本発明に係る撮像ユニットの一例としての実施例1の撮像ユニット10を、図1から図25を用いて説明する。併せて、その一例としての撮像ユニット10を備える画像読取装置の一例としての実施例1の画像読取部102、およびそれを備える画像形成装置の一例としての実施例1の画像形成装置100について説明する。
なお、図1では、画像形成装置100の構成の理解を容易なものとするために模式的に示している。また、図6、図7、図8、図11、図13、図16、図18、図21、図24、図25では、撮像ユニット10の構成の理解を容易なものとするために、透光性部材13を省略して示している。さらに、図8では、理解を容易なものとするために撮像素子11および回路基板12が撓む様子を強調して示している。図10では、縦軸において、最大値に近い値を基準として規格化した撓み量δで示している。図12、図14、図17、図19、図22、図23では、縦軸において、貫通穴15を設けていない際の撓みの量を基準として規格化した撓み量δで示している。図15、図20では、縦軸において、最大値に近い値を基準として規格化した撓み量δの貫通穴15の面積に対する比で示している。
画像形成装置としては、例えば、複写機、ファクシミリ、印刷装置等が挙げられる。実施例1の画像形成装置100は、図1に示すように、画像形成部101と、用紙供給装置40と、原稿搬送読取ユニット104と、それらの各部の動作を制御する制御部と、を備える。その制御部は、画像形成装置100全体を制御するCPU(Central Processing Unit)、各種データや各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびHDD(Hard Disk Drive)等からなる記憶部等を備える。制御部では、CPUが記憶部に格納されたプログラムを読み出して実行することで、画像形成装置100における各種の処理を実行する。
原稿搬送読取ユニット104は、画像形成部101の上に固定された画像読取部102と、それに支持される原稿搬送装置としての自動原稿給送ユニット(Auto Document Feeder(以下では「ADF」という)103と、を有する。
用紙供給装置40は、ペーパーバンク41内に多段に設けられた2つの給紙カセット42、給紙カセット42から記録媒体としての用紙を送り出す送出ローラ43、および送り出された用紙を分離して第1給紙路44に供給する分離ローラ45等を有する。また、用紙供給装置40は、画像形成装置100の第2給紙路37に用紙を搬送する複数の搬送ローラ46等も有する。この用紙供給装置40は、給紙カセット42内の用紙を画像形成装置100内の第2給紙路37内に給紙する。
画像形成部101は、後述するように画像読取部102で読み取った画像情報または入力された画像情報に基づいて、記録媒体上に画像を形成する。この画像形成部101は、光書込装置2と、K、Y、M、C色のトナー像を形成する4つのプロセスユニット3K、3Y、3M、3Cと、を備える。また、画像形成部101は、中間転写ベルト25を有する転写ユニット24、紙搬送ユニット28、レジストローラ対33、定着装置34、排紙ローラ対35、スイッチバック装置36、第2給紙路37等を備える。この画像形成部101は、光書込装置2内に設けられたレーザダイオードやLED等の光源を駆動して、プロセスユニット3K、3Y、3M、3Cに設けられた感光体4K、4Y、4M、4Cに向けてレーザ光を照射する。その感光体4K、4Y、4M、4Cでは、レーザ光の照射により、ドラム状の表面に静電潜像が形成され、この静電潜像が所定の現像プロセスを経由することでトナー像に現像される。なお、この明細書および図面の中のK、Y、M、Cの記号は、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンを示し、符号の後にK、Y、M、Cの記号を付した部材は、それぞれブラック、イエロー、マゼンタ、シアン用の仕様であることを示す。
この画像形成装置100では、各感光体4K、4Y、4M、4Cの表面に形成したトナー像を、図1を正面視して時計回り方向に切れ目なく回転移動する中間転写ベルト25に順次重ね合わせて1次転写する。中間転写ベルト25には、この1次転写により、4色が重ね合わせられたカラートナー像が形成される。また、画像形成装置100では、用紙供給装置40から供給した用紙を、レジストローラ対33により所定のタイミングで、紙搬送ユニット28と中間転写ベルト25との間で形成した2次転写ニップに送り出す。これにより、画像形成装置100では、中間転写ベルト25上のカラートナー像を用紙に、一括して2次転写する。画像形成装置100では、2次転写ニップを通過した用紙を、中間転写ベルト25から離間して定着装置34へ搬送する。そして、画像形成装置100では、定着装置34に搬送した用紙を、定着装置34内における加圧や加熱によりフルカラー画像を定着させた後、定着装置34から排紙ローラ対35に送り機外へと排出する。なお、画像形成部101は、図1に示すような電子写真方式の構成に限定されるものではなく、インクジェット記録方式等の構成であってもよい。
画像形成部101の上に設けた画像読取部102は、図2および図3に示すように、収容部(筐体)として、画像読取部102の上面を構成するスキャナカバー部201と、画像読取部102の側面および下面を構成するスキャナフレーム部202と、を備える。スキャナカバー部201には、原稿台すなわち原稿Maが載せられる箇所または原稿Maが通過する箇所を構成すべく、原稿Maに接触するように固定されてコンタクトガラス203が設けられる。
画像読取部102の内部には、図3に示すように、原稿Maに光を照射して反射光を読み取る一体型走査光学ユニット301と、この一体型走査光学ユニット301を副走査方向に移動するためのガイドロッド302およびレール303と、が設けられる。その一体型走査光学ユニット301は、図1に示すように、コンタクトガラス203の直下に、副走査方向(図1を正面視して左右方向)に移動可能に設けられる。一体型走査光学ユニット301は、光源、反射ミラー、結像レンズ、CCD等のイメージセンサを1つのユニットに一体化して構成し、コンタクトガラス203上の原稿Maの画像情報を読み取る。この一体型走査光学ユニット301では、光源が原稿Maに光を照射し、その原稿Maで反射された光を反射ミラーで反射し、その反射された光を結像レンズでイメージセンサに結像することにより、原稿Maを画像情報(データ)として読み取る。
この一体型走査光学ユニット301は、ADF103により搬送される原稿Maの画像を読み取る場合には、図1に符号Aで示す位置に移動して停止する。一体型走査光学ユニット301は、この状態で、ADF103により搬送される原稿Maがコンタクトガラス203上を通過する際に光源から光を発する。そして、一体型走査光学ユニット301は、その光を原稿Maで順次反射させながら、複数の反射ミラーや結像レンズを経由させて、撮像手段としてのイメージセンサで原稿Maを画像情報(データ)として読み取る。
また、一体型走査光学ユニット301は、後述するコンタクトガラス203上に載せられた原稿Maの画像を読み取る場合には、図1を正面視して符号Aで示す位置から右側(副走査方向)に移動される。一体型走査光学ユニット301は、副走査方向に移動しつつ光源からコンタクトガラス203上の原稿Maに向けて光を発する。そして、一体型走査光学ユニット301は、その光を原稿Maで反射させ、複数の反射ミラーや結像レンズを経由させて、撮像手段としてのイメージセンサで原稿Maを画像情報として読み取る。
このように、画像読取部102は、一体型走査光学ユニット301を用いて原稿Maを画像情報として読み取ることができ、本発明の一例としての画像読取装置として機能する。画像読取部102は、読み取った画像情報を画像形成部101に送る。その画像形成部101は、上述したように画像読取部102で読み取った画像情報に基づいて、記録媒体(用紙)上に画像を形成することができる。画像形成装置100では、画像読取部102の一体型走査光学ユニット301におけるイメージセンサ(撮像手段)として、本発明に係る撮像ユニットの一例としての実施例1の撮像ユニット10(図4および図5参照)を備える。
その撮像ユニット10は、図4および図5に示すように、撮像素子11を回路基板12に実装し、その撮像素子11に透光性部材13を設けて構成される。その撮像素子11は、撮像面11aに結像された被写体像を電気信号(画像情報)に変換して出力する固体撮像素子であり、文書や図面等の情報が記載された原稿Ma(図1参照)の画像を読取可能とする。撮像素子11は、例えば、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサを用いることができる。この撮像素子11は、実施例1では、撮像面11aと平行な面に沿う長尺な板状(薄い直方体形状)を呈し、撮像面11aが長方形状を呈する。以下では、撮像素子11において、長手方向を長尺方向Dlとし、撮像面11aに直交する方向を厚さ方向Dtとし、その長尺方向Dlおよび厚さ方向Dtに直交する方向を短尺方向Dsとする。この撮像素子11は、撮像面11aとは反対側の面が回路基板12に固定されて設けられる。
その回路基板12は、撮像素子11を適宜駆動(画像の取得および読み取った画像情報の出力)させるための回路および素子や、撮像素子11へと電力を供給するためのコネクタ等が設けられる。回路基板12は、撮像素子11よりも面積が大きい直方体の平面を有する平板状を呈する。この回路基板12では、後述する固定部材14により撮像素子11が固定される。
透光性部材13は、撮像素子11の撮像面11aを覆うように当該撮像素子11に取り付けられる。その透光性部材13は、撮像素子11内への塵埃等の侵入を防止するものであり、塵埃等の付着に起因して画像情報として読み取る性能が劣化することを防止する。透光性部材13は、透過性を有する材料で形成された長尺な板状を呈し、実施例1では長尺な板状のガラス板を用いる。
固定部材14は、撮像素子11を回路基板12に固定するものであり、接着剤や半田やネジ部材等を用いることができる。その固定部材14は、実施例1では、一例として、撮像素子11において撮像面11aとは反対側の面の電極に設けた金属突起であるバンプが溶融されて形成され、互いの形状と寸法とが略等しくされている。固定部材14は、実施例1では、図6に示すように、短尺方向Dsで見た縁部となる撮像素子11の両長辺に沿って長尺方向Dlで見た中央を中心として6つずつ設けるとともに、長尺方向Dlで見た縁部となる撮像素子11の両短辺に1つずつ設けている。以下では、撮像素子11の両長辺に沿う固定部材14は、個別に示す際には固定部材14aと記載し、撮像素子11の両短辺に沿う固定部材14は、個別に示す際には固定部材14bと記載する。その各固定部材14aは、実施例1では、撮像素子11と回路基板12(そこに設けられた回路)とを電気的に接続しつつ撮像素子11を回路基板12に固定しており、以下では接続ピンとも言う。また、各固定部材14bは、実施例1では、電気的に接続する機能を有するものではなく撮像素子11を回路基板12に補助的に固定しており、以下では捨てピンとも言う。
図6を正面視して上側の撮像素子11の長辺に沿う6つの固定部材14aは、長尺方向Dlに伸びる同一の直線上で整列(短尺方向Dsで見た位置が等しい)して設けられ、この直線(整列する位置)を第1行r1とする。また、撮像素子11の両短辺に沿う2つの固定部材14bは、長尺方向Dlに伸びる同一の直線上で整列して設けられ、この直線(整列する位置)を第2行r2とする。さらに、図6を正面視して下側の撮像素子11の長辺に沿う6つの固定部材14aは、長尺方向Dlに伸びる同一の直線上で整列して設けられ、この直線(整列する位置)を第3行r3とする。
この撮像ユニット10では、回路基板12に貫通穴15(図6および図7参照)を設けている。その貫通穴15は、図7に示すように、回路基板12を厚さ方向Dtに貫通して形成している。各貫通穴15は、図6に示すように、厚さ方向Dtに直交する方向で見た断面が互いに略等しい大きさの矩形状としており、その厚さ方向Dtで見て各固定部材14よりも一回り小さな寸法としている。そして、貫通穴15は、実施例1では、第1行r1において、6つの固定部材14aのうちの真ん中の2つの間に1つ設け、第2行r2において、2つの固定部材14bの中央に1つ設けている。加えて、貫通穴15は、実施例1では、第3行r3において、6つの固定部材14aのうちの図6を正面視して左端の2つの間に1つ設けている。このため、実施例1の撮像ユニット10では、複数の固定部材14が位置する長尺方向Dlに伸びる各直線(各行r1、r2、r3)上に、それぞれ1つの貫通穴15を設けている。また、実施例1の撮像ユニット10では、各直線(各行r1、r2、r3)上において、2つの固定部材14に挟まれる位置に貫通穴15を設けている。そして、回路基板12では、各貫通穴15を上記した寸法とすることで、その各貫通穴15と各固定部材14との間に、所定の隙間を形成している。
ここで、撮像ユニット10では、撮像素子11の線膨張係数と、回路基板12の線膨張係数とが異なることにより、撮像素子11と回路基板12とで熱に起因する膨張量に差異が生じる。このため、撮像ユニット10では、例えば、撮像素子11の膨張量(線膨張係数)が回路基板12の膨張量(線膨張係数)よりも小さい場合には、それらが異なる膨張量で膨張することにより、図8に示すように、撮像素子11に応力がかかり、当該撮像素子11が撓む虞がある。すると、撮像ユニット10では、撮像素子11の撮像面11aも撓むことから、結像レンズから撮像面11aにおける中心までと端部までとの距離が変化する等のように光路長が変化して光学性能の劣化が生じる虞がある。本発明の一実施例としての撮像ユニット10では、このような撮像素子11の撓みを抑制するために、回路基板12に各貫通穴15(図6および図7参照)を設けている。このことについて、図9から図25を用いて説明する。
先ず、図9に示すように、上記したように互いに固定された2つの線膨張係数の異なる部材として、第1板状部材52と第2板状部材53とから為る試験片51を用意した。第1板状部材52と第2板状部材53とは、互いに長さ寸法、幅寸法および厚さ寸法が等しい板形状を呈し、互いを接着することで試験片51を構成する。その試験片51は、一端を支持部材54に固定して支持する。そして、第1板状部材52と第2板状部材53とにおいて、長さ寸法をLとし、厚さ寸法をHとし、温度差(温度の変化量)をTとする。また、第1板状部材52の線膨張係数をα1としかつヤング率をE1とし、第2板状部材53の線膨張係数をα2としかつヤング率をE2とする。そして、試験片51の先端の撓みが微小であるものとして当該試験片51の撓みを曲率半径Rで示すものとし、その中心角をθとする。すると、試験片51の撓み量δは、次式(1)で示すことができる。
この式(1)において、E1/E2をヤング率比E´(=E1/E2)として書き変えると次式(2)となる。ここで、式(1)における{6×L2×(α1−α2)×T}/Hが、全てヤング率以外の定数から為るので、式(2)では定数Aとする。
この式(2)では、撓み量δを、第1板状部材52のヤング率E1の第2板状部材53のヤング率E2に対する比であるヤング率比E´で表しているため、図10に示すように、ヤング率比E´と撓み量δとの関係を示すグラフで表すことができる。この図10から、試験片51では、ヤング率比E´が1となると、すなわちヤング率E1とヤング率E2とが等しくなると、撓み量δが最大となる。また、図10から、試験片51では、ヤング率比E´が小さくなるもしくはヤング率比E´が大きくなるほど、すなわちヤング率E1とヤング率E2との差異が大きくなるほど、撓み量δを小さくすることができる。
ここで、試験片51を、撮像ユニット10における撮像素子11と回路基板12とに置き換えて考える。一例として、撮像素子11は、セラミック材料(例えばアルミナ)から形成したものと考えるとヤング率が400GPaとなり、回路基板12は、一般的なヤング率が20GPaから40GPaとなる。ここで、撮像ユニット10における回路基板12を第1板状部材52に相当するものとし、撮像素子11を第2板状部材53に相当するものとすると、ヤング率比E´は1/10から1/20となる。すなわち、上記した一例としての撮像ユニット10における撮像素子11と回路基板12とでは、ヤング率比E´の変化に対する撓み量δの変化を示す図10において、一点鎖線で示す楕円の範囲に位置する。このため、撮像ユニット10では、撮像素子11(第2板状部材53)のヤング率を一定とすると、回路基板12(第1板状部材52)のヤング率を小さくすることにより、ヤング率比E´を小さくすることができ、撓み量δを低減することができることとなる。なお、これらのヤング率は、厚さ寸法や形状等の変化により変化するものであるが、撮像素子11のヤング率が回路基板12のヤング率よりも大きくなる関係性は殆どの場合で成り立つ。また、撮像素子11のヤング率が回路基板12のヤング率よりも小さくなる場合であっても、撓む方向が変化するのみであって上記した関係性が変化するものではない。
本発明の撮像ユニット10では、この考えに基づき、回路基板12に貫通穴15を設けることにより、回路基板12のヤング率を小さくするすなわち回路基板12の剛性を低くすることで、回路基板12および撮像素子11の撓みを低減する。ここで、一般に回路基板では、回路を構成するために表面もしくは内部に信号線(配線)が設けられるので、貫通孔を設けることは当該信号線(配線)を設けることのできる面積の低減を招く。このため、本発明では、貫通穴15が占める面積を出来るだけ小さくしつつ撮像素子11の撓み量を小さくする観点から効率良く貫通穴15を設けることを可能とすべく、回路基板12における貫通穴15の位置、大きさ、数等を定める。
本発明では、回路基板12における貫通穴15の位置、大きさ、数等の設定を変化させた際の温度環境を変化させた下での撮像素子11の撓み量δの変化を、シミュレーションソフトによる解析により求めるべく、以下の検証1から検証5を行った。そして、本発明の撮像ユニット10では、検証1から検証5で得られた結果や傾向に基づいて、上記した観点から効率良く貫通穴15を設けるために、回路基板12における貫通穴15の位置、大きさ、数等を定める。その検証1から検証5では、撮像素子11が各固定部材14により固定された回路基板12に様々な貫通穴15を設け、それぞれに対して温度環境を変化させた下での撮像素子11の撓み量δを、シミュレーションソフトにより解析する。その温度環境の変化量は、回路基板12に設けられた素子における発熱や、撮像ユニット10の近傍に配置される機器における発熱等の影響により、設置環境の温度が上昇し得る値に設定する。検証1から検証5では、図11等に示すように、撮像素子11を回路基板12に固定する固定部材14として、第1行r1に8つの固定部材14aと、第2行r2に2つの固定部材14bと、第3行r3に8つの固定部材14aと、を設けている。また、検証1から検証5では、第1行r1と第3行r3との各固定部材14aを、それぞれが短尺方向Dsで見て整列(長尺方向Dlで見た位置が等しい)する位置関係とし、短尺方向Dsで対を為すものとする。その検証1から検証5では、それぞれで回路基板12に穴候補位置Pを設定しており、その穴候補位置Pと等しい寸法の貫通穴15を回路基板12に適宜設けるものとする。
検証1では、図11に示すように、各貫通穴15を設ける各穴候補位置Pを、短尺方向Dsで対を為す8対の固定部材14aに対して、長尺方向Dlで見たそれぞれの間となる7か所に設定する。この検証1では、各穴候補位置Pすなわち設ける各貫通穴15を、長尺方向Dlで見て隣接する両固定部材14aの間に位置する寸法であって、短尺方向Dsで見て対を為す両固定部材14aの間に位置する寸法とする。このため、検証1では、各穴候補位置P(各貫通穴15)が、長尺方向Dlに伸びる第2行r2上に位置するものであって、短尺方向Dsで各固定部材14aとは重ならない位置となる。
そして、検証1では、以下の4つのパターンにおいて、シミュレーションソフトによる解析により撮像素子11(回路基板12)の撓み量δを求める。その1つ目のパターンは、7か所のうちの真ん中の穴候補位置Paの1か所に貫通穴15を設けた場合であり、2つ目のパターンは、それと併せてその貫通穴15に隣接する2つの穴候補位置Pbの3か所に貫通穴15を設けた場合である。3つ目のパターンは、3つの貫通穴15と併せてその外側の2つの貫通穴15に隣接する2つの穴候補位置Pcの5か所に貫通穴15を設けた場合である。4つ目のパターンは、5つの貫通穴15と併せてその外側の2つの貫通穴15に隣接する2つの穴候補位置Pdの7か所に貫通穴15を設けた場合である。すなわち、この検証1では、8対の固定部材14aの位置を基準として、8対の固定部材14a(回路基板12)の真ん中から、貫通穴15を設ける数を1から順に7まで奇数で変化させた際の撓み量δの変化を求める。
この検証1では、各パターンにおける撮像素子11(回路基板12)の撓み量δを求めることで、図12に示すように、貫通穴15の数の変化に対する撓み量δの変化を得ることができる。この図12からは、貫通穴15を設けていない状態の撮像素子11(回路基板12)における撓み量を基準(数値で1)として規格化した撓み量δで示しているので、数に拘わらず貫通穴15を設けることで撓み量δが低減することがわかる。そして、図12からは、貫通穴15の数が変化しても、撓み量δにはそれほど変化が生じないことがわかる。
次に、検証2では、図13に示すように、各貫通穴15を設ける各穴候補位置P2を、長尺方向Dlで見て、短尺方向Dsで対を為す8対の固定部材14aと合致する8か所に設定する。この検証2では、各穴候補位置P2すなわち設ける各貫通穴15を、長尺方向Dlで見て短尺方向Dsで対を為す両固定部材14bと等しい寸法であって、短尺方向Dsで見て対を為す両固定部材14bの間に位置する寸法とする。このため、検証2では、各穴候補位置P2(各貫通穴15)が、長尺方向Dlに伸びる第2行r2上に位置するものであって、短尺方向Dsで各固定部材14aと重なる位置となる。
そして、検証2では、以下の4つのパターンにおいて、シミュレーションソフトによる解析により撮像素子11(回路基板12)の撓み量δを求める。その1つ目のパターンは、8か所のうちの真ん中の2つの穴候補位置P2aの2か所に貫通穴15を設けた場合であり、2つ目のパターンは、それと併せてその2つの貫通穴15に隣接する2つの穴候補位置P2bの4か所に貫通穴15を設けた場合である。3つ目のパターンは、4か所の貫通穴15と併せてその外側の2つの貫通穴15に隣接する2つの穴候補位置P2cの6か所に貫通穴15を設けた場合である。4つ目のパターンは、6か所の貫通穴15と併せてその外側の2つの貫通穴15に隣接する2つの穴候補位置P2dの8か所に貫通穴15を設けた場合である。すなわち、この検証2では、8対の固定部材14aの位置を基準として、8対の固定部材14a(回路基板12)の真ん中から、貫通穴15を設ける数を2から順に8まで偶数で変化させた際の撓み量δの変化を求める。
この検証2では、検証1と同様に、各パターンにおける撮像素子11(回路基板12)の撓み量δを求めることで、図14に示すように、貫通穴15の数の変化に対する撓み量δの変化を得ることができる。この図14からは、貫通穴15を設けていない状態の撮像素子11(回路基板12)における撓み量を基準(数値で1)として規格化した撓み量δで示しているので、数に拘わらず貫通穴15を設けることで撓み量δが低減することがわかる。そして、図14からは、貫通穴15の数が変化しても、撓み量δにはそれほど変化が生じないことがわかる。
ここで、検証1と検証2とにおける撓み抑制効率を求める。先ず、貫通穴15を設けていない状態における撓み量から、各パターンにおける撮像素子11(回路基板12)の撓み量δを減算することにより、各貫通穴15を設けることによる撮像素子11(回路基板12)の撓み減少量を求める。次に、各パターンにおいて、回路基板12における各貫通穴15の面積すなわち開口面積を求める。そして、各パターンにおける撓み減少量の開口面積に対する比(撓み減少量/開口面積)を求めることにより、各パターンにおける撓み抑制効率を求めることができる。これにより、検証1と検証2とから、図15に示すように、貫通穴15の数と撓み抑制効率との関係を得ることができる。その図15からは、貫通穴15の数が少ないほど撓み抑制効率が高くなることがわかる。このため、検証1および検証2からは、数に拘わらず貫通穴15を設けることで撓み量δを低減できることと、貫通穴15の数が少ないほど効率良く撮像素子11の撓み量を低減できることと、がわかる。
次に、検証3では、図16に示すように、各貫通穴15を設ける穴候補位置P3を、長尺方向Dlで見た回路基板12の中心位置Cを基準として、長尺方向Dlで所定の間隔とした5か所とする。この穴候補位置P3(貫通穴15)は、検証1における穴候補位置P(図11参照)と等しい寸法としている。このため、検証3では、各穴候補位置P3(各貫通穴15)が、長尺方向Dlに伸びる第2行r2上に位置するものであって、短尺方向Dsで各固定部材14aとは重ならない位置となる。
その1か所目の穴候補位置P3aは、長尺方向Dlで見た中心位置が、中心位置Cから間隔d1となる位置とする。この間隔d1は、長尺方向Dlで見た穴候補位置P3aの中心位置を、回路基板12の中心位置Cと一致させる位置とする。2か所目の穴候補位置P3bは、長尺方向Dlで見た中心位置が、中心位置Cから間隔d2となる位置とする。この間隔d2は、短尺方向Dsで対を為す8対の固定部材14aのうち、長尺方向Dlで見て最も右側で対を為す固定部材14aの間に穴候補位置P3bの右端を位置させる。
3か所目の穴候補位置P3cは、長尺方向Dlで見た中心位置が中心位置Cから間隔d3となる位置とし、4か所目の穴候補位置P3dは、長尺方向Dlで見た中心位置が中心位置Cから間隔d4となる位置とする。この間隔d3と間隔d4とは、後述する各固定部材14からの最短距離q(図24参照)が回路基板12の短尺方向Dsで見た寸法Q(図24参照)の半分の値よりも大きくなる位置に穴候補位置P3cと穴候補位置P3dとそれぞれを位置させる。5か所目の穴候補位置P3eは、長尺方向Dlで見た中心位置が中心位置Cから間隔d5となる位置とする。この間隔d5は、右端の固定部材14bからの最短距離qが、回路基板12の短尺方向Dsで見た寸法Qの半分の値よりも小さくなる位置に穴候補位置P3eを位置させる。
そして、検証3では、以下の5つのパターンにおいて、シミュレーションソフトによる解析により撮像素子11(回路基板12)の撓み量δを求める。その1つ目のパターンは、穴候補位置P3aの1か所に貫通穴15を設けた場合であり、2つ目のパターンは、穴候補位置P3bの1か所に貫通穴15を設けた場合であり、3つ目のパターンは、穴候補位置P3cの1か所に貫通穴15を設けた場合である。また、4つ目のパターンは、穴候補位置P3dの1か所に貫通穴15を設けた場合であり、5つ目のパターンは、穴候補位置P3eの1か所に貫通穴15を設けた場合である。すなわち、この検証3では、貫通穴15の位置を、回路基板12(8対の固定部材14a)の中心位置Cから長尺方向Dlで見た間隔を変化させた際の撓み量δの変化を求めるものとなる。
この検証3では、各パターンにおける撮像素子11(回路基板12)の撓み量δを求めることで、図17に示すように、貫通穴15の位置の変化に対する撓み量δの変化を得ることができる。この図17からは、貫通穴15を設けていない状態の撮像素子11(回路基板12)における撓み量を基準(数値で1)として規格化した撓み量δで示しているので、位置に拘わらず貫通穴15を設けることで撓み量δが低減することがわかる。そして、図17からは、中心位置Cから間隔d1となる穴候補位置P3aに貫通穴15を設けた際の撓み量δが最も小さくなり、中心位置Cから間隔d5となる穴候補位置P3eに貫通穴15を設けた際の撓み量δもかなり小さくなることがわかる。加えて、図17からは、各固定部材14(各固定部材14aおよび各固定部材14b)から最も離れる、中心位置Cから間隔d3となる穴候補位置P3cに貫通穴15を設けた際の撓み量δが最も大きくなることがわかる。このため、検証3からは、位置に拘わらず貫通穴15を設けることで、撓み量δを低減できることがわかる。また、検証3からは、各固定部材14(各固定部材14aおよび各固定部材14b)に近付くほど撓み量δが小さくなり、当該各固定部材14から離れるほど撓み量δが大きくなる傾向があることがわかる。
次に、検証4では、図18に示すように、各貫通穴15を設ける各穴候補位置P4を、第1行r1と第3行r3とのそれぞれにおける8つの固定部材14aの間の7か所とする。この検証4では、各穴候補位置P4すなわち設ける各貫通穴15を、長尺方向Dlで見て隣接する2つの固定部材14bの間隔と等しい寸法であって、短尺方向Dsで見て隣接する両固定部材14bの寸法と等しい寸法とする。このため、検証4では、各穴候補位置P4(各貫通穴15)が、長尺方向Dlに伸びる第1行r1上および第3行r3上に位置するものであって、短尺方向Dsで各固定部材14aとは重ならない位置となる。
そして、検証4では、以下の4つのパターンにおいて、シミュレーションソフトによる解析により撮像素子11(回路基板12)の撓み量δを求める。その1つ目のパターンは、第1行r1と第3行r3とにおいて、7か所のうちの真ん中の穴候補位置P4aの1か所に貫通穴15を設けた場合である。2つ目のパターンは、第1行r1と第3行r3とにおいて、それと併せてその貫通穴15に隣接する2つの穴候補位置P4bの3か所に貫通穴15を設けた場合である。3つ目のパターンは、第1行r1と第3行r3とにおいて、3か所の貫通穴15と併せてその外側の2つの貫通穴15に隣接する2つの穴候補位置P4cの5か所に貫通穴15を設けた場合である。4つ目のパターンは、第1行r1と第3行r3とにおいて、5か所の貫通穴15と併せてその外側の2つの貫通穴15に隣接する2つの穴候補位置P4dの7か所に貫通穴15を設けた場合である。すなわち、この検証4では、第1行r1と第3行r3とにおいて、8対の固定部材14aの位置を基準として、各固定部材14a(回路基板12)の真ん中から、貫通穴15を設ける数を1から順に7まで奇数で変化させた際の撓み量δの変化を求める。
この検証4では、各パターンにおける撮像素子11(回路基板12)の撓み量δを求めることで、図19に示すように、貫通穴15の数の変化に対する撓み量δの変化を得ることができる。この図19では、貫通穴15を設けていない状態の撮像素子11(回路基板12)における撓み量を基準(数値で1)として規格化した撓み量δで示していることから、数に拘わらず貫通穴15を設けることで撓み量δが低減していることがわかる。また、図19からは、貫通穴15の数が増加すると、撓み量δが小さくなっていくことがわかる。そして、図19からは、検証1から検証3と比較して小さな貫通穴15であっても、第1行r1と第3行r3とにおいて貫通穴15を7つ設ける(この例では全ての固定部材14aの間に貫通穴15を設ける)と、検証1から検証3と略等しい撓み量δとなることがわかる。
ここで、検証4における撓み抑制効率を求める。この検証4の各パターンにおける撓み抑制効率(撓み減少量/開口面積)、すなわち貫通穴15の数の変化に対する撓み抑制効率の変化の求め方は、上記した検証1と検証2とにおける撓み抑制効率の求め方と同様である。このように検証4において撓み抑制効率を求めることで、図20に示すように、貫通穴15の数と撓み抑制効率との関係を得ることができる。その図20からは、第1行r1と第3行r3とのそれぞれに貫通穴15を7つ設けた(この例では全ての固定部材14aの間に貫通穴15を設けた)場合に抑制効率が最も高くなることがわかる。また、図20からは、第1行r1と第3行r3とのそれぞれに貫通穴15を1つ設けた場合、すなわち第1行r1と第3行r3とにおいて真ん中の2つの固定部材14aの間のみに貫通穴15を設けた場合も抑制効率が高くなることがわかる。このため、検証4からは、検証1から検証3と比較して小さな貫通穴15であっても、数に拘わらず固定部材14aの間に貫通穴15を設けることで、撓み量δを低減できることがわかる。また、検証4からは、全ての固定部材14aの間に貫通穴15を設けることで高い撓み抑制効率で撓み量δをより小さくできることがわかる。
次に、検証5では、図21に示すように、各貫通穴15の寸法を変化させるものである。この検証5では、検証4における1つ目のパターン、すなわち第1行r1および第3行r3において8つの固定部材14aのうちの真ん中の2つの固定部材14aの間(穴候補位置P4aに相当する)の1か所に貫通穴15を設けたものとする。このため、検証5では、設ける各貫通穴15が、長尺方向Dlに伸びる第1行r1上および第3行r3上に位置するものであって、長尺方向Dlで各固定部材14aと重ならない位置となる。
そして、検証5では、以下の5つのパターンにおいて、シミュレーションソフトによる解析により撮像素子11(回路基板12)の撓み量δを求める。その1つ目のパターンは、図21(a)に示すように、各貫通穴15aを、長尺方向Dlで見て隣接する2つの固定部材14bの間隔と等しい寸法Sl1であって、短尺方向Dsで見て隣接する両固定部材14bの寸法と等しい寸法Ss1とする。2つ目のパターンは、図21(b)に示すように、各貫通穴15bを、長尺方向Dlで見て貫通穴15aを0.75倍した寸法Sl2とし、短尺方向Dsでは貫通穴15aと等しい寸法Ss1とする。3つ目のパターンは、図21(c)に示すように、各貫通穴15cを、長尺方向Dlで見て貫通穴15aを0.50倍した寸法Sl3とし、短尺方向Dsでは貫通穴15aと等しい寸法Ss1とする。
4つ目のパターンは、図21(d)に示すように、各貫通穴15bを、長尺方向Dlでは貫通穴15aと等しい寸法Sl1とし、短尺方向Dsで見て貫通穴15aを0.67倍した寸法Ss2とする。5つ目のパターンは、図21(e)に示すように、各貫通穴15bを、長尺方向Dlでは貫通穴15aと等しい寸法Sl1とし、短尺方向Dsで見て貫通穴15aを1.33倍した寸法Ss3とする。このように、検証5では、真ん中に設ける貫通穴15を、隣接する各固定部材14bの寸法を基準として、長尺方向Dlの寸法を変化させた際と短尺方向Dsでの寸法を変化させた際との撓み量δの変化を求める。
この検証5では、1、2、3つ目のパターンにおける撮像素子11(回路基板12)の撓み量δを求めることで、図22に示すように、貫通穴15の長尺方向Dlでの寸法の変化に対する撓み量δの変化を得ることができる。また、検証5では、1、4、5つ目のパターンにおける撮像素子11(回路基板12)の撓み量δを求めることで、図23に示すように、貫通穴15の短尺方向Dsでの寸法の変化に対する撓み量δの変化を得ることができる。この図22および図23では、貫通穴15を設けていない状態の撮像素子11(回路基板12)における撓み量を基準(数値で1)として規格化した撓み量δで示していることから、寸法の変化に拘わらず貫通穴15を設けることで撓み量δが低減していることがわかる。また、図22からは、貫通穴15の長尺方向Dlでの寸法が変化しても、撓み量δが殆ど変化しないことがわかる。そして、図23からは、貫通穴15の短尺方向Dsでの寸法が大きくなるほど、撓み量δが小さくなる傾向があることがわかる。このため、検証5からは、長尺方向Dlで見た貫通穴15の寸法を、長尺方向Dlで見て隣接する両固定部材14aの間と一致するほど大きくしなくても、そのように大きくした場合と同様に撓み量δを低減できることがわかる。これにより、検証5からは、両固定部材14aの周囲に信号線(配線)を設けることを可能としつつ貫通穴15を設けても、撓み量δを低減できることがわかる。加えて、検証5からは、短尺方向Dsで見た貫通穴15の寸法を、大きくするほど撓み量δを低減できることがわかる。
本発明の撮像ユニット10では、基本的に、第1板状部材52と第2板状部材53とが重ねられた試験片51(図9参照)における作用に基づくものであることから、厚さ方向Dtで見て回路基板12と撮像素子11とが重なる位置に貫通穴15を設ける。なお、このことは、貫通穴15の全体が回路基板12と撮像素子11とが重なる位置に存在するのみならず、貫通穴15の一部が回路基板12と撮像素子11とが重なる位置に存在することも含むものである。
また、撮像ユニット10では、回路基板12における信号線(配線)を設けるための面積の低減を抑制することを前提とするものであることから、回路基板12に設ける各貫通穴15を、回路基板12と撮像素子11とを固定する各固定部材14に近い寸法とする。ここで言う各固定部材14に近い寸法とは、短尺方向Dsで見て複数の固定部材14を跨ぐことのない寸法であって、長尺方向Dlの双方で見て複数の固定部材14を跨ぐことのない寸法であることを言う。このため、上記した検証1から検証5では、各貫通穴15を、各固定部材14に近い寸法(この2つの要件を満たすもの)としている。
さらに、撮像ユニット10では、検証1から検証5に基づいて、長尺な撮像素子11において、複数の固定部材14が位置する長尺方向Dlに伸びる同一の直線上に少なくとも1つの貫通穴15を設けるものとする。そして、撮像ユニット10では、検証1から検証5に基づいて、上記した直線上において、貫通穴15を2つの固定部材14の間に位置させるものとする。ここで、直線上に貫通穴15を設けるとは、その貫通穴15の一部が直線上に位置していることをいう。そして、撮像ユニット10では、信号線(配線)を設ける場所を確保する観点から貫通穴15が占める面積(開口面積)の低減を図りつつ、撮像素子11における撓み量δを低減する観点から貫通穴15の位置、形状、寸法および数を設定する。
撮像ユニット10では、図24に示すように、各固定部材14(各固定部材14aおよび各固定部材14b)との位置関係から、貫通穴15を設ける位置を設定する。その図24では、様々な位置および形状の貫通穴15を示すとともに、その各貫通穴15から各固定部材14への最短距離qを示している。詳細には、貫通穴15は、好適には、各固定部材14(各固定部材14aおよび各固定部材14b)からの最短距離qが、撮像素子11の短尺方向Dsで見た寸法Qの半分の値よりも小さくなる位置に設けるものとする。すなわち、貫通穴15は、最短距離q<(寸法Q/2)の条件式(3)を満たすように、位置、形状、寸法および数を設定する。換言すると、図24にドットを付して示した条件式(3)を満たす領域に少なくとも一部が存在するように貫通穴15を設ければよいこととなる。これは、検証3により、各固定部材14(各固定部材14aおよび各固定部材14b)に近付くほど撓み量δが小さくなり、当該各固定部材14から離れるほど撓み量δが大きくなる傾向が得られたことによる。また、検証4により、第1行r1と第3行r3とにおいて、固定部材14aの間に貫通穴15を設けると、撓み量δを効果的に低減できることが得られたことにもよる。なお、図24に示す領域は、撮像素子11の形状や各固定部材14の位置や個数等が変化すれば、それに応じて変化することは言うまでもない。
撮像ユニット10では、好適には、図25に示すように、貫通穴15の短尺方向Dsで見た寸法gを、固定部材14の短尺方向Dsで見た寸法Gの半分の値よりも大きいものとする。すなわち、貫通穴15は、寸法g>(寸法G/2)の条件式(4)を満たすように、短尺方向Dsで見た寸法を設定する。これは、検証5により、貫通穴15の短尺方向Dsでの寸法が大きくなるほど、撓み量δが小さくなる傾向があることが得られたことによる。また、検証1から検証3と、検証4と、の比較により、短尺方向Dsで見て貫通穴15の寸法を固定部材14と略等しいものとしても撓み量δを効果的に低減できることと、貫通穴15の寸法が大きいと撓み量δをより低減できることと、が得られたことにもよる。
撮像ユニット10では、好適には、貫通穴15の短尺方向Dsで見た寸法g(図25参照)を、撮像素子11の短尺方向Dsで見た寸法Q(図24参照)の半分の値よりも小さいものとする。すなわち、貫通穴15は、寸法g<(寸法Q/2)の条件式(5)を満たすように、短尺方向Dsで見た寸法を設定する。これは、撮像素子11では、一般的に短尺方向Dsで見た縁部となる撮像素子11の両長辺(第1行r1および第3行r3)に沿って複数の固定部材14を設けることが多く、両長辺の各固定部材14の間に貫通穴15を設けることを考慮したことによる。
これらのことを鑑みて、実施例1の撮像ユニット10では、図6に示すように、6つの固定部材14aが設けられている第1行r1上および第3行r3上と、2つの固定部材14bが設けられている第2行r2上と、にそれぞれ1つの貫通穴15を設けている。これは、上記したことに加えて、検証1および検証2から、貫通穴15の数が少ないほど効率良く撮像素子11の撓み量を低減できることが得られたことによる。この撮像ユニット10では、回路基板12に貫通穴15を設けることにより、その回路基板12のヤング率を小さくするすなわち回路基板12の剛性を低くしているので、回路基板12および撮像素子11の撓みを低減することができる。すなわち、撮像ユニット10では、回路基板12と撮像素子11とを固定する各固定部材14に近い寸法の貫通穴15を設けることで、回路基板12および撮像素子11の撓みを低減することができる。
このように、本発明に係る撮像ユニットの実施例1の撮像ユニット10では、回路基板12に貫通穴15を設けて、その回路基板12の剛性を低くすることにより、温度変化に起因する回路基板12および撮像素子11の撓みを低減することができる。このため、撮像ユニット10では、回路基板12に貫通穴15を設けるだけで撮像素子11の撓みを抑制しているので、何らの部材を追加することなく撮像素子11の撓みを抑制することができる。加えて、撮像ユニット10では、回路基板12に貫通穴15を設けるだけであるので、容易に実現することができる。
また、撮像ユニット10では、撮像素子11の撓みを抑制できることから、撮像面11aの撓みを抑制することができ、例えば光路長の変化や像面がずれること等を抑制することができ、光学性能の劣化を抑制することができる。加えて、撮像ユニット10では、回路基板12および撮像素子11の撓みを抑制できることから、回路基板12と撮像素子11とを固定する各固定部材14に応力がかかることを抑制することができる。このため、撮像ユニット10では、温度変化に起因して各固定部材14に変形等が生じることを抑制することができ、撮像素子11を回路基板12に適切に固定した状態を維持することができる。
さらに、撮像ユニット10では、長尺な撮像素子11において、複数の固定部材14が長尺方向Dlに伸びる同一の直線上に設けられていると、当該直線上に必ず少なくとも1つの貫通穴15を設けている。このため、撮像ユニット10では、撓み減少量の開口面積に対する比(撓み減少量/開口面積)である撓み抑制効率を向上させる観点から、効率良く貫通穴15を設けて撮像素子11の撓みを抑制することができる。
撮像ユニット10では、厚さ方向Dtで見て回路基板12と撮像素子11とが重なる位置に貫通穴15を設けている。このため、撮像ユニット10では、撓み抑制効率を向上させる観点から、効率良く貫通穴15を設けることができ、撮像素子11の撓みを抑制することができる。
撮像ユニット10では、回路基板12に設ける各貫通穴15を、回路基板12と撮像素子11とを固定する各固定部材14に近い寸法としている。このため、撮像ユニット10では、撓み抑制効率を向上させる観点から、効率良く貫通穴15を設けることができ、撮像素子11の撓みを抑制することができる。
撮像ユニット10では、複数の固定部材14が設けられた長尺方向Dlに伸びる同一の直線上において、2つの固定部材14に挟まれるように貫通穴15を設けている。このため、撮像ユニット10では、効率良く貫通穴15を設けることができるとともに撮像素子11の撓みを抑制することができる。
撮像ユニット10では、撓み抑制効率を高めるように貫通穴15を設けているので、回路基板12において信号線(配線)を設ける場所を確保することができる。このため、撮像ユニット10では、回路基板12における信号線(配線)のレイアウトの自由度の低下を抑制することができ、貫通穴15を回避しつつ信号線(配線)を設けるためだけに回路基板12が大きくなることを防止することができる。
撮像ユニット10では、6つの固定部材14aが設けられている第1行r1上および第3行r3上と、2つの固定部材14bが設けられている第2行r2上と、にそれぞれ1つの貫通穴15を設けている。このため、撮像ユニット10では、貫通穴15の数を少なくすることができ、回路基板12において信号線(配線)を設ける場所を大きくしつつ、撮像素子11の撓み量を低減できる。
撮像ユニット10では、各貫通穴15を各固定部材14よりも一回り小さな寸法としていることから、回路基板12において各貫通穴15と各固定部材14との間に所定の隙間を形成することができる。このため、撮像ユニット10では、回路基板12における各貫通穴15が占める面積(開口面積)の低減をより効果的に図ることができ、各貫通穴15と各固定部材14との間の所定の隙間も信号線(配線)を設けること等に利用することができる。
撮像ユニット10では、条件式(3)を満たすように、各貫通穴15の位置、形状、寸法および数を設定している。このため、撮像ユニット10では、各貫通穴15の位置、形状、寸法および数の設定の目安を明確なものとしつつ、より効率良く貫通穴15を設けて撮像素子11の撓みを抑制することができる。
撮像ユニット10では、条件式(4)を満たすように、各貫通穴15の位置、形状、寸法および数を設定している。このため、撮像ユニット10では、設けられた固定部材14に応じて各貫通穴15の短尺方向Dsで見た寸法を設定することができ、より効率良く貫通穴15を設けて撮像素子11の撓みを抑制することができる。
撮像ユニット10では、条件式(5)を満たすように、各貫通穴15の位置、形状、寸法および数を設定している。このため、撮像ユニット10では、短尺方向Dsで見た縁部となる撮像素子11の両長辺(第1行r1および第3行r3)に沿って複数の固定部材14を設けた場合であっても、その両長辺の各固定部材14の間に効率良く貫通穴15を設けることができる。
本発明に係る画像読取装置の実施例1の画像読取部102では、一体型走査光学ユニット301におけるイメージセンサ(撮像手段)として、本発明に係る撮像ユニットの実施例1の撮像ユニット10を備える。このため、画像読取部102では、撮像ユニット10が温度変化に起因する回路基板12および撮像素子11の撓みが低減されているので、一体型走査光学ユニット301における光学性能を設計通りに発揮させることができる。これにより、画像読取部102では、環境温度の変化に拘わらず、原稿Maの画像を適切に読み取ることができる。
画像読取部102を備える画像形成装置100では、環境温度の変化に拘わらず原稿Maの画像を適切に読み取ることができるので、良好な画像を安定して出力することができる。
したがって、本発明に係る実施例1の撮像ユニット10では、部材を追加することなく温度変化に起因する撮像素子11の撓みを抑制することができる。
なお、上記した実施例1では、回路基板12において各貫通穴15を設けたままとしていたが、当該各貫通穴15(その内方)に回路基板12よりも剛性の低い材料から為る詰込部材を設けるものであってもよく、上記した実施例1の構成に限定されるものではない。その詰込部材は、各貫通穴15に詰め込まれることにより、当該各貫通穴15を塞いだり、当該各貫通穴15の内径寸法を狭めたりするものである。詰込部材としては、例えば、接着剤や弾性部材で形成したキャップ等が挙げられる。この詰込部材は、例えば、撮像素子11や回路基板12に埃等が付着することを防止するために、各貫通穴15や、回路基板12の表面や、撮像素子11と回路基板12との間を封じるべく設けられる。このように各貫通穴15に詰込部材を設けた場合であっても、当該詰込部材が回路基板12よりも剛性の低い材料から為るため、各貫通穴15を設けることにより回路基板12の剛性を低くすることができるので、上記した各効果を得ることができる。
また、上記した実施例1では、回路基板12において、図6に示す位置で第1行r1上、第2行r2上および第3行r3上にそれぞれ1つの貫通穴15を設けている。しかしながら、複数の固定部材14が位置する長尺方向Dlに伸びる同一の直線上で少なくとも1つの貫通穴15を設けるものであって、その貫通穴15を2つの固定部材14の間に位置させるものであれば、直線上での位置は適宜設定すればよく、上記した実施例1の構成に限定されるものではない。
さらに、上記した実施例1では、長尺な板状(薄い直方体形状)を呈する撮像素子11としていたが、例えばフリップチップ実装のように複数の固定部材14で回路基板12に固定されるものであれば、他の形状であってもよく、上記した実施例1の構成に限定されるものではない。
上記した実施例1では、各貫通穴15を厚さ方向Dtに直交する断面で見て矩形状を呈する直方体状としていたが、当該断面が円形状や楕円形上や多角形状を呈するものであってもよく、上記した実施例1の構成に限定されるものではない。
上記した実施例1では、各貫通穴15を厚さ方向Dtに直交する方向で見た断面が互いに略等しい大きさの矩形状としていたが、それぞれが異なる寸法や異なる形状であってもよく、上記した実施例1の構成に限定されるものではない。