JP6519218B2 - 海流発電装置 - Google Patents

海流発電装置

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Description

本発明は、海中に設置したタービンを海流により回転させて発電する海流発電装置に関する。
従来から、海中に設置したタービンを海流により回転させて発電する海流発電装置が提案されている。この種の海流発電装置は、タービンが回らないようにして海上を曳航し、海底に固定した係留索に接続した後に海中に沈降させることで設置される。
設置までの間はタービンが回らないので、係留索の張力の水平成分に対抗する装置の抗力はさほど大きくないが、設置後にタービンが回り出すと、タービンスラスト力が加わって抗力が大幅に増える。抗力が増すとこれに対抗するため係留索の張力の水平成分も増し、これに伴い増加する張力の鉛直成分と対抗する装置の浮力も増やさなければならなくなる。
このように、設置時よりも大きな浮力を設置後に確保するための提案として、設置の際にバラストタンクに充填していたバラスト水を設置後に排水するものがある(例えば、特許文献1)。
特開2014−214600号公報
設置後はまったく不要となるバラストタンクを装置に設けることは、費用の面でも装置サイズの面でも、避けられるのであればそうすることが望ましい。
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、設置前後で大きく異なる浮力の調整を、設置後にも利用可能な構成で行うことができる海流発電装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載した本発明の海流発電装置は、
海流により回転するタービンと、
前記タービンを回転可能に支持するポッドと、
前記ポッドに連結したビームと、
係留索を介して海中に係留される前記ポッド及び前記ビームの連結体に設けられ、前記タービンの回転エネルギーを用いて発電する発電部と、
前記連結体に設けられ、海水を鉛直方向に移動させることで前記連結体に浮上方向や沈降方向の推進力を付与する浮沈方向推進力発生ユニットと、
前記連結体が係留された海中における前記海流の速度に応じて、前記浮沈方向推進力発生ユニットを制御する制御ユニットと、
を備えることを特徴とする。
請求項1に記載した本発明の海流発電装置によれば、浮沈方向推進力発生ユニットが発生する沈降方向の推進力によりポッド及びビームの連結体とポッドに支持されたタービンとを海中に沈降させ、発電を行う箇所に設置することができる。
また、発電を行う箇所に設置した後は、例えば、連結体やタービンのメンテナンスを行う際に、タービンの回転停止で急浮上することを防ぐために浮力を軽減させる目的で、浮沈方向推進力発生ユニットを利用することができる。
このため、設置前後で大きく異なる浮力の調整を、設置後にも利用可能な構成(浮沈方向推進力発生ユニット)で行うことができる。
また、請求項2に記載した本発明の海流発電装置は、請求項1に記載した本発明の海流発電装置において、前記連結体に設けられ、海水を水平方向に移動させることで前記連結体に水平方向の推進力を付与する水平方向推進力発生ユニットをさらに備え、前記制御ユニットは、前記連結体が係留された海中における前記海流の速度に応じて、前記水平方向推進力発生ユニットを制御することを特徴とする。
請求項2に記載した本発明の海流発電装置によれば、請求項1に記載した本発明の海流発電装置において、例えば、海中の設置箇所に設置する設置作業の際や、ポッド及びビームの連結体及びタービンのメンテナンス作業の際に、水平方向推進力発生ユニットが発生する水平方向の推進力により連結体及びタービンを、海流に流されることなく海上の定点に保持することができる。
さらに、請求項3に記載した本発明の海流発電装置は、請求項2に記載した本発明の海流発電装置において、前記制御ユニットは、前記連結体が海上の予め定められた浮上箇所に移動するように前記浮沈方向推進力発生ユニット及び前記水平方向推進力発生ユニットを制御することを特徴とする。
請求項3に記載した本発明の海流発電装置によれば、請求項2に記載した本発明の海流発電装置において、例えば、連結体やタービンのメンテナンスのためにそれらを海中から浮上させる際に、浮沈方向推進力発生ユニット及び水平方向推進力発生ユニットがそれぞれ発生する推進力を、制御ユニットが制御することになる。
したがって、海上の船舶の航路や海中の地形といった状況に応じた適切な経路や箇所を選んで、連結体やタービンを海中から浮上させることができる。
また、請求項4に記載した本発明の海流発電装置は、請求項3に記載した本発明の海流発電装置において、前記発電部の発電に関連する動作に故障が生じたことを検出する故障検出ユニットをさらに備えており、前記制御ユニットは、前記故障検出ユニットが故障を検出した際に、前記連結体が海中又は海上の予め定められた退避箇所に移動するように前記浮沈方向推進力発生ユニット及び前記水平方向推進力発生ユニットを制御することを特徴とする。
請求項4に記載した本発明の海流発電装置によれば、請求項3に記載した本発明の海流発電装置において、発電部の発電に関連する動作に故障が生じたことを故障検出ユニットが検出すると、連結体が海中又は海上の予め定められた退避箇所に移動するように、浮沈方向推進力発生ユニット及び水平方向推進力発生ユニットがそれぞれ発生する推進力を、制御ユニットが制御することになる。
ここで、故障検出ユニットが検出する故障としては、例えば、係留索が切れて連結体の海底への係留状態を維持できなくなる状態を挙げることができる。係留索が切れたまま放置すると、係留索の張力の鉛直成分によって連結体に海底の向きへの力がかからなくなり、連結体が浮力によって海上に予期せず浮上することがあり、好ましくない。
係留索が切れると、発電部が発電した電力を送電するために係留索に沿って配設された送電ケーブルも係留索と共に切れる場合がある。そこで、送電ケーブルの切断を検出したときに係留索が切断したものとして、これを故障として故障検出ユニットで検出するようにしてもよい。
また、海流発電装置では、タービンの回転トルクが発生し、これがポッドの姿勢を不安定にする要因となる。そこで、互いに逆向きに回転する2つのタービンを設けて各タービンの回転トルクを他方のタービンの回転トルクで相殺することが多い。
その場合、一方のタービンに回転不良が生じると、他方のタービンの回転トルクを一方のタービンの回転トルクで相殺できなくなり、ポッドの姿勢を安定させることが困難になる。そこで、タービンの回転不良を故障として故障検出ユニットで検出してもよい。
このように、故障検出ユニットが故障を検出する状況では、故障状態を解消するために連結体やタービンのメンテナンスを行うことも重要であるが、それ以前に、海上を航行する船舶等や海中の障害物と干渉しないように、比較的安全な場所に速やかに退避させることがまず重要である。
そこで、故障検出ユニットが検出すると制御ユニットが行う制御により連結体に付与される浮沈方向や水平方向の推進力をコントロールして、連結体及びタービンを予め定められた適切な避難箇所に確実に移動させることができる。
本発明の海流発電装置によれば、設置前後で大きく異なる浮力の調整を、設置後にも利用可能な構成で行うことができる。
本発明の一実施形態に係る海流発電装置の概略構成を示す斜視図である。 図1の海流発電装置の設置作業の手順を示す模式的に説明図である。 図1の海流発電装置の設置後の状態を模式的に示す説明図である。 図1の連結体に作用する浮力バランスを示す説明図であり、(a)は海流発電装置を海上から海中に設置する間の説明図、(b)は海流発電装置を海中に設置し各タービンを回転させた後の説明図である。 図1の海流発電装置を海中に設置した後に連結体に作用する浮力を示す説明図であり、(a)は海流が低速である場合の説明図、(b)は海流が中速である場合の説明図、(c)は海流が高速である場合の説明図である。 図1の連結体が係留索の切断により海底への係留状態を維持できなくなった状況を示す説明図である。 本発明の他の実施形態に係る海流発電装置の概略構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る海流発電装置を海上から海中に沈降させる際の手順の別例を示す説明図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る海流発電装置の概略構成を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る海流発電装置の概略構成を示す斜視図である。図1中引用符号1で示す本実施形態の海流発電装置は、連結ビーム3(請求項中のビームに相当)で連結された左右一対のポッド5,5と、各ポッド5によりそれぞれ回転可能に支持された一対のタービン7,7と、連結ビーム3及びポッド5,5の連結体11に設けられ、各タービン7の回転エネルギーを用いて発電する発電機9とを有している。
なお、発電機9(請求項中の発電部に相当)は、図1に示すように、各タービン7に対応して各ポッド5にそれぞれ設けてもよく、油圧回路等により各タービン7と接続したものを例えば連結ビーム3に1つ設けるようにしてもよい。
また、海流発電装置1は、連結ビーム3及びポッド5,5の連結体11に浮沈方向及び前後方向の推進力をそれぞれ付与する浮沈用及び前後進用の各スラスタ13,15と、全体制御用のコントローラ17とを有している。
海流発電装置1は、タービン7,7が回らないようにした状態で、図2の説明図で模式的に示すように、タグボート21に曳航されて設置海域の海上に移送される。設置海域の海上には、一端を海底23のシンカー(アンカーでも可)25に接続した係留索27が、作業船29から投入したブイ31に結び付けて配置されている。
海流発電装置1が設置海域に到着すると、ブイ31から外した係留索27が連結体11の各ポッド5,5に接続される。このようにして係留索27に係留された海流発電装置1は、図3の説明図で模式的に示すように、海流の向きに各タービン7が対向する姿勢で浮遊する状態で海中に設置されて、タービン7,7が回る状態にされる。
海中に設置された海流発電装置1の各タービン7は、海流を受けて互いに逆向きに回転し、それぞれで発生する回転トルクを相殺して連結体11の姿勢を安定させる。各タービン7の回転エネルギーを用いて発電機9が発電した電力は、係留索27に沿って配設された不図示の送電ケーブルによりシンカー25内の不図示の海底中継器に送電され、さらに、海底23に敷設した不図示の送電ケーブルを経て地上に送電される。
図1に示す浮沈用及び前後進用の各スラスタ13,15は、本実施形態では、ダクテッドファンを用いているが、ポンプを用いたウォータージェット方式等、推進力となる水流を発生する各種の推進力発生源を使用することができる。
浮沈用スラスタ13(請求項中の浮沈方向推進力発生ユニットに相当)は、海流発電装置1を海中に設置した状態で平面視矩形を呈する連結ビーム3の四隅にそれぞれ設けられている。また、各浮沈用スラスタ13は、海上側(又は海底23側)から見た連結ビーム3の中心(海流発電装置1の重心)から等間隔に配置されている。そして、各浮沈用スラスタ13のダクトは、連結ビーム3の海上側と海底23側とを連通させるように連結ビーム3を貫通している。
前後進用スラスタ15(請求項中の水平方向推進力発生ユニットに相当)は、海流発電装置1を海中に設置した状態で海流方向(前後方向)と直交する連結ビーム3の水平方向(左右方向)に間隔をおいた2つの箇所にそれぞれ設けられている。また、各前後進用スラスタ15は、海流の方向から見た連結ビーム3の中心から等間隔に配置されている。そして、各前後進用スラスタ15のダクトは、各浮沈用スラスタ13のダクトと干渉しないように、連結ビーム3を海流方向に貫通している。
コントローラ17は、シーケンサ等により構成され、海流発電装置1に各種の動作や処理を実行させるものである。
具体的な例としては、コントローラ17は、例えば、海流の速度に応じて各タービン7の翼のピッチ角を、海流のエネルギーから回転エネルギーへの変換が効率よく行われる適切な角度に、不図示のアクチュエータを介して調整する。また、コントローラ17は、浮沈用及び前後進用の各スラスタ13,15の回転(発生する推進力)を個別に制御する。
さらに、コントローラ17は、各タービン7の回転動作からシンカー25の海底中継器を経た地上への送電動作までの、発電機9の発電に関連する動作の全体を、監視及び制御する。
次に、海流発電装置1の連結体11に作用する浮力について図4及び図5の説明図を参照して説明する。なお、図4(a)は海流発電装置1を海上から海中に設置する間の浮力バランスを示し、図4(b)は海流発電装置1を海中に設置し各タービン7を回転させた後の浮力バランスを示す。また、図5は海流発電装置1を海中に設置した後に連結体11に作用する浮力を示す説明図で、図5(a)は海流が低速である場合、(b)は海流が中速である場合、(c)は海流が高速である場合をそれぞれ示す。
図4(a)に示すように、海流発電装置1を海上から海中に設置するまでの間は、タービン7,7が回らないので、連結体11に作用する海流に沿った方向の抗力Fdはさほど大きくなく、これに対抗する係留索27の張力Ftの水平成分もさほど大きくない。このため、海底23の向きに連結体11に作用する張力Ftの鉛直成分は小さく、連結体11が潜航するための浮力Fbは張力Ftよりも小さい。
一方、図4(b)に示すように、海流発電装置1を海中に設置した後は、タービン7,7が回り、これにより生じるタービンスラスト力Ftsが加わって抗力Fdが大幅に増える。抗力Fdが増すとこれに対抗するため係留索27の張力Ftの水平成分も増し、これに伴い増加する張力Ftの鉛直成分と対抗するために必要な連結体11の浮力Fbも大きく増やさなければならなくなる。
なお、図5(a)〜(c)に示すように、海流発電装置1を海中に設置した後に海流の速度が低速〜中速〜高速の間で変化しても、これに伴う抗力Fdの変化は、タービンスラスト力Ftsが加わって抗力Fdが増加する大きさに比べれば圧倒的に小さい。したがって、海流の速度変化に伴う張力Ftの増減によって連結体11に必要とされる浮力Fbが増減する幅も、海流発電装置1の設置前後の変化に比べれば圧倒的に小さい。
このように、連結体11に必要とされる浮力Fbは、海上から海中に沈めて設置する際にだけ小さくする必要がある。そこで、本実施形態では、海流発電装置1の設置の際に、連結体11を沈降させるように浮沈用スラスタ13をコントローラ17で作動させて、設置作業中の連結体11の浮力Fbを調整し小さくするようにしている。
以上に説明した海流発電装置1では、図2を参照して説明した海流発電装置1の設置作業の際、海上で連結体11に係留索27を接続する際に、タグボート21から切り離した海流発電装置1を、海流に流されることなく自律的に設置海域の海上に位置させ続ける必要がある。海流発電装置1を海上に浮上させてメンテナンスを行う際も同様である。
そこで、本実施形態では、係留索27への接続作業やメンテナンス作業の際に、海流の上流側への推進力を連結体11に付与するように前後進用スラスタ15をコントローラ17で作動させて、設置作業やメンテナンス作業中の連結体11に海流への抗力Fdを持たせるようにしている。
また、本実施形態の海流発電装置1では、コントローラ17が、海流発電装置1の故障を検出する。コントローラ17が検出する故障としては、例えば、係留索27が切れて連結体11の海底23への係留状態を維持できなくなる状態を挙げることができる。係留索27が切れたまま放置すると、係留索27の張力の鉛直成分によって連結体11に海底23の向きへの力がかからなくなり、連結体11が浮力Fbによって海上に予期せず浮上することがあり、好ましくない。
さらに、コントローラ17が検出する故障としては、タービン7の回転不良も挙げることができる。例えば、一方のタービン7に回転不良が生じると、他方のタービン7の回転トルクを一方のタービン7の回転トルクで相殺できなくなり、連結体11の姿勢を安定させることが困難になる。
これらの現象は、例えば海上を航行する船舶等に海流発電装置1が衝突するような不測の事態を招いたり、海中の障害物との干渉を招く要因となって好ましくない。
そこで、コントローラ17は、海流発電装置1の故障を検出した場合に、浮沈用や前後進用の各スラスタ13,15の回転を制御して、海流発電装置1を予め定められた適切な避難箇所に移動させる。
なお、係留索27が切れる故障は、例えば、係留索27に沿って配設された不図示の送電ケーブルを通じて検出することができる。即ち、係留索27が切れるとこれと共に送電ケーブルも切れる場合がある。そこで、本実施形態では、コントローラ17が、発電機9の電力の送電状態を監視し、送電できなくなった場合に、送電ケーブルと共に係留索27が切断したものとして、これを故障として検出する。
一方、タービン7が回転不良を起こす故障については、タービン7や発電機9の回転状態をコントローラ17で監視することで検出することができる。
また、海流発電装置1の避難箇所としては、例えば、水深の浅い平坦な海底23や、海底23の水深が深い場合は海中の海流が比較的緩い場所、海上の船舶航路や障害物、陸上等から十分に距離を置いた箇所等が考えられる。
さらに、本実施形態の海流発電装置1では、コントローラ17が、海流発電装置1をメンテナンスのために海上に浮上させる際にも、故障検出時と同様な制御を行って、海流発電装置1を予め定められた適切な海上の浮上箇所に安全な速度で移動させる。
これらの制御を行う際にコントローラ17は、海中では利用できない全地球測位システム(GPS)の代わりに、海流発電装置1に搭載したジャイロスコープ(図示せず)を用いて海流発電装置1の位置や姿勢、方向等を認識する。
なお、海流発電装置1の故障を検出した際、係留索27の切断時に電力ケーブルを介した地上からの電力供給が絶たれた場合は、内蔵の不図示のバッテリの電力によって浮沈用や前後進用の各スラスタ13,15やコントローラ17を動作させればよい。
以上の説明からも明らかなように、本実施形態では、コントローラ17が請求項中の制御ユニットと故障検出ユニットに相当している。
以上に説明した実施形態の海流発電装置1によれば、浮沈用スラスタ13の推進力により海流発電装置1の連結体11やタービン7を海中に沈降させ、発電を行う箇所に設置することができる。また、設置後は、例えば、メンテナンスを行う際に海流発電装置1を海上に浮上させる浮上方向の推進力を発生するのに浮沈用スラスタ13を利用することができる。
このため、設置前後で大きく異なる連結体11に必要な浮力Fbの調整を、設置後にも利用可能な浮沈用スラスタ13で行うことができる。
なお、前後進用スラスタ15やその回転をコントローラ17で制御する構成は、省略してもよい。しかし、上述した実施形態のようにこの構成を設ければ、例えば、海中の設置箇所に設置する設置作業の際やメンテナンス作業の際に、前後進用スラスタ15が発生する水平方向の推進力により海流発電装置1を、海流に流されることなく海上の定点に保持することができる。
また、海流発電装置1を海中から浮上させる際に、浮沈用スラスタ13や前後進用スラスタ15の回転をコントローラ17で制御する構成は、省略してもよい。しかし、上述した実施形態のようにこの構成を設ければ、例えば、メンテナンス作業の際に、海上の船舶の航路や海中の地形といった状況に応じた適切な経路や箇所を選んで海流発電装置1を海中から浮上させることができる。
さらに、海流発電装置1の故障を検出した場合に、浮沈用スラスタ13や前後進用スラスタ15の回転をコントローラ17で制御して、海流発電装置1を予め定められた適切な海上の浮上箇所に安全な速度で移動させる構成は、省略してもよい。しかし、上述した実施形態のようにこの構成を設ければ、海流発電装置1が海中や海上で不規則に移動して、海上を航行する船舶等や海中の障害物と干渉しないように、比較的安全な場所に海流発電装置1を速やかかつ確実に退避させることができる。
なお、以上に説明した海流発電装置1において、浮沈用スラスタ13は、例えば、図7の斜視図に示す他の実施形態のように、海流方向(前後方向)と直交する連結ビーム3の水平方向(左右方向)のみに間隔をおいて複数設ける構成としてもよい。
但し、海流発電装置1を浮沈用スラスタ13の推進力により海上から海中に沈降させる際には、海流の向きと平行な姿勢のまま連結体11を沈降させるよりも、図8の説明図に示す別例のように、連結体11を傾けた姿勢で沈降させる方が、海水から連結体11が受ける抗力Fdの増加による係留索の張力増加を利用して連結体11を効率よく沈降させることができる。
したがって、海流方向(前後方向)の浮沈用スラスタ13の推進力に差を持たせて連結体11を図8のように傾けた姿勢にさせ易いように、図1に示す実施形態のように、海流方向(前後方向)にも間隔をおいて複数の浮沈用スラスタ13を設ける構成とするのが好ましい。
また、浮沈用スラスタ13を設ける場所は、連結ビーム3に限らず、例えば、図9の説明図に示す実施形態のように、各ポッド5,5の側部とする等、任意である。前後進用スラスタ15を設ける場所についても、浮沈用スラスタ13と同様に任意である。そして、図9のスラスタ13の向きを可変にすることで、スラスタ13を浮沈用と前後進用とに兼用することもできる。
さらに、海流方向(前後方向)と直交する水平方向(左右方向)に間隔をおいて、浮沈用や前後進用の各スラスタ13,15と同様の構成の横行用スラスタを複数設けてもよく、その場合、前後進用スラスタ15を併用しても省略してもよい。
そして、上述した実施形態では、タービン7を海流方向(前後方向)におけるポッド5の下流側に配置したが、ポッド5の上流側や中間部にタービン7を配置してもよい。また、タービン7に設けるブレードの数は、図1等に示した2枚に限らず3枚以上の任意の枚数としてもよい。
また、係留索27は、各ポッド5に一端を接続し他端を合流させて同一のシンカー25に接続するV字状の全体形状としてもよく、各ポッド5に一端を接続し途中で1つに合流させて他端を同一のシンカー25に接続するY字状の全体形状としてもよい。
さらに、各ポッドは水平方向(左右方向)でなく海流発電装置1の浮沈方向(鉛直方向)に間隔をおいて配置してもよく、水平方向(左右方向)及び浮沈方向(鉛直方向)の両方に間隔をおいて配置してもよい。この場合の係留索は、海流方向(前後方向)から見てX字状等となる立体的な形状となってもよい。
また、上述した実施形態では、図1に示すように、2つのポッド5,5を連結ビーム3で連結した構成を例に取って説明したが、3つ以上のポッドを連結ビームで連結した構成としてもよい。その場合、一部のポッドがタービンや発電機を有していなくてもよい。
さらに、海流発電装置1は、各ポッドからの係留索を複数のシンカーに分散して接続することで係留してもよく、係留索以外の方法で係留してもよい。
1 海流発電装置
3 連結ビーム(ビーム)
5 ポッド
7 タービン
9 発電機(発電部)
11 連結体
13 浮沈用スラスタ(浮沈方向推進力発生ユニット)
15 前後進用スラスタ(水平方向推進力発生ユニット)
17 コントローラ(制御ユニット、故障検出ユニット)
21 タグボート
23 海底
25 シンカー
27 係留索
29 作業船
31 ブイ
Fb 浮力
Fd 抗力
Ft 張力
Fts タービンスラスト力

Claims (4)

  1. 海流により回転するタービンと、
    前記タービンを回転可能に支持するポッドと、
    前記ポッドに連結したビームと、
    係留索を介して海中に係留される前記ポッド及び前記ビームの連結体に設けられ、前記タービンの回転エネルギーを用いて発電する発電部と、
    前記連結体に設けられ、海水を鉛直方向に移動させることで前記連結体に浮上方向や沈降方向の推進力を付与する浮沈方向推進力発生ユニットと、
    前記連結体が係留された海中における前記海流の速度に応じて、前記浮沈方向推進力発生ユニットを制御する制御ユニットと、
    を備えることを特徴とする海流発電装置。
  2. 前記連結体に設けられ、海水を水平方向に移動させることで前記連結体に水平方向の推進力を付与する水平方向推進力発生ユニットをさらに備え、前記制御ユニットは、前記連結体が係留された海中における前記海流の速度に応じて、前記水平方向推進力発生ユニットを制御することを特徴とする請求項1記載の海流発電装置。
  3. 前記制御ユニットは、前記連結体が海上の予め定められた浮上箇所に移動するように前記浮沈方向推進力発生ユニット及び前記水平方向推進力発生ユニットを制御することを特徴とする請求項2記載の海流発電装置。
  4. 前記発電部の発電に関連する動作に故障が生じたことを検出する故障検出ユニットをさらに備えており、前記制御ユニットは、前記故障検出ユニットが故障を検出した際に、前記連結体が海中又は海上の予め定められた退避箇所に移動するように前記浮沈方向推進力発生ユニット及び前記水平方向推進力発生ユニットを制御することを特徴とする請求項3記載の海流発電装置。
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