JP6520559B2 - 導電性組成物、導電体及び前記導電体が形成された積層体 - Google Patents

導電性組成物、導電体及び前記導電体が形成された積層体 Download PDF

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Description

本発明は、ラブオフ性に優れた導電性組成物、導電体及び前記導電体が形成された積層体に関する。
ディスプレー、半導体等の各種電子部品の包装材料、保護フィルム、ICキャリアテープ、光学フィルム等の各種フィルムには、電子部品等の製品に影響を及ぼす静電気を蓄え無い事(帯電防止性能)が求められており、各種フィルムとしては帯電防止性を付与したフィルムが利用されている。
フィルムには帯電防止性を付与する方法として、カーボンやITO(インジウム・スズ酸化物)等の各種導電性フィラーや界面活性剤をフィルム表面に塗布する方法がよく知られている。
導電性フィラーをフィルム表面に塗布する方法では、十分な帯電防止性を付与するために、導電性フィラーの添加量を多くする必要があり、その為、得られたフィルムではヘイズの増大や外観の着色による美装性の不良などが問題である。
また、界面活性剤をフィルム表面に塗布する方法においては、美装性は問題ないが、使用環境の湿度により導電性が変化してしまい、特に低湿度環境では帯電防止性能が乏しいという問題がある。
近年、導電性ポリマーからなる導電性膜を基材表面に形成する方法が提案されている。例えば、特許文献1では、導電性ポリマーとビニル系重合体エマルションからなる導電性組成物が提案されている。また、特許文献2では、導電性高分子、同一分子内に塩基性基及びヒドロキシ基を含む化合物、溶剤と高分子化合物を含む導電性組成物が提案されている。これらの方法では、高い帯電防止性能と導電膜が透明性を有していることから、フィルム上に形成された導電膜を指等で擦った場合(ラブオフ性)に塗膜が脱離して、導電性が劣化しまう問題があった。
特開平11−185523号 特開2013−245295
本発明の目的は、高い導電性と透明性を有し、プラスチックフィルム上に導電膜を形成後に、ラブオフ性が高い導電性組成物を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、導電性ポリマーと水系エマルションに水溶性ポリマーを配合させることで、塗膜中で導電性ポリマーと水溶性ポリマーを共存させて導電性ポリマー自体の擦れに強くし、水系エマルションと水溶性ポリマーを共存させることで、水系エマルション同士を橋渡しさせ、導電性を低下させることなく、ラブオフ性に優れた導電体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は以下の態様を有する。
[1] 導電性ポリマー(A)、水系エマルション(B)及び水溶性ポリマー(C)を含む導電性組成物であって、導電性ポリマー(A)100質量部に対し、水系エマルション(B)250〜850質量部及び水溶性ポリマー(C)20〜250質量部を含む導電性組成物。
[2] 前記導電性ポリマー(A)が、チオフェン誘導体及び/またはアニリン誘導体を構成単位として有する、[1]記載の導電性組成物。
[3] 前記導電性ポリマー(A)が酸性基を有する、[1]又は[2]記載の導電性組成物。
[4] 前記酸性基が、スルホン酸基及び/またはカルボキシ基である、[3]記載の導電性組成物。
[5] 前記導電性ポリマー(A)が、下記一般式(1)で表される単位を有する、[1]〜[4]の何れかに記載の導電性組成物。

式(1)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基、酸性基、水酸基、ニトロ基、及びハロゲン原子からなる群より選ばれ、R〜Rのうちの少なくとも1つは酸性基である。
[6] [1]〜[5]の何れかに記載の導電性組成物を用いた導電体。
[7] 少なくとも基材の一面に、[6]記載の導電体が形成された積層体。
本発明の導電性組成物は、高い導電性と透明性を有し、且つ、ラブオフ性に優れた導電体を形成できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[導電性組成物]
本発明の導電性組成物は、導電性ポリマー(A)、水系エマルション(B)及び水溶性ポリマー(C)を含有する。
なお、本発明において「可溶性」又は「水溶性」とは、水、塩基及び塩基性塩を含む水、酸を含む水、有機溶媒(例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等)、又はそれらの混合物10g(液温25℃)に、0.1g以上均一に溶解することを意味する。
また、「導電性」とは、導電率10−9S/cm以上また表面抵抗率1015Ω/cm以下の電気伝導度を有することである。
<導電性ポリマー(A)>
本発明における導電性ポリマー(A)は、酸性基を有することが好ましい。
ここで、水溶性及び導電性向上の観点から、酸性基は、スルホン酸基及び/又はカルボキシ基が好ましい。(以下、スルホン酸基、カルボキシ基を総称して「酸性基」という場合がある。)前記導電性ポリマー(A)としては特に限定されず、公知の導電性ポリマーを用いることができる。
具体的には、無置換又は置換基を有するポリフェニレンビニレン、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリイソチアナフテン、ポリフラン、ポリカルバゾール、ポリジアミノアントラキノン、ポリインドールからなる群より選ばれた少なくとも1種のπ共役系導電性ポリマー中の骨格に、酸性基、好ましくは、スルホン酸基及び/又はカルボキシ基、又はこれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩若しくは置換アンモニウム塩、あるいはスルホン酸基及び/又はカルボキシ基、又はこれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩若しくは置換アンモニウム塩で置換されたアルキル基又はエーテル結合を含むアルキル基を有している導電性ポリマーが挙げられる。
また、該π共役系導電性ポリマー中の窒素原子上に、酸性基、好ましくは、スルホン酸基及び/又はカルボキシ基、又はこれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩若しくは置換アンモニウム塩、あるいはスルホン酸基及び/又はカルボキシ基、又はこれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩若しくは置換アンモニウム塩で置換されたアルキル基又はエーテル結合を含むアルキル基を有している導電性ポリマーが挙げられる。
これらの中でも、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリイソチアナフテン骨格を有する導電性ポリマーが好ましい。特に好ましい導電性ポリマーは、チオフェン誘導体及び/またはアニリン誘導体を構成単位として有する東電性ポリマーである。具体的には、下記一般式(2)〜(3)で表される単位からなる群より選ばれた少なくとも1種の単位を、ポリマー全体の単位の総数中に20〜100mol%含有する導電性ポリマーである。
式(2)〜(3)中、Zは硫黄原子又は窒素原子を表し、R〜Rは、各々独立に、水素原子、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基、酸性基、水酸基、ニトロ基、ハロゲン原子、−N(R34)、−NHCOR34、−SR34、−OCOR34、−COOR34、−COR34、−CHO、及び−CNからなる群より選ばれ、R34は炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。但し、式(2)のR〜Rのうちの少なくとも1つ、式(3)のR〜Rのうちの少なくとも1つは、それぞれ酸性基である。
ここで、「酸性基」は、スルホン酸基(−SOH)又はカルボキシ基(−COOH)であることが好ましい。
なお、スルホン酸基には、スルホン酸基を有する置換基(−R35SOH)や、スルホン酸基のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、又は置換アンモニウム塩なども含まれる。
一方、カルボキシ基には、カルボキシ基を有する置換基(−R35COOH)や、カルボキシ基のアルカリ金属塩、アンモニウム塩又は置換アンモニウム塩なども含まれる。
ここで、前記R35は炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルキレン基、アリーレン基又はアラルキレン基を表す。
導電性ポリマー(A)としては、前記一般式(2)で表される単位を有するポリマーが好ましく、その中でも特に、高い導電性を発現できる観点から、下記一般式(1)で表される単位を有する導電性ポリマーであることが好ましい。
式(1)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基、酸性基、水酸基、ニトロ基、及びハロゲン原子からなる群より選ばれ、R〜Rのうちの少なくとも1つは酸性基である。 また、より高い導電性を発現できる観点から、酸性基としてはスルホン酸基又はカルボキシ基が好ましい。
導電性ポリマー(A)としては、下記一般式(4)で表される単位を、ポリマー全体の単位の総数中に20〜100mol%含有することが好ましい。
式(4)中、qは0<q<1の任意の数を示し、R〜R23は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基、酸性基、水酸基、ニトロ基、ハロゲン原子、−N(R34)、−NHCOR34、−SR34、−OCOR34、−COOR34、−COR34、−CHO、及び−CNからなる群より選ばれ、R34は炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。但し、R〜R25のうちの少なくとも1つは酸性基である。
前記導電性ポリマー(A)のなかでも、溶解性の観点から、スルホン酸基及び/又はカルボキシ基を有する単位の含有量が、ポリマー全体の単位の総数に対して50mol%以上の導電性ポリマーが好ましく、70mol%以上の導電性ポリマーがより好ましく、90mol%以上の導電性ポリマーがさらに好ましく、100mol%の導電性ポリマーが特に好ましい。
また、導電性及び溶解性の点から、芳香環に付加している置換基のうちの少なくとも1つはアルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子が好ましく、特に電子供与性を有するアルコキシ基が好ましい。これらの組み合わせの中で、最も好ましい導電性ポリマー(A)を下記一般式(5)に示す。
式(5)中、qは0<q<1の任意の数を示し、mは重合度を示し、3〜5000であり、R26は酸性基であり、R27は炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選ばれる。なお、式(5)において、導電性の観点から、R26は少なくともその一部が塩を形成していない酸性基であることが好ましい。
ここで、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ドデシル基、テトラコシル基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ヘプトキシ基、ヘクソオキシ基、オクトキシ基、ドデコキシ基、テトラコソキシ基などが挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
導電性ポリマー(A)は、化学重合や電解重合等の各種合成法により得られる。例えば、特開平07−324132号公報、特開平07−196791号公報、特開平10−158395号公報に記載の合成方法が適用できる。
すなわち、下記一般式(7)で表される酸性基置換アニリン、そのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、置換アンモニウム塩より選ばれる1つの化合物を、塩基性化合物を含む溶液中、酸化剤の存在下で重合させることにより前記導電性ポリマー(A)を得ることができる。
式(6)中、R28〜R33は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基、酸性基、水酸基、ニトロ基、ハロゲン原子、−N(R34)、−NHCOR34、−SR34、−OCOR34、−COOR34、−COR34、−CHO、及び−CNからなる群より選ばれ、R34は炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
但し、R28〜R33のうちの少なくとも1つは、酸性基である。
特に好ましい導電性ポリマー(A)は、アルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸、又はそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、置換アンモニウム塩を、塩基性化合物を含む溶液中で酸化剤により重合させることにより得られた導電性ポリマーである。
また、導電性ポリマー(A)の酸性基は、導電性向上の観点から少なくともその一部が遊離酸型であることが望ましい。
また、導電性ポリマー(A)の質量平均分子量は、溶解性、導電性、製膜性及び膜強度の観点から、2000〜300万であることが好ましく、3000〜100万であることがより好ましく、5000〜50万であることがさらに好ましく、3万〜10万であることが特に好ましい。
ここで、導電性ポリマー(A)の質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定される、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム換算した質量平均分子量である。
<水系エマルション(B)>
本発明の導電性組成物は、水系エマルション(B)を含有する。水系エマルションとしては、水系媒体中に微細、例えば平均粒径が0.001〜2.0μm程度の樹脂粒子がエマルション状態で分散されている熱可塑性、熱硬化性の高分子化合物である。導電性組成物に水系エマルション(B)が含まれていれば、得られる導電性のプラスチック基材への密着性と導電膜の導電性がより向上する。
水系エマルション(B)としては、後述する溶媒(D)に分散するものであれば特に限定されない。また、耐久性の観点で、重量平均分子量が5000以上、好ましくは10000以上のものが用いられる。
水系でエマルジョンを形成する高分子化合物としては、具体的には、水系アルキッド樹脂、水系メラミン樹脂、水系尿素樹脂、水系フェノール樹脂、水系エポキシ樹脂、水系ポリブタジエン樹脂、水系アクリル樹脂、水系ウレタン樹脂、水系アクリル/スチレン樹脂、水系酢酸ビニル/アクリル共重合樹脂、水系ポリエステル樹脂、水系スチレン/マレイン酸共重合樹脂、水系フッ素樹脂、水系酢酸ビニル樹脂、水系ナイロン樹脂、水系ポリイソシアネート樹脂、水系塩素化ポリオレフィン樹脂及びこれらの共重合体などが挙げられる。
水系エマルション(B)の含有量は、導電体の導電性、成膜性、成形性及び基材密着性向上の観点から、固形部換算で、導電性ポリマー(A)の固形分100質量部に対して、250〜850質量部である、好ましくは400〜850質量部である。
<水溶性ポリマー(C)>
本発明の導電性組成物は、水溶性ポリマー(C)を含有する。但し、水溶性ポリマー(C)には前記導電性ポリマー(A)は含まれない。水溶性ポリマー(C)としては、熱可塑性、熱硬化性の水溶性ポリマーを形成するものが用いられる。導電性組成物に水溶性ポリマー(C)が含まれていれば、導電性ポリマー同士や水系エマルション同士を覆うことで得られる導電体のラブオフ性を向上する。
水溶性ポリマー(C)としては、後述する溶媒(D)に溶解するものであれば特に限定されない。また、導電膜の耐久性の観点から、重量平均分子量が5000以上、好ましくは10000以上のものが用いられる。
水溶性ポリマー(C)としては、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール類、水溶性ナイロン樹脂、水溶性アルキッド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性尿素樹脂、水溶性フェノール樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリブタジエン樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ウレタン樹脂、水溶性アクリル/スチレン樹脂、水溶性酢酸ビニル/アクリル共重合樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性スチレン/マレイン酸共重合樹脂、水溶性フッ素樹脂、水溶性ポリイソシアネート樹脂、水溶性ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリスチレン系樹脂、セルロース系樹脂、ゼラチン、カゼイン、でんぷん、アラビアゴム、キトサン、デキストラン、グアーガム、水溶性ポリエーテル樹脂及びこられの共重合体などが挙げられる。
水溶性ポリマー(C)の含有量は、導電体の導電性、ラブオフ性の観点から、固形部換算で、導電性ポリマー(A)の固形分100質量部に対して、20〜250質量部であり、好ましくは50〜200質量部である。
<溶媒(D)>
本発明の導電性組成物には、溶媒(D)を含むことが好ましい。溶媒(D)は、導電性ポリマー(A)を溶解又は分散するものであれば特に限定されない。
例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、エチルイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、エチレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル等のエチレングリコール類、プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル等のプロピレングリコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等のピロリドン類、乳酸メチル、乳酸エチル、β−メトキシイソ酪酸メチル、α−ヒドロキシイソ酪酸メチル等のヒドロキシエステル類などが好ましく用いられる。特に、溶解性の観点から、水、水と有機溶媒との混合溶媒が好ましく用いられる。
ここで、溶解性、導電体の導電性及び平坦性の観点から、溶媒(D)の含有量は、導電性ポリマー(A)の固形分100質量部に対して、200〜100000質量部であることが好ましく、500〜100000質量部であることがより好ましい。溶媒(D)の含有量が200質量部以上であれば、十分な溶解性が得られ、表面が平坦な導電体が得られやすくなる。
<その他の成分>
本発明の導電性組成物には、上述した導電性ポリマー(A)、水系エマルション(B)、水溶性ポリマー(C)、溶媒(D)の他にも、任意に公知の添加剤を含有させることができる。
添加剤としては、塩基性化合物、架橋剤、可塑剤、分散剤、流動性調整剤、界面活性剤、滑剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、保存安定剤、接着助剤、増粘剤、レベリング剤、帯電防止剤、無機フィラー、スリップ剤、有機フィラーなどが挙げられる。
架橋剤としては、ブロックイソシアネートなどのイソシアネート類、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、メラミン化合物などが上げられる。
[導電体]
本発明の導電体は、本発明の導電性組成物を基材に塗布して、乾燥させることで形成される。
[積層体]
本発明の積層体は、少なくとも基材の一面に、前記導電体が形成されたものである。
以下、本発明の積層体の製造方法の一例について説明する。
基材としては、例えば、プラスチック、木材、紙材、セラミックス及びそれらフィルム、又はガラス板などが用いられる。これらの中でも、密着性の観点で、プラスチック及びそのフィルムが、好ましく用いられる。
プラスチック及びそのフィルムに用いられる高分子化合物としては、例えばポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、メタクリル樹脂、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアラミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルニトリル、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルホン、ポリサルホン、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン等が挙げられる。
プラスチック基材やそのフィルムには、導電体との密着性を向上させるために、導電体が形成される面に、予めコロナ表面処理又はプラズマ処理を施しておいてもよい。
また、コンデンサの電極等に用いられるアルミニウム、タンタル、ニオブ等の酸化皮膜表面に、導電性組成物を塗布して導電体を形成してもよい。
基材上に導電性組成物を塗布する方法としては、一般の塗工に用いられる方法を採用できる。例えば、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンフローコーター、スピンコーター、バーコーター、リバースコーター、キスコーター、ファンテンコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、キャストコーター、スクリーンコーター等の塗布方法、スプレーコーティング等の噴霧方法、ディップ等の浸漬方法などが用いられる。
基材上に導電性組成物を塗布して、導電体を形成した後は、そのまま導電体を常温下で放置してもよいし、導電体に対して加熱処理を行ってもよい。
導電体を加熱処理すれば、前述の水溶性ポリマー(C)の結晶化が促進され、ラブオフ性が向上し、水系バインダー(B)の基材への密着性も向上する。加えて、溶媒(D)の揮発も促進されるので、導電体の導電性がより向上する。
ここで、加熱処理温度は300℃以下が好ましく、より好ましくは250℃以下であり、特に好ましくは200℃以下である。
加熱処理温度が300℃以下であれば、導電性ポリマー(A)自体が分解するのを抑制できるので、導電性を良好に維持できる。
基材フィルム上に得られた導電層(帯電防止層)の膜厚は、1μm以下が好ましく、透明性や低ヘイズを維持する観点から0.5μm以下がより好ましく、更に0.1μm以下がより好ましい。膜厚が1μmより厚いと透明性の低下等の外観が劣化する場合がある。
透明性に関しては、全光線透過率が85%以上が好ましく、90%以上が更に好ましい。
尚、本発明の基材上に得られた導電性の帯電防止性能は、使用目的によって適宜設定することができるが、好ましくは表面抵抗値が1×1012Ω/□以下、より好ましくは1×1011Ω/□以下、更に1×1010Ω/□以下がより好ましい。他方、表面抵抗値が低すぎると、帯電防止性能は申し分ないが、絶縁性の低下というデメリットが生じる場合があるので、好ましくは1×10Ω/□以上である。
本発明の導電体は、例えば、各種帯電防止剤、コンデンサ、電池、EMIシールド、化学センサー、表示素子、非線形材料、防食材、接着剤、繊維、帯電防止塗料、防食塗料、電着塗料、メッキプライマー、電気防食、電池の蓄電能力向上等に適用可能である。特に、高い透明性と膜物性が高い為、半導体等各種電子部品の包装材料、磁気カード、磁気テープ、磁気ディスク、写真フィルム、印刷材料、離形フィルム、ヒートシールテープ・フィルム、ICトレイ、ICキャリアテープおよびカバーテープなどの用途が挙げられる。
<作用効果>
本発明の導電体は、本発明の導電性組成物より形成される導電体を備えるので、高い導電性を有し、透明性とラブオフ性を有する。よって、透明性とラブオフ性を有する帯電防止性を必要とする用途にも好適である。
また、本発明の導電体の製造方法によれば、本発明の導電性組成物を用いるので、導電体を常温下で放置しても加熱処理しても、高い導電性を有し、ラブオフ性に優れた導電体を製造できる。また、本発明の導電性組成物より得られる導電体ポリマー膜はラブオフ性を有するので、導電体を表面に形成したフィルムをロール形状に仕上げて、保存する事も可能である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[製造例]
<導電性ポリマー(A);ポリ(2−メトキシアニリン−5−スルホン酸)>
2−メトキシアニリン−5−スルホン酸100mmolを、25℃で4mol/Lのトリエチルアミン水溶液に攪拌溶解し、これにペルオキソ二硫酸アンモニウム100mmolの水溶液を滴下した。
滴下終了後、25℃で12時間さらに攪拌した後に、反応生成物を濾別洗浄後乾燥し、ポリマー粉末(ポリ(2−メトキシアニリン−5−スルホン酸))15gを得た。
得られた粉末10質量部を100質量部の水に溶解し、陽イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製、「アンバーライトIR−120B」)にて陽イオン交換し、ポリ(2−メトキシアニリン−5−スルホン酸)水溶液(a−1)を得た。
[実施例、比較例]
表1に示す導電性組成物を、PETフィルム基材上の塗布し、120℃1分乾燥後に積層体を得た。
得られた積層体について、以下に示す方法により、導電性、全光線透過率、ラブオフ性、密着性を評価した。
尚、用いたPETフィルムはコスモシャインA4100−188の未処理面を用いた。
結果を表2に示す。
<導電性の評価>
表1に示す導電性組成物を、ワイヤーバーNo5(想定膜厚100nm)を用いて、PETフィルム基材上に塗布して、塗膜を形成した後、ホットプレート上で、表1に示す条件で加熱処理して、導電体を得た。
得られた導電体の表面抵抗値を2端子法(電極間距離:20mm)により測定した。用いた装置はハイレスターMP−450(三菱アナリテック社製)にて測定した。
○:1×1010Ω/□未満
△:1010Ω/□台
×:1×1011Ω/□以上
<全光線透過率の評価>
JIS K7105に従い、ヘイズメーターHM-65W(村上色彩技術研究所製)にて測定を実施した。
○:全光線透過率90%以上
×:全光線透過率90%未満
<ラブオフ性の評価>
PET基材上に形成された導電体を、指で擦った後に表面抵抗を測定した。
○:指で擦った前後の表面抵抗値が変わらない
×:指で擦った前後の表面抵抗値が劣化(導電膜が脱離した)
<密着性の評価>
JIS K5600 5−6に従い、碁盤目剥離試験を実施した。
○:PET基材上への残膜率 ≧90/100
△:PET基材上への残膜率 =70〜90/100
×:PET基材上への残膜率 <70/100
<導電性ポリマー(A)>
a−1:前記[製造例]記載のポリ(2−メトキシアニリン−5−スルホン酸)水溶液
a−2:ポリチオフェン水溶液(Heraeus製:pH500)
<水系エマルション(B)>
b−1:水系ウレタンエマルション(第一工業製薬製:エラストロンH−3)
b−2:水系ポリエステル樹脂(東洋紡製:バイロナールM1985)
b−3:水系ポリエステル樹脂(日本合成化学製:ポリエスターWR905)
<水溶性ポリマー(C)>
c−1:ポリビニルアルコール(クラレ製:PVA−103)
<その他の成分>
e−1:トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン
表2から明らかなように、各実施例の導電性組成物は、高い導電性を有し、透明性、密着性かつラブオフ性に優れた導電体を形成できた。一方、本発明の導電性組成物ではない比較例の導電性組成物より得られた導電体は、導電性、透明性、密着性、ラブオフ性を兼ね備えた導電体にはならない。
本発明の導電性組成物は、電池、コンデンサ電解質、コンデンサ電解質の電解重合用プライマー、化学センサー、表示素子、非線形材料、防食剤、接着剤、繊維、防食塗料、電着塗料、メッキプライマー等の導電性材料として、また、磁気カード、磁気テープ、磁気ディスク、写真フィルム、印刷材料、離形フィルム、ヒートシールテープ・フィルム、ICトレイ、ICキャリアテープ、カバーテープ、電子部品包装材等の帯電防止剤として、広い分野での利用が期待される。

Claims (7)

  1. ポリアニオンを含まない導電性ポリマー(A)、水系エマルション(B)及び水溶性
    ポリマー(C)を含む導電性組成物であって、導電性ポリマー(A)100質量部に対し
    、水系エマルション(B)250〜850質量部及び水溶性ポリマー(C)20〜25
    0質量部を含む導電性組成物。
  2. 前記導電性ポリマー(A)が、チオフェン誘導体及び/またはアニリン誘導体を構成単
    位として有する、請求項1に記載の導電性組成物。
  3. 前記導電性ポリマー(A)が酸性基を有する、請求項1または2記載の導電性組成物。
  4. 前記酸性基が、スルホン酸基及び/またはカルボキシ基である、請求項3記載の導電性
    組成物。
  5. 前記導電性ポリマー(A)が、下記一般式(1)で表される単位を有する、請求項1〜
    4のいずれか一項に記載の導電性組成物。
    (式(1)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、炭素数1〜24の直鎖若しくは分
    岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基、酸性基、水酸基、
    ニトロ基、及びハロゲン原子からなる群より選ばれ、R〜Rのうちの少なくとも1つ
    は酸性基である。)
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の導電性組成物を用いた導電体。
  7. 少なくとも基材の一面に、請求項6記載の導電体が形成された積層体。
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