JP6440317B2 - 内服固形錠剤 - Google Patents
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Description
イブプロフェンやアスピリン等は、水に溶解しにくい水難溶性の酸性薬物である。このため、イブプロフェンやアスピリン等を含有する内服固形錠剤(イブプロフェン等含有錠剤)は、水溶性高分子化合物等の賦形剤と共に湿式造粒されて造粒粒子群とされ、この造粒粒子群が打錠されて錠剤とされるのが一般的である。
これに対し、体内における薬物の溶出性の向上を図ることを目的として、水難溶性薬物と賦形剤との共粉砕物に、水溶性又は水膨潤性高分子化合物を含有する水性液を噴霧しながら湿式造粒してなる造粒粒子、及び、該造粒粒子と他の原料とを混合し打錠して得られた錠剤が開示されている(特許文献1参照)。
しかしながら、その反面、体内での薬物の分散性を高めようとすると、錠剤硬度が経時に伴って低下しやすかった。そして、経時に伴う錠剤硬度の低下により、移送時の振動によって、又は実使用において、錠剤が割れたり欠けたりする、という問題があった。
すなわち、本発明の内服固形錠剤は、以下の態様を含む。
[1] 20℃の水に対する溶解度が5mg/mL以下の水難溶性薬物(a1)、分子量が1000以上の水膨潤性高分子化合物、及び20℃の水に対する溶解度が1mg/mL以上であり、分子量が1000以上の水溶性高分子化合物からなる群より選ばれる1種以上の高分子化合物(a2)、並びに、20℃の水に対する溶解度が5mg/mL超であり、分子量が1000未満の水溶性粉体(a3)(但し、下記粒子(B)を除く)を含む造粒粒子(A)と、 炭酸水素塩(b1)及び炭酸塩(b2)からなる群より選ばれる1種以上の化合物からなる粒子(B)と、を含有する、内服固形錠剤。
[2] 前記造粒粒子(A)中の前記水溶性粉体(a3)の含有量が、10質量%以上である、[1]に記載の内服固形錠剤。
[3]前記粒子(B)が、前記炭酸水素塩(b1)と、前記炭酸塩(b2)とを含有する[1]又は[2]に記載の内服固形錠剤。
[4]前記炭酸水素塩(b1)が炭酸水素ナトリウムであり、前記炭酸塩(b2)が炭酸ナトリウム、及び炭酸カルシウムからなる群から選択される少なくとも1種の炭酸塩であり、炭酸水素塩(b1)/炭酸塩(b2)で表される質量比が2以下である、[3]に記載の内服固形錠剤。
[5]前記粒子(B)の体積平均粒子径が、10〜1000μmである、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の内服固形錠剤。
本発明の内服固形錠剤は、造粒粒子(A)と、炭酸水素塩及び炭酸塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物からなる粒子(B)と、を含有する。
以下、前記造粒粒子(A)、前記粒子(B)を、それぞれ(A)成分、(B)成分ともいう。
本発明における(A)成分は、20℃の水に対する溶解度が5mg/mL以下の水難溶性薬物(a1)、分子量が1000以上の水膨潤性高分子化合物、及び20℃の水に対する溶解度が1mg/mL以上であり、分子量が1000以上の水溶性高分子化合物からなる群より選ばれる1種以上の高分子化合物(a2)、並びに、20℃の水に対する溶解度が5mg/mL超であり、分子量が1000未満の水溶性粉体(a3)(但し、下記粒子(B)を除く)を含む造粒粒子である。
以下、前記水難溶性薬物(a1)、前記高分子化合物(a2)、前記水溶性粉体(a3)を、それぞれ(a1)成分、(a2)成分、(a3)成分ともいう。
内服固形錠剤中の(A)成分の含有量は、特に限定されないが、内服固形錠剤の総質量に対して、例えば0.1〜90質量%が好ましく、1〜80質量%がより好ましい。かかる(A)成分の含有量が、前記の好ましい下限値以上であれば、充分な薬効が得られやすく、前記の好ましい上限値以下であれば、錠剤の成形性がより良好になる。
本発明における(a1)成分は、20℃の水に対する溶解度が5mg/mL以下の薬物である。中でも、好ましい(a1)成分は、該溶解度が0〜5mg/mLの薬物である。
(a1)成分としては、特に限定されず、例えば、イブプロフェン、アスピリン、ナプロキセン、ケトプロフェン、インドメタシン、ブフェキサマック、ジクロフェナック、アルクロフェナック、エトドラック、フルルビプロフェン、メフェナミック、ピロキシカム等の非ステロイド性抗炎症剤;ニトラゼパム、トリアゾラム、フェノバルビタ−ル、アミバルビタ−ル、アリルイソプロピリアセチル尿素等の催眠・鎮静剤;フェニトイン、プリミドン、クロナゼパム、カルバマゼピン、バルプロ酸等の抗てんかん剤;塩酸メクリジン等の鎮うん剤;ハロペリドール、クロルジアゼポキシド、ジアゼバム、スルピリド等の精神神経用剤;アトロピン等の鎮けい剤;ジゴキシン等の強心剤;ピンドロール、ジソピラミド等の不整脈剤;ヒドロクロロチアジド、スピロノラクトン、トリアムテレン、フロセミド、ブメタニド等の利尿剤;塩酸プラゾシン等の抗高血圧剤;硝酸イソソルビド、ニフェジピン、ジピリダモール等の冠血管拡張剤;ノスカピン、ツロプテロール、トラニラスト等の鎮咳剤;塩酸ブロムヘキシン等の去痰剤;エリスロマイシン、ジョサマイシン、クロラムフェニコール、リファンピシン、グリセオフルビン等の抗生物質;フマル酸クレマスチン等の抗ヒスタミン剤;デキサメタゾン、ベタメタゾン、プレドニソロン、ダナゾール、酢酸クロルマジノン等のステロイド剤;ビタミンA類、葉酸(ビタミンM類)等のビタミン剤;ファモチジン、メトクロプラミド、オメプラゾール、トレピブトン、スクラルファート等の消化器系疾患治療剤;クロフィブラート、メルカプトプリン、メトトレキサート、水酸化アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
尚、(a1)成分は、市販品があればそれを用いてもよいし、又は、原料化合物から公知の方法により適宜合成したものを用いてもよい。
上記の中でも、(a1)成分としては、本発明による効果が特に顕著に得られることから、非ステロイド性抗炎症剤が好ましい。非ステロイド性抗炎症剤の中でも、イブプロフェン、アスピリン、ナプロキセン及びケトプロフェンからなる群より選ばれる1種以上がより好ましく、イブプロフェン、アスピリンが特に好ましい。
かかる(a1)成分の含有量が、前記の好ましい範囲内であれば、体内での(a1)成分の分散性のさらなる向上を図ることができる。また、該含有量が、前記の好ましい下限値以上であれば、充分な薬効が得られ、前記の好ましい上限値以下であれば、錠剤の成形性がより良好になる。
本発明における(a2)成分は、分子量が1000以上の水膨潤性高分子化合物(以下「(a21)成分」ともいう)、及び、20℃の水に対する溶解度が1mg/mL以上であり、分子量が1000以上の水溶性高分子化合物(以下「(a22)成分」ともいう)からなる群より選ばれる1種以上の高分子化合物である。内服固形錠剤において、(a2)成分は、主に結合剤として機能する成分である。
本明細書で、(a2)成分の分子量は、重量平均分子量を意味し、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定される。(a2)成分の重量平均分子量は、(a21)成分及び(a22)成分のいずれも1000以上であり、5000以上が好ましく、1万以上がより好ましく、3万以上13万以下がさらに好ましい。
(a21)成分について「水膨潤性」とは、水を加えると膨潤し、透明、混濁又は懸濁の粘稠な液性を示すこと、を意味する。
(a22)成分は、20℃の水に対する溶解度が1mg/mL以上の高分子化合物である。中でも、好ましい(a22)成分は、該溶解度が100mg/mL以上の高分子化合物であり、より好ましくは200mg/mL以上の高分子化合物である。
低置換度ヒドロキシプロピルセルロースにおいて、「低置換度」とは、置換基(ヒドロキシプロピル基)のモル置換度が5〜16であることを意味し、好ましくは7〜12程度である。
ポリビニルアルコールとしては、けん化度が96モル%以下のものが好ましい。
好ましい(a2)成分としては、2質量%水溶液の20℃における粘度が、6.0mPa・s未満のものであり、より好ましくは1〜5.5mPa・sのものであり、さらに好ましくは1.2〜5.0mPa・sのものであり、特に好ましくは1.5〜4.0mPa・sのものである。該粘度が、前記の好ましい下限値以上であれば、(A)成分の造粒性がより良好となり、前記の好ましい上限値以下であれば、体内での(a1)成分の分散性がより高まる。
本明細書において「(a2)成分の2質量%水溶液の粘度」は、単一円筒形回転粘度計(ブルックフィールド社製の「LVDV−II+Pro」、スピンドルNo.ULA、回転数:60rpm、測定時間:4分間、測定温度:20℃)を用いて測定される値を示す。
かかる(a2)成分の含有量が、前記の好ましい下限値以上であれば、(A)成分の造粒性がより向上し、前記の好ましい上限値以下であれば、体内での(a1)成分の分散性がより高まる。
本発明における(a3)成分は、20℃の水に対する溶解度が5mg/mL超の粉体である。中でも、好ましい(a3)成分は、該溶解度が10mg/mL以上の粉体であり、より好ましくは該溶解度が13〜1000mg/mLの粉体である。
加えて、(a3)成分は、分子量が1000未満の粉体である。中でも、好ましい(a3)成分は、分子量が50以上1000未満の粉体であり、より好ましくは分子量が100〜500の粉体である。
但し、(a3)成分には、(B)成分に該当する化合物は含まれないものとする。
(a3)成分としては、例えば、マンニトール(分子量182.2)、乳糖、乳糖水和物(分子量360.3)、ショ糖、果糖等の糖類;エリスリトール(分子量122.12)、キシリトール、ソルビトール等の糖アルコール類;無水リン酸二水素カリウム(分子量136.1)、塩化ナトリウム(分子量58.4)、塩化カリウム等の無機塩類;アセトアミノフェン(分子量151.2)、無水カフェイン(分子量194.19)、カフェイン水和物等の水溶性の活性薬物などが挙げられる。
上記の中でも、(a3)成分としては、経時に伴う錠剤硬度の低下がより抑制されることから、乳糖又はその水和物、水溶性の活性薬物が好ましい。これらの中でも、乳糖又はその水和物、マンニトール及びアセトアミノフェンからなる群より選ばれる1種以上がより好ましく、マンニトール及びアセトアミノフェンからなる群より選ばれる1種以上がさらに好ましい。
かかる(a3)成分の含有量が、前記の好ましい下限値以上であれば、錠剤の濡れ性が改善され、体内での(a1)成分の分散性がより高まる。また、経時に伴う錠剤硬度の低下がより抑制される。一方、前記の好ましい上限値以下であれば、(a1)成分の含有割合が高まるため、内服固形錠剤の1回当たりの服用量を減らすことができ、服用性がより良好になる。
かかる(a3)成分の含有量が、前記の好ましい下限値以上であれば、錠剤の濡れ性が改善され、体内での(a1)成分の分散性がより高まる。また、経時に伴う錠剤硬度の低下がより抑制される。一方、前記の好ましい上限値以下であれば、(a1)成分の含有割合が高まるため、内服固形錠剤の1回当たりの服用量を減らすことができ、服用性がより良好になる。
本明細書において「平均粒子径」とは、体積平均粒子径(以下単に「平均粒子径」とも称する。)を意味し、レーザー回折・散乱法により測定される値を示す。
(A)成分は、上記の(a1)成分、(a2)成分及び(a3)成分に加えて、必要に応じて、その他の成分(a4)(以下「(a4)成分」ともいう)を含んでもよい。
粒子(B)は、炭酸水素塩(b1)及び炭酸塩(b2)からなる群より選ばれる1種以上の化合物からなる。以下、炭酸水素塩(b1)、炭酸塩(b2)を、それぞれ(b1)成分、(b2)成分ともいう。
(b1)成分、(b2)成分は、主に、体内での(a1)成分の分散性向上を図るために配合する成分である。
(b1)成分における炭酸水素塩としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。(b1)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記の中でも、(b1)成分としては、体内での(a1)成分の分散性向上の効果がより高いことから、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムが好ましく、炭酸水素ナトリウムがより好ましい。
内服固形錠剤中の(b1)成分の含有割合は、特に限定されないが、内服固形錠剤の総質量に対し、例えば0.05〜15質量%が好ましく、0.1〜6質量%がより好ましく、0.3〜2質量%がさらに好ましく、0.5〜1.5質量%が特に好ましい。錠剤中の(b1)成分の含有割合が前記の好ましい下限値以上であれば、体内での(a1)成分の分散性が向上する。一方、錠剤中の(b1)成分の含有割合が前記の好ましい上限値以下であれば、経時に伴う錠剤硬度の低下が抑制される。
(b1)成分の粒子群の平均粒子径(体積平均の粒子径)は、30〜1000μmが好ましく、より好ましくは70〜500μm、さらに好ましくは120〜300μmである。(b1)成分の粒子群の平均粒子径が前記の好ましい下限値以上であれば、錠剤を製造する際のハンドリング性がより向上し、一方、(b1)成分の粒子群の平均粒子径が前記の好ましい上限値以下であれば、体内での(a1)成分の分散性がより向上する。
(b2)成分における炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。(b2)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記の中でも、(b2)成分としては、炭酸ナトリウムまたは炭酸カルシウムが好ましく、炭酸ナトリウムがより好ましい。炭酸ナトリウムを用いる場合、炭酸ナトリウムの水和物が用いられてもよく、無水炭酸ナトリウムが用いられてもよいが、無水炭酸ナトリウムを用いることが好ましい。
錠剤中の(b2)成分の含有割合は、特に限定されないが、内服固形錠剤の総質量に対し、例えば1〜10質量%が好ましく、3〜9質量%がより好ましく、5〜9質量%がさらに好ましく、7〜8質量%が特に好ましい。錠剤中の(b2)成分の含有割合が前記の好ましい下限値以上であれば、包装体の薬物収納部の経時に伴う膨張が少なく、体内での(a1)成分の分散性がより向上する。一方、錠剤中の(b2)成分の含有割合が前記の好ましい上限値以下であれば、錠剤の小型化が容易となり、服用性を高められやすい。
(b2)成分の粒子群の平均粒子径(体積平均の粒子径)は、30〜1000μmが好ましく、より好ましくは100〜900μm、さらに好ましくは250〜800μm、特に好ましくは400〜600μmである。(b2)成分の粒子群の平均粒子径を前記の好ましい範囲内とすることで、包装体の薬物収納部の経時に伴う膨張が生じにくくなる。
本発明の内服固形錠剤は、上述の(A)成分及び(B)成分に加え、必要に応じてその他の成分(C)(以下「(C)成分」ともいう)を含有してもよい。
(C)成分としては、例えば界面活性剤、崩壊剤、賦形剤、滑沢剤、香料、甘味料、酸味料等が挙げられる。
本発明の内服固形錠剤は、上述の(A)成分及び(B)成分に加え、界面活性剤をさらに含有してもよい。該界面活性剤をさらに含有することで、主に、錠剤の濡れ性が向上すると共に、体内での(a1)成分の分散性の向上がより図られる。
該界面活性剤としては、特に限定されず、通常、経口製剤等で用いられているアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。
尚、上記例示のノニオン活性剤の表記における括弧内の数値は、エチレンオキシド(EO)の平均付加モル数を表す。
両性界面活性剤としては、大豆リン脂質、水素添加大豆リン脂質、卵黄リン脂質、水素添加卵黄リン脂質、ホスファチジルコリン等のレシチン誘導体、N−アルキルジメチルアミンオキサイド、N−アルキル−β−イミノジプロピオン酸塩、N−アルキルジメチルベタイン、N−アシル−ジメチルベタイン、N−アシルアミドプロピルジメチルベタイン、2−アルキルイミダゾリン誘導体、N−アルキルスルホベタイングルカミン、N−アルキルカルボキシベタイングルカミン等が挙げられる。
上記の中でも、界面活性剤としては、体内での(a1)成分の分散性がより高まることから、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤が好ましく、アニオン界面活性剤がより好ましい。
内服固形錠剤における界面活性剤の含有量は、内服固形錠剤の総質量に対して0.1〜10質量%が好ましく、0.3〜5質量%がより好ましく、0.5〜5質量%がさらに好ましい。かかる界面活性剤の含有量が、前記の好ましい下限値以上であれば、体内での(a1)成分の分散性向上の効果がより得られやすくなり、前記の好ましい上限値以下であれば、錠剤中での(a1)成分の安定性がより良好になる。
本発明の内服固形錠剤は、上述の(A)成分及び(B)成分に加え、崩壊剤をさらに含有してもよい。該崩壊剤をさらに含有することで、主に、錠剤の崩壊性が向上すると共に、体内での(a1)成分のさらなる分散性の向上が図られる。
該崩壊剤としては、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポピドン等が挙げられる。
該崩壊剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
内服固形錠剤における崩壊剤の含有量は、内服固形錠剤の総質量に対して0.1〜10質量%が好ましく、0.3〜5質量%がより好ましく、0.5〜5質量%がさらに好ましい。かかる崩壊剤の含有量が、前記の好ましい下限値以上であれば、体内での(a1)成分の分散性向上の効果がより得られやすくなり、前記の好ましい上限値以下であれば、錠剤中での(a1)成分の安定性がより良好になる。
本発明の内服固形錠剤は、上述の(A)成分及び(B)成分に加え、賦形剤をさらに含有してもよい。該賦形剤をさらに含有することで、主に、体内での(a1)成分の分散性の向上と共に、錠剤化の際における成形性の向上が図られる。
該賦形剤としては、マルチトール、エリスリトール、マンニトール等の糖アルコール;乳糖、白糖、還元乳糖等の糖類が挙げられる。中でも、マンニトール、乳糖が好ましく、マンニトールがより好ましい。
該賦形剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
内服固形錠剤における賦形剤の含有量は、内服固形錠剤の総質量に対して5〜80質量%が好ましい。かかる賦形剤の含有量が、前記の好ましい下限値以上であれば、錠剤化の際における成形性がより向上し、前記の好ましい上限値以下であれば、体内での(a1)成分の分散性がより高まる。
本発明の内服固形錠剤は、上述の(A)成分及び(B)成分に加え、滑沢剤をさらに含有してもよい。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。中でも、ステアリン酸マグネシウムが好ましい。
本発明の内服固形錠剤は、上述の(A)成分及び(B)成分に加え、香料をさらに含有してもよい。
香料としては、例えば、メントール、リモネン、植物精油(ハッカ油、ミント油、ライチ油、オレンジ油、レモン油等)等が挙げられる。
本発明の内服固形錠剤は、上述の(A)成分及び(B)成分に加え、甘味料又は酸味料をさらに含有してもよい。
甘味料としては、例えば、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビア、グリチルリチン酸二カリウム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、スクラロース等が挙げられる。
酸味料としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、乳酸又はこれらの塩等が挙げられる。
本発明の内服固形錠剤は、例えば、造粒工程と打錠工程とを有する製造方法により製造することができる。
造粒工程では、(a1)成分と(a2)成分と(a3)成分とを含む造粒粒子((A)成分)が作製される。造粒は、例えば乾式造粒法、湿式造粒法により行うことができる。
湿式造粒法は、例えば、流動層造粒機を用い、(a1)成分と(a3)成分とを混合しつつ、(a2)成分を含有する水溶液又は分散液(必要に応じて任意成分が添加されていてもよい)を噴霧しながら造粒を行う(流動層造粒法)。
(a2)成分を含有する水溶液又は分散液の濃度は、(a1)成分又は(a2)成分の種類等によって適宜決定され、例えば1〜20質量%が好ましく、より好ましくは3〜15質量%である。
造粒後に得られる(A)成分の平均粒子径は、体内での(a1)成分の分散性がより高まることから、100〜1000μmが好ましく、150〜700μmがより好ましい。
前記粉砕処理後の粉砕物の平均粒子径は、好ましくは0.01〜50μm、より好ましくは0.01〜35μm、さらに好ましくは0.1〜30μm、特に好ましくは0.1〜25μmである。かかる粉砕物の平均粒子径が、前記の好ましい下限値以上であれば、造粒の際に(a1)成分の取り扱い性が良好となり、前記の好ましい上限値以下であれば、体内での(a1)成分の分散性がより高まる。
ここでの(a2)成分としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを用いることが好ましい。この場合、(A)成分中の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの含有量は、(A)成分の総質量に対して5〜45質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜35質量%である。該含有量が、前記の好ましい下限値以上であれば、(a1)成分と混合した際、(a1)成分の混合機や粉砕機等への付着が抑えられ、混合効率や粉砕性がより向上する。一方、前記の好ましい上限値以下であれば、体内での(a1)成分の分散性がより高まる。
打錠工程では、上記造粒工程で作製された造粒粒子((A)成分)と、(B)成分と、必要に応じて(C)成分とを混合し打錠して錠剤が得られる。
粉体混合には、一般的な混合機、例えばボーレコンテナミキサー(ボーレ寿工業株式会社製)、V型混合機(ダルトン株式会社製)、リボンミキサー(ダルトン株式会社製)等を用いることができる。
混合順序は、特に限定されず、例えば、全ての成分を混合機に仕込み、これを混合してもよいし、各成分を混合機に順次投入し混合してもよい。
混合時間は、特に限定されず、各成分をおよそ均一に分散できる時間とされる。
打錠条件は、特に限定されず、錠剤に求める硬度等を勘案して適宜決定される。
また、(a1)成分が(a2)成分と(a3)成分とを組み合わせて造粒されているため、体内での(a1)成分の分散性がさらに高まる。
加えて、経時に伴う錠剤硬度の低下も抑制される。錠剤硬度の低下は、錠剤内での(a1)成分と(B)成分との反応に起因する、と推定される。本発明においては、(a1)成分を造粒することで、(a1)成分と(B)成分との反応が生じにくくなっている。このため、経時において錠剤硬度が保たれる、と考えられる。
本実施例において使用した原料は下記の通りである。
・・水難溶性薬物(a1)
イブプロフェン、商品名「イブプロフェン25」(BASF社製)。20℃の水に対する溶解度0.077mg/mL。
ヒドロキシプロピルセルロース、商品名「HPC−SSL」(日本曹達株式会社製)。重量平均分子量40000、2質量%水溶液の20℃における粘度2.45mPa・s。
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、商品名「LH−31」(信越化学工業株式会社製)。重量平均分子量100000。
アセトアミノフェン、商品名「ピレチノール」(岩城製薬株式会社製)。20℃の水に対する溶解度14mg/mL、分子量151.2 平均粒子径30μm。
マンニトール、商品名「ペアリトール50C」(ロケット社製)。20℃の水に対する溶解度200mg/mL、分子量182.2、平均粒子径50μm。
乳糖水和物、商品名「Pharmatose 50M」(DFE Pharma社製)。20℃の水に対する溶解度161mg/mL、分子量360.3、平均粒子径50μm。
結晶セルロース、商品名「セオラス PH−302」(旭化成ケミカルズ株式会社製)。20℃の水に対する溶解度0.0001mg/mL以下、分子量16200〜48700、平均粒子径90μm。
・・炭酸水素塩(b1)
炭酸水素ナトリウム、商品名「重炭酸ナトリウムKF」(旭硝子株式会社製)。平均粒子径110μm。
・・炭酸塩(b2)
無水炭酸ナトリウム、商品名「乾燥炭酸ナトリウム」顆粒グレード(高杉製薬株式会社製)。平均粒子径564μm。
無水炭酸ナトリウム、商品名「乾燥炭酸ナトリウム」粉末グレード(高杉製薬株式会社製)。平均粒子径45μm。
炭酸カルシウム、商品名「炭酸カルシウム」(和光純薬工業株式会社製)。平均粒子径90μm。
炭酸マグネシウム、商品名「炭酸マグネシウム」(協和化学工業株式会社製)。平均粒子径100μm。
炭酸カリウム、商品名「炭酸カリウム」(和光純薬工業株式会社製)。平均粒子径120μm。
ラウリル硫酸ナトリウム、商品名「SLS」(日光ケミカルズ株式会社製)。
クロスポビドン、商品名「Kollidon CL−SF」(BASF社製)。
マンニトール、商品名「ペアリトール200SD」(ロケット社製)。
ステアリン酸マグネシウム、商品名「ステアリン酸マグネシウム」(太平化学産業株式会社製)。
まず、(a1)成分と、(a2)成分と、(a3)成分又は(a3’)成分と、を含む造粒粒子1〜7をそれぞれ製造した。次いで、各造粒粒子と、(B)成分と、その他の成分と、を混合して打錠することにより内服固形錠剤を得た。
表1に示す組成(配合成分、含有量(質量%))に従い、造粒粒子を下記の製造方法によりそれぞれ製造した。表1中、配合成分の含有量は純分換算量を示す。
造粒粒子の粒子群の平均粒子径は、レーザー回折・散乱粒度分布測定装置「LS230型」(ベックマン・コールター社製)を用いて測定した。
表1に記載の「質量比(a3)/(a1)」は、造粒粒子中の、(a1)成分の含有量に対する、(a3)成分の含有量の質量割合を意味する。造粒粒子7については、造粒粒子中の、(a1)成分の含有量に対する、(a3’)成分の含有量の質量割合を意味する。
イブプロフェン((a1)成分)2145gと低置換度ヒドロキシプロピルセルロース((a2)成分)858gとを混合して混合物を得た。次いで、該混合物を粉砕機コロプレックス(株式会社パウレック製、160Z型)に投入し、回転数12000rpmの条件で粉砕して粉砕物を得た。該粉砕物の平均粒子径は12μmであった。
次いで、該粉砕物1365gを、予熱しておいたスパイラフロー(フロイント産業株式会社製、SFC−5型)に投入し、給気温度55℃、排気風量2.7m3/分、ローター回転数200rpmの条件で流動を開始した。
排気温度が43℃以上であることを確認した後、ヒドロキシプロピルセルロース((a2)成分)の水溶液(HPC−SSL:精製水=150:2350(質量比))6000gを、2流体ノズルATF型(穴径φ1.8mm)を用いて噴霧した。
前記噴霧の後、給気温度を65℃に変更し、乾燥を行った。排気温度が43℃に達した時点で、乾燥を終了して造粒物を得た。
得られた造粒物を、目開き850μmの篩を用いて篩過し、造粒粒子1を得た。造粒粒子1の粒子群の平均粒子径は182μmであった。
上記造粒粒子1の製造と同様にして、イブプロフェンと低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとの粉砕物を得た。
次いで、該粉砕物1365gと、所定量の(a3)成分と、を予熱しておいた前記スパイラフローに投入し、上記造粒粒子1の製造と同様にして流動を開始した。
その後、表1に示す組成となるように、上記造粒粒子1の製造と同様にして、噴霧、乾燥、篩過を行い、造粒粒子2を得た。造粒粒子2の粒子群の平均粒子径を表1に示す。
表1に示す組成に従い、(a3)成分の種類、各成分の配合量を変更した以外は、上記造粒粒子2の製造と同様にして造粒粒子3〜6をそれぞれ得た。造粒粒子3〜6の粒子群の各平均粒子径を表1に示す。
表1に示す組成に従い、(a3)成分を(a3’)成分に変更した以外は、上記造粒粒子2の製造と同様にして造粒粒子7を得た。造粒粒子7の粒子群の平均粒子径を表1に示す。
実施例31〜33で用いた炭酸ナトリウムには、以下に示す方法によって作製したものを用いた。
平均粒子径45μmの無水炭酸ナトリウム、商品名「乾燥炭酸ナトリウム」粉末グレード1kgを、撹拌造粒機(ハイスピードミキサFS−10、深江パウテック株式会社製)に投入した。ここに水50gを添加し、アジテーター回転数300rpm、チョッパー回転数1500rpmにて撹拌、造粒した。撹拌造粒機内の粉体を回収し、恒温槽にて乾燥した。乾燥した粉体を、篩によって所定の粒径毎に分級し、表6に示す平均粒子径の無水炭酸ナトリウムの粒子群を得た。
表2〜6に示す組成(配合成分、含有量(mg/錠))に従い、各例の内服固形錠剤を下記の製造方法によりそれぞれ製造した。表2〜6に記載されている各成分の含有量(mg/錠)は、錠剤1錠当たりの各配合成分の質量である。表2〜6中、配合成分の含有量は純分換算量を示す。
表2〜3中、「(A’)成分」は、(A)成分の比較成分であることを示す。
表2〜6に記載の「合計(mg)」は、錠剤1錠当たりの配合成分の質量の合計である。「質量比(a3)/(B)」は、錠剤1錠中の、(B)成分の含有量に対する、(a3)成分の含有量の質量割合を意味する。
1錠当たりの組成が表2〜6に示す配合割合になるように、混合機(寿工業株式会社製のボーレコンテナミキサー「LM20」、寿工業株式会社製のコンテナ「MC20」)に、(A)成分又は(A’)成分と、(B)成分と、(C)成分とを投入した。投入した粉体の総質量を約2kgとした。各配合成分を投入した後、回転数21rpmで混合を20分間行い、混合粉体を得た。
次いで、ロータリー式打錠機(株式会社菊水製作所社製、リブラ)を用い、得られた混合粉体を、錠剤硬度が約78.5Nとなるように打錠圧を設定し、約9mm径の内服固形錠剤を得た。
各例の内服固形錠剤について、以下に示す分散性評価試験、及び、錠剤硬度試験をそれぞれ行った。
パドル溶出試験器(富山産業株式会社)を用いて分散性評価試験を実施した。
パドルの撹拌翼が充分に隠れる程度の胃モデル液(塩化ナトリウムと塩酸とを水に溶かし、pHを1.8に調整した液)に、錠剤2錠を添加し、崩壊した錠剤が強制的に液中で分散しない程度に撹拌した。
錠剤2錠を、胃モデル液に添加してから5分間経過後に、その液を採取してバイアル瓶に移し、アセトニトリルと酢酸とを添加してイブプロフェンを溶解した。
イブプロフェンを溶解した後、0.45μmのフィルターでろ過し、高速液体クロマトグラフィでイブプロフェンの量を測定した。この高速液体クロマトグラフィの測定結果から、錠剤から試験液に分散したイブプロフェンの量を逆算した。
錠剤を添加してから5分間経過後の分散率は、添加した錠剤中のイブプロフェンの総質量に対する、該錠剤から分散したイブプロフェンの質量の割合(%)、を求めることにより算出した。
本実施例において、かかる分散率が50%以上であれば、体内でのイブプロフェンの分散性が充分に高い、と言える。また、かかる分散率が70%以上であれば、体内でのイブプロフェンの分散性が顕著に高く、80%以上であれば、体内でのイブプロフェンの分散性が極めて顕著に高い、と言える。
錠剤硬度破壊測定機(富山産業株式会社製、TH−203CP)を用いて、錠剤の硬度を測定した。
測定用の試料として、製造直後の錠剤(初期品)、及び、製造直後の錠剤を50℃で24時間保存したもの(保存品)のそれぞれ10錠ずつを用いた。そして、錠剤10錠の各硬度を測定し、これらの平均値を求めた。
初期品と保存品との錠剤硬度の差が小さいほど、経時に伴う錠剤硬度の低下が抑制されている。かかる錠剤硬度の差は、10N以下が好ましく、6N以下がより好ましく、5N以下がさらに好ましい。
PTP(プレススルーパッケージ)として、径11.5mm、深さ7mmのポケット(薬物収容部)が成型されたプラスチックシート(厚さ0.30μm、VSL−4610N、住友ベークライト株式会社製)を用いた。
各例の錠剤を、それぞれ前記PTPの薬物収容部に収容し、薬物収容部を塞ぐようにアルミフィルムをPTPにヒートシールすることにより、PTP包装体を作製した。尚、薬物収容部の縁から、プラスチックシートのミシン目(隣接する包装体)までの距離は4mmであるプラチックフィルムを用いた。
次いで、得られたPTP包装体を、温度50℃、相対湿度75%RHの条件下で、2週間保管した。そして、下記の評価基準に従い、包装体における薬物収容部の膨張を抑制する効果について評価した。
図1は、上述の保管を行った後のPTP包装体の状態(外観)を示す写真であり、下記評価基準(I、II、III、IV)のそれぞれの状態を示すPTP包装体の一例である。
図1に示すPTP包装体においては、平面視略円形状の薬物収容部1に錠剤が収容され、アルミフィルム2が薬物収容部1を塞ぐように設けられている。
評価基準
I:薬物収容部1の膨張も、アルミフィルム2の剥がれも認められなかった(全く膨れなし)。
II:薬物収容部1の膨張が少し認められたが、プラスチックシートからのアルミフィルム2の剥がれは認められなかった(膨れあり、シール剥がれなし)。
III:薬物収容部1が膨張し、アルミフィルム2がプラスチックシートから剥がれているが、ミシン目までは到達していなかった(膨れあり、シール剥がれあり)。
IV:薬物収容部1が膨張し、アルミフィルム2がプラスチックシートから剥がれてミシン目まで到達していた(シール剥がれあり、ミシン目まで到達)。
また、炭酸水素塩(b1)として炭酸水素ナトリウム、炭酸塩(b2)として炭酸ナトリウム又は炭酸カルシウム、を含み、かつ炭酸水素塩(b1)/炭酸塩(b2)で表される質量比が2以下である実施例22〜33では、包装体の薬物収容部の膨張が抑制されていることが確認できる。
Claims (5)
- 20℃の水に対する溶解度が5mg/mL以下の水難溶性薬物(a1)、分子量が1000以上の水膨潤性高分子化合物、及び20℃の水に対する溶解度が1mg/mL以上であり、分子量が1000以上の水溶性高分子化合物からなる群より選ばれる1種以上の高分子化合物(a2)、並びに、20℃の水に対する溶解度が5mg/mL超であり、分子量が1000未満の水溶性粉体(a3)(但し、下記粒子(B)を除く)を含む造粒粒子(A)と、 炭酸水素塩(b1)及び炭酸塩(b2)からなる群より選ばれる1種以上の化合物からなる粒子(B)と、を含有する、内服固形錠剤。
- 前記造粒粒子(A)中の前記水溶性粉体(a3)の含有量が、10質量%以上である、請求項1に記載の内服固形錠剤。
- 前記粒子(B)が、前記炭酸水素塩(b1)と、前記炭酸塩(b2)とを含有する請求項1又は2に記載の内服固形錠剤。
- 前記炭酸水素塩(b1)が炭酸水素ナトリウムであり、前記炭酸塩(b2)が炭酸ナトリウム、及び炭酸カルシウムからなる群から選択される少なくとも1種の炭酸塩であり、炭酸水素塩(b1)/炭酸塩(b2)で表される質量比が2以下である、請求項3に記載の内服固形錠剤。
- 前記粒子(B)の体積平均粒子径が、10〜1000μmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の内服固形錠剤。
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