以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
<実施の形態1>
(全体構成)
図1は、この発明の実施の形態1である成膜装置の主要構成部であるミスト噴射ヘッド部100及びその周辺を示す断面図である。図2は図1のA−A断面構造を示す断面図である。なお、図1及び図2並びに以降で示す図3〜図10において、それぞれXYZ直交座標軸を併記している。
実施の形態1の成膜装置は、ミスト噴射ヘッド部100により、ミスト化された原料溶液を大気中に噴射することにより、基板23に対して膜を成膜する。つまり、成膜装置は、大気中での成膜処理であるミスト法により、基板23上に所望の膜を成膜する装置である。
具体的に、原料溶液は、図示されていない容器に収容されており、当該容器において、超音波振動を利用して、原料溶液はミスト化される。そして、ミスト化された原料溶液は、キャリアガスと共に、図示していない経路を通って、ミスト噴射ヘッド部100へと搬送される。
載置部24上には、基板23が配置されている。そして、基板23の上方に、ミスト噴射ヘッド部100が配置される。
すなわち、基板23の上面とミスト噴射ヘッド部100の底面25とが所定距離隔てて対向するように配置される。ここで、成膜処理時には、ミスト噴射ヘッド部100の底面25と基板23の上面との間隔は、0.1mm〜50mm程度に設定される。なお、ミスト噴射ヘッド部100及び基板23は、大気圧下に配置されている。ここで、ミスト噴射ヘッド部100の底面25と基板23の上面との間に形成される空間を、「反応空間」と称することとする。
さらに、成膜処理時において、基板23は常温に設定される等、ミスト化された原料溶液の沸点以下に設定される。
基板23に対して、ミスト噴射ヘッド部100は、ミスト化された原料溶液を噴射する。これにより、基板23の上面に所望の膜が、成膜される。なお、成膜処理のときには、載置部24は、X方向(XY平面内で規定される第2の水平方向)に移動する。または、ミスト噴射ヘッド部100は、X方向に移動する。
以下、ミスト噴射ヘッド部100の構成について、図を用いて具体的に説明する。
図1に示すように、ミスト噴射ヘッド部100は、原料溶液噴射用ノズル部N1と、2つの反応材料噴射用ノズル部N2及びN3と、排気用ノズル部N4と、ベースプレート部20とを有する。
図1に示すように、反応材料噴射用ノズル部N3、原料溶液噴射用ノズル部N1、反応材料噴射用ノズル部N2及び排気用ノズル部N4は、当該順に、X方向に沿って並んで配設されている。なお、図1で示す構成と異なり、反応材料噴射用ノズル部N2、原料溶液噴射用ノズル部N1、反応材料噴射用ノズル部N3及び排気用ノズル部N4は、当該順に、X方向に沿って並んで配設されていても良い。
また、原料溶液噴射用ノズル部N1と反応材料噴射用ノズル部N2及びN3とは不活性ガス噴射部82及び83を介して設けられているが、反応材料噴射用ノズル部N2の側面と排気用ノズル部N4の側面との間には、所定の距離だけ離れている。つまり、原料溶液噴射用ノズル部N1と反応材料噴射用ノズル部N2及びN3とは、不活性ガス噴射部82及び83を介してX方向(第2の水平方向)に沿って隙間無く配設されているが、排気用ノズル部N4は、他のノズル部N1〜N3とは、X方向に離れて(空間を隔てて)配置されている。
上記のように、原料溶液噴射用ノズル部N1、反応材料噴出用ノズル部N2及びN3並びに排気用ノズル部N4は、X方向に並んで配置されている。ここで、少なくとも排気用ノズル部N4は、ミスト噴射ヘッド部100の最外側(図1では右端(+X方向))に位置している。
(原料溶液噴射用ノズル部N1)
まず、原料溶液噴射用ノズル部N1の構成について説明する。
原料溶液噴射用ノズル部N1は、ミスト化された原料溶液を底面に形成された原料溶液噴出口15から噴射するノズルである。原料溶液噴射用ノズル部N1には、内部に空洞部11(第1の空洞部)が形成されている。また、原料溶液噴射用ノズル部N1の上面には、原料溶液供給部1が配設されている。上記で述べた通り、ミスト噴射ヘッド部100の外部において、原料溶液はミスト化される。ミスト化された原料溶液は、キャリアガスと共に、図示していない経路を通って、原料溶液供給部1へと搬送される。原料溶液供給部1から得られるミスト化された原料は、原料溶液噴射用ノズル部N1内の空洞部11へと充満する(供給される)。
また、原料溶液噴射用ノズル部N1の空洞部11内において、両側面部に、複数の整流部6(第1の整流部)が配設されている。当該整流部6は、整流板であり、原料溶液供給部1から供給されたミスト化された原料溶液の、空洞部11内の流れを整えることができる。具体的には、空洞部11内において互いに対向する両側面からXY平面に沿って、平面視して矩形状の複数の整流部6がそれぞれの形成高さを交互に変えながら配設される。複数の整流部6はそれぞれ対向する側面に達することなく、対向する側面との間に隙間が形成されるように構成される。
複数の整流部6の下方に空洞部11の主要部が設けられる。複数の整流部6の上方の(空洞部11の)小空間は、複数の整流部6により形成される隙間を通じて、空洞部11(の主要部)と接続されており、空洞部11は、後述する原料溶液排出部41に接続されている。
原料溶液排出部41は、空洞部11において、一方の側面部(図1では左(−X方向)側の側面)に配設されている。また、原料溶液排出部41は、原料溶液噴射用ノズル部N1(空洞部11)の底面から離れた位置において、配設されている。
一方、前述したように、ミスト噴射ヘッド部100の底面25、つまりミスト噴射ヘッド部100の基板23の上面に対応する面において、原料溶液噴出口15が配設されている。ここで、原料溶液噴出口15からミスト化された原料溶液が基板23の上面に対して噴出される。
さらに、原料溶液噴射用ノズル部N1の底面には原料溶液噴出口15を基準としてX方向(第2の水平方向)に沿って両側に溝部311及び312(少なくとも2つの原料溶液用溝部)が設けられ、さらに、原料溶液噴射用ノズル部N1の底面のX方向の端部に溝部313(原料溶液用溝部)が設けられる。
溝部311〜313それぞれのX方向の形成幅は0.1(mm)以上、5.0(mm)以下に設定されることにより、原料溶液噴射用ノズル部N1の底面に原料溶液の液滴が付着した際、毛細管現象によって液滴を溝部311〜313内に吸収することができる。なお、溝部311〜313それぞれの+Z方向の深さは20〜30(mm)程度に設定される。
ミスト噴射ヘッド部100内には、Z方向に延びる通路61が配設されている。そして、原料溶液排出部41は、通路61を介して、原料溶液噴出口15と接続されている。
図3は、ミスト噴射ヘッド部100を基板23の配設側(−Z方向側)から見た底面25の平面図である。つまり、図3は、ミスト噴射ヘッド部100の底面25の構造を示す平面図である。同図に示すように、ミスト噴射ヘッド部100の底面25はX方向(第2の方向)及びY方向(第1の水平方向)で規定される矩形状を呈している。
図3に示すように、原料溶液噴出口15は、平面視して長手方向をY方向(第1の水平方向)とした細長い開口穴であるスリット状を呈している。なお、原料溶液噴出口15の開口部の幅(図3のX方向の寸法)は、0.1mm〜10mm程度である。
図3に示すように、溝部311〜313は、原料溶液噴出口15と同様、平面視して長手方向をY方向(第1の水平方向)とした細長い開口穴であるスリット状を呈している。
原料溶液噴射用ノズル部N1では、ミスト化された原料溶液は、原料溶液供給部1から、空洞部11内に供給される。そして、当該原料溶液は、複数の整流部6により整流され、複数の整流部6の上方の小空間に充満した後、空洞部11へと導かれ、空洞部11において充満する。その後、ミスト化された原料溶液は、原料溶液排出部41から、通路61を介して、原料溶液噴出口15へと導かれる。そして、ミスト化された原料溶液は、原料溶液噴出口15から、基板23の上面に向けて、噴出される。
(反応材料噴射用ノズル部N2及びN3)
次に、反応材料噴射用ノズル部N2及びN3(第1及び第2の反応材料噴射用ノズル部)構成について説明する。なお、反応材料噴射用ノズル部N2及びN3は噴射する第1及び第2の反応材料が互いに独立している点及び形成位置を除き、同一構成であるため、以下では反応材料噴射用ノズル部N2を中心に、適宜、反応材料噴射用ノズル部N3の説明を付記して説明する。
なお、反応材料噴射用ノズル部N2及びN3間において、複数の整流部7及び8、反応材料供給部2及び3、空洞部12及び13、反応材料排出部42及び43、通路62及び63、並びに反応材料噴出口16及び17(第1及び第2の反応材料噴出口)が互いに対応する関係となる。なお、反応材料噴射用ノズル部N2及びN3で用いる第1及び第2の反応材料は同じ、または相違していても良い。
反応材料噴射用ノズル部N2は、原料溶液との反応に寄与する反応材料(例えば、酸化剤)を基板23に対して噴出するノズルである。反応材料噴射用ノズル部N2には、内部に空洞部12(第2の空洞部)が形成されている。また、反応材料噴射用ノズル部N2の上面には、反応材料供給部2が配設されている。反応材料(第1の反応材料)は、反応材料噴射用ノズル部N2外から、反応材料供給部2を介して、空洞部12内へと供給される。一方、反応材料噴射用ノズル部N3において、反応材料(第2の反応材料)は、反応材料噴射用ノズル部N3外から、上面に設けられる反応材料供給部3を介して、空洞部13内へと供給される。
ここで、第1及び第2の反応材料は主として液体であり、液体の場合には、超音波振動等を利用してミスト化された液体(反応材料)が、キャリアガスと共に、図示していない経路を通って、反応材料噴射用ノズル部N2(N3)内へと搬送される。反応材料供給部2(3)から得られる第1の反応材料(第2の反応材料)は、反応材料噴射用ノズル部N2(N3)内の空洞部12(13)へと充満する(供給される)。
また、反応材料噴射用ノズル部N2の空洞部12内において、複数の整流部7(第2の整流部)が配設されている。当該整流部7は、整流板であり、反応材料供給部2から供給された反応材料の、主として空洞部12内の流れを整えることができる。具体的には、空洞部12内において互いに対向する両側面からXY平面に沿って、平面視して矩形状の複数の整流部7がそれぞれの形成高さを交互に変えながら配設される。複数の整流部7はそれぞれ対向する側面に達することなく、対向する側面との間に隙間が形成されるように構成される。
反応材料噴射用ノズル部N2(N3)において、複数の整流部7(8)の上方の(空洞部12の)小空間と、空洞部12(13)の主要部とは、複数の整流部7(8)により形成される隙間を通じて接続されている。また、上記小空間は、反応材料供給部2(3)と接続されており、空洞部12(13)は、後述する反応材料排出部42(43)に接続されている。
反応材料排出部42は、空洞部12において、一方の側面部(図1では左(−X方向)側の側面)に配設されている。また、反応材料排出部42は、反応材料噴射用ノズル部N2(空洞部12)の底面から離れた位置において、配設されている。
一方、ミスト噴射ヘッド部100は、ミスト噴射ヘッド部100の底面25、つまりミスト噴射ヘッド部100の基板23に面する側において、反応材料噴出口16(17)が配設されている。ここで、反応材料噴出口16(17)から反応材料が基板23の上面に対して噴出される。
さらに、反応材料噴射用ノズル部N2の底面には反応材料噴出口16を基準としてX方向(第2の水平方向)に沿って両側に溝部321及び322(少なくとも2つの(第1の)反応材料用溝部)が設けられ、反応材料噴射用ノズル部N2の底面の+X方向の端部に溝部323(反応材料用溝部)が設けられる。
同様に、反応材料噴射用ノズル部N3の底面には、反応材料噴出口17を基準としてX方向(第2の水平方向)に沿って両側に溝部331及び332(少なくとも2つの(第2の)反応材料用溝部)が設けられ、さらに、反応材料噴射用ノズル部N3の底面のX方向の端部に溝部333(反応材料用溝部)が設けられる。
溝部321〜323及び溝部331〜333それぞれのX方向の形成幅は0.1(mm)以上、5.0(mm)以下に設定されることにより、反応材料噴射用ノズル部N2及び反応材料噴射用ノズル部N3の底面に第1の反応材料及び第2の反応材料の液滴が付着した際、毛細管現象によって液滴を溝部321〜323及び溝部331〜333内に吸収することができる。なお、溝部321〜323及び溝部331〜333それぞれの+Z方向の深さは20〜30(mm)程度に設定される。
ミスト噴射ヘッド部100内には、Z方向に沿って通路62(63)が配設されている。そして、反応材料排出部42(43)は、通路62(63)を介して、反応材料噴出口16(17)と接続されている。図3に示すように、反応材料噴出口16及び17はそれぞれ、平面視して長手方向をY方向(第1の水平方向)とした細長い開口穴であるスリット状を呈している。なお、反応材料噴出口16及び17それぞれの開口部の幅(図3のX方向の寸法)は、0.1mm〜10mm程度である。
図3に示すように、溝部321〜323は、反応材料噴出口16と同様、平面視して長手方向をY方向(第1の水平方向)とした細長い開口穴であるスリット状を呈している。
同様に、図3に示すように、溝部331〜333は、反応材料噴出口17と同様、平面視して長手方向をY方向(第1の水平方向)とした細長い開口穴であるスリット状を呈している。
反応材料噴射用ノズル部N2(N3)では、反応材料は、反応材料供給部2(3)から、空洞部12(13)内に供給される。そして、当該反応材料は、複数の整流部7(8)により整流され、複数の整流部7(8)上の小空間に充満した後、空洞部12(13)の主要部へと導かれ、空洞部12(13)において充満する。その後、反応材料は、反応材料排出部42(43)から、通路62(63)を介して、反応材料噴出口16(17)へと導かれる。そして、反応材料は、反応材料噴出口16から基板23の上面に向けて、噴出される。
(排気用ノズル部N4)
次に、排気用ノズル部N4の構成について説明する。
排気用ノズル部N4は、排気処理を行うノズルである。排気用ノズル部N4は、原料溶液噴射用ノズル部N1が原料溶液を噴出している流量(Q1)と、反応材料噴出用ノズル部N2(N3)が反応材料を噴出している流量(Q2及びQ3)と、の和以上の流量(Q4)で、排気処理を行う。つまり、{排気流量Q4≧原料溶液の噴出流量Q1+反応材料の噴出流量Q2+Q3}である。
排気用ノズル部N4には、内部に空洞部14(第3の空洞部)が形成されている。また、排気用ノズル部N4の上面には、排気物出口部4が配設されている。排気物出口部4は、排気用ノズル部N4の上面に配設されており、具体的には、後述する排気物導入部44より上方に配設されており、排気物を空洞部14から排気用ノズル部N4外へと排出する。
ここで、排気物とは、反応空間からの反応残渣等である。排気物出口部4は、図示していない経路を介して、図示していない排気ポンプに接続されている。つまり、排気物は、排気物出口部4及び上記経路を介して、排気用ノズル部N4から上記排気ポンプへと吸引される。
また、排気用ノズル部N4の空洞部14内において、複数の整流部9(第3の整流部)が配設されている。当該整流部9は、整流板であり、排気物出口部4から排出するための排気物の、主として空洞部14内の流れを整えることができる。具体的には、空洞部14内において互いに対向する両側面からXY平面に沿って、平面視して矩形状の複数の整流部9がそれぞれの形成高さを交互に変えながら配設される。複数の整流部9はそれぞれ対向する側面に達することなく、対向する側面との間に隙間が形成されるように構成される。
複数の整流部9の配設により、空洞部14は、排気用ノズル部N4の空洞部14を、複数の小空間に区画する。ここで、隣接する小空間同士は、複数の整流部9により形成される小さい隙間を介して接続される。複数の小空間には、排気用ノズル部N4の最上部に位置する(空洞部14の)小空間が含まれ、複数の整流部9の下方が空洞部14の主要部となる。ここで、複数の整流部9上方の小空間は、排気物出口部4と接続されており、空洞部14(の主要部)は、後述する排気物導入部44に接続されている。
排気物導入部44は、空洞部14において、上記他方の側面部に配設されている。また、排気物導入部44は、排気用ノズル部N4の空洞部14の底面から離れた位置において、配設されている。
一方、ミスト噴射ヘッド部100は、ミスト噴射ヘッド部100の底面25、つまり反応材料噴射用ノズル部N2の底面において、排気口18が配設されている。ここで、排気口18は、反応空間に対して排気処理を行う。
ミスト噴射ヘッド部100内には、Y方向に沿って通路64が配設されている。そして、排気物導入部44は、通路64を介して、排気口18と接続されている。図3に示すように、排気口18は平面視して長手方向をY方向(第1の方向)とした細長い開口穴であるスリット状を呈している。なお、排気口18の開口部の幅(図3のX方向の寸法)は、0.1mm〜10mm程度である。
(不活性ガス噴射部)
実施の形態1のミスト噴射ヘッド部100の端部(図1の左(−X方向)側端部)において、不活性ガス噴射部81は枠部30または枠部30に隣接する領域に配設されている。
さらに、ミスト噴射ヘッド部100は、不活性ガス噴射部81に加え、原料溶液噴射用ノズル部N1,反応材料噴射用ノズル部N3間に不活性ガス噴射部82、原料溶液噴射用ノズル部N1,反応材料噴射用ノズル部N2間に不活性ガス噴射部83を設けたことを特徴としている。
不活性ガス噴射部81は主として不活性ガス供給部51、通路71及び不活性ガス噴出口191より構成され、不活性ガス噴射部82は主として不活性ガス供給部52、通路72及び不活性ガス噴出口192(第2の不活性ガス噴出口)より構成され、不活性ガス噴射部83は主として不活性ガス供給部53、通路73及び不活性ガス噴出口193(第1の不活性ガス噴出口)により構成される。
図2に示すように、不活性ガス噴射部82において、外部から不活性ガス供給部52に導入される不活性ガスは通路72を介して、ミスト噴射ヘッド部100(不活性ガス噴射部82)の底面25に形成される不活性ガス噴出口192から噴出される。不活性ガス供給部51及び53も不活性ガス供給部52と同様、通路71及び73を介して、ミスト噴射ヘッド部100(不活性ガス噴射部81及び83)の底面に形成される不活性ガス噴出口191及び193から不活性ガスを噴出する。なお、不活性ガスとしては窒素,アルゴン等が考えられる。
不活性ガス供給部51〜53は不活性ガス噴出口191〜193に連通しているが、不活性ガス供給部51〜53それぞれの開口面積は、不活性ガス噴出口191〜193それぞれの開口面積以上に設定すること望ましい。
さらに、不活性ガス噴出口191〜193により不活性ガスを噴出している流量は、原料溶液噴出口15により原料溶液を噴出している流量及び反応材料噴出口16及び17により反応材料を噴出している流量それぞれ以下に設定することが望ましい。
なお、不活性ガス噴射部82及び83は形成位置及び用いる反応材料を除く全体構成は同一である。
さらに、図2に示すように、Y方向両端部に設けられた2つの不活性ガス供給部55に導入される不活性ガスが、それぞれ通路75を介してミスト噴射ヘッド部100の底面25に形成された2つの不活性ガス噴出口195から噴出される。
このように、不活性ガス噴出口195は、上述した枠部30または枠部30に隣接する領域に配設されている。
さらに、枠部30のY方向の両端部に断面形状が逆L字状の一対の突起部34が設けられ、一対の突起部34と枠部30の側面(図2のミスト噴射ヘッド部100の側面)との間の空間が一対の溝部35(原料溶液及び反応材料用溝部)となる。
一対の溝部35それぞれのY方向の形成幅は0.1(mm)以上、5.0(mm)以下に設定されることにより、ミスト噴射ヘッド部100の底面25に原料溶液あるいは反応材料(第1及び第2の反応剤用)の液滴が付着した際、毛細管現象によって液滴を一対の溝部35内に吸収することができる。なお、一対の溝部35それぞれの+Z方向の深さは20〜30(mm)程度に設定される。
上述した構成により、不活性ガス噴射部81〜83の不活性ガス供給部51〜53及び不活性ガス供給部55を介して、ミスト噴射ヘッド部100の外部から送られてきた不活性ガスは、ミスト噴射ヘッド部100内へ供給される。通路71〜73及び通路75は、ミスト噴射ヘッド部100内に配設されており、当該供給された不活性ガスは、通路71〜73及び通路75内を伝搬する。不活性ガス噴出口191〜193及び不活性ガス噴出口195は、ミスト噴射ヘッド部100の底面25(基板23に面する側)に配設されており、不活性ガス噴出口191〜193及び不活性ガス噴出口195から、不活性ガスが基板23の上面に向けて噴射される。
図4は、ミスト噴射ヘッド部100を左側面(−X方向)から視た側面図である。図5はベースプレート部20をY方向から視た外観構造を示す説明図である。なお、図4のB−B断面構造が図1で示す断面図となる。
上述したように、排気用ノズル部N4は、他のノズル部N1〜N3とは、X方向に離れて配置されている。したがって、図5に示すように、排気用ノズル部N4と他のノズル部N1〜N3との間には、吹き抜け部58が生じる。そこで、ミスト噴射ヘッド部100は、ベースプレート部20を備えている。ベースプレート部20は、吹き抜け部58を、基板23配置側から塞いでいる(図1,図3,図5参照)。そして、ベースプレート部20の上面上に排気用ノズル部N4が設けられる。
図1、図3及び図5に示すように、実施の形態1のミスト噴射ヘッド部100のベースプレート部20には、不活性ガス供給部54(図5参照)と、通路74(図1,図3参照)と、複数の不活性ガス噴出口194(第3の不活性ガス噴出口)とが設けられている。
ベースプレート部20において、不活性ガス供給部54を介して、ミスト噴射ヘッド部100の外部から送られてきた不活性ガスは、ベースプレート部20へ供給される。通路74は、ベースプレート部20内に配設されており、当該供給された不活性ガスは、通路74内を伝搬する。複数の不活性ガス噴出口194は、ベースプレート部20の底面25(基板23に面する側)に配設されており、複数の不活性ガス噴出口194から不活性ガスが基板23の上面に向けて噴射される。
図3に示すように、不活性ガス噴出口191〜194はそれぞれ、平面視して長手方向をY方向(第1の水平方向)とした細長い開口穴であるスリット状である。一方、不活性ガス噴出口195は、平面視して長手方向をX方向(第2の水平方向)とした細長い開口穴であるスリット状である。なお、不活性ガス噴出口191〜195それぞれの開口部の幅(不活性ガス噴出口191〜194は図1〜図3のX方向の寸法、不活性ガス噴出口195は図2及び図3のY方向側の寸法)は、0.1mm〜10mm程度である。
図3に示すように、一対の溝部35は、不活性ガス噴出口195と同様、平面視して長手方向をX方向(第2の水平方向)、短手方向をY方向(第1の水平方向)とした細長い開口穴であるスリット状を呈している。
したがって、不活性ガス噴出口192(第2の不活性ガス噴出口)は原料溶液噴出口15と反応材料噴出口17(第2の反応材料噴出口)との間に設けられ、不活性ガス噴出口193(第1の不活性ガス噴出口)は原料溶液噴出口15と反応材料噴出口16(第1の反応材料噴出口)との間に設けられる。すなわち、実施の形態1のミスト噴射ヘッド部100において、不活性ガス噴出口193及び192は、原料溶液噴出口15と反応材料噴出口16及び17との間に設けられることを特徴としている。
なお、不活性ガス噴出口192,原料溶液噴出口15間に溝部311が設けられ、不活性ガス噴出口193,反応材料噴出口16間に溝部321が設けられている。
さらに、図1及び図5に示す実施の形態1のベースプレート部20には、内部において、温度調節機構22が配設されている。温度調節機構22は、ベースプレート部20において、温度の調整を行うことができる。具体的には、温度調節機構22を構成する穴部に冷媒、ヒーターを設けることにより実現する。
図1及び図3に示すように、反応材料噴出口17、原料溶液噴出口15、反応材料噴出口16及び排気口18は、当該順に、X方向に配置されている。なお、図とは異なるが、反応材料噴出口16、原料溶液噴出口15、反応材料噴出口17及び排気口18は、当該順に、X方向に配置されていても良い。
以上の説明したように、実施の形態1のミスト噴射ヘッド部100では、原料溶液噴射用ノズル部N1の底面、反応材料噴射用ノズル部N2及びN3の底面、並びにベースプレート部20の底面が面一になるように構成される。したがって、原料溶液噴出口15、反応材料噴出口16及び17、不活性ガス噴出口192〜194はミスト噴射ヘッド部100における面一の底面に設けられることになる。
また、図3を参照して、ミスト噴射ヘッド部100は、基板23に面している側(底面25)において、ミスト噴射ヘッド部100の枠部30を有する。枠部30は、ミスト噴射ヘッド部100の底面25の縁近傍の部分であり、ミスト噴射ヘッド部100の底面内部側を周囲から取り囲むように、縁取られている部分である。そして、図1から分かるように、枠部30は、底面25より、基板23側に突出している。この突出長は例えば0.1から10mmに設定される。
つまり、枠部30により、反応空間は囲繞されている。ただし、枠部30の端部と基板23の上面とは、接触していない。
反応空間に、ミスト噴射ヘッド部100の原料溶液噴出口15並びに反応材料噴出口16及び17から、ミスト化された原料溶液並びに2つの反応材料が噴射されると、加熱されている基板23上において、原料溶液と2つの反応材料とが反応し、基板23の上面に所望の膜が成膜される。なお、反応空間内の反応残渣等は、排気用ノズル部N4により、反応空間から排除される。
また、実施の形態1のミスト噴射ヘッド部100では、原料溶液噴射用ノズル部N1内及び反応材料噴射用ノズル部N2,N3内それぞれにおいても、ベースプレート部20と同様、温度調節機構22が配設されている。
(効果等)
(溝部311〜313,溝部321〜323,溝部331〜333及び一対の溝部35に関する効果)
図1〜図4に示すように、実施の形態1の成膜装置において、ミスト噴射ヘッド部100は、底面25に、原料溶液噴出口15を挟んで配置される溝部311及び312(少なくとも2つの原料溶液用溝部)を有し、溝部311及び312の形成幅は毛細管現象により原料溶液を内部に吸収可能な長さに設定されることを特徴としている。すなわち、既存の毛細管現象による液面高さの公式等を利用して、液滴との接触角、原料溶液の密度、表面張力等を考慮して、毛細管現象により原料溶液を内部に吸収可能な長さに溝部311及び312の形成幅を設定している。
実施の形態性の成膜装置は上記特徴(溝部311及び312)を有することにより、成膜処理時に原料溶液の液滴がミスト噴射ヘッド部100の底面25(具体的には原料溶液噴射用ノズル部N1の底面)に付着しても、当該液滴が毛細管現象によって溝部311及び312内に吸収されるため、基板23に上記液滴が落下する液ダレ現象を効果的に防止することができ、基板23に精度良く膜を成膜することができる。
さらに、溝部311及び312に加え、溝部313及び一対の溝部35を設けているため、溝部313によって原料溶液噴射用ノズル部N1の底面の+X方向端部に付着した液滴を吸収したり、一対の溝部35によって、ミスト噴射ヘッド部100の底面25のY方向の端部に付着した液滴を吸収したりすることができ、原料溶液の液ダレ現象防止効果の向上を図ることができる。
図1〜図4に示すように、実施の形態1の成膜装置において、ミスト噴射ヘッド部100は、底面25に、反応材料噴出口16を挟んで配置される溝部321及び322(少なくとも2つの原料溶液用溝部)を有し、溝部321及び322の形成幅は毛細管現象により第1の反応材料を内部に吸収可能な長さに設定されることを特徴としている。すなわち、既存の毛細管現象による液面高さの公式等を利用して、液滴との接触角、第1の反応材料の密度、表面張力等を考慮して、毛細管現象により第1の反応材料を内部に吸収可能な長さに溝部321及び322の形成幅を設定している。
同様にして、ミスト噴射ヘッド部100は、底面25に、反応材料噴出口17を挟んで配置される溝部331及び332(少なくとも2つの原料溶液用溝部)を有し、溝部331及び332の形成幅は毛細管現象により第2の反応材料を内部に吸収可能な長さに設定されることを特徴としている。すなわち、既存の毛細管現象による液面高さの公式等を利用して、液滴との接触角、第2の反応材料の密度、表面張力等を考慮して、毛細管現象により第2の反応材料を内部に吸収可能な長さに溝部331及び332の形成幅を設定している。
実施の形態1の成膜装置は上記特徴(溝部321及び322並びに溝部331及び332)を有することにより、成膜処理時に反応材料(第1及び第2の反応材料)の液滴がミスト噴射ヘッド部100の底面25(具体的には反応材料噴射用ノズル部N2及びN3の底面)に付着しても、当該液滴が毛細管現象によって溝部321及び322内あるいは溝部331及び332内に吸収される。このため、基板23に上記液滴が落下する液ダレ現象を効果的に防止することができ、基板23に精度良く膜を成膜することができる。
さらに、溝部321及び322並びに溝部331及び332に加え、溝部323、溝部333及び一対の溝部35を設けているため、溝部323によって原料溶液噴射用ノズル部N2の底面の+X方向端部に付着した液滴を吸収したり、溝部333によって原料溶液噴射用ノズル部N3の底面の+X方向端部に付着した液滴を吸収したり、一対の溝部35によってミスト噴射ヘッド部100の底面25のY方向の端部に付着した液滴を吸収したりすることができ、反応材料の液ダレ現象防止効果の向上を図ることができる。
成膜処理時に基板23の温度が原料溶液の沸点以下の場合、液滴が蒸発しないため、原料溶液の液滴がミスト噴射ヘッド部の底面に付着する傾向が強い。実施の形態1の成膜装置は、このような場合においても原料溶液の液滴が落下する液ダレ現象を効果的に防止することができ、基板23に精度良く膜を成膜することができる。
同様に、成膜処理時に基板23の温度が反応材料(第1及び第2の反応材料)の沸点以下で液滴が蒸発しない場合においても、実施の形態1の成膜装置は、反応材料の液滴が落下する液ダレ現象を効果的に防止することができ、基板23に精度良く膜を成膜することができる。
実施の形態1の成膜装置において、溝部311〜313(原料溶液用溝部)、溝部321〜323及び溝部331〜333(反応材料用溝部)の形成幅(短手方向であるX方向の長さ)はそれぞれ、0.1(mm)以上、5.0(mm)以下の範囲に設定される。
溝部311〜313、溝部321〜323及び溝部331〜333の形成幅はそれぞれ十分に短い0.1(mm)〜5.0(mm)に設定されることにより、成膜処理時に原料溶液や反応材料の液滴がミスト噴射ヘッド部の底面に付着しても、確実に毛細管現象によって原料溶液用溝部内あるいは反応材料用溝部内に吸収することができる。
また、溝部311及び312(少なくとも2つの原料溶液用溝部)はそれぞれ、原料溶液噴出口15と同様、Y方向(第1の水平方向)を長手方向、Y方向に直交するX方向(第2の水平方向)を短手方向とした矩形状の開口部を有し、原料溶液供給部1を基準としてX方向(第2の水平方向)に沿って両側に設けられている。
したがって、開口部が矩形状の原料溶液噴出口15から噴出される原料溶液の液滴を、原料溶液噴出口15を基準としてX方向に沿って両側に設けられた、開口部が矩形状の溝部311及び312によって精度良く吸収することができる。
さらに、溝部321及び322(少なくとも2つの(第1の)反応材料用溝部)はそれぞれ、原料溶液噴出口16と同様、Y方向を長手方向、X方向を短手方向とした矩形状の開口部を有し、反応材料噴出口16を基準としてX方向に沿って両側に設けられている。
同様に、溝部331及び332(少なくとも2つの(第2の)反応材料用溝部)はそれぞれ、原料溶液噴出口17と同様、Y方向を長手方向、X方向を短手方向とした矩形状の開口部を有し、反応材料噴出口17を基準としてX方向に沿って両側に設けられている。
したがって、開口部が矩形状の反応材料噴出口16(17)から噴出される第1(第2)の反応材料の液滴を、反応材料噴出口16(17)を基準としてX方向に沿って両側に設けられた、開口部が矩形状の溝部321及び322(331及び332)によって精度良く吸収することができる。
(他の効果)
加えて、実施の形態1のミスト噴射ヘッド部100の底面に形成される原料溶液噴出口15、反応材料噴出口16及び17並びに不活性ガス噴出口191〜194は、第1の水平方向(Y方向)を長手方向としたスリット状に形成される。したがって、大面積の基板23に対して、均等に、ミスト化された原料溶液を噴霧することができる。
さらに、載置部24またはミスト噴射ヘッド部100は、第2の水平方向(X方向)に移動可能である。したがって、大面積の基板23の全面に対しても、本実施の形態に係る成膜装置(ミスト噴射ヘッド部100)を用いた成膜処理が可能となる。
例えば、ミスト噴射ヘッド部100をX方向に移動させつつ、成膜装置による成膜処理を行うことにより、基板23の上面上に均一にミスト化された原料溶液等を噴射することができる。この際、ミスト噴射ヘッド部100の底面25に原料材料や反応材料の液滴が付着すると、溝部331〜333、溝部321〜323、溝部331〜333あるいは一対の溝部35によって、当該液滴を吸収することができる。
また、反応材料噴出口16(17)をスリット状で形成することにより、大面積の基板23の上面に対して、均等に、反応材料を噴霧することができる。
加えて、排気口18をスリット状で形成することにより、より広範囲に亘って、排気処理が可能となる。また、原料溶液等が排気口18へ向かうX方向の流れを、均等にすることができる。
加えて、実施の形態1のミスト噴射ヘッド部100は、不活性ガス噴射部83(第1の不活性ガス噴射部)は原料溶液噴射用ノズル部N1と反応材料噴射用ノズル部N2との間に設けられ、不活性ガス噴射部82(第2の不活性ガス噴射部)は原料溶液噴出口15と反応材料噴射用ノズル部N3との間に設けられる。
上記構成の実施の形態1のミスト噴射ヘッド部100は、原料溶液噴射用ノズル部N1、反応材料噴射用ノズル部N2及びN3及び不活性ガス噴射部82及び83の組み合わせにより、不活性ガス噴出口193及び192は、原料溶液噴出口15と反応材料噴出口16及び17との間に設けられることを特徴としている。
このため、実施の形態1の成膜装置において、不活性ガス噴出口192及び193からの不活性ガスの噴出により、ミスト噴射ヘッド部100の底面25への反応生成物の付着を低減することができる。
さらに、実施の形態1の成膜装置では、不活性ガス供給部51〜53それぞれの開口面積を、不活性ガス噴出口191〜193それぞれの開口面積以上、すなわち、不活性ガス噴出口191〜193それぞれの開口面積を不活性ガス供給部51〜53それぞれの開口面積以下に設定することにより、不活性ガス噴出口191等と不活性ガス供給部51との間に圧力差を設定することができ、成膜時に不活性ガスを基板23上面上に均一に広げることができる効果を奏する。
加えて、実施の形態1の成膜装置において、不活性ガス噴出口192及び193により不活性ガスを噴出している流量を、原料溶液噴出口15により原料溶液を噴出している流量及び反応材料噴出口16及び17により反応材料を噴出している流量それぞれ以下に設定している。
このため、実施の形態1の成膜装置は、不活性ガスの噴出によって、原料溶液と反応材料との反応を阻害する現象を抑制することができる。
さらに、実施の形態1による成膜装置のミスト噴射ヘッド部100は、原料溶液噴射用ノズル部N1を有している。そして、原料溶液噴射用ノズル部N1は、空洞部11内に、空洞部11の底面より離れた位置において、一方の側面側に原料溶液排出部41が配設されている。
したがって、原料溶液噴射用ノズル部N1内の空洞部11で、原料溶液と残留水分とが反応し、パーティクルが生成されたとしても、当該パーティクルは、空洞部11における、底面から原料溶液排出部41までの間の領域に、トラップされる。つまり、空洞部11における当該領域は、パーティクルトラップとして機能し、当該領域内には、パーティクルが捕獲され、原料溶液排出部41、通路61及び原料溶液噴出口15へと搬送されることを防止できる。よって、各部分41,61,15において、パーティクルが付着し、目詰まりが発生することも防止できる。
また、上記と異なり、複数の整流部6の配設を省略することもできるが、原料溶液噴射用ノズル部N1内の空洞部11には、複数の整流部6が配設されている。
したがって、空洞部11内におけるミスト化された原料溶液の流れを整えることができ、パーティクルトラップとして機能している上記領域における、パーティクルの捕獲をより確実にする。
なお、複数の整流部6のうち最下段の整流部6が取り付けられている側面部と、原料溶液排出部41が配設されている側面とは同じである(両方共、一方の側面部(左側)に配設されている)。よって、液滴等が、一方の側面部を伝って、原料溶液排出部41へと流れることも防止できる。
また、上記と異なり、反応材料噴射用ノズル部N2及びN3の配設を省略することもできるが、ミスト噴射ヘッド部100は、反応材料噴射用ノズル部N2及びN3を有している。したがって、大気中における成膜処理における、反応促進が可能となる。また、多種多様の膜を成膜することもできる。
さらに、実施の形態1のミスト噴射ヘッド部100は、二つの反応材料噴射用ノズル部N2,N3を有する。ここで、原料溶液噴射用ノズル部N1は、反応材料噴射用ノズル部N2(第1の反応材料噴射用ノズル部)と反応材料噴射用ノズル部N3(第2の反応材料噴射用ノズル部)とにより、側方から挟まれている。
したがって、反応空間に、異なる反応材料を噴出することができる。よって、基板23上に多種の膜を成膜することが可能となる。また、反応材料噴射用ノズル部N2,N3から同じ反応材料を噴出させた場合には、基板23上における所望の膜の成膜速度を向上させることができる。
また、反応材料噴射用ノズル部N2,N3はそれぞれ温度調節機構22を有している。したがって、例えば、反応材料噴射用ノズル部N2,N3内に溜まった液滴を蒸発させることができる。よって、当該蒸発した反応材料を、反応材料噴射用ノズル部N2,N3から噴射させる反応材料として、利用することができる。
なお、原料溶液噴射用ノズル部N1においても、温度調節機構22が配設されている。したがって、例えば、原料溶液のミスト状態を維持することができる。つまり、原料溶液噴射用ノズル部N1から噴射される原料溶液の液滴が大きくなり、大きな液滴となった原料溶液が底面25に付着することを事前に防止できる。
また、ベースプレート部20の底面には、基板23に対して不活性ガスを噴射する複数の不活性ガス噴出口194(第3の不活性ガス噴出口)が配設されている。したがって、ベースプレート部20の下方に存する原料溶液等を基板23の上面上に押し付けることが可能となる。したがって、原料溶液等の利用効率を向上させることができる。
また、ベースプレート部20は、温度調節機構22を有している。したがって、反応空間における、原料溶液等のミスト状態の維持が可能となる。また、ベースプレート部20における液滴の付着を抑制できる。さらに、基板23上における成膜反応の促進を図ることもできる。
また、ミスト噴射ヘッド部100の枠部30または枠部30の近傍において、基板23に対して不活性ガスを噴射する不活性ガス噴出口191,195が配設されている。したがって、不活性ガスにより、反応空間を囲繞することができ、反応空間から原料溶液等が拡散することを抑制することができる。
また、反応材料噴射用ノズル部N2(N3)は、空洞部12(13)内に、空洞部12の底面より離れた位置において、一方の側面側に反応材料排出部42(43)が配設されている。
したがって、反応材料噴射用ノズル部N2(N3)内の空洞部12(13)で、反応材料と大気とが反応し、パーティクルが生成されたとしても、当該パーティクルは、空洞部12における、底面から反応材料排出部42(43)までの間の領域に、トラップされる。つまり、空洞部12(13)における当該領域は、パーティクルトラップとして機能し、当該領域内には、パーティクルが捕獲され、反応材料排出部42(43)、通路62(63)及び反応材料噴出口16(17)へと搬送されることを防止できる。よって、各部分42,62,16(43,63,17)において、パーティクルが付着し、目詰まりが発生することも防止できる。
また、上記と異なり、複数の整流部7の配設を省略することもできるが、反応材料噴射用ノズル部N2(N3)内の空洞部12(13)には、複数の整流部7(8)が配設されている。
したがって、空洞部12(13)内における反応材料の流れを整えることができ、パーティクルトラップとして機能している上記領域における、パーティクルの捕獲をより確実にする。なお、空洞部12において、複数の整流部7(8)のうち最下段の整流部7(8)が取り付けられている側面部と、反応材料排出部42(43)が配設されている側面とは同じである(両方共、一方の側面部(左側の側面部)に配設されている)。よって、液滴等が、一方の側面部を伝って、反応材料排出部42(43)へと流れることも防止できる。
また、上記と異なり、排気用ノズル部N4の配設を省略することもできるが、ミスト噴射ヘッド部100は、排気用ノズル部N4を有している。したがって、排気用ノズル部N4へと移動する、原料溶液及び反応材料の流れを作り出すことができる。よって、反応空間における原料溶液等の流れが乱れることを防止でき、成膜される膜の膜質を向上させることができる。また、反応空間から外側に原料溶液等が拡散することを抑制することができる。
また、排気処理において、{排気流量Q4≧原料溶液の噴出流量Q1+反応材料の噴出流量Q2+Q3}を満足するように流量が制御される。したがって、反応空間内に噴射された、原料溶液及び2つの反応材料が、反応空間内の上記流れをより確実にすることができる。また、原料溶液及び2つの反応材料が、反応空間から外側に拡散することを確実に防止できる。
また、反応材料噴射用ノズル部N3、原料溶液噴射用ノズル部N1、反応材料噴射用ノズル部N2及び排気用ノズル部N4は、X方向(第2の水平方向)に並んで配置されており、少なくとも排気用ノズル部N4は、ミスト噴射ヘッド部100の最外側に位置している。
したがって、反応空間において、原料溶液及び2つの反応材料は、ミスト噴射ヘッド部100の最外側まで移動する。したがって、原料溶液及び反応材料と基板23とが接触する領域が、最大となり、反応空間における原料溶液等の未反応を最小化にすることができる。
また、排気用ノズル部N4は、空洞部14内に、空洞部14の底面より離れた位置において、他方の側面側に排気物導入部44が配設されている。
したがって、排気物導入部44から空洞部14内に取り込まれた排気物は、空洞部14における、底面から排気物導入部44までの間の領域に、トラップされる。つまり、空洞部14における当該領域は、パーティクルトラップとして機能し、当該領域内には、粒径の大きな排気物が捕獲され、排気物出口部4より先に、粒径が大きな排気物が流れることを防止できる。これにより、排気ポンプに配設されるフィルターの寿命を長くすることができる。
また、上記と異なり、複数の整流部9の配設を省略することもできるが、排気用ノズル部N4内の空洞部14には、複数の整流部9が配設されている。
したがって、排気物出口部4より先に、粒径が大きな排気物が流れることをより確実に防止することができる。これにより、排気ポンプに配設されるフィルターの寿命をより長くすることができる。
また、ミスト噴射ヘッド部100は、吹き抜け部58を基板23側から塞ぐベースプレート部20を有している。したがって、排気用ノズル部N4を他のノズル部N1〜N3から離して配置させたとしても、反応空間から吹き抜け部58へと、原料溶液等が流れることを防止できる。また、ミスト噴射ヘッド部100における、排気用ノズル部N4及び他のノズル部N1〜N3の組み立てが容易となる。
また、ミスト噴射ヘッド部100の枠部30は、基板23側に突出している。したがって、反応空間を囲繞することができ、反応空間から原料溶液等が拡散することを抑制することができる。
<実施の形態2>
図6は実施の形態2である成膜装置におけるミスト噴射ヘッド部100Bの構成を示す断面図である。図7は図6のC−C断面構造を示す断面図である。
図8はミスト噴射ヘッド部100Bの底面構造を示す平面図である。図9はミスト噴射ヘッド部100Bを左側面(−X方向)から視た側面図である。図10はベースプレート部20BをY方向から視た外観構造等を示す説明図である。なお、図9のD−D断面構造が図6で示す断面図となる。
実施の形態1であるミスト噴射ヘッド部100では、2つの反応材料噴射用ノズル部N2,N3を有していた。一方、実施の形態2によるミスト噴射ヘッド部100Bでは、反応材料噴射用ノズル部N3Bを一つに集約し、反応材料噴射用ノズル部N3Bの底面に設けられた反応材料噴出口16B及び17Bから、第1及び第2の反応材料が噴出される構成を実現している。さらに、反応材料噴射用ノズル部N3Bの底面に設けられた原料溶液噴出口15Bからミスト化された原料溶液が噴出される構成を実現している。
実施の形態1のミスト噴射ヘッド部100と実施の形態2のミスト噴射ヘッド部100Bとでは、主として、反応材料噴射用ノズル部N2及びN3が反応材料噴射用ノズル部N3Bに置き換わった点、原料溶液噴射用ノズル部N1が原料溶液噴射用ノズル部N1Bに置き換わった点が異なる。以下では、実施の形態2のミスト噴射ヘッド部100Bに関し、実施の形態1のミスト噴射ヘッド部100と異なる構成部分を中心に説明を行い、実施の形態1と同様な構成部分は同一符号を付し説明を適宜省略する。
図6に示すように、ミスト噴射ヘッド部100Bは、反応材料噴射用ノズル部N3Bと、原料溶液噴射用ノズル部N1Bと、排気用ノズル部N4とを有する。図6に示すように、反応材料噴射用ノズル部N3B、原料溶液噴射用ノズル部N1B及び排気用ノズル部N4は、当該順に、X方向(第2の水平方向)に沿って並んで配設されている。
また、原料溶液噴射用ノズル部N1Bの側面と反応材料噴射用ノズル部N3Bの側面とは接触している。しかしながら、原料溶液噴射用ノズル部N1Bの側面と排気用ノズル部N4の側面との間には、所定の距離だけ離れている。つまり、反応材料噴射用ノズル部N3Bと原料溶液噴射用ノズル部N1BとはX方向に隣接しているが、排気用ノズル部N4は、他のノズル部N1,N3Bとは、X方向に離れて配置されている。
上記のように、反応材料噴射用ノズル部N3B,原料溶液噴射用ノズル部N1B及び排気用ノズル部N4は、X方向(第2の水平方向)に並んで配置されている。ここで、少なくとも排気用ノズル部N4は、ミスト噴射ヘッド部100Bの最外側(図6では右端(+X方向側))に位置している。
載置部24上に載置され常温に設定されている基板23の上面に対して、ミスト噴射ヘッド部100Bは、ミスト化された原料溶液等を噴射する。これにより、基板23の上面に所望の膜が、成膜される。なお、成膜処理のときには、載置部24は、X方向(第2の水平方向(XY平面))に移動する。または、ミスト噴射ヘッド部100Bは、X方向に移動する。
(原料溶液噴射用ノズル部N1B及び反応材料噴射用ノズル部N3B)
以下、原料溶液噴射用ノズル部N1B及び反応材料噴射用ノズル部N3Bの構成について説明する。
原料溶液噴射用ノズル部N1Bは、ミスト化された原料溶液を、反応材料噴射用ノズル部N3Bの底面に形成された原料溶液噴出口15Bから噴射するノズルである。原料溶液噴射用ノズル部N1Bには、内部に空洞部11(一方の空洞部)及び空洞部12B(他方の空洞部)が形成されている。また、原料溶液噴射用ノズル部N1Bの上面には、実施の形態1の原料溶液噴射用ノズル部N1と同様、原料溶液供給部1が配設されている。
また、原料溶液噴射用ノズル部N1Bの空洞部11内において、実施の形態1の原料溶液噴射用ノズル部N1と同様、一方の側面部には、複数の整流部6(第1の整流部)が配設されている。
複数の整流部6の下方に空洞部11が設けられる。複数の整流部6の上方の小空間は、複数の整流部7により形成される隙間を通じて、空洞部11と接続されており、空洞部11は、原料溶液排出部41Bに接続されている。
原料溶液排出部41Bは、空洞部11において、一方の側面部(図1では左(−X方向)側の側面)に配設されている。また、原料溶液排出部41Bは、原料溶液噴射用ノズル部N1B(空洞部11)の底面から離れた位置において、配設されている。
一方、原料溶液噴射用ノズル部N1Bではなく、反応材料噴射用ノズル部N3Bの底面に原料溶液噴出口15Bが形成されている。すなわち、実施の形態2のミスト噴射ヘッド部100Bでは、反応材料噴射用ノズル部N3Bの底面に設けられた原料溶液噴出口15Bからミスト化された原料溶液が基板23の上面に対して噴出される。
そして、反応材料噴射用ノズル部N3には内部に通路61B(第1の内部通路)が配設されている。原料溶液噴射用ノズル部N1Bに設けられた原料溶液排出部41Bは、反応材料噴射用ノズル部N3Bに設けられた通路61Bを介して、原料溶液噴出口15Bと接続されている。
図8に示すように、ミスト噴射ヘッド部100Bの底面25はX方向(第2の水平方向)及びY方向(第1の水平方向)で規定される矩形状を呈している。
そして、原料溶液噴出口15Bは、平面視して長手方向をY方向(第1の水平方向)とした細長い開口穴であるスリット状を呈している。なお、原料溶液噴出口15Bの開口部の幅(図8のX方向の寸法)は、0.1mm〜10mm程度である。
原料溶液噴射用ノズル部N1Bでは、ミスト化された原料溶液は、原料溶液供給部1から、空洞部11内に供給される。そして、当該原料溶液は、複数の整流部6により整流され、複数の整流部6の上方の小空間に充満した後、空洞部11へと導かれ、空洞部11において充満する。その後、ミスト化された原料溶液は、原料溶液排出部41Bから、反応材料噴射用ノズル部N3Bの通路61Bを介して、原料溶液噴出口15Bへと導かれる。そして、ミスト化された原料溶液は、原料溶液噴出口15Bから基板23の上面に向けて、噴出される。
さらに、反応材料噴射用ノズル部N3Bの底面には、原料溶液噴出口15Bを基準としてX方向(第2の水平方向)に沿って両側に溝部311B及び312B(少なくとも2つの原料溶液用溝部)が設けられる。
溝部311B及び312BそれぞれのX方向の形成幅は0.1(mm)以上、5.0(mm)以下に設定されることにより、反応材料噴射用ノズル部N3Bの底面に原料溶液の液滴が付着した際、毛細管現象によって液滴を溝部311B及び312B内に吸収することができる。なお、溝部311B及び312Bそれぞれの深さは20〜30(mm)程度に設定される。
そして、図8に示すように、溝部311B及び312Bは、原料溶液噴出口15Bと同様、平面視して長手方向をY方向(第1の水平方向)、X方向を短手方向(第2の水泳方向)とした細長い開口穴であるスリット状を呈している。
さらに、原料溶液噴射用ノズル部N1Bは空洞部11の下方に空洞部12Bを有し、空洞部12Bは、図6及び図10に示すように、原料溶液との反応に寄与する第1の反応材料を供給する反応材料供給部2Bと接続されており、空洞部12Bは、後述する反応材料排出部42Bに接続されている。
反応材料排出部42B(第1の反応材料排出部)は、空洞部12Bにおいて、一方の側面部(図6では左(−X方向)側の側面)に配設されている。また、反応材料排出部42Bは、反応材料噴射用ノズル部N2(空洞部12B)の底面から離れた位置において、配設されている。
一方、反応材料噴射用ノズル部N3B内には通路62B(第2の内部通路)が配設されている。そして、原料溶液噴射用ノズル部N1Bに設けられた反応材料排出部42Bは、反応材料噴射用ノズル部N3Bに設けられた通路62Bを介して、反応材料噴射用ノズル部N3Bの底面に設けられた反応材料噴出口16B(第1の反応材料噴出口)と接続されている。
一方、反応材料噴射用ノズル部N3Bは、主として原料溶液との反応に寄与する第2の反応材料を基板23に対して噴出するノズルである。反応材料噴射用ノズル部N3Bには、内部に一つの空洞部13Bが形成されている。図6に示すように、空洞部13Bは、反応材料噴射用ノズル部N3B内において、上方(+Z方向)に配設されている。具体的には、反応材料噴射用ノズル部N3B内において、上部側には一方の空洞部13Bが設けられる。ここで、空洞部13Bは他の空間から独立して形成される空間である。
図6及び図10に示すように、空洞部13Bにおいて、Y方向の側面には、反応材料供給部3Bが配設されている。第2の反応材料は、反応材料噴射用ノズル部N3B外から、一方の反応材料供給部3Bを介して、一方の空洞部13B内へと供給される。
ここで、上述した第1及び第2の反応材料は、気体であっても液体であっても良い。液体の場合には、超音波振動等を利用してミスト化された液体(反応材料)が、キャリアガスと共に、図示していない経路を通って、原料溶液噴射用ノズル部N1Bあるいは反応材料噴射用ノズル部N3B内へと搬送される。
反応材料供給部3Bから出力される第2の反応材料は、反応材料噴射用ノズル部N3B内の空洞部13Bへと充満する(供給される)。
なお、図6では図示を省略しているが、原料溶液噴射用ノズル部N1Bの空洞部12B及び反応材料噴射用ノズル部N3Bの空洞部13B内において、実施の形態1で説明した機能・作用(つまり、空洞部12B,13B内における反応材料の流れを整え、反応材料と大気とが反応し、パーティクルが生成されたとしても、当該パーティクルが、空洞部12B,13Bの底面から反応材料排出部42B,43Bまでの間の領域に、トラップされることを促進する機能・作用)を有する整流部が配設されていても良い。
また、空洞部13Bにおいて、X方向の側面には、反応材料排出部43が配設されている。ここで、一方の反応材料排出部43は、洞部13Bの底面から離れた位置において、配設されている。
反応材料噴射用ノズル部N3Bの底面において、反応材料噴出口16B及び17Bが配設されている。ここで、空洞部12Bから供給される第1の反応材料が反応材料噴出口16Bから、空洞部13Bから供給される第2の反応材料が反応材料噴出口17Bから、それぞれ基板23の上面に対して噴出される。
ミスト噴射ヘッド部100B(図6の構成例では、反応材料噴射用ノズル部N3B)内には、通路62B及び通路63が配設されている。そして、原料溶液噴射用ノズル部N1Bと反応材料噴射用ノズル部N3Bとの隣接配置により、反応材料排出部42Bは、通路62Bを介して反応材料噴出口16Bと接続される。一方、反応材料噴射用ノズル部N3B内において、反応材料排出部43Bは、通路63を介して、反応材料噴出口17Bと接続されている。
さらに、図6に示すように、反応材料噴射用ノズル部N3Bの底面において、原料溶液を基板23に対して噴出する原料溶液噴出口15Bが配設されている。実施の形態2では、原料溶液排出部41Bと原料溶液噴出口15Bとを接続する通路61Bは、反応材料噴射用ノズル部N3B内に配設されている。
よって、実施の形態2のミスト噴射ヘッド部100Bでは、反応材料噴射用ノズル部N3Bの基板23に面する側において、反応材料噴出口17B、原料溶液噴出口15B及び反応材料噴出口16Bが、当該順にX方向(第2の水平方向)に配設されている。ここで、図8に示すように、各反応材料噴出口17B,16B及び原料溶液噴出口15Bは、平面視して長手方向をY方向(第1の水平方向)とした細長い開口穴であるスリット状を呈している。なお、反応材料噴出口17B,16B及び原料溶液噴出口15B開口部の幅(図8のX方向の寸法)は、0.1mm〜10mm程度である。
さらに、反応材料噴射用ノズル部N3Bの底面には反応材料噴出口16Bを基準としてX方向(第2の水平方向)に沿って両側に溝部321B及び322B(少なくとも2つの(第1の)反応材料用溝部)が設けられる。
同様に、反応材料噴射用ノズル部N3Bの底面には、反応材料噴出口17Bを基準としてX方向(第2の水平方向)に沿って両側に溝部331B及び332B(少なくとも2つの(第2の)反応材料用溝部)が設けられる。
溝部321B及び322B並びに溝部331B及び332BそれぞれのX方向の形成幅は0.1(mm)以上、5.0(mm)以下に設定されることにより、反応材料噴射用ノズル部N3Bの底面に第1の反応材料あるいは第2の反応材料の液滴が付着した際、毛細管現象によって液滴を溝部321B及び322Bあるいは溝部331B及び332B内に吸収することができる。なお、溝部321B及び322B並びに溝部331B及び332Bそれぞれの深さは20〜30(mm)程度に設定される。
図8に示すように、溝部321B及び322Bは、反応材料噴出口16Bと同様、平面視して長手方向をY方向(第1の水平方向)、短手方向をX方向(第2の水平方向)とした細長い開口穴であるスリット状を呈している。
同様に、図8に示すように、溝部331B及び332Bは、反応材料噴出口17Bと同様、平面視して長手方向をY方向(第1の水平方向)、短手方向をX方向(第2の水平方向)とした細長い開口穴であるスリット状を呈している。
原料溶液噴射用ノズル部N1Bから排出される反応材料(第1の反応材料)は、原料溶液噴射用ノズル部N1Bにおいて、反応材料供給部2Bから、空洞部12B内に供給される。そして、第1の反応材料は、空洞部12Bに充満した後、反応材料排出部42Bから反応材料噴射用ノズル部N3Bに排出される。その後、反応材料噴射用ノズル部N3Bの内部に通路62Bを介して、反応材料噴射用ノズル部N3Bの底面に設けられた反応材料噴出口16Bへと導かれる。そして、第1の反応材料は、一方の反応材料噴出口16Bから基板23の上面に向けて、噴出される。
一方、反応材料噴射用ノズル部N3Bにおいて、反応材料(第2の反応材料)は、反応材料供給部3Bから、空洞部13B内に供給される。そして、第2の反応材料は、空洞部13Bに充満した後、反応材料排出部43から、通路63を介して、反応材料噴出口17Bへと導かれる。
図6及び図8に示すように、反応材料噴出口17B、原料溶液噴出口15B、反応材料噴出口16B及び排気口18は、当該順に、X方向(第2の水平方向)に配置されている。
排気用ノズル部N4は、他のノズル部N3B,N1Bとは、X方向に離れて配置されている。したがって、排気用ノズル部N4と他のノズル部N3B,N1Bとの間には、吹き抜け部58が生じる。そこで、本実施の形態においても、ミスト噴射ヘッド部100Bは、ベースプレート部20Bを備えている。ベースプレート部20Bは、反応材料噴射用ノズル部N3Bの底面下から排気用ノズル部N4の底面下にかけても配置されることにより、吹き抜け部58を、基板23配置側から塞いでいる(図6,図8及び図10参照)。
なお、基板23に対して不活性ガスを噴射できるように、本実施の形態に係るベースプレート部20Bにおいても、実施の形態1と同様、不活性ガス供給部54と、通路74と、複数の不活性ガス噴出口194とが設けられている。さらに、実施の形態2のベースプレート部20Bには、実施の形態1と同様に、温度調節機構22が配設されている。
また、実施の形態2では、反応材料噴射用ノズル部N3B内においても、温度調節機構22が配設されている。なお、ミスト噴射ヘッド部100Bでは、原料溶液噴射用ノズル部N1Bに対する温度調整は、ベースプレート部20B配設されている温度調節機構22の一部が行っている。
なお、実施の形態2においても、ミスト噴射ヘッド部100Bは、基板23に面している側(底面25)において、枠部30を有する。さらに、図6に示すように、実施の形態1と同様に、実施の形態2においても、ミスト噴射ヘッド部100Bには、不活性ガス噴射部81の不活性ガス供給部51、通路71及び不活性ガス噴出口191や不活性ガス供給部55、通路75及び不活性ガス噴出口195が設けられている。
反応空間に、ミスト化された原料溶液と反応材料とが噴射されると、載置部24上に載置されており、例えば常温の基板23上において、原料溶液と反応材料とが反応し、基板23の上面に所望の膜が成膜される。なお、反応空間内の反応残渣等は、排気用ノズル部N4により、反応空間から排除される。
(不活性ガス噴出口192B及び193B等)
実施の形態2のミスト噴射ヘッド部100Bの端部(図6の−X方向側端部)において、実施の形態1と同様、不活性ガス噴射部81は枠部30または枠部30に隣接する領域に配設されている。さらに、ミスト噴射ヘッド部100Bの反応材料噴射用ノズル部N3Bの内部に不活性ガス噴射部82B及び83Bが形成されている。
不活性ガス噴射部81は主として不活性ガス供給部51、通路71及び不活性ガス噴出口191より構成され、不活性ガス噴射部82Bは主として不活性ガス供給部52B、通路72B及び不活性ガス噴出口192Bより構成され、不活性ガス噴射部83Bは主として不活性ガス供給部53B、通路73B及び不活性ガス噴出口193Bにより構成される。
図6に示すように、不活性ガス噴射部82Bは、反応材料噴射用ノズル部N3B内において、空洞部13Bの下方に配設され、不活性ガス噴射部83Bの主要部(不活性ガス供給部53B付近の通路73B)は不活性ガス噴射部82Bの主要部(不活性ガス供給部52B付近の通路72B)の下方に形成されている。ここで、不活性ガス噴射部82B及び83Bはそれぞれ他の空間から独立して形成される空間である。
図6、図7及び図10に示すように、不活性ガス噴射部82B及び83Bにおいて、Y方向の側面には、不活性ガス供給部52B及び53Bが配設されている。不活性ガス供給部52B及び53Bは反応材料噴射用ノズル部N3B内に形成された通路72B及び73Bを介して反応材料噴射用ノズル部N3Bの底面に形成された不活性ガス噴出口192B及び193Bに接続される。
図6及び図7に示すように、不活性ガス噴射部82B及び83Bにおいて、外部から不活性ガス供給部52B及び53Bに導入される不活性ガスは通路72B及び73Bを介して、ミスト噴射ヘッド部100Bの底面25に形成される不活性ガス噴出口192B及び193Bに導かれて噴出される。
不活性ガス供給部51、52B及び53Bは不活性ガス噴出口191、192B及び193Bに連通しているが、不活性ガス供給部51、52B及び53Bそれぞれの開口面積は、不活性ガス噴出口191、192B及び193Bそれぞれの開口面積以上に設定すること望ましい。
さらに、不活性ガス噴出口191、192B及び193Bにより不活性ガスを噴出している流量は、原料溶液噴出口15Bにより原料溶液を噴出している流量及び反応材料噴出口16B及び17Bにより反応材料を噴出している流量それぞれ以下に設定することが望ましい。
さらに、図7に示すように、実施の形態1と同様、Y方向両端部に設けられた2つの不活性ガス供給部55に導入される不活性ガスが、それぞれ通路75を介して、図8に示すように、ミスト噴射ヘッド部100Bの底面に形成された2つの不活性ガス噴出口195から噴出される。
このように、不活性ガス噴出口195は、上述した枠部30または枠部30に隣接する領域に配設されている。
さらに、実施の形態1と同様、枠部30のY方向の両端部に断面形状が逆L字状の一対の突起部34が設けられ、一対の突起部34と枠部30の側面(図7のミスト噴射ヘッド部100の側面)との間の空間が一対の溝部35(原料溶液及び反応材料用溝部)となる。
上述した構成により、不活性ガス噴射部81、82B及び83Bの不活性ガス供給部51、52B及び53B並びに及び不活性ガス供給部55を介して、ミスト噴射ヘッド部100Bの外部から送られてきた不活性ガスは、ミスト噴射ヘッド部100B内へ供給される。通路71、72B及び73B並びに通路75は、ミスト噴射ヘッド部100B内に配設されており、当該供給された不活性ガスは、通路71、72B及び73B並びに通路75内を伝搬する。不活性ガス噴出口191、192B及び193B並びに不活性ガス噴出口195は、ミスト噴射ヘッド部100Bの底面25(基板23に面する側)に配設されており、不活性ガス噴出口191、192B及び193B並びに不活性ガス噴出口195から、不活性ガスが基板23の上面に向けて噴射される。
排気用ノズル部N4は、他のノズル部N1B及びN3Bとは、X方向に離れて配置されている。したがって、排気用ノズル部N4と他のノズル部N1B及びN3Bとの間には、吹き抜け部58が生じる。そこで、ミスト噴射ヘッド部100Bは、ベースプレート部20Bを備えている。ベースプレート部20Bは、吹き抜け部58を、基板23配置側から塞いでいる(図6,図8,図10参照)。
図6、図8及び図10に示すように、実施の形態2のミスト噴射ヘッド部100Bのベースプレート部20Bには、不活性ガス供給部54(図10参照)と、通路74(図6,図8参照)と、複数の不活性ガス噴出口194とが設けられている。
ベースプレート部20Bにおいて、不活性ガス供給部54を介して、ミスト噴射ヘッド部100Bの外部から送られてきた不活性ガスは、ベースプレート部20Bへ供給される。通路74は、ベースプレート部20B内に配設されており、当該供給された不活性ガスは、通路74内を伝搬する。複数の不活性ガス噴出口194は、ベースプレート部20Bの底面(基板23に面する側)に配設されており、複数の不活性ガス噴出口194から、不活性ガスが基板23の上面に向けて噴射される。
図8に示すように、不活性ガス噴出口191〜194(191、192B、193B及び194)は、それぞれ平面視して長手方向をY方向(第1の水平方向)とした細長い開口穴であるスリット状である。一方、不活性ガス噴出口195は、平面視して長手方向をX方向(第2の水平方向)とした細長い開口穴であるスリット状である。なお、不活性ガス噴出口191〜195それぞれの開口部の幅(不活性ガス噴出口191〜194は図7のX方向の寸法、不活性ガス噴出口195は図7のY方向側の寸法)は、0.1mm〜10mm程度である。
図8に示すように、一対の溝部35は、不活性ガス噴出口195と同様、平面視して長手方向をX方向(第2の水平方向)、短手方向をY方向(第1の水平方向)とした細長い開口穴であるスリット状を呈している。
そして、図6及び図8に示すように、反応材料噴射用ノズル部N3Bの底面において、不活性ガス噴出口192Bは原料溶液噴出口15Bと反応材料噴出口17Bとの間に設けられ、不活性ガス噴出口193Bは原料溶液噴出口15Bと反応材料噴出口16Bとの間に設けられる。すなわち、実施の形態2のミスト噴射ヘッド部100Bの底面25において、不活性ガス噴出口192B及び193は、原料溶液噴出口15Bと反応材料噴出口16B及び17との間に設けられることを特徴としている。
なお、不活性ガス噴出口192B,原料溶液噴出口15B間に溝部311Bが設けられ、不活性ガス噴出口193B,反応材料噴出口16B間に溝部321Bが設けられている。
また、実施の形態2のミスト噴射ヘッド部100Bでは、反応材料噴射用ノズル部N3Bの底面及びベースプレート部20Bの底面が面一になるように構成される。したがって、原料溶液噴出口15B、反応材料噴出口16B及び17B、及び不活性ガス噴出口192B、193B及び194はミスト噴射ヘッド部100における面一の底面に設けられることになる。
(効果等)
(溝部311B及び312B,溝部321B及び322B,溝部331B及び332B並びに一対の溝部35に関する効果)
図6〜図9に示すように、実施の形態2の成膜装置において、ミスト噴射ヘッド部100Bは、底面25に、原料溶液噴出口15Bを挟んで配置される溝部311B及び312B(少なくとも2つの原料溶液用溝部)を有し、溝部311B及び312Bの形成幅は毛細管現象により原料溶液を内部に吸収可能な長さに設定されることを特徴としている。すなわち、実施の形態1と同様、原料溶液の密度、表面張力等を考慮して、毛細管現象により原料溶液を内部に吸収可能な長さに溝部311B及び312Bの形成幅を設定している。
実施の形態性の成膜装置は上記特徴(溝部311B及び312B)を有することにより、成膜処理時に原料溶液の液滴がミスト噴射ヘッド部100Bの底面25(具体的には反応材料噴射用ノズル部N3Bの底面)に付着しても、当該液滴が毛細管現象によって溝部311B及び312B内に吸収されるため、基板23に上記液滴が落下する液ダレ現象を効果的に防止することができ、基板23に精度良く膜を成膜することができる。
さらに、溝部311B及び312Bに加え、一対の溝部35を設けているため、一対の溝部35によって、ミスト噴射ヘッド部100Bの底面25のY方向の端部に付着した液滴を吸収することができ、原料溶液の液ダレ現象防止効果の向上を図ることができる。
図6〜図9に示すように、実施の形態2の成膜装置において、ミスト噴射ヘッド部100Bは、底面25に、反応材料噴出口16Bを挟んで配置される溝部321B及び322B(少なくとも2つの原料溶液用溝部)を有し、溝部321B及び322Bの形成幅は毛細管現象により第1の反応材料を内部に吸収可能な長さに設定されることを特徴としている。すなわち、実施の形態1と同様、第1の反応材料の密度、表面張力等を考慮して、毛細管現象により第1の反応材料を内部に吸収可能な長さに溝部321B及び322Bの形成幅を設定している。
同様にして、ミスト噴射ヘッド部100Bは、底面25に、反応材料噴出口17Bを挟んで配置される溝部331B及び332B(少なくとも2つの原料溶液用溝部)を有し、溝部331B及び332Bの形成幅は毛細管現象により第2の反応材料を内部に吸収可能な長さに設定されることを特徴としている。すなわち、実施の形態1と同様、第2の反応材料の密度、表面張力等を考慮して、毛細管現象により第2の反応材料を内部に吸収可能な長さに溝部331B及び332Bの形成幅を設定している。
実施の形態2の成膜装置は上記特徴(溝部321B及び322B並びに溝部331B及び332B)を有することにより、成膜処理時に反応材料(第1及び第2の反応材料)の液滴がミスト噴射ヘッド部100Bの底面25(具体的には反応材料噴射用ノズル部N3Bの底面)に付着しても、当該液滴が毛細管現象によって溝部321B及び322B内あるいは溝部331B及び332B内に吸収される。このため、基板23に上記液滴が落下する液ダレ現象を効果的に防止することができ、基板23に精度良く膜を成膜することができる。
さらに、溝部321B及び322B並びに溝部331B及び332Bに加え、一対の溝部35を設けているため、一対の溝部35によってミスト噴射ヘッド部100Bの底面25のY方向の端部に付着した液滴を吸収することができ、反応材料の液ダレ現象防止効果の向上を図ることができる。
成膜処理時に基板23の温度が原料溶液の沸点以下の場合、液滴が蒸発しないため、原料溶液の液滴がミスト噴射ヘッド部の底面に付着する傾向が強い。実施の形態2の成膜装置は、このような場合においても原料溶液の液滴が落下する液ダレ現象を効果的に防止することができ、基板23に精度良く膜を成膜することができる。
同様に、成膜処理時に基板23の温度が反応材料(第1及び第2の反応材料)の沸点以下で液滴が蒸発しない場合においても、実施の形態2の成膜装置は、反応材料の液滴が落下する液ダレ現象を効果的に防止することができ、基板23に精度良く膜を成膜することができる。
実施の形態2の成膜装置において、溝部311B及び312B(原料溶液用溝部)、溝部321B及び322B並びに溝部331B及び332B(原料溶液用溝部)の短手方向であるX方向の形成幅はそれぞれ、0.1(mm)以上、5.0(mm)以下の範囲に設定される。
溝部311B及び312B、溝部321B及び322B並びに溝部331B及び332Bの形成幅はそれぞれ十分に短い0.1(mm)〜5.0(mm)に設定されることにより、成膜処理時に原料溶液や反応材料の液滴がミスト噴射ヘッド部の底面に付着しても、確実に毛細管現象によって原料溶液用溝部内あるいは反応材料用溝部内に吸収することができる。
また、溝部311B及び312B(少なくとも2つの原料溶液用溝部)はそれぞれ、原料溶液噴出口15Bと同様、Y方向(第1の水平方向)を長手方向、Y方向に直交するX方向(第2の水平方向)を短手方向とした矩形状の開口部を有し、原料溶液供給部1を基準としてX方向(第2の水平方向)に沿って両側に設けられている。
したがって、開口部が矩形状の原料溶液噴出口15Bから噴出される原料溶液の液滴を、原料溶液噴出口15Bを基準としてX方向に沿って両側に設けられた、開口部が矩形状の溝部311B及び312Bによって精度良く吸収することができる。
さらに、溝部321B及び322B(少なくとも2つの(第1の)反応材料用溝部)はそれぞれ、反応材料噴出口16Bと同様、Y方向を長手方向、X方向を短手方向とした矩形状の開口部を有し、反応材料噴出口16Bを基準としてX方向に沿って両側に設けられている。
同様に、溝部331B及び332B(少なくとも2つの(第2の)反応材料用溝部)はそれぞれ、反応材料噴出口17Bと同様、Y方向を長手方向、X方向を短手方向とした矩形状の開口部を有し、反応材料噴出口17Bを基準としてX方向に沿って両側に設けられている。
したがって、開口部が矩形状の反応材料噴出口16B(17B)から噴出される第1(第2)の反応材料の液滴を、反応材料噴出口16B(17B)を基準としてX方向に沿って両側に設けられた、開口部が矩形状の溝部321B及び322B(331B及び332B)によって精度良く吸収することができる。
(他の効果)
実施の形態2のミスト噴射ヘッド部100Bにおいて、原料溶液噴射用ノズル部N1Bは、ミスト化された原料溶液及び第1の反応材料(反応材料供給部2Bより供給される反応材料)を反応材料噴射用ノズル部N3Bに排出可能な原料溶液排出部41B及び42Bを有している。
一方、反応材料噴射用ノズル部N3Bは、不活性ガス噴出口193B及び192B(第1及び第2の不活性ガス噴出口)よりそれぞれ不活性ガスを噴出し、反応材料噴出口17B(第2の反応材料噴出口)より第2の反応材料(反応材料供給部3Bより供給される反応材料)を噴出する。
さらに、反応材料噴射用ノズル部N3Bは、原料溶液噴射用ノズル部N1Bの原料溶液排出部41B及び反応材料排出部42Bより排出される原料溶液及び上記第1の反応材料を原料溶液噴出口15B及び反応材料噴出口16B(第1の前記反応材料噴出口)に導く通路61B及び62B(第1及び第2の内部通路)を内部に有している。
上記構成の実施の形態2のミスト噴射ヘッド部100Bは、原料溶液噴射用ノズル部N1B及び反応材料噴射用ノズル部N3Bの組み合わせ構成により、不活性ガス噴出口193B及び192Bは、原料溶液噴出口15Bと反応材料噴出口16B及び17Bとの間に設けられることを特徴としている。
このため、実施の形態2の成膜装置において、実施の形態1と同様、ミスト噴射ヘッド部100Bの底面25への反応生成物の付着を低減することができる。
さらに、実施の形態2の成膜装置では、不活性ガス供給部51、52B及び53Bそれぞれの開口面積を、不活性ガス噴出口191、192B及び193Bそれぞれの開口面積以上、すなわち、不活性ガス噴出口191、192B及び193Bそれぞれの開口面積を不活性ガス供給部51、52B及び53Bそれぞれの開口面積以下に設定することにより、不活性ガス噴出口191、192B及び193Bと不活性ガス供給部51、52B及び53Bとの間に圧力差を設定することができ、成膜時に不活性ガスを基板23上面上に均一に広げることができる効果を奏する。
加えて、実施の形態2の成膜装置において、不活性ガス噴出口191、192B及び193Bにより不活性ガスを噴出している流量を、原料溶液噴出口15Bにより原料溶液を噴出している流量及び反応材料噴出口16B及び17Bにより反応材料を噴出している流量それぞれ以下に設定している。
このため、実施の形態2の成膜装置は、不活性ガスの噴出によって、原料溶液と反応材料との反応を阻害する現象を抑制することができる。
さらに、実施の形態2の成膜装置は、実施の形態1の成膜装置と同様な効果を奏するとともに、以下の効果を奏する。
実施の形態2に係るミスト噴射ヘッド部100Bは、1つの原料溶液噴射用ノズル部N1Bにおいて、二つの空洞部11,12Bを設け、一つの反応材料噴射用ノズル部N3Bから、2種類の反応材料及び2つの不活性ガスを基板23に向けて噴射させている。
したがって、2種類の反応材料を噴射させる場合に、実施の形態1で説明したように、ミスト噴射ヘッド部100Bに二つの反応材料噴射用ノズル部N2,N3を設ける必要がなくなる。つまり、本実施の形態に係るミスト噴射ヘッド部100Bでは、省スペース化が可能となる。
さらに、実施の形態2に係るミスト噴射ヘッド部100Bは、一つの反応材料噴射用ノズル部N3B内に不活性ガス噴射部82B及び83Bを設けているため、実施の形態1のミスト噴射ヘッド部100のように不活性ガス噴射部82及び83を独立して設ける必要がなくなる分、ミスト噴射ヘッド部100Bでは、省スペース化が可能となる。
加えて、ミスト噴射ヘッド部100Bは、実施の形態1と同様、吹き抜け部58を基板23側から塞ぐベースプレート部20Bを有している。したがって、排気用ノズル部N4を他のノズル部N1B及びN3Bから離して配置させたとしても、反応空間から吹き抜け部58へと、原料溶液等が流れることを防止できる。また、ミスト噴射ヘッド部100Bにおける、排気用ノズル部N4並びに他のノズル部N1B及びN3Bの組み立てが容易となる。
<その他>
なお、上述した実施の形態1及び実施の形態2では、反応材料噴出口16及び17(16B及び17B)から第1及び第2の反応材料を基板23に噴出する構成を示したが、単一の反応材料噴出口から単一の反応材料を噴出させる構成であっても良い。この場合、原料溶液噴出口15(15B)と単一の反応材料噴出口との間に単一の不活性ガス噴出口(不活性ガス噴出口192及び193(192B及び193B)に相当する不活性ガス噴出口)を設ければ、原料溶液噴出口15(15B)及び単一の反応材料噴出口それぞれの目詰まりを確実に回避することができる効果を発揮することができる。
また、上述した実施の形態1及び実施の形態2では、載置部24が加熱処理を有さない態様を示したが、載置部24に加熱機能を設け、成膜処理時に載置部24の加熱機能による基板23の加熱処理を併せて実行するようにすることもできる。
また、上述した実施の形態1及び実施の形態2では、第1及び第2の反応材料は主として液体の場合を示したが気体であっても良い。この場合、反応材料噴射用ノズル部N2及びN3並びに反応材料噴射用ノズル部N3Bの底面に第1及び第2の反応材料の液滴が付着することがないため、実施の形態1の溝部321〜323、溝部331〜333、実施の形態2の溝部321B及び322B並びに溝部331B及び332Bを省略しても良い。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。