JP6444169B2 - 給送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シートを1枚ずつ給送する給送装置に関する。
特許文献1には、オートドキュメントフィーダ(以下ADF)において、給送中にカバーオープンした場合にシートを搬送する搬送ローラの回転を自動で止めるための機構が開示されている。具体的には、紙詰まりなどを取り除くためにユーザが装置のカバーを開くと、カバーに保持されていたレバーがばね付勢に抗して駆動ギア群のカップリング部に割り込み、駆動モータから駆動ローラへの駆動力の連結を解除する機構が開示されている。
特開平10−236688号公報
しかしながら、特許文献1では、レバーをカップリング部に割り込ませるための力を、レバーに取り付けられたレバーばねの反力が、カバー開放時に開放されることによって発生させている。このため、ユーザによるカバー開放動作と駆動ローラに対する駆動力の切断との間には、わずかなタイムラグが発生するおそれがある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものである。よってその目的とするところは、ユーザによって搬送部のカバーが開放された際に、駆動モータの回転力を即座に遮断し、タイムラグなしに搬送動作を停止することが可能な給送装置を提供することである。
そのために本発明は、駆動源と、シートを搬送する搬送部と、前記駆動源の駆動力を複数のギアを介して前記搬送部に伝達する伝達部と、前記搬送部を開放するように開けることが可能なカバーと、を備え、前記伝達部は、回転の軸方向に結合および分離が可能なカップリング部と、前記カップリング部を回転に伴って分離する方向に付勢する付勢ギア構成と、前記カップリング部に当接して当該カップリング部を結合する方向に規制する規制手段と、を有し、前記カバーが閉じられている場合、前記カップリング部は前記規制手段によって結合され前記駆動源の駆動力を前記搬送部に伝達し、前記カバーが開けられれた場合、前記カップリング部は前記規制手段による規制が解除されて前記付勢ギア構成による付勢力によって分離され、前記駆動源の駆動力を前記搬送部に伝達しないことを特徴とする。
本発明によれば、ユーザによって搬送部のカバーが開放された際に、駆動モータの回転力を即座に遮断し、タイムラグなしに搬送動作を停止することが可能となる。
画像読み取り装置を構成要素の一部として備えた画像形成装置の外観斜視図 画像読取装置の内部構成を説明するための断面図 画像読取装置の内部構成を説明するための斜視図 原稿積載圧板部および原稿読取搬送部を開放した状態を示す図 搬送駆動系の構成を説明するための図 画像形成装置の制御の構成を説明するためのブロック図 駆動モータからのギア列の連結構成を示す図 原稿搬送部の回動位置における順方向の駆動伝達状態を説明するための図 原稿搬送部の回動位置における逆方向の駆動伝達状態を説明するための図 ユーザが紙詰まりの除去作業を行う場合の状態を説明するための図 原稿搬送部の閉塞が不十分である場合の機能を説明するための図
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。以下の例では、画像読取部にて画像を読み取るために原稿を1枚ずつ搬送する給送装置を例に説明する。ただし、本発明の給送装置は、画像読取装置だけではなくプリンタやファクシミリなど別の用途のための給送装置として用いることも出来る。更に、このような装置は、スキャナ、プリンタ、ファクシミリ、複写機など様々な機能を組み合わせた複合機の構成要素の一部として用いることも出来る。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に使用可能な画像読み取り装置を構成要素の一部として備えた画像形成装置の外観斜視図である。画像形成装置100は、画像読取装置200としての機能が上層に、プリンタ部300としての機能が下層に、重力方向(Z方向)に重層するように構成されている。例えば、画像読取装置200で読み取った画像をプリンタ部300でプリントするなど、複写機として機能させることも出来る。この際操作部800は、ユーザが読取処理やプリント処理のための様々なコマンドを入力したり、画像形成装置100の情報を確認したりするために利用される。
画像読取装置200は、シート状の複数の原稿を1枚ずつ給紙して画像を読み取るオートシートフィーダ(ASF)方式と、所定のページを開いた本に対して読取処理を行うフラットスキャンリード(FSR)方式の2通りの読取方式を利用可能とする。ASF方式で原稿を読み取る場合、ユーザは折り畳まれている原稿積載トレイ14を開き、ここにシート状の原稿を積載する。読取処理が開始されると、原稿読取搬送部1は、積載されたシートをその最上位から1枚ずつ給紙し、搬送し、読取処理を施し、原稿排紙トレイ18に排出する。一方、FSR方式で原稿を読み取る場合、ユーザはX方向前面に設けられた取手Hを用いて原稿積載圧板部40全体を上方向に回動し、読取りたいページを開いてガラス面22にセットする。
図2(a)、(b)および図3は、画像読取装置200の内部構成を説明するための断面図および斜視図である。ASF方式での読み取り処理が開始され、原稿有無センサ16によって原稿積載トレイ14上にシートがセットされていることが確認されると、ピックアップローラ3の回転に伴い原稿ストッパ15が解除され、原稿リフタ6が上昇する。これにより、原稿積載トレイ14に積載されているシートの表面がピックアップローラ3に当接し、その回転に伴って原稿読取搬送部1に搬入される。この際、ピックアップローラ3に当接する最上位シートは、分離ローラ5の回転に伴いそのまま原稿読取搬送部1内部に搬入されるが、最上位以外のシートは分離パッド4によってその進行が妨げられる。また、分離ローラ5は、後述する第1搬送ローラ7と第2搬送ローラ9よりも遅い周速で回転するようになっており、1枚目のシートと2枚目のシートの間に所定の間隔が確保されるようになっている。
原稿読取搬送部1内部に搬入されたシートは、第1搬送ローラ7とそのピンチローラおよび第2搬送ローラ9とそのピンチローラに挟持されながら、原稿搬送路12に沿ってU字型に搬送される。第1搬送ローラ7と第2搬送ローラ9の間であって搬送経路の最も下方の位置には、画像を読み取るための密着型イメージセンサ(CIS)30が配備されている。CIS30は発光部と受光部を有し、LEDが照射した光のシート表面での反射光を自己集束型ロッドレンズアレイでセンサ素子に結像して画像情報として検出する仕組みになっている。搬送中のシートは、読取白色板8とADFガラス23の間を通過するタイミングで、CIS30によってその画像が読み取られる。シートの読取処理を行っていないとき読取白色板8はCIS30に対する白基準として利用される。一方、読取処理を行っているとき、読取白色板8はシートをその背面からADFガラス23に押し付けCIS30に対向する面を平滑にしている。
読取処理が行われた後のシートはガイド702に沿って斜め上方向に案内され、その後原稿排紙トレイ18に排出される。排紙ガイド19は、原稿排紙トレイ18に排出中のシートを案内すると共に、既に排出されているシートの浮きを抑える役割も有している。
なお、原稿エッジセンサ17は搬送中のシートの先端部および後端部を検出し、その検出結果は搬送や読取処理に利用される。例えば、原稿エッジセンサ17で原稿の先端を検出してから原稿を所定量搬送したタイミングでCIS30による読取処理を開始し、後端部を検出してから所定量搬送したタイミングでCIS30による読取処理を終了する。そして、原稿有無センサ16によって原稿積載トレイ14にシートが無いことが検出されるまで上記搬送動作を継続すれば、複数のシートに対する読み取り処理を順番に且つ滞り無く行うことが出来る。
図4は、本実施形態の画像形成装置100において、原稿積載圧板部40および原稿読取搬送部1を開放した状態を示す図である。原稿積載圧板部40はFSR方式で原稿を読み取る場合に外装カバーごと図のように回動可能になっている。一方、原稿読取搬送部1は、原稿読取搬送部1において紙詰まりなどのトラブルが生じた場合に外装カバーごと図のように開放される。
FSR方式で原稿を読み取る場合、ユーザはX方向前面に設けられた取手Hを用いて原稿積載圧板部40をヒンジPを軸として上方向に回動し、読取りたいページを開いてガラス面22に向けてセットする。原稿積載圧板部40のX方向の両端には、装置本体に位置決めするための凸部40aおよび40bが、装置本体の凹部2aおよび2bと対向する位置に設けられている。また、原稿積載圧板部40のガラス面22に対向する部分には、ガラス面22に載せられた原稿面を平滑にするための圧接板41が設けられている。
再度図2を参照する。FSR方式による原稿読み取りは、原稿排出トレイ18の下方に配置されているブック原稿読取部2によって行われる。ユーザが読取処理を行いたいページをガラス面22に押し当てた状態でセットした後、再び原稿積載圧板部40を戻して読取処理が開始されると、CIS30は、−Y方向に所定の速度で移動しながら、ガラス面22を介して原稿に対する読取処理を実行する。このような読取処理が終了すると、CIS30は図2(a)および(b)に示すような定位置に戻る。
図5(a)および(b)は、搬送駆動系の構成を説明するための図である。本実施形態の搬送モータMはブラシ式DC駆動モータであり、ロータリーエンコーダM3が付随されている。具体的には、駆動モータMの回転軸にスリットパターンがプリントされた円状のコードホイールフィルムM1が取り付けられており、その回転経路の一部にはエンコーダセンサM2が配備されている。そして、エンコーダセンサM2がコードホイールフィルムM1のスリットを検出することにより、駆動モータMの回転速度を認識できるようになっている。さらに、ロータリーエンコーダM3からの出力信号に基づいて、パルス幅変調制御(PWM)を行い、駆動モータMに対する駆動制御も実行可能になっている。
搬送モータMの駆動力は、ギア列M4を経由して、分離ローラ5、ピックアップローラ3、第1搬送ローラ7および第2搬送ローラ9に伝達されている。このように、本実施形態において、シート搬送に関わる全てのギア列は装置の後方側(−X方向側面)に配置されている。
図6は、本実施形態で使用する画像形成装置100の制御の構成を説明するためのブロック図である。主制御基板301には、マイクロプロセッサユニット(MPU)306、読取画像処理部307、プリント画像処理部308、画像符号化部309などを有し、システムバス303を介して装置全体を制御する主制御IC302が備えられている。読取画像処理部307は、画像読取装置200で読み取った画像データに対し所定の画像処理を施す。プリント画像処理部308は、プリントすべき画像データに対し所定の処理を施して、プリント部300でプリント可能な画像データを生成する。画像符号化部309は、符号化データと画像データの相互変換を行う。
電源供給部340は、主制御基板301のほか、画像読み取り装置200、プリント部300、操作パネル800など、それぞれの機構に必要な電力を供給する。
主制御IC302は、電源供給部340から供給される電源を用い、EEPROM304に記憶されているプログラムコード、初期値データ、テーブルデータに従って、RAM305をワークエリアとしながら各種処理を行う。既に説明した操作部800のほか、画像読取装置200やプリンタ部300も、主制御基板301によってコントロールされている。
操作部800には、操作パネルインタフェース323を介して、ユーザに各種情報を提供する表示部321や、ユーザからのコマンドを受容するコマンド入力部322が備えられている。一方、各種情報やメッセージは、音声出力部325を介したスピーカ326からもユーザに提供できるようになっている。
画像読取装置200には、既に説明したCIS30や原稿駆動搬送部1のほか、CIS30で読み取った画像にシェーディングなどの補正処理を施す読取画像補正部312が備えられている。プリント部300には、プリント画像処理部308で生成した画像データをプリントヘッド316に供給するプリント信号出力部317や当該画像データに従って画像をプリントするプリントヘッド316が備えられている。また、プリント媒体となるシートを搬送したりプリントヘッド316を移動したりするプリント系駆動部318も備えられている。
通信接続部327は、通信網328や電話機329と接続され、音声や符号化データの入出力を行う。例えばUSB規格などの外部インターフェイス部331は、パーソナルコンピュータなどの外部機器332と接続される。フラッシュメモリなどからなる不揮発メモリ333は、停電時等にワークデータや画像データが消去されないようにするための予備の記憶領域である。無線LANモジュール334は、装置外のアクセスポイントを介して画像入出力を行う。
以下、本実施形態の画像形成装置100が複合機として実行可能な各種処理について具体的に説明する。以下の処理は、全て主制御IC302がEEPROM304に記憶されたプログラムに従って実行するものである。
(PCスキャン処理)
原稿を読み取って得られた画像データを、外部機器332として接続されているPCに提供する処理である。CIS30が読み取った画像データは、読取画像補正部312にてシェーディング補正など所定の補正処理が施される。その後、読取画像処理部307によって所定の画像処理が施され、RAM305に展開される。更に、画像符号化部309によって例えばJPEG形式に圧縮符号化され、符号化された画像データは外部インターフェイス331を介してPC(外部機器)332に出力される。
(コピー処理)
画像読取装置200で読み取った画像をプリンタ部300から出力する処理である。CIS30が読み取った画像データは、読取画像補正部312にてシェーディング補正など所定の補正処理が施される。その後、読取画像処理部307によって所定の画像処理が施され、RAM305に展開される。次に、画像符号化部309によって例えばJPEG形式に圧縮符号化され、再びRAM305に蓄積される。蓄積された画像データは順次プリント画像処理部308に送られ、プリント部300によってプリント可能な画像データに変換される。さらに、プリント信号出力部317を介してプリントヘッド316にプリント動作を行わせ、出力物を得る。
(ファクシミリ送信処理)
画像読取装置200で読み取った画像を電話機329から出力する処理である。CIS30が読み取った画像データは、読取画像補正部312にてシェーディング補正など所定の補正処理が施される。その後、読取画像処理部307によって所定の画像処理が施され、RAM305に展開される。次に、画像符号化部309によって例えばMR(モデファイド・リード)形式に圧縮符号化され、再びRAM305に蓄積される。通信接続部327は、ファクシミリ通信の手順信号の送受信を行い、蓄積された画像データの送信を開始する。送信開始後も画像読取装置200における読取処理は継続し、順次画像データを蓄積しながら送信を続ける。
(ファクシミリ受信処理)
通信網328で受信した画像をプリント部300でプリントする処理である。通信網328での着信が検出されると、通信接続部327はファクシミリ通信の手順信号の送受信を行い、その後画像データの受信を開始する。受信された画像データは、画像符号化部309で復調されてRAM305に展開される。展開された画像データは、順次プリント画像処理部308に送られ、プリント部300によってプリント可能な画像データに変換される。さらに、プリント信号出力部317を介してプリントヘッド316にプリント動作を行わせ、出力物を得る。
(プリント処理)
外部機器332より受信した画像データをプリント部300によってプリントする処理である。外部機器332から発信され、外部インターフェイス部331で受信したコマンド及び受信パラメータはMPU306で解釈され、画像符号化部309で画像データとしてRAM305に展開される。展開された画像データは、順次プリント画像処理部308に送られ、プリント部300によってプリント可能な画像データに変換される。さらに、プリント信号出力部317を介してプリントヘッド316にプリント動作を行わせ、出力物を得る。
以下、本発明の特徴的な構成である搬送ローラの駆動力の切断構成について説明する。図7は、駆動源となる駆動モータMからの駆動力の伝達部となるギア列M4の連結構成を示す図である。駆動モータMの回転は、駆動モータMの軸に固定されたウォームギアM41、ウォームギアM41に噛み合うドライブギアM42、ドライブギアM42と同軸で回転するカップリングギアM43を介して、搬送ローラ等を回転するフィードギアM44に伝達される。これら複数のギアは、駆動モータMの順方向および逆方向の回転切り替えに伴って、それぞれ順方向と逆方向に回転出来るようになっている。ドライブギアM42とカップリングギアM43には、互いに噛み合う歯形を有するカップリング部M421とM431が、X方向に結合・分離が可能なように設けられている。つまり、カップリング部M421とM431が結合しているときはカップリングギアM43に駆動力が伝達されフィードギアM44は回転するが、両者がX方向に分離するとフィードギアM44は回転しない仕組みになっている。
駆動モータMおよびギア列M4は固定板M45に支持されている。一方、装置内に固定されているカップリング規制部M46は、その規制面M461をカップリングギアM43に当接させることによって、カップリングギアのX方向の位置をドライブギアM42と結合する位置に規制している。ASF方式による読取処理を行う場合、駆動モータMはY方向に見たときの時計回り方向に回転し、ウォームギアM41を介してドライブギアM42は−X方向に見たときの時計回り方向に回転する。このためカップリングギアM43を介してドライブギアM42に連結するフィードギアM44は、−X方向に見たときの反時計回り方向すなわち搬送方向に回転する。
但し、紙詰まり等を取り除くために、ユーザが図4のように原稿搬送部1を回動した場合、駆動モータMやギア列M4は固定板M45とともに回動するが、カップリング規制部M46は装置本体側に残る。つまり、原稿搬送部1を回動した場合、カップリングギアM43に対するドライブギアM42に向けての規制力はなくなる。
図8(a)〜(c)は、原稿搬送部1の回動位置における駆動伝達状態を説明するための図である。図8(a)は原稿搬送部1が閉じられた状態、同図(b)は原稿搬送部1が僅かに回動された状態、同図(c)は原稿搬送部1がほぼ完全に開けられ、紙詰まりを除去することが出来る状態をそれぞれ示している。
本実施形態において、カップリング部M421とカップリング部M431は、順方向の回転においてほぼ垂直な面で噛み合うように構成されており、回転駆動によってカップリング部M421とカップリング部M431との間に軸方向(X方向)の力は発生しない。一方、カップリングギアM43とフィードギアM44はハスバ歯車となっており20°のねじり角を有している。このため、駆動モータMが搬送方向(順方向)の回転を行ったとき、カップリングギアM43には、図8(a)に示すような軸方向の力FF1(すなわちドライブギアM42からX方向に分離する方向の力)が発生する。但し、カップリングギアM43は、上述したように、カップリング規制部M46によってその位置が規制されている。よって、カップリングギアM43は図8(a)に示す位置で回転を維持し、その回転力をフィードギアM44に伝達し、搬送動作を維持することが出来る。
原稿搬送部1が僅かに開かれた場合、図8(b)を参照するに、カップリングギアM43はカップリング規制部M46の規制面M461から外れ、軸方向の力FF1の作用で+X方向に移動する。但し、カップリング規制部M46には、規制面M461に連続する上方の位置にガイド斜面M462が形成された形状となっている。よって、カップリングギアM43は当接面M432をガイド斜面M462に当接させながら、これに沿って徐々に+X方向に移動する。このとき、ガイド斜面M462の垂直抗力から+Z方向への力FUが生成され、ユーザが原稿搬送部1を持ち上げようとする動作を補助する。すなわち、ユーザによる回動操作の負担をより軽減することが出来る。反対に、ユーザが原稿搬送部1を元の位置に戻そうとしたが図8(b)のような不完全な位置で止まってしまった場合、次の原稿搬送が開始されるタイミングで原稿搬送部1は+Z方向への力FUによって押し上げられる。これにより、ユーザは原稿搬送部1の押し戻しが不完全であったことを認識することが出来る。
原稿搬送部1が紙詰まりの除去作業を行うことが出来る程度まで開放された場合、図8(c)のように、カップリングギアM43はカップリング規制部M46から解放され、ドライブギアM42と完全に分離する。このため、ドライブギアM42の回転はカップリングギアM43に伝達されず、フィードギアM44は回転せず搬送動作は停止する。
このように、駆動ローラMが順方向(搬送方向)に回転している場合では、ユーザが原稿搬送部1を回動すると、駆動モータMの回転力はハスバ歯車の軸方向の分離によって即座に遮断され、タイムラグを発生することなく搬送動作を停止することが出来る。
図9(a)〜(c)は、駆動モータMが逆方向(搬送と反対の方向)に回転している場合の、原稿搬送部1の回動位置における駆動伝達状態を示す図である。図9(a)は原稿搬送部1が閉じられた状態、同図(b)は原稿搬送部1が僅かに開けられた状態、同図(c)は原稿搬送部1がほぼ完全に開けられた状態をそれぞれ示している。
装置のイニシャル時などには、上述した原稿リフタ6を初期位置に戻す動作を行うため、駆動モータMは一時的に逆方向(搬送と反対の方向)に回転する。つまり、駆動モータMはY方向に見たときの反時計回り方向に回転し、ウォームギアM41を介してドライブギアM42は−X方向に見たときの反時計回り方向に回転する。このため、カップリングギアM43を介してドライブギアM42に連結するフィードギアM44は、−X方向に見たときの時計回り方向すなわち搬送方向と逆方向に回転する。
本実施形態において、カップリング部M421およびM431は、逆方向の回転において約60°の角度で噛み合うように構成されている。このため、駆動モータMが逆方向の回転を行ったとき、カップリングギア43には、図9(a)に示すような軸方向の力FF3(すなわちドライブギアM42からX方向に分離する方向の力)が発生する。
一方、既に説明したように、カップリングギア43とフィードギア44は20°のねじり角を有するハスバ歯車となっている。このため、駆動モータMが逆方向の回転を行ったとき、カップリングギア43には、図9(a)に示すような軸方向の力FF2(すなわちドライブギアM42に結合する方向の力)が発生する。ここで、FF2とFF3を比べると、カップリング部M421とカップリング部M431の結合角度60°の方が、カップリングギアM43とフィードギアM44の間のねじり角20°よりも大きいため、FF3の方がFF2よりも大きくなる。よって、カップリングギアM43には、結果的に(FF3−FF2)に相当する力が+X方向に作用することになる。
但し、カップリングギアM43は、上述したように、カップリング規制部M46によってその位置が規制されている。よって、カップリングギアM43は図9(a)に示す位置で回転を維持し、その回転力をフィードギアM44に伝達することが出来る。
原稿搬送部1が僅かに回動された場合、図9(b)を参照するに、カップリングギアM43はカップリング規制部M46の規制面M461から外れ、軸方向の力(FF3−FF2)の作用で+X方向に移動する。但し、カップリング規制部M46には、規制面M461に連続する上方の位置にガイド斜面M462が形成されており、カップリングギアM43は当接面M432をガイド斜面M462に当接させながら、これに沿って徐々に+X方向に移動する。このとき、ガイド斜面M462の垂直抗力から+Z方向への力FUが生成され、ユーザが原稿搬送部1を持ち上げようとする動作を補助することになる。すなわち、ユーザによる回動操作の負担をより軽減することが出来る。反対に、ユーザが原稿搬送部1を閉じるときに図9(b)のような不完全な位置で止めてしまった場合、次のイニシャル動作が開始されるタイミングで原稿搬送部1は+Z方向への力FUによって押し上げられる。これにより、ユーザは原稿搬送部1の押し戻しが不完全であったことを認識することが出来る。
原稿搬送部1が紙詰まりの除去作業を行うことが出来る程度まで開放された場合、図9(c)のように、カップリングギアM43はカップリング規制部M46から解放され、ドライブギアM42とX方向に完全に分離する。このため、ドライブギアM42の回転はカップリングギアM43に伝達されず、フィードギアM44は回転せず搬送動作は停止する。
以上説明したように、駆動ローラMが逆方向(搬送方向と反対の方向)に回転している場合では、ユーザが原稿搬送部1を回動すると、駆動モータMの回転力はカップリング部の軸方向の分離によって即座に遮断される。よって、タイムラグを発生することなく搬送動作を停止することが出来る。
すなわち、本実施形態によれば、カップリング部の噛み合わせ角度とカップリングギアM43とフィードギアM44の間のねじり角を、駆動モータMの回転が順方向であっても逆方向であっても、カップリングギアM43が+X方向に付勢されるように調整している。このため、いずれの方向においても、ユーザによる原稿搬送部1の回動操作の負担を軽減し、押し戻しが不完全であった場合の告知を同等に行うことが出来る。
図10(a)および(b)は、原稿搬送部1が開放され、ユーザが紙詰まりの除去作業を行う場合の状態を説明するための図である。
ユーザが原稿搬送路12に詰まってしまった原稿を引き出す場合、引き出す方向が原稿積載トレイ14側であるか原稿排出トレイ18側であるかによって、原稿に接触する搬送ローラの回転方向は異なる。ユーザが原稿を原稿排出トレイ18側に引き出す場合、第1搬送ローラや第2搬送ローラは順方向に回転する。すなわち、図10(a)に見るように、フィードローラM44は−X方向に見て時計回り方向に回転する。このため、カップリングギア43には、フィードギア44との間のハスバ歯車の作用により、+X方向の力が作用する。
一方、ユーザが原稿を原稿積載トレイ14側に引き出す場合、第1搬送ローラや第2搬送ローラは逆方向に回転する。すなわち、図10(b)に見るように、フィードローラM44は−X方向に見て反時計回り方向に回転する。このため、カップリングギア43には、フィードギア44との間のハスバ歯車の作用により−X方向の力が作用して、ドライブギアM42と結合する方向に移動しようとする。しかし、両者が結合すると、ドライブギアM42とカップリングギアM43との間のカップリング部では、さらに大きな+X方向の力が発生する。すなわち、ユーザが原稿を原稿積載トレイ14側に引き出そうと、原稿排出トレイ18側に引き出そうと、駆動モータMの駆動力がフィードギアM44に伝達されることは無く、紙詰まりの取り除き作業を軽い力で安全に行うことが出来る。
図11(a)および(b)は、原稿搬送部1の閉塞が不十分である場合の機能を説明するための図である。原稿搬送部1が確実に閉ざされているとき、図11(a)に見るように、原稿搬送部1に取り付けられているカバーロック爪101と原稿積載圧板部40に配備されて図の矢印方向に付勢されているカバー固定版102は、互いに係合している。図では−X方向側の側面から見た断面図を示しているが、このようなカバーロック爪101とカバー固定版102のようなカバー保持手段は、搬送方向と交差するX方向の両端に配備されている。図11(a)のように、カバーロック爪101が下方に位置する状態で完全に係合しているとき、原稿搬送部1と原稿積載圧板部40は、図2で示したような連続する平面を形成している。
原稿搬送部1が原稿積載圧板部40に対し僅かに浮いている場合、カバーロック爪101とカバー固定版102が互いに当接した状態で釣り合うことがある。この場合であっても、駆動モータMがいずれかの方向に回転すれば、原稿搬送部1は+Z方向への力FUによって図11(b)の状態まで押し上げられる。結果、原稿搬送部1と原稿積載圧板部40の間で図2で示したような連続する平面は得られず、ユーザは原稿搬送部1の押し戻しが不完全であったことを明確に認識することが出来る。
この際、図11(b)に示すような+Z方向の力FUは、駆動モータMおよびギア列M4が存在する側のみに発生する力である。よって、本実施形態では、ギア列が存在しない+X方向側に配備されているカバーロック爪101とカバー固定版102の係合力を、ギア列が存在する−X方向側に配備されているカバーロック爪101とカバー固定版102の係合力よりも若干弱くしている。これにより、原稿搬送部1の押し戻しが不完全であった場合に、カバーに対する保持力X方向の両端部で揃え、同程度に持ち上げることが出来る。
一方、カップリングギアM43がドライブギアM42から切り離されると、駆動モータMにかかる負荷は小さくなり、ロータリーエンコーダM3が検出する駆動モータMの回転速度も速くなる。この検出結果を利用して、主制御IC302が原稿搬送部1が閉ざされていないことを判断し、表示部321にその旨を表示したり、PWM制御を利用して積極的に駆動モータMを停止したりしても良い。
以上のような構成により、ユーザに対して原稿搬送部1が閉ざされていないことを通知するとともに、その状態での搬送動作を回避し不用意な紙詰まりを未然に防ぐことが出来る。
なお、上記実施形態では、カップリング部の噛み合いにより発生する力FF3は、逆回転の場合のみに生じるようにした。これは、搬送方向である順回転は長時間の回転が想定され、カップリング部の磨耗が懸念されるからである。しかし、本発明においては、順方向の回転時にカップリング部の噛み合いにより発生する力FF3を利用するようにしても良い。
また、以上では、順方向の回転においても逆方向の回転においてもカップリングギアM43に+X方向の力が作用するように、カップリング部の噛み合わせ角度とカップリングギアM43とフィードギアM44の間のねじり角を規定している。しかし、本発明はこのような付勢ギア構成に限定されるものではない。いずれか一方の回転方向についてのみ+X方向の付勢力が作用するような構成であっても、タイムラグを発生させること無く搬送動作を即座に停止するという本発明の効果を得ることは出来る。
1 原稿読取搬送部
3 ピックアップローラ
5 分離ローラ
7 第1搬送ローラ
9 第2搬送ローラ
M 駆動モータ
M4 ギア列
M43 カップリングギア
M44 フィードギア
M46 規制手段
M421 カップリング部
M431 カップリング部

Claims (10)

  1. 駆動源と、
    シートを搬送する搬送部と、
    前記駆動源の駆動力を複数のギアを介して前記搬送部に伝達する伝達部と、
    前記搬送部を開放するように開けることが可能なカバーと、
    を備え、
    前記伝達部は、
    回転の軸方向に結合および分離が可能なカップリング部と、
    前記カップリング部を回転に伴って分離する方向に付勢する付勢ギア構成と、
    前記カップリング部に当接して当該カップリング部を結合する方向に規制する規制手段と、
    を有し、
    前記カバーが閉じられている場合、前記カップリング部は前記規制手段によって結合され前記駆動源の駆動力を前記搬送部に伝達し、
    前記カバーが開けられれた場合、前記カップリング部は前記規制手段による規制が解除されて前記付勢ギア構成による付勢力によって分離され、前記駆動源の駆動力を前記搬送部に伝達しないことを特徴とする給送装置。
  2. 前記付勢ギア構成は、前記カップリング部と該カップリング部に連結するギアの間の、回転時に前記カップリング部が分離する方向の力を発生するねじり角を有するハスバ歯車を含むことを特徴とする、請求項1に記載の給送装置。
  3. 前記付勢ギア構成は、前記カップリング部に設けられ、回転時に分離する方向の力を発生する斜面が形成された互いに噛み合う構成であることを特徴とする、請求項1に記載の給送装置。
  4. 前記付勢ギア構成は、前記カップリング部と該カップリング部に連結するギアの間の、回転時に前記カップリング部が分離する方向の力を発生するねじり角を有するハスバ歯車と、前記カップリング部に設けられ、回転時に分離する方向の力を発生する斜面が形成された互いに噛み合う構成と、を含み、
    前記駆動源の回転方向によらず、前記カップリング部を回転に伴って分離する方向に付勢するように、前記ねじり角および前記斜面が決められていることを特徴とする、請求項1に記載の給送装置。
  5. 前記規制手段は、前記カバーが開けられる際に、前記カップリング部に対する規制を徐々に解除していく形状を有していることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の給送装置。
  6. 前記カバーが開けられている状態で前記搬送部を回転させると、前記付勢ギア構成は、前記カップリング部を分離する方向に付勢することを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の給送装置。
  7. 前記シートを搬送する方向と交差する方向の両端部に、前記カバーが閉じられているときに当該カバーを保持するための保持手段を更に備え、
    前記駆動源および前記伝達部により近い位置にある前記保持手段の保持力は、前記駆動源および前記伝達部により遠い位置にある前記保持手段の保持力よりも強いことを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の給送装置。
  8. 前記駆動源の回転を検出するエンコーダ手段を更に備え、
    前記エンコーダ手段から得られる結果より、前記カバーが開放されたか否かを判断することを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の給送装置。
  9. 前記搬送部によって搬送されるシートの画像を読み取る読取部を更に備えることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の給送装置。
  10. 前記読取部は、前記搬送部によって搬送されるシートの画像読み取りと、ガラス面に置かれたシートに対して移動しながらの画像読み取り、のいずれにも利用されることを特徴とする、請求項9に記載の給送装置。
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