JP6477331B2 - 回転電機の固定子鉄心の製造方法および製造装置 - Google Patents

回転電機の固定子鉄心の製造方法および製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、回転電機の固定子鉄心、とりわけ、自動車用交流発電機の固定子に好適な積層コア型の円筒状固定子鉄心の製造方法と、この製造方法を効果的に具現化するための製造装置に関する。
〔従来の技術〕
従来より積層コア型の円筒状固定子鉄心としては種々の構成のものが実用に供されているが、近年においては、磁性板(例えば鋼板)から内周側にティース(歯)部およびスロット(溝)部を有する環状板を打抜き、この環状板を多数枚円筒状に積層して形成する積層コアに代わって、廃材が少なく材料歩留りが良いとの理由で、鉄心素材として帯状の磁性板を用い、片側(幅方向の一方側)にティース部およびスロット部を打抜き形成したコアシートを作製し、この帯状のコアシートを、螺旋状(ヘリカル)に巻取りながら円筒状に複数層にわたって巻回積層してなる積層コア型の固定子鉄心、所謂「巻き鉄心」が、専ら採用されるようになってきた。
ことに、自動車用交流発電機のごとく価格面での制約が厳しい回転電機においては、材料費の低減を図れることから、この巻き鉄心タイプの固定子鉄心が賞用されている。
そして、巻き鉄心タイプの固定子鉄心(積層コア)は、帯状のコアシートを螺旋状(ヘリカル)に巻取りながら円筒状に形成しなければならない性格上、製造面において真円度の高い円筒形状の確保に難点があり、巻取り工程や定寸工程では吸収できない各巻回層間の位置ずれ等を解消するために、最終工程として所望の真円形状に整形する仕上げ工程を実施しているのが通例である(特許文献1参照)。
つまり、巻き鉄心タイプのものは、製造工程を大別すると、幅方向の片側にティース部およびスロット部を打抜き形成した帯状のコアシートを作製するプレス工程(第1工程)と、このコアシートを螺旋状に巻取りながら円筒状に複数層にわたって巻回積層して積層コアとする巻取り工程(第2工程)と、この積層コアを所定の積層寸法(厚み)ごとに切断し各巻回層がずれないように固定する定寸工程(第3工程)と、この積層コアに対してその内外径側にしごき成形加工を施すことで所望の真円形状に整形する仕上げ工程(第4工程)の4つの工程を基本工程としている。
ところで、昨今の自動車にあっては、その飛躍的な普及・発展に伴なって、エンジン性能の向上や車室内の居住性の改善等の諸要求に適応すべく、とりわけ、エンジンルーム内に搭載される機器が急増しており、これらの搭載機器には例外なく厳しい小型化・高性能化の制約が課せられ、上述の交流発電機においてもますます小型化・高性能化を図ってゆかねばならない状況にある。
そのため、この種の回転電機においては、固定子鉄心における所望の真円形状確保が、正規のスロットピッチを確保し、固定子コイルの占積率の高上に大きく貢献するなど性能面における要の要件であることから、より一層真円度の高い高品質の固定子鉄心を得ることによって高性能化の追及がなされている。
また、小型化の観点からは、固定子鉄心の両端を一対の椀型ケーシングで挟持固定することによって、固定子鉄心自体を回転電機の筺体の一部として有効活用するケースも一般的になってきている。その際、挟持固定用の締付部材(スルーボルト)の配設スペースを確保するために、固定子鉄心の外周縁には例えば90°間隔でスルーボルト嵌挿用の切欠き部分を軸方向に設けているのが通例である。
なお、固定子鉄心の要求仕様によっては、この軸方向に延伸する切欠き部分を有効利用して積層コアを固着する、つまり、固定子鉄心の外径を大きくすることなく積層コアの各巻回層間を固定する手段として、切欠き部分のところで溶接を実施するケースも見受けられる。
〔従来技術の問題点〕
かくして、自動車用交流発電機のごとき回転電機においては、小型化・高性能化を追求するために構造面での工夫や製造面での改善が種々図られてきたものの、未だ不十分であり、より一層の改善が希求されている。
本発明者は、とりわけ、固定子鉄心の真円度の更なる高上を目指し、数多の実験・研究を重ねてきたが、このたび固定子鉄心の巻取り工程から仕上げ工程までの製造過程を精査したところ、次のような問題点が内在していることを突き止めた。
(1)巻き鉄心タイプの固定子鉄心は、前述したように、帯状のコアシートを螺旋状に巻取りながら円筒状に形成しなければならない性格上、高真円度の確保に難点があり、巻取り工程や定寸工程では吸収できない各巻回層間の位置ずれを解消するために、最終工程として所望の真円形状に整形する仕上げ工程を実施していた。
(2)しかしながら、この仕上げ工程をつぶさに検討すると、しごき成形加工の過程で積層コアに対して意外なところに変形事象が生じており、この変形事象に起因して固定子鉄心を所望の真円形状に整形することができず、固定子コイルの損傷等の不具合を招く虞があることが判明した。
(3)即ち、仕上げ工程では、溶接後の積層コアに対してその内外径側にしごき成形加工を施すことで位置ずれ等を矯正するので、所望の真円形状が確保されるものと考えられていたが、固定子鉄心の外周縁に切欠き部を設けるタイプにおいては、この切欠き部の周辺にも変形現象(変形領域)が生じていたのである。
この変形領域は、切欠き部の数がそもそも少ない(全周で4か所程度)ために見過ごされてきたが、切欠き部自体が潰れるなど切欠き部周辺の僅かな変位により近傍のヨーク部、ティース部およびスロット部に変形が生じることで、固定子鉄心のスロットピッチにずれが生じて性能低下を招くほか、固定子コイルに損傷を招く、つまり、固定子コイルの占積率(固定子コイルのスロット部への収納量)を増やしたり、運転中の振動などにより固定子コイルが動くことによって、固定子コイルが上記の変形領域と干渉することになり、コイル素線の絶縁被膜に損傷を招くという問題点に発展していくことが分かった。
特開2009−77561号公報 特開2014−121136号公報
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、積層コアの切欠き部周辺に変形領域が生じるのを防いで、固定子コイルの高占積率・高信頼性を確保することが可能な高真円度の固定子鉄心を得るための製造方法を提供すること、およびかかる製造方法を経済的かつ高品位に具現することが可能な製造装置を提供することにある。
〔請求項1の手段〕
請求項1に記載の発明(回転電機の固定子鉄心の製造方法)は、帯状のコアシートを用いた巻き鉄心タイプの固定子鉄心を得るためのもので、このコアシートに対して、幅方向の一方側に固定子コイルを巻装するための複数の磁極を構成するティース部およびスロット部を形成するとともに、幅方向の他方側にヨーク部とその外周縁に複数の切欠き部を形成するプレス工程と、このコアシートを、磁極が内周側となるように、螺旋状に巻回しつつ円筒状に積層するとともに、ティース部、スロット部および切欠き部をそれぞれ軸方向に整列させて積層コアを形成する巻取り工程と、この積層コアを所定の積層寸法ごとに切断するとともに前記積層コアの各巻回層がずれないように固定する定寸工程と、この積層コアに対してその内外径側にしごき成形加工を施すことで積層コアを所望の真円形状に整形する仕上げ工程との4工程を備えることを基本構成としている。
そして、本発明の製造方法では、仕上げ工程において、積層コアの内外径側にしごき成形加工を施すにあたり、複数の切欠き部および隣り合う切欠き部間の積層コアの外周側に対して外径方向から内径方向に押圧力を加えながらしごき成形加工を実施することを特徴としている。
上記構成の本発明方法によれば、積層コアのしごき成形加工時に切欠き部周辺に変形が生じるのを防いで、高真円度の固定子鉄心を得ることができる。よって、スロットピッチにずれが生じなく、また、固定子コイルの収納量を増やしたり、運転中の振動により固定子コイルが動くことがあったりしても、固定子コイルが損傷する虞もなく、固定子コイルの高占積率・高信頼性を確保することができ、回転電機の小型化・高性能化に大きく貢献することができる。
〔請求項4の手段〕
請求項4に記載の発明(回転電機の固定子鉄心の製造装置)によれば、上記のしごき成形加工を実行する整形装置は、積層コアの内径側を整形する芯金と、積層コアの外径側を整形する円環状のしごきリングと、積層コアの各切欠き部に対して外径方向から内径方向に押圧力を加える複数のサポート部材とを備えている。
そして、複数のサポート部材は、軸方向に沿って切欠き部の凹み形状を転写した断面形状の突出部を有する棒状体をなしており、この突出部が上記の芯金およびしごきリングによる積層コアの整形時に各切欠き部に嵌入されることを特徴としている。
上記構成の本発明装置によれば、既設装置に複数のサポート部材を追設するだけの簡潔な構成・廉価な設備投資で、複数の切欠き部の個々に対して外径方向から内径方向への押圧力を確実に加えながらしごき成形加工を実施し、高真円度の固定子鉄心を得ることができる。したがって、請求項1の手段による固定子鉄心の製造方法を経済的かつ高品位に具現化することができる。
本発明方法および本発明装置により製造された固定子鉄心を適用する回転電機の代表例である自動車用交流発電機を模式的に示すもので、(a)は当該発電機の全体構成を示す半断面図、(b)は(a)のA−A線に沿って固定子鉄心単体の形態を示す上半部分の正面図である。 本発明方法および本発明装置により製造される固定子鉄心の要部を示すもので、(a)は第1工程(プレス工程)で作製されるコアシートの正面図、(b)は(a)のB−B線に沿う断面図、(c)は第2工程(巻取り工程)における巻取り過程の説明に供するコアシートの正面図、(d)は第2工程を経て得られた積層コアの斜視図である。 本発明方法および本発明装置による全工程(第1工程〜第4工程)の概要説明に供する模式的工程図である。 本発明方法および本発明装置で解決する問題点の説明に供するもので、(a)は第3工程(定寸工程)を経て得られた積層コアの要部正面図、(b)は(a)のC−C線に沿う断面図である。 本発明方法および本発明装置で解決する問題点の説明に供するもので、(a)〜(e)は第4工程(仕上げ工程)における詳細過程を5つのステップに分けて示す模式図である。 本発明方法および本発明装置で解決する問題点の説明に供するもので、第4工程での積層コアの整形状態を示す要部正面図である。 本発明方法および本発明装置における中枢機能の説明に供するもので、第4工程での積層コアの整形状態を示す要部正面図である。 本発明装置の構造説明に供するもので、(a)は整形装置の主要部の模式的縦断面図、(b)はその中枢機能部品の拡大斜視図である。
以下、本発明を実施するための製造方法および製造装置の最良の形態を、図面に示す実施例にしたがって詳細に説明する。
本実施例は、本発明の製造方法および製造装置を、回転電機の固定子鉄心の代表例である、自動車用交流発電機(オルタネータ)の固定子鉄心への適用例について示しており、以下の説明では、まず、自動車用交流発電機の基本構成を概説したのち、本発明方法および本発明装置の基本的構成および特徴的な機能について順次説明し、最後に本発明方法および本発明装置の特徴点毎の作用効果を要約列挙する。
なお、各図において、同一または均等部分には、同一符号を付し、重複説明を省略することとする。
[実施例1]
図1および図2に基づいて、本発明の製造方法および製造装置の一実施例を適用する自動車用交流発電機100(以下、「発電機100」と略称する。)の基本構成について説明する。
〔発電機100の基本構成〕
発電機100は、図1(a)に示すように、エンジンにより駆動される回転軸101に取付けられた回転子102と、挟持固定用のスルーボルト(締付部材)103によって一対のカップ(椀型)状のケーシング104、105に挟持された固定子106とを備えている。この固定子106には、固定子コイル(多相巻線)107を巻装する鉄心として、所謂「巻き鉄心」と呼称されている円筒状の積層コア1からなる固定子鉄心108が用いられており、とりわけ、この固定子鉄心108が、一対のカップ(椀型)状のケーシング104、105で挟持固定されることにより、発電機100の筺体の一部として利用されるものである。
そして、固定子鉄心108は、図1(b)に示すように、全体として円環状を呈しており、内周側に固定子コイル107が巻かれる相数に応じた磁極を構成する多数のティース(歯)部E1とスロット(溝)部E2とを交互に備え、外周側に各ティース部E1およびスロット部E2を所定のピッチで環状に連結するヨーク(継鉄)部E3を備える円筒状の積層コア1で構成されている。
環状のヨーク部E3は、固定子コイル107が巻かれない非巻線部分であり、このヨーク部E3の外周縁には、例えば90°の所定間隔で4個の切欠き部E4が軸方向の全域にわたって延伸して形成されている。この切欠き部E4は、スルーボルト103が嵌挿可能な凹部を構成するものであり、外径方向から内径方向に向かって凹む半円形状を呈している。
なお、本説明では、固定子鉄心108および積層コア1について、実質的に同じ構造体をなしているにもかかわらず、固定子鉄心108と積層コア1とに区別し異なる符号を付して呼称しているが、基本的には、最終製造工程を経て仕上がった所定形状のものを「固定子鉄心108」と呼び、その途中の製造過程での状態のものをその形態から「積層コア1」と呼ぶものとする。
〔積層コア1の基本構成〕
積層コア1は、鉄心素材として、図2(a)、(b)に示すごとき帯状のコアシート10が用いられている。このコアシート10は、幅方向の一方側に固定子コイル107を巻装するための磁極を構成することになるティース(歯)部11(E1)およびスロット(溝)部12(E2)を有するとともに、幅方向の他方側にこれらのティース部11およびスロット部12を所定のピッチで連結するヨーク(継鉄)部13(E3)を有しており、ヨーク部13の辺縁(外周縁)側には所定間隔(例えば90°間隔)でスルーボルト嵌挿用の凹部を形成することになる半円形状の切欠き部14(E4)が適当数(例えば4個)設けられている。
コアシート10は、例えば、幅広の帯状の磁性板からティース部11およびスロット部12が互い違いに配置されるように打抜くことにより、一対(2枚)の帯状コアシートとして作製されるもの、もしくは、幅狭の帯状の磁性板からその片側にティース部11およびスロット部12が交互に配置されるように打抜くことにより、1枚の帯状コアシートとして作製されるものである。
そして、このコアシート10を、図2(c)に示すように、ヨーク部13(および切欠き部14)が外周側となるように螺旋状に巻取りながら、かつ、ティース部11(E1)、スロット部12(E2)および切欠き部14(E4)を軸方向に整列させながら、複数層にわたって巻回積層することにより、図2(d)に示すごとき円筒状の積層コア1とする。
その後、この積層コア1に対し、定寸工程、整形工程を実施することによって最終的な固定子鉄心108を得るものである。
次に、上記構成になる固定子鉄心108(積層コア1)の具体的な製造方法について説明する。
本実施例の製造方法は、大別すると、コアシート10を作製する第1工程(プレス工程)から、これを螺旋状に巻き取る第2工程(巻取り工程)、所定の積層寸法毎に切断し各巻回層を溶接固定する第3工程(定寸工程)を経て、積層コア1にしごき成形加工などの整形加工を施し、固定子鉄心108に仕上げる第4工程(仕上げ工程)までの4つの工程で構成されている。
まず、上記第1工程から第4工程までの各工程を、図3に示す模式的工程図にしたがって順次概説する。
○第1工程(プレス工程)
この第1工程は、一般的に採用されている周知の工程であって、例えば帯鋼(SPCC)のごとき幅広の帯状磁性板Tを連続プレス装置のような適宜の打抜き手段U、Vに順次投入し、多段階にわたって打抜き加工を施すことで、長さ方向に2分割して2枚の連続したコアシート10を作製する。
かくして、図2(a)に示すごときコアシート10、つまり、幅方向の一方側にティース部11およびスロット部12が形成されるとともに、幅方向の他方側にティース部11およびスロット部12を所定のピッチで連結するヨーク部13が形成され、かつこのヨーク部13の辺縁(外周縁)に複数の切欠き部14が形成された帯状のコアシート10が得られる。
○第2工程(巻取り工程)
この第2工程は、帯状のコアシート10を長さ方向に搬送しつつ、当該コアシート10を所定の巻取り径でヨーク部13が外周側となるように湾曲させていくための曲げ加工を実施するもので、本工程としては、特許文献1のごとき巻取り工程、つまり、コアシート10をヨーク部13が外周側となるように湾曲させていくための曲げ加工手段として巻取り軸を用い、その外周にコアシート10を直接螺旋状に巻き取っていく工程が汎用されている。
ちなみに、本実施例では、他の具体例として、特許文献2で紹介されている巻取り工程を例示している。
この巻取り工程は、巻取り経路Wに沿って配設する曲げ加工手段Xとしてローラ装置(ローラ手段)20が用いられている。このローラ装置20は、2段階のローラ手段20A、20Bで構成され、各段のローラ手段は、基本的には巻取り経路Wに対し、当該巻取り経路Wの曲率の径方向内側に配置される第1ローラ21と、当該巻取り経路Wの曲率の径方向外側において第1ローラ21を周方向から挟むように配置される一組の第2ローラ22、23とを備えている。そして、第1ローラ21が駆動側をなし、一組の第2ローラ22、23が第1ローラ21に駆動されて追従回転する従動側をなしており、相互に逆向きに回転する。
コアシート10は、ローラ装置20に投入されることにより、第1ローラ21および一組の第2ローラ22、23による3箇所で内外周を押圧されながら、第1ローラ21と第2ローラ22、23を通過していき、かかる過程で、巻取り経路Wに沿って搬送されつつ湾曲状に曲げ加工される。
このように、ローラ装置20によって湾曲状に形成されることで、コアシート10は、ヨーク部13が外周側となるように螺旋状に巻取られ円筒状に巻回形成されるとともに、各巻回層のティース部11、スロット部12および切欠き部14がそれぞれ軸方向に整列されて、図2(d)に示すごとき積層コア1が作製される。
○第3工程(定寸工程)
この第3工程も、特許文献1に紹介されているような一般的な周知の工程である。この工程では、前工程で円筒状に巻回形成された積層コア1が連続した積層状態にあるため、所定の積層寸法(厚み)毎に切断するとともに、各巻回層が位置ずれしないように、外周縁部の切欠き部14のところでトーチ溶接等の適宜な溶接手段にて溶接固定し、1個の積層コア1として取り出す
○第4工程(仕上げ工程)
最後に、積層コア1を仕上げ工程に投入する。この仕上げ工程では、積層コア1の内外径側にしごき成形加工を施す適宜な整形手段Yを備えており、積層コア1の外径側の真円度ならびに内径側の同心度などを矯正・整形する。
かくして、所定の真円形状を有する最終的な積層コア1、即ち固定子鉄心108が得られる。
なお、この仕上げ工程を改善することが本発明方法の根幹をなすものであり、その子細については後述する。
上述のようにして完成した固定子鉄心108は、従来周知の一般的な巻線工程および組付工程を順次経由して、図1(a)に示すように、ティース部E1に固定子コイル107が装着された後固定子106として、発電機100に組み込まれる。
ところで、上述の製造過程において、積層コア1は、帯状のコアシート10を螺旋状に巻取りながら円筒状に形成しなければならない性格上、中間工程(とりわけ、巻取り工程、定寸工程)の段階では各巻回層の位置ずれに起因して各部位に寸法のバラツキが生じる。このバラツキについて図4を参照しながら補説する。
図4(a)、(b)に誇張して示すように、積層コア1は、各巻回層1a、1b、…1c……が相互に周方向や内外径方向に位置ずれを起こすことで、ティース部11(E1)およびスロット部12(E2)の側面が周方向および径方向に凸凹面を有することになる。つまり、ティース部11(E1)およびスロット部12(E2)がきれいに整列せず、積層コア1の外径側の真円度ならびに内径側の同心度、スロット部12のU字形状等に歪み(変形)が生じるわけである。
そして、この積層コア1の歪み(変形)を矯正するために、上述のごとく第4工程として、積層コア1の内外径側をしごき成形加工により整形する「仕上げ工程」が実施されている。
しかしながら、この「仕上げ工程」をつぶさに検討すると、しごき成形加工の過程で積層コア1に対して意外な変形事象が生じ、この変形事象に起因して固定子鉄心108を所望の真円形状に整形することができず、スロットピッチのずれや固定子コイル107の損傷等の不具合を招く虞があることが判明した。
〔「仕上げ工程」の概要〕
ここで、上記「仕上げ工程」として、特許文献1にも紹介されている代表的な仕上げ工程について、図5を参照しながら概説する。
まず、しごき成形加工を実行するための整形手段として用いる整形装置200の基本構成を、図5(a)にしたがって説明する。
図5(a)において、この整形装置200は、ワークである積層コア1を支持する円筒状のワーク受け201と、ワーク受け201内に収容され、積層コア1の内径側を整形する円柱状の芯金202と、この芯金202の外周側に周方向に沿ってスロット数に応じて配設され、積層コア1のティース部11(E1)およびスロット部12(E2)を整形するスロット揃え矢203と、積層コア1をワーク受け201に押圧するワーク押え204と、ワーク受け201およびワーク押え204の外周を滑動しながら積層コア1の外径側を整形する円環状のしごきリング205と、これら各部材202〜205を駆動する図示しない駆動手段(例えば、油圧プレス等)とを備えている。
次に、上記の整形装置200を用いて、積層コア1を所定形状の固定子鉄心108に仕上げていくにあたり、その仕上げ過程を5つのステップに分節して順次説明する。
まずステップ1では、図5(a)に示すごとく、積層コア1を当該整形装置200に投入する。ここで、積層コア1は、前工程である定寸工程にてその周縁部を溶接し、各巻回層が相互にずれないように固定された状態にあり、この積層コア1をワーク受け201上に載置する。また、ワーク受け201は固定式であって、その外径が積層コア1の外径より僅かに小さく設定(正規のコア外径に準じた大きさに)されている。
次いで、ステップ2として、図5(b)に示すごとく、ワーク押え204を矢視のごとく下降させることで、積層コア1をワーク受け201に対して押圧固定する。ワーク押え204の外径も、積層コア1の外径より僅かに小さく設定(正規のコア外径に準じた大きさに)されている。そして、ワーク受け201とワーク押え204とは同軸に配置されており、互いの外径と積層コア1の外径との径差を利用して、後述のごとく積層コア1(その外径側)に対してしごき成形加工が施される。
続くステップ3において、図5(c)に示すごとく、ワーク受け21の内側に上下動自在に配設された芯金202およびスロット揃え矢203を矢視のごとく上昇させる。このとき、芯金202およびスロット揃え矢203が、ともに積層コア1の下端(軸方向の一端側)から嵌入され、上端側(軸方向の他端側)へと貫通していく。
ここで、芯金202は、その外径が積層コア1の内径より僅かに小さく(前工程での積層コア1の内径側誤差を吸収できるように)設定されているのに対し、各スロット揃え矢203は、正規のスロット形状に準じた断面形状を有し、正規のスロットピッチ間隔で周方向に配置されている。
これにより、積層コア1は、芯金202によって内径側がしごき成形されないものの、同心度(内径側の真円度)が確保できるように位置決めされる。と同時に、各スロット揃え矢203が、各スロット部12内に挿通されることで、各スロット部12内の径方向ならびに周方向におけるスロット形状の僅かなずれを矯正していくため、多数のスロット部12が、所定のスロット幅(U字形状)を有しかつ正規のスロットピッチにて周方向に配列されるようになる。
続いて、ステップ4として、図5(d)に示すごとく、しごきリング205を矢視のごとく下降させる。しごきリング205は超硬材料からなり、ワーク押え204の外周上を滑動しながらワーク受け201の上端側の外周上まで移動(下降)する間に、積層コア1の外径側をしごき成形していく。
つまり、しごきリング205の内径は、ワークとなる積層コア1の外径より僅かに径小に設定(正規のコア外径に準じた大きさに)設定されているため、しごきリング205の下降に伴い、積層コア1の各シート外端側が塑性変形されつつ内径方向に押し込まれ、しごき成形がなされる。
そして、このしごき成形加工の過程では、積層コア1に対して内外径が縮む縮径現象が生じるため、第1に、積層コア1の内周面が芯金202の外周面に当接し押圧されることにより、積層コア1の内径側が矯正されると同時に、第2に、各ティース部11の側面もスロット揃え矢203の側面に更に強く押圧されることにより、各ティース部11(スロット部12)もより一層矯正される。
かくして、内径側の芯金202と、スロット揃え矢203と、外径側のしごきリング205とのコンビネーションにより、積層コア1の内外径側および各スロット部12(ティース部11)が所定の形状・正規位置を確保すべく整形され、積層コア1に対するしごき成形加工が完了する。
そして、最後に、ステップ5として、図5(e)に示すごとく、しごきリング205と、芯金202およびスロット揃え矢203と、ワーク押え204とをそれぞれ逆方向に駆動して全拘束を解除し、整形された積層コア1を固定子鉄心108として取出し、仕上げ工程を終了する。
〔しごき成形過程での問題点〕
以上の一連のしごき成形加工により、所望の真円形状を有する固定子鉄心108が得られるものと考えられてきたが、上述したしごき成形加工の過程で、積層コア1に変形問題が生じていることが判明した。
ここで、かかる変形問題について、図6を参照しながら詳説する。
図6は、上記ステップ3、4でのしごき成形加工時に積層コア1に生じる変形事象を模式的に拡大して説明するものであり、積層コア1の切欠き部14(E4)周辺に変形領域Zが生じている。
そのメカニズムとしては、本発明者の検証によれば、次のごとき事象に基づくものと考察される。
(1)図5(c)に示すステップ3において、積層コア1は、内径側が芯金202によって位置決め保持され、各スロット部12がスロット揃え矢203によって整列された状態にあり、続く図5(d)に示すステップ4において、しごきリング205によるしごき成形により積層コア1のヨーク部13(E3)に対して内径方向への荷重(押圧力)が加わることになる。
(2)その結果、図6に示すように、積層コア1は内外径の両側から実線矢印のごとく押圧力が加わって挟圧され、しごき成形されるものの、微視的には積層コア1の切欠き部14(E4)周辺のところでは、この切欠き部14(E4)がティース部11(E1)の背面側に位置していることもあって次のごとき変形事象が生じたものと推認される。
つまり、切欠き部14(E4)の外周側が縮径されることでティース部11に対しその外径側から内径側へと変形作用力が伝達され、ティース部11内径側に芯金202との当接反力(芯金202からの押圧力)が生じる。この反力の影響は、切欠き部14が存在している箇所とそうでない箇所では前者の方が大きく、よって、切欠き部14直下の当該ティース部11が白抜き矢印のごとく外径側(切欠き部14側)に変位(変形)しやすく、その直近のヨーク部13(E3)も周方向に変位(変形)しやすいために、例えば、切欠き部14(E4)が2点鎖線のごとく潰れ(歪み)、その分積層コア1の全体形状(円筒形状)が切欠き部14(E4)付近の4か所で“いびつ”に変形する事象を招いた。
かくして、積層コア1の内外径寸法(真円度)が阻害されるのみならず、積層コア1の周長やティース(スロット)配列間隔も阻害されることとなった。
(3)また、切欠き部14(E4)の歪みに伴い、当該切欠き部14に隣接するティース部11(E1)が外径側に変位する結果、周方向に隣接するティース部11との間隔が広がることで、スロット部12(E2)とスロット揃え矢203との嵌合代(締め代)が減少傾向になる。その結果、ティース部11およびスロット部12の矯正度合が低下するため、成形加工を施しても、ティース部11およびスロット部12の正規位置に対する傾きや周方向のずれを矯正できず、ピッチずれを残しやすく、ティース部11(E1)およびスロット部12(E2)の正規位置自体が変位してしまうこともある。
〔実施例1の特徴〕
本実施例では、上記問題を解消するために、「仕上げ工程」において、積層コア1の内外径側にしごき成形加工を施すにあたり、切欠き部14(E4)に対して外径方向から内径方向へ押圧力を加えながらしごき成形加工を実施することを特徴としている。
具体的には、図7および図8に示すように、整形装置200は、積層コア1の各切欠き部14に対して外径方向から内径方向に押圧力を加える複数の棒状サポート部材206を、切欠き部14と同じ数だけ備えている。
このサポート部材206は、図8(b)に示すように、取付け用のステー部206aから棒状体206bが垂下している全体としてL字形を呈している。棒状体206bには、軸方向(長さ方向)に切欠き部14の凹み形状を転写した断面形状の突出部207が形成されている。この突出部207は全長にわたって突出量が一様になっているが、上下の両端部207a、207bは加工性を考慮しテーパ面(面取り)に形成している。
そして、このサポート部材206は、図8(a)に示すように、棒状体206b(突出部207)がしごきリング205の内周側の所定位置(切欠き部14に対応する位置)に軸方向に沿って配置されるようにして、上下から取付けプレート205a、205bによってしごきリング205に取付け固定されている。
よって、サポート部材206は、しごきリング205と一体に上下動することができる。
これにより、図7に示すように、しごき成形加工時(ステップ3、4)においては、実線矢印のごとく積層コア1に対して内外径の両側から押圧荷重が加わる(挟圧される)際に、サポート部材206の突出部207が切欠き部14に嵌まり込むことで、切欠き部14(の半円形面)に対しても、実線白抜き矢印のごとく、直接、外径方向から内径方向への押圧力(整形力・矯正力)を付与することができる。その結果、図6で生じた白抜き矢印のごとき現象、つまり、ティース部11が外径側(切欠き部14側)に移動(変形)するのを阻止しながら、しごき成形加工を実施することができる。
したがって、しごき成形加工時には、積層コア1の切欠き部14周辺においても、切欠き部14は勿論のこと、ティース部11およびスロット部12を良好に矯正(整形)することが可能となる。
上述した実施例1よれば、製法面および装置面で次のような効果が得られる。
〔製法面での効果〕
(1)仕上げ工程において、積層コア1の内外径側にしごき成形加工を施すにあたり、切欠き部14(E4)に対して外径方向から内径方向へ押圧力を加えながらしごき成形加工を実施しているため、しごき成形加工時において、積層コア1に対して内外径の両側から押圧荷重が加わる際に、切欠き部14(の半円形面)に対しても直接、外径方向から内径方向への押圧力を付与し、切欠き部14周辺においても、切欠き部14は勿論のこと、ティース部11およびスロット部12を良好に矯正(整形)することができる。
(2)したがって、切欠き部14が潰れ、真円度が阻害されるとか、ティース部11およびスロット部12が正規位置に対して変位し、ピッチずれを惹起することもない。
(3)かくして、積層コア1の切欠き部14(E4)周辺に変形事象が生じるのを防いで、高真円度の固定子鉄心108を得ることができる。よって、スロットピッチのずれによる性能低下の虞がなく、かつ、固定子コイル107の収納量を増やしても、運転中の振動により固定子コイルが動くことがあっても、固定子コイル107が損傷する虞もなく、固定子コイル107の高占積率・高信頼性を確保することができる。
(4)なお、本仕上げ工程において、上述のごとく、切欠き部14自体にもしごき加工による整形が施されるため、次のごとき付随効果を期待できる。
つまり、仕上げ工程の前段階では、切欠き部14の内周面(半円形面)が、各巻回層のずれやプレス工程での打ち抜きバリなどで軸方向に沿って複雑な凹凸面を形成しており、有効磁路面積の確保やスルーボルト103の挿通作業性の面で少なからず影響を及ぼしていた。これに対し、切欠き部14の内周面(半円形面)をも上記整形により平滑化できるため、切欠き部14のところでも軸方向の全長にわたって均一の有効磁路面積を確保することができ、スルーボルト103の挿通作業性の向上をも図れ、一層高品位の固定子鉄心108の提供に貢献できる。
〔装置面での効果〕
(1)整形装置200は、既設装置に対し、複数の棒状サポート部材206を追設する、つまり、しごきリング205の内側に所定間隔でサポート部材206を取付けるだけの簡潔な構成である。
(2)加えて、個々の棒状サポート部材206自体も、軸方向(長さ方向)に沿って切欠き部14の凹み形状を転写した断面形状の突出部207を設けるだけの簡単な構成で、しかも、しごきリング205に対して後組み付けすることができる。
したがって、上記効果(1)と合わせ、設備投資でも廉価である。
(3)また、複数のサポート部材206を備えており、複数の切欠き部14の個々に対して外径方向から内径方向への押圧力を確実に加えながらしごき成形加工を実施することができる。
(4)かくして、実施例1の固定子鉄心108の製造方法を経済的でかつ高品位に具現化することができる。
〔変形例;他の実施例〕
以上本発明を一実施例について詳述してきたが、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々変形することが可能であり、その変形例を他の実施例として以下に例示する。
(1)実施例1においては、サポート部材206には全長にわたって突出量が一様な突出部207を設けたが、この突出部として、長さ方向おいて下側から上側に向かって突出量が漸増するテーパ状突出部を設けることにより、しごき成形加工(整形過程)の初期から後期にかけて切欠き部14への嵌め込み量を徐々に深くすることができる。これにより、積層コア1の各切欠き部14に対して、外径方向から内径方向に加える押圧力をしごき加工の進捗度に適合させて漸増することができ、円滑に整形することができる。
(2)また、実施例1においては、複数の棒状サポート部材206を、しごきリング205に対して後組み付けするタイプを例示したが、これらのサポート部材206をしごきリング205に対して、その内周面に一体形成しても良い。
もっとも、複数の棒状サポート部材206を、スロット揃え矢203と同様に、独立のサポート部材群として構成し、しごきリング205と協働して上下動させるようにすることも可能である。
(3)なお、サポート部材206に形成する突出部207に関し、「軸方向に切欠き部14の凹み形状を転写した断面形状を有する突出部207」と定義しているが、かかる定義は、実施例1で例示した「全長にわたって切欠き部14の凹み形状と実質的に同じ断面形状を有する突出部207」にのみ限定されるものではなく、図4に示すごとく軸方向および径方向に凸凹状の凹み面を有する状態での切欠き部14を整形する性格上、上記変形例1のテーパ状突出部を含め、「切欠き部14の正規凹み形状(最終製品としての切欠き部形状)を確保し得るに十分な突出形状・突出断面積を有する突出部207」をすべて包含する、突出部の総称を意味するものである。
(4)また、コアシート10に関し、製品側としての諸元、例えば、積層コア1の直径(曲率)、コアシート10の板厚や径方向幅、製造側の条件、例えば、曲げ加工手段等を総合勘案して、同一板厚のままではなく、ヨーク部103の外周縁側を薄肉部に形成して環状に折曲げるタイプの固定子鉄心にも、適用できることは勿論である。
(5)また、切欠き部14についても、ティース部11の背面側に設けられるものに限定されるものではなく、スロット部12の背面側に設けられるものや、ティース部11およびスロット部12の両者の背面側にまたがって設けられるものであっても、同様に適用することができる。
(6)また、実施例1においては、上記切欠き部14のところを溶接個所として有効活用しているが、第3工程(定寸工程)で積層コア1の各巻回層を固定する手段としては、切欠き部14以外のところで溶接したり、カシメるなどの種々の手法が実用されており、そのいずれを採用しても良いことは勿論である。
(7)また、実施例1においては、スロット揃え矢203によるスロット整形を仕上げ工程で、しごき成形加工の一環で実施するようにした。これによれば、積層コア1の外径が縮径するときに、ティース部11の周方向間隔が狭まり、スロット揃え矢203の円周方向配列間隔も狭まる結果、ティース部11(スロット部12)の矯正効果を増強することができる。かかる増強効果を期待しない方法として、スロット揃え矢203としごきリング205を完全に切り離して順に加工するケース、例えば、定寸工程においてスロット揃え矢203によるスロット整形を実施するケースもあり、このようなケースにも本発明を適用することができる。
(8)以上の実施形態では、本発明を自動車用交流発電機(オルタネータ)の固定子鉄心に適用した場合について説明したが、これに限ることなく、鉄心素材として磁性板からなる積層コア型の固定子鉄心を持つ回転電機、例えば高電圧駆動モータに適用し、同様の作用効果を奏することができる。
以上詳述してきた本発明の特徴点および特記すべき作用効果を、特許請求の範囲において従属項(従属項4を除く)として記載した各手段にしたがって要約列挙すれば、次の通りである。
(特徴点1=請求項2の手段)
請求項1に記載の回転電機の固定子鉄心の製造方法において、
プレス工程では、複数の切欠き部14をティース部11の背面側に位置するようにしてヨーク部103に形成することを特徴としている。
上記手段によれば、切欠き部14を、ティース部11の背面側に位置させると、しごき成形加工時にティース部11の影響で変形しやすくなるにもかかわらず、切欠き部周辺での変形事象を確実に抑止することができるため、切欠き部14を、磁気性能への影響が少ない個所に形成することができる。
(特徴点2=請求項3の手段)
請求項1または2に記載の回転電機の固定子鉄心の製造方法において、
仕上げ工程では、しごき成形加工の進捗に合わせて切欠き部14に加える押圧力を増大させることを特徴としている。
上記手段によれば、積層コア1の各切欠き部14に対して、外径方向から内径方向に加える押圧力をしごき加工の進捗度に適合させて漸増することができ、円滑に整形することができる。
(特徴点3=請求項5の手段)
請求項4に記載の回転電機の固定子鉄心の製造装置において、
整形装置200は、芯金202、しごきリング205およびサポート部材206が積層コア1に対して軸方向に摺動しながら積層コア1を整形するものであり、
サポート部材206は、突出部207として、整形過程の初期から後期にかけて突出量が漸増するテーパ状突出部を有していることを特徴としている。
上記手段によれば、請求項3に記載の製造方法を効率的に実施することができる。
(特徴点4=請求項6の手段)
請求項4または請求項5に記載の回転電機の固定子鉄心の製造装置において、
複数のサポート部材206は、しごきリング205の内周面に積層コア1の切欠き部14の間隔に合致させて取付けられていることを特徴としている。
上記手段によれば、複数のサポート部材206をしごきリング205に対して後組み付けによって簡便に組み付けることができ、整形装置200を経済的に提供することができる。
1…積層コア、10…コアシート、11(E1)…ティース部、12(E2)…スロット部、13(E3)…ヨーク部、14(E4)…切欠き部、100…自動車用交流発電機(回転電機)、106…固定子、107…固定子コイル、108…固定子鉄心、200…整形装置、202…芯金、203…スロット揃え矢、205…しごきリング、206…サポート部材、207…突出部。

Claims (6)

  1. 磁性板からなる帯状のコアシート(10)を用い、このコアシート(10)に対して、幅方向の一方側に固定子コイル(107)を巻装するための複数の磁極を構成するティース部(11、E1)およびスロット部(12、E2)を形成するとともに、幅方向の他方側にヨーク部(13、E3)とその外周縁に複数の切欠き部(14、E4)を形成するプレス工程と、
    このコアシートを、前記磁極が内周側となるように、螺旋状に巻回しつつ円筒状に積層するとともに、各巻回層の前記ティース部、前記スロット部および前記切欠き部をそれぞれ軸方向に整列させて積層コア(1)を形成する巻取り工程と、
    この積層コアを所定の積層寸法ごとに切断するとともに前記積層コアの各巻回層がずれないように固定する定寸工程と、
    定寸後の前記積層コアに対してその内外径側にしごき成形加工を施すことで前記積層コアを所望の真円形状に整形する仕上げ工程とを備え、
    前記仕上げ工程では、複数の前記切欠き部および隣り合う前記切欠き部間の前記積層コアの外周側に対して外径方向から内径方向に押圧力を加えながら前記しごき成形加工を実施することを特徴とする回転電機(100)の固定子鉄心(108)の製造方法。
  2. 請求項1に記載の回転電機の固定子鉄心の製造方法において、
    前記プレス工程では、複数の前記切欠き部を前記ティース部の背面側に位置するようにして前記ヨーク部に形成することを特徴とする回転電機の固定子鉄心の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の回転電機の固定子鉄心の製造方法において、
    前記仕上げ工程では、前記しごき成形加工の進捗に合わせて前記切欠き部に加える押圧力を増大させることを特徴とする回転電機の固定子鉄心の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の回転電機の固定子鉄心の製造方法を実施するための製造装置であって、
    前記しごき成形加工を実行する整形装置(200)は、前記積層コアの内径側を整形する芯金(2002)と、前記積層コアの外側を整形する円環状のしごきリング(205)と、前記積層コアの各切欠き部に対して外径方向から内径方向に押圧力を加える複数の棒状サポート部材(206)とを備え、
    前記サポート部材は、それぞれ軸方向に沿って前記切欠き部の凹み形状を転写した断面形状の突出部(207)を有しており、この突出部が前記芯金および前記しごきリングによる前記積層コアの整形時に前記切欠き部に嵌入されることを特徴とする回転電機の固定子鉄心の製造装置。
  5. 請求項4に記載の回転電機の固定子鉄心の製造装置において、
    前記整形装置は、前記芯金、前記リングおよび前記サポート部材が前記積層コアに対して軸方向に摺動しながら前記積層コアを整形するものであり、
    前記サポート部材は、前記突出部として、整形過程の初期から後期にかけて突出量が漸増するテーパ状突出部を有していることを特徴とする回転電機の固定子鉄心の製造装置。
  6. 請求項4または5に記載の回転電機の固定子鉄心の製造装置において、
    複数の前記サポート部材は、前記しごきリングの内周面に前記切欠き部の間隔に合致させて取付けられていることを特徴とする回転電機の固定子鉄心の製造装置。
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