JP6497677B2 - ブロック共重合体、表面処理剤、その膜、およびそれを被覆した細胞培養基材 - Google Patents
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Description
(A)下記一般式(1)で表される繰り返し単位(a)からなる重合体のブロック。
(B)下記一般式(2)で表される繰り返し単位(b)
と下記一般式(3)で表される繰り返し単位(c)
からなる重合体のブロック。
本発明のブロック共重合体は一般式(1)で表される繰り返し単位(a)からなる温度応答性重合体のブロック(A)、および一般式(2)で表される繰り返し単位(b)と一般式(3)で表される繰り返し単位(c)とからなる重合体のブロック(B)から構成される。
R1は水素原子又はメチル基である。
R2およびR3は各々独立して、水素基、炭素数1〜3の炭化水素基、炭素数3または4の酸素含有炭化水素基である。
炭素数1〜3の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基を例示できるが、LCSTを20℃〜35℃の範囲にするたに、好ましくはエチル基またはイソプロピル基が用いられる。
炭素数3または4の酸素含有炭化水素基としては、メトキシエチル基、エトキシエチル基、フルフリル基、テトラヒドロフルフリル基を例示できるが、LCSTを28℃〜40℃の範囲にするたに、好ましくはエトキシエチル基またはテトラヒドロフルフリル基が用いられる。
R4は水素原子又はメチル基であり、細胞剥離に必要な冷却時間を短縮することを目的に好ましくはメチル基を用いる。
R10は水素原子又はメチル基であり、得られる共重合体の安定性の点から好ましくはメチル基である。
本発明の基材用の表面処理剤は、上記ブロック共重合体を含むものである。より好ましくは、シャーレー、マルチウェルプレート、フラスコなどの細胞培養基材用の表面処理剤である。本発明の表面処理剤は、基材に塗布するだけで表面処理を行なうことができるものである。
本発明の膜は、上記表面処理剤を基材に塗布することによって得られる膜である。上記表面処理剤を基材に塗布したのちに、乾燥する工程をさらに含んでもよい。本発明の膜の厚さは、通常、1nm以上10μm以下である。細胞培養基材に被覆した時に細胞の接着性を担保する観点から、10μm以下であり、好ましくは7.5μm以下であり、より好ましくは5μm以下である。一方で、細胞培養基材を被覆している膜上に細胞が接着した場合に、細胞剥離に必要とされる冷却時間を短縮する観点から、1nm以上であり、好ましくは5nm以上であり、さらにより好ましくは10nm以上である。
本発明の細胞培養用基材は、上記膜で基材表面を被覆した細胞培養用基材である。一の態様では、基材と、基材表面を被膜するように配置された本発明にかかるブロック共重合体とを含む、細胞培養用基材である。本発明の細胞培養用基材を用いて培養される細胞としては、通常の培養温度、即ち約37℃以上で培養する際に、基材の表面に接着可能なものであれば特に限定されるものではない。例えばチャイニーズハムスター卵巣由来CHO細胞やマウス結合組織L929細胞、ヒト胎児腎臓由来細胞HEK293細胞やヒト子宮頸癌由来HeLa細胞等の種々の培養細胞株に加え、例えば生体内の各組織、臓器を構成する上皮細胞や内皮細胞、収縮性を示す骨格筋細胞、平滑筋細胞、心筋細胞、神経系を構成するニューロン細胞、グリア細胞、繊維芽細胞、生体の代謝に関与する肝実質細胞、肝非実質細胞や脂肪細胞、分化能を有する細胞として、種々の組織に存在する幹細胞、さらにはそれらから分化誘導した細胞等を用いることができる。幹細胞としては、ES細胞、EG細胞、iPS細胞など任意の幹細胞を用いることもできる。
核磁気共鳴測定装置(日本電子製、商品名JNM−GSX400)を用いたプロトン核磁気共鳴分光(1H−NMR)スペクトル分析、およびフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)(Perkin Elmer社製、商品名SPECTRUM ONE)より求めた。
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)と数平均分子量の比(Mw/Mn)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。GPC装置としては東ソー(株)製 HLC−8120GPCを用い、カラムとしては、東ソー製 TSKgel α−Mを用い、カラム温度を40℃に設定し、溶離液として10mM−LiBr メタノール/水溶液(メタノール:水=70vol%:30vol%)を用いて測定した。測定試料は2.0mg/mLで調製し、0.1mL注入して測定した。分子量の検量線は、分子量既知のポリエチレンオキサイド試料を用いて校正した。なお、MnとMwはポリエチレンオキサイド換算の値として求めた。
水中、40℃および20℃での気泡接触角(θ)(°)を測定し、40℃および20℃の対水接触角(180−θ)(°)を算出した。θは協和界面科学(株)製接触角計DM300を用いて、水中、3μLの気泡の接触角を測定した。
[重合体ブロック(B)の合成]
100mLの2口ナス型フラスコに2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを1.00g(3.39mmol)、n−ブチルメタクリレート1.12g(7.88mmol)、RAFT剤として4−シアノ−4−[(ドデシルスルフォニルチオカルボニル)スルフォニル]ペンタノイックアシッド72mg(178μmol)、アゾビスイソブチロニトリル6mg(37μmol)を加え、1,4−ジオキサン/エタノール=1:1混合溶液20mLに溶解した。窒素バブリングを15分行った後、65℃で18時間反応させた。反応後、反応溶液をジエチルエーテル500mLに注ぎ込み、析出した白色固体をろ過、乾燥して、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとn−ブチルメタクリレートのランダム共重合体(重合体ブロック(B))を得た。
100mLの2口ナス型フラスコに上記重合体ブロック(B)1.00g、N−イソプロピルアクリルアミド0.30g(2.65mmol)、アゾビスイソブチロニトリル6mg(37μmol)を加え、1,4−ジオキサン/エタノール=1:1混合溶液20mLに溶解した。窒素バブリングを15分行った後、65℃で18時間反応させた。反応後、反応溶液をヘキサン500mLに注ぎ込み、析出した白色固体をろ過して、減圧下、80℃で、6時間乾燥して、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとn−ブチルメタクリレートのランダム共重合体にN−イソプロピルアクリルアミドがブロック共重合したブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体の組成、MnおよびMw/Mnを表1に示す。
上記ブロック共重合体0.10gをエタノール49.90gに溶解し、0.2重量%の表面処理剤を調製した。
φ60mmポリスチレン製シャーレに上記表面処理剤2.5mL加え、窒素気流で乾燥した。さらに、減圧化で乾燥し、前記ブロック共重合体の膜で表面を被覆した細胞培養用基材を調製した。37℃および20℃での対水接触角を表1に示す。
上記細胞培養基材を用い、マウス結合組織L929細胞(2.8×105個/mL)1mLを播種し、10vol%ウシ胎児血清を含むダルベッコ・フォークト変法イーグル最小必須培地(10vol%FBS/DMEM)4mLを加え、37℃、CO2濃度5%で培養した。所定時間毎に、10×10倍の顕微鏡で接着細胞数をカウントし、接着細胞が基材表面の100%を覆うまで培養した。培養開始24時間後、72時間後の細胞接着密度(個/mm2)、細胞接着密度が700個/mm2に達するまでの日数(培養日数)を表1に示す。さらに、その後、基材を10℃に冷却し、所定時間毎に、10×10倍の顕微鏡で接着細胞数をカウントし、接着していた細胞の100%が剥離するまでの時間(剥離時間)を計測した。その剥離時間を表1に示す。
[重合体ブロック(B)の合成]
4−シアノ−4−[(ドデシルスルフォニルチオカルボニル)スルフォニル]ペンタノイックアシッドを60mg(149μmol)用いたこと以外は、実施例1[重合体ブロック(B)の合成]と同じ方法で合成を行い、重合体ブロック(B)を得た。
上記重合体ブロック(B)を用いたこと以外は、実施例1[ブロック共重合体の合成]と同じ方法で合成を行い、ブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体の組成、MnおよびMw/Mnを表1に示す。
上記ブロック共重合体を用いたこと以外は、実施例1[表面処理剤の調製]と同じ方法で調製を行い、表面処理剤を調製した。
上記表面処理剤を用いたこと以外は、実施例1[細胞培養用基材の調製]と同じ方法で調製を行い、細胞培養用基材を調製した。37℃および20℃での対水接触角を表1に示す。
上記細胞培養基材を用いたこと以外は、実施例1[細胞培養評価および剥離評価]と同じ方法で評価を行った。培養開始24時間後、72時間後の細胞接着密度、培養日数、および剥離時間を表1に示す。
[重合体ブロック(B)の合成]
4−シアノ−4−[(ドデシルスルフォニルチオカルボニル)スルフォニル]ペンタノイックアシッドを48mg(119μmol)用いたこと以外は、実施例1[重合体ブロック(B)の合成]と同じ方法で合成を行い、重合体ブロック(B)を得た。
上記重合体ブロック(B)を用いたこと以外は、実施例1[ブロック共重合体の合成]と同じ方法で合成を行い、ブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体の組成、MnおよびMw/Mnを表1に示す。
上記ブロック共重合体を用いたこと以外は、実施例1[表面処理剤の調製]と同じ方法で調製を行い、表面処理剤を調製した。
上記表面処理剤を用いたこと以外は、実施例1[細胞培養用基材の調製]と同じ方法で調製を行い、細胞培養用基材を調製した。37℃および20℃での対水接触角を表1に示す。
上記細胞培養基材を用いたこと以外は、実施例1[細胞培養評価および剥離評価]と同じ方法で評価を行った。培養開始24時間後、72時間後の細胞接着密度、培養日数、および剥離時間を表1に示す。
[重合体ブロック(B)の合成]
4−シアノ−4−[(ドデシルスルフォニルチオカルボニル)スルフォニル]ペンタノイックアシッドを24mg(59μmol)用いたこと以外は、実施例1[重合体ブロック(B)の合成]と同じ方法で合成を行い、重合体ブロック(B)を得た。
上記重合体ブロック(B)を用い、N−イソプロピルアクリルアミド0.60g(5.30mmol)を用いたこと以外は、実施例1[ブロック共重合体の合成]と同じ方法で合成を行い、ブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体の組成、MnおよびMw/Mnを表1に示す。
上記ブロック共重合体を用いたこと以外は、実施例1[表面処理剤の調製]と同じ方法で調製を行い、表面処理剤を調製した。
上記表面処理剤を用いたこと以外は、実施例1[細胞培養用基材の調製]と同じ方法で調製を行い、細胞培養用基材を調製した。37℃および20℃での対水接触角を表1に示す。
上記細胞培養基材を用いたこと以外は、実施例1[細胞培養評価および剥離評価]と同じ方法で評価を行った。培養開始24時間後、72時間後の細胞接着密度、培養日数、および剥離時間を表1に示す。
[ブロック共重合体の合成]
N−イソプロピルアクリルアミド1.20g(10.6mmol)を用いたこと以外は、実施例4[ブロック共重合体の合成]と同じ方法で合成を行い、ブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体の組成、MnおよびMw/Mnを表1に示す。
上記ブロック共重合体を用いたこと以外は、実施例1[表面処理剤の調製]と同じ方法で調製を行い、表面処理剤を調製した。
上記表面処理剤を用いたこと以外は、実施例1[細胞培養用基材の調製]と同じ方法で調製を行い、細胞培養用基材を調製した。37℃および20℃での対水接触角を表1に示す。
上記細胞培養基材を用いたこと以外は、実施例1[細胞培養評価および剥離評価]と同じ方法で評価を行った。培養開始24時間後、72時間後の細胞接着密度、培養日数、および剥離時間を表1に示す。
[ブロック共重合体の合成]
実施例1[重合体ブロック(B)の合成]で合成した重合体ブロック(B)を用いたこと以外は、実施例5[ブロック共重合体の合成]と同じ方法で合成を行い、ブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体の組成、MnおよびMw/Mnを表1に示す。
上記ブロック共重合体を用いたこと以外は、実施例1[表面処理剤の調製]と同じ方法で調製を行い、表面処理剤を調製した。
上記表面処理剤を用いたこと以外は、実施例1[細胞培養用基材の調製]と同じ方法で調製を行い、細胞培養用基材を調製した。37℃および20℃での対水接触角を表1に示す。
上記細胞培養基材を用いたこと以外は、実施例1[細胞培養評価および剥離評価]と同じ方法で評価を行った。培養開始24時間後、72時間後の細胞接着密度、培養日数、および剥離時間を表1に示す。
[重合体ブロック(B)の合成]
4−シアノ−4−[(ドデシルスルフォニルチオカルボニル)スルフォニル]ペンタノイックアシッドを12mg(30μmol)用いたこと以外は、実施例1[重合体ブロック(B)の合成]と同じ方法で合成を行い、重合体ブロック(B)を得た。
上記重合体ブロック(B)を用い、N−イソプロピルアクリルアミド1.20g(10.6mmol)を用いたこと以外は、実施例1[ブロック共重合体の合成]と同じ方法で合成を行い、ブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体の組成、MnおよびMw/Mnを表1に示す。
上記ブロック共重合体を用いたこと以外は、実施例1[表面処理剤の調製]と同じ方法で調製を行い、表面処理剤を調製した。
上記表面処理剤を用いたこと以外は、実施例1[細胞培養用基材の調製]と同じ方法で調製を行い、細胞培養用基材を調製した。37℃および20℃での対水接触角を表1に示す。
[ブロック共重合体の合成]
N−イソプロピルアクリルアミド1.80g(15.9mmol)を用いたこと以外は、実施例4[ブロック共重合体の合成]と同じ方法で合成を行い、ブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体の組成、MnおよびMw/Mnを表1に示す。
上記ブロック共重合体を用いたこと以外は、実施例1[表面処理剤の調製]と同じ方法で調製を行い、表面処理剤を調製した。
上記表面処理剤を用いたこと以外は、実施例1[細胞培養用基材の調製]と同じ方法で調製を行い、細胞培養用基材を調製した。37℃および20℃での対水接触角を表1に示す。
上記細胞培養基材を用いたこと以外は、実施例1[細胞培養評価および剥離評価]と同じ方法で評価を行った。培養開始24時間後、72時間後の細胞接着密度、培養日数、および剥離時間を表1に示す。
[ブロック共重合体の合成]
実施例7[重合体ブロック(B)の合成]で合成した重合体ブロック(B)を用い、N−イソプロピルアクリルアミド1.80g(15.9mmol)を用いたこと以外は、実施例1[ブロック共重合体の合成]と同じ方法で合成を行い、ブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体の組成、MnおよびMw/Mnを表1に示す。
上記ブロック共重合体を用いたこと以外は、実施例1[表面処理剤の調製]と同じ方法で調製を行い、表面処理剤を調製した。
上記表面処理剤を用いたこと以外は、実施例1[細胞培養用基材の調製]と同じ方法で調製を行い、細胞培養用基材を調製した。37℃および20℃での対水接触角を表1に示す。
[表面処理剤の調製]
実施例1[重合体ブロック(B)の合成]で合成した2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとn−ブチルメタクリレートのランダム共重合体を用いたこと以外は、実施例1[表面処理剤の調製]と同じ方法で調製を行い、表面処理剤を調製した。
上記表面処理剤を用いたこと以外は、実施例1[細胞培養用基材の調製]と同じ方法で調製を行い、細胞培養用基材を調製した。37℃および20℃での対水接触角を表1に示す。
上記細胞培養基材を用いたこと以外は、実施例1[細胞培養評価および剥離評価]と同じ方法で評価を行った。培養開始24時間後、72時間後の細胞接着密度を表1に示すが、細胞が基材に接着せず、繰り返し単位(a)が1mol%未満になると、37℃での基材表面の疎水性が低減され、細胞の増殖を確認できなかった。したがって、細胞の剥離性を評価することはできなかった。
[細胞培養評価および剥離評価]
ポリスチレン製シャーレ上にN−イソプロピルアクリルアミドをグラフト重合し、N−イソプロピルアクリルアミド重合体で表面を被覆した、株式会社セルシード製UpCell(登録商標)φ60mmディッシュを用いたこと以外は、実施例1[細胞培養評価および剥離評価]と同じ方法で評価を行った。培養開始24時間後、72時間後の細胞接着密度、培養日数、および剥離時間を表1に示す。繰り返し単位(a)が95mol%超になると、37℃からの温度降下による基材表面の親水化が抑制され、細胞剥離に必要な冷却時間(剥離時間)が増加した。
[重合体ブロック(B)の合成]
100mLの2口ナス型フラスコにn−ブチルメタクリレート2.13g(15.0mmol)、RAFT剤として4−シアノ−4−[(ドデシルスルフォニルチオカルボニル)スルフォニル]ペンタノイックアシッド97mg(240μmol)、アゾビスイソブチロニトリル2.5mg(15μmol)を加え、1,4−ジオキサン15mLに溶解した。窒素バブリングを15分行った後、65℃で15時間反応させた。反応後、反応溶液をメタノール500mLに注ぎ込み、析出した白色固体をろ過、乾燥して、n−ブチルメタクリレートの重合体(重合体ブロック(B))を得た。
100mLの2口ナス型フラスコに上記重合体ブロック(B)1.00g、N−イソプロピルアクリルアミド1.20g(10.6mmol)、アゾビスイソブチロニトリル6mg(37μmol)を加え、1,4−ジオキサン20mLに溶解した。窒素バブリングを15分行った後、65℃で30時間反応させた。反応後、反応溶液をジエチルエーテル500mLに注ぎ込み、析出した白色固体をろ過して、減圧下、80℃で、6時間乾燥して、n−ブチルメタクリレートの重合体にN−イソプロピルアクリルアミドがブロック共重合したブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体の組成、MnおよびMw/Mnを表1に示す。
上記ブロック共重合体を用いたこと以外は、実施例1[表面処理剤の調製]と同じ方法で調製を行い、表面処理剤を調製した。
上記表面処理剤を用いたこと以外は、実施例1[細胞培養用基材の調製]と同じ方法で調製を行い、細胞培養用基材を調製した。37℃および20℃での対水接触角を表1に示す。
上記細胞培養基材を用いたこと以外は、実施例1[細胞培養評価および剥離評価]と同じ方法で評価を行った。培養開始24時間後、72時間後の細胞接着密度、培養日数、および剥離時間を表1に示す。ブロック(B)中の繰り返し単位(b)の比率が1mol%未満になると、37℃からの温度降下による基材表面の親水化が抑制され、細胞剥離に必要な冷却時間(剥離時間)が増加した。
[ランダム共重合体の合成]
100mLの2口ナス型フラスコに2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを1.00g(3.39mmol)、n−ブチルメタクリレート1.12g(7.88mmol)、N−イソプロピルアクリルアミド0.60g(5.30mmol)、RAFT剤として4−シアノ−4−[(ドデシルスルフォニルチオカルボニル)スルフォニル]ペンタノイックアシッド73mg(181μmol)、アゾビスイソブチロニトリル4mg(24μmol)を加え、1,4−ジオキサン/エタノール=1:2混合溶液15mLに溶解した。窒素バブリングを30分行った後、65℃で12時間反応させた。反応後ヘキサンで再沈し、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとn−ブチルメタクリレートとN−イソプロピルアクリルアミドがランダム共重合した共重合体を得た。得られたランダム共重合体の組成、MnおよびMw/Mnを表1に示す。
上記ランダム共重合体を用いたこと以外は、実施例1[表面処理剤の調製]と同じ方法で調製を行い、表面処理剤を調製した。
上記表面処理剤を用いたこと以外は、実施例1[細胞培養用基材の調製]と同じ方法で調製を行い、細胞培養用基材を調製した。37℃および20℃での対水接触角を表1に示す。
上記細胞培養基材を用いたこと以外は、実施例1[細胞培養評価および剥離評価]と同じ方法で評価を行った。培養開始24時間後、72時間後の細胞接着密度、培養日数、および剥離時間を表1に示す。繰り返し単位(a)が共重合体中にランダムに配列されることによって、37℃での基材表面の疎水性が低減され、細胞の接着密度が低下し、培養日数が増加した。また、37℃からの温度降下による基材表面の親水化が抑制され、細胞剥離に必要な冷却時間(剥離時間)が増加した。
Claims (7)
- 下記(A)および(B)の重合体ブロックから構成されるブロック共重合体であり、ブロック共重合体中の全繰り返し単位[(a)+(b)+(c)]に対する繰り返し単位(a)の比率が1〜95mol%であり、ブロック(B)中の全繰り返し単位[(b)+(c)]に対する繰り返し単位(b)の比率が1〜90mol%であることを特徴とするブロック共重合体:
(A)下記一般式(1)で表される繰り返し単位(a)からなる重合体のブロック。
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2およびR3は各々独立して、水素基、炭素数1〜3の炭化水素基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、フルフリル基、又はテトラヒドロフルフリル基であり、但し、R 2 およびR 3 が同時に水素基である場合を除く。)
(B)下記一般式(2)で表される繰り返し単位(b)と、
(式中、R4は水素原子又はメチル基であり、R5は、炭素数1〜12の2価の炭化水素基、又は(ポリ)オキシエチレン基であり、R6は、炭素数1〜4の2価の炭化水素基であり、R7、R8、及びR9は、互いに独立して、水素原子又は炭素数1〜2の炭化水素基であり、Aは、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、及びエーテル結合からなる群から選択される2価の結合である。)
下記一般式(3)で表される繰り返し単位(c)
(式中、R10は水素原子又はメチル基であり、R11は、炭素数2〜20の直鎖又は分枝鎖の飽和又は不飽和の1価の炭化水素基である。)
からなる重合体のブロック。 - ブロックの配列が(A)−(B)であることを特徴とする請求項1記載のブロック共重合体。
- 全繰り返し単位[(a)+(b)+(c)]に対する繰り返し単位(a)の比率が5〜85mol%であり、ブロック(B)中の全繰り返し単位[(b)+(c)]に対する繰り返し単位(b)の比率が3〜70mol%であることを特徴とする請求項1または2に記載のブロック共重合体。
- 数平均分子量(Mn)が5,000以上1,000,000以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のブロック共重合体。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載のブロック共重合体と溶剤とを含むことを特徴とする細胞培養用基材の表面処理剤。
- 請求項5に記載の表面処理剤を基材に塗布することによって得られる膜。
- 基材と、基材表面を被膜するように配置された請求項1〜4のいずれか一項に記載のブロック共重合体とを含む、細胞培養用基材。
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