以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の識別体の実施の一形態を示す図であり、(a)は表面から見た図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したフィギュアアンテナ20aの詳細な構成を示す図である。
本形態による識別体は図1に示すように、紙や樹脂等からなる長方形のベース基材10上に、8つのフィギュアアンテナ20a〜20hが形成されてなるIDタグ1である。
フィギュアアンテナ20a〜20hは、ベース基材10の長手方向に配列して形成されている。フィギュアアンテナ20a〜20hのそれぞれは、いわゆるノッチアンテナと呼ばれるアンテナであって、ベース基材10上に積層された長方形からなる面状の導電層からその導電層の一端部を開口部としてスリット状または長方形状にくり抜かれて構成されている。例えば、フィギュアアンテナ20aは図1(c)に示すように、長方形からなる面状の導電層からくり抜かれた部分となる非導電部22と、面状の導電層のうちくり抜かれなかった部分からなる導電部21とからなり、非導電部22は、導電層の一端部が開口部23となっている。また、他のフィギュアアンテナ20b〜20hにおいても同様に、長方形からなる面状の導電層からくり抜かれた部分となる非導電部と、面状の導電層のうちくり抜かれなかった部分からなる導電部とからなり、非導電部は、導電層の一端部が開口部となっている。なお、フィギュアアンテナ20a〜20hの基となる面状の導電層の外形は、フィギュアアンテナ20a〜20h同士で同一の形状となっている。
このように構成されたフィギュアアンテナ20a〜20hは、導電部及び非導電部による形状、すなわちくり抜き形状が互いに同一ではない。これは、フィギュアアンテナ20a〜20hの共振周波数を、フィギュアアンテナ20a〜20hに付与された識別情報に対応づけられたものとするためであり、詳細は後述する。また、フィギュアアンテナ20a〜20hは、開口部の向きが交互に反対方向を向いて配列されている。具体的には、フィギュアアンテナ20a,20c,20e,20gの開口部が、図1(a)中下方向を向いており、フィギュアアンテナ20b,20d,20f,20hの開口部が、図1(a)中上方向を向いている。
以下に、上記のように構成されたフィギュアアンテナ20a〜20hの共振周波数について説明する。
図1に示したIDタグ1に形成されるフィギュアアンテナについて共振周波数を測定した。なおその際、フィギュアアンテナが形成されたベース基材10として、1.6mmの厚みを有するFR4(Flame Retardant Type 4)を用いるとともに、フィギュアアンテナの基となる導電層の外形を6.5mm×8.5mmとし、その導電層として18μmの厚みの銅箔からなるものを用いた。また、フィギュアアンテナに対して電磁波の送受信をするためのアンテナとして、12mm×12mmの形状を有し18μmの厚みの銅箔からなる6.0GHzで共振するパッチアンテナを用いた。この条件の下で、フィギュアアンテナの反射係数を測定した。
図2は、図1に示したカード基材10に形成されるフィギュアアンテナの周波数特性の一例を示す図であり、(a)はフィギュアアンテナの周波数特性を示す図、(b)はその結果をまとめた図である。
本実験においては、図2(b)に示す2種類のフィギュアアンテナの共振周波数について測定を行った。2種類のフィギュアアンテナのうちの一方をアンテナAとし他方をアンテナBとすると、アンテナAは、全体の幅W11が6.5mm、高さh11が8.5mmで、非導電部の幅W12が1.0mm、高さh12が5.0mmであり、また、アンテナBは、全体の幅W21が6.5mm、高さh21が8.5mmで、非導電部の幅W22が3.0mm、高さh22が6.0mmである。
パッチアンテナにフィギュアアンテナが翳されていない状態においては、6.0GHz付近に1つだけ共振点(以下、第1共振点と称する)が検出された。
一方、アンテナAに対して、非導電部による開口部とは反対側からパッチアンテナを近接させると、図2(a)の実線で示すように、5.9GHz付近に第1共振点が検出されるとともに、7.3GHz付近に2つ目の共振点(以下、第2共振点と称する)が検出された。また、アンテナBに対して、非導電部による開口部とは反対側からパッチアンテナを近接させると、図2(a)の破線で示すように、6.1GHz付近に第1共振点が検出されるとともに、5.5GHz付近に第2共振点が検出された。このように、非導電部による開口部を有するアンテナにおいては、開口部とは反対側から共振周波数を検出することができる。これは、非導電部による開口部を有するアンテナにおいては、開口部側がその指向性が悪化する方向となるためである。
そして、これらをまとめると図2(b)に示すように、フィギュアアンテナの共振周波数は、導電層からくり抜かれた形状によって互いに異なるものとなる。
そのため、フィギュアアンテナの形状を異ならせることで、フィギュアアンテナから検出される共振周波数を用いてフィギュアアンテナに識別情報を付与することができる。例えば、図2(b)に示すように、アンテナA,Bにそれぞれ識別情報“1”,“2”を付与した場合、アンテナAの共振周波数と識別情報“1”とを対応づけるとともに、アンテナBの共振周波数と識別情報“2”とを対応づけておけば、アンテナA,Bの共振周波数を検出することにより、アンテナA,Bにそれぞれ付与された識別情報“1”,“2”を認識することができるようになる。
このようにして、導電層からのくり抜き形状が互いに異なる10種類のフィギュアアンテナを用い、これら10種類のフィギュアアンテナの共振周波数を、識別情報となる数字“0”〜“9”に対応づけておくことにより、フィギュアアンテナの共振周波数を検出することでフィギュアアンテナに付与された数字“0”〜“9”を認識することができる。
そして、図1に示したフィギュアアンテナ20a〜20hのそれぞれについても、IDタグ1に付与されたIDを構成する数字に対応づけられた共振周波数を有するフィギュアアンテナ20a〜20hをベース基材10上に形成することにより、フィギュアアンテナ20a〜20hの共振周波数を検出することで、フィギュアアンテナ20a〜20hに付与された数字が認識され、この数字の組み合わせによるIDを認識することができる。
ここで、図1に示したIDタグ1において、フィギュアアンテナ20a〜20hが、開口部の向きが交互に反対方向を向いて配列されている理由について説明する。
図3は、図1に示したようなフィギュアアンテナが複数近接して配列された状態における周波数特性の測定方法を示す図である。図4は、図3に示した方法で測定されたフィギュアアンテナの周波数特性を示す図である。
図3に示すように、図1に示したものと同様に導電部と非導電部からなるフィギュアアンテナについて、非導電部の形状が同一の4つのフィギュアアンテナ120a〜120dを近接して配列し、そのうちの1つのフィギュアアンテナの周波数特性を測定した。
まず、図3(a)に示すように、4つのフィギュアアンテナ120a〜120dを、非導電部による開口部が同じ方向を向くように配列した状態で、2つのフィギュアアンテナ120a,120cに挟まれたフィギュアアンテナ120bの周波数特性を開口部とは反対側から測定した。すると、図4の破線で示すような周波数特性が得られた。
次に、図3(b)に示すように、4つのフィギュアアンテナ120a〜120dを、非導電部による開口部が同じ方向を向くように配列した状態で、一方の側のみにフィギュアアンテナ120cが隣接するフィギュアアンテナ120dの周波数特性を開口部とは反対側から測定した。フィギュアアンテナ120dは、フィギュアアンテナ120bと同一形状を有するものであるため、その周波数特性もフィギュアアンテナ120bと同一のものとなるはずである。ところが、その周波数特性は図4の実線で示すようなものとなり、図4の破線で示すフィギュアアンテナ120bの周波数特性とは異なるものとなってしまう。
これは、非導電部による開口部の向きが同一であることで隣接するフィギュアアンテナ同士にて干渉が生じ、2つのフィギュアアンテナに挟まれた場合と一方の側のみにフィギュアアンテナが隣接する場合とで周波数特性が異なってしまうためである。
そこで、次に、図3(c)に示すように、4つのフィギュアアンテナ120a〜120dを、非導電部による開口部が交互に反対方向を向くように配列した状態で、2つのフィギュアアンテナ120a,120cに挟まれたフィギュアアンテナ120bの周波数特性を開口部とは反対側から測定した。すると、図4の一点鎖線で示すような周波数特性が得られた。
次に、図3(d)に示すように、4つのフィギュアアンテナ120a〜120dを、非導電部による開口部が交互に反対方向を向くように配列した状態で、一方の側のみにフィギュアアンテナ120cが隣接するフィギュアアンテナ120dの周波数特性を開口部とは反対側から測定した。すると、図4の二点鎖線で示すような周波数特性が得られ、2つのフィギュアアンテナ120a,120cに挟まれたフィギュアアンテナ120bの周波数特性に対して共振周波数が概ね同一のものが得られた。
このように、図1に示したものと同様に導電部と非導電部とからなる4つのフィギュアアンテナ120a〜120dを、非導電部による開口部が交互に反対方向を向くように配列した状態においては、隣接するフィギュアアンテナ120a〜120d間で、指向性が悪化する方向が反対方向を向くこととなり、それにより、隣接するフィギュアアンテナ同士での干渉が生じることなく、フィギュアアンテナ120a〜120dの共振周波数を正確に検出することができた。
ここで、導電部と非導電部とからなる4つのフィギュアアンテナ120a〜120dを、非導電部による開口部が同じ方向を向くように配列したものにおいても、フィギュアアンテナが2つのフィギュアアンテナに挟まれた場合と、一方の側のみにフィギュアアンテナが隣接する場合とで、それぞれにおける共振周波数を識別情報に対応づけてデータベースとして登録しておけば、共振周波数を検出することで識別情報を認識することができるが、1つの識別情報に対して複数の共振周波数を登録するための処理や、共振周波数を検出する際に、そのフィギュアアンテナが2つのフィギュアアンテナに挟まれたものであるのか一方の側のみにフィギュアアンテナが隣接しているものであるのかを判定する処理が必要となり、処理が煩雑になってしまうことになる。
図5は、図1に示したものと同様に導電部と非導電部とからなる複数のフィギュアアンテナが、隣接するフィギュアアンテナによる干渉を受けないための配列を示す図であり、(a)は複数のフィギュアアンテナが、非導電部による開口部が同じ方向を向くように配列された構成を示す図、(b)は複数のフィギュアアンテナが、非導電部による開口部が交互に反対方向を向くように配列された構成を示す図である。
上述したように、図1に示したものと同様に導電部と非導電部とからなる複数のフィギュアアンテナを、非導電部による開口部が同じ方向を向くように配列した状態においては、隣接するフィギュアアンテナ同士での干渉が生じてしまうため、複数のフィギュアアンテナを近接して配列することができない。そのため、例えば全体の幅が6.5mmのフィギュアアンテナを配列する場合は、フィギュアアンテナ間に7mm以上の間隔を設ける必要が生じ、それにより、図5(a)に示すように、フィギュアアンテナの配列方向にて必要となる全体の長さが、フィギュアアンテナ単体の幅にフィギュアアンテナの数をかけたものの2倍以上となってしまうこととなる。それにより、複数のフィギュアアンテナが配列されてなる識別体の大きさが大きくなってしまい、また、識別体の大きさが決められている場合は認識できるID数が少なくなってしまう。
一方、図1に示したものと同様に導電部と非導電部とからなる複数のフィギュアアンテナを、非導電部による開口部が交互に反対方向を向くように配列した状態においては、上述したように隣接するフィギュアアンテナ同士での干渉が生じることなく、フィギュアアンテナの共振周波数を正確に検出することができるため、図5(b)に示すように、例えば8つのフィギュアアンテナ120a〜120hを近接して配列することができる。
以下に、図1に示したIDタグ1に付与されたIDの認識方法について説明する。
図6は、図1に示したIDタグ1に付与されたIDを認識する識別システムの一例を示す図である。
本例における識別システムは図6に示すように、アンテナ41a,41bと、電磁波放射部42と、周波数検出部43と、IDデータベース44と、個別ID認識部45と、ID認識部46とを有している。
電磁波放射部42は、IDタグ1のフィギュアアンテナ20a〜20hに対して、数字“0”〜“9”に対応づけられた共振周波数を含む周波数帯をスイープしながら当該周波数帯の電磁波をアンテナ41a,41bを介して放射する。なお、電磁波放射部42においては、数字“0”〜“9”に対応づけられた共振周波数を含む周波数帯をスイープするのではなく、フィギュアアンテナ20a〜20hのそれぞれに対して、数字“0”〜“9”に対応づけられた共振周波数の電磁波を同時に放射する構成としてもよい。すなわち、電磁波放射部42は、フィギュアアンテナ20a〜20hのそれぞれに対して、数字“0”〜“9”に対応づけられた共振周波数を含む複数の周波数の電磁波をアンテナ41a,41bを介して放射するものである。
周波数検出部43は、フィギュアアンテナ20a〜20hのそれぞれに対して電磁波放射部42から放射された電磁波に対する反射波を、フィギュアアンテナ20a〜20hにアンテナ41a,41bを介して検知し、この反射波の共振周波数を検出することにより、フィギュアアンテナ20a〜20hの共振周波数を検出する。
IDデータベース44は、数字“0”〜“9”毎に互いに異なるように設定されたフィギュアアンテナ20a〜20hの共振周波数と、それに対応する数字“0”〜“9”とが対応づけて登録されている。また、フィギュアアンテナ20a〜20hが存在しない場合の共振周波数が登録されている。
個別ID認識部45は、周波数検出部43にて検出された共振周波数にIDデータベース44にて対応づけられた数字を認識する。すなわち、個別ID認識部45は、周波数検出部43にて検出された共振周波数を用いて、フィギュアアンテナ20a〜20hに付与された数字をフィギュアアンテナ20a〜20h毎に認識する。
ID認識部46は、個別ID認識部45にて認識された数字を、その数字に対応する共振周波数が周波数検出部43にて検出された順番に並べることで、IDタグ1に付与されたIDを認識する。
以下に、上記のように構成された識別システムにおいて、図1に示したIDタグ1に付与されたIDを認識する方法について説明する。
図7は、図6に示した識別システムにおいて、図1に示したIDタグ1に付与されたIDを認識する方法を説明するための図であり、アンテナ41a,41bを介した電磁波の放射及びフィギュアアンテナ20a〜20hからの反射波のアンテナ41a,41bを介した検知の状態を示す図である。
フィギュアアンテナ20a〜20hは、上述したように、非導電部による開口部とは反対側から共振周波数を検出することができるため、図6に示した識別システムにおいては、図1に示したIDタグ1に対して、フィギュアアンテナ20a〜20hと正対する方向に対して垂直な方向から電磁波を照射してその反射波を検知することによって、フィギュアアンテナ20a〜20hの共振周波数を検出する場合、図7に示すように、IDタグ1に対して、図1(a)中上方向にアンテナ41aを配置するとともに、図1(a)中下方向にアンテナ41bを配置する。
まず、図7(a)に示すように、アンテナ41aをフィギュアアンテナ20aの開口部とは反対側に対向させるとともに、アンテナ41bをフィギュアアンテナ20bの開口部とは反対側に対向させる。フィギュアアンテナ20aとフィギュアアンテナ20bとは、開口部の向きが反対方向を向いているため、アンテナ41a,41bは、フィギュアアンテナ20a〜20hの配列を挟んで対向し、かつ、フィギュアアンテナ20a〜20hの1つ分ずれて配置される。
すると、図7(a)に示すように、電磁波放射部42から放射された電磁波が、アンテナ41aを介してフィギュアアンテナ20aに放射されるとともに、アンテナ41bを介してフィギュアアンテナ20bに放射される。電磁波放射部42から放射された電磁波がアンテナ41a,41bを介してフィギュアアンテナ20a,20bにそれぞれ放射されると、フィギュアアンテナから20a,20bの反射波がアンテナ41a,41bを介してそれぞれ検知される。この際、電磁波放射部42からは、アンテナ41a,41bがフィギュアアンテナ20a,20bに対向した状態で、IDデータベース44にて数字“0”〜“9”に対応づけられた共振周波数を含む周波数帯をスイープするように電磁波が放射されており、それにより、フィギュアアンテナ20a,20bからの反射波によって、フィギュアアンテナ20a,20bの共振周波数が周波数検出部43にて検出される。ここで、フィギュアアンテナ20aにおいては、フィギュアアンテナ20bが隣接しているものの、フィギュアアンテナ20bに対して非導電部による開口部が反対方向を向いているため、上述したようにフィギュアアンテナ20bによる干渉が生じず、フィギュアアンテナ20aの形状による共振周波数が正確に検出されることになる。また、フィギュアアンテナ20bにおいては、フィギュアアンテナ20aとフィギュアアンテナ20cとに挟まれているものの、フィギュアアンテナ20a,20cに対して非導電部による開口部が反対方向を向いているため、上述したようにフィギュアアンテナ20a,20cによる干渉が生じず、フィギュアアンテナ20bの形状による共振周波数が正確に検出されることになる。
そして、個別ID認識部45において、IDデータベース44が参照され、周波数検出部43にて検出された共振周波数に対応づけられた数字が、フィギュアアンテナ20a,20bに付与された数字として認識される。
次に、図7(b)に示すように、アンテナ41aをフィギュアアンテナ20cの開口部とは反対側に対向させるとともに、アンテナ41bをフィギュアアンテナ20dの開口部とは反対側に対向させる。
すると、図7(b)に示すように、電磁波放射部42から放射された電磁波が、アンテナ41aを介してフィギュアアンテナ20cに放射されるとともに、アンテナ41bを介してフィギュアアンテナ20dに放射される。電磁波放射部42から放射された電磁波がアンテナ41a,41bを介してフィギュアアンテナ20c,20dにそれぞれ放射されると、フィギュアアンテナから20c,20dの反射波がアンテナ41a,41bを介してそれぞれ検知される。ここで、フィギュアアンテナ20cにおいては、フィギュアアンテナ20bとフィギュアアンテナ20dとに挟まれているものの、フィギュアアンテナ20b,20dに対して非導電部による開口部が反対方向を向いているため、上述したようにフィギュアアンテナ20b,20dによる干渉が生じず、フィギュアアンテナ20cの形状による共振周波数が正確に検出されることになる。また、フィギュアアンテナ20dにおいては、フィギュアアンテナ20cとフィギュアアンテナ20eとに挟まれているものの、フィギュアアンテナ20c,20eに対して非導電部による開口部が反対方向を向いているため、上述したようにフィギュアアンテナ20c,20eによる干渉が生じず、フィギュアアンテナ20dの形状による共振周波数が正確に検出されることになる。
そして、個別ID認識部45において、IDデータベース44が参照され、周波数検出部43にて検出された共振周波数に対応づけられた数字が、フィギュアアンテナ20c,20dに付与された数字として認識される。
次に、図7(c)に示すように、アンテナ41aをフィギュアアンテナ20eの開口部とは反対側に対向させるとともに、アンテナ41bをフィギュアアンテナ20fの開口部とは反対側に対向させる。
すると、図7(c)に示すように、電磁波放射部42から放射された電磁波が、アンテナ41aを介してフィギュアアンテナ20eに放射されるとともに、アンテナ41bを介してフィギュアアンテナ20fに放射される。電磁波放射部42から放射された電磁波がアンテナ41a,41bを介してフィギュアアンテナ20e,20fにそれぞれ放射されると、フィギュアアンテナから20e,20fの反射波がアンテナ41a,41bを介してそれぞれ検知される。ここで、フィギュアアンテナ20eにおいては、フィギュアアンテナ20dとフィギュアアンテナ20fとに挟まれているものの、フィギュアアンテナ20d,20fに対して非導電部による開口部が反対方向を向いているため、上述したようにフィギュアアンテナ20d,20fによる干渉が生じず、フィギュアアンテナ20eの形状による共振周波数が正確に検出されることになる。また、フィギュアアンテナ20fにおいては、フィギュアアンテナ20eとフィギュアアンテナ20gとに挟まれているものの、フィギュアアンテナ20e,20gに対して非導電部による開口部が反対方向を向いているため、上述したようにフィギュアアンテナ20e,20gによる干渉が生じず、フィギュアアンテナ20fの形状による共振周波数が正確に検出されることになる。
そして、個別ID認識部45において、IDデータベース44が参照され、周波数検出部43にて検出された共振周波数に対応づけられた数字が、フィギュアアンテナ20e,20fに付与された数字として認識される。
次に、図7(d)に示すように、アンテナ41aをフィギュアアンテナ20gの開口部とは反対側に対向させるとともに、アンテナ41bをフィギュアアンテナ20hの開口部とは反対側に対向させる。
すると、図7(d)に示すように、電磁波放射部42から放射された電磁波が、アンテナ41aを介してフィギュアアンテナ20gに放射されるとともに、アンテナ41bを介してフィギュアアンテナ20hに放射される。電磁波放射部42から放射された電磁波がアンテナ41a,41bを介してフィギュアアンテナ20g,20hにそれぞれ放射されると、フィギュアアンテナから20g,20hの反射波がアンテナ41a,41bを介してそれぞれ検知される。ここで、フィギュアアンテナ20gにおいては、フィギュアアンテナ20fとフィギュアアンテナ20hとに挟まれているものの、フィギュアアンテナ20f,20hに対して非導電部による開口部が反対方向を向いているため、上述したようにフィギュアアンテナ20f,20hによる干渉が生じず、フィギュアアンテナ20gの形状による共振周波数が正確に検出されることになる。また、フィギュアアンテナ20hにおいては、フィギュアアンテナ20gが隣接しているものの、フィギュアアンテナ20gに対して非導電部による開口部が反対方向を向いているため、上述したようにフィギュアアンテナ20gによる干渉が生じず、フィギュアアンテナ20hの形状による共振周波数が正確に検出されることになる。
そして、個別ID認識部45において、IDデータベース44が参照され、周波数検出部43にて検出された共振周波数に対応づけられた数字が、フィギュアアンテナ20g,20hに付与された数字として認識される。
このようにしてフィギュアアンテナ20a〜20hに付与された数字がそれぞれ個別ID認識部45にて認識されると、ID認識部46において、個別ID認識部45にて認識された数字が、その数字に対応する共振周波数が周波数検出部43にて検出された順番に並べられる。本形態においては、周波数検出部43において、まず、フィギュアアンテナ20a,20bの共振周波数が検出され、次に、フィギュアアンテナ20c,20dの共振周波数が検出され、次に、フィギュアアンテナ20e,20fの共振周波数が検出され、次に、フィギュアアンテナ20g,20hの共振周波数が検出されている。そのため、フィギュアアンテナ20a,20bに付与された数字、フィギュアアンテナ20c,20dに付与された数字、フィギュアアンテナ20e,20fに付与された数字、フィギュアアンテナ20g,20hに付与された数字がこの順番で並べられ、さらに、周波数検出部43にて検出された共振周波数が、アンテナ41a,41bのいずれを介して検知された反射波によるものであるかが認識されており、アンテナ41a,41bの配置に従って、フィギュアアンテナ20a,20bに付与された数字については、フィギュアアンテナ20aに付与された数字が先頭側となるように、また、フィギュアアンテナ20c,20dに付与された数字については、フィギュアアンテナ20cに付与された数字が先頭側となるように、また、フィギュアアンテナ20e,20fに付与された数字については、フィギュアアンテナ20eに付与された数字が先頭側となるように、また、フィギュアアンテナ20g,20hに付与された数字については、フィギュアアンテナ20gに付与された数字が先頭側となるように並べられ、それにより、フィギュアアンテナ20a〜20hに付与された数字がこの順で組み合わされてなる8桁の数字が、IDタグ1に付与されたIDとして認識されることになる。
このように本形態においては、ベース基材10の長手方向に配列して形成されたフィギュアアンテナ20a〜20hのそれぞれが、ベース基材10上に積層された長方形からなる面状の導電層からその導電層の一端部を開口部としてくり抜かれて構成されており、その開口部の向きが交互に反対方向を向いて配列されているので、フィギュアアンテナ20a〜20hの開口部とは反対側から共振周波数を検出する場合に、隣接するフィギュアアンテナによる干渉が生じにくくなる。それにより、識別情報が付与された複数のフィギュアアンテナ20a〜20hが近接して配列されている場合においても、フィギュアアンテナ20a〜20hの共振周波数を検出することでその共振周波数に対応づけられた識別情報を認識することができる。
(他の実施の形態)
図8は、本発明の識別体の他の実施の形態を示す図である。
本形態は図8に示すように、図1に示したIDタグ1に対して、フィギュアアンテナ220a〜220hの向き及び配列が異なるIDタグ201である。
本形態におけるフィギュアアンテナ220a〜220hは、フィギュアアンテナ220a〜220cによってアンテナ群225aが構成され、フィギュアアンテナ220d〜220fによってアンテナ群225bが構成され、フィギュアアンテナ220g〜220iによってアンテナ群225cが構成されている。フィギュアアンテナ220a〜220iは、アンテナ群225a〜225c毎に、開口部の向きが同一となっており、隣接するアンテナ群同士では、開口部の向きが反対方向に向いている。すなわち、フィギュアアンテナ220cとフィギュアアンテナ220d、フィギュアアンテナ220fとフィギュアアンテナ220gとが、それぞれ開口部の向きが互いに異なる組み合わせとなっている。そのため、フィギュアアンテナ220a〜220i同士の間隔が、アンテナ群225a〜225cのそれぞれにおいては、互いに干渉しないように図1に示したものと比べて広くなっており、また、アンテナ群225a〜225cの境界となる、フィギュアアンテナ220cとフィギュアアンテナ220d、フィギュアアンテナ220fとフィギュアアンテナ220gとの間隔は、それぞれ図1に示したものと同様のものとなっている。
上記のように構成されたIDタグ201においても、アンテナ群225a〜225cのそれぞれにおいては、フィギュアアンテナ220a〜220iの間隔を互いに干渉しないように広くする必要があるが、アンテナ群225a〜225cの境界部分においては、フィギュアアンテナ220c,220d,220f,220gが近接して配列されていても、フィギュアアンテナ220c,220d,220f,220gの共振周波数を検出することでその共振周波数に対応づけられた識別情報を認識することができる。
すなわち、本発明においては、ベース基材上に積層された面状の導電層からその導電層の一端部を開口部としてくり抜かれて構成された複数のフィギュアアンテナが、隣接するフィギュアアンテナ同士で開口部の向きが互いに異なる組み合わせを少なくとも1つ含んで配列されていることにより、その組み合わせを構成するフィギュアアンテナにおいては、互いに近接して配列されていても互いの干渉が生じにくくなり、共振周波数を検出することで識別情報を正確に認識することができる。そのため、その組み合わせを構成するフィギュアアンテナを互いに近接して配列することにより、共振周波数が検出されることで識別情報が認識される複数のフィギュアアンテナが一方向に配列してなる構成において、省スペースで多くのIDを認識させることができる。ただし、図1に示したIDタグ1のように、複数のアンテナの開口部の向きが、交互に反対方向を向いていれば、複数のフィギュアアンテナ全てを近接して配列することができ、最小限のスペースで最大数の識別情報を認識させることができる。
また、開口部の向きを異ならせる場合に、上述したように180°異ならせるのではなく、90°異ならせることによっても、上記同様の効果を得ることができる。
図9は、本発明の識別体を構成するフィギュアアンテナの他の例を示す図である。
上述した実施の形態におけるフィギュアアンテナは、ベース基材上に積層された長方形からなる面状の導電層からその導電層の一端部を開口部としてスリット状または長方形状にくり抜かれて構成されているが、くり抜かれる形状は、スリット状や長方形状には限らない。
図9(a)に示すように、長方形からなる面状の導電層からその導電層の一端部を開口部323aとしてL字状にくり抜かれ、くり抜かれた部分が非導電部322aとなり、面状の導電層のうちくり抜かれなかった部分が導電部321aとなるフィギュアアンテナ320aであってもよい。
また、図9(b)に示すように、長方形からなる面状の導電層からその導電層の一端部を開口部323bとして傾斜を有してその幅が狭まっていくようにくり抜かれ、くり抜かれた部分が非導電部322bとなり、面状の導電層のうちくり抜かれなかった部分が導電部321bとなる、いわゆるテーパースロットアンテナと呼ばれるアンテナに類似したフィギュアアンテナ320bであってもよい。
また、図9(c)に示すように、長方形からなる面状の導電層からその導電層の一端部を開口部323cとして数字の形状にくり抜かれ、くり抜かれた部分が非導電部322cとなり、面状の導電層のうちくり抜かれなかった部分が導電部321cとなるフィギュアアンテナ320cであってもよい。この場合、フィギュアアンテナ320cに付与された識別情報と非導電部322cの形状とを同一のものとしておけば、フィギュアアンテナ320cに付与された識別情報を視覚によっても認識することができる。
なお、上述した実施の形態においては、フィギュアアンテナの非導電部による開口部の向きを異ならせることで、隣接するフィギュアアンテナ間にて干渉を生じさせないものを例に挙げて説明したが、指向性が悪化する方向の向きをフィギュアアンテナ間で異ならせる構成を有するものであれば、開口部の向きによるものに限らない。
また、上述した実施の形態においては、フィギュアアンテナに付与された識別情報として数字を例に挙げて説明したが、識別情報は、アルファベット等、数字でなくてもよいことは言うまでもない。