以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。下記実施形態に係る脱イオン水製造装置は、特に電圧を印加する一対の電極を含む電気式の脱イオン水製造装置に関する。
図1は、第1の実施形態に係る脱イオン水製造装置の模式的断面図である。本実施形態に係る脱イオン水製造装置100は、少なくとも1つの脱イオン処理部108と、複数の濃縮室114と、を備えている。図2は、脱イオン処理部108と脱イオン処理部108に隣接する濃縮室114との模式的分解斜視図である。少なくとも1つの脱イオン処理部108及び複数の濃縮室114は、陰極室116と陽極室118との間に配置されている。
本実施形態では、脱イオン水製造装置100は、3つの脱イオン処理部108を有している。この代わりに、脱イオン水製造装置100は、1つ又はそれ以上の脱イオン処理部108を有していてよい。濃縮室114は、各脱イオン処理部108を挟んで両側に配置されていてよい。複数の脱イオン処理部108が存在する場合、濃縮室は、脱イオン処理部108どうしの間と、脱イオン処理部108と電極室116,118との間に配置される。図1に示す例の代わりに、脱イオン処理部108と陰極室116とは互いに隣接していてもよく、脱イオン処理部108と陽極室118とは互いに隣接していてもよい。すなわち、脱イオン水製造装置は、陰極室116と脱イオン処理部108との間と陽極室118と脱イオン処理部108との間の濃縮室114を有していなくてもよい。
各脱イオン処理部108は、第1の脱イオン室110と、第2の脱イオン室112と、を有していてよい。第1の脱イオン室110は、第2の脱イオン室112と隣接している。第1の脱イオン室110の、第2の脱イオン室112とは反対側に、濃縮室114が配置されている。また、第2の脱イオン室112の、第1の脱イオン室110とは反対側に、別の濃縮室114が配置されている。
上記の各室110,112,114,116,118は、互いに積層された複数の枠体130,132,134,136,138と、それら枠体130,132,134,136,138の間に配置されたイオン交換膜120,122,124,126,128と、によって形成されている。各々の枠体130,132,134,136,138は、各室110,112,114,116,118を形成するための開口160を有している。具体的には、枠体に形成された開口が、一対のイオン交換膜で塞がれることによって、外部から区画された空間が形成される。この区画された空間が上記の各室を形成している。なお、陰極室116及び陽極室118については、枠体に形成された開口が、イオン交換膜と端板136,138で塞がれることによって各室が形成されてもよい。
陰極室116及び陽極室118を形成する枠体136,138の外側には、端板104,106が設けられている。端板104,106は、互いに積層された複数の枠体130,132,134,136,138からなる積層体を、その両側から押し付けている。両端板104,106は、例えばボルトにより互いに締結されていてよい。
本実施形態に係る脱イオン水製造装置100は、陰極室用の枠体136と、濃縮室用の枠体134と、第1の脱イオン室用の枠体130と、第2の脱イオン室用の枠体132と、陽極室用の枠体138と、を有している。濃縮室用の枠体134と第2の脱イオン室用の枠体132との間には第1のイオン交換膜120が設けられている。第1のイオン交換膜120は、濃縮室用の枠体134の開口160と第2の脱イオン室用の枠体132の開口160とを互いに分離している。第1のイオン交換膜120は例えばカチオン交換膜であってよい。
第1の脱イオン室用の枠体130と濃縮室用の枠体134との間には第2のイオン交換膜122が設けられている。第2のイオン交換膜122は、第2の濃縮室用の枠体134の開口160と第1の脱イオン室用の枠体130の開口160とを分離している。第2のイオン交換膜122は例えばアニオン交換膜であってよい。上記のように、脱イオン処理部108の陰極側に配置された第1のイオン交換膜120がカチオン交換膜であり、かつ脱イオン処理部108の陽極側に配置された第2のイオン交換膜122がアニオン交換膜であることが好ましい。
第1の脱イオン室用の枠体130と第2の脱イオン室用の枠体132との間には第3のイオン交換膜124が設けられている。第3のイオン交換膜124は、例えばバイポーラ膜であってよい。バイポーラ膜は、アニオン交換膜とカチオン交換膜とが互いに接合されて一体化されたイオン交換膜である。バイポーラ膜は、アニオン交換膜とカチオン交換膜との接合面において水の解離反応が非常に促進されるという特徴を有する。バイポーラ膜のアニオン交換膜が第1の脱イオン室110側に面していることが好ましい。これにより、脱イオン水製造装置100の運転電圧の上昇を抑制することができる。その結果、高電流での運転に対する耐久性が向上する。
互いに隣接する脱イオン処理部108間に配置された濃縮室用の枠体134の開口160は、第1のイオン交換膜120と第2のイオン交換膜122とによって塞がれている。脱イオン処理部108と陰極室116の間に配置された濃縮室用の枠体134の開口160は、第1のイオン交換膜120と別のイオン交換膜126とによって塞がれている。また、脱イオン処理部108と陽極室118の間に配置された濃縮室用の枠体134の開口160は、第2のイオン交換膜122とさらに別のイオン交換膜128とによって塞がれている。
第1及び第2の脱イオン室110,112内にはイオン交換体が充填されている。好ましくは、第1の脱イオン室110内にアニオン交換体が充填されている。アニオン交換体は、第1の脱イオン室110内に単床形態で充填されていてよい。アニオン交換体は、水中のアニオン成分を捕捉する。好ましくは、第2の脱イオン室112内にカチオン交換体が充填されている。カチオン交換体は、第2の脱イオン室112内に単床形態で充填されていてよい。カチオン交換体は、水中のカチオン成分を捕捉する。カチオン交換体及びアニオン交換体としては、それぞれ、カチオン交換樹脂及びアニオン交換樹脂を用いることができる。
液体を第2の脱イオン室112内に流入させる第1の供給路142が、第2の脱イオン室112に連通している。第2の脱イオン室112から流出した液体は、第1の排出路152、中間路159及び第2の供給路140を経て、第1の脱イオン室110内へ流入されることが好ましい。第1の脱イオン室110内へ流入した液体は、第2の排出路150を通って外部へ排出される。第2の排出路150を通って外部へ排出された液体は、第1及び第2の脱イオン室110,112内で脱イオン化された処理水である。
第2の脱イオン室112内に流入する被処理水は、二段の逆浸透膜(RO膜)102を透過した水であってよく、さらに脱炭酸処理した水でもよいし、軟化処理した水でもよい。この代わりに、第2の脱イオン室112内に流入する被処理水は、一段のRO膜を透過した水でもよく、脱炭酸処理されていない水でもよく、軟化処理されていない水でもよい。この場合、第2の脱イオン室112内に流入する液体は一段RO膜を透過した透過水であってよい。
液体は、陰極室116に設置されている陰極板117と陽極室118に設置されている陽極板119との間に直流電圧を印加した状態で、第1及び第2の脱イオン室110,112に通される。脱イオン室110,112内のイオン交換体は、液体中のイオン成分を捕捉する。イオン成分の捕捉と同時に、イオン交換体の界面で水の解離反応が起こり、その結果、水素イオンと水酸化物イオンが発生する。イオン交換体に捕捉されたイオン成分は、この水素イオン及び水酸化物イオンと交換され、イオン交換体から遊離する。遊離したイオン成分は再びイオン交換体に捕捉される。このイオン成分は、イオン交換体への捕捉とイオン交換体からの遊離を繰り返しながら、電圧の作用により濃縮室114内へ移動する。
各濃縮室114には、濃縮室用の供給路144を通して濃縮水が供給される。濃縮室114を通った濃縮水は、濃縮室用の排出路154を通して排出される。脱イオン室110,112から濃縮室114へ移動したイオン成分は、濃縮水と共に外部へ排出される。各濃縮室114内には、スケールの発生を抑制するため、アニオン交換体が単床形態で充填されていることが好ましい。
陰極室116及び陽極室118には、電極水(陽極水又は陰極水)が供給される。これらの電極水は、電極近傍での電気分解により、水素イオン及び水酸化物イオンを発生させる。脱イオン水製造装置100の電気抵抗を抑えるために、陰極室116及び陽極室118には、イオン交換体がそれぞれ充填されていることが好ましい。具体的には、陰極室116にはアニオン交換体が単床形態で充填されていることが好ましく、陽極室118にはカチオン交換体が単床形態で充填されていることが好ましい。
本実施形態では、2つの枠体130の開口160が共同で第1の脱イオン室110を形成するように、2つの枠体130が互いに隣接している。言い換えると、これら2つの枠体130の間にはイオン交換膜は設けられていない。この実施形態の代わりに、少なくとも3つの枠体の開口が共同で第1の脱イオン室を形成するように、3つの枠体が互いに隣接していてもよい。
少なくとも2つの枠体130の開口160が共同で1つの室(第1の脱イオン室)を形成することにより、各枠体130の厚みを増大させることなく、第1の脱イオン室110の厚みを大きくすることができる。単一の枠体130の厚みを増大させる必要がないため、枠体130の形状精度を向上させることができる。特に枠体130の表面の平面度が高い水準に維持されることにより、互いに隣接する枠体130同士がぴったりと密着する。これにより、第1の脱イオン室110を形成する少なくとも2つの枠体130間からの液体の漏れが抑制される。
脱イオン水製造装置100は、脱イオン室110,112よりも上流側に、1つ又はそれ以上の逆浸透膜102を有していてもよい。また、脱イオン水製造装置100は、脱イオン室110,112の上流側又は下流側に、水中の炭酸成分を除去する別個の炭酸除去設備を備えていてもよい。これにより、原水が脱イオン室110,112に流入する前に、原水中のイオン成分や炭酸成分を少なくしておくことができる。
各枠体130,132,134,136,138は、プラスチック材料、特に射出成形可能なプラスチック材料から形成されることが好ましい。射出成形されたプラスチック材料からなる枠体は、射出成形後の熱収縮により変化する。枠体のサイズ、特に枠体の厚みが大きいほど、枠体は、この熱収縮によって著しく変形する。したがって、各枠体の厚みの増大を抑制することによる液体の漏れの防止は、射出成形可能なプラスチック材料からなる枠体にとって特に大きな意義を有する。
射出成形によって、高い平面度を有する枠体130,132,134,136,138を作成するという観点から、各枠体130,132,134,136,138の厚みは、4〜15mmの範囲であることが好ましい。この場合であっても、少なくとも2つの枠体130の開口160が共同で1つの第1の脱イオン室110を形成することにより、第1の脱イオン室110の厚みを15mm以上にすることができる。第1の脱イオン室110の厚みは、例えば15〜30mmの範囲であってよい。なお、互いに積層された複数の枠体130,132,134,136,138全体の製作精度の観点から、複数の枠体130,132,134,136,138全体の厚みは1000mm以下であることが好ましい。
図3は、脱イオン室用の枠体の模式的平面図である。図3(A)は、第1の脱イオン室用の枠体130を示している。図3(B)は、第2の脱イオン室用の枠体132を示している。図4は、濃縮室用の枠体134の模式的平面図である。
各枠体130,132,134は、略長方形の開口160が形成されたプレートから構成されていてよい。各枠体130,132,134の開口160の周りには、第1〜第6の貫通孔161〜166が形成されている。なお、各枠体130,132,134の開口160又は貫通孔161〜166を取り囲む環状のガスケットが設けられていてもよい。ガスケットは、開口160又は貫通孔161〜166内からの液体の漏れを防止する機能を向上させる。
各枠体130,132,134の第1の貫通孔161は、互いに連通しており、第2の供給路140を形成している。各枠体130,132,134の第2の貫通孔162は、互いに連通しており、第1の供給路142を形成している。各枠体130,132,134の第3の貫通孔163は、互いに連通しており、第2の排出路150を形成している。各枠体130,132,134の第4の貫通孔164は、互いに連通しており、第1の排出路152を形成している。各枠体130,132,134の第5の貫通孔166は、互いに連通しており、濃縮室内に液体を供給する供給路144を形成している。各枠体130,132,134の第6の貫通孔165は、互いに連通しており、濃縮室内から液体を排出する排出路154を形成している。
第1の脱イオン室用の枠体130は、第2の供給路140から第1の脱イオン室110内に液体を導入するため、第1の貫通孔161を開口160に連通させる溝180を有する。また、第1の脱イオン室用の枠体130は、第1の脱イオン室110内から第2の排出路150へ液体を排出するため、開口160を第3の貫通孔163に連通させる溝181を有する。
第2の脱イオン室用の枠体132は、第1の供給路142から第2の脱イオン室112内に液体を導入するため、第2の貫通孔162を開口160に連通させる溝182を有する。また、第2の脱イオン室用の枠体132は、第2の脱イオン室112内から第1の排出路152へ液体を排出するため、開口160を第4の貫通孔164に連通させる溝183を有する。
濃縮室用の枠体134は、濃縮水用の供給路144から濃縮室114内に液体を導入するため、第5の貫通孔166を開口160に連通させる溝185を有する。また、濃縮室用の枠体134は、濃縮室114から濃縮水用の排出路154へ液体を排出するため、開口160を第6の貫通孔165に連通させる溝184を有する。
上記のように、各枠体130,132,134は、溝180〜185の形状を除き、互いに同一の形状であってよい。また、陰極室用の枠体136及び陽極室用の枠体138も、上記の枠体と同様の形状を有していてよい。ただし、端板104,106付近の枠体は、供給路140,142,144又は排出路150,152,154が不要な場合もある。この場合、それらの枠体は、供給路又は排出路に対応する貫通孔を有していなくてもよい。
第1の脱イオン室110を形成する少なくとも2つの枠体130は互いに同一の形状を有することが好ましい。具体的には、第1の脱イオン室用の少なくとも2つの枠体130に形成されている開口160、貫通孔161〜166及び溝180,181の形状が互いに同一であり、かつ第1の脱イオン室用の少なくとも2つの枠体130の厚さが互いに同一であってよい。これにより、第1の脱イオン室用の少なくとも2つの枠体130は、同一の金型で成形可能となる。
各枠体130,132,134,136,138において、開口160が形成された中央部材170,172,174と、溝180〜185及び貫通孔161〜166が形成された周辺部材(中央部材170,172,174以外の部分)とは、互いに別個の部品から構成されていてよい。この場合、この中央部材に周辺部材を取り付けることにより、枠体130,132,134,136,138が形成される。
複数の枠体130,132,134,136,138のうちの少なくとも2つの枠体は、周辺部材を除き、互いに同一の形状であってよい。具体的には、各枠体の厚み及び各枠体の開口の形状が互いに同一であることが好ましい。これにより、少なくとも枠体の中央部材を同一の形状にすることができる。その結果、少なくとも2つの枠体の特に中央部材が、同一の金型で成形可能となる。複数の枠体を共通の金型で製造できれば、脱イオン水製造装置の製造コストを削減することができる。一例では、第1の脱イオン室用の枠体130が、周辺部材を除き、第2の脱イオン室用の枠体132と同一の形状であってよい。別の例では、第1又は第2の脱イオン室用の枠体130,132が、周辺部材を除き、濃縮室、陰極室又は陽極室用の枠体134,136,138と同一の形状であってもよい。
互いに積層する枠体130,132,134,136,138の数が多くなりすぎると、端板104,106で枠体を押し付けたとしても、押し付け力が各枠体に均等に働かず、室内から液体が漏れることがある。したがって、室内からの液体の漏れを防止するという観点から、互いに積層される枠体の枚数に上限を設定することが好ましい。以下、第1の実施例における脱イオン水製造装置と、第2の実施例における脱イオン水製造装置について、液体の漏れについての実験結果を説明する。
第1の実施例及び第2の実施例は、図1に示す脱イオン水製造装置と同様の構成を有する。ただし、両実施例では、脱イオン処理部108の数が互いに異なっている。表1は、第1及び第2の実施例について、脱イオン処理部108の数、第1の脱イオン室110の数、第2の脱イオン室112の数、濃縮室114の数、陰極室116の数、陽極室118の数及び枠体130,132,134,136,138の総数を示している。なお、両実施例において、第1の脱イオン室110は2つの枠体130から構成されていることに留意すべきである。
両実施例では、各枠体130,132,134,136,138の形状は互いに同一とした。各枠体の縦方向の長さは450mm、各枠体の横方向の長さは280mmであり、各枠体の厚みは10mmである。各枠体の開口160の縦方向の長さは300mm、開口160の横方向の長さは150mmである。
複数の枠体130,132,134,136,138を互いに積層した積層体を端板104,106により互いに押し付けた。また、第1及び第2の脱イオン室110,112、濃縮室114、陰極室116及び陽極室118を水で満たし、第2の排出路150と濃縮水用の排出路154を塞いだ。そして、第1の供給路142及び濃縮水用の供給路144から各室内へ0.6MPaの水圧をかけた。この状態で脱イオン水製造装置を30分間維持した。
枠体の総数が75枚の場合(第1の実施例)、各室からの水の漏れは検出されなかった。一方、枠体の総数が83枚の場合(第2の実施例)、1時間あたり23mLの水の漏れが検出された。よって、脱イオン水製造装置を構成する枠体の総数は、好ましくは80以下、より好ましくは75以下であってよい。ただし、枠体の数の上限値は、枠体のサイズや実験条件等によって変化し得る。したがって、本発明は、必ずしも上記の上限値に制約されるわけではないことに留意されたい。
また、図1に示すように、第1の脱イオン室110は、少なくとも2つの枠体130の開口160により形成されるため、1つの大きな空間となる。その結果、第1の脱イオン室110内の液体の流速が増大しても、第1の脱イオン室110の入口と出口との間での液体の通水差圧が低下する。通水差圧が低下するので、互いに積層された複数の枠体の耐圧性が比較的低くてもよいという利点が得られる。また、通水差圧が低下すれば、液体を送液するためのポンプの容量を小さくすることもできる。その結果、省エネルギーで脱イオン水製造装置を運転することができたり、脱イオン水製造装置全体のコストを削減したりすることができる。
以下、第1の実施例及び第1の比較例における脱イオン水製造装置の処理量(単位時間あたりの処理量)について考察する。第1の実施例に係る脱イオン水製造装置は上述したとおりである。
第1の比較例に係る脱イオン水製造装置は、脱イオン処理部の構成を除き、第1の実施例における脱イオン水製造装置と同様の構成を有する。図5は、第1の比較例に係る脱イオン水製造装置に備えられた脱イオン処理部の模式的断面図である。第1の比較例の脱イオン処理部808は、第1の脱イオン室810と第2の脱イオン室812とを有する。第1の比較例の脱イオン処理部808では、第1の脱イオン室810と第2の脱イオン室812は、それぞれ1つの枠体830,832から形成されている。
第1の実施例及び第1の比較例ともに、第1の脱イオン室110,810と第2の脱イオン室112,812との間に配置された第3のイオン交換膜124,824はバイポーラ膜である。第1の実施例及び第1の比較例ともに、第1の脱イオン室110,810の、第3のイオン交換膜124,824と反対側のイオン交換膜122,822はアニオン交換膜である。第1の実施例及び第1の比較例ともに、第2の脱イオン室112,812の、第3のイオン交換膜124,824と反対側のイオン交換膜120,820はカチオン交換膜である。第1の実施例及び第1の比較例ともに、第1の脱イオン室110,810はアニオン交換体を単床形態で収容し、第2の脱イオン室112,812はカチオン交換体を単床形態で収容する。
上述したように、枠体の数に上限値が存在することを考慮し、第1の実施例と第1の比較例における枠体の総数を互いに一致させた。上述したように、第1の実施例において、各枠体130,132,134,136,138の厚みは10mmである。一方、第1の比較例において、第1の脱イオン室810を形成する枠体830の厚みは10mmとし、第2の脱イオン室812を形成する枠体832の厚みは5mmとした。その他の枠体の厚みは10mmとした。第1の実施例及び第1の比較例について、陰極室及び陽極室に流入する電極水の流量は20L/hとした。また、陰極室に設置された陰極板と陽極室に設置された陽極板との間に印加する電流値は2.5Aとした。
上記の条件の下で、第1の実施例における第1及び第2の脱イオン室110,112の通水空間速度が、それぞれ第1の比較例における第1及び第2の脱イオン室810,812の通水空間速度と一致するように、供給路140,142から脱イオン室110,112,810,812へ流入させる液体の流量を設定した。なお、濃縮室内の濃縮水の流量は、概ね脱イオン水の流量の1/10となるように設定した。
表2は、第1の脱イオン室の液体の通水空間速度を200h−1とし、第2の脱イオン室の液体の通水空間速度を400h−1としたときの、各室内での液体の流量及び通水差圧を示している。ここで、通水空間速度は、液体の流量を室の体積で割った値で定義される。ある室での空間通水速度の逆数は、当該室内に充填されたイオン交換体に対する接触時間を意味する。接触時間は、液体中のイオン成分が脱イオン室内のイオン交換体と接触する時間を意味する。
上述したように、第1の実施例と第1の比較例とで脱イオン室の通水空間速度を一致させた。これにより、第1の実施例における第1及び第2の脱イオン室110,112内の液体の通水差圧が、それぞれ第1の比較例における第1及び第2の脱イオン室810,812内の液体の通水差圧と概ね一致する。第1の実施例と第1の比較例との間で通水差圧がほぼ同一の値になるにもかかわらず、第1の実施例での第1及び第2の脱イオン室110,112の流量は、第1の比較例での第1及び第2の脱イオン室810,812の流量よりも大きくなっている。具体的には、第1の比較例では、24個の第1の脱イオン室又は24個の第2の脱イオン室全体の流量が、2160L/hとなる。一方、第1の実施例では、18個の第1の脱イオン室又は18個の第2の脱イオン室全体の流量が、3240L/hとなる。したがって、第1の実施例の脱イオン水製造装置は、単位時間あたりにより多くの量の液体を処理することができる。
表3は、第1の脱イオン室の液体の通水空間速度を300h−1とし、第2の脱イオン室の液体の通水空間速度を600h−1としたときの、各室内での液体の流量及び通水差圧を示している。
上述したように、第1の実施例と第1の比較例とで脱イオン室の通水空間速度を一致させた。これにより、第1の実施例における第1及び第2の脱イオン室110,112内の液体の通水差圧が、それぞれ第1の比較例における第1及び第2の脱イオン室810,812内の液体の通水差圧と概ね一致する。第1の実施例と第1の比較例との間で通水差圧がほぼ同一の値になるにもかかわらず、第1の実施例での第1及び第2の脱イオン室110,112の流量は、第1の比較例での第1及び第2の脱イオン室810,812の流量よりも大きくなっている。具体的には、第1の比較例では、24個の第1の脱イオン室又は24個の第2の脱イオン室全体の流量が、3240L/hとなる。一方、第1の実施例では、18個の第1の脱イオン室又は18個の第2の脱イオン室全体の流量が、4860L/hとなる。したがって、第1の実施例の脱イオン水製造装置は、単位時間あたりにより多くの量の液体を処理することができる。
一般に、通水空間速度の増加にともない処理水の流量も一様に増加させることができる。したがって、第1の脱イオン室内の液体の通水空間速度が200〜300h−1であり、かつ第2の脱イオン室内の液体の通水空間速度が400〜600h−1であっても、第1の実施例の脱イオン水製造装置は、第1の比較例の脱イオン水製造装置よりも多くの流量の液体を処理することができると考えられる。
一般に、脱イオン製造装置100の排出路150を通って処理水を外部へ移送するために、0.1MPa程度の水圧を確保することが好ましい。そのためには、脱イオン製造装置100の供給路142に供給する液体の水圧は、0.1MPaに第1及び第2の脱イオン室110,112の通水差圧の合計値を加算した値以上である必要がある。ここで、RO膜102を透過した液体の水圧は、一般に0.3MPa程度以下である。したがって、第1及び第2の脱イオン室110,112の通水差圧の合計値が概ね0.2MPa以下であれば、RO膜102を透過した液体をポンプで昇圧することなく、第1及び第2の脱イオン室110,112へ供給することができる。また、イオン交換膜の機械的強度(破裂強度)の観点から、通水差圧は概ね0.2MPa以下であることが好ましい。
一般に、通水差圧は、通水空間速度の増加とともに増加する。したがって、表2および表3から、第1の脱イオン室内の液体の通水空間速度が200〜300h−1であり、かつ第2の脱イオン室内の液体の通水空間速度が400〜600h−1であれば、第1及び第2の脱イオン室110,112の通水差圧の合計値を0.2MPa以下にすることができることが分かる。
図6は、第2の実施形態に係る脱イオン水製造装置の模式的断面図である。なお、第1の実施形態と同一の部材については同一の符号が付されている。第2の実施形態に係る脱イオン水製造装置200は、少なくとも1つの脱イオン処理部208と、複数の濃縮室114と、を備えている。図7は、脱イオン処理部208と脱イオン処理部208に隣接する濃縮室114との模式的分解斜視図である。少なくとも1つの脱イオン処理部208及び複数の濃縮室114は、陰極室116と陽極室118との間に配置されている。
濃縮室114は、各脱イオン処理部208を挟んで両側に配置されていてよい。複数の脱イオン処理部208が存在する場合、濃縮室114は、脱イオン処理部208どうしの間と、脱イオン処理部208と電極室116,118との間に配置される。本実施形態では、各脱イオン処理部208は1つの脱イオン室210を有していてよい。この場合、脱イオン室210は、2つの濃縮室114に挟まれている。図6に示す例の代わりに、脱イオン処理部208と陰極室116又は陽極室118とは互いに隣接していてもよい。すなわち、脱イオン水製造装置は、陰極室116又は陽極室118と脱イオン処理部208との間の濃縮室114を有していなくてもよい。
上記の各室210,114,116,118は、互いに積層された複数の枠体230,134,136,138と、それら枠体230,134,136,138の間に配置されたイオン交換膜220,222,126,128と、によって形成されている。各々の枠体230,134,136,138は、各室210,114,116,118を形成するための開口160を有している。具体的には、枠体に形成された開口が、一対のイオン交換膜で塞がれることによって、外部から区画された空間が形成される。この区画された空間が上記の各室を形成している。なお、陰極室116及び陽極室118については、枠体に形成された開口が、イオン交換膜と端板136,138で塞がれることによって各室が形成されてもよい。
第2の実施形態に係る脱イオン水製造装置200は、陰極室用の枠体136と、濃縮室用の枠体134と、脱イオン室用の枠体230と、陽極室用の枠体138と、を有している。脱イオン室用の枠体230の、陰極室116に近い側のイオン交換膜220は、例えばカチオン交換膜であってよい。脱イオン室用の枠体230の、陽極室118に近い側のイオン交換膜222は、例えばアニオン交換膜であってよい。脱イオン室210内にはイオン交換体が充填されている。好ましくは、脱イオン室210内にアニオン交換体とカチオン交換体とが混床形態、ならびに複床形態で充填されている。
液体を脱イオン室210内に流入させる供給路140が、脱イオン室210に連通している。脱イオン室210から流出した液体は、排出路150を通って外部へ排出される。排出路150を通って外部へ排出された液体は、脱イオン室210内で脱イオン化された処理水である。
液体は、陰極室116と陽極室118との間に直流電圧を印加した状態で、脱イオン室210に通される。脱イオン室210内のイオン交換体は、被処理水中のイオン成分を捕捉する。このイオン成分は、イオン交換体への捕捉とイオン交換体からの遊離を繰り返しながら、電圧の作用により濃縮室114内へ移動する。
各濃縮室114には、濃縮室用の供給路144を通して濃縮水が供給される。濃縮室114を通った濃縮水は、濃縮室用の排出路154を通して排出される。脱イオン室210から濃縮室114へ移動したイオン成分は、濃縮水と共に外部へ排出される。各濃縮室114内には、スケールの発生を抑制するため、アニオン交換体が単床形態で充填されていることが好ましい。
本実施形態では、2つの枠体230の開口160が共同で1つの脱イオン室210を形成するように、2つの枠体230が互いに隣接している。言い換えると、これら2つの枠体230の間にはイオン交換膜は設けられていない。この実施形態の代わりに、少なくとも3つの枠体の開口が共同で1つの脱イオン室を形成するように、3つの枠体が互いに隣接していてもよい。
少なくとも2つの枠体230の開口160が共同で1つの室(脱イオン室)を形成することにより、各枠体230の厚みを増大させることなく、脱イオン室210の厚みを大きくすることができる。単一の枠体230の厚みを増大させる必要がないため、枠体230の形状精度を向上させることができる。これにより、脱イオン室210を形成する少なくとも2つの枠体230間からの液体の漏れが抑制される。
枠体230,134,136,138の形状や材質、枠体の総数の上限等については第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。ただし、脱イオン室210を形成する枠体230の溝280,281の形状は、第1の実施形態における脱イオン室用の枠体130,132の溝の形状と異なっていてもよい。
図6に示すように、脱イオン室210は、少なくとも2つの枠体230の開口160により形成されるため、1つの大きな空間となる。その結果、脱イオン室210内の液体の流速が増大しても、脱イオン室210の入口と出口との間での液体の通水差圧が低下する。
以下、第3の実施例及び第2の比較例における脱イオン水製造装置の処理水の流量について考察する。第3の実施例における脱イオン水製造装置は、図6に示すものと同様の構成を有する。ただし、第3実施例における脱イオン水製造装置は、24個の脱イオン処理部208を有する。
第2の比較例に係る脱イオン水製造装置は、脱イオン処理部の構成を除き、第3の実施例における脱イオン水製造装置と同様の構成を有する。第2の比較例の脱イオン水製造装置は、36個の脱イオン処理部を有する。図8は、第2の比較例に係る脱イオン水製造装置に備えられた脱イオン処理部の模式的断面図である。各脱イオン処理部908は、1つの脱イオン室910を有する。この脱イオン室910は、1つの枠体930から形成されている。
第3の実施例及び第2の比較例ともに、脱イオン室210,910の陰極室側に配置されたイオン交換膜220はカチオン交換膜である。第3の実施例及び第2の比較例ともに、脱イオン室210,910の陽極室側に配置されたイオン交換膜222はアニオン交換膜である。第3の実施例及び第2の比較例ともに、脱イオン室210,910はカチオン交換体とアニオン交換体とを混床形態で収容している。
上述したように、枠体の数に上限値が存在することを考慮し、第3の実施例と第2の比較例における枠体の総数を75に一致させた。第3の実施例及び第2の比較例において、各枠体230,930,134,136,138の厚みは10mmである。各枠体の縦方向の長さは450mm、各枠体の横方向の長さは280mmである。各枠体の開口160の縦方向の長さは300mm、開口160の横方向の長さは150mmである。
第3の実施例及び第2の比較例について、陰極室及び陽極室に流入する電極水の流量はそれぞれ20L/hとした。また、陰極室に設置された陰極板と陽極室に設置された陽極板との間に印加する電流値は2.5Aとした。
上記の条件の下で、第3の実施例における脱イオン室210の通水空間速度が、第2の比較例における脱イオン室910の通水空間速度と一致するように、供給路140から脱イオン室210,910へ流入させる液体の流量を設定した。なお、濃縮室内の濃縮水の流量は、概ね脱イオン水の流量の1/10となるように設定した。
表4は、脱イオン室の液体の通水空間速度を200h−1としたときの、各室内での液体の流量及び通水差圧を示している。
上述したように、第3の実施例と第2の比較例とで脱イオン室の通水空間速度を一致させた。これにより、第3の実施例における脱イオン室210内の液体の通水差圧が、第2の比較例における脱イオン室910内の液体の通水差圧と概ね一致する。第3の実施例と第2の比較例との間で通水差圧がほぼ同一の値になるにもかかわらず、第3の実施例での脱イオン室210の流量は、第2の比較例での脱イオン室910の流量よりも大きくなっている。具体的には、第2の比較例では、36個の脱イオン室全体の流量が、3240L/hとなる。一方、第3の実施例では、24個の脱イオン室全体の流量が、4320L/hとなる。したがって、第3の実施例の脱イオン水製造装置は、単位時間あたりにより多くの量の水を処理することができる。
表5は、脱イオン室の液体の通水空間速度を600h−1としたときの、各室内での液体の流量及び通水差圧を示している。
上述したように、第3の実施例と第2の比較例とで脱イオン室の通水空間速度を一致させた。これにより、第3の実施例における脱イオン室210内の液体の通水差圧が、第2の比較例における脱イオン室910内の液体の通水差圧と概ね一致する。第3の実施例と第2の比較例との間で通水差圧がほぼ同一の値になるにもかかわらず、第3の実施例での脱イオン室210の流量は、第2の比較例での脱イオン室910の流量よりも大きくなっている。具体的には、第2の比較例では、36個の脱イオン室全体の流量が、9720L/hとなる。一方、第3の実施例では、24個の脱イオン室全体の流量が、12960L/hとなる。したがって、第3の実施例の脱イオン水製造装置は、単位時間あたりにより多くの量の水を処理することができる。
表4及び表5から、脱イオン室内の液体の通水空間速度が200h−1及び600h−1のとき、第3の実施例の脱イオン水製造装置は、第2の比較例の脱イオン水製造装置よりも多くの流量の液体を処理することができる。通水空間速度の増加にともない処理水の流量も一様に増加させることができる。したがって、通水空間速度が200h−1〜600h−1の範囲であっても、第3の実施例の脱イオン水製造装置は、第2の比較例の脱イオン水製造装置よりも多くの流量の液体を処理することができると考えられる。
表4および表5から、脱イオン室内の液体の通水空間速度が200〜600h−1であれば、脱イオン室210の通水差圧を0.15MPa以下にすることができることが分かる。これにより、RO膜102を透過した液体をポンプで昇圧することなく脱イオン室210へ供給することができる。また、第3の実施例の脱イオン水製造装置は、イオン交換膜の機械的強度(破裂強度)の観点からも、十分に小さい通水差圧となっている。
図9は、第3の実施形態に係る脱イオン水製造装置の模式的断面図である。なお、第1の実施形態と同一の部材については同一の符号が付されている。第3の実施形態に係る脱イオン水製造装置300は、少なくとも1つの脱イオン処理部308と、複数の濃縮室114と、を備えている。図9は、1つの脱イオン処理部308のみを示しているが、脱イオン水製造装置300は複数の脱イオン処理部308を有していてよい。少なくとも1つの脱イオン処理部308及び複数の濃縮室114は、陰極室116と陽極室118との間に配置されている。
各脱イオン処理部308は、第1の脱イオン室310と、第2の脱イオン室312と、を有していてよい。第1の脱イオン室310は、第2の脱イオン室312と隣接している。第1の脱イオン室310の、第2の脱イオン室312とは反対側に、濃縮室114が配置されている。また、第2の脱イオン室312の、第1の脱イオン室310とは反対側に、別の濃縮室114が配置されている。図9に示す例の代わりに、脱イオン処理部308と陰極室116又は陽極室118とは互いに隣接していてもよい。すなわち、脱イオン水製造装置は、陰極室116又は陽極室118と脱イオン処理部308との間の濃縮室114を有していなくてもよい。
上記の各室310,312,114,116,118は、互いに積層された複数の枠体130,132,134,136,138と、それら枠体130,132,134,136,138の間に配置されたイオン交換膜320,322,324,126,128と、によって形成されている。各々の枠体は、各室310,312,114,116,118を形成するための開口を有している。具体的には、枠体に形成された開口が、一対のイオン交換膜で塞がれることによって、外部から区画された空間が形成される。この区画された空間が上記の各室を形成している。なお、陰極室116及び陽極室118については、枠体に形成された開口が、イオン交換膜と端板136,138で塞がれることによって各室が形成されてもよい。
濃縮室用の枠体134と第1の脱イオン室用の枠体130との間には第1のイオン交換膜320が設けられている。第1のイオン交換膜320は、例えばカチオン交換膜であってよい。第2の脱イオン室用の枠体132と濃縮室用の枠体134との間には第2のイオン交換膜322が設けられている。第2のイオン交換膜322は、例えばアニオン交換膜であってよい。上記のように、脱イオン処理部308の陰極側に配置された第1のイオン交換膜320がカチオン交換膜であり、かつ脱イオン処理部308の陽極側に配置された第2のイオン交換膜322がアニオン交換膜であることが好ましい。
第1の脱イオン室用の枠体130と第2の脱イオン室用の枠体132との間には第3のイオン交換膜324が設けられている。第3のイオン交換膜324は、例えばバイポーラ膜であってよい。バイポーラ膜のアニオン交換膜が第2の脱イオン室312側に面していることが好ましい。これにより、脱イオン水製造装置300の運転電圧の上昇を抑制することができる。その結果、高電流での運転に対する耐久性が向上する。
第1及び第2の脱イオン室310,312内にはイオン交換体が充填されている。好ましくは、第1の脱イオン室310内にカチオン交換体が充填されている。カチオン交換体は、第1の脱イオン室310内に単床形態で充填されていてよい。これに代えて、カチオン交換体とアニオン交換体が、第1の脱イオン室310内に混床形態で充填されていてもよい。好ましくは、第2の脱イオン室312内にアニオン交換体が充填されている。アニオン交換体は、第2の脱イオン室312内に単床形態で充填されていてよい。
液体を第1の脱イオン室310内に流入させる第1の供給路342が、第1の脱イオン室310に連通している。第1の脱イオン室310から流出した液体は、第1の排出路352、中間路359及び第2の供給路340を経て、第2の脱イオン室312内へ流入されることが好ましい。第2の脱イオン室312内へ流入した液体は、第2の排出路350を通って外部へ排出される。第2の排出路350を通って外部へ排出された液体は、第1及び第2の脱イオン室310,312内で脱イオン化された処理水である。
本実施形態では、2つの枠体130の開口が共同で第1の脱イオン室310を形成するように、2つの枠体130が互いに隣接している。言い換えると、これら2つの枠体130の間にはイオン交換膜は設けられていない。この実施形態の代わりに、少なくとも3つの枠体の開口が共同で第1の脱イオン室を形成するように、3つの枠体が互いに隣接していてもよい。
少なくとも2つの枠体130の開口が共同で1つの室(第1の脱イオン室)を形成することにより、各枠体130の厚みを増大させることなく、第1の脱イオン室310の厚みを大きくすることができる。単一の枠体130の厚みを増大させる必要がないため、枠体130の形状精度を向上させることができる。これにより、第1の脱イオン室310を形成する少なくとも2つの枠体130間からの液体の漏れが抑制される。
枠体130,132,134,136,138の形状や材質、枠体の総数の上限等については第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。また、第1の実施形態と同様に、少なくとも2つの枠体から形成される第1の脱イオン室310内の液体の通水空間速度が200〜300h−1であり、かつ第2の脱イオン室312内の液体の通水空間速度が400〜600h−1であることが好ましい。
以上、本発明の望ましい実施形態について提示し、詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない限り、さまざまな変更及び修正が可能であることを理解されたい。
例えば、上記実施形態及び実施例では、少なくとも2つの枠体の開口が共同で形成する第1の室は、脱イオン室であった。しかしながら、少なくとも2つの枠体の開口が共同で形成する第1の室は、脱イオン室に限られず、濃縮室、陰極室又は陽極室であってもよい。つまり、少なくとも2つの枠体の開口が共同で任意の1つの第1の室を形成するように、少なくとも2つの枠体が互いに隣接していればよい。これにより、互いに積層された枠体間からの液体の漏れを抑制しつつ、各室の厚みを増大させることができる。ただし、処理水の単位時間当たりの流量を増大するという観点では、少なくとも2つの枠体の開口が共同で形成する第1の室は脱イオン室であることが好ましい。