剤エマルジョンA−8を難燃剤エマルジョンA−11に変更したこと以外は、実施例8と同様の操作を行い、樹脂エマルジョンB−11を得た。
(実施例12)
アルキルホスフェート塩を3質量部から6質量部に変更したこと以外は、実施例8と同様の操作を行い、難燃剤エマルジョンA−12を得た。また、難燃剤エマルジョンA−8を難燃剤エマルジョンA−12に変更したこと以外は、実施例8と同様の操作を行い、樹脂エマルジョンB−12を得た。
(実施例13)
β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩を3質量部から0.4質量部に変更したこと以外は、実施例8と同様の操作を行い、難燃剤エマルジョンA−13を得た。また、難燃剤エマルジョンA−8を難燃剤エマルジョンA−13に変更したこと以外は、実施例8と同様の操作を行い、樹脂エマルジョンB−13を得た。
(実施例14)
β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩を3質量部から6質量部に変更したこと以外は、実施例8と同様の操作を行い、難燃剤エマルジョンA−14を得た。また、難燃剤エマルジョンA−8を難燃剤エマルジョンA−14に変更したこと以外は、実施例8と同様の操作を行い、樹脂エマルジョンB−14を得た。
(実施例15)
ビスフェノールAビス−ジフェニルホスフェート(商品名CR−741、大八化学社製)100質量部を50質量部に変更し、レゾルシノールビス−ジフェニルホスフェート(商品名「CR733S」、大八化学社製)を50質量部添加したこと以外は、実施例8と同様の操作を行い、難燃剤エマルジョンA−15を得た。また、難燃剤エマルジョンA−8を難燃剤エマルジョンA−15に変更したこと以外は、実施例8と同様の操作を行い、樹脂エマルジョンB−15を得た。
(比較例1)
実施例1で用いた界面活性剤に代えて、トリスチレン化フェノールエチレンオキサイド付加物(商品名ノイゲンEA−87、第一工業製薬社製)を6質量部添加したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、難燃剤エマルジョンA−16を得た。また、難燃剤エマルジョンA−1を難燃剤エマルジョンA−16に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、樹脂エマルジョンB−16を得た。
(比較例2)
実施例1で用いた界面活性剤に代えて、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム塩(商品名モノゲンY−500T、第一工業製薬社製)を6質量部添加したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、難燃剤エマルジョンA−17を得た。また、難燃剤エマルジョンA−1を難燃剤エマルジョンA−17に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、樹脂エマルジョンB−17を得た。
(比較例3)
実施例8で用いた界面活性剤に代えて、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム塩(商品名モノゲンY−500T、第一工業製薬社製)を6質量部添加したこと以外は、実施例8と同様の操作を行い、難燃剤エマルジョンA−18を得た。また、難燃剤エマルジョンA−8を難燃剤エマルジョンA−18に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、樹脂エマルジョンB−18を得た。
(比較例4)
実施例8で用いた界面活性剤に代えて、トリスチレン化フェノールエチレンオキサイド付加物(商品名ノイゲンEA−87、第一工業製薬社製)を6質量部添加したこと以外は、実施例8と同様の操作を行い、難燃剤エマルジョンA−19を得た。また、難燃剤エマルジョンA−8を難燃剤エマルジョンA−19に変更したこと以外は、実施例8と同様の操作を行い、樹脂エマルジョンB−19を得た。
(比較例5)
実施例1で用いた界面活性剤のうち、アルキルホスフェート塩を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、難燃剤エマルジョンA−20を得た。また、難燃剤エマルジョンA−1を難燃剤エマルジョンA−20に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、樹脂エマルジョンB−20を得た。
(比較例6)
実施例1で用いた界面活性剤のうち、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、難燃剤エマルジョンA−21を得た。また、難燃剤エマルジョンA−1を難燃剤エマルジョンA−21に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、樹脂エマルジョンB−21を得た。
(比較例7)
実施例8で用いた界面活性剤のうち、アルキルホスフェート塩を添加しなかったこと以外は、実施例8と同様の操作を行い、難燃剤エマルジョンA−22を得た。また、難燃剤エマルジョンA−8を難燃剤エマルジョンA−22に変更したこと以外は、実施例8と同様の操作を行い、樹脂エマルジョンB−22を得た。
(比較例8)
実施例8で用いた界面活性剤のうち、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩を添加しなかったこと以外は、実施例8と同様の操作を行い、難燃剤エマルジョンA−23を得た。また、難燃剤エマルジョンA−8を難燃剤エマルジョンA−23に変更したこと以外は、実施例8と同様の操作を行い、樹脂エマルジョンB−23を得た。
<難燃剤エマルジョンの安定性>
実施例1の難燃剤エマルジョンA−1をガラス容器に入れて密封し、45℃の恒温機中で30日間放置した。30日後の難燃剤エマルジョンA−1の状態を目視により観察して、難燃剤エマルジョンの安定性を以下の基準で評価した。実施例2〜15の難燃剤エマルジョンA−2〜A−15及び比較例1〜8の難燃剤エマルジョンA−16〜A−23も同様に評価した。
安定:難燃剤が全く分離していない
分離(小):難燃剤が微量に分離している
分離(大):難燃剤が明らかに分離している(全量の10%以上)
<樹脂エマルジョンの安定性>
実施例1の樹脂エマルジョンB−1を30メッシュ及び100メッシュの金網でろ過し、金網上の残留物を洗浄した後、80℃の赤外線乾燥機で乾燥させた。乾燥後の残留物の質量を測定し、樹脂エマルジョンの固形分量に対する残留物量の割合(%)を計算した。この計算した割合を、30メッシュの残留物量(%)、100メッシュの残留物量と称する。これらの残留物量(%)が小さいほど、エマルジョン中の固形分が凝集していないことを示し、樹脂エマルジョンの安定性が高いことを示している。実施例2〜15の樹脂エマルジョンB−2〜B−15及び比較例1〜8の樹脂エマルジョンB−16〜B−23も同様に評価した。
表1に、実施例1〜7の難燃剤エマルジョンA−1〜A−7の組成及び安定性の結果、並びに実施例1〜7の樹脂エマルジョンB−1〜B−7の安定性の結果をまとめた。また、表2に、実施例8〜15の難燃剤エマルジョンA−8〜A−15の組成及び安定性の結果、並びに実施例8〜15の樹脂エマルジョンB−8〜B−15の安定性の結果をまとめた。また、表3に、比較例1〜8の難燃剤エマルジョンA−16〜A−23の組成及び安定性の結果、並びに比較例1〜8の樹脂エマルジョンB−16〜B−23の安定性の結果をまとめた。
Figure 0006439345
Figure 0006439345
Figure 0006439345
表1〜3から分かるように、実施例1〜15の難燃剤エマルジョンはいずれも安定であった。そして、実施例1〜15の樹脂エマルジョンの30メッシュの残留物量は0%であり、100メッシュの残留物量は0.3%以下であり、いずれも比較例1〜8の樹脂エマルジョンの残留物量より少なく、樹脂エマルジョンの安定性が高いことを示した。すなわち、縮合リン酸エステルと、アルキルホスフェート塩及びβ−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩を含む界面活性剤と、分散媒体とを含む難燃剤エマルジョンを用いた方が、縮合リン酸エステルと、トリスチレン化フェノールエチレンオキサイド付加物と、分散媒体とを含む難燃剤エマルジョンを用いた場合より、得られる樹脂エマルジョンのエマルジョン安定性が向上すると言える。
実施例1〜15の樹脂エマルジョンの中では、実施例1〜3、8〜10及び15の樹脂エマルジョンの残留物量の方が、実施例4〜7及び11〜14の樹脂エマルジョンの残留物量より少なく、樹脂エマルジョンの安定性が高いことを示した。すなわち、縮合リン酸エステル100質量部に対して、アルキルホスフェート塩の含有量が0.5質量部以上5質量部以下であり、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩の含有量が0.5質量部以上5質量部以下である難燃剤エマルジョンを用いた方が、アルキルホスフェート塩又はβ−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩の含有量が上記範囲を満たしていない難燃剤エマルジョンを用いる場合と比較して、得られる樹脂エマルジョンの安定性がより向上すると言える。
(実施例16〜22)
実施例1で用いたABS樹脂の代わりに、実施例16ではPS樹脂を用い、実施例17ではSBR樹脂を用い、実施例18ではBR樹脂を用い、実施例19ではIR樹脂を用い、実施例20ではNBR樹脂を用い、実施例21ではEPDM樹脂を用い、実施例22ではポリ塩化ビニル樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、樹脂エマルジョンB−24〜B−30を得た。
表4に、実施例1、16〜22の樹脂エマルジョンB−1、B−24〜B−30の安定性の結果をまとめた。
Figure 0006439345
表4から分かるように、実施例1、16〜21の樹脂エマルジョンB−1、B−24〜B−29の樹脂エマルジョンの方が、実施例22の樹脂エマルジョンB−30の樹脂エマルジョンより、30メッシュ及び100メッシュの残留物量が少なく、樹脂エマルジョンの安定性が高いことを示した。実施例1、16〜21で用いたABS樹脂、PS樹脂、SBR樹脂、BR樹脂、IR樹脂、NBR樹脂、EPDM樹脂は、実施例22で用いたポリ塩化ビニル樹脂と比較して、化学的安定性が良好なため、樹脂エマルジョンの安定性が向上したと考えられる。
<難燃性の評価>
実施例1の樹脂エマルジョン100質量部に、塩化カルシウムを3質量部添加することにより得られた凝集物を水洗し、80℃、48時間乾燥し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、射出成型機(製品名「NEX500」、東芝機械社製)により、シリンダ温度250℃、金型温度95℃で射出成型し、所定の樹脂組成物用試験片(厚さ0.8mm)を得た。
表面がすり加工されたガラス型(直径約5cm、すり部長さ約15cm)を洗浄し、70℃のオーブン内で予備加熱した後、16質量%の硝酸カルシウム及び0.05質量%のポリオキシエチレンラウリルエーテル(エマルゲン109P、花王社製)からなる凝固剤水溶液に5秒間浸漬し、取り出した。次いで、凝固剤で被覆されたガラス型を70℃のオーブン内で乾燥した。その後、凝固剤で被覆されたガラス型をオーブンから取り出し、実施例1の樹脂エマルジョンに10秒間浸漬してから取り出し、室温で60分間乾燥した。被覆された型をオーブン内に置き、25分間で50℃から60℃まで昇温して予備乾燥し、70℃のオーブン内に10分間置いて更に乾燥した。型を60℃の温水中に2分間浸漬した後、室温で10分間風乾した。当該フィルムをガラス型から剥離し、厚さ0.8mmの成型品を得た。
得られた樹脂組成物用試験片(厚さ0.8mm)及び成型品用試験片(厚さ0.8mm)を用い、UL−94の方法でUL94難燃性V試験を実施した。UL94難燃性V試験の基準は以下のとおりである。実施例8、実施例15、比較例1及び比較例4も実施例1と同様に、樹脂組成物用試験片及び成型品用試験片を作製し、難燃性を評価した。
V−0 : 最も難燃性が高い
V−1 : V−0に次いで難燃性が高い
V−2 : V−1に次いで難燃性が高い
not−V: V−2よりも難燃性に劣る
実施例1、8、15の樹脂組成物及び成型品の難燃性はいずれもV−2であった。一方、比較例1の樹脂組成物及び成型品の難燃性は、not−Vであり、比較例4の樹脂組成物及び成型品の難燃性は、not−Vであり、いずれも実施例1、8、15と比較して難燃性が低下した。

Claims (6)

  1. 下記式(1)で表される縮合リン酸エステル及び下記式(2)で表される縮合リン酸エステルのうち少なくともいずれか一方を含む難燃剤と、
    アルキルホスフェート塩及びβ−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩を含む界面活性剤と、
    分散媒体と、を有することを特徴とする難燃剤エマルジョン。
    Figure 0006439345
    Figure 0006439345
    (ここで、Q1、Q2、Q3、Q4、Q9、Q10、Q11、Q12は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1から6のアルキル基を表し、Q5、Q6、Q7、Q8、Q13は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、nは1以上の整数を表し、m1、m2、m3、m4、m7、m8、m9、m10は、それぞれ独立に0から3の整数を示し、m5、m6は、それぞれ独立に0から2の整数を表し、m11は、0から4の整数を表す。)
  2. 前記縮合リン酸エステル100質量部に対して、
    前記アルキルホスフェート塩の含有量は0.5質量部以上5質量部以下であり、前記β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩の含有量は0.5質量部以上5質量部以下であることを特徴とする請求項1記載の難燃剤エマルジョン。
  3. 下記式(1)で表される縮合リン酸エステル及び下記式(2)で表される縮合リン酸エステルのうち少なくともいずれか一方を含む難燃剤と、
    アルキルホスフェート塩及びβ−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物金属塩を含む界面活性剤と、
    分散媒体と、
    熱可塑性樹脂と、を含むことを特徴とする樹脂エマルジョン。
    Figure 0006439345
    Figure 0006439345
    (ここで、Q1、Q2、Q3、Q4、Q9、Q10、Q11、Q12は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1から6のアルキル基を表し、Q5、Q6、Q7、Q8、Q13は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、nは1以上の整数を表し、m1、m2、m3、m4、m7、m8、m9、m10は、それぞれ独立に0から3の整数を示し、m5、m6は、それぞれ独立に0から2の整数を表し、m11は、0から4の整数を表す。)
  4. 前記熱可塑性樹脂は、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリスチレン樹脂(PS樹脂)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリル系樹脂から選択される1種以上の樹脂を含むことを特徴とする請求項3記載の樹脂エマルジョン。
  5. 請求項3又は4記載の樹脂エマルジョンが固化された固化物を含むことを特徴とする樹脂組成物。
  6. 請求項3又は4記載の樹脂エマルジョンが基材に塗布されてなる塗布膜を含むことを特徴とする成型品。
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