JP6448827B2 - レーダ装置、誘導装置及びレーダ信号処理方法 - Google Patents

レーダ装置、誘導装置及びレーダ信号処理方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、レーダ装置、誘導装置及びレーダ信号処理方法に関する。
例えば誘導装置に用いられるパルスレーダ装置にあっては、高い距離分解能を実現するためには広いパルス帯域幅が必要である。但し、1パルスの帯域幅を増加させると処理回路に負担がかかる。このため、帯域幅を複数の周波数帯域に分割し、分割した帯域の周波数信号をそれぞれ複数のパルスに割り当てて送受信する、合成帯域レーダと呼ばれるレーダ装置が提案されている。
合成帯域レーダでは、複数のパルスに割り当てて送受信した複数の周波数信号をそれぞれ逆フーリエ変換した後に波形合成する。このとき、各周波数信号は送受信の時間が異なるため、その間の目標の移動によって発生した位相差を補正しなければならない。そのためには、目標とレーダとの相対移動速度が必要であって、合成帯域レーダ装置では高い速度検出精度が要求される。
ここで、通常のレーダ装置では、複数のパルスをそれぞれフーリエ変換してドップラスペクトルを生成し、ドップラのピークを検出することにより速度の検出を行う。しかし、合成帯域レーダ装置では、周波数の異なるパルスを送受信するため、そのまま全パルスをフーリエ変換することは難しい。
そこで、よく用いられる速度検出方法としては、例えば、同一周波数(以下、周波数ステップと呼ぶ)のパルスをフーリエ変換してスペクトルを生成し、得られた複数のスペクトルを振幅または電力で加算(ノンコヒーレント積分)して、加算結果からピークを検出して速度を計算する方法があげられる(非特許文献2参照)。別の速度検出方法としては、やはり同一周波数ステップのパルス毎にフーリエ変換してスペクトルを生成し、得られた複数のスペクトルからおのおのピークを検出して速度を計算し、得られた複数の速度を平均化する方法がある。
前者の方法は、ドップラ周波数が周波数ステップ毎に異なるにもかかわらず、ほぼ同一であるとみなして複数スペクトルをノンコヒーレント加算するため、速度検出精度にフロアが発生しやすい。一方、後者の方法は、各スペクトルからピーク検出するため、低SNR(Signal-to-Noise Ratio:信号対雑音比)では、ピークの誤検出が頻発し、精度劣化が著しくなる。したがって、フロアが問題にならない低SNRでは、前者の方法が高い精度で速度を検出することが可能である。
一方、例えばレーダ諸元の秘匿性を向上させるために、パルス繰り返し間隔(Pulse Repetition Interval:PRI)を1送信期間(Coherent Processing Interval:CPI)内で種々変更する、という方法がある。この方法を合成帯域に適用した場合には、周波数ステップ毎にPRIを変化させるといった構成にすることが考えられる。その場合でも、上記の方法と同様に高い速度検出性能が必要になる。
なお、フーリエ変換の方法は、サンプル列構成の自由度は低いが処理が高速である高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)と、自由度は高いが低速である離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform:DFT)がある。実時間で動作するレーダ装置では、高速処理が要求されるため、フーリエ変換にはDFTよりもFFTを用いることが望ましい。
FFTで最も有名な方法はバタフライ演算であり、サンプル数が2の冪乗である必要がある。これは、Cooley-Turkey法の一種であるが、本質的には底が2である必要はない。FFTの方法には、さらに、因数分解法やRader法などがあり、これらを適宜組み合わせることで、整数であれば、概ね高速なフーリエ変換が可能であることが知られている。
なお、FFTはDFTを高速化したものであり、バタフライ演算以外のFFTはDFTと記述されることも多いが、以下の説明では、DFTは複素数のカーネルを記述し、それをサンプル列に1つ1つ乗算して加算する基本的な方法を示すものとする。また、バタフライ演算を含むCooley-Turkey法、因数分解法、Rader法、さらには、これらを組み合わせて高速化した方法を全て含んでFFTと称するものとする。
特開2003-167049号公報 特表2000-507356号公報
Donald R. Wehner, "High-Resolution Radar," ch.5, Artech House Radar Library Series (1994) 稲葉 : 多周波ステップICWレーダによる多目標分離法、信学技報SANE2005-1
ところで、合成帯域レーダ装置において、PRIが周波数ステップ毎に異なるパルス列をそれぞれフーリエ変換するということは、サンプリング間隔が異なるサンプル列をフーリエ変換することと同等である。したがって、各周波数ステップのパルス数が同じであれば、仮に全く同じ周波数の信号をフーリエ変換しても、ピークが現れるスペクトル内の相対位置が周波数ステップ毎に変化することになる。そのため、スペクトルの同じビン同士を加算するノンコヒーレント積分を適用しても、ピーク位置が異なるため、ピーク同士の加算にならない。これは、ビン間隔周波数がPRIに対応して変化することに起因する。
フーリエ変換の際に、サンプル列を単純にFFTするのではなく、周波数を指定して、特定の周波数成分を計算するようにDFTすることは可能である。この場合、全周波数ステップで同じ周波数成分を計算できるため、DFTを用いれば、PRIが周波数ステップ毎に異なるという問題を解決することができる。しかしながら、DFTは計算量が多く、実用に則さない用途も多い。
SNRが高ければ、周波数ステップ毎に個別に速度検出すればよいが、前述のように、この方法は低SNRでの速度検出精度の劣化が著しい。低SNRではノンコヒーレント加算により検出利得を上げてから検出したいが、PRIを周波数ステップ毎に変化させるとこれが困難になる。
本実施形態は上記課題に鑑みなされたもので、PRIが周波数ステップ毎に異なるパルス列を扱う可変PRIにおいて、低SNRでも高い速度検出精度が得られるレーダ装置、誘導装置及びレーダ信号処理方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本実施形態に係るレーダ装置は、送信部と、受信部と、信号処理部とを備える。前記送信部は、複数のステップそれぞれで、前記ステップ毎にパルス繰り返し間隔(PRI)を変化させて複数のパルスを生成し、前記ステップ毎の複数のパルスをレーダ波として順次送信する。前記受信部は、前記レーダ波の反射波を受信する。前記信号処理部は、前記受信部で得られる、前記ステップ毎の複数のパルスに対応する受信信号に高速フーリエ変換(FFT)を施してドップラスペクトルを計算し、前記ドップラスペクトルの計算結果から目標の速度を推定する。このとき、前記信号処理部は、前記複数のステップそれぞれの複数パルスの値の周辺に、ステップ毎に定められた数のゼロを付加してから前記FFTを施し、前記PRI、FFTフレーム長、付加するゼロの数が、それぞれ、前記ゼロを付加した後のFFTフレーム長に相当する時間が全ステップでほぼ同一になるように決定されている。
このようにすることによって、PRIがステップ毎に異なる場合でも、比較的少ない数の整数のサンプル数で、FFTによってスペクトルを生成しつつ、同一目標のスペクトル内のピーク位置をほぼ揃えることが可能になる。その結果、ノンコヒーレント積分を利用したドップラ検出が可能となり、低SNRでも目標速度を高い精度で検出することが可能となる。
第1の実施形態に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態において、周波数ステップ毎に生成される送信パルスを示すタイミング図である。 第1の実施形態において、PRIを全周波数ステップで共通にして同じサンプル数でFFTする場合の、送信パルス毎に得られるドップラスペクトルの例を示す波形図である。 (a)は、PRIを周波数ステップ毎に変えて同じサンプル数でFFTする場合の、各周波数ステップ番号とPRI長、ビン間隔周波数それぞれとの関係を示す散布図、(b)は(a)に示す関係に設定した場合の送信パルス毎のドップラスペクトルを示す波形図である。 第1の実施形態において、各周波数ステップにおけるPRI長、FFTフレーム長、FFT時の総サンプル数、FFTの際に付加するゼロの数それぞれの関係を示すタイミング図である。 図5に示す関係において、各周波数ステップにおける周波数ビン間隔と、各周波数ステップのスペクトルビン数を示す概念図である。 (a)は第1の実施形態において、周波数ステップ番号とFFTフレームサンプル数との関係を示す散布図、(b)は(a)において、周波数ステップ番号とPRI長、ビン間隔周波数それぞれとの関係を示す散布図である。 図7に示す例をサンプリングレート相当の時間間隔で丸めた場合の周波数ステップ番号とPRI長、ビン間隔周波数それぞれとの関係を示す散布図である。 (a)は図8に示す丸め処理によって得られるPRIとFFTフレーム内サンプル数で計算した全周波数ステップのドップラスペクトルを重ね書きして示す波形図、(b)は(a)に示す全周波数ステップのドップラスペクトルを振幅でノンコヒーレント積分した結果を示す波形図、(c)は(a)に示すドップラスペクトルの最終部分を拡大して示す波形図である。 第1の実施形態において、速度推定部の具体的な構成例を示すブロック図である。 第2の実施形態に係り、Low-PRFの場合に、目標速度を上げて5回折り返ったドップラスペクトルのシミュレーション例を示す波形図である。 第2の実施形態において、周波数ステップ毎のドップラスペクトル周期と目標速度予測値に対応するドップラ周波数との関係を示す概念図である。 第2の実施形態において、目標予測速度の移動先ビンにおけるビン番号に対してスペクトル成分の番号が巡回シフトする様子を示す概念図である。 図11に示すドップラスペクトルを、周波数ステップ毎にそれぞれのスペクトルの中央に予測値対応ビンをシフトさせ、シフトさせた先のビン番号が全周波数ステップで揃うように再度シフトさせた結果を示す波形図である。 第2の実施形態に係るレーダ装置において、折り返し補正を行う場合の速度推定部の具体的な構成例を示すブロック図である。 (a),(b)はそれぞれ図15に示す折り返し補正部の具体的な構成を示すブロック図である。 (a)は、合成帯域レーダにおいて、ドップラスペクトルの端にピークがかかる例を示す波形図、(b)は(a)のドップラスペクトルの端にピークがかからない例を示す波形図である。 第3の実施形態に係るレーダ装置において、2系統の処理により折り返し補正を行う場合の速度推定部の具体的な構成例を示すブロック図である。 第4の実施形態に係るレーダ装置において、周波数ステップ毎に、規定の最大相対速度に対応するドップラ周波数を含む折り返し回数まで、絶対周波数から同じスペクトルを繰り返し並べた様子を示す波形図である。 第4の実施形態に係るレーダ装置の速度推定部において、正しい折り返し回数のドップラ周波数を識別する場合の具体的な構成例を示すブロック図である。 第5の実施形態に係るレーダ装置を説明するために、図14に示したドップラスペクトルから雑音を除去した様子を示す波形図である。 第5の実施形態に係るレーダ装置において、各周波数ステップのキャリア周波数が、番号の順に昇順に増加すると仮定して、各周波数ステップにおけるPRI長、FFTフレーム長、FFT時の総サンプル数、FFTの際に付加するゼロの数それぞれの関係を示すタイミング図である。 図22に示す関係において、各周波数ステップにおける周波数ビン間隔と、各周波数ステップのスペクトルビン数を示す概念図である。 図22に示す関係において、周波数ステップ毎のPRI長とビン間隔周波数を示す散布図である。 図22に示す関係において、各周波数ステップのドップラスペクトルを計算した結果を示すもので、(a)は雑音がない場合、(b)は雑音がある場合を示す波形図である。 本実施形態に係るレーダ装置が合成帯域レーダである場合の構成を示すブロック図である。 本実施形態に係るレーダ装置が周波数アジリティレーダである場合の構成を示すブロック図である。 本実施形態のレーダ装置を誘導装置に用いた場合の構成を示すブロック図である。 本実施形態のレーダ装置において基本となる信号処理の流れを示すフローチャートである。
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明及び図示においては、実施形態の構成に本質的に必要な部分のみとし、実施形態の動作と関連しない部分については省略している。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。図1に示すレーダ装置は、シンセサイザ1、レーダ波送信部2、サーキュレータ3、アンテナ4、レーダ波受信部5、信号処理部6を備える。上記信号処理部6は、ゼロ付加部61、FFT62及び速度推定部63を備える。
上記シンセサイザ1は、レーダ波の周波数信号を生成する。上記レーダ波送信部2は、シンセサイザ1で発生される周波数信号をステップ毎に定められたPRIでパルス化し、各ステップのパルス列をPRI単位で並べて、送信用のレーダ波として出力する。このとき、レーダ波送信部2は、必要に応じてレーダ波に周波数チャーピング等の変調処理を施す。このようにして生成されたレーダ波はサーキュレータ3を介してアンテナ4から所定の方向に送出される。
送出されたレーダ波は、目標の他、クラッタ、妨害物など様々なもので反射される。レーダ装置に戻ったこれらの反射波はアンテナ4で捕捉され、レーダ波受信信号としてサーキュレータ3を介してレーダ波受信部5に送られる。レーダ波受信部5は、シンセサイザ1で発生される周波数信号をベースにして、レーダ波受信信号に対してフィルタリング、ベースバンド変換、アナログ−デジタル(A/D)変換等の処理を施し、レーダ波に変調処理が施されている場合にはパルス圧縮等の復調処理を施して、デジタルベースバンド信号に変換する。このとき、周波数ステップ毎に速度検出処理に掛けるための信号(以下、パルス代表値と呼ぶ)を抽出して信号処理部6に送る。
なお、図1に示すレーダ装置では、1つのアンテナ4を、サーキュレータ3を介して送受で共用しているが、この構成は本実施形態に必須ではなく、例えば、送受別アンテナ、方向性結合器による共用等、他の構成でもかまわない。また、図示の都合上、1素子のアンテナのように表示したが、アレイアンテナでもかまわない。アンテナの詳細な構成は本実施形態とは全く関連しない。
上記信号処理部6を構成するゼロ付加部61は、レーダ波送信部2からレーダ波の各ステップにおけるPRIの情報の通知を受け取る。そして、レーダ波受信部5から、ステップ毎にパルス代表値からなるサンプル列を順次入力し、各ステップのPRI毎に定めた数のゼロを、パルス代表値からなるサンプル列の、例えば後ろに付加して、ステップ毎にFFTフレームを形成する。上記FFT部62は、ステップ毎に、ゼロ付加部61で形成されたFFTフレームのサンプル列をFFTしてドップラスペクトルを得る。上記速度推定部63は、FFT部62で得られた各ステップのドップラスペクトルから目標速度を検出する。
上記構成によるレーダ装置において、以下に合成帯域レーダとしての処理動作について詳細を説明する。合成帯域レーダでは各ステップは、ステップ毎に周波数が異なる周波数ステップとなる。
図2は、合成帯域レーダを説明するために、図1に示すレーダ装置において、周波数ステップ毎に生成される送信パルスを示すタイミング図である。図2において、横軸は時間、縦軸は周波数であり、長方形のバーは所定パルス長、所定帯域幅を有するパルスを示している。個々のパルスの時間間隔がPRIであり、一つのキャリア周波数、すなちわ、1周波数ステップに付き、Np 個のパルスを送受信し、次の周波数に移って、またNp 個のパルスを送受信する、といった手順を繰り返す。周波数ステップの数はNf 個であり、トータルでNf 回繰り返す。
本実施形態では、PRIは周波数ステップ毎に設定される固有の値であるが、まず、通常の合成帯域レーダの動作を説明するために、PRIが各ステップで共通の場合のドップラスペクトル例を図3に示す。図3では、1周波数ステップのパルス数を10、周波数ステップの数を10とし、ドップラアンビギュイティの無い条件で、周波数ステップ毎に個々のパルスから1パルスにつき1つのパルス代表値を抽出し、FFTして得られるドップラスペクトルを示している。なお、FFTに際して、スペクトルの波形を滑らかにするために、パルス代表値の後ろに多数のゼロを付けて周波数ビン間を補間した。
周波数ステップ毎にキャリア周波数が異なるため、本来のドップラ周波数は周波数ステップ毎に若干異なるが、パルス数が少なく、また、ドップラアンビギュイティが無い状態では、それぞれの周波数差は非常に小さいので、ほぼ同じ周波数にピークがある。若干高低やずれがあるのは雑音のためである。
次に、単純に、PRIを周波数ステップ毎に変えて、そのまま同じサンプル数でFFTした場合について、図4を参照して説明する。
図4(a)は各周波数ステップのPRI長とスペクトルのビン間隔周波数、図4(b)は全周波数ステップを同じサンプル数でFFTした場合のドップラスペクトルを示している。PRI決定の手順としては、おおよそのPRI(図4の例では200μs)を決定し、その周辺で2μsずつPRI長が変化するようにPRIを設定した。各周波数ステップのパルス数は10であり、ビン間隔は1/フレーム長となる。ここでは、スペクトルを滑らかに表示するように補間している。補間は後ろにゼロを付けて補間するショートタイムフーリエ変換を利用しているが、ゼロの数は全周波数ステップで共通である。また、フレーム長はゼロを含まないパルス列のみの長さで定義している。
図4(b)の場合は、図3と比較して、明らかに周波数ステップ毎、すなわち、PRI毎にピークの位置が異なっている。ピーク位置の違いは大きくないため、そのまま加算(ノンコヒーレント積分)しても、おおよそ全体の中央のドップラ周波数を示すピークが得られる。このため、比較的SNRが高く、また、単一目標であって、周波数ステップ毎のピーク高さのばらつきが少ない場合には、このまま足して速度推定しても、ある程度の精度で推定が可能である。
しかし、本実施形態では、低SNRでの速度推定精度向上を目的としており、また、目標が1点のみの点目標となっている可能性は非常に低く、周波数ステップ毎のピーク高さは大きく異なっていることが多い。このため、上記のように単純にノンコヒーレント積分しても、積分結果のピークは全体の中央を示さず、速度推定精度が劣化する。
そこで、本実施形態では、図5に示すようにPRI長とフレーム長、FFTの際に付加するゼロの数を決定する。すなわち、各周波数ステップにおいて、送受信するパルスの数はNp 個で共通であるが、PRIが周波数ステップ毎に異なっている。また、PRI、FFTフレーム長とFFTフレーム内サンプル数の関係が図3の場合とは異なっている。このように、PRIの異なる複数の周波数ステップのスペクトルをノンコヒーレント積分できるようにするためには、スペクトルのビン間隔を揃えればよい。例えば、DFTを用いるならば、スペクトルのビンの周波数は完全に自由に決定することができる。しかしながら、DFTでは、処理量が非常に多くなるので、ここではFFTの適用が望ましい。
FFTによるビン間隔はフレーム長の逆数で決定される。したがって、複数の周波数ステップの周波数ビン間隔を揃えるためには、互いにフレーム長を揃えればよい。図5に示すように、PRIが周波数ステップ毎に異なっているのに、フレーム長が共通であり、かつ、整数のFFTフレーム内サンプル数になっているという状態は、PRI毎に異なるFFTフレーム内サンプル数となっているということである。FFTフレーム長は全周波数ステップで共通であり、TFFT とする。PRIをそれぞれ、PRI1 〜PRINf とする。パルス数Np は全周波数ステップで共通であるが、FFT時に付加するゼロの数が周波数ステップ毎にNZ1 〜NZNf と異なっている。FFTで処理するため、フレーム内サンプル数は整数である。
このようにFFTフレームを構成してFFTした結果は、図6に示すように、FFTフレーム長の逆数である周波数ビン間隔が全周波数ステップで共通となる。ただし、各スペクトルのビンの総数はFFTフレーム内サンプル数と等しいため、周波数ステップ毎に異なっている。有限個数のFFTでは、スペクトルがサンプリング間隔の逆数に対応する周期(スペクトル周期)で折り返される。また、サンプリング間隔に相当するPRIが周波数ステップ毎に異なるため、スペクトル周期は周波数ステップ毎に異なっている。しかし、周波数ビンの間隔が共通となっているため、FFTした結果をノンコヒーレント積分しても、ほぼ同じ位置に同じ速度のドップラピークが出現する。もちろん、周波数ステップ毎にキャリア周波数の違いがあるので、全く同じにはならないが、図3と大差のないばらつきにすることができる。
サンプル列の後ろにゼロを付加してフーリエ変換する方法は、ショートタイムフーリエ変換と呼ばれる。通常はサンプル列の後ろにゼロを付加するが、サンプル列がひとまとまりになっている限りにおいて、必ずしも後ろである必要はなく、前でもよいし、前後に入れてもよい。また、有限個数のフーリエ変換では、フレームの最後と最初は連続と見なされるため、サンプル列の中間1カ所にまとめてゼロを挿入してもよい。得られたフーリエ変換結果をノンコヒーレント積分に供する用途においては、ゼロの位置は上記のように種々変更することができる。ただし、フーリエ変換結果からさらにコヒーレントな処理に進む合成帯域レーダでは、付加するゼロの位置でフーリエ変換後の位相が変化するため、その影響を補正する必要がある。
図5、図6に示すような状態を実現するための最も単純な方法は、最小公倍数的にFFTフレーム長を決定する方法である。具体例を説明すると、図4(a)のように、初めにPRIを決定する。例えば、PRIのステップ毎の変化量を2μsとすると、各周波数ステップのPRIが決定したので、各PRIを2μsで割った数、図4(a)の例であれば、95,96,…,104を求め、これらの最小公倍数を計算する。これらの数字は互いに素であるため、最小公倍数は全部の数の積となる。この場合は、約9.47*1019である。この数に2μsを掛けた数が、フレーム長となり、フレーム長を各PRI長で割った数がFFTフレーム内サンプル数となる。
しかし、上記数値例からもわかるように、この方法では、FFTフレーム内サンプル数が膨大な数となり、たとえFFTであっても、計算量は膨大になる。本実施形態の目的の1つは、FFTを用いることによって処理を軽くすることである。したがって、FFT内サンプル数をできるだけ少なくすることが要望される。そこで、下記のような手順でPRIとFFTフレーム長、FFTフレーム内サンプル数を決定する。
まず、目標までの距離とCPI長、総パルス数から、おおよそのPRIの目安を決定する。例えば200μsとする。次に、PRIを変えられる割合を決定する。PRIは目標までの距離等の制約により極端に変化させることは難しい。例えば、1割程度変えられるものとする。なお、この目安は図4(a)の例と同じである。
次に、おおよそのFFTフレーム内サンプル数を決定する。周波数ステップの数Mf 、例えば10、をPRI可変量である1割、すなわち、0.1で割る。その結果、100となる。100の周辺で1ずつ、FFTフレーム内でサンプル数が異なるように、各周波数ステップのFFTフレーム内サンプル数を決定する。例えば、96,97,…,105というように決定する。PRIの目安である200μsにおおよそのFFTフレーム内サンプル数100を掛けた値、例えば20ms、をフレーム長と定め、求めた各周波数ステップのFFTフレーム内サンプル数で割って、これを各周波数ステップのPRIとする。
すなわち、おおよそ100サンプルからなるFFTフレーム内で、整数で約1割サンプル数が変化するように、各周波数ステップのFFTフレーム内サンプル数の方を先に決定して、そこからPRIの方を決定する。PRIは最初に決めるのではなく、できるだけ少ない整数になるように最後に決定するものとし、1割のFFTフレーム内サンプル数の変化が周波数ステップの数である10におおよそ等しくなるように決定する。
このようにすると、上記の例からもわかるように、PRIの変化の割合が1割であれば10倍程度のサンプル数、2割であれば5倍程度のサンプル数でよく、実現可能な規模で留めることができる。
このようにして得られたサンプル数等の例を図7に示す。図7(a)はFFTフレーム内サンプル数、(b)はPRI長とビン間隔周波数を示している。この例では、FFTフレーム内サンプル数が周波数ステップ毎に1ずつ異なっている。PRI長は約190μs〜約208μsであり、図4とよく似た値となっているが微妙に異なる。具体的には、{190.476,192.308,194.175,196.078,198.020,200,202.020,204.082,206.186,208.333}μsである。ビン間隔周波数は、全周波数ステップで共通となっている。後ろにゼロを付ける操作は、ドップラスペクトルを補間する操作と同じである。図4では補間前のサンプル数Np で決定する周波数間隔をビン間隔としたが、図7ではゼロ付加後のFFTフレーム内サンプル数で決定する周波数間隔をビン間隔として表示している。
なお、上記のようなPRI決定方法では、PRIが非常に半端な値となる。信号処理上、サンプリングレートを超えて半端な値になっていると、処理が必要以上に煩雑になる。そこで、上記のように得られたPRIを信号処理部6のサンプリングレートに対応する時間間隔、例えば、サンプリングレート相当の時間間隔が0.1μsであるならば、0.1μs単位に丸めるものとする。上記の例では{190.5,192.3,194.2,196.1,198.0,200,202.0, 204.1,206.2,208.3}μsとする。その際、FFTフレーム内サンプル数は変更しない。その結果、FFTフレーム長、すなわち、スペクトルのビン間隔は、周波数ステップ毎に微妙に異なり、全く同じにはならない。
図8に図7の例をサンプリングレート相当の時間間隔で丸めた場合のPRI長とビン間隔周波数を示す。PRI長の違いは、図ではわからないが、ビン間隔周波数には明らかに凹凸が発生している。ただし、この程度の差であれば、検出速度精度に大きな影響はない。
このようにして得られたPRIとFFTフレーム内サンプル数で、各周波数ステップのスペクトルを計算した結果を図9に示す。図3や図4と同じく、ドップラアンビギュイティが無い例である。図9(a)は全周波数ステップのスペクトルの重ね書き波形、図9(b)は図9(a)を振幅でノンコヒーレント積分した結果の波形、図9(c)はドップラスペクトルの終わりの部分を拡大表示した波形を示している。図9(a)を図4(b)と比較してみると、上記の丸め処理を行っても、図3と遜色がない程度にピークの位置が揃っていることがわかる。また、スペクトルの最後のビン番号が、周波数ステップ毎に異なっていることがわかる。
図10は、速度推定部63の詳細な形態の一例である。図9(a)のように得られた各周波数ステップのドップラスペクトルを、ノンコヒーレント積分部631でノンコヒーレント積分すると、図9(b)に示すようになる。ピーク検出部632は、このドップラスペクトルのノンコヒーレント積分結果から最大値検出やCFAR(Constant False Alarm)などでドップラ周波数のピーク値を検出する。速度計算部633は、ピーク検出部632で得られたドップラ周波数のピーク値から速度を計算する。合成帯域レーダの場合、周波数ステップ毎にキャリア周波数が異なるため、ドップラ周波数も厳密には異なるが、図9(a)に示す程度の差であれば、平均キャリア周波数で速度に変換しても大きな誤差は生じない。
なお、上記の例では、FFTフレーム内サンプル数が周波数ステップ毎に1つずつ変化する例を示したが、これは必ずしも周波数の順に変化している必要はなく、その順序はランダムでよい。また、例えば、全10ステップである場合に、サンプル数の並びにおいて、どこか途中を1つ2つ飛ばしても大きな問題は生じない。また、多数のステップの内、同じPRIであるものがあっても問題はない。本実施形態の趣旨は、FFTフレーム内サンプル数の最大値と最小値の差が周波数ステップの数におおよそ等しくなることである。複数の周波数ステップにおいて、いずれか2つのステップが、ゼロを含むFFTフレーム内サンプル数の最大値と最小値の差が1または0であるようにしてもよい。
例えば、基本となるサンプル数Nlm (上記の例では100)に対して、下記のように、FFTフレーム内サンプル数の間隔を種々変更しても、本実施形態の趣旨を逸脱しない。
例1… Nlm +{-5, -4, -3, -2, -1, 0, 1, 2, 2, 4}
例2… Nlm +{-5, -4, -3, -2, -1, 0, 1, 2, 3, 5}
例3… Nlm +{-6, -4, -3, -2, -1, 0, 1, 2, 2, 5}
例4… Nlm +{-5, -4, -3, -2, -1, 0, 1, 2, 3, 3}
例5… Nlm +{-4, -4, -2, -2, 0, 0, 2, 2, 4, 4}
例5は、さらに、上記の値を2で割った数まで、FFTフレーム内サンプル数を縮小することが可能である。ただし、ノンコヒーレント積分結果から求めるピークの検出精度に対する要求から、ある程度大きいサンプル数Nlm としたいこともあるため、例5のような値とすることもある。なお、前述のように、FFTフレーム内サンプル数の順序は、周波数ステップの順序、または、送信時間の順序とは関連せず、順不同でよい。
このようにして求めたFFTフレーム内サンプル数は、PRIの値に対応して記憶されており、図1におけるゼロ付加部61は、記憶されたゼロの数を入力されたPRIの値の情報に基づいて選択する。
したがって、本実施形態のレーダ装置によれば、PRIが周波数ステップ毎に異なるパルス列を扱う可変PRIにおいて、低SNRであっても、周波数ステップそれぞれのドップラスペクトルのピークを揃えてコヒーレント積分するので、積分結果のピーク検出精度が向上し、これによって高い速度検出精度を得ることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態として、Low-PRFで予測速度が既知の場合を説明する。なお、本実施形態に係るレーダ装置の基本構成は、図1に示す装置と同様であるので、ここではその全体的な説明を省略する。
まず、Low-PRFでは、ドップラアンビギュイティが存在し、ドップラスペクトルが何回も折り返った状態で現れる。例えばドップラスペクトルの最後が5kHzであるにもかかわらず、ドップラ周波数が10kHzもある場合などである。
周波数ステップ毎のドップラスペクトルを計算するところまでは、図9の例と同じである。5周ほど、スペクトルが折り返るように目標速度を上げて得たシミュレーション例を図11に示す。全周波数ステップの周波数ビン間隔を揃えたにもかかわらず、周波数ステップ毎にピークの位置が全く無秩序になっている。これは、周波数ステップ毎に折り返しの周波数の周期が異なるので、その差が折り返し数の分だけ積算されたためである。したがって、Low-PRFでは、周波数ビン間隔を揃えただけではノンコヒーレント積分をすることができないので、予め折り返しによって生じた周波数差を補正する必要がある。
補正の方法はいくつか考えられるが、ドップラアンビギュイティが存在する場合において、予測速度が既知であれば、予測速度に最も近い値を選択することで、アンビギュイティを解消する方法が一般的である。
そこで、本実施形態では、予測速度が既知の場合のドップラアンビギュイティ解消方法を提供する。
図12は、周波数ステップによって折り返し周波数が異なる状態を示した図である。図12において、2点鎖線の両側矢印で示す区間の1つがドップラスペクトルの1周期であり、目標予測速度に対応するドップラ周波数はおおよそ縦の一点鎖線で示した周波数にあるものとする。図12の例では、周波数ステップf1 ,f2 , f3 では、折り返し3周目、fNfでは折り返し4周目に目標予測速度がある。この図からも、折り返った後のスペクトルを単純に重ねるだけでは、同じ位置に目標のピークが現れないことがわかる。
予測速度が既知である場合の1つの方法は、予測速度相当のドップラ周波数近傍で、各周波数ステップのスペクトルの同一周波数が同じビンにあるように揃える方法である。すなわち、予測速度は既知であるので、図12からわかるように、各周波数ステップのスペクトルの何周目の何番目のビンに予測速度があるかも既知である。そこで、例えば約100個のビンのおおよそ中央の例えば、50番のビンに予測速度がくるように、各周波数ステップのスペクトルを巡回シフトさせる。
上記の巡回シフトによる処理について、図13を用いて説明する。図13は、目標予測速度の移動先ビンにおけるビン番号に対してスペクトル成分の番号が巡回シフトする様子を示している。ビン数100個の周波数ステップの予測速度が例えば、97番のビンに含まれていたとする。これを50番のビンに移動させるために、周波数を右または左方向にシフトさせていく。図では右にシフトさせる例を示したが、巡回させる限り、どちら向きでも結果は同じである。最初の状態では50番のビンに50番のスペクトル成分が存在したが、巡回シフト後には、50番のビンに97番の成分が位置している。その周辺はスペクトル成分が順番に並んでおり、99の次は0に戻っている。
周波数ステップ毎にビン数が異なるため、中央のビンの番号も異なるが、ノンコヒーレント積分をする際に予測速度の周波数が同じビン番号になっているように巡回シフトさせる。方法(1)としては、図13に示すように、50番ならば全周波数ステップの予測値対応ビンを50番に揃えて、スペクトルの終わりにビン数のばらつきによる差が現れるようにする方法がある。また、方法(2)としては、周波数ステップ毎にそれぞれ、そのスペクトルの中央に予測値対応ビンをシフトさせ、シフトさせた先のビン数が全周波数ステップで揃うように再度シフトさせる方法がある。
方法(2)についてさらに詳しく説明すると、例えば、バンク数が96個であれば、まず、48番に予測速度を含むビンがくるように巡回シフトさせる。次に、最大ビン数が105個の場合、96個の後ろに9個のゼロを付加し、さらに、105の約半分である53番に48番の成分が移動するように巡回シフトさせる。他の周波数ステップについても同様の処理を行う。このような処理の形態では、周波数ステップ毎のビン数の違いによる個数の差はスペクトルの始めと終わりの両方に二分されて現れる。
図14に図11の周波数ステップ毎のドップラスペクトルを後者で処理した結果を示す。図14では、予測速度を真値より10 m/s大きく設定したため、中央の53番にはピークはないが、それでも、目標のドップラスペクトルのピークがほぼ揃っていることがわかる。この方法では、予測速度と真値の誤差がスペクトルの約半周以内であれば、ピークがほぼ揃ったスペクトルが得られる。
図15に第2の実施形態におけるLow-PRFでの速度推定部63の構成を示す。図15に示す速度推定部63は、図10に示す構成において、ノンコヒーレント積分部631の前に折り返し補正部634を追加した構成であり、折り返し補正部634には、速度予測値が入力される。また、速度計算部633にも速度予測値を入力し、アンビギュイティを解消して、ピーク検出の結果で得られたピーク値の速度を計算する。すなわち、予測速度相当のスペクトル位置と、検出されたピークの位置のドップラ周波数の差から、ピークに対応する速度を計算する。
図16に上記折り返し補正部634の具体的な構成例を示す。図16(a)は、シフト数決定部6341が予測速度から周波数ステップ毎にシフト数を決定し、その値に基づいて、スペクトルシフト部6342がスペクトルをシフトする。図16(a)の構成は、スペクトルの終わりにビン数の差が現れる形態である。図16(b)の構成は、スペクトルの始めと終わりにビン数の差が現れる形態であり、シフト数決定部6341とスペクトルシフト部6342で一旦、各周波数ステップの中央近傍に予測速度を含むビンをシフトし、さらに、ゼロ付加部6343によって、全周波数ステップのビン数が等しくなるように0を付加してから、スペクトルシフト部6344によって、最大ビン数のスペクトルの中央の番号にシフトする。
図16(b)の変形としては、次のような方法もある。同一周波数ステップのスペクトルをそれぞれ3つずつ並べて結合したスペクトルを作成し、3つの中央のスペクトル内の予測速度に対応する周波数ビンを中心に、両側ほぼ同数のビンを選択する。選択するビン数は全周波数ステップで共通とする。全周波数ステップ分の選択したビンをノンコヒーレント積分して、同様の処理を適用する。
なお、以上の構成では、中央のビンのドップラ周波数を揃えると表現したが、前述のように、ビン間隔周波数はPRIの丸めによって厳密に等しくはないため、完全には揃わない。また、後述する、周波数ステップ毎のドップラ周波数の違いを吸収するようにPRIに係数を乗算する場合は、揃えるのは正しいドップラ周波数ではなく、キャリア周波数によってスケーリングされたドップラ周波数である。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態として、Low-PRFで予測速度が既知の場合の他の形態を説明する。なお、本実施形態に係るレーダ装置の基本構成は、図1に示す装置と同様であるので、ここではその全体的な説明を省略する。
図1に示すレーダ装置において、適用先によっては、予測速度毎にシフト量を変える処理が煩雑であることがある。このような場合は、予め、シフトさせる先を複数用意しておき、予測速度に対応して、予測速度が揃うように、シフトさせる先を選択する構成にするとよい。
具体的には、まず、基準にする周波数ステップを決定する。例えば、図12の例では、最も繰り返し周期の短いNf番目の周波数ステップとする。この周波数ステップの、各折り返しの始めと、各折り返しの中央を、揃える先の周波数として予め決定しておく。これらの周波数がシフト後に例えば0番目のビンとなるように、全周波数ステップについてスペクトルをシフトさせる量を予め計算しておき、各周波数ステップのシフト量の値をテーブルに記憶しておく。
次に、予測速度それぞれについて、基準とする周波数ステップにおける折り返し周回数(何周目にあるか)を決定する。図12の例では、3周から4周の間にある。さらに、折り返しの中央から始まる1周のどこにあるかを決定する。図12の例では、2.5周から3.5周の間にある。そこで、ちょうど3周の周波数に合わせるためのシフト量をテーブルから取得して、各周波数ステップをシフトさせる。次に、2.5周に合わせたシフト量をテーブルから取得して、各周波数ステップをシフトさせる。3周から4周、2.5周から3.5周の2種類のスペクトルを生成する。
この方法では、整数の周期の開始点に合わせた1系統のみでよいように思われるが、下記の理由で、少なくとも半周程度ずれた開始点を複数用意し、そのうち2系統以上を利用することが望ましい。
すなわち、ビン数が周波数ステップ毎に異なるため、スペクトルの端にピークがかかると、正しく検出できないことがある。図17(a)にその一例を示す。図17(a)は、周期の開始点の周波数を合わせたが、予測速度の値が真の速度の値(真値)より5 m/s少なく、かつ、真値と予測速度値がビン番号0を跨いでおり、真値より1周少ない周回数に合わせてしまった場合のスペクトルである。なお、この例において、各スペクトルは、スペクトルの最後のビンの後ろに0を付与し、最後のビンの位置が明確に読み取れるようにしている。この例の場合、スペクトルの始めの方に、1周、間違ったピークが現れているが、間違った周回であるため、各スペクトルのピーク位置が無秩序になっている。
一方、いくつかの周波数ステップではビンが無いスペクトルの終わりの部分でピークの位置が揃っていることが伺える。周期の開始点に合わせた1系統のみでは、このようなことが発生する。そこで、少なくとも半周程度ずれた開始点を複数用意すると、いずれかで、各スペクトルのピーク位置を揃えることができる。図17(b)にその一例を示す。図17(b)は、予測速度に基づいて、図17(a)のスペクトル開始点の半周後ろを開始点として、シフトさせたスペクトルである。こちらでは、ピークが揃っていることがわかる。このことから、2系統以上を用いることにより、いずれかの系統でピーク位置を正しく検出することができる。
ここで、予測速度の精度が高ければ、半周ずつずれた開始点の内、予測速度がスペクトルの最も中央近くにあるような開始点を1つだけ選択すればよい。しかし、複数の開始点は固定であるため、スペクトルの両側1/4程度の位置に予測値がくることがあり、このような場合、予測値の精度によっては、ピークが現れない可能性がある。そのため、2系統を用いる方が、検出の確実性が向上する。
各系統は、ビン番号0に対応するドップラ周波数が明確に定まっているため、ノンコヒーレント積分波形からピークを検出した後、ビン番号0の周波数に、そこからピークまでの差の周波数を加算することでアンビギュイティを解消することができる。
なお、図17(a)からわかるように、一部の周波数ステップではビンのない終わりの部分はもちろんであるが、そこを除いても、スペクトルの両端で得られたピークは正しいピークでない可能性が高い。そこで、この方法では、スペクトルの両端のスペクトル線幅の半分程度を検出禁止領域とするとよい。
上記検出禁止領域を除いた検出領域が、複数の系統で重ならないように設定することは可能であるが、重なっていてもかまわない。ただし、全ドップラ周波数がいずれかの系統で必ず検出されるようにする必要がある。検出領域が重なっている場合、雑音まで含んで全く同じデータをシフトさせているだけであるため、双方で正しく検出されていれば、全く同じ検出速度となる。重複領域で検出された2系統の値が異なる場合は、予測値の誤差が大きく周回数を間違えている可能性がある。そこで、選択した周回の両外半周期ずれた2つを選択して、これらについて同様の処理を行い、重複領域で値が同じになった値を選択するなどの方法で結果を補正するとよい。
また、必ずしも2系統である必要はなく、1/3周ずつずれた3系統、あるいは適切な間隔でずれた複数系統でもかまわない。
図18は、第3の実施形態において、速度推定部63に2系統を用いる場合の構成を示すブロック図である。図18において、速度推定部63には、FFT部62のFFT結果が速度推定部63に入力される。一方、速度予測値も入力される。FFT結果と速度予測値は、折り返し補正部634に入力される。折り返し補正部634において、スペクトル領域選択部6345は、速度予測値から、前述のように例えば半周ずつずれて予め設定されたスペクトル領域の内、予測速度を含むように2つのスペクトル領域を選択する。選択した結果を、シフト数選択部6346に通知する。シフト数選択部6346は、選択されるスペクトル領域において、各周波数ステップのスペクトルを各々いくつシフトさせればよいかに関するテーブルを有しており、これを参照して各周波数ステップのスペクトルのシフト数を選択する。その結果をスペクトルシフト部6347−1,6347−2に通知する。
スペクトルシフト部6347−1,6347−2では、FFT結果を入力し、それぞれ開始点を約半周ずれて、全周波数ステップのドップラ周波数が揃うように、シフト数選択結果に基づいて各周波数ステップのスペクトルをシフトさせる。シフト結果はおのおのノンコヒーレント積分部631−1,631−2にてノンコヒーレント積分されてピーク検出部632−1,632−2に入力される。
上記ピーク検出部632−1,632−2では、ノンコヒーレント積分の結果、加算されたスペクトルからピーク値を検出する。ただし、この形態では、前述のように、スペクトルの両端では正しい検出ができない可能性がある。したがって、ピーク検出部632−1,632−2では、両端のそれぞれ所定数のビンを検出禁止領域とし、正しい検出ができる領域内でピーク値を検出する。検出されたピーク値は、速度計算部633−1,633−2に送られる。
上記速度計算部633−1,633−2は、検出されたピーク値から速度を計算する。速度計算部633−1,633−2には、スペクトル領域選択部6345から選択したスペクトル領域、すなわち、ノンコヒーレント積分されたスペクトルの0番のビンがいくつの周波数であるかが通知されている。速度計算部633−1,633−2はその値に基づいて、アンビギュイティを解消した速度を計算する。計算された速度は結果融合・選択部635に送られる。
結果融合・選択部635は、2系統のいずれか、場合によっては双方で検出された速度を融合または選択する。処理は前述のように、いずれか一方でのみ検出されていれば、それを選択し、双方で同一目標と思われる目標が検出された場合には、その値が等しいかどうかを検証し、場合によっては、スペクトル領域の再選択をするように、スペクトル領域選択部6345に指示をフィードバックする。
本実施形態によれば、各周波数ステップにおけるスペクトルのシフト数を予め用意したテーブルを参照するだけで決定することができるという利点を有する。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態として、Low-PRFで予測速度が未知の場合の形態を説明する。なお、本実施形態に係るレーダ装置の基本構成も、図1に示す装置と同様であるので、ここではその全体的な説明を省略する。
図12に折り返しを含めたスペクトルの状態を図示したが、本実施形態は、この図12と同じ状態のスペクトルを生成する方法を提供するものである。すなわち、予測速度が未知の場合でも、殆どの場合、検出できる最大相対速度は規定することができる。そこで、その最大相対速度に対応するドップラ周波数を含む折り返し回数まで、各周波数ステップについて、絶対周波数0から、同じスペクトルを繰り返し並べていく。
その結果の一例を図19(a)に示す。この図19(a)の例では、10個の周波数ステップのスペクトルを重ね書きしているが、正しい折り返し回数以外では、複数周波数ステップのピークの位置は一致しない。図19(b)は、同図(a)の10個のスペクトルをノンコヒーレント積分した結果である。複数のピークが検出されているが、正しい折り返し回数のピークが最も高くなっている。そこで、最も高いピークの値を検出することによって、正しい折り返し回数のドップラ周波数を識別することができる。
図20は、第4の実施形態に係るレーダ装置の速度推定部63の構成を示すブロック図である。図20に示す速度推定部63は、スペクトル複製・結合部636、ノンコヒーレント積分部637、ピーク検出部638、アンビギュイティ解消部639及び速度計算部63Aを備える。
上記スペクトル複製・結合部636は、入力された各周波数ステップのFFT結果について、0から検出できる最大相対速度を含む折り返し回数まで、各周波数ステップのスペクトルを複製し並べて結合する。上記ノンコヒーレント積分部637は、複製・結合された結果をノンコヒーレント積分する。上記ピーク検出部638はノンコヒーレント積分結果から複数のピークを検出する。上記アンビギュイティ解消部639は、ピーク検出部638で検出された複数のピークから、正しい折り返し回数のピークとして最大のピークを選択する。上記速度計算部63Aは、選択されたピークの周波数を速度に変換する。
上記のように、本実施形態によれば、0から検出できる最大相対速度を含む折り返し回数まで、各周波数ステップのスペクトルを複製し並べて結合した上で、ノンコヒーレント積分、ピーク検出して、正しい折り返し回数のピークを選択し、速度に変換するようにしているので、Low-PRFでドップラ周波数の折り返し回数が予め不明である場合でも、相対速度を検出することができる。
なお、折り返し回数の異なる複数の目標が混在している場合、ピーク検出部638で、とりあえず、閾値を超える全てのピーク値を検出して、アンビギュイティ解消部639に送るようにする。同じ目標のピークは周期的に現れるので、アンビギュイティ解消部639において、検出された複数のピークの周期性を判定し、周期的に出現しているピークをグループにまとめ、各グループ内で最大のピーク値を選択する。これにより、折り返し回数の異なる複数の目標も検出することが可能となる。
(第5の実施形態)
本実施形態は、PRIの違いを吸収することが本質であるので、必ずしも、ステップ毎にキャリア周波数が異なるレーダの種類である必要はない。以上の実施形態は、全ステップのキャリア周波数が同じでも、適用可能である。ただし、ステップ毎にキャリア周波数が異なる合成帯域レーダや周波数アジリティレーダでは、さらなる工夫を施すことによって、より速度推定精度を高めることができる。
図21は、図14のドップラスペクトルから雑音を除去したものである。その結果、非常に鮮明なスペクトルとなっており、ピークの位置が周波数ステップによって少しずつ異なっていることが見て取れる。図21では、目標の相対速度の値が大きく、ドップラアンビギュイティがある。そのため、周波数ステップによるドップラ周波数の差が比較的大きく見えている。このように、全周波数ステップのピークの高さが比較的揃っていれば、このままノンコヒーレント積分して、ピークを検出し、全帯域幅の中心周波数を用いて速度に変換しても、ある程度の精度で速度を検出することができる。
しかし、SNRが低い場合や、多点目標で内部干渉が発生している場合には、周波数ステップ毎のピークの高さが大きくばらつくことがある。このような場合、単純にノンコヒーレント積分すると、ピークの高い周波数に偏った値が検出されることがあり、誤差の原因となる。
ここで、図21において、個々のピーク波形の裾を見ると、左側は広がっており、右側がすぼまっている。これは、周波数ステップによってピーク波形の広がり幅が異なるためである。全周波数ステップのパルス数が同じであるため、全スペクトル幅に対するピーク波形の広がりの割合は、いずれの周波数ステップも同じである。一方、本実施形態では、全周波数ステップのスペクトルのビン間隔周波数を揃えたため、周波数ステップ毎にビンの数が異なっている。全スペクトル幅に対するピーク波形の広がりの比が同じであるため、周波数ステップによってピーク波形の広がりビン数が異なるといった状態になっている。このピーク波形の広がりの微少な違いがピーク位置のずれと同時に発生すると、仮に全周波数ステップのピークの高さがほぼ同じでも誤差を増加させる一因となる。
そこで、第5の実施形態では、PRIに手を加える余地がある場合に、次のようにすることによって、全てのピーク位置を揃える。すなわち、ある目標速度に対する各周波数ステップのドップラ周波数は、各周波数ステップのキャリア周波数に比例する。同じ位置にピークを出現するためには、周波数のスケール自体をキャリア周波数に比例させればよい。すなわち、各周波数ステップのビン間隔を各キャリア周波数に比例させればよい。
ここまでの構成で使用したFFT時のフレーム長をTFFT0(sec)とすると、ビン間隔Bは1/TFFT0となっている。
Figure 0006448827

これを各周波数ステップのキャリア周波数に比例させた値Bi となるようにする。単純には、ビン間隔にキャリア周波数fi を掛けてやればよい。ただし、バンク間隔の値を今までの値に近い値とするため、例えば帯域の中央の周波数fc に対するキャリア周波数fi の比を掛けてやればよい。
Figure 0006448827

もちろん、Bi は、fi に比例した係数を掛けさえすればよいため、分母はfc 以外の定数でかまわない。上記の式に従って、周波数ステップi毎に若干変化させたフレーム長をTFFTiとする。
Figure 0006448827

FFTフレーム内サンプル数は、ここまでで決定した通りの周波数ステップi毎の数NLiとすると、TFFTiをNLiで割った値が、全周波数ステップで同一速度のピークを揃えるためのPRIとなる。
図22にFFTフレーム構成を示す。この例では、各周波数ステップのキャリア周波数は、番号の昇順に増加すると仮定している。図5と比較して、周波数ステップの番号が大きくなるに従って、わずかであるが、FFTフレーム長が短くなっている。このように、FFTフレーム内でキャリア周波数の違いによるドップラ周波数の違いを吸収しようとする場合、FFTフレーム長は全周波数ステップで完全に同じにはならず、キャリア周波数が変化する割合の程度、微妙に異なる値となる。PRIi (i=1〜Nf )も、周波数ステップ番号の増加に伴って、図5と比較してやや短くなっているが、図には明瞭に現れない程度である。
なお、PRI長は、前述のように、信号処理部6のサンプリングレートに相当する時間間隔単位に丸めることが望ましいが、丸めは、上記の処理を行って最後に適用することが望ましい。
上記のように、FFTフレーム長が短くなるということは、FFT後のビン間隔が大きくなる、ということである。その様子を図23に示す。横軸を周波数の絶対値で取ると、ビン間隔周波数は周波数ステップ、すなわち、キャリア周波数の増加に伴い、少しずつ長くなっている。したがって、各周波数ステップの同一ビン番号のドップラ周波数は互いに等しくならず、キャリア周波数に比例して増減している。
図24に周波数ステップ毎のPRI長とビン間隔周波数を示す。PRI長の変化の傾きは、図8より若干緩くなり、ビン間隔周波数は、キャリア周波数に比例して変化している。なお、ビン間隔周波数に凹凸がある理由は、PRIをサンプリングレートに相当する時間間隔で丸めたためである。
この後、これまでの実施形態と同様の手順で、各周波数ステップのスペクトルを計算した結果を図25に示す。図25(a)は図21と同様に雑音がない場合のピーク波形図である。図21と比較して、全ピークが明確に重なっていることがわかる。図25(b)は、図14と同様に雑音がある場合のピーク波形図である。雑音によって多少高さとピーク位置にばらつきが残っているが、ピーク位置は図14と比較して、よく揃っていることがわかる。
本実施形態については、PRIの長さが若干異なる、すなわち、PRIの長さを周波数ステップのキャリア周波数に対応して補正する以外の実施形態およびその説明と殆ど同じである。ただし、ここまでの説明で、周波数を揃える、と表現してきた部分が、キャリア周波数によってスケーリングされた周波数を揃えるという形に置き換わる。
なお、検出したドップラ周波数から速度を計算する際は、検出されたピークのビン番号が、どこか1つの周波数ステップで、いくつのドップラ周波数にあたるかを計算し、その周波数ステップのキャリア周波数で速度に変換すればよい。さらには、丸めによる誤差を吸収するため、全周波数ステップで速度に変換し、その平均をとってもよい。
(応用例)
図26は、本実施形態に係るレーダ装置が合成帯域レーダである場合の構成を示すブロック図である。図26において、図1と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
上記実施形態では、速度を検出する部分までしか説明していなかったが、レーダとしては、距離または角度、あるいは、その両方の検出が必要であることが多い。そこで、図26では、図1に示した第1の実施形態に基づいて、合成帯域波形生成までの処理を含むレーダ装置の構成を示している。
図26において、信号処理部6の後ろには、合成帯域処理部7が付加されている。この合成帯域処理部7には、信号処理部6から速度推定結果とFFT結果が入力され、場合によってはさらに、ピークのビン番号が入力される。合成帯域処理部7では、まず、ステップ代表値抽出部71が、FFT結果から、合成帯域を適用すべき周波数ステップ代表値を、ピークのビン番号または推定速度に基づいて抽出する。次に、位相補正部72に速度推定結果と周波数ステップ代表値が入力され、周波数ステップの時間経過による位相変化を補正する。位相補正結果は、合成帯域波形生成部73に入力され、逆フーリエ変換によって、合成帯域波形が生成される。この後、距離検出、角度検出等の処理に供される。本構成によれば、可変PRIで低SNRでも誤差の小さい速度検出が可能となり、その結果、合成帯域波形からの距離検出精度を向上させることができる。
図27は、本実施形態に係るレーダ装置が周波数アジリティレーダである場合の構成を示すブロック図である。図27において、図1と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
通常、周波数アジリティレーダでは、パルス毎にキャリア周波数が変化するため、パルスドップラレーダの形態にすることは難しいが、周波数ステップ毎に複数のパルスの送受信を行うような形として、ドップラを検出することは可能である。図27の構成では、信号処理部6がドップラ周波数を検出し、距離検出部8がレーダ波受信部5の出力から距離を検出する。これらの結果は、図示しない後段のパルスドップラ処理部に送られ、パルスドップラ検出処理が行われる。
さらに、前述のように、本実施形態では、必ずしもステップ毎に周波数が違っていなくてよい。全パルスのキャリア周波数が等しいパルスドップラレーダであっても、パルスをステップに区切って、ステップ毎にPRIを可変にした場合に、本実施形態を適用することによって、低SNRで高い速度検出精度が実現される。
図28は、本実施形態のレーダ装置を誘導装置に用いた場合の構成を示すブロック図である。図28において、レーダ装置100によって検出された情報は誘導信号生成部200に出力される。誘導信号生成部200は、入力された情報から、飛翔体を誘導するための誘導信号を生成し、図示しない飛翔体の駆動部を制御する。なお、レーダ装置100は例えば、図26に示す合成帯域レーダまたは、図27に示す周波数アジリティレーダであってもよい。あるいは、本実施形態のレーダ装置を含み、距離、角度等、図示しなかった検出処理を行う装置であってもよい。
図29に本実施形態のレーダ装置で適用されるレーダ信号処理方法のフローチャートを示す。まず、受信レーダ波をデジタル化した信号(場合によっては復調された信号)からパルス毎にパルス代表値を抽出する(ステップS1)。次に、ステップ毎に、それぞれのPRIに対応する適切な数のゼロを対応するステップのパルス代表値列に付加してFFTフレームを形成する(ステップS2)。次に、各ステップのゼロを付加したFFTフレームをFFTする(ステップS3)。次に、全ステップのFFT結果をノンコヒーレント積分する(ステップS4)。最後に、ノンコヒーレント積分結果からピークを検出して、目標の速度を推定する(ステップS5)。
以上の処理により、PRIが周波数ステップ毎に異なるパルス列を扱う可変PRIにおいて、低SNRであっても、周波数ステップそれぞれのドップラスペクトルのピークを揃えてコヒーレント積分するので、積分結果のピーク検出精度が向上し、これによって高い速度検出精度を得ることができる。
尚、本実施形態は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…シンセサイザ、2…レーダ波送信部、3…サーキュレータ、4…アンテナ、5…レーダ波受信部、6…信号処理部、61…ゼロ付加部、62…FFT部、63…速度推定部、631,631−1,631−2…ノンコヒーレント積分部、632,632−1,632−2…ピーク検出部、633,633−1,633−2…速度計算部、634…折り返し補正部、6341…シフト数決定部、6342…スペクトルシフト部、6343…ゼロ付加部、6344…スペクトルシフト部、6345…スペクトル領域選択部、6346…シフト数選択部、6347−1,6347−2…スペクトルシフト部、635…結果融合・選択部、636…スペクトル複製・結合部、637…ノンコヒーレント積分部、638…ピーク検出部、639…アンビギュイティ解消部、63A…速度計算部、7…合成帯域処理部、71…ステップ代表値抽出部、72…位相補正部、73…合成帯域波形生成部、100…レーダ装置、200…誘導信号生成部。

Claims (15)

  1. 複数のステップそれぞれで、前記ステップ毎にパルス繰り返し間隔(PRI)を変化させて複数のパルスを生成し、前記ステップ毎の複数のパルスをレーダ波として順次送信する送信部と、
    前記レーダ波の反射波を受信する受信部と、
    前記受信部で得られる、前記ステップ毎の複数のパルスに対応する受信信号に高速フーリエ変換(FFT)を施してドップラスペクトルを計算し、前記ドップラスペクトルの計算結果から目標の速度を推定する信号処理部と、
    を具備し、
    前記信号処理部は、
    前記複数のステップそれぞれの複数パルスの値の周辺に、ステップ毎に定められた数のゼロを付加してから前記FFTを施し、
    前記PRI、FFTフレーム長、付加するゼロの数が、それぞれ、前記ゼロを付加した後のFFTフレーム長に相当する時間が全ステップでほぼ同一になるように決定されているレーダ装置。
  2. 前記複数のステップは、各々互いに異なるキャリア周波数で前記複数のパルスを生成する周波数ステップである請求項1記載のレーダ装置。
  3. 前記周波数ステップのPRIは、前記FFTフレーム長を当該周波数ステップのゼロを含む全サンプル数で割った値に、当該周波数ステップのキャリア周波数の比に反比例する係数を乗算した値である請求項2記載のレーダ装置。
  4. 前記複数のステップのPRIは、さらに、前記FFTのサンプリングレートに相当する時間間隔で丸めた値である請求項1乃至請求項3のいずれか記載のレーダ装置。
  5. 前記複数のステップは、さらに、ゼロを含むFFTフレーム内サンプル数の最大値と最小値の差がおおよそステップの数に等しい請求項1記載のレーダ装置。
  6. 前記複数のステップは、さらに、ゼロを含むFFTフレーム内サンプル数が互いに1ずつ異なる請求項5記載のレーダ装置。
  7. 前記複数のステップは、さらに、いずれか2つのステップが、ゼロを含むFFTフレーム内サンプル数の差が1または0である請求項5記載のレーダ装置。
  8. 前記信号処理部は、前記複数のステップのドップラスペクトルをノンコヒーレント積分し、その積分結果のピークを検出し、そのピークから前記目標の速度を推定することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか記載のレーダ装置。
  9. 前記レーダ装置が低パルス繰り返し周波数(Low-PRF)型であり、目標との相対速度予測値が既知であるとき、
    前記信号処理部は、前記複数のステップそれぞれのドップラスペクトルを、前記相対速度予測値周辺のドップラ周波数がいずれかのビンでほぼ揃うようにシフトして、前記ノンコヒーレント積分を行う請求項8記載のレーダ装置。
  10. 前記信号処理部は、前記相対速度予測値周辺で同一ビンに揃えるドップラ周波数を2つ以上設定し、それぞれのドップラ周波数について前記複数のステップそれぞれのドップラスペクトルをシフトして、前記ノンコヒーレント積分を行う請求項9記載のレーダ装置。
  11. 前記レーダ装置が低パルス繰り返し周波数(Low-PRF)型であるとき、
    前記信号処理部は、前記複数のステップそれぞれのドップラスペクトルの複製を複数個生成し直列に並べて結合し、各ステップの結合されたドップラスペクトルを前記ノンコヒーレント積分する請求項8記載のレーダ装置。
  12. 帯域幅を複数の周波数帯域に分割し、分割した帯域が前記ステップに対応する合成帯域レーダに適用されるとき、
    前記信号処理部で得られる前記目標の速度推定結果とFFT結果に基づいて、前記複数のステップの時間経過によるドップラスペクトルの位相変化を補正した後に、逆フーリエ変換によって合成帯域波形を生成する合成帯域処理部を備える請求項2記載のレーダ装置。
  13. 測定期間内にキャリア周波数が変化する周波数アジリティレーダに適用されるとき、
    前記受信信号から前記目標の距離を検出する距離検出部を備える請求項2記載のレーダ装置。
  14. 請求項1乃至13のいずれか記載のレーダ装置と、
    前記レーダ装置からの前記速度を含む目標検出情報に基づいて誘導信号を生成する誘導信号生成部と
    を具備する誘導装置。
  15. 複数のステップそれぞれで、前記ステップ毎にパルス繰り返し間隔(PRI)を変化させて複数のパルスを生成し、前記ステップ毎に複数のパルスをレーダ波として順次送信し、前記レーダ波の反射波を受信したレーダ信号を入力して目標の速度を推定するレーダ信号処理方法であって、
    前記レーダ信号から前記複数のパルスそれぞれのパルス代表値を抽出し、
    前記複数のステップそれぞれのPRIに対応する数のゼロを当該ステップのパルス代表値列に付加して高速フーリエ変換(FFT)フレームを形成し、
    前記複数のステップそれぞれのFFTフレームにFFTを施してドップラスペクトルを計算し、
    前記複数のステップのドップラスペクトルをノンコヒーレント積分して、その積分結果からピークを検出し、
    前記ピークの値から前記目標の速度を推定し、
    前記PRI、FFTフレーム長、付加するゼロの数が、それぞれ、前記ゼロを付加した後のFFTフレーム長に相当する時間が全ステップでほぼ同一になるように決定されていることを特徴とするレーダ信号処理方法。
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