JP6513464B2 - ポリアミド樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物およびその成形体 Download PDF

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Description

本発明は、ポリアミド樹脂組成物およびその成形体に関する。
従来、自動車部品等の成形材料においてポリアミド樹脂が用いられている。特にエンジン周辺のカバー、ダクト、ホース部品として、ポリアミド樹脂が有する耐熱性、機械的特性、耐久性、成形加工性の良さを生かして、多くのポリアミド樹脂成形体が用いられている。近年、燃費向上のために自動車部品の軽量化が求められていることから、ポリアミド樹脂を発泡成形することで、機械的特性等、樹脂本来の特性を損なうことなく、軽量化を図る技術が注目されている。
例えば、特許文献1〜3には、ポリアミドなどの樹脂に繊維状材料と発泡剤を配合する発泡成形技術が記載されている。また、特許文献4には熱可塑性樹脂に熱膨張性マイクロカプセルおよび強化繊維を配合する発泡成形技術が記載されている。さらに、特許文献5にはポリアミド樹脂に板状フィラーと繊維状フィラーとを配合する発泡成形技術が記載されている。
しかしながら、上記のような従来の技術で得られた成形体を、優れた機械的特性だけでなく、高度な表面外観も要求される自動車部品などとして使用する場合、スワールマークおよびアバタ状凹凸の発生ならびに連結孔の発生が問題となっていた。スワールマークとは、成形時の気泡の破裂によって成形体表面に生じる渦巻き状(扇状)の模様のことであり、成形体が黒色の場合、光線の表面反射により他の部分よりもわずかに銀白色に輝いて見えるシルバーストリークとも呼ばれる外観不良である。スワールマークは、シリンダーノズルから金型内に射出された溶融樹脂の流動先端にて、気泡が破裂することにより生じるものと考えられている。アバタ状凹凸とは、成形時の空気の巻き込みによって成形体表面に生じる凹凸のことである。アバタ状凹凸は、金型内に射出された溶融樹脂が流動するとき、溶融樹脂に巻き込まれた空気のところで表面(スキン層)がへこむことにより生じるものと考えられている。連結孔とは、発泡セルが独立ではなく、複数つながったものをいい、不均一に発泡することにより生じるものと考えられている。連結孔が発生することにより、表面が陥没したり膨れが生じたり、機械的強度が低下したりすることがある。
特開昭58−76431号公報 特開平5−214141号公報 特開平7−216126号公報 特開2010−53351号公報 特開2013−213081号公報
本発明は、機械的特性に優れるだけでなく、表面外観にも優れた成形体を得ることができるポリアミド樹脂組成物およびその成形体を提供することを目的とする。
本発明は、
ポリアミド樹脂(A)90〜40質量部;
発泡核剤(B)0.5〜10質量部;
ガラス繊維(C)5〜50質量部;および
ガラス繊維(C)以外の繊維状充填材(D)3〜30質量部
を全ポリアミド樹脂組成物100質量部に対して含み、
繊維状充填材(D)の発泡核剤(B)に対する質量比((D)/(B))が2〜30であるポリアミド樹脂組成物に関する。
本発明はまた、上記のポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形体に関する。
本発明のポリアミド樹脂組成物は機械的特性および発泡性に優れるので、耐衝撃性に優れるだけでなく、スワールマークに関する表面外観にも優れた成形体、特に発泡成形体を得ることができる。本発明のポリアミド樹脂組成物は発泡成形体における連結孔の発生を防止することもできる。特にガラス繊維(C)の発泡核剤(B)と繊維状充填材(D)との合計量に対する質量比((C)/((B)+(D))を特定の範囲内にすることにより、さらにアバタ状凹凸(「アバタ状凹凸」は「エクボ状凹凸」とも呼ぶことができる。)に関する表面外観にも優れた発泡成形体を得ることができる。特に繊維状充填材(D)の発泡核剤(B)に対する質量比((D)/(B))をさらに特定の範囲内にすることにより、得られる発泡成形体において耐衝撃性をより一層向上させるとともに、スワールマークをより一層有効に防止することができる。
(ポリアミド樹脂組成物)
本発明のポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)、発泡核剤(B)、ガラス繊維(C)およびガラス繊維以外の繊維状充填材(D)を含有する。
ポリアミド樹脂(A)(本明細書中、単に「成分(A)」ということがある)は、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸とから形成されるアミド結合を有する重合体を意味する。このようなポリアミド樹脂を形成するモノマーの例を挙げると、次のようなものがある。
アミノ酸としては6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などがある。
ラクタムとしてはε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどがある。
ジアミンとしてはテトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,4−ジメチルオクタメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロデカン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどがある。
ジカルボン酸としてはアジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ジグリコール酸などがある。
本発明に用いるポリアミド樹脂として好ましいものとしては、ポリカプロアミド(ポリアミド6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ポリアミド116)、ポリウンデカンアミド(ポリアミド11)、ポリドデカンアミド(ポリアミド12)、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ポリアミドTMHT)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ポリアミド6I)、ポリヘキサメチレンテレフタル/イソフタルアミド(ポリアミド6T/6I)、ポリビス(1−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ポリアミドPACM12)、ポリビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ポリアミドジメチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド10T)、ポリポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド11T)、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド(ポリアミド11T(H))、イソフタル酸/テレフタル酸/1,6−ヘキサンジアミンの重縮合体(非晶性ポリアミド)、イソフタル酸/テレフタル酸/1,6−ヘキサンジアミン/ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンの重縮合体(非晶性ポリアミド)およびこれらの共重合ポリアミド、混合ポリアミドなどがある。中でも特に好ましいものはナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12等の結晶性ポリアミドと非晶性ポリアミドとの混合ポリアミドである。上記の中でも、発泡性と耐衝撃性の効果がバランスよく向上する観点で、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、非晶性ポリアミドおよびこれらの混合物が好ましく、ポリアミド6、ポリアミド66、非晶性ポリアミド、およびこれらの混合物が特に好ましい。
ポリアミド樹脂(A)は通常、公知の溶融重合法で、あるいはさらに固相重合法を併用して製造される。
本発明で用いるポリアミド樹脂(A)の相対粘度としては特に制限はないが、溶媒として96%硫酸を用い、温度25℃、濃度1g/100mlの条件で求めた相対粘度で1.5〜5.0の範囲であることが好ましく、2.0〜4.0の範囲であることがより好ましい。相対粘度が1.5未満では均一な発泡セルが生成しにくく、発泡成形性が低下し、また、機械的特性も低下するので好ましくない。逆にこれが5.0を超えるとポリアミド樹脂組成物の流動性が低下するため、ガラス繊維が成形品表面に浮き出るため外観が悪化し、さらに、発泡成形性が低下するので好ましくない。
ポリアミド樹脂(A)は市販品として入手できる。市販品として、例えば、ポリアミド6樹脂(ユニチカ社製A1030BRF−BA)、ポリアミド66樹脂(ユニチカ社製E2000)、非晶性ポリアミド樹脂(EMS社製G21)、ポリアミド12樹脂(EMS社製L20)、ポリアミド11樹脂(アルケマ社製BMNO)等が挙げられる。
ポリアミド樹脂(A)の含有量は、全ポリアミド樹脂組成物100質量部に対して、90〜40質量部であり、成形体の耐衝撃性と耐スワールマーク特性との両立および連結孔のより一層の発生防止の観点から、好ましくは85〜50質量部、より好ましくは80〜55質量部である。ポリアミド樹脂(A)の含有量が40質量部未満では、必要とする耐衝撃性が得られず、90質量部を超えると外観特性(特に耐スワールマーク特性)および耐衝撃性に劣るものとなる。ポリアミド樹脂(A)は、組成および/または相対粘度が異なる2種以上のポリアミド樹脂を使用してもよく、その場合、それらの合計量が上記範囲内であればよい。
発泡核剤(B)(本明細書中、単に「成分(B)」ということがある)は、発泡成形時において発泡の起点(核)となる材料であれば、特に制限はされず、通常、板状、粒状および球状の無機材料が使用される。発泡核剤(B)の具体例としては、例えば、タルク、カオリン、マイカ、クレイ、セリサイト、シリカ、炭酸カルシウム、ミルドガラス等が挙げられ、特に発泡性向上の効果が高い点で、タルク、カオリン、マイカ、クレイ、セリサイト、炭酸カルシウム、およびこれらの混合物が好ましく、タルク、炭酸カルシウム、およびこれらの混合物がより好ましい。ミルドガラスとはガラスを粉砕して得られるガラス粒であり、例えば、後述のガラス繊維(C)を粉砕することにより得られる材料である。
発泡核剤(B)の平均径は特に制限されず、例えば0.01〜200μmであり、好ましくは0.1〜100μmである。
発泡核剤(B)の平均径は、顕微鏡写真上、任意の100個の最長径を測定して得られた値の平均値として算出される。
発泡核剤(B)は市販品として入手できる。市販品としては、例えば、タルク(日本タルク社製 K−1)、炭酸カルシウム(白石工業社製P10)、マイカ(イメリス社製 325HK)、カオリン(竹原化学工業社製 Satintone W)、ミルドガラス(日本電気化学社製 EPG70M−10A)が挙げられる。
発泡核剤(B)の含有量は、全ポリアミド樹脂組成物100質量部に対して、0.5〜10質量部であり、成形体の耐衝撃性と外観特性(特に耐スワールマーク特性)との両立および連結孔のより一層の発生防止の観点から、好ましくは1〜10質量部、より好ましくは1〜5質量部である。発泡核剤(B)の含有量が0.5質量部未満であると発泡性は有するが、発泡した際の発泡セルの形成が不十分で、結果として耐衝撃性が劣る。また得られる成形体の外観を損ねることにもなり、特にスワールマークが発生する。さらに連結孔が発生する。発泡核剤(B)の含有量が10質量部を超えても、発泡性向上の効果の発現が飽和に達し、もはやそれ以上の効果の向上は期待できず、むしろ得られる成形体の外観を損ねることになり、特にスワールマークが発生する。発泡核剤(B)は2種以上の発泡核剤を使用してもよく、その場合、それらの合計量が上記範囲内であればよい。
ガラス繊維(C)(本明細書中、単に「成分(C)」ということがある)は、発泡成形時において発泡の起点(核)とならない材料であり、公知のガラス繊維を用いることができる。マトリックス樹脂との密着性、均一分散性の向上のためシラン系、チタン系、ジルコニア系などのカップリング剤を少なくとも1種類、帯電防止剤、及び皮膜形成剤などを含んだ樹脂に適した公知の集束剤により集束され、集束されたガラス繊維ストランドを集めて一定の長さに切断したチョップドストランドの形態で使用される。また、ガラス繊維は、一般的に供給されるEガラス(Electrical glass)、Cガラス(Chemical glass)、Aガラス(Alkali glass)、Sガラス(High strength glass)、及び耐アルカリガラス等のガラスを溶融紡糸して得られる繊維が用いられるが、ガラス繊維にできるものであればどのような組成でも使用可能であり、特に限定されない。本発明に使用するガラス繊維(C)の繊維長(L)としては、溶融混錬時の定量供給安定性の観点から、好ましくは1〜10mmであり、特に1.5〜6mmであることが好ましい。また、繊維径(d)は、ガラス繊維自体の生産性および溶融混錬時の定量供給安定性の観点から、好ましくは4〜15μmであり、特に7〜13μmであることが好ましい。ガラス繊維(C)のL/d比は好ましくは50〜2500であり、より好ましくは100〜1000である。
また、ガラス繊維(C)の断面の形状が、楕円形、長円形、長方形、長方形の両短辺に半円を合わせた形状、まゆ型等、円形ではなく扁平形状である扁平ガラス繊維であってもよい。扁平ガラス繊維の扁平比(=長径/短径)は1.5〜10であることが好ましいが、扁平比が2.0〜6.0であることがさらに好ましい。扁平比が1.5未満であると、成形体に耐衝撃性や耐熱性を十分に付与できない場合がある。扁平比が10を超えるものはガラス繊維自体の製造が困難である。
ガラス繊維(C)は市販品として入手できる。市販品としては、例えば、T−289(日本電気硝子社製)、DEFT2A(オーウェンスコーニング社製)、HP3540(PPG社製)、CSG3PA820(日東紡社製)、等が挙げられる。
ガラス繊維(C)は、ペレットおよび製品などの成形体を製造するとき、混練等により切断される。このためガラス繊維(C)はペレット中および製品中において以下の範囲内の繊維長およびL/d比を有している。なお、繊維径dは混練等によっても変わらない。
ペレット:
繊維長:通常0.1〜1mm、好ましくは0.2〜0.8mm;
L/d比:通常10〜150、好ましくは15〜100。
製品:
繊維長:通常0.1〜0.8mm、好ましくは0.15〜0.5mm;
L/d比:通常10〜80、好ましくは15〜50。
ガラス繊維(C)の含有量は、全ポリアミド樹脂組成物100質量部に対して、5〜50質量部であり、成形体の耐衝撃性と外観特性(特に耐スワールマーク特性)との両立および連結孔のより一層の発生防止の観点から、好ましくは8〜40質量部、より好ましくは8〜30質量部である。ガラス繊維(C)の含有量が5質量部未満では、成形体としての補強効果が不十分で、耐衝撃性が低下する。さらには、スワールマークやアバタ状凹凸が発生し、成形体の外観が損なわれる。50質量部を超えると、耐衝撃性が低下する。また連結孔が発生する。ガラス繊維(C)は組成、繊維長および/または繊維径が異なる2種以上のガラス繊維を使用してもよく、その場合、それらの合計量が上記範囲内であればよい。
繊維状充填材(D)(本明細書中、単に「成分(D)」ということがある)は、ガラス繊維(C)以外の繊維状充填材であり、発泡成形時において発泡の起点(核)とならない材料である。そのような繊維状充填材(D)の具体例として、例えば、セピオライト、ワラストナイト、チタン酸カリウムウイスカー、パリゴルスカイト、炭酸カルシウムウィスカー、ゾノトライト、炭素繊維、ボロン繊維、アスベスト繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、全芳香族ポリアミド繊維、ポリベンズオキサゾール繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、ケナフ繊維、竹繊維、麻繊維、バガス繊維、高強度ポリエチレン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウム繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、スチール繊維、セラミックス繊維、玄武岩繊維などが挙げられる。中でも、前記ガラス繊維(C)との併用効果が高まる点で、ワラストナイト、セピオライト、チタン酸カリウムウイスカー、炭素繊維、玄武岩繊維およびこれらの混合物が好ましく、セピオライト、ワラストナイト、およびこれらの混合物がより好ましい。
繊維状充填材(D)の繊維長(L)は、スワールマークおよびアバタ状凹凸の発生防止の観点から、好ましくは1〜6000μm、特に10〜1000μmであることが好ましい。繊維径(d)は、スワールマークおよびアバタ状凹凸の発生防止の観点から、好ましくは0.1〜30μmであり、特に0.1〜10μmであることが好ましい。繊維状充填材(D)のL/d比は好ましくは、1〜10000であり、より好ましくは2〜1000である。なお、セピオライト、パリゴルスカイト、アタパルジャイトのような円柱形状を直径方向で押し潰したような略楕円柱形状を有する繊維状充填材の場合は、繊維幅は、スワールマークおよびアバタ状凹凸の発生防止の観点から、好ましくは0.01〜1μmであり、特に0.05〜0.5μmであることが好ましく、繊維厚さ(d’)は、スワールマークおよびアバタ状凹凸の発生防止の観点から、好ましくは0.01〜1μmであり、特に0.05〜0.5μmであることが好ましく、このとき、L/d’比は好ましくは1〜1000であり、より好ましくは2〜100である。
繊維状充填材(D)は市販品として入手できる。市販品としては、例えば、(キンセイマテック社製FPW#400)、セピオライト(TOLSA社製PANGEL HV)、チタン酸カリウムウイスカー(大塚化学社製ティスモD102)、炭素繊維(三菱レイヨン社製TR06NEB4J)等が挙げられる。
繊維状充填材(D)もまた、ガラス繊維(C)と同様に、ペレットおよび製品などの成形体を製造するとき、混練等により切断される。このため繊維状充填材(D)はペレット中および製品中において以下の範囲内の繊維長を有している。なお、繊維状充填材(D)の繊維径、繊維幅、繊維厚さは混練等によっても変わらない。
ペレット:
繊維長L:通常0.1〜1000μm、好ましくは0.5〜500μm;
L/d比およびL/d’比:通常1〜500、好ましくは2〜100。
製品:
繊維長L:通常0.05〜600μm、好ましくは0.1〜400μm;
L/d比およびL/d’比:通常1〜300、好ましくは2〜50。
繊維状充填材(D)の含有量は、全ポリアミド樹脂組成物100質量部に対して、3〜30質量部であり、成形体の耐衝撃性と外観特性(特に耐スワールマーク特性)との両立および連結孔のより一層の発生防止の観点から、好ましくは4〜30質量部、より好ましくは8〜30質量部である。繊維状充填材(D)の含有量が3質量部未満であると表面外観が劣り、特にスワールマークが発生する。30質量部を超えると耐衝撃性が劣る。また連結孔が発生する。繊維状充填材(D)は材質および寸法が異なる2種以上の繊維状充填材を使用してもよく、その場合、それらの合計量が上記範囲内であればよい。
本発明において、前記繊維状充填材(D)と発泡核剤(B)の質量比(D)/(B)は2〜30である必要がある。前記質量比とすることによって、相反する外観特性(特に耐スワールマーク特性)と耐衝撃性とをいずれも損なうことなく、これらの特性をバランスよく向上させることができる。さらに前記質量比とすることによって、発泡セルがつながって粗大化した連結孔がない、独立した発泡セルを得ることができる。連結孔は成形体の性能バラつきの一因であり、陥没や膨れなど外観の不具合となって現れたり、さらには強度の不均一化を招いたりすることになる。当該質量比が小さすぎると、スワールマークが発生する。当該質量比が大きすぎると、耐衝撃性が低下し、スワールマークが発生し、連結孔ができる。
本発明においては、特に質量比(D)/(B)をさらに4〜14の範囲内とすることにより、得られる成形体において耐衝撃性をより一層向上させるとともに、スワールマークおよび連結孔をより一層有効に防止することができる。
本発明においては、(C)成分の(B)成分と(D)成分との合計量に対する質量比(C/(B+D))は通常、0.2以上であるが、当該質量比を0.5以上、特に0.5〜5の範囲内とすることにより、得られる成形体において、耐衝撃性と耐スワールマーク特性とをさらに向上させかつ連結孔の発生をより一層防止するだけでなく、アバタ状凹凸の発生も防止することができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、さらにカップリング剤(E)、および他の重合体、熱安定剤、酸化防止剤、顔料、着色防止剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、結晶核剤、離型安定剤等の添加剤を含有させてもよい。このような添加剤の中でも、カップリング剤(E)をさらに含有させることにより、スワールマークの防止効果を維持しながら、耐衝撃性を著しく向上させることができる。
カップリング剤(E)(本明細書中、単に「成分(E)」ということがある)としては、特に制限はないが、例えば、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシ系カップリング剤;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシランなどのメタクリル系カップリング剤;3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系カップリング剤;3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネート系カップリング剤が挙げられる。中でも、エポキシ系カップリング剤を単独で使用するか、またはエポキシ系カップリング剤とメタクリル系カップリング剤とを併用することが好ましい。
カップリング剤(E)の含有量は、耐衝撃性の著しい向上の観点から、全ポリアミド樹脂組成物100質量部に対して、0.01〜1質量部が好ましく、より好ましくは0.05〜0.5質量部である。カップリング剤(E)は、2種以上のカップリング剤を使用してもよく、その場合、それらの合計量が上記範囲内であればよい。
本発明のポリアミド樹脂組成物に含有させてもよい他の重合体は、本発明のポリアミド樹脂組成物の特性を大きく損なわないように含有される。このような重合体としては、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、アクリルゴム、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、天然ゴム、塩素化ブチルゴム、塩素化ポリエチレンなどのエラストマー、およびこれらの無水マレイン酸などによる酸変性物、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−フェニルマレイミド共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルケトン、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレンなどが挙げられる。
本発明のポリアミド樹脂組成物の溶融粘度は、ワールマーク、アバタ状凹凸および連結孔のより一層の発生防止の観点から、キャピラリーレオメーターで、温度270℃、せん断速度100s−1で計測したときに200〜2000Pa・sであることが好ましく、300〜1900Pa・sであることがより好ましく、400〜1800Pa・sであることがさらに好ましい。
(ポリアミド樹脂組成物の使用)
(I)ポリアミド樹脂組成物を用いた発泡成形体の製造
本発明のポリアミド樹脂組成物は、発泡剤を配合することで、常法により発泡成形し、発泡成形体を得ることができる。一例において、本発明のポリアミド樹脂組成物を発泡剤と混合し、この混合物を成形機中に供給して溶融および混練し、例えば、後述する射出コアバック式の射出成形方法で射出成形して所望の製品等の発泡成形体を得ることができる。発泡剤が後述の物理発泡剤であるときには、溶融樹脂中に物理発泡剤を直接加えて均一分散液を得、次いで射出成形により発泡成形体とすることができる。
発泡剤としては発泡成形の分野で従来より使用されているあらゆる発泡剤を使用することができ、化学発泡剤および物理発泡剤を使用することができる。
化学発泡剤として、熱分解型発泡剤が使用される。化学発泡剤として、アゾ基、N−ニトロソ基、複素環式窒素含有基及びスルホニルヒドラジド基のような分解しうる基を含有する有機化合物系化学発泡剤、炭酸アンモニウムや炭酸水素ナトリウムなどの無機化合物系化学発泡剤を挙げることができる。有機化合物系化学発泡剤の具体例としては、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、ジアゾアミノベンゼン、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、4,4’−オキシ−ビス(ベンゼンスルホニル)ヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド、4−トルエンスルホニルヒドラジド、4,4’−オキシ−ビス(ベンゼンスルホニル)セミカルバジド、4−トルエンスルホニルセミカルバジド、バリウムアゾジカルボキシレート、5−フェニルテトラゾール、トリヒドラジノトリアジン、4−トルエンスルフォニルアザイド、4,4’−ジフェニルジスルフォニルアザイドなどである。
物理発泡剤としては、ガス状フルオロカーボン、窒素、二酸化炭素、空気、ヘリウム、アルゴンなど常温で気体のものや、液状フルオロカーボン、ペンタンなどの常温で液体のものも使用できる。
発泡剤は好ましくは化学発泡剤であり、より好ましくは有機化合物系化学発泡剤である。
発泡剤の配合量は、耐衝撃性と耐スワールマーク特性のさらなる向上および連結孔のより一層の発生防止の観点から、ポリアミド樹脂組成物100質量部に対して0.05〜2質量部が好ましく、0.1〜1質量部がより好ましい。
化学発泡剤を用いる場合、当該化学発泡剤と熱可塑性樹脂と混合した発泡剤マスターペレット形態として使用することがより好ましい。マスターペレットを用いることで、ポリアミド樹脂(A)とマスターペレットが一緒に溶融され発泡剤が分散しやすく、溶融したポリアミド樹脂組成物中で効率よく発泡ガスが発生するため、発泡成形性が向上する。
マスターペレットの具体例としては、化学発泡剤の分解開始温度よりも低い融点の熱可塑性樹脂に溶融混錬したペレット状にしたもの、熱可塑性樹脂の粉粒体と発泡剤の粉体を混合しペレット状に圧縮造粒したもの、タルクやマイカ、シリカなどの無機質粉粒体と発泡剤の粉体を混合しペレット状に圧縮造粒したもの、熱可塑性樹脂ペレットの表面に発泡剤を混合添着したものが挙げられる。
マスターペレットに用いる熱可塑性樹脂としては、たとえば、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)、アクリロニトリルスチレンコポリマー(AS)、ポリ乳酸(PLA)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAR)、スチレン―エチレン−ブタジエンースチレンコポリマー(SEBS)、エチレンーαオレフィンコポリマー、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)などが挙げられる。熱可塑性樹脂はABSおよびPAが好ましく、ABSがより好ましい。
機械的強度のさらなる向上と発泡成形性の向上の観点から、前述したマスターペレットには、発泡剤がマスターバッチペレット全量に対して3〜50質量%配合されていることが好ましく、5〜30質量%がより好ましい。
(II)ポリアミド樹脂組成物を用いた予備成形体の製造および該予備成形体を用いた発泡成形体の製造
本発明のポリアミド樹脂組成物は、発泡剤を配合することなく、常法により単に成形してペレット等の予備成形体とすることもできる。一例において、本発明のポリアミド樹脂組成物を発泡剤と混合することなく、成形機中に供給して溶融および混練し、常法により単に成形して、ペレット状または粒状の予備成形体を得ることができる。次いで、予備成形体を前記と同様の発泡剤と混合(ドライブレンド)し、この混合物を成形機中に供給して溶融および混練し、例えば、後述する射出コアバック式の射出成形方法で射出成形して所望の製品などの発泡成形体を得ることができる。発泡剤が後述する物理発泡剤であるときには、前記と同様に、溶融樹脂中に発泡剤を直接加えることができる。
発泡剤は前記発泡剤と同様のものであり、好ましくは化学発泡剤であり、より好ましくは有機化合物系化学発泡剤である。発泡剤の配合量も前記と同様であり、化学発泡剤を用いる場合は前記と同様の発泡剤マスターペレット形態として使用することがより好ましい。
(III)射出コアバック式の射出成形方法および発泡成形体
本発明の発泡成形体は、機械的強度および表面外観の観点から、発泡セルが存在するコア部を、発泡セルが存在しないスキン層で包括した形態とすることが好ましい。このような発泡成形体は、例えば、射出コアバック式の射出成形方法で得ることができる。詳しくは射出成形機において、溶融したポリアミド樹脂組成物を金型キャビティ内に射出し、保圧をかけないか、または、溶融樹脂が流動末端付近に到達した時点で0.2〜2.0秒の間、20〜100MPaの保圧をかける。次いで金型キャビティを構成する金型コア部(可動型)を1〜100mm/sの速度で、金型キャビティの厚みが拡張する方向へ後退させる。ここで、ダイプレートの後退距離と金型キャビティの初期深さより、次式を用いて求められる値を設定発泡倍率(X)と定義する。
設定発泡倍率(X)=(初期深さ+ダイプレートの後退距離)/(初期深さ)
このときの発泡の実倍率(Y)は、(発泡体の実際の厚み)/(初期深さ)で表す。発泡の実倍率は、軽量化の観点と機械的強度および表面外観のさらなる向上および連結孔のより一層の発生防止の観点から、1.40以上、特に1.40〜4.00であることが好ましく、1.80〜3.00であることがより好ましい。
設定発泡倍率(X)、発泡の実倍率(Y)より算出される発泡効率(Y/X)は、機械的強度および表面外観のさらなる向上、連結孔のより一層の発生防止および発泡厚みの安定性の観点から、85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
コア部の発泡セルの平均気泡径は、機械的強度の観点から、300μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましく、150μm以下であることがさらに好ましい。スキン層の厚みは、機械的強度および表面外観の向上の観点から、50μm以上であることが好ましく、100μm以上であることがさらに好ましい。
(発泡成形体の用途)
本発明のポリアミド樹脂組成物を用いて得られた発泡成形体は、電気・電子機器分野、自動車分野、あるいは機械分野などに好適に用いられる。
自動車部品用途においては、エンジンカバー、エアインテークマニホールド、スロットルボディ、エアインテークパイプ、ラジエタータンク、ラジエターサポート、ラジエターホース、ラジエターグリル、タイミングベルトカバー、ウォーターポンプレンレット、ウォーターポンプアウトレット、クーリングファン、ファンシュラウド、エンジンマウント等のエンジン周辺部品、プロペラシャフト、スタビライザーバーリンケージロッド、アクセルペダル、ペダルモジュール、シールリング、ベアリングリテーナー、ギア等の機構部品、オイルパン、オイルフィルターハウジング、オイルフィルターキャップ、オイルレベルゲージ、燃料タンク、燃料チューブ、フューエルカットオフバルブ、キャニスター、フューエルデリバリーパイプ、フューエルフィラーネック、フューエルセンダーモジュール、燃料配管用継手等の燃料・配管系部品、ワイヤーハーネス、リレーブロック、センサーハウジング、エンキャプシュレーション、イグニッションコイル、ディストリビューター、サーモスタットハウジング、クイックコネクター、ランプリフレクタ、ランプハウジング、ランプエクステンション、ランプソケット等の電装系部品、リアスポイラー、ホイールカバー、ホイールキャップ、カウルベントグリル、エアアウトレットルーバー、エアスクープ、フードバルジ、フェンダー、バックドア、シフトレバーハウジング、ウインドーレギュレータ、ドアロック、ドアハンドル、アウトサイドドアミラーステー等の各種内外装部品等で好適に用いることができる。
電気電子部品用途においては、コネクタ、LEDリフレクタ、スイッチ、センサー、ソケット、コンデンサー、ジャック、ヒューズホルダー、リレー、コイルボビン、抵抗器、IC、LEDのハウジング等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されない。
実施例および比較例で用いた原料を示す。
1.原料
(A)ポリアミド樹脂
・A−1:ポリアミド6樹脂(ユニチカ社製A1030BRF−BA)、相対粘度3.1。
・A−2:ポリアミド66樹脂(ユニチカ社製E2000)、相対粘度2.8。
・A−3:非晶性ポリアミド樹脂、イソフタル酸/テレフタル酸/1,6−ヘキサンジアミンの重縮合体(EMS社製G21)、相対粘度2.0。
(B)発泡核剤
・B−1:タルク(日本タルク社製 K−1)、平均径8μm。
・B−2:炭酸カルシウム(白石工業社製 ホワイトンP−10)、平均径3μm。
・B−3:マイカ(イメリス社製325HK)、平均径65μm。
(C)ガラス繊維
・C−1:ガラス繊維(日本電気硝子社製T−289)、繊維長L3mm、繊維径d13μm、L/d比231。
・C−2:ガラス繊維(オーウェンスコーニング社製DEFT2A)、繊維長L3mm、繊維径d7μm、L/d比429。
(D)繊維状充填材
・D−1:ワラストナイト(キンセイマテック社製FPW#400)、繊維長L32μm、繊維径d8μm、L/d比4。
・D−2:セピオライト(TOLSA社製PANGEL HV)、繊維長L:0.2〜2μm、繊維幅:0.1〜0.3μm、繊維厚さd’:0.05〜0.1μm、L/d’比2〜40。
(E)カップリング剤
・E−1:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製KBM−403)、エポキシ系
・E−2:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製KBM−503)、メタクリル系
(F)発泡剤
・EB−106:永和化成工業社製、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂)をキャリアレジンとするADCA(アゾジカルボンアミド)のマスターバッチ。
2.試験方法
1)発泡体の衝撃強度
射出コアバック方式で発泡前厚み2mmが発泡後厚み4mm(設定発泡倍率2倍)となるように発泡成形して得られた100mm×100mmの板状の発泡成形体を用い、グラフィックインパクトテスター(東洋精機製作所社製)で破壊時の衝撃吸収エネルギーを計測した。得られた衝撃吸収エネルギーの値を衝撃強度とした。
◎◎:衝撃強度が1.8J以上である;
◎:衝撃強度が1.2J以上である;
○:衝撃強度が1.1J以上である;
△:衝撃強度が1.0J以上である(実用上問題なし);
×:衝撃強度が1.0J未満である(実用上問題あり);
2)発泡成形体の表面外観
前述の発泡成形体について、その表面外観を目視観察した。
2)−1:スワールマークの有無
スワールマークの有無を判断した。発泡体表面にスワールマークがないものを○、あるものを×とした。スワールマークのないものの中で、特に発泡成形体表面の光沢に優れたものを◎とした。○と◎を合格とした。
2)−2:アバタ状凸凹の有無
アバタ状凸凹の有無を判断した。発泡成形体表面にアバタ状凸凹がないものを○、アバタ状凸凹があるものを×とした。○を合格とした。
3)連結孔の有無
前述の発泡成形体について、中央部と流動末端部の断面を目視観察した。連結孔がないものを○、連結孔があるものを×とした。○を合格とした。ここで、連結孔は直径が1mm以上の孔であり、周囲の発泡セルとは大きさが明らかに異なるものである。連結孔の直径は当該孔の寸法における最大長のことである。
実施例1
ポリアミド樹脂(A−1)70質量部をクボタ製ロスインウェイト式連続定量供給装置CE−W−1を用いて計量し、スクリュー径37mm、L/D40の同方向二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS)の主供給口に供給した。押出機のバレル温度設定は、270℃〜290℃、スクリュー回転数250rpm、吐出量35kg/hとして溶融混練を行い、サイドフィーダーより繊維状充填材(D−1)を14質量部と発泡核剤(B−1)を1質量部、ガラス繊維(C−1)を15質量部供給しさらに混練を行った。最後にダイスからストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。
次いで、射出コアバック方式で発泡成形して板状の発泡成形体を得た。詳しくは、上記ポリアミド樹脂組成物ペレット100質量部に対して発泡剤EB−106を3質量部ドライブレンドし、シャットオフノズルを搭載した射出成形機(FANUC社製S−2000i)に投入し、シリンダー温度280℃、金型温度80℃の条件で射出成型した。このとき、0.5秒間で試験片の流動末端まで充填し、次いで75MPaで0.5秒間の保圧工程を経て、その直後に60mm/秒で射出成型機のダイプレートを設定発泡倍率2倍になるように後退させた。得られた試験片を各性能評価に供した。結果を表1に示す。
実施例2〜19および比較例1〜22
(A)〜(E)成分として表1〜表4に示す所定の材料を所定の量で用いたこと以外、実施例1と同様の方法により、発泡成形体を得た。
Figure 0006513464
Figure 0006513464
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本発明のポリアミド樹脂組成物およびその成形体は、電気・電子機器分野、自動車分野、および機械分野などにおいて有用である。

Claims (6)

  1. ポリアミド樹脂(A)90〜40質量部;
    発泡核剤(B)0.5〜10質量部;
    ガラス繊維(C)5〜50質量部;および
    ガラス繊維(C)以外の繊維状充填材(D)3〜30質量部
    を全ポリアミド樹脂組成物100質量部に対して含み、
    発泡核剤(B)が、タルク、カオリン、マイカ、クレイ、セリサイト、シリカ、および炭酸カルシウムからなる群から選択されるいずれか1種以上であり、
    繊維状充填材(D)の発泡核剤(B)に対する質量比((D)/(B))が2〜30であるポリアミド樹脂組成物を発泡の実倍率1.4以上で成形してなる成形体
  2. ガラス繊維(C)の発泡核剤(B)と繊維状充填材(D)との合計量に対する質量比((C)/((B)+(D))が0.5以上である請求項1に記載の成形体
  3. ガラス繊維以外の繊維状充填材(D)が、ワラストナイト、セピオライト、およびチタン酸カリウムウイスカーからなる群から選択されるいずれか1種以上である請求項1または2に記載の成形体
  4. ポリアミド樹脂(A)がポリアミド6、ポリアミド66、および非晶性ポリアミドからなる群から選択されるいずれか1種以上である請求項1〜のいずれかに記載の成形体
  5. ポリアミド樹脂組成物がカップリング剤(E)をさらに含有する請求項1〜のいずれかに記載の成形体
  6. 自動車部品として用いられる請求項1〜5のいずれかに記載の成形体。
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