第1の発明は、湯水を貯留する貯湯タンクと、前記貯湯タンクの外方の少なくとも一部を覆う第1断熱材と、前記貯湯タンクの外方の少なくとも一部を覆い、前記第1断熱材よりも熱伝導率の大きい発泡スチロールまたは発泡ウレタンである第2断熱材と、前記貯湯タンク、前記第1断熱材、前記第2断熱材を内部に収容する筐体と、を備え、前記第1断熱材と前記第2断熱材とを接合するシール部材を設け、前記シール部材は、一方の面で、前記第1断熱材を前記第2断熱材に固定させるとともに、他方の面は、前記筐体の内表面と当接している構成としたことを特徴とする貯湯タンクユニットである。
これにより、シール部材が一方の面で第1断熱材と第2断熱材とを接着し、他方の面は筐体の内表面と当接する。すなわち、シール部材が、断熱材と筐体とで挟まれる。これにより、シール部材のはがれを防止する。その結果、シール部材のはがれ、および、断熱材のずれを防止して貯湯タンクからの放熱ロスを抑制する。
ここで、第1断熱材として、真空断熱材を用いることが好ましい。また、第2断熱材として、発泡スチロールや発泡ウレタンを用いることができる。
第2の発明は、特に第1の発明において、前記第1断熱材は、前記筐体との間に間隙を設けて配設され、前記シール部材は、伸縮性を有し、前記シール部材の無負荷状態における厚みは、前記間隙と同一または前記間隙よりも大きいことを特徴とするものである。
これにより、シール部材が、断熱材と筐体によって強固に挟まれて固定される。よって、シール部材のはがれ、および、断熱材の位置ずれを防止して、放熱ロスを抑制する。また、筐体は、金属性の薄板で構成されることが多い。例えば、貯湯タンクユニット内部にポンプ等の振動発生源が設けられていると、筐体が振動発生源の発する振動と共振し、騒音が発生するおそれがある。しかしながら、伸縮性を有するシール部材が筐体に当接するので、振動を吸収して、騒音の発生を抑制する。
また、第1断熱材として真空断熱材を用いると、真空断熱材は外装に金属(例えば、アルミニウム)を用いるため、外装に覆われた内部の芯材と比較して熱伝導率が著しく大きい。ここで、金属製の外装が、同じく金属製の筐体と接触すると、熱が外装を伝って筐体へと伝達され、放熱ロスが大きくなる。一方、第1断熱材(真空断熱材)と筐体との間にシール部材が設けられているので、真空断熱材と筐体との間に間隙が形成されて、接触が防止される。その結果、放熱ロスを抑制して保温性能に優れた貯湯タンクユニットを実現できる。
なお、シール部材が設けられた箇所における第1断熱材と筐体との間の間隙と、シール部材の無負荷状態における厚みとを比較して、シール部材の厚みが間隙以上の大きさであればよい。ここで、無負荷状態とは、シール部材がまだ断熱材に貼り付けられていない状態、または、シール部材が断熱材に貼り付けられているが、筐体が取り付けられていない状態をいう。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、前記第1断熱材は、前記貯湯タンクの外方の少なくとも一部を覆った状態で、前記貯湯タンクの胴部を円弧状に覆う円弧状部と、前記筐体の内表面と平行な平面部と、を有し、前記シール部材が、前記平面部に設けられていることを特徴とするものである。
これにより、第1断熱材が貯湯タンクの胴部の周囲に沿って円弧状に配置されるので、貯湯タンクからの放熱ロスを抑制する。
また、第1断熱材として真空断熱材を用いた場合、真空断熱材を貯湯タンクの周囲に円弧状に配置するために、平板状の真空断熱材を、ロール加工して円弧状にする。円弧状に加工された真空断熱材を貯湯タンクの周囲に配設すると、真空断熱材が元の形状(平板状)に戻ろうとする。すなわち、真空断熱材と筐体とが接触しやすい。
ここで、第1断熱材(真空断熱材)を、筐体の内表面と平行な平面部を設けて貯湯タンクの周囲に配置し、平面部シール部材を設ける。これにより、平面部を、シール部材を介して筐体によって押さえる。その結果、第1断熱材を強固に固定し、第1断熱材と筐体との間に間隙を設けることができる。
第4の発明は、特に、第1から3のいずれかの発明において、前記シール部材は、無負荷状態において、前記第2断熱材よりも外方に突出することを特徴とするものである。
これにより、第1断熱材を筐体によってより強固に押さえつける。よって、第1断熱材のはがれを防止して放熱ロスを抑制する。その結果、保温性能に優れた貯湯タンクユニットを実現する。
第5の発明は、特に第3の発明において、前記第2断熱材に、前記第1断熱材の前記平面部が当接する凹み部を設け、前記シール部材が、前記平面部と前記凹み部の周囲とを接合するように設けられていることを特徴とするものである。
ここで、第1断熱材の平面部を第2断熱材の凹み部に当接させたとき、シール部材が貼り付けられる第1断熱材と第2断熱材との面が、同一平面上に位置することが好ましい。これにより、第1断熱材と第2断熱材とを、強固に接合する。よって、シール部材のはがれを防止して放熱ロスを抑制する。
第6の発明は、特に第1から5のいずれかの発明において、前記貯湯タンクから湯を出湯させる出湯配管と、前記貯湯タンクに水を供給する給水管と、前記給水管の途中に設けられた減圧弁と、を備え、前記減圧弁の設定圧力を0.18MPA以上としたことを特徴とするものである。
これにより、給湯端末に供給される湯水の水圧を所定圧力以上に維持する。よって、例えば、シャワーから供給される湯水の圧力(シャワー圧)を所定圧力以上として、使用者の快適性を向上させる。
第7の発明は、特に第1から6のいずれかの発明の貯湯タンクユニットと、湯水を加熱する加熱手段とを備えた給湯装置である。これにより、省エネルギー性に優れた給湯装置を実現できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における給湯装置の概略構成図である。図2は、給湯装置を構成する貯湯タンクユニットとヒートポンプユニットとの内部構造を示す正面図である。給湯装置100は、湯水を貯留する貯湯タンク4を備えた貯湯タンクユニット1と、湯水を加熱する加熱手段としてのヒートポンプ回路13を有するヒートポンプユニット2とを備える。貯湯タンクユニット1とヒートポンプユニット2とは、加熱回路3を構成する水配管(3A、3B)により互いに接続される。
貯湯タンクユニット1の内部には、貯湯タンク4が配設される。貯湯タンク4は、ヒートポンプユニット2で加熱生成された湯水を貯留する。貯湯タンク4に貯留された湯水は、後述する混合弁(9、51)により、市水から供給される水と混合されて、所定温度の湯水となる。所定温度に混合された湯水は、カランやシャワー等の給湯端末11、浴槽70等に供給される。
貯湯タンク4は、耐食性に優れたステンレス製の薄板で構成される。貯湯タンク4は、上部と下部とが半円球状に形成され、中央部が円筒状に形成される。詳細は後述する。また、貯湯タンク4の周囲には、断熱材(5、25、26)が設けられる。これにより、貯湯タンク4の保温性能を向上させる。
貯湯タンクユニット1の内部には、貯湯タンク4に水道水を供給する給水経路(給水管)6が設けられる。給水管6は、貯湯タンク4の下部に接続される。また、給水管6の途中には、水道管内の圧力を一定圧まで減圧する減圧弁7が設けられる。また、貯湯タンクユニット1の内部には、給水管6の途中から分岐して、後述の混合弁(9、51)に接続される給水分岐管(6A、6B)が設けられる。
減圧弁7は、水道管内の圧力を、所定圧力以下まで減圧する。これにより、貯湯タンク4にかかる内圧を調整して、貯湯タンク4の変形を防止する。ここで、本発明においては、減圧弁7の設定圧力を180KPA以上としている。これは、一般的な設定圧力(例えば、120KPA)よりも高い。
これにより、給湯端末11等から供給される湯水の圧力を高く維持する。よって、使用者の快適性が向上する。また、給湯端末11や浴槽70等が貯湯タンク4の設置箇所よりも高い位置(例えば、建物の3階以上の高さ)にある場合にも、減圧弁7の設定圧力を高くすることが好ましい。これにより、給湯端末11等から供給される湯水の圧力を高く維持する。なお、減圧弁7の設定圧力は、250KPA以上であることが好ましく、270KPAであることがさらに好ましい。また、減圧弁7にはストレーナが組み込まれ、水道水内の汚れ、ゴミを除去する。
貯湯タンク4とヒートポンプユニット2(水冷媒熱交換器15)とは、水配管(3A、3B、3C、3D)によって環状に接続される。貯湯タンク4とヒートポンプユニット2(水冷媒熱交換器15)とが環状に接続されて、湯水を加熱する加熱回路3が形成される。加熱回路3の途中には、加熱回路3に湯水を循環させる加熱循環ポンプ8が設けられる。加熱循環ポンプ8は、水配管(入水配管)3Aの途中に設けられる。水配管3Aは、貯湯タンク4の下部から水冷媒熱交換器15へと湯水が流れる配管である。また、加熱循環ポンプ8は、貯湯タンクユニット1の内部に設けられる。水冷媒熱交換器15から貯湯タンク4へと湯水が流れる水配管(3B、3C、3D)の途中には流路切替弁3Eが設けられる。流路切替弁3Eは、水冷媒熱交換器15から流出した湯水を、貯湯タンク4の上部側(水配管3C)へ戻すか、貯湯タンク4の下部側(水配管3D)へ戻すかを切り替える。
貯湯タンク4の上部には、出湯管9Aが接続される。出湯管9Aの他端は、貯湯タンクユニット1の内部に配設された、給湯混合弁9の入口側に接続される。また、給湯混合弁9の入口側には、給水分岐管6Aの他端が接続される。給湯混合弁9は、貯湯タンク4に貯留された湯水と、水道水とを混合して、混合水を給湯端末11に供給する。給湯混合弁9で混合された湯水は、その後、給湯管10Aを流れ、給湯端末11から給湯される。このように、貯湯タンク4の上部から給湯端末11へと湯水が流れる給湯経路10が形成される。
また、貯湯タンクユニット1の内部には、貯湯タンク4に貯留された湯水と、水道水とを混合して、この混合水を浴槽へと供給する風呂混合弁51が設けられている。風呂混合弁51の入口側には、貯湯タンク4からの湯水と、給水分岐管6Bからの水とが流入する。混合水は、風呂循環回路50を介して、浴槽70に注湯される。
風呂循環回路50は、浴槽70の湯水を循環させ、浴槽70の湯水を加熱する追焚回路として機能する。風呂循環回路50の途中には、浴槽70の湯水を循環させるための風呂循環ポンプ52が設けられる。また、風呂循環回路50の途中には、貯湯タンク4内の湯水で浴槽70の湯水を加熱する追焚熱交換器60が設けられる。
追焚熱交換器60には、貯湯タンク4の上部から湯水が流入する。これにより、追焚熱交換器60にて、浴槽70の湯水を加熱する。追焚熱交換器60から流出した湯水は、再度、貯湯タンク4に戻る。本実施の形態では、貯湯タンク4の下部に戻る。これにより、貯湯タンク4の上部の湯水が、追焚熱交換器60を介して、相対的に下方側の貯湯タンク4へ戻る追焚回路40が形成される。追焚回路40の途中には、追焚循環ポンプ53が設けられる。
また、貯湯タンクユニット1の内部には、貯湯タンク4の圧力を逃がす圧力逃し弁12が設けられる。圧力逃し弁12は、密閉型の圧力容器である貯湯タンク4の内部で過大圧力が生じた場合に、その圧力を逃がす。圧力逃し弁12は、貯湯タンク4の上部に接続される。圧力逃し弁12の設定圧力は、減圧弁7の設定圧力よりも40〜50KPA程度高く設定される。例えば、減圧弁7の設定圧力が180KPAであれば、減圧弁7の設定圧力の個体差も考慮して、220KPA程度に設定する。また、減圧弁7の設定圧力が270KPAであれば、320KPA程度に設定する。
給湯装置100は、加熱手段2としてヒートポンプ装置を用いる。ヒートポンプ装置は、貯湯タンクユニット1とは別にヒートポンプユニットとして構成される。
ヒートポンプユニット(加熱手段)2には、冷媒が循環するヒートポンプ回路13が収納される。ヒートポンプ回路13は、圧縮機14、放熱器(水冷媒熱交換器)15、減圧手段17、蒸発器(空気熱交換器)16が冷媒配管で環状に接続されて構成される。蒸発器16の近傍には、蒸発器16に空気を送風する送風ファン16Aが設けられる。ヒートポンプ回路13を循環する冷媒には、炭酸ガス、HFC冷媒等を用いることができる。冷媒を炭酸ガスとした場合には、水冷媒熱交換器15にて、水を80℃以上に加熱することができる。加熱生成された湯水は、加熱循環ポンプ8によって加熱回路3を流れ、貯湯タンク4の上部から貯留される。
なお、貯湯タンクユニット1とヒートポンプユニット2とを一体としてもよい。この場合、貯湯タンク4とヒートポンプ回路13とが1つの筐体の内部に収容される。なお、貯湯タンク4の内部の湯水の加熱方法は、特に限定されない。例えば、冷媒配管を貯湯タンク4の外周に巻きつけて、放熱器15を構成してもよい。この場合、圧縮機14から吐出される高温冷媒が、貯湯タンク4の外周に巻きつけられた冷媒配管(放熱器15)に循環して、貯湯タンク4内部の湯水に放熱する。これにより湯水が加熱される。また、ヒートポンプ装置以外の加熱手段を用いてもよい。例えば、貯湯タンク4の内部に電気ヒータを設けて湯水を加熱してもよい。
次に、特に、貯湯タンクユニット1の内部構造について、図2以下を参照しながら説明する。図2は、貯湯タンクユニット1およびヒートポンプユニット2の内部構造を示す正面図、図3は、貯湯タンクユニット1の内部構造を示す分解斜視図である。
貯湯タンク4は、底板18に載置され、支持具4Aによって底板18に固定される。底板18は、貯湯タンクユニット1の外郭としての筐体19の一部である。貯湯タンク4の前方には、給水経路6、給湯経路10、風呂循環回路50、追い焚き回路40等を構成する配管が配置される。貯湯タンクユニット1は周囲が筐体19で囲われて構成される。
図3に示すように、筐体19は、複数の金属製の薄板で構成される。筐体19は、給湯経路10等を構成する配管が配置された貯湯タンクユニット1の前方側を覆う前板19A、前板19A側から見て右側方を覆う右板19B、前板19A側から見て左側方を覆う左板19C、前板19Aと反対側を覆う後板19D、上方を覆う上板19E、下方を覆う底板18を有する。それぞれの薄板(18、19A〜19E)は、金属製の薄板で形成される。なお、前板19Aは、加熱回路3、給湯経路10、風呂循環回路50等の接続部が設けられた下部板と、下部板の上方に設けられる上部板とで構成される。底板18には、貯湯タンクユニット1を支持する複数の脚部24が接続される。
貯湯タンク4は、耐食性に優れたステンレス製の薄板で構成される。貯湯タンク4は、ステンレス鋼板を絞り加工して、半円球状に成型した上部材20および下部材22と、ステンレス鋼板をロール加工および溶接接合して円筒状に成型した胴部材21とで構成される。上部材20は、胴部材21の上方にTIG溶接によって溶接接合される。また、下部材22は、胴部材21の下方にTIG溶接によって溶接接合される。これにより、貯湯タンク4は、上部および下部が半円球状、胴部が円筒状となり、内部に閉空間が形成される。
上部材20には、水配管3C、出湯管9A等が接続される接続口(23A、23B)が設けられる。水配管3Cは、接続口23の1つである湯流入口23Aに接続される。また、出湯管9Aは、接続口23の1つである湯流出口23Bに接続される。また、下部材22には、給水管6、水配管3A等が接続される接続口(図示せず)が設けられている。また、貯湯タンク4の中央付近から湯水を取り出す場合には、胴部材21に、第2出湯管を接続する接続口(図示せず)を設ける。
貯湯タンク4の周囲は、断熱材(5、25、26)で覆われている。これにより、保温性能を向上させる。また、貯湯タンク4の周囲は、熱伝導率の異なる第1断熱材25と第2断熱材26とによって覆われている。
本実施の形態では、第1断熱材25として、真空断熱材を用いる。真空断熱材25は、多孔質構造のガラス繊維板、または、グラスウール等を芯材とし、この芯材を金属製(例えば、アルミニウム)の外装で覆ったものである。真空断熱材25は、平板状(シート状)に形成される。真空断熱材25は、内部が1.0〜200PA程度の真空状態で密封されている。これにより、真空断熱材の厚み方向(外装、芯材、外装が順に並んだ方向)の熱伝導率は0.003W/M・K程度である。これは、第2断熱材26として用いられる発泡スチロールや発泡ウレタンの熱伝導率の10分の1程度である。一方、真空断熱材25は、外装としてアルミニウム等の金属を用いているから、外装を伝って面方向に熱が伝達されやすい。よって、真空断熱材25を用いる場合、外装を介して生じる熱伝達を抑制する必要がある。
真空断熱材25は、貯湯タンク4の胴部材21の外方を、胴部材21の周囲に沿って円弧状に覆うように配置される。真空断熱材25は、円筒状の胴部材21と同心円状になるようにロール加工される。ロール加工された真空断熱材25は、貯湯タンク4の外方に巻きつけられる。真空断熱材25は、胴部材21の外周のうち180度以上の部分を覆うように配置されることが好ましい。本実施の形態では、真空断熱材25は、貯湯タンク4の外周のうち、右側方、背面、左側方を覆うように配置される。真空断熱材25は、筐体19のうち、右板19B、左板19C、後板19Dと対向して配置される。
また、真空断熱材25は、胴部材21の外周のうち、下方側よりも上方側の外周面を多く覆うように配置されることが好ましい。貯湯タンク4の内部の温度は、上方側が下方側と比較して高くなる。したがって、貯湯タンク4の上方側の外周を真空断熱材25によって覆うことで、発泡スチロール等よりも相対的に高価な真空断熱材25の使用量を抑制してコスト削減を図りつつ、放熱ロスを低減する。本実施の形態では、真空断熱材25は、その下端が胴部材21の外方を覆うように、また、その上端が上部材20の外方を覆うように、貯湯タンク4の周囲に配置される。なお、真空断熱材25の下端が、下部材22の外方を覆うように配置されていてもよい。なお、1枚の真空断熱材で、第1断熱材25を構成してもよく、複数枚の真空断熱材で第1断熱材25を構成してもよい。
本実施の形態では、第2断熱材26として、第1断熱材25よりも熱伝導率の高い材質の断熱材を用いる。第2断熱材26は、第1断熱材25が貯湯タンク4の周囲を覆う箇所以外の箇所を覆う。すなわち、貯湯タンク4は、第1断熱材25と第2断熱材26とによって、全体が覆われる。なお、第1断熱材25と第2断熱材26とを重ね合わせて、貯湯タンク4の周囲を覆ってもよい。このとき、第1断熱材25が第2断熱材26の外方に位置してもよく、第2断熱材26が第1断熱材25の外方に位置してもよい。
第2断熱材26には、成形性に優れた材料を用いることができる。例えば、第2断熱材26は、発泡スチロール、発泡ウレタン等で構成される。第2断熱材26に成形性に優れた材料を用いると、貯湯タンク4に設けられた接続口23の形状や、貯湯タンクユニット1の配管の取付位置に合わせて断熱材を成型して、貯湯タンク4の周囲を覆うことができる。よって、これにより、貯湯タンク4からの放熱ロスを抑制する。第2断熱材26は、少なくとも、接続口23が設けられる貯湯タンク4の上方および下方と、給湯経路10等の配管が配置される貯湯タンク4の前方とを覆うように配置される。なお、第2断熱材26が、貯湯タンク4の右側方、背面、左側方に配置されてもよい。
第2断熱材26は、複数に分割されて、貯湯タンク4の周囲に配置される。本実施の形態では、第2断熱材26は、貯湯タンク4の前方を覆う前断熱材26A、上方を覆う上断熱材26B、下方を覆う下断熱材26Cを有する。前断熱材26Aは、前板19Aと対向して配置される。上断熱材26Bは、上板19Eと対向して配置される。下断熱材26Cは、底板18と対向して配置される。
第2断熱材26として用いる発泡スチロールや発泡ウレタン等の熱伝導率は、0.03W/MK程度である。よって、第2断熱材26の熱伝導率は、第1断熱材25として用いる真空断熱材と比較すると、10倍程度の大きさである。そこで、断熱性能を向上させるため、第2断熱材26の厚みを、第1断熱材25の厚みよりも大きくする。
ここで、第2断熱材26は、その一部が、第1断熱材25よりも外方に位置するように配置される。これにより、第2断熱材26と筐体19が、第1断熱材25と筐体19よりも近接する。これにより、第1断熱材25と筐体19との間に間隙が形成される。よって、第1断熱材25と筐体19の内表面との接触を防止する。第1断熱材(真空断熱材)25は、金属製の外装によって覆われている。よって、外装を伝って熱が伝達されやすい。第1断熱材25と筐体19との接触を防止することで、外装を伝った熱伝達を防止する。第1断熱材25は、シール部材27によって、第2断熱材26に固定される。
図4は、貯湯タンク4の周囲を第1断熱材25で覆い、第1断熱材25の表面にシール部材27を貼り付けたときの上面図である。また、図5は、貯湯タンク4の周囲を第1断熱材25で覆い、第1断熱材25の表面にシール部材27を貼り付けたときの斜視図である。貯湯タンク4の胴部材21の外周のうち180度以上の部分が第1断熱材25で覆われている。第1断熱材25の表面には伸縮性のあるシール部材27が貼られている。なお、説明のために、図4には、第2断熱材26や、配管等を図示していない。
シール部材27は伸縮性を有する。シール部材27としては、EPDMやウレタン等を用いることができる。また、シール部材27は、第1断熱材25の表面に、筐体19の内表面と対向して貼り付けられる。図3、図4に示すように、シール部材27は、第1断熱材25の表面に鉛直方向に貼り付けられる。特に、シール部材27は、第1断熱材25と筐体19の内表面とが最も近接する位置に設けられる。本実施の形態では、シール部材27は、第1断熱材25と右板19Bとが近接する位置、第1断熱材25と後板19Dとが近接する位置、第1断熱材25と左板19Cとが近接する位置の3箇所に設けられる。すなわち、シール部材27は、円筒状の貯湯タンク4の中心から、90度毎に、合計3箇所に設けられる。
第1断熱材25は、筐体19の内表面との間に間隙を設けて配置されるが、図4に示すように、シール部材27は、無負荷状態において、その厚みが間隙よりも大きい。これにより、シール部材27は、無負荷状態において、底板18よりも外側まで突出する。また、シール部材27は、無負荷状態において、第2断熱材26よりも外側まで突出する。
底板18には、前板19A、右板19B、左板19C、後板19Dが取り付けられる。よって、前板19A、右板19B、左板19C、後板19Dが取り付けられると、シール部材27は、前板19A、右板19B、左板19C、後板19Dの内表面のそれぞれと当接する。また、シール部材27は、前板19A、右板19B、左板19C、後板19Dの内表面によって、第1断熱材25に押さえつけられる。
次に、給湯装置100の動作を説明する。市水から給水経路(給水管)6に供給される水は、貯湯タンク4の下部から流入する。貯湯タンク4の水を加熱する加熱運転において、貯湯タンク4の下部の水は、加熱循環ポンプ8によって、水配管3Aを流れてヒートポンプユニット2の放熱器15に送られる。
ヒートポンプユニット2では、圧縮機14を運転して冷媒を圧縮する。圧縮機14で圧縮されて吐出された高温の冷媒は、放熱器15に流入する。高温の冷媒は、放熱器15で水と熱交換して放熱する。これにより、水は加熱され湯となる。生成された湯は、水配管(3B、3C)を流れ、上部(湯流入口23A)から貯湯タンク4に流入する。これにより、貯湯タンク4に湯が貯留される。
貯湯タンク4に貯留された湯は、混合弁(9、51)によって、給水分岐管(6A、6B)を流れた水と混合され所定の温度となる。所定温度に混合された湯水は、給湯端末11、浴槽70等に供給される。
ここで、貯湯タンク4に湯が貯留されると、貯湯タンク4の周囲の温度が上昇して、シール部材27の周囲温度も上昇する。また、貯湯タンクユニット1は、屋外に配置されることが多いから、外気温度が高い場合や、貯湯タンクユニット1に直射日光が当たった場合にも、貯湯タンクユニット1の内部の温度が上昇し(例えば、50度以上)、シール部材の周囲温度が上昇する。このような状況が長期間にわたると、シール部材27の接着力が次第に失われ、シール部材27がはがれるおそれがある。特に、発泡スチロールや発泡ウレタンは接着性に優れておらず、シール部材27のはがれが生じやすい。
そこで、シール部材27の少なくとも一部を、筐体19の内表面に当接させるようにする。これにより、シール部材27が筐体19によって押さえつけられる。これにより、シール部材27のはがれを抑制して、放熱ロスを抑制する。また、第1断熱材25のずれを防止し、放熱ロスを抑制する。
筐体19を構成する金属製の薄板のうち、特に、前板、19A、右板19B、左板19C、後板19D、上板19Eは、底板18と比較して板厚が薄い。よって、貯湯タンク4の内部に配置された機能部品(例えば、加熱循環ポンプ8)が発する振動により、筐体19も振動する場合がある。また、筐体19が共振して、騒音を生じさせる場合もある。ここで、シール部材27は伸縮性を有する。特に、シール部材27が厚み方向に伸縮性を有していると、シール部材27が振動を吸収して筐体19の振動を防止する。これにより、騒音の発生を防止する。また、シール部材27の厚みを、第1断熱材25と筐体19の内表面との間の間隙よりも大きくする。これにより、第1断熱材25と筐体19との接触を防止して放熱ロスを低減させる。また、シール部材27を筐体19によって第1断熱材25側に押さえつけて、はがれを防止する。また、筐体19は、内側からシール部材27によって支持されることになり、強度が増大する。
また、貯湯タンク4には、減圧弁7の設定圧力以上の内圧が生じる。また、給湯端末11等が開放されるか否かによって、貯湯タンク4には異なる内圧が生じる。給湯端末11等を閉塞した状態では、減圧弁7の設定圧力が貯湯タンク4に加わる。この圧力は貯湯タンク4の全体に均等に加わる。これにより、貯湯タンク4は、胴部材21の外周が、上部材20、下部材22の外周よりも大きくなる(図6(B))。
図6は、給湯端末11等が開放されている場合(図6(A))と閉塞されている場合(図6(B))との貯湯タンク4の形状変化を示す正面図である。
図6(B)に示すように、給湯端末11が閉塞された状態にあると、貯湯タンク4の外周のうち、特に、胴部材21の高さ方向において中央付近の外周が、筐体19に近づくように変形する。すなわち、図6(B)に示す胴部材21の中央付近の円周L2が、図6(A)に示す胴部材21の中央付近の円周L1よりも大きくなる。よって、貯湯タンク4の胴部材21の周囲を覆う第1断熱材25も筐体19の内表面に近づく。しかしながら、第1断熱材25と筐体19とが最も近接する位置にシール部材27が貼り付けられている。これにより、第1断熱材25と筐体19との接触を防止する。特に、シール部材27が鉛直方向に設けられているので、胴部材21の周囲のうち、いずれの位置が変形しても、シール部材27と筐体19とが接触する。よって、第1断熱材25と筐体19との接触を防止して、放熱ロスを防ぐことができる。なお、シール部材27は、連続的に設けられていてもよく、鉛直方向に断続的に設けられていてもよい。
(実施の形態2)
図7は、本実施の形態における給湯装置100の貯湯タンクユニット1の内部構造を示す斜視図である。図8は、貯湯タンクユニット1の内部構造を示す上面図である。本実施の形態において、実施の形態1と同一の箇所については同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、説明のため、図7、図8には、第2断熱材26や、配管等を図示していない。
図7に示すように、本実施の形態における第1断熱材(真空断熱材)25は、貯湯タンク4の外方を覆った状態で、円筒状の貯湯タンク4(胴部材21)を円弧状に覆う円弧状部25Aと、筐体19の内表面と平行な平面部(25B、25C)とを有している。平面部25Bは、右板19Bの内表面と平行に設けられ、平面部25Cは、左板19Cの内表面と平行に設けられる。平面部25Bと平面部25Cとの間に円弧状部25Aが設けられる。また、平面部(25B、25C)には、シール部材27が貼り付けられ、第2断熱材26と固定される。図7に示すように、シール部材27は、平面部(25B、25C)の四方を囲うようにロの字状に設けられている。
第1断熱材25として真空断熱材を用いた場合、真空断熱材25を貯湯タンク4の周囲に配置するために、平板状の真空断熱材25を、ロール加工して円弧状にする。このように円弧状に加工された真空断熱材25を貯湯タンク4の周囲に配置すると、真空断熱材25が元の形状(平板状)に戻ろうとする。これにより、真空断熱材25と筐体19とが接触しやすい。
ここで、第1断熱材(真空断熱材)25を、筐体19の内表面と平行な平面部(25B、25C)を設けて貯湯タンク4の周囲に配置する。また、平面部(25B、25C)にシール部材27を貼り付ける。これにより、平面部(25B、25C)を、シール部材27を介して筐体19によって押さえつける。その結果、第1断熱材25を筐体19により押さえつけて強固に固定する。また、第1断熱材25と筐体19との間に、間隙を設けて、熱伝達による放熱を抑制する。
第1断熱材25は、筐体19の内表面との間に間隙を設けて配置されるが、図8に示すように、平面部(25B、25C)に貼り付けられたシール部材27は、無負荷状態において、その厚みが間隙よりも大きい。これにより、シール部材27は、無負荷状態において、底板18の外側まで突出する。よって、前板19A、右板19B、左板19C、後板19Dが取り付けられると、シール部材27は、前板19A、右板19B、左板19C、後板19Dの内表面のそれぞれと当接する。また、シール部材27は、前板19A、右板19B、左板19C、後板19Dの内表面によって、第1断熱材25側に押さえつけられる。
これにより、シール部材27のはがれ、および、断熱材のずれを防止して、放熱ロスを抑制する。その結果、保温性能を増大させ、省エネルギー性に優れた貯湯タンクユニット1および給湯装置100を実現する。
図9は、貯湯タンク4が第1断熱材(真空断熱材)25と第2断熱材26とによって覆われた状態を示す斜視図である。貯湯タンク4は、第1断熱材(真空断熱材)25と第2断熱材(26A、26B、26C)とによって周囲を覆われる。第1断熱材25は、シール部材27により第2断熱材26に固定される。シール部材27は、第1断熱材25の平面部(25B、25C)の四辺に配置される。
平面部(25B、25C)の前方側の1辺には、前シール部材27Aが貼り付けられる。前シール部材27Aにより、第1断熱材25が前断熱材26Aに固定される。平面部(25B、25C)の上方側の1辺には、上シール部材27Bが貼り付けられる。上シール部材27Bにより、第1断熱材25が、上断熱材26Bに固定される。平面部(25B、25C)の下方側の1辺には、下シール部材27Cが貼り付けられる。下シール部材27Cにより、第1断熱材25が、下断熱材26Cに固定される。平面部(25B、25C)の後方側の1辺には、後シール部材27Dが貼り付けられる。
シール部材27を平面部(25B、25C)の四方を囲うように貼り付けることで、第1断熱材25と筐体19との接触を防止する。また、筐体19によって、シール部材27を介して第1断熱材25を強固に押さえつける。これにより、放熱ロスを抑制する。
ここで、前断熱材26A、上断熱材26B、下断熱材26Cには、平面部(25B、25C)が当接する凹み部が設けられていることが好ましい。これにより、第1断熱材25のずれをより確実に防止する。また、平面部(25B、25C)を第2断熱材26の凹み部に当接させたとき、シール部材27が接着される第1断熱材25と第2断熱材26との面が、同一平面上に位置することが好ましい。これにより、第1断熱材と第2断熱材とを、強固に接合する。その結果、シール部材27のはがれを防止して放熱ロスを抑制する。
なお、図10に示すように、シール部材27を、平面部(25B、25C)の四方のうち、前側の辺、上側の辺、下側の辺にコの字状に貼り付けてもよい。また、図11に示すように、シール部材27を、平面部(25B、25C)の四辺のうち前側の辺のみに設けてもよい。