JP6468995B2 - 圧力スイング吸着法によるガス分離方法及び設備 - Google Patents

圧力スイング吸着法によるガス分離方法及び設備 Download PDF

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Description

本発明は、圧力スイング吸着法により原料ガス(混合ガス)から特定ガス成分を分離回収する(例えば、製鉄所副生ガスから二酸化炭素ガスを分離回収する)ためのガス分離方法及びガス分離設備に関するものである。
従来、原料ガス(混合ガス)に含まれる特定のガス成分を分離回収する方法として、圧力スイング吸着法(以下、PSA法という)が広く用いられている(例えば、特許文献1)。PSA法は、吸着剤に対するガス成分の吸着量が、ガス種及びその分圧によって異なることを利用した分離方法であり、吸着剤に特定ガス成分を吸着させる工程(吸着工程)、吸着剤への特定ガス成分の吸着率を高める工程(洗浄工程)、及び吸着した特定ガス成分を吸着剤から脱着させてガスを回収する工程(脱着工程)を含む。このPSA法は種々の分野に適用されているが、原料ガスに含まれる一成分を吸着させることにより、高濃度のガスを製造する方法として利用されることが多い。例えば、ボイラー排ガスや燃焼排ガスなどを原料ガスとして、PSA法により化学原料やドライアイス用の二酸化炭素ガスが製造されている。
図10は、PSA法により原料ガスから二酸化炭素ガス(CO)を分離回収する従来設備を示している。このPSA設備30は3塔の吸着塔41〜43を備えており、これら吸着塔41〜43には吸着剤(例えば、ゼオライトなど)が充填されている。ここでは、吸着塔41が吸着工程、吸着塔42が洗浄工程、吸着塔43が脱着工程をそれぞれ行っているものとして、原料ガス(例えば、高炉ガス)からCOを分離回収する方法について説明する。なお、図中のV〜V12はガス配管に設けられた開閉バルブであり、白抜きのバルブは開状態を、黒塗りのバルブは閉状態をそれぞれ示している。
吸着工程が行われている吸着塔41では、バルブV,Vが開放され、ブロワー45により原料ガス導入管44を通じて原料ガスCが導入される。この原料ガスCは、吸着塔41内の吸着剤にCOが吸着され、そのオフガスCがオフガス排気管47により排出される。この段階では、吸着塔41内でCOは濃縮されるものの、一般的には十分な濃度は得られていない。脱着工程が行われている吸着塔43では、バルブV11が開放され、吸着されているCOを吸着剤から脱着させ、濃縮されたCO(ガスC)が真空ポンプ46により排出される。この高濃度CO(ガスC)の一部は、回収ガスCとして回収ガス排気管48により排出され、残りは、洗浄ガス供給管49により洗浄ガスCとして洗浄工程にある吸着塔42に導入される。洗浄工程にある吸着塔42では、バルブV,Vが開放され、洗浄ガスCが塔内に導入されて、吸着塔内の不要なガス成分がオフガスCとしてオフガス排気管47から排出される。この洗浄工程により、少量残留しているCO以外のガス成分が、吸着剤から脱離されて吸着搭42から排出され、これにより、吸着塔42内には高濃度のCOが残留することになる。上記の吸着工程、洗浄工程及び脱着工程を各吸着塔が順次行うことにより、原料ガスCから高濃度のCOを回収ガスCとして連続的に分離回収することができる。
特開2012−250215号公報
PSA法ではガス分離に要する電力が大きいため、ガス分離コストの削減には、PSAにおける電力消費量の削減が必要である。特に製鉄所副生ガスからCOを分離回収する場合、製鉄所副生ガスはCO濃度が低い(例えば、高炉ガスでは22vol%程度)ためCO分離に要する電力消費が大きい。しかしながら、図10に示すような従来の吸着塔を用いたPSA設備では、ガス流通方法に制約があるため電力消費量の削減が難しい。
すなわち、高炉ガスのような多成分混合ガスを原料ガスとする場合、吸着剤充填層にガスを流通する過程でガス組成が変化するため吸着剤へのガス吸着状態は一様にはならない。特に吸着剤充填層の上部領域は、下部領域を流通した後のCOが少ないオフガスが流通するため、CO吸着量が低下する。また、吸着剤充填層の下部領域においてCOが吸着されることにより、オフガス中のCO以外のガス成分(N、CO等)の分圧が増加するので、上部領域においてCO以外のガス成分の吸着量が増加し、当該領域での回収CO純度が低下する。このように従来の吸着塔では、ガスが吸着剤充填層を流通する上での本質的な制約から、不可避的に吸着剤充填層内でCO吸着量や回収CO純度に分布を生じ、このため、少ない電力消費量で効率的なガス分離回収を行うことが難しい。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、圧力スイング吸着法によるガス分離において、目的ガス成分の分離回収量を高めることができるガス分離方法及び設備を提供することにある。また、本発明のさらなる目的は、圧力スイング吸着法によるガス分離を少ない電力消費量で効率的に行うことができるガス分離方法及び設備を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]圧力スイング吸着法により原料ガスから特定ガス成分を分離回収するためのガス分離設備において、塔下端のガス入口部(1)と塔上端のガス出口部(2)との間に、複数の吸着剤充填層(3)を吸着剤が充填されない空間部(4)を介在させて直列状に設けるとともに、空間部(4)からガスを導入又は排出するガス出入口(5)を設けた吸着塔(A)と、該吸着塔(A)のガス入口部(1)とガス出口部(2)とガス出入口(5)に通じるガス流路(B)を備え、該ガス流路(B)に設けられる複数の開閉弁(6)による流路の切り替えにより、1つ以上の吸着剤充填層(3)をバイパスして吸着塔(A)内にガスを流通させ得るようにしたことを特徴とする圧力スイング吸着法によるガス分離設備。
[2]上記[1]のガス分離設備において、ガス流路(B)が、ガス入口部(1)に接続されたガス配管(7)と、ガス出口部(2)に接続されたガス配管(8)と、一端がガス配管(7)の途中に接続(11)され、他端がガス配管(8)の途中に接続(12)されたガス配管(9)と、一端がガス出入口(5)に接続され、他端がガス配管(9)の途中に接続(13)されたガス配管(10)を有することを特徴とする圧力スイング吸着法によるガス分離設備。
[3]圧力スイング吸着法により原料ガスから特定ガス成分を分離回収するためのガス分離方法において、上記[1]又は[2]のガス分離設備を用い、原料ガス又は洗浄ガスを1つ以上の吸着剤充填層(3)をバイパスして吸着塔(A)内に流通させることを特徴とする圧力スイング吸着法によるガス分離方法。
[4]上記[3]のガス分離方法において、原料ガス又は洗浄ガスを吸着塔(A)内に流通させる1つの工程中、一部の時間帯でのみ、1つ以上の吸着剤充填層(3)をバイパスして吸着塔(A)内に原料ガス又は洗浄ガスを流通させることを特徴とする圧力スイング吸着法によるガス分離方法。
[5]上記[3]又は[4]のガス分離方法において、原料ガス又は洗浄ガスを吸着塔(A)内に流通させる1つの工程中、原料ガス又は洗浄ガスをバイパスさせる吸着剤充填層(3)を変更することを特徴とする圧力スイング吸着法によるガス分離方法。
[6]上記[5]のガス分離方法において、当該工程が終了するまでに、吸着塔(A)内の全部の吸着剤充填層(3)に対する原料ガス又は洗浄ガスの流通がなされることを特徴とする圧力スイング吸着法によるガス分離方法。
本発明によれば、吸着塔(A)内に複数の吸着剤充填層(3)が多段に設けられ、原料ガス又は洗浄ガスを1つ以上の任意の吸着剤充填層(3)をバイパスして吸着塔(A)内に流通させることができるため、1つの工程中で、原料ガス又は洗浄ガスを流通させる吸着剤充填層(3)を適宜選択・変更することにより、吸着塔(A)内の吸着剤充填層全体においてガス吸着量や回収ガス純度に分布が生じることが防止できる。このため、圧力スイング吸着法によるガス分離を効率的に行うことができ、目的ガス成分の回収量を高めることができる。
さらに、圧力スイング吸着法によるガス分離を少ない電力消費量で効率的に行うことができ、特に、本発明法を洗浄工程に適用した場合にその効果が大きい。これにより、例えば、製鉄所副生ガス中の二酸化炭素ガスの分離回収において、二酸化炭素ガス回収量の増加及び回収に要する電力消費量の低減化が可能となる。
本発明のガス分離設備の一実施形態を示す説明図 本発明のガス分離設備の他の実施形態を示す説明図 本発明のガス分離設備の他の実施形態を示す説明図 図1のガス分離設備を用いた本発明法の一実施形態を示す説明図 図1のガス分離設備を用いた本発明法の他の実施形態を示す説明図 図2のガス分離設備を用いた本発明法の一実施形態を示す説明図 図1のガス分離設備を用いた本発明法の他の実施形態を示す説明図 図1のガス分離設備を用いた本発明法の他の実施形態を示す説明図 実施例において、洗浄工程でのオフガスのCO濃度を測定した結果を示すグラフ 従来の圧力スイング吸着法によるガス分離設備の一例を示す説明図
本発明のガス分離設備は、圧力スイング吸着法により原料ガス(混合ガス)から特定ガス成分(目的ガス成分)を分離回収するためのガス分離設備である。
図1は、本発明のガス分離設備の一実施形態を示すものであり、ガス分離設備は吸着塔Aと、この吸着塔Aのガス導入・排出を行うガス流路Bを備えている。通常、吸着塔Aは複数基(一般に3基以上)設けられ、これら複数の吸着塔Aで吸着工程、洗浄工程、脱着工程が順次行われるとともに、常にいずれかの吸着塔Aで上記各工程が行われるようにしている。
吸着塔Aの下端にはガス入口部1が、上端にはガス出口部2がそれぞれ設けられ、これらガス入口部1とガス出口部2との間には、複数の吸着剤充填層3が、吸着剤が充填されない空間部4を間に介在させて直列状(多段式)に設けられている。この実施形態では、2つの吸着剤充填層3,3が設けられている。吸着剤充填層3,3間には、空間部4からガスを導入又は排出するガス出入口5が設けられている。
なお、各吸着剤充填層3は、例えば、網状部材などのような通気性を有する仕切壁(図示せず)間に吸着剤が充填されたものであり、仕切壁を通じて吸着剤の充填層にガスが流通する。
ガス流路Bを構成するガス配管は、吸着塔Aのガス入口部1とガス出口部2とガス出入口5に接続され、ガス流路Bはこれらガスの出入口と通じている。ガス流路Bの要所(複数箇所)には開閉弁6が設けられ、これら開閉弁6による流路の切り替えにより、1つ以上の任意の吸着剤充填層3(本実施形態では吸着剤充填層3、吸着剤充填層3のいずれか)をバイパスして吸着塔A内にガスを流通させ得るようにしている。
具体的には、ガス流路Bは、ガス入口部1に接続されたガス配管7と、ガス出口部2に接続されたガス配管8と、一端がガス配管7の途中に接続11され、他端がガス配管8の途中に接続12されたガス配管9と、一端がガス出入口5に接続され、他端がガス配管9の途中に接続13されたガス配管10で構成されている。そして、ガス配管7のうちガス入口部1と接続部11間の配管部分70に開閉弁6が、ガス配管8のうちガス出口部2と接続部12間の配管部分80に開閉弁6が、ガス配管9のうち接続部11と接続部13間の配管部分90に開閉弁6が、ガス配管9のうち接続部12と接続部13間の配管部分91に開閉弁6が、それぞれ設けられている。
このような構成によれば、開閉弁6〜6の開閉による流路の切り替えにより、吸着剤充填層3又は吸着剤充填層3をバイパスして吸着塔A内にガスを流通させることができる。
なお、図示しないが、図10のガス流路と同様に、ガス配管7は複数の分岐管に分岐し、その分岐管の1つは原料ガスの供給系に通じている。また、その他の分岐管は、他の吸着塔Aのガス配管に通じ、他の吸着塔Aで脱着された脱着ガスを洗浄ガスとして供給できるようにしている。この構成は、図2、図3の実施形態でも同様である。
吸着塔A内に設けられる吸着剤充填層3の層数に特別な制限はないが、層数が多いと開閉弁の配置や配管レイアウトなど設計上の制約も多くなるため、2〜4程度が適当である。
図2は、本発明のガス分離設備において4層の吸着剤充填層3を設けた実施形態を示すものである。
吸着塔Aのガス入口部1とガス出口部2との間には、4層の吸着剤充填層3〜3が、吸着剤が充填されない空間部4〜4を間に介在させて直列状(多段式)に設けられている。隣接する吸着剤充填層3間には、それぞれの空間部4〜4からガスを導入又は排出するガス出入口5〜5が設けられている。
本実施形態でも、ガス流路Bを構成するガス配管は、吸着塔Aのガス入口部1とガス出口部2とガス出入口5〜5に接続され、ガス流路Bはこれらガスの出入口と通じている。ガス流路Bの要所(複数箇所)には開閉弁6が設けられ、これら開閉弁6による流路の切り替えにより、1つ以上の任意の吸着剤充填層3(例えば、吸着剤充填層3〜3のいずれか、或いは吸着剤充填層3+3、吸着剤充填層3+3+3、吸着剤充填層3+3など)をバイパスして吸着塔A内にガスを流通させ得るようにしている。
ガス流路Bを構成するガス配管は、ガス入口部1に接続されたガス配管7、ガス出口部2に接続されたガス配管8、一端がガス配管7の途中に接続11され、他端がガス配管8の途中に接続12されたガス配管9については、図1の実施形態と同様である。本実施形態のガス流路Bは、さらに、一端がガス出入口5に接続され、他端がガス配管9の途中に接続14されたガス配管10と、一端がガス出入口5に接続され、他端がガス配管9の途中に接続15されたガス配管10と、一端がガス出入口5に接続され、他端がガス配管9の途中に接続16されたガス配管10を有している。そして、ガス配管7のうちガス入口部1と接続部11間の配管部分70に開閉弁6が、ガス配管8のうちガス出口部2と接続部12間の配管部分80に開閉弁6が、ガス配管9のうち接続部11と接続部14間の配管部分92に開閉弁6が、ガス配管9のうち接続部14と接続部15間の配管部分93に開閉弁6が、ガス配管9のうち接続部15と接続部16間の配管部分94に開閉弁6が、ガス配管9のうち接続部16と接続部12間の配管部分95に開閉弁6が、ガス配管10に開閉弁6が、ガス配管10に開閉弁6が、ガス配管10に開閉弁6が、それぞれ設けられている。
このような構成によれば、開閉弁6〜6の開閉による流路の切り替えにより、1つ以上の吸着剤充填層3をバイパスして吸着塔A内にガスを流通させることができる。
図3は、本発明のガス分離設備において3層の吸着剤充填層3を設けた実施形態を示すものである。
吸着塔Aのガス入口部1とガス出口部2との間には、3層の吸着剤充填層3〜3が、吸着剤が充填されない空間部4,4を間に介在させて直列状(多段式)に設けられている。隣接する吸着剤充填層3間には、それぞれの空間部4,4からガスを導入又は排出するガス出入口5,5が設けられている。
本実施形態でも、ガス流路Bを構成するガス配管は、吸着塔Aのガス入口部1とガス出口部2とガス出入口5,5に接続され、ガス流路Bはこれらガスの出入口と通じている。ガス流路Bの要所(複数箇所)には開閉弁6が設けられ、これら開閉弁6による流路の切り替えにより、1つ以上の任意の吸着剤充填層3(例えば、吸着剤充填層3〜3のいずれか、或いは吸着剤充填層3+3、吸着剤充填層3+3)をバイパスして吸着塔A内にガスを流通させ得るようにしている。
ガス流路Bを構成するガス配管は、ガス入口部1に接続されたガス配管7、ガス出口部2に接続されたガス配管8、一端がガス配管7の途中に接続11され、他端がガス配管8の途中に接続12されたガス配管9については、図1の実施形態と同様である。本実施形態のガス流路Bは、さらに、一端がガス出入口5に接続され、他端がガス配管9の途中に接続17されたガス配管10と、一端がガス出入口5に接続され、他端がガス配管9の途中に接続18されたガス配管10を有している。そして、ガス配管7のうちガス入口部1と接続部11間の配管部分70に開閉弁6が、ガス配管8のうちガス出口部2と接続部12間の配管部分80に開閉弁6が、ガス配管9のうち接続部11と接続部17間の配管部分96に開閉弁6が、ガス配管9のうち接続部17と接続部18間の配管部分97に開閉弁6が、ガス配管9のうち接続部18と接続部12間の配管部分98に開閉弁6が、ガス配管10に開閉弁6が、ガス配管10に開閉弁6が、それぞれ設けられている。
このような構成によれば、開閉弁6〜6の開閉による流路の切り替えにより、1つ以上の任意の吸着剤充填層3をバイパスして吸着塔A内にガスを流通させることができる。
次に、本発明のガス分離方法について説明する。
本発明のガス分離方法は、圧力スイング吸着法により原料ガスから特定ガス成分(目的ガス成分)を分離回収するためのガス分離方法であり、上述したようなガス分離設備を用い、原料ガス又は洗浄ガスを1つ以上の吸着剤充填層3をバイパスして吸着塔A内に流通させるものである。以下、原料ガスからCOを分離回収する場合を例に説明する。なお、便宜上、図4〜図8においては開閉弁6を含むガス流路Bの大部分の図示を省略してある。
図4及び図5は、それぞれ図1のガス分離設備を用いた本発明法の実施形態を示すものであり、破線が流通するガスの経路を示している。
図4の実施形態では、図1の開閉弁6、開閉弁6を閉、開閉弁6、開閉弁6を開にして、ガス(原料ガス又は洗浄ガス)を下段の吸着剤充填層3aをバイパスして上段の吸着剤充填層3にのみ流通させている。
また、図5の実施形態では、図1の開閉弁6、開閉弁6を閉、開閉弁6、開閉弁6を開にして、ガス(原料ガス又は洗浄ガス)を上段の吸着剤充填層3bをバイパスして下段の吸着剤充填層3にのみ流通させている。
また、図6は、図2のガス分離設備を用いた本発明法の実施形態を示すものであり、この場合は、実線と破線がそれぞれ別々の実施形態で流通するガスの経路を示している。
実線の実施形態では、図2の開閉弁6、開閉弁6、開閉弁6、開閉弁6、開閉弁6を閉、開閉弁6、開閉弁6、開閉弁6、開閉弁6を開にして、ガス(原料ガス又は洗浄ガス)を上側2段の吸着剤充填層3,3をバイパスして下側2段の吸着剤充填層3,3にのみ流通させている。
また、破線の実施形態では、図2の開閉弁6、開閉弁6、開閉弁6、開閉弁6を閉、開閉弁6、開閉弁6、開閉弁6、開閉弁6、開閉弁6を開にして、ガス(原料ガス又は洗浄ガス)を最上段以外の吸着剤充填層3〜3をバイパスして最上段の吸着剤充填層3にのみ流通させている。
本発明法で吸着塔A内に流通させるガスは、吸着工程での原料ガス(特定ガス成分を吸着分離すべき原料ガス)又は洗浄工程での洗浄ガス(他の吸着塔の脱着工程で脱着された脱着ガスの一部)である。
さきに述べたように、高炉ガスのような多成分混合ガスを原料ガスとする場合、吸着剤充填層にガスを流通する過程でガス組成が変化するため吸着剤へのガス吸着状態は一様にはならない。単一の吸着剤充填層を備える従来の吸着塔では、特に吸着剤充填層の上部領域は、下部領域を流通した後のCOが少ないオフガスが流通するため、CO吸着量が低下する。また、吸着剤充填層の下部領域においてCOが吸着されることにより、オフガス中のCO以外のガス成分(N、CO等)の分圧が増加するので、上部領域においてCO以外のガス成分の吸着量が増加し、当該領域での回収CO純度が低下する。このように従来の吸着塔では、ガスが吸着剤充填層を流通する上での本質的な制約から、不可避的に吸着剤充填層内でCO吸着量や回収CO純度に分布を生じ、このため、少ない電力消費量で効率的なガス分離回収を行うことが難しい。
これに対して、本発明によれば、例えば下記の(i)、(ii)のような方法を採ることができ、上記のような従来技術の問題を解消することができる。
(i)原料ガス又は洗浄ガスを吸着塔A内に流通させる1つの工程中、一部の時間帯でのみ、1つ以上の吸着剤充填層3をバイパスして吸着塔A内に原料ガス又は洗浄ガスを流通させ、その他の時間帯では吸着塔A内の全部の吸着剤充填層3に原料ガス又は洗浄ガスを流通させる。吸着剤充填層3に原料ガス又は洗浄ガスを流通させると、ガス中のCOが吸着剤に吸着されるが、ガス流通時間が長くなるとCO吸着量が平衡吸着量に近くなり、ガス中のCOが吸着剤に吸着されなくなる。そのような状況で吸着剤充填層3にガスを流通させても、不要な圧力損失を発生させるだけであり、CO吸着量増加には寄与しない。そこで、ガス流通経路を時間に応じて変更することで、ガス流通を促進し、より効率良く吸着剤にCOを吸着させることができる。また、従来の吸着塔ではCO吸着量が少なかった吸着塔上部領域にも、CO濃度の高い原料ガスをそのまま導入することができるので、吸着塔上部領域により多くのCOを吸着させることができる。
(ii)原料ガス又は洗浄ガスを吸着塔A内に流通させる1つの工程中、原料ガス又は洗浄ガスをバイパスさせる吸着剤充填層3を変更する。この場合、当該工程が終了するまでに、吸着塔A内の全部の吸着剤充填層3に対する原料ガス又は洗浄ガスの流通がなされるようにすることができる。この(ii)の方法を採る理由も、上記(i)の方法の理由と基本的に同じである。
なお、上記(i)、(ii)の方法は、組み合わせて実施することも可能である。すなわち、上記(i)において、1つ以上の吸着剤充填層3をバイパスして吸着塔A内に原料ガス又は洗浄ガスを流通させる場合、その間に、原料ガス又は洗浄ガスをバイパスさせる吸着剤充填層3を変更することができる。
図7は、図1のガス分離設備を用いた上記(i)の方法の一実施形態を示すものであり、実線、破線はそれぞれある時間帯に流通するガスの経路を示している。この実施形態では、同一ガスを吸着塔A内に流通させる1つの工程(吸着工程又は洗浄工程)において、例えば、工程時間100秒のうち50秒では実線のように吸着塔A内の全部の吸着剤充填層3(吸着剤充填層3,3)にガスを流通させ、残りの50秒では破線のように下段の吸着剤充填層3をバイパスして上段の吸着剤充填層3にのみガスを流通させる。
上述したように、単一の吸着剤充填層を備える従来の吸着塔では、上部側の吸着剤充填層は、下部側の吸着剤充填層に較べてCO吸着量が低下し、回収CO純度も低下するが、図7の方法では、工程の一部の時間帯で、破線のように下段の吸着剤充填層3をバイパスして上段の吸着剤充填層3にのみガスを流通させるので、上段の吸着剤充填層3のCO吸着量や回収CO純度が下段の吸着剤充填層3よりも低くなるのを防止して、吸着塔内のCO吸着量分布をより均一化することができる。
なお、図2のガス分離設備を用いた上記(i)の方法では、例えば、最初は吸着塔A内の全部の吸着剤充填層3にガスを流通させ、途中から下段側の吸着剤充填層3,3をバイパスして上段側の吸着剤充填層3,3にのみガスを流通させる。或いは、最初は吸着塔A内の全部の吸着剤充填層3にガスを流通させ、途中から下段側の吸着剤充填層をバイパスして上段側の吸着剤充填層にガスを流通させるが、その際、ガスをバイパスさせる吸着剤充填層の数を下段側から順に増やしていく。すなわち、まず、吸着剤充填層3をバイパスして吸着剤充填層3,3,3にのみガスを流通させ、次いで、吸着剤充填層3,3をバイパスして吸着剤充填層3,3にのみガスを流通させ、次いで、吸着剤充填層3,3,3をバイパスして吸着剤充填層3にのみガスを流通させる。
また、図3のガス分離設備を用いた上記(i)の方法では、例えば、最初は吸着塔A内の全部の吸着剤充填層3にガスを流通させ、途中から下段の吸着剤充填層3をバイパスして中段・上段の吸着剤充填層3,3にのみガスを流通させ、次いで、下段・中段の吸着剤充填層3,3をバイパスして上段の吸着剤充填層3にのみガスを流通させる。
図8は、図1のガス分離設備を用いた上記(ii)の方法の一実施形態を示すものであり、実線、破線はそれぞれある時間帯に流通するガスの経路を示している。この実施形態では、同一ガスを吸着塔A内に流通させる1つの工程(吸着工程又は洗浄工程)において、例えば、工程時間100秒のうち50秒では実線のように上段の吸着剤充填層3をバイパスして下段の吸着剤充填層3にのみガスを流通させ、残りの50秒では破線のように下段の吸着剤充填層3をバイパスして上段の吸着剤充填層3にのみガスを流通させる。このように各吸着剤充填層毎にガスを流通させることにより、不純物濃度が高いオフガスによって吸着塔上部領域で吸着されるCO純度が低下するのを防止することができる。すなわち、この方法は、洗浄工程において洗浄オフガス(不純物濃度が高いガス)による吸着塔上部領域の汚染を防止するのに特に有効な方法である。
なお、図2のガス分離設備を用いた上記(ii)の方法では、例えば、吸着剤充填層3〜3に対して1つずつ順にガスを流通させる(他の3つの吸着剤充填層3はバイパスさせる)ようにしてもよいし、或いは、最初は吸着剤充填層3,3をバイパスして吸着剤充填層3,3にのみガスを流通させ、次いで、吸着剤充填層3,3をバイパスして吸着剤充填層3,3にのみガスを流通させ、次いで、吸着剤充填層3,3をバイパスして吸着剤充填層3,3にのみガスを流通させ、最後に、吸着剤充填層3,3,3をバイパスして吸着剤充填層3にのみガスを流通させるようにしてもよい。
また、図3のガス分離設備を用いた上記(ii)の方法では、例えば、吸着剤充填層3〜3に対して1つずつ順にガスを流通させる(他の2つの吸着剤充填層3はバイパスさせる)ようにしてもよいし、或いは、最初は吸着剤充填層3をバイパスして吸着剤充填層3,3にのみガスを流通させ、次いで、吸着剤充填層3をバイパスして吸着剤充填層3,3にのみガスを流通させ、最後に、吸着剤充填層3,3をバイパスして吸着剤充填層3にのみガスを流通させるようにしてもよい。
したがって、上記(i)又は/及び(ii)の方法を採ることにより、吸着剤充填層全体においてCO吸着量や回収CO純度に分布が生じることが防止され、圧力スイング吸着法によるガス分離を少ない電力消費量で効率的に行うことができる。このため、CO回収量の増加及び回収に要する電力消費量の低減化を図ることができる。
なお、図7、図8における実線、破線のガス経路の切り替えのタイミングは、例えば、赤外線連続ガス分析計等で分析されるオフガス組成(不純物濃度)に基づいて決定する。また、上述したような図2、図3のガス分離設備を用いて上記(i)、(ii)の方法を採る場合も同様である。
ここで、上記(i)、(ii)の方法で一部の吸着剤充填層をバイパスさせてガスを流通させる場合、吸着工程では下段側の吸着剤充填層をバイパスさせ、洗浄工程では上段側の吸着剤充填層をバイパスさせる運転が特に効果的である。
なお、本発明法が最も効果があるのは洗浄工程でバイパス運転(一部の吸着剤充填層をバイパスさせてガスを流通させる運転)を行った場合であり、特に電力消費量を低減する上で効果がある。したがって、発明の効果の点からは、洗浄工程でバイパス運転をするか、吸着工程と洗浄工程の両方でバイパス運転をすることがより好ましい。
本発明は種々の原料ガスから特定ガス成分(目的ガス成分)を分離回収するために用いることができるが、特に、製鉄所副生ガス(高炉ガスなど)中の二酸化炭素ガスの分離回収設備及び分離回収方法として有用であり、二酸化炭素ガス回収量の増加及び回収に要する電力消費量の低減化を可能とするものである。
図1に示すような構成を有するPSA試験装置(3塔の吸着塔Aを備えた装置)により、原料ガスである高炉ガスからCOを分離回収する実証試験を行った。吸着塔Aは、上下2段の吸着剤充填層3,3を備え、内径φ600mm、吸着剤充填層厚さ655mm(×2段)とした。吸着剤としては、CO吸着剤である13Xゼオライトを240kg/塔を用いた。
試験条件は、吸着圧50kPaG、脱着圧−95kPaG、サイクルタイム300秒、回収CO濃度90vol%で一定とし、ガスの流通形態を表1の条件とした試験を実施して回収CO量及び真空ポンプ電力原単位の評価を行った。その結果を表1に示す。なお、吸着工程、洗浄工程、脱着工程の実施時間は各100秒としたが、表1及び以下の記載では、全工程の通しの実施時間(0〜300秒)中での時間で示してある。
発明例1では、吸着工程(0〜100秒)において、最初は原料ガスを下段・上段の吸着剤充填層3,3に流通させ、開始70秒後、図4に示すように下段の吸着剤充填層3をバイパスさせて上段の吸着剤充填層3にのみ原料ガスを流通させた。
発明例2では、発明例1と同様に、吸着工程(0〜100秒)において、最初は原料ガスを下段・上段の吸着剤充填層3,3に流通させ、開始70秒後、図4に示すように下段の吸着剤充填層3をバイパスさせて上段の吸着剤充填層3にのみ原料ガスを流通させた。さらに、洗浄工程(100〜200秒)において、最初から図5に示すように上段の吸着剤充填層3をバイパスさせて下段の吸着剤充填層3にのみ原料ガスを流通させた。
なお、比較例は、いずれの工程でも吸着剤充填層3又は吸着剤充填層3に対するガスのバイパスを行わないものであるから、単一の吸着剤充填層を備える従来の吸着塔を使用した場合に相当する。
表1によれば、発明例1,2は比較例に較べてCO回収量が増加している。また、発明例の中でも洗浄工程で上段の吸着剤充填層をバイパスさせた発明例2は、比較例に較べて真空ポンプ電力原単位が低減している。
Figure 0006468995
また、図9は、比較例と発明例2の洗浄工程(脱着ガスを再利用してCO高純度化を行う工程)でのオフガスのCO濃度を、赤外線連続ガス分析計を用いて測定した結果を示している。COは、CO回収時の不純物成分である。図9によれば、発明例2は、比較例に較べて不純物であるCOの除去効率が高いことが判る。比較例では、下段の吸着剤充填層(従来の吸着塔が備えるような単一の吸着剤充填層の場合には、吸着剤充填層の下部に相当する)を流通させた洗浄オフガスを引き続き上段の吸着剤充填層(従来の吸着塔が備えるような単一の吸着剤充填層の場合には、吸着剤充填層の上部に相当する)に流通させるため、上段の吸着剤充填層にCOが再付着し、このためCO除去効率が低くなる。
A 吸着塔
B ガス流路
1 ガス入口部
2 ガス出口部
3,3,3,3,3,3,3,3,3,3 吸着剤充填層
4,4,4,4,4,4 空間部
5,5,5,5,5,5 ガス出入口
6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6 開閉弁
7,8,9,10,10,10,10,10,10 ガス配管
11,12,13,14,15,16,17,18 接続部
70,80,90,91,92,93,94,95,96,97,98 配管部分

Claims (9)

  1. 吸着塔に原料ガスを導入し、原料ガス中の特定ガス成分を吸着する吸着工程と、脱着工程が行われている他の吸着塔の脱着ガスの一部を、前記吸着工程が完了した吸着塔に洗浄ガスとして導入し、該吸着塔に吸着されている特定ガス成分以外の不要なガス成分を脱離させて排出する洗浄工程と、該洗浄工程が完了した吸着塔に吸着されている特定ガス成分を脱着させて回収する脱着工程と、を有する圧力スイング吸着法により原料ガスである製鉄所副生ガスから特定ガス成分である二酸化炭素ガスを分離回収するためのガス分離方法において、
    圧力スイング吸着法により原料ガスから特定ガス成分を分離回収するためのガス分離設備であって、塔下端のガス入口部(1)と塔上端のガス出口部(2)との間に、複数の吸着剤充填層(3)を吸着剤が充填されない空間部(4)を介在させて直列状に設けるとともに、空間部(4)からガスを導入又は排出するガス出入口(5)を設けた吸着塔(A)と、該吸着塔(A)のガス入口部(1)とガス出口部(2)とガス出入口(5)に通じるガス流路(B)を備え、該ガス流路(B)に設けられる複数の開閉弁(6)による流路の切り替えにより、1つ以上の吸着剤充填層(3)をバイパスして吸着塔(A)内にガスを流通させ得るようにしたガス分離設備を用い、
    吸着工程における原料ガス又は/及び洗浄工程における洗浄ガスを、当該工程中の少なくとも一部の時間帯において、1つ以上の吸着剤充填層(3)をバイパスして吸着塔(A)内に流通させることを特徴とする圧力スイング吸着法によるガス分離方法。
  2. ガス分離設備のガス流路(B)が、ガス入口部(1)に接続されたガス配管(7)と、ガス出口部(2)に接続されたガス配管(8)と、一端がガス配管(7)の途中に接続(11)され、他端がガス配管(8)の途中に接続(12)されたガス配管(9)と、一端がガス出入口(5)に接続され、他端がガス配管(9)の途中に接続(13)されたガス配管(10)を有することを特徴とする請求項1に記載の圧力スイング吸着法によるガス分離方法。
  3. 吸着工程における原料ガス又は/及び洗浄工程における洗浄ガスを吸着塔(A)内に流通させる1つの工程中、一部の時間帯でのみ、1つ以上の吸着剤充填層(3)をバイパスして吸着塔(A)内に吸着工程における原料ガス又は/及び洗浄工程における洗浄ガスを流通させることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧力スイング吸着法によるガス分離方法。
  4. 吸着工程における原料ガス又は/及び洗浄工程における洗浄ガスを吸着塔(A)内に流通させる1つの工程中、吸着工程における原料ガス又は/及び洗浄工程における洗浄ガスをバイパスさせる吸着剤充填層(3)を変更することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の圧力スイング吸着法によるガス分離方法。
  5. 当該工程が終了するまでに、吸着塔(A)内の全部の吸着剤充填層(3)に対する吸着工程における原料ガス又は/及び洗浄工程における洗浄ガスの流通がなされることを特徴とする請求項4に記載の圧力スイング吸着法によるガス分離方法。
  6. 吸着工程における原料ガスを下段側の吸着剤充填層(3)をバイパスして吸着塔(A)内に流通させることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の圧力スイング吸着法によるガス分離方法。
  7. 洗浄工程における洗浄ガスを上段側の吸着剤充填層(3)をバイパスして吸着塔(A)内に流通させることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の圧力スイング吸着法によるガス分離方法。
  8. 吸着工程における原料ガス又は/及び洗浄工程における洗浄ガスを吸着塔(A)内に流通させる1つの工程中、オフガス組成を分析し、この分析結果に基づきガス経路の切り替えを行うことを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の圧力スイング吸着法によるガス分離方法。
  9. 洗浄工程における洗浄ガスを、当該工程中の少なくとも一部の時間帯において、1つ以上の吸着剤充填層(3)をバイパスして吸着塔(A)内に流通させるか、若しくは、吸着工程における原料ガスを、当該工程中の少なくとも一部の時間帯において、1つ以上の吸着剤充填層(3)をバイパスして吸着塔(A)内に流通させるとともに、洗浄工程における洗浄ガスを、当該工程中の少なくとも一部の時間帯において、1つ以上の吸着剤充填層(3)をバイパスして吸着塔(A)内に流通させることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の圧力スイング吸着法によるガス分離方法。
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