JP6472070B2 - 3ローター式ピッチングマシン - Google Patents

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この発明は、3ローター式ピッチングマシンの改良に関するもので、詳しくは、3つのローターによりボールを挟持し、それらのローターの回転速度を制御することにより、任意の球種・球速で投球する3ローター式ピッチングマシンに関する。
ボールを中心に左上ローターと右上ローターと中央下ローターとを、正面より見てY型に配置し、3つの前記ローターによりボールを挟持するとともに、前記各ローターの回転速度を制御することにより、直球や変化球を任意の球速で投球するピッチングマシンが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
そのほか、上下一対ずつの4つのローター(ホイ−ル)を備えたピッチングマシーンが提案されている。この装置は、マシンフレームに軸受を介して回転可能に内側軸端が対向状態になるように、軸承された一対の2組の軸と、これら各組の一対の軸の対向内端部に相互に近接状態に取付けられた一対の2組のホイールと、これらホイールの各外周面に沿って取付けられた弾性変形可能なタイヤと、上記4本の軸を各対で同方向に且つ組相互に反対方向に個別に変速可能に回動する駆動手段と、上記4つのホイールの近接箇所にボールを供給するボール供給手段とから構成されている。上記一対の2組の軸は上記4つのホイールの近接箇所においてボールを上記タイヤが圧接できる間隔で隔設されている。したがって、対向並置された左右の一対2組の計4ケのホイールの個々の回転速度を個別に制御することによって、直球から大きく曲がる変化球まで無段階に微妙に投球することができる。このため、有名ピッチャーを想定したシミュレーション投球もプログラム制御することも簡単に行い得るようになり、バッティング技術の向上に大いに役立てることが可能になるとともに、従来の左右の一対の水平円盤方式に比べて幅方向の省スペース化を図ることができる(例えば、特許文献2参照)。
前者は、ボールの上側に左右一対のローターを備え、中央下のローターとの3つのローターでボールを挟持しながら各ローターの回転速度を制御して投球するので、上側が2つのローターで下側が1つのローターによって回転力が与えられ、どうしても上側の回転力が強くなる傾向がある。このため、球速を特に110km/h以上にすると、回転速度が上がるので、下側のローターが滑って回転力をボールに十分に付与できず、ボールが重力でおじきする。この傾向は直球の場合に強く、球速が上がるほど顕著になる。また、ボールに対し下側ローターが滑ってグリップが悪いので、コントロールが定まりにくい。
後者は、上下それぞれ一対ずつのローターでボールを挟持するが、上下のローターが対向的に水平に配置されているので、各ローターからボールに対して回転力を十分に伝達しにくい。このため、構造が複雑になるだけで、4つのローターを使用することによる利点が発揮されない。
特開2010−57544号公報 特開平5−208059号公報
この発明は上述の点に鑑みてなされたもので、構造が比較的簡単な3つのローター式ピッチングマシンにおいて、例えば直球の球速を110km/h以上に速くしても投球されたボールがおじきすることがなく、ボールがホップアップするように伸び、スピンのきいた、切れのよい投球ができるピッチングマシンにおけるローター回転速度の設定方法を提供しようとするものである。
上記の目的を達成するためにこの発明に係るピッチングマシンにおけるローター回転速度の設定方法は、ボールの投球方向周りに3つのローターを正面より見て逆Y型に配置し、各ローターはそれぞれの回転を制御する回転駆動装置を備え、3つの前記ローターで挟持してボールを投球する3ローター式ピッチングマシンにおけるローター回転速度の設定方法であって、直球、変化球を問わず上側中央の前記ローターの回転速度に比べて下側左右の前記両ローターの回転速度が速くなるように設定することを特徴としている。
上記の構成を有する3ローター式ピッチングマシンによれば、従来の上側2つ・中央下1つのY型ローターと違ってボールに対して下側ローターの滑りが生じにくい。つまり、ボールには下側の左右のローターによる回転力が確実に伝達され、正面より見てボールの下側から上向きへの回転(スピン)が十分に効いた状態の投球がなされる。したがって、球速を例えば120km/h以上に速くしても特に直球がホームベース上でおじきすることがなく、ボールがホップアップするように伸び、スピンのきいた切れのよい投球ができる。
請求項2に記載のように、前記各ローターの全周面に、ウレタン樹脂層を有することができる。
このようにすれば、ボールとローターとの滑りを防止してローターの回転力を確実にボールへ与えられる。
請求項3に記載のように、前記各ローターとそれらの回転駆動装置を共通の支持枠内に支持し、前記支持枠を支持台上に水平旋回可能に設置するとともに、前記支持枠の前記ボール投球方向を前記支持台に対し上下方向に調整可能に構成することが望ましい。
このようにすれば、球種・球速に応じて投球方向を調整でき、任意のコースゾーンに投入できる。
本発明によるピッチングマシンにおけるローター回転速度の設定方法には、次のような優れた効果がある。すなわち、投手が投球する場合、スピンの効いたボールを投げるには、人差し指と中指の指先からボールをリリースさせる瞬間が重要であるが、本発明のピッチングマシンでは投手の人差し指の指先と中指の指先とが下側の2つのローターに相当する。直球の場合には投手の人差し指と中指で押し出すようにリリースし、ボールにしっかりと指をかけることによって回転がかかり、伸びのあるストレートとなる。ボールは指先からリリースされた後、重力によって下方向への力が発生するので、ボールは前進するにしたがってどんどん下に落ちていってしまうが、スピンの効いたストレートにはボールの重力による落下に抵抗する力がある。それが正面より見てボールの上方向への回転によって生み出されるマグヌス効果による力である。マグヌス効果とは、一様流中に置かれた回転する円柱又は球体に一様流に対して垂直方向の力が働く現象のこと、つまり流れの中で回転している球体には、流速と回転軸の両者に垂直で、回転によって流れが加速される側に向く力が働くという現象のことである。ボールに対し上向きの回転を与えることによって、マグヌス効果による力が働き、この力が重力による下方向の力と相殺し合う。人の力で生み出せるマグヌス効果による力では下方向への力をすべて相殺することはできないため、ボールは沈んでしまうことになる。マグヌス効果は球の回転速度や球速が速ければ速いほど発生する力が大きくなる。つまり、回転速度も球速も速い球を投げれば、沈む距離を小さくできる。また、マグヌス効果は変化球にも密接に関係していて、このマグヌス効果による力がボールを変化させていると言える。本発明のピッチングマシンによれば、ボールに対し上向きの力を十分に与えられるから、マグヌス効果を有効に引き出せる。このため、特に球速の速い直球を沈まないように、つまりホップアップするように投球できるとともに、変化球についても安定して投球できる。
本発明の実施例に係るピッチングマシンを正面より見て内部を断面で表した説明図である。 本発明の実施例に係るピッチングマシンを左側面より見て内部を断面で表した説明図である。 本発明の実施例に係るピッチングマシンにおける球速・球種用コントローラを概略的に示す正面図である。
本発明の実施の形態を実施例を示す図面に基づいて説明する。
図1および図2に示すように、本実施例に係る3ローター式ピッチングマシーン1は、前後両側にキャスター4を備えた架台3上に支持台2を備えている。支持台2上には支持枠5を備えている。この支持枠5内に、3つのローター(ホイール)10、11、12が正面より見て逆Y型に配置されている。本例では、ボール投球路9を中心にして中央上ローター10、右下ローター11および左下ローター12が正面より見て略120°の角度で逆Y型には位置されている。各ローター10〜12はそれぞれ回転駆動装置13〜15を備え、支持枠5内のフレーム(図示せず)に回転駆動装置13〜15が固定され、回転駆動軸10a、11a、12aを介して各ローター10〜12が回転可能に支持されている。各ローター10〜12はアルミ合金などの金属製ローター本体の全周面に本例ではウレタン樹脂層が巻装されており、図3に示すコントローラ40の各ダイヤル31〜33の回転量を調節することによりインバータ34〜36を介して回転速度が制御される。支持枠5の後方にはボール供給筒16を後方上向きに備え、供給筒16の上端開口16aから挿入されたボールが投球路9に順に投入される。
支持台2は複数のキャスター17を介してその前端部センターの回転支軸18を中心に水平方向に旋回可能に載置されている。架台3に旋回用ギヤードモーター19が設置され、その回転軸(図示せず)を架台3の上方に突出させ、クランクシャフト20の一端に回転可能に接続されている。一方、クランク20の他端が支持台2のセンター位置付近に支持されたクランクシャフト20aに回転可能に接続され、旋回用ギヤードモーター19の回転により支持台2が前端の回転支軸18を中心に左右に揺動回転する。支持台2の旋回角度を測るエンコーダ21が支持台2の前端部に設置されている。
一方、支持枠5の前端下部が支持台2の門型枠22の上端に支軸23を介して枢着され、支持枠5は支軸23を中心に上下方向に傾斜する。支持枠5の後端下部がロール24を介して支持台側の変形カム25上に支持されている。変形カム25は門型枠22に沿って上下可能に支持された昇降板26上に回転可能に支持され、昇降板26上に設置された高低用ギヤードモーター27により回転し、支持5が上下方向に傾斜する。また。昇降板26はその後部に螺合するボルト状ネジ杆28の回転により昇降する。ネジ杆28の上端には手動式ハンドル29が一体回転可能に固定されている。支持枠5の傾斜角度を測るエンコーダ30が昇降板26の一側に設置されている。なお、図2中の符号37は支持台2の回転を固縛するためのストッパーハンドル、38は手押し具、39はキャスター4の固定用ブレーキである。
続いて、上記のように構成される実施例に係る3ローター式ピッチングマシン1の使用態様について説明する。
ボール供給筒16から挿入されたボールが3つの逆Y型ローター10〜12により構成されるボール投球路9内に送り込まれる。ボールは3つのローター10〜12のウレタン樹脂層によって挟持された状態で、一斉に回転力が付与される。本例の場合、各ローター10〜12の回転速度は、インバーター34〜36の10Hz当たり285rpmで、150km/hのストレートでは中央上ローター10のインバータ34が80Hz(約2280rpm)、左右の下ローター11・12の各インバータ35・36が90Hz(約2560rpm)にダイヤル31〜33によって設定される。これにより、ボールは上向きに回転しながら投球されるので、マグヌス効果により上向きの力が働き、この力が重力による下向きの力と相殺し合って直進するため伸びのある投球となる。変化球の場合にも、中央上ローター10の回転速度よりも下側ローター11・12の回転速度を速めた状態で、左右のローター11・12の間に回転速度差を与えて変化させるので、マグヌス効果が有効に働き変化球についても安定した投球ができる。コースを含めた投球位置の調整は、エンコーダ21・30により上下の傾斜角および左右の向きを制御しながら行う。なお、各ローターの回転速度を制御するためのコントローラ40(図3参照)は架台3後方のボックス41(図2参照)内に収納されている。
上記に本発明の3ローター式ピッチングマシンの実施例について説明したが、下記のように実施することもできる。
・左右の下ローラー11・12の間の角度を110°以下に狭めたり、逆に125°以上に広げたりする。
・3つのローラー10〜12をボール投球路9の中心軸線に対して平行に配置した上記実施例の状態から、わずかに傾斜させた状態に配置する。
・上記実施例では下側2つのローター11・12の回転速度を上側1つのローター10の回転速度より速く設定したが、これに限定するものではなく、球種によっては上側のローター10の回転速度を下側に比べて速く設定することがある。この場合にも、下側ローター11・12からの回転力がボールに確実に付与されるので、投球が安定する。
1 3ローター式ピッチングマシーン
2 支持台
3 架台
4 キャスター
5 支持枠
9 ボール投球路
10 中央上ローター
11 右下ローター
12 左下ローター
13〜15 回転駆動装置
16 ボール供給筒
17 キャスター
18 回転支軸
19 旋回用ギヤードモーター
19a 回転軸
20 クランク
20a クランクシャフト
21・30 エンコーダ
22 門型枠
23 支軸
24 ロール
25 変形カム
26 昇降板
27 高低用ギヤードモーター
28 ボルト状ネジ杆
29 手動式ハンドル
31〜33 回転速度調節用ダイヤル
34〜36 インバータ
37 ストッパーハンドル
38 手押し具
39 キャスター4の固定用ブレーキ
40 コントローラ

Claims (3)

  1. ボールの投球方向周りに3つのローターを正面より見て逆Y型に配置し、各ローターはそれぞれの回転を制御する回転駆動装置を備え、3つの前記ローターで挟持してボールを投球する3ローター式ピッチングマシンにおけるローター回転速度の設定方法であって、
    直球、変化球を問わず上側中央の前記ローターの回転速度に比べて下側左右の前記両ローターの回転速度が速くなるように設定することを特徴とするピッチングマシンにおけるローター回転速度の設定方法。
  2. 前記各ローターの全周面に、ウレタン樹脂層を有する請求項1記載のピッチングマシンにおけるローター回転速度の設定方法。
  3. 前記各ローターとそれらの回転駆動装置を共通の支持枠内に支持し、前記支持枠を支持台上に水平旋回可能に設置するとともに、前記支持枠の前記ボール投球方向を前記支持台に対し上下方向に調整可能に構成した請求項1または2記載のピッチングマシンにおけるローター回転速度の設定方法。
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