JP6520133B2 - 積層体ならびにそれを用いた導電性基材の製造方法および電子デバイスの製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、金属超微粒子は酸化されることで導電性が低下する場合があり、被転写基板に金属超微粒子相互の焼結体層を転写する際に、導電性が低下するおそれがある。
また本発明においては、多孔性導電層を有するため、脆性が付与され、良好な箔切れ性、解像性を得ることができる。また、多孔性導電層は金属粒子を低温で焼結して形成することができるため、基材に損傷を与えることが少なく、耐熱性の高い基材を用いる必要はなく、耐熱性の低い基材も使用することができる。
また、本発明の積層体を用いることにより、導電性基材を容易に作製することができる。
本発明の積層体は、基材と、上記基材上に形成された多孔性導電層と、上記多孔性導電層上に形成された接着層とを有することを特徴とするものである。
図1は本発明の積層体の一例を示す概略断面図である。図1に示すように、積層体1は、基材2と、基材2上に形成された多孔性導電層3と、多孔性導電層3上に形成された接着層4とを有している。
本発明における多孔性導電層は、基材上に形成されるものである。
中でも、金属が好ましい。金属の粒子は、より低温で焼結して多孔性導電層を形成することができるからである。
金属酸化物としては、例えば酸化インジウム錫、アンチモンドープ酸化錫等が挙げられる。
なお、多孔性導電層の空孔率は、多孔性導電層を構成する材料が存在していない部分を表すものであり、接着層由来の成分が混在している部分も含まれる。
また、空孔率は、積層体の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)像から確認することもできる。具体的には、得られたSEM像から孔の面積と、接着層由来の成分の面積と、多孔性導電層の面積とをそれぞれ算出し、孔の面積と接着層由来の成分の面積との合計を、多孔性導電層の面積で除することにより上記断面における空孔率を求めることができる。
積層体の大きさに応じて適宜複数の断面について同様に空孔率を求め、その平均値を多孔性導電層の空孔率とする。
空孔率は、後述する多孔性導電層の形成方法において、金属粒子分散液に用いられる金属粒子の粒子径や、分散剤の種類、焼成条件等により適宜調整することができる。
なお、本願明細書において、金属粒子とは、金属状態の粒子に加えて、合金状態の粒子や、金属化合物の粒子等も含まれるものである。
金属粒子を構成する金属としては、例えば金、銀、銅、ニッケル、白金、パラジウム、モリブデン、アルミニウム、アンチモン、スズ、クロム、インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、亜鉛、チタン、鉛等が挙げられる。中でも、導電性やコスト等の観点から、銀、銅が好ましい。金属粒子を構成する金属は1種であってもよく2種以上であってもよい。また、2種以上の金属がコアシェル構造を形成しているものや、金属状態の粒子の表面が酸化または窒化されているもの等を用いてもよい。金属粒子は、表面が酸化されていてもよく、また内部まで酸化されていてもよい。
また、金属化合物の粒子を構成する金属化合物としては、例えば金属酸化物、金属窒化物、金属水素化物、金属水酸化物、有機金属化合物等が挙げられる。これらの金属化合物は、焼成時に分解されて金属状態となるものであることが好ましい。例えば、還元して導電性を発現する金属化合物の粒子、具体的には酸化第一銅、酸化第二銅、酸化銀、窒化銅、水素化銅等の金属化合物の粒子を挙げることができる。また、金属酸化物としては、例えば酸化インジウム錫、アンチモンドープ酸化錫等も挙げられる。
金属粒子は1種単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、金属状態の粒子が好ましい。金属状態の粒子は、より低温で焼結して多孔性導電層を形成することができるからである。
ここで、金属粒子の平均粒子径は、金属粒子分散液中の金属粒子の平均1次粒子径であり、透過型電子顕微鏡による観察像から測定することができる。
基材上に金属粒子分散液を塗布する方法としては、例えば、グラビア印刷、スクリーン印刷、スプレーコート、スピンコート、コンマコート、バーコート、ナイフコート、ダイコート、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、ディスペンサ印刷等を挙げることができる。基材上にパターン状に金属粒子分散液を塗布する場合には、微細なパターニングを行うことができるという観点から、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷が好ましい。
加熱処理としては、例えばホットプレート加熱、熱風加熱、熱板や熱ロールによるホットプレス法が挙げられる。
光処理としては、例えばレーザー処理、紫外線ランプ処理、赤外線ランプ処理、遠赤外線ランプ処理、フラッシュ光ランプ処理等が挙げられる。
プラズマ処理は、還元性を示す水素、一酸化炭素、アンモニア、アルコール等のガスを電離してプラズマ状態とし、反応性の高い活性種を生成させる処理であり、例えば、電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマ、容量結合プラズマ、誘導結合プラズマ、大気圧プラズマ、マイクロ波プラズマ、マイクロ波エネルギーの印加により発生する表面波プラズマ等が挙げられる。中でも、表面波プラズマ処理が好ましい。
なお、上記の焼成方法は、2種以上を組み合わせて用いることができる。
金属を含有する多孔性導電層を形成する場合には、不活性ガスまたは還元性ガスの雰囲気とすることが好ましく、中でも還元性ガスとすることが好ましい。還元性ガス雰囲気の場合、金属粒子表面に存在する酸化物が還元除去され、導電性の良好な多孔性導電層を形成することができる。そのため、金属を含有する多孔性導電層を形成する場合には、金属粒子として、表面が酸化されている金属粒子や、内部まで酸化されている金属粒子を用いることができる。
還元性ガスには、窒素、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノン等の不活性ガスを混合してもよい。この場合、プラズマが発生し易くなる等の効果がある。
焼成時間としては、金属粒子の種類、焼成方法等に応じて適宜選択される。例えば銀粒子を加熱処理により焼成する場合、焼成時間は10分〜120分の範囲内、中でも15分〜40分の範囲内であることが好ましい。また、例えば銅粒子を水素プラズマにより焼成する場合、焼成時間は1分〜10分の範囲内、中でも2分〜5分の範囲内であることが好ましい。
本発明における接着層は、上記多孔性導電層上に形成されるものである。接着層は、本発明の積層体を被転写基材に転写する際に、多孔性導電層と被転写基材とを接着させる機能を有するものである。
図6(a)〜(d)は本発明の積層体を用いた導電性基材の製造方法の他の例を示す工程図であり、接着層4に光照射により粘着性または接着性が低下する感光性樹脂を用いた例である。まず、図6(a)に示すように、基材2上に多孔性導電層3および接着層4が順に積層された積層体1を準備し、接着層4にフォトマスク15を介して光16をパターン状に照射し、接着層4の光照射部での粘着性または接着性を低下させ、低接着部4bを形成する。次に、図6(b)〜(c)に示すように、積層体1の接着層4と被転写基材11とが接するように配置し、密着させる。その後、図6(d)に示すように、基材2側を剥離する。接着層4は、光未照射部である接着部4aと、光照射部であり粘着性または接着性が低下した低接着部4bとを有するため、接着部4aでは被転写基材11との接着性が高くなるが、低接着部4bでは被転写基材11との接着性が低くなる。そのため、基材2側を剥離する際に、低接着部4bでは基材2とともに多孔性導電層3および接着層4が剥離し、接着部4aでは被転写基材11と接着して多孔性導電層3が転写される。これにより、接着層4および多孔性導電層3のパターンを有する導電性基材10が得られる。この場合にも、積層体1を部分的に転写しなくとも、被転写基材11上に多孔性導電層3のパターンを転写することができる。
非接着層の材料としては、例えば接着層が溶融する温度に対して溶融しない熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等が挙げられる。
非接着層の厚みとしては、本発明の積層体を被転写基材に転写する際に、接着層と被転写基材とを接着させることが可能な厚みであればよく、転写方法や、被転写基材の種類等によって適宜選択される。具体的には、非接着層の厚みは、100nm〜3μmの範囲内であることが好ましい。
非接着層の形成方法としては、例えば接着層上に樹脂組成物をパターン状に塗布し、乾燥し、必要に応じて硬化する方法が挙げられる。樹脂組成物の塗布方法としては、一般的な塗布方法から適宜選択して適用することができる。
本発明に用いられる基材は、上記の多孔性導電層および接着層を支持するものである。
基材としては、上記多孔性導電層を形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ガラス基板、セラミックス基板等の無機基材や、金属基材、樹脂基材、紙基材等を用いることができる。
中でも、基材は樹脂基材であることが好ましい。本発明においては、金属粒子を低温で焼結して多孔性導電層を形成することができるため、基材に損傷を与えることが少なく、耐熱性の高い基材を用いる必要はなく、耐熱性の低い基材も使用することができる。特に、ポリエチレンテレフタレート等の安価な汎用プラスチックの樹脂基材を用いることができる点で非常に有用である。
離型層の材料としては、例えばフッ素系離型剤、シリコーン系離型剤、ワックス系離型剤等が挙げられる。離型層の形成方法としては、例えば離型剤をディップコート、スプレーコート、ロールコート等の塗布法により塗布する方法が挙げられる。
また、離型処理としては、例えばフッ素処理、シリコーン処理等の表面処理が挙げられる。
本発明の積層体は、上記の基材、多孔性導電層および接着層以外に、必要に応じて他の構成を有していてもよい。例えば、基材の多孔性導電層の形成面とは反対側の面に帯電防止層、耐熱保護層、耐擦層、滑性層等が設けられていてもよい。また、基材と多孔性導電層との間に保護層が形成されていてもよい。以下、保護層について説明する。
本発明においては、図7(a)に例示するように、基材2と多孔性導電層3との間に保護層6が形成されていてもよい。保護層6は、図7(b)に示すように、多孔性導電層3が積層体1から被転写基材11へと転写された後は、導電性基材10の最外層となるため、摩耗や光、薬品等から多孔性導電層3を保護することができる。また、絶縁性を有する保護層とすることにより、多孔性導電層を絶縁することができる。
また、保護層として、保護フィルムを用いてもよい。
保護層として保護フィルムを用いる場合には、基材と保護フィルムとを弱粘着層を介して貼り合わせることができる。弱粘着層は、基材を剥離する際に、基材とともに弱粘着層も剥離可能なものであることが好ましい。
本発明の積層体は、後述するように導電性基材の作製に用いることができ、例えば、プリント配線基板、電磁波シールド材、アンテナ、パワー半導体、ノイズフィルタ、コンデンサ電極、各種センサー用電極(タッチセンサー、バイオセンサー、温度センサー、ガスセンサー、光センサー、圧力センサー、フローセンサー)、ディスプレイ用電極、太陽電池用電極、ICカード、RFID等の作製、および接合材、コネクタ材に利用することができる。
また、本発明の積層体は、非接触型ICカードに記録された情報の不正読み取りを防止するための電磁波シールド層、共振周波数を変調させるための導電層として使用することができる。例えば、カードの一部に多孔性導電層を付与して読み取りができない状態として輸送し、使用時に接着層ごとスクラッチして取り除くことが可能である。本発明の積層体は、多孔性導電層を有するので、接着層の粘着力を制御することで、スクラッチで容易に剥離させることが可能である。
また、本発明の積層体は、多孔性導電層の色や光沢を活かした意匠、デザイン、文字等の形成にも利用できる。
本発明の導電性基材の製造方法は、2つの実施態様を有する。以下、各実施態様に分けて説明する。
本実施態様の導電性基材の製造方法は、上述の積層体を準備する準備工程と、被転写基材上に上記積層体の接着層および多孔性導電層を転写する転写工程とを有することを特徴とする製造方法である。
本実施態様における準備工程は、上述の積層体を準備する工程である。
なお、積層体については、上記「A.積層体」に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
本実施態様における転写工程は、被転写基材上に上記積層体の接着層および多孔性導電層を転写する工程である。
また、熱転写方法としては、図8(a)〜(d)に例示するような成形型を用いる方法も挙げられる。図8(a)〜(d)に示す導電性基材の製造方法においては、まず、図8(a)に示すような積層体1を準備する。なお、積層体1は、図1に示す積層体1と同様である。次に、図8(a)に示すように、積層体1の接着層4と被転写基材11とが接するように積層し、積層体1および被転写基材11を、積層体1の基材2が上型23と対向し、被転写基材11が下型24と対向するように上型23および下型24を有する成形型に配置する。続いて、図8(b)に示すように、成形型を加熱しながら型締めして、積層体1および被転写基材11を成形すると同時に、被転写基材11に積層体1を熱転写する。これにより、被転写基材11と積層体1とを一体化させる。次いで、図8(c)に示すように、一体化した積層体1と被転写基材11とを成形型から取り出し、図8(d)に示すように、積層体1から基材2を剥離する。これにより、被転写基材11上に接着層4および多孔性導電層3が順に積層された導電性基材10が得られる。
接着層に光をパターン状に照射する方法としては、例えばフォトマスクを用いる方法、レーザー等を用いて光を描画する方法等が挙げられる。
接着層に照射する光としては、接着層の粘着性または接着性を低下させることができる光であれば特に限定されるものではなく、感光性樹脂の種類に応じて適宜選択される。例えば紫外線、可視光線、赤外線等を用いることができる。
積層体および被転写基材を密着させる方法としては、例えば圧力をかける方法、加熱しながら圧力をかける方法等が挙げられる。
また、被転写基材上に多孔性導電層のパターンを熱転写する場合には、上記の他にも、図4(a)に例示するような多孔性導電層3が予めパターン状に形成された積層体1を用いてもよい。
また、図8(a)〜(d)に例示するような成形型を用いる方法の場合において、枚葉の積層体の場合には、積層体と被転写基材とが一体化した成形品を成形型から取り出した後に、成形品から積層体の基材を剥離する。また、長尺の積層体の場合には、積層体と被転写基材とが一体化した成形品を成形型から取り出す際に、積層体から基材が剥離する。
本実施態様の導電性基材の製造方法は、上述の積層体を準備する準備工程と、上記積層体を成形型に配置し、上記成形型内に被転写基材用溶融樹脂を射出し、固化させて、被転写基材を成形すると同時に、上記被転写基材に上記積層体を転写する成形および転写工程と、上記積層体の基材を剥離する剥離工程とを有することを特徴とする製造方法である。
図9(a)〜(d)は本実施態様の導電性基材の製造方法の一例を示す工程図である。まず、図9(a)に示すような積層体1を準備する。なお、積層体1は、図1に示す積層体1と同様である。次に、図9(a)に示すように、積層体1を、基材2が固定型21と対向するように固定型21および可動型22を有する成形型に配置する。続いて、図9(b)に示すように、成形型を型締めし、成形型内に被転写基材用溶融樹脂11aを射出し、冷却、固化して、被転写基材を成形すると同時に、被転写基材に積層体1を転写する。これにより、樹脂成形体である被転写基材と積層体1とを積層し、一体化させる。次いで、図9(c)に示すように、一体化した積層体1と被転写基材11とを成形型から取り出し、図9(d)に示すように、積層体1から基材2を剥離する。これにより、被転写基材11上に接着層4および多孔性導電層3が順に積層された導電性基材10が得られる。
本実施態様における準備工程は、上述の積層体を準備する工程である。
なお、積層体については、上記「A.積層体」に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
本実施態様においては、接着層の材料には熱可塑性樹脂が用いられる。
本実施態様における成形および転写工程は、上記積層体を成形型に配置し、上記成形型内に被転写基材用溶融樹脂を射出し、固化させて、被転写基材を成形すると同時に、上記被転写基材に上記積層体を転写する工程である。
後者の場合、加熱温度は、積層体の基材のガラス転移温度以上、かつ、溶融温度または融点未満であることが好ましく、基材のガラス転移温度近傍の温度とすることがより好ましい。なお、ガラス転移温度近傍とは、ガラス転移温度±5℃の範囲をいう。
被転写基材用溶融樹脂の加熱温度は、被転写基材用溶融樹脂の種類に応じて異なるが、例えば80℃〜280℃程度である。
また、被転写基材に多孔性導電層のパターンを転写する場合には、上記の他にも、図4(a)に例示するような多孔性導電層3が予めパターン状に形成された積層体1を用いてもよい。
本実施態様における剥離工程は、上記積層体の基材を剥離する工程である。
枚葉の積層体の場合には、積層体と成形された被転写基材とが一体化した成形品を成形型から取り出した後に、成形品から積層体の基材を剥離する。また、長尺の積層体の場合には、積層体と成形された被転写基材とが一体化した成形品を成形型から取り出す際に、積層体から基材が剥離する。
これにより、樹脂成形体である被転写基材上に接着層および多孔性導電層が順に積層された導電性基材が得られる。
本発明の電子デバイスの製造方法は、上述の導電性基材の製造方法により、導電性基材を作製する導電性基材作製工程を有することを特徴とする製造方法である。
また本発明においては、上述の導電性基材の製造方法により導電性基材を作製するため、製造コストを削減することができる。
本発明における導電性基材作製工程は、上述の導電性基材の製造方法により、導電性基材を作製する工程である。
なお、導電性基材の製造方法については、上記「B.導電性基材の製造方法」に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
本発明における電子デバイスとしては、例えば、プリント配線基板、電磁波シールド材、アンテナ、パワー半導体、ノイズフィルタ、コンデンサ電極、各種センサー用電極(タッチセンサー、バイオセンサー、温度センサー、ガスセンサー、光センサー、圧力センサー、フローセンサー)、ディスプレイ用電極、太陽電池用電極、ICカード、RFID、接合材、コネクタ材等が挙げられる。
また、本発明の電子デバイスが例えば非接触型ICカードである場合、多孔性導電層は、非接触型ICカードに記録された情報の不正読み取りを防止するための電磁波シールド層、共振周波数を変調させるための導電層として使用することができる。この場合、例えばカードに一時的に多孔性導電層を付与し、後で接着層ごとスクラッチして取り除くことが可能である。本発明の電子デバイスは、多孔性導電層を有するので、接着層の粘着力を制御することで、スクラッチで容易に剥離させることが可能である。
200ml三ッ口フラスコ中に、水酸化銅 10.0g(和光純薬工業製)、デカン酸 34.5g(花王製ルナック10−98)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)18.5gを量り取った。この混合液を撹拌しながら100℃まで加熱し、その温度を20分維持した。その後、3−エトキシプロピルアミン 41.3g(広栄化学工業製)を添加し、100℃で10分加熱、撹拌した。この混合液を、氷浴を用いて10℃まで冷却した後、氷浴中でヒドラジン一水和物 10.0gをPGME 18.5g(関東化学製)に溶解させた溶液を添加し、10分撹拌した。その後、反応溶液を100℃まで加熱し、その温度を10分維持した。30℃まで冷却後、ヘキサン66gを添加した。遠心分離後、上澄み液を除去した。沈殿物をヘキサンで洗浄し、銅粒子を得た。
得られた銅粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、平均一次粒径は65nmであった。
合成例1で得られた銅粒子40質量部、高分子分散剤としてソルスパース 41000(ルーブリゾール製)4質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)56質量部を混合し、ペイントシェーカー(浅田鉄工製)にて予備分散として2mmジルコニアビーズで1時間、さらに本分散として0.1mmジルコニアビーズで2時間分散し、銅粒子分散体1を得た。
PETフィルム(商品名 コスモシャイン A4100、東洋紡製、膜厚100μm)に銅粒子分散体1をミヤバー#4を使って塗布し、温風乾燥機で80℃、3分乾燥させ、赤銅光沢を持つフィルムを得た。その後、水素ガスを導入圧力20Paで導入しながら、マイクロ波表面波プラズマ処理装置(MSP−1500、ミクロ電子株式会社製)を用いて、マイクロ波出力450Wで240秒間焼成し、多孔性導電層を有する導電フィルム導電フィルムAを得た。
PETフィルム(膜厚5μm)に変更したこと以外は、導電フィルムAと同様の作製方法で、マイクロ波出力450Wで120秒間焼成し、多孔性導電層を有する導電フィルムBを得た。
PETフィルム(商品名 コスモシャイン A4100、東洋紡製、膜厚100μm)に銅をスパッタ法により製膜し、導電層を有する導電フィルムCを得た。
(導電層のシート抵抗値の測定)
導電層の導電性評価は、表面抵抗計(ダイアインスツルメンツ社製「ロレスタGP」、PSPタイププローブ)を用いて、4探針法によりシート抵抗値を測定することにより行った。導電フィルムA、Bの多孔性導電層のシート抵抗値は、共に0.20Ω/□、導電フィルムCの導電層のシート抵抗値は0.075Ω/□であった。
導電層の膜厚評価は下記の通り行った。作製した導電フィルムについて保護層として導電層上部に真空蒸着法にてカーボンを、スパッタ法にて白金を順次積層し、次いでFIB(集束イオンビーム、日立ハイテク製 FB−2100)を用いてタングステンを積層後、導電層の断面を作製した。その後、SEM(日立ハイテク製 S−4800)を用いて基板を45°傾斜させた状態にて導電層断面を観察し、SEM像より膜厚を測定した。膜厚は30k〜40kの倍率で測定したSEM像内で10箇所測長し、傾斜分を補正した後、その平均値を膜厚とした。導電フィルムA、B、C全てで導電層の膜厚は400nmであった。この結果から導電フィルムA、Bの体積抵抗値は8μΩ・cm、導電フィルムCの体積抵抗値は3μΩ・cmであることがわかった。
導電層の空孔率測定は下記の通り行った。上記膜厚測定において得られたSEM像における、孔の面積と導電層の面積とをそれぞれ算出し、孔の面積を導電層の面積で除することにより当該断面における空孔率を求めた。導電フィルムAの多孔性導電層の空孔率は35%、導電フィルムBの多孔性導電層の空孔率は25%であった。導電フィルムCの導電層には空孔がなかった。
(接着層の形成)
接着剤である大日精化製 TM−R850(LV−NT)K3にメチルイソブチルケトン(MIBK)30質量%相当を追加し、十分撹拌することで塗布液を調製した。この塗布液を導電フィルムAの多孔性導電層上にアプリケーター 10milで塗布し、温風乾燥機で90℃、1分乾燥させた。
次に、被転写基材としてポリカーボネート(以下、PCと略す)およびポリメチルメタクリレート(以下、PMMAと略す)の積層フィルム C001(住友化学製 膜厚125μm)を用い、被転写基材のPC面に上述の導電フィルムAの接着剤塗布面を重ね、日本GBC製マルチラミネーター GL835PROを使って、温度130℃、GAP1mm以下、搬送速度0.3m/minで加熱ラミネート処理を行った。その後、PETフィルムを剥離した。
多孔性導電層は被転写基材へ100%転写し、転写後のシート抵抗値は0.22Ω/□であった。
接着層の形成において、接着剤として和信化学製 プラスコートPGC10を導電フィルムAの多孔性導電層上にアプリケーター 10milで塗布し、温風乾燥機で90℃、1分乾燥させたこと、および、転写において、温度を130℃としたこと以外は、実施例1と同様に接着層の形成および転写を行った。
多孔性導電層は被転写基材へ100%転写し、転写後のシート抵抗値は0.20Ω/□であった。
接着層の形成において、接着剤として三井化学製 ケミパールS300を導電フィルムAの多孔性導電層上にミヤバー#8で塗布し、温風乾燥機で70℃、3分乾燥させたこと、および、転写において、被転写基材として市販のコピー紙を用い、温度を100℃としたこと以外は、実施例1と同様に接着層の形成および転写を行った。
多孔性導電層は被転写基材へ100%転写し、転写後のシート抵抗値は0.20Ω/□であった。
接着層の形成において、接着剤として三井化学製 ケミパールEV210を導電フィルムAの多孔性導電層上にミヤバー#16で塗布し、温風乾燥機で90℃、3分乾燥させたこと、および、転写において、温度を150℃としたこと以外は、実施例1と同様に接着層の形成および転写を行った。
多孔性導電層は被転写基材へ100%転写し、転写後のシート抵抗値は0.20Ω/□であった。
接着層の形成において、接着剤として三井化学製 ボンロンXPS−001を導電フィルムAの多孔性導電層上にミヤバー#16で塗布し、温風乾燥機で90℃、3分乾燥させたこと、および、転写において、被転写基材として光沢紙を使い、温度を130℃としたこと以外は、実施例1と同様に接着層の形成および転写を行った。
多孔性導電層は被転写基材へ100%転写し、転写後のシート抵抗値は0.21Ω/□であった。
接着層の形成において、接着剤として三井化学製 ボンロンXPS−003を導電フィルムAの多孔性導電層上にミヤバー#16で塗布し、温風乾燥機で90℃、3分乾燥させたこと、および、転写において、被転写基材として光沢紙を使い、温度を150℃としたこと以外は、実施例1と同様に接着層の形成および転写を行った。
多孔性導電層は被転写基材へ100%転写し、転写後のシート抵抗値は0.20Ω/□であった。
(接着層の形成)
接着剤としてDNPファインケミカル製 BCD#700クリヤーを導電フィルムBの多孔性導電層上にミヤバー#4で塗布し、温風乾燥機で90℃、3分乾燥させた。
接着層が形成された導電フィルムBを転写リボンとしてサーマルヘッドプリンタ(Zebra140Xi4)にセットし、被転写基材としてグロスコート紙を用いて印字テストを行ったところ、線幅127μm×全長10cmの配線が形成され、テスターにより導通も確認できた。
導電フィルムAに代わり導電フィルムCとした以外は、実施例1と同様に転写を行ったところ、全く転写できなかった。
導電フィルムAに代わり導電フィルムCとした以外は、実施例2と同様に転写を行ったところ、全く転写できなかった。
導電フィルムAに代わり導電フィルムCとした以外は、実施例3と同様に転写を行ったところ、全く転写できなかった。
導電フィルムAに代わり導電フィルムCとした以外は、実施例4と同様に転写を行ったところ、全く転写できなかった。
導電フィルムAに代わり導電フィルムCとした以外は、実施例5と同様に転写を行ったところ、全く転写できなかった。
導電フィルムAに代わり導電フィルムCとした以外は、実施例6と同様に転写を行ったところ、全く転写できなかった。
ナノAgインク(三ツ星ベルト製 商品名MDot CF107)をペンタンジオールで40%希釈した後、PETフィルム(商品名 コスモシャイン A4100、東洋紡製、膜厚100μm)にミヤバー#4を使って塗布し、温風乾燥機で120℃、30分間乾燥かつ焼成して、銀光沢を持ち、多孔性導電層を有する導電フィルムDを得た。
導電フィルムDの多孔性導電層の膜厚は380nm、シート抵抗値は0.20Ω/□、空孔率は30%であった。
接着層の形成において、接着剤として三井化学製 ケミパールS300を導電フィルムDの多孔性導電層上にミヤバー#4で塗布し、温風乾燥機で90℃、3分乾燥させたこと、および、転写において、被転写基材としてグロスコート紙を用い、温度を130℃としたこと以外は、実施例1と同様に接着層の形成および転写を行った。
多孔性導電層は被転写基材へ100%転写し、転写後のシート抵抗値は0.20Ω/□であった。
(接着層の形成)
接着剤である大日精化製 TM−R850(LV−NT)K3にメチルイソブチルケトン(MIBK)で30%質量相当を追加希釈した塗布液を調製した。この塗布液を導電フィルムAの多孔性導電層上にアプリケーター 10milで塗布、温風乾燥機で90℃、1分乾燥させた。
接着層が形成された導電フィルムAをインモールド成形機の金型にセットした後、接着剤塗布面にPCとABSからなる混合樹脂を溶融させて流しこんだ。冷却後、成形物を取り出し、PETフィルムを剥離した。
多孔性導電層はPCとABSの混合樹脂からなる樹脂層へ100%転写し、転写後のシート抵抗値は0.22Ω/□であった。
2 … 基材
3 … 多孔性導電層
4 … 接着層
6 … 保護層
10 … 導電性基材
11 … 被転写基材
Claims (6)
- 基材と、
前記基材上に形成された多孔性導電層と、
前記多孔性導電層上に形成された接着層と、を有し、
前記多孔性導電層が、金属ナノ粒子の焼結体であり、
前記基材と前記多孔性導電層との間に保護層が形成されており、
前記保護層は、絶縁性を有し、かつ転写後に前記多孔性導電層を保護する層であることを特徴とする積層体。 - 前記基材が樹脂基材であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
- 請求項1または請求項2に記載の積層体を準備する準備工程と、
被転写基材上に前記積層体の接着層および多孔性導電層を転写する転写工程と
を有することを特徴とする導電性基材の製造方法。 - 前記転写工程では、前記被転写基材上に前記積層体の接着層、多孔性導電層、および保護層のパターンを転写することを特徴とする請求項3に記載の導電性基材の製造方法。
- 基材と、前記基材上に形成された多孔性導電層と、前記多孔性導電層上に形成された接着層と、を有し、前記多孔性導電層が、金属ナノ粒子の焼結体である積層体を準備する準備工程と、
前記積層体を成形型に配置し、前記成形型内に被転写基材用溶融樹脂を射出し、固化させて、被転写基材を成形すると同時に、前記被転写基材に前記積層体を転写する成形および転写工程と、
前記積層体の基材を剥離する剥離工程と
を有することを特徴とする導電性基材の製造方法。 - 請求項3から請求項5までのいずれかに記載の導電性基材の製造方法により、導電性基材を作製する導電性基材作製工程を有することを特徴とする電子デバイスの製造方法。
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