JP6519045B2 - ガラスパネル製造方法および液晶パネル製造方法 - Google Patents

ガラスパネル製造方法および液晶パネル製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、多面取り用ガラス母材から所望形状のガラスパネルや所望形状の液晶パネルを複数得るためのガラスパネル製造方法および液晶パネル製造方法に関する。
一般的に、液晶パネルやカバーガラス等のガラスパネルの製造時には、多面取り用ガラス母材から所望形状の複数のガラスパネルを得るような処理が行われる。例えば、液晶パネルの製造においては、1組のガラス母材で同時に複数の液晶パネルを製造し、その後にガラス母材を単個の液晶パネルに分断するという手法(いわゆる多面取り)が広く採用されてきた。そして、ガラス母材を分断する際には、スクライブブレーク、レーザアブレーション加工、エッチング処理といった手法が用いられることが多かった。
ところが、スクライブブレークを採用した場合には、丸みを持った輪郭を有するガラスパネルを形成することが困難であった。また、レーザアブレーション加工では、加工速度が遅かったり、アブレーションデブリによる汚損が生じたりするといった不具合が発生し易かった。
そこで、従来、多面取り用ガラス母材をエッチング処理によって分断することによって複数のガラスパネルを得る技術が注目されるようになってきた。エッチング処理は、所望形状のカバーガラスを得るために利用されるようになり、最近では、アレイ基板およびカラーフィルタ基板を貼り合せてなる液晶パネルを多面取りするための多面取り用ガラス母材から所定形状の液晶パネルを複数得る際にもエッチング処理が用いられるようになってきている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2016−224201号公報
しかしながら、エッチング処理においては、ガラスパネルの厚み方向にエッチングが進行するのに加えて、これに直交する方向にもエッチングが進行するサイドエッチングが発生する。このため、エッチング処理においては、ガラスパネルの切断面を主面とほぼ直角になるように形成することが困難になる。例えば、液晶パネルをエッチング処理によって多面取りする場合には、ガラス母材の厚み方向に直交する方向に進行するサイドエッチングの影響を考慮して、ガラス母材において各液晶パネル間にスペースを設ける必要があるため、多面取り効率が悪くなることがあった。
本発明の目的は、エッチング処理に伴うサイドエッチングの影響を最小限に抑制することが可能なガラスパネル製造方法および液晶パネル製造方法を提供することである。
本発明に係るガラスパネル製造方法は、ガラスパネルを多面取りするための多面取り用ガラス母材から所望形状のガラスパネルを複数得るための方法である。このガラスパネル製造方法は、透明の耐エッチング層を形成するステップ、レーザ走査ステップ、およびエッチングステップを少なくとも含む。
透明の耐エッチング層を形成するステップでは、多面取り用ガラスパネルの表面に対して、耐エッチング性を備えた透明の耐エッチング層を形成する。耐エッチング層の代表例としては、ガラスをエッチングするフッ酸を含むエッチング液に対する耐性を備えた透明の樹脂材料からなる耐エッチングフィルムが挙げられる。耐エッチングフィルムは、透明の耐エッチング性を有する接着剤を介して貼付しても良いし、自己粘着性を備えたものを用いても良い。耐エッチングフィルム以外にも、耐エッチング性を備えた透明のレジスト材料やその他の透明のマスキング部材を用いて耐エッチング層を形成することが可能である。
レーザ走査ステップにおいては、取り出すべきガラスパネルの形状に対応する形状切断予定線に沿ってレーザを走査することによって、形状切断予定線に沿って、耐エッチング層を除去しかつ多面取り用ガラス母材にエッチングされ易い性質の改質ラインが形成される。耐エッチング層が形状切断予定線に沿って除去されることにより、形状切断予定線に沿って耐エッチング層の開口部が形成されることになり、その結果、多面取り用ガラス母材の改質ライン形成位置が露出する。特に、同じレーザビームによって耐エッチング層の除去および改質ラインの形成を行っているため、耐エッチング層の開口位置と改質ラインの形成位置とがずれることを防止可能になる。改質ラインを形成する手法の代表例としては、ピコ秒レーザまたはフェムト秒レーザによるフィラメント加工が挙げられる。改質ラインの幅は、概ね10μm以下に設定することが好ましい。
エッチングステップにおいては、レーザ走査ステップ後に、多面取り用ガラス母材をエッチング液に接触させることによって改質ラインがエッチングされる。改質ラインに沿ってエッチング液が浸透し易くなっており、エッチング処理の進行が容易で短時間化されるため、サイドエッチングの影響を最小化することが可能になる。
上述のガラスパネル製造方法において、透明の耐エッチング層が、50μm〜100μmの薄型透明フィルムであることが好ましい。耐エッチング層を50μm〜100μm程度まで薄型化することにより、剥離を行い易くなる。また、レーザビームが通過する際の光学的影響も少なくなるため、レーザビームの焦点やビームプロファイルを正確に調整し易くなる。一方で、形状切断予定線に沿って改質ラインが形成されているため、エッチング処理を迅速に行うことが可能であり、要求される耐エッチング性能が低く抑えられる。このため、通常のエッチング処理よりも耐エッチングフィルムは薄くても問題はない。なお、薄型透明フィルムの特性はガラスの特性と類似している方がレーザ光の焦点精度向上の観点からさらに好ましいと言える。
さらに、この発明に係る液晶パネル製造方法は、アレイ基板およびカラーフィルタ基板を貼り合せてなる液晶パネルを多面取りするための多面取り用ガラス母材から所定形状の液晶パネルを複数得るためのものである。この液晶パネル製造方法は、透明の耐エッチング層を形成するステップ、レーザ走査ステップ、およびエッチングステップを少なくとも含んでいる。
透明の耐エッチング層を形成するステップにおいては、アレイ基板およびカラーフィルタ基板に対して、耐エッチング性を備えた透明のエッチング層を貼付する。上述と同様、耐エッチング層の代表例としては、ガラスをエッチングするフッ酸を含むエッチング液に対する耐性を備えた透明の樹脂材料からなる耐エッチングフィルムが挙げられる。耐エッチングフィルムは、透明の耐エッチング性を有する接着剤を介して貼付しても良いし、自己粘着性を備えたものを用いても良い。耐エッチングフィルム以外にも、耐エッチング性を備えた透明のレジスト材料やその他の透明のマスキング部材を用いて耐エッチング層を形成することが可能である。
レーザ走査ステップにおいては、液晶パネルの形状に対応する形状切断予定線に沿ってレーザを走査することによって、形状切断予定線に沿って、耐エッチング層を除去しかつ多面取り用ガラス母材にエッチングされ易い性質の改質ラインを形成する。さらに、エッチングステップにおいては、レーザ走査ステップ後に、多面取り用ガラス母材をエッチング液に接触させることによって改質ラインをエッチングする。
この液晶パネル製造方法においては、アレイ基板およびカラーフィルタ基板にそれぞれ改質ラインが形成されるため、それぞれの基板をサイドエッチングの影響を最小化しつつ、エッチング処理によって多面取り用ガラス母材を分断することが可能になる。
上述のレーザ走査ステップにおいて、アレイ基板およびカラーフィルタ基板に挟まれる液晶層において気泡発生等の不具合が生じる場合には、形状切断予定線に沿って、耐エッチングフィルムを除去しかつ改質ラインをアレイ基板またはカラーフィルタ基板のいずれか一方にのみ形成すると良い。この方法を採用することにより、液晶層に対するレーザビームの熱的影響等を減少させることが可能となるため、液晶層において気泡が発生するといった不具合が生じにくくなる。
また、前段落に記載の方法では、多面取り用ガラス部材の分断が困難になる場合には、上述のレーザ走査ステップにおいて、形状切断予定線に沿って、耐エッチングフィルムを除去しかつ改質ラインをアレイ基板またはカラーフィルタ基板のいずれか一方にのみ形成し、その後に反対側からレーザを走査することによって改質ラインをアレイ基板またはカラーフィルタ基板のいずれか他方にも形成すると良い。
エッチング処理後には、形状切断予定線において実質的にほぼ切断された状態になっているため、わずかな機械的圧力や熱的応力を加えることによって完全な切断を実現することが可能である。微小な押圧力を加えたり、微小な超音波振動を与えたり、加熱をしたりすることによって、多面取り用ガラス母材を汚損することなく、完全な切断を実現することが可能である。
上述のガラスパネル製造方法および液晶パネル製造方法において、改質ラインが、パルスレーザのビームによって形成された複数の貫通孔または複数の改質孔を有するミシン目状を呈することが好ましい。ガラスパネルや液晶パネルの形状切断予定線をパルスレーザによって加工するため、ガラスパネルや液晶パネルの輪郭に複雑な曲線や微小な曲線部分が含まれていたり、ガラスパネルや液晶パネルに開口部が形成されていたりする場合であっても、適切な加工を実現することが可能になる。
この発明によれば、ガラスパネル製造方法および液晶パネル製造方法においてエッチング処理に伴うサイドエッチングの影響を最小限に抑制することが可能になる。
ガラスパネル製造方法の一実施形態に含まれる工程を示す図である。 ガラスパネル製造方法の一実施形態に含まれる工程を示す図である。 多面取り用ガラス母材から複数のガラスパネルを得た状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係る液晶パネルの概略構成を示す図である。 複数の液晶パネルを含む多面取り用ガラス母材の概略構成を示す図である。 耐エッチング性フィルムを貼付した状態の多面取り用ガラス母材の概略構成を示す図である。 多面取り用ガラス母材に対するレーザ加工の概略を示す図である。 本発明に適用されるエッチング装置の一例を示す図である。 本発明に適用されるエッチング処理のバリエーションを示す図である。 多面取り用ガラス母材に対するスクライブブレーク加工の概略を示す図である。 分断された状態の多面取り用ガラス母材の概略を示す図である。 液晶パネルの構成の特徴を示す図である。
まず、図1〜図3を用いて本発明に係るガラスパネル製造方法の一実施形態を説明する。図1(A)は、ガラスパネル2を多面取りするための多面取り用ガラス母材4の概略を示している。多面取り用ガラス母材4から所望形状のガラスパネル2を複数得るために、まず、図1(B)に示すように、透明の耐エッチングフィルム6が多面取り用ガラス母材4の少なくとも両主面に貼付される。この実施形態では、耐エッチングフィルム6として、透明のポリエチレン樹脂材料を採用している。ただし、耐エッチングフィルム6として、透明のポリプロピレンや透明ポリ塩化ビニルやオレフィン系樹脂等を採用することも可能である。
この実施形態では、耐エッチングフィルム6が本発明に係る耐エッチング層に対応している。耐エッチングフィルム6は、厚みが100μm以下の薄型のものが用いられる。薄型化することにより剥離を行い易くなり、かつ、レーザビームが通過する際の光学的影響も少なくなることを考慮すると、耐エッチングフィルム6の厚みは耐エッチング性能を満たすために必要な最小限の厚みにすることが好ましい。よって、好ましくは耐エッチングフィルム6の厚みを75μm以下に抑え、さらに好ましくは、耐エッチングフィルム6の厚みを60μm以下にすると良い。後述するように、この実施形態では、改質ラインが形成されることによってエッチング処理が迅速化するため、耐エッチングフィルム6を超薄化してもデメリットが発生しにくい。
多面取り用ガラス母材4に耐エッチングフィルム6が貼付された後に、図1(C)に示すレーザ走査ステップに移行する。レーザ走査ステップにおいては、取り出すべきガラスパネル2の形状に対応する形状切断予定線に沿ってレーザビームの走査が行われる。この結果、形状切断予定線に沿って、耐エッチングフィルムが除去されて開口部が形成される。
さらに、図2(A)〜図2(C)に示すように、多面取り用ガラス母材4にエッチングされ易い性質の改質ライン20が形成される。耐エッチングフィルム6が形状切断予定線に沿って除去されることにより、形状切断予定線に沿って耐エッチングフィルム6の開口部が形成されることになり、その結果、図2(C)に示すように、多面取り用ガラス母材4の改質ライン20の形成位置が外部に露出することになる。この実施形態では、ピコ秒レーザによるフィラメント加工が採用されており、改質ライン20の幅は、概ね10μm以下になるように設定されている。
レーザ走査ステップが終了するとエッチングステップに移行する。レーザ走査ステップ後に、多面取り用ガラス母材4をエッチング液に接触させることによって改質ライン20がエッチングされる。改質ライン20に沿ってエッチング液が浸透し易くなっているため、サイドエッチングが大きく進行する前にエッチング処理を終了することが可能になる。その結果、エッチング処理に伴うサイドエッチングの影響を最小限に抑制しつつ、多面取り用ガラス母材4から複数のガラスパネル2を取り出すことが可能になる。なお、エッチングステップにおいて用いられる構成等については、後述の液晶パネルの製造の際にまとめて説明を行うため、ここではその説明を省略している。
続いて、本発明に係る液晶パネルの製造方法の一実施形態を説明する。図4(A)は、本発明の一実施形態に係る液晶パネル10の概略構成を示している。同図に示すように、液晶パネル10は、アレイ基板12およびカラーフィルタ基板14が液晶層を挟んで貼り合わされるように構成されている。アレイ基板12およびカラーフィルタ基板14の構成は、公知の構成と同様の構成が採用可能であるため、ここでは説明を省略する。
アレイ基板12は、カラーフィルタ基板14と貼り合わされる領域から延び出すように設けられた電極端子部122を有している。この電極端子部122には、複数の電気回路が接続され、液晶パネル10と、それらの電気回路とが筐体に収納されることによって、例えば、図4(B)に示すようなスマートフォン100が構成される。
続いて、液晶パネル10を製造する方法の一例について説明する。図5(A)および図5(B)に示すように、一般的に、液晶パネル10は、これを複数含んだ多面取り用ガラス母材50として製造され、多面取り用ガラス母材50を分断することによって、単個の液晶パネル10が得られる。この実施形態では、便宜上、6つの液晶パネル10が3行2列のマトリクス状に配置された多面取り用ガラス母材50に対する処理について説明するが、多面取り用ガラス母材50に含まれる液晶パネル10の数は適宜増減することが可能である。
多面取り用ガラス母材50は、まず、図6(A)および図6(B)に示すように、両方の主面に耐エッチング性を備えた透明の耐エッチングフィルム16が貼付される。ここでは、耐エッチングフィルム16として、厚みが50〜75μmのポリエチレンを採用している。ただし、耐エッチングフィルム16の構成はこれには限定されない。例えば、ポリプロピレンやポリ塩化ビニルやオレフィン系樹脂等のように透明性を備え、かつ、ガラスをエッチングするエッチング液に対する耐性を備えたものであれば適宜選択して採用することも可能である。
多面取り用ガラス母材50は、続いて、図7(A)および図7(B)に示すように、液晶パネル10の形状(輪郭)に対応する形状切断予定線に沿って改質ライン20が形成される。この改質ライン20は、例えば、ピコ秒レーザまたはフェムト秒レーザ等のパルスレーザから照射される光ビームパルス(ビーム径は1〜5μm程度)によって形成される複数のフィラメント層を配列したフィラメントアレイである。
ピコレーザからの光ビームは、一般的には、少なくともアレイ基板12、カラーフィルタ基板14、および耐エッチングフィルム16の厚みを合計した厚みよりも広範囲にわたって均一で強い光強度になるようなビームプロファイルを備えていることが好ましい。このような構成を採用する場合には、アレイ基板12、カラーフィルタ基板14、および耐エッチングフィルム16のすべてに対してエネルギを伝達することが可能になり、耐エッチングフィルム16の除去および液晶パネル10を取り出すための改質ライン20の形成を同時に行うことが可能になる。
ただし、アレイ基板12、カラーフィルタ基板14、および耐エッチングフィルム16を同時に1つのレーザビームによって処理することによって液晶層に不具合が生じる場合には、図7(C)および図7(D)に示すようなレーザ加工を採用することにより、このような不具合の発生を抑制することが可能となる。すなわち図7(C)に示すように、アレイ基板12側からアレイ基板12のみに改質ライン20を形成されるように焦点調整および強度調整をした上でレーザを走査し、液晶層近傍にエネルギが伝達しにくくすると良い。この状態で、物理的作用または熱的作用を加えることによって多面取り用ガラス母材50の分断が可能であれば、レーザ加工はここで終了する。
一方で、この状態では多面取り用ガラス母材50の分断が困難な場合には、図7(D)に示すように、今度は反対側となるカラーフィルタ基板14側からカラーフィルタ基板14のみに改質ライン20を形成するように焦点調整および強度調整をした上でレーザを走査すると良い。図7(D)に示す処理を行うことにより、レーザ加工の工程数が増加するものの、液晶層における不具合の発生を抑制しつつ、多面取り用ガラス母材50の分断を容易に行うことが可能になる。
この実施形態においても、改質ライン20は、上述の図2(A)にて示したものと同様に、複数の貫通孔または改質層を有するミシン目状を呈している。改質ライン20は、多面取り用ガラス母材50における他の箇所よりもエッチングされ易い性質を有している。もちろん、改質ライン20の形状は、この形状には限定されるものではなく、これ以外の形状を呈するものであっても良い。
上述のレーザ加工が終わると、図8に示すように、多面取り用ガラス母材50は、エッチング装置300に導入され、フッ酸および塩酸等を含むエッチング液によってエッチング処理が施される。エッチング装置300では、搬送ローラによって多面取り用ガラス母材50を搬送しつつ、エッチングチャンバ内で多面取り用ガラス母材50の片面または両面にエッチング液を接触させることによって、多面取り用ガラス母材50に対するエッチング処理が行われる。なお、エッチング装置300におけるエッチングチャンバの後段には、多面取り用ガラス母材50に付着したエッチング液を洗い流すための洗浄チャンバが設けられているため、多面取り用ガラス母材50はエッチング液が取り除かれた状態でエッチング装置300から排出される。
多面取り用ガラス母材50にエッチング液を接触させる手法の一例として、図9(A)に示すように、エッチング装置300の各エッチングチャンバ302において、多面取り用ガラス母材50に対してエッチング液をスプレイするスプレイエッチングが挙げられる。また、スプレイエッチングに代えて、図9(B)に示すように、オーバーフロー型のエッチングチャンバ304において、オーバーフローしたエッチング液に接触しながら多面取り用ガラス母材50が搬送される構成を採用することも可能である。
さらには、図9(C)に示すように、エッチング液が収納されたエッチング槽306に、キャリアに収納された単数または複数の多面取り用ガラス母材50を浸漬されるディップ式のエッチングを採用することも可能である。
いずれの場合であっても、エッチング処理中に、形状切断予定線が厚み方向に貫通して、多面取り用ガラス母材50が分断してしまわないようにすることが重要である。このため、エッチング処理中(特にエッチング処理の後半部分)においては、エッチングレートを遅くして、エッチング量を正確に制御する必要がある。この実施形態では、2重量%以下の薄いフッ酸によって、3μm/分以下の遅い速度にてエッチング処理が進行するようにしているが、この手法に限定されるものではない。
エッチング処理の全体においてエッチングレートを遅くするのではなく、当初は速めのエッチングレートを採用しつつ段階的に遅くしていくようにすれば、エッチング処理の時間を短縮することが可能である。例えば、エッチング装置300の後段に進むにつれてエッチング液におけるフッ酸濃度を低下させるような構成を採用すると良い。
多面取り用ガラス母材50がエッチング装置300を通過すると、改質ライン20がエッチングされる。改質ライン20では、他の箇所よりも速くエッチング液が浸透し、このラインに沿ってガラスが溶解されることによって、改質ライン20によってカラーフィルタ基板を切断し易くなる。また、レーザ照射時においてキズ等が発生していた場合であっても、このキズが消失し易くなる。
エッチング処理が終了すると、貼付されていた耐エッチングフィルム16が剥離される。続いて、多面取り用ガラス母材50に対して、図10(A)〜図10(C)に示すように、カラーフィルタ基板14におけるアレイ基板12の電極端子部122に対向する領域を取り除くための端子部切断溝30を形成する処理が行われる。この実施形態では、スクライブホイール(ホイールカッタ)250によって、カラーフィルタ基板14におけるアレイ基板12の電極端子部122に対向する領域の内側に端子部切断溝30が形成される。端子部切断溝30は、カラーフィルタ基板14におけるアレイ基板12の電極端子部122に対向する領域を取り除くため端子部切断予定線に沿って形成される。
スクライブホイール250による端子部切断溝30の形成が終わると、多面取り用ガラス母材50の分断および電極端子部122に対向する領域の除去に移行する。多面取り用ガラス母材50において、レーザのフィラメント加工によって改質ライン20が形成され、この改質ラインをさらにエッチングすることにより、わずかな機械的圧力のみで、多面取り用ガラス母材50を改質ライン20において分割することができる。例えば、多面取り用ガラス母材50に微小な押圧力を加えたり、微小な超音波振動を与えたりすることによって、図11に示すように、多面取り用ガラス母材50を汚損することなく、分断することが可能である。
あえて、エッチング処理によって完全には切断してしまわないため、エッチング中に分離された液晶パネル10端面どうしが衝突して破損するといった不具合の発生が防止される。また、エッチング処理後の不完全に切断された状態の多面取り用ガラス母材50のまま(大判の状態のまま)、運搬することも可能になる。さらに、エッチング液が電極端子部に到達することがないため、耐エッチング性を備えたマスキング剤によって電極端子部を保護することが不要になる。また、液晶パネル10の端面における少なくとも中央部以外はエッチング処理が施されているため、レーザ加工のみで切断を行った場合に比較して液晶パネルの強度(例えば、曲げ強度)が高くなる。
図12(A)〜図12(C)は、分断後の液晶パネル10の概略構成を示している。同図に示すように、液晶パネル10の端面は主面に対してほぼ直角になっている。例えば、それぞれが0.15mm〜0.25mm程度の板厚のアレイ基板12およびカラーフィルタ基板14の各端面に発生するテーパ幅(図12(C)におけるL1〜L4)を、50μm以下(多くは20〜35μm)に抑えることが可能である。
このように、液晶パネル10を製造するにあたって、サイドエッチングの影響がほとんど発生しないため、液晶パネル10どうしを近接配置した多面取り用ガラス母材50の設計することができる。例えば、レーザ幅2μm+αで合計10μm程度の隙間があれば、多面取り用ガラス母材50を適正に単個の液晶パネル10に分離することが可能である。
上述の実施形態では、説明の便宜上、アレイ基板12およびカラーフィルタ基板14のオーバーコート(OC)膜やITO膜について説明を省略したが、上述の処理によってこれらが汚損することはない。また、オーバーコート(OC)膜やITO膜が形成されていない状態の被処理物(液晶パネル等)であっても、上述の方法によって適切に処理することが可能である。
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2−ガラスパネル
4−多面取り用ガラス母材
6,16−耐エッチングフィルム
10−液晶パネル
12−アレイ基板
14−カラーフィルタ基板
20−改質ライン
30−端子部切断溝
50−多面取り用ガラス母材
100−スマートフォン
122−電極端子部
250−スクライブホイール
300−エッチング装置
302,304−エッチングチャンバ
306−エッチング槽

Claims (4)

  1. ガラスパネルを多面取りするための多面取り用ガラス母材から所望形状のガラスパネルを複数得るためのガラスパネル製造方法であって、
    前記多面取り用ガラス母材の表面に対して、耐エッチング性を備えた透明の耐エッチング層を形成するステップと、
    取り出すべきガラスパネルの形状に対応する形状切断予定線に沿ってレーザを走査することによって、前記形状切断予定線に沿って、前記透明の耐エッチング層を除去しかつ前記多面取り用ガラス母材にエッチングされ易い性質の改質ラインを形成するレーザ走査ステップと、
    前記レーザ走査ステップ後に、前記多面取り用ガラス母材をエッチング液に接触させることによって前記改質ラインをエッチングするエッチングステップと、
    を少なくとも含み、
    前記透明の耐エッチング層が、50μm〜100μmの薄型透明フィルムであることを特徴とするガラスパネル製造方法。
  2. アレイ基板およびカラーフィルタ基板を貼り合せてなる液晶パネルを多面取りするための多面取り用ガラス母材から所定形状の液晶パネルを複数得るための液晶パネル製造方法であって、
    前記アレイ基板および前記カラーフィルタ基板に対して、耐エッチング性を備えた透明の耐エッチング層を形成するステップと、
    液晶パネルの形状に対応する形状切断予定線に沿ってレーザを走査することによって、前記形状切断予定線に沿って、前記透明の耐エッチング層を除去しかつ前記多面取り用ガラス母材にエッチングされ易い性質の改質ラインを形成するレーザ走査ステップと、
    前記レーザ走査ステップ後に、前記多面取り用ガラス母材をエッチング液に接触させることによって前記改質ラインをエッチングするエッチングステップと、
    を少なくとも含み、
    前記透明の耐エッチング層が、50μm〜100μmの薄型透明フィルムであることを特徴とする液晶パネル製造方法。
  3. 前記レーザ走査ステップにおいて、前記形状切断予定線に沿って、前記透明の耐エッチング層を除去しかつ前記改質ラインを前記アレイ基板または前記カラーフィルタ基板のいずれか一方にのみ形成することを特徴とする請求項2に記載の液晶パネル製造方法。
  4. 前記レーザ走査ステップにおいて、前記形状切断予定線に沿って、前記透明の耐エッチング層を除去しかつ前記改質ラインを前記アレイ基板または前記カラーフィルタ基板のいずれか一方にのみ形成し、その後に反対側からレーザを走査することによって前記透明の耐エッチング層を除去しかつ前記改質ラインを前記アレイ基板または前記カラーフィルタ基板のいずれか他方にも形成することを特徴とする請求項2に記載の液晶パネル製造方法。
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