JP6521823B2 - ダイシングダイボンディングシート - Google Patents
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Description
半導体ウエハは、貼付されているダイシングダイボンディングシートとともに、ダイシングにより半導体チップとされ、この半導体チップは裏面に貼付されている接着剤層とともに支持シートからピックアップされた後、この接着剤層によって基板、リードフレーム、他の半導体チップ等に取り付けられる。ダイシングダイボンディングシートを使用したこれら一連の工程の中でも、半導体チップのピックアップは、ダイシングと並んで特に重要な工程である。そこで、半導体チップのピックアップを良好に行うためのダイシングダイボンディングシートが種々検討されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
[有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率(%)]=[有機ケイ素化合物由来のケイ素原子数の比率(Atomic%)]/{[全炭素原子数の比率(Atomic%)]+[全酸素原子数の比率(Atomic%)]+[全ケイ素原子数の比率(Atomic%)]}×100 ・・・・(I)
本発明のダイシングダイボンディングシートは、前記接着剤層において、前記第1面における前記ケイ素原子の含有比率が4.0%以上であるものが好ましい。
本発明のダイシングダイボンディングシートにおいては、前記有機ケイ素化合物が、シランカップリング剤及びシリコーンオイルからなる群より選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
本発明に係るダイシングダイボンディングシートは、支持シート上に接着剤層を備えてなり、前記接着剤層の表面のうち、前記支持シート側の第1面が、前記第1面とは反対側の第2面よりも、下記式(I)で算出される、前記接着剤層の表面における有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率が高いものである。
[有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率(%)]=[有機ケイ素化合物由来のケイ素原子数の比率(Atomic%)]/{[全炭素原子数の比率(Atomic%)]+[全酸素原子数の比率(Atomic%)]+[全ケイ素原子数の比率(Atomic%)]}×100 ・・・・(I)
なお、本明細書においては、前記他の層の場合に限らず、「複数層が互いに同一でも異なっていてもよい」とは、「すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが同一であってもよい」ことを意味し、さらに「複数層が互いに異なる」とは、「各層の材質及び厚さの少なくとも一方が互いに異なる」ことを意味する。
接着剤層が複数層からなる場合には、支持シート側の最外層の接着剤層における支持シート側の表面が第1面となり、支持シート側とは反対側、すなわち半導体ウエハへ貼付される貼付側の最外層の接着剤層における貼付側の表面が第2面となる。複数層からなる接着剤層においては、この条件が満たされれば、これら最外層の間に位置する1層以上の中間の接着剤層の組成等は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されない。例えば、これら中間の接着剤層の表面における、前記式(I)で算出される有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率は、特に限定されず、これら中間の接着剤層は、接着剤層として後述ものから任意に選択できる。
ここに示すダイシングダイボンディングシート1Cは、接着剤層として、支持シート10側から第1接着剤層231及び第2接着剤層232がこの順に積層されてなる2層構造の接着剤層23を備えている点以外は、図1に示すダイシングダイボンディングシート1Aと同じものである。すなわち、ダイシングダイボンディングシート1Cは、基材11上に粘着剤層12を備え、粘着剤層12上に接着剤層23を備えてなるものであり、換言すると、支持シート10の一方の表面10a上に接着剤層23が積層された構成を有する。また、ダイシングダイボンディングシート1Cは、さらに接着剤層23上に剥離フィルム14を備えている。
ダイシングダイボンディングシート1Cにおいては、接着剤層23の表面のうち、第1面23b(第1接着剤層231の他方の表面231b)は、第2面23a(第2接着剤層232の一方の表面232a)よりも前記式(I)で算出される、接着剤層23の表面における有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率が高くなっている。
次に、ダイシングダイボンディングシートを構成する各層について、さらに詳細に説明する。
支持シートの厚さは、ダイシングダイボンディングシートの可撓性、接着剤層の半導体ウエハ又は半導体チップに対する貼付性、支持シートの層構成等を考慮して適宜選択すればよいが、例えば、10〜500μmであることが好ましく、20〜350μmであることがより好ましく、30〜200μmであることが特に好ましい。
ここで、「支持シートの厚さ」とは、支持シートを構成する各層の合計の厚さを意味し、例えば、基材及び粘着剤層が積層されてなる支持シートの場合には、基材の厚さ及び粘着剤層の厚さの合計値を意味し、基材のみからなる支持シートの場合には、基材の厚さを意味する。
基材の材質は、各種樹脂であることが好ましく、その具体的な例としては、ポリエチレン(低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE等))、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニルフィル、塩化ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリウレタンアクリレート、ポリイミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート、フッ素樹脂、これらのいずれかの樹脂の水添加物、変性物、架橋物又は共重合物等が挙げられる。
支持シートが、基材と、粘着剤層等のその他のものと、が積層されてなるものである場合、基材の厚さは、15〜300μmであることが好ましく、20〜200μmであることがより好ましい。基材の厚さがこのような範囲であることで、ダイシングダイボンディングシートの可撓性と、接着剤層の半導体ウエハ又は半導体チップへの貼付性と、がより向上する。
なお、基材が複数層からなる場合には、各層の合計の厚さが、上記の好ましい基材の厚さとなるようにするとよい。
前記粘着剤層は、公知のものを適宜使用できる。
粘着剤層は、これを構成するための、粘着剤等の各種成分を含有する粘着剤組成物を用いて形成でき、例えば、前記粘着剤組成物を目的とする箇所に塗工し、乾燥させることで形成できる。粘着剤組成物中の、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、粘着剤層の前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。なお、本明細書において、「常温」とは、特に冷やしたり、熱したりしない温度、すなわち平常の温度を意味し、例えば、15〜25℃の温度等が挙げられる。
粘着剤層が複数層からなる場合には、各層の合計の厚さが、上記の好ましい粘着剤層の厚さとなるようにするとよい。
なお、本明細書において、「エネルギー線」とは、電磁波又は荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するものを意味し、その例として、紫外線、電子線等が挙げられる。紫外線は、例えば、紫外線源として高圧水銀ランプ、ヒュージョンHランプ又はキセノンランプ等を用いることで照射できる。電子線は、電子線加速器等によって発生させたものを照射できる。
前記粘着性樹脂は、アクリル系樹脂であることが好ましく、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位を含む、(メタ)アクリル酸エステル共重合体であることがより好ましい。
粘着剤組成物(i)は、前記アクリル系樹脂とエネルギー線重合性化合物とを必須成分として含有する。
以下、各成分について説明する。
粘着剤組成物(i)における前記アクリル系樹脂で好ましいものとしては、例えば、モノマーとして(メタ)アクリル酸エステルと、必要に応じて用いられる、(メタ)アクリル酸エステル以外のモノマーと、を重合して得られた、(メタ)アクリル酸エステル共重合体が挙げられる。
(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;
(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アラルキルエステル;
(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルエステル等の(メタ)アクリル酸シクロアルケニルエステル;
(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチルエステル等の(メタ)アクリル酸シクロアルケニルオキシアルキルエステル;
(メタ)アクリル酸イミド;
(メタ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル基含有(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
前記エネルギー線重合性化合物は、エネルギー線の照射により重合して硬化する化合物であり、その例としては、分子内にエネルギー線硬化性二重結合等のエネルギー線重合性基を有するものが挙げられる。
ジシクロペンタジエンジメトキシジ(メタ)アクリレート等の環状脂肪族骨格含有(メタ)アクリレート;
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ変性(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、イタコン酸オリゴマー等の(メタ)アクリレート系化合物等が挙げられる。
粘着剤組成物(i)は、前記アクリル系樹脂及びエネルギー線重合性化合物以外に、光重合開始剤を含有していてもよい。
アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1等のアセトフェノン系化合物;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アニソインメチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;
ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール等のケタール系化合物;
2−ナフタレンスルホニルクロリド等の芳香族スルホニルクロリド系化合物;
1−フェノン−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)等の光活性オキシム系化合物;
ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;
2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン等のアントラキノン系化合物;
チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;
p−ジメチルアミノ安息香酸エステル;カンファーキノン;ハロゲン化ケトン;ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド;アシルホスフォナート、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]等が挙げられる。
粘着剤組成物(i)は、前記アクリル系樹脂及びエネルギー線重合性化合物以外に、架橋剤を含有していてもよい。
前記架橋剤としては、例えば、有機多価イソシアネート化合物、有機多価イミン化合物等が挙げられる。
粘着剤組成物(i)は、前記アクリル系樹脂及びエネルギー線重合性化合物以外に、さらに溶媒を含有することが好ましい。
前記溶媒は特に限定されないが、好ましいものとしては、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素;メタノール、エタノール、2−プロパノール、イソブチルアルコール(2−メチルプロパン−1−オール)、1−ブタノール等のアルコール;酢酸エチル等のエステル;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;テトラヒドロフラン等のエーテル;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド(アミド結合を有する化合物)等が挙げられる。
粘着剤組成物(i)が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
粘着剤組成物(i)は、前記アクリル系樹脂及びエネルギー線重合性化合物以外に、本発明の効果を損なわない範囲内において、前記光重合開始剤、架橋剤及び溶媒に該当しないその他の成分を含有していてもよい。
前記その他の成分は、公知のものでよく、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されないが、好ましいものとしては、例えば、着色剤(染料、顔料)、劣化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、シリコーン化合物、連鎖移動剤等の各種添加剤が挙げられる。
粘着剤組成物(i)が含有する前記その他の成分は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
粘着剤組成物(ii)は、水酸基を有し、かつ重合性基を側鎖に有するアクリル系樹脂(例えば、水酸基を有し、かつウレタン結合を介して重合性基を側鎖に有するもの)と、イソシアネート系架橋剤と、を必須成分として含有する。
粘着剤組成物(ii)を用いた場合には、アクリル系樹脂が重合性基を側鎖に有することにより、粘着剤組成物(i)の場合のように、エネルギー線重合性化合物を用いて、エネルギー線の照射により重合反応させた場合よりも、重合反応(硬化)後の粘着剤層の粘着性低下による被着体からの剥離性が向上し、接着剤層付き半導体チップのピックアップ性が向上する。
なお、本明細書においては、粘着剤組成物(ii)における「アクリル系樹脂」との記載は、特に断りのない限り、「重合性基を側鎖に有するアクリル系樹脂」を意味するものとする。
上述の重合性基を側鎖に有するアクリル系樹脂としては、例えば、モノマーとして、水酸基を有しない水酸基非含有(メタ)アクリル酸エステルと、水酸基を有する水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル等の水酸基含有化合物と、を共重合させ、得られた水酸基含有共重合体の水酸基に、イソシアネート基及び重合性基を有する化合物のイソシアネート基を反応させて、ウレタン結合を形成して得られたものが挙げられる。
また、前記水酸基含有化合物としては、粘着剤組成物(i)における水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルと同じものが挙げられる。
前記アクリル系樹脂を構成する、水酸基非含有(メタ)アクリル酸エステル及び水酸基含有化合物は、それぞれ1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
前記アクリル系樹脂を構成する、前記イソシアネート基及び重合性基を有する化合物は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
前記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、粘着剤組成物(i)における架橋剤である前記有機多価イソシアネート化合物と同じものが挙げられる。
粘着剤組成物(ii)は、前記アクリル系樹脂及びイソシアネート系架橋剤以外に、光重合開始剤を含有していてもよい。
前記光重合開始剤としては、例えば、粘着剤組成物(i)の場合と同じものが挙げられる。
粘着剤組成物(ii)が含有する光重合開始剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
粘着剤組成物(ii)は、前記アクリル系樹脂及びイソシアネート系架橋剤以外に、さらに溶媒を含有することが好ましい。
前記溶媒としては、例えば、粘着剤組成物(i)の場合と同じものが挙げられる。
粘着剤組成物(ii)が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
粘着剤組成物(ii)は、前記アクリル系樹脂及びイソシアネート系架橋剤以外に、本発明の効果を損なわない範囲内において、前記光重合開始剤及び溶媒に該当しないその他の成分を含有していてもよい。
前記その他の成分としては、例えば、粘着剤組成物(i)の場合と同じものが挙げられる。
粘着剤組成物(ii)が含有する前記その他の成分は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
このような非エネルギー線硬化性粘着剤組成物で好ましいものとしては、例えば、アクリル系樹脂及び架橋剤を含有するもの(以下、「粘着剤組成物(iii)」と略記することがある。)等が挙げられ、溶媒、溶媒に該当しないその他の成分等の任意成分を含有していてもよい。
粘着剤組成物(iii)が含有する前記アクリル系樹脂、架橋剤、溶媒及びその他の成分は、いずれも粘着剤組成物(i)におけるものと同様のものである。
粘着剤組成物(i)〜(iii)等の前記粘着剤組成物は、前記粘着剤と、必要に応じて前記粘着剤以外の成分等の、粘着剤組成物を構成するための各成分を配合することで得られる。
各成分の配合時における添加順序は特に限定されず、2種以上の成分を同時に添加してもよい。
配合時に各成分を混合する方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサーを用いて混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
各成分の添加及び混合時の温度並びに時間は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、適宜調節すればよい。
前記接着剤層は、支持シート上に設けられている。そして、接着剤層の支持シート側の表面である第1面は、接着剤層の支持シート側とは反対側の表面である第2面よりも、前記式(I)で算出される、前記接着剤層の表面における有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率が高くなっている。
そして、前記式(I)において、「全酸素原子数」とは、有機酸素化合物由来の酸素(O)原子の総数と、無機酸素化合物由来の酸素(O)原子の総数と、の和を意味する。ここで、「有機酸素化合物」とは、構成原子として酸素(O)原子を含む有機化合物を意味し、「無機酸素化合物」とは、構成原子として酸素(O)原子を含む無機化合物を意味する。
ここで、「有機化合物由来の炭素原子」とは、有機化合物を構成している炭素原子を意味し、「無機炭素化合物由来の炭素原子」とは、無機化合物を構成している炭素原子を意味する。同様に、「有機酸素化合物由来の酸素原子」とは、有機酸素化合物を構成している酸素素原子を意味し、「無機酸素化合物由来の酸素原子」とは、無機酸素化合物を構成している酸素素原子を意味する。
同様に、接着剤層の第1面及び第2面における、無機ケイ素化合物由来のケイ素原子数の比率(Atomic%)は、例えば、前記接着剤組成物を用いて接着剤層を形成するときに、前記接着剤組成物の無機ケイ素化合物の含有量を調節することで、調節できる。
このように、接着剤層の第1面及び第2面における、全ケイ素原子数の比率(Atomic%)は、前記接着剤組成物を用いて接着剤層を形成するときに、前記接着剤組成物のケイ素原子を含有する化合物(ケイ素原子含有化合物)の含有量を調節することで、調節できる。
同様に、接着剤層の第1面及び第2面における、無機ケイ素化合物由来のケイ素原子数の比率(Atomic%)は、例えば、これらの面に後述する剥離材を接触させる場合、この剥離材のこれら面との接触面における、無機ケイ素化合物の含有量を調節することでも、調節できる。
このように、接着剤層の第1面及び第2面における、全ケイ素原子数の比率(Atomic%)は、剥離材のこれら面との接触面における、ケイ素原子を含有する化合物(ケイ素原子含有化合物)の含有量を調節することでも、調節できる。
すなわち、接着剤層の第1面及び第2面における、有機化合物中の炭素原子数の比率(Atomic%)は、例えば、前記接着剤組成物を用いて接着剤層を形成するときに、前記接着剤組成物の有機化合物の含有量を調節することで、調節できる。
そして、接着剤層の第1面及び第2面における、無機炭素化合物中の炭素原子数の比率(Atomic%)は、例えば、前記接着剤組成物を用いて接着剤層を形成するときに、前記接着剤組成物の無機炭素化合物の含有量を調節することで、調節できる。
すなわち、接着剤層の第1面及び第2面における、有機酸素化合物中の酸素原子数の比率(Atomic%)は、例えば、前記接着剤組成物を用いて接着剤層を形成するときに、前記接着剤組成物の有機酸素化合物の含有量を調節することで、調節できる。
そして、接着剤層の第1面及び第2面における、無機酸素化合物中の酸素原子数の比率(Atomic%)は、例えば、前記接着剤組成物を用いて接着剤層を形成するときに、前記接着剤組成物の無機酸素化合物の含有量を調節することで、調節できる。
接着剤層が複数層からなる場合には、各層の合計の厚さが、上記の好ましい粘着剤層の厚さとなるようにするとよい。
接着剤層は、これを構成するための成分を含有する接着剤組成物を用いて形成でき、例えば、前記接着剤組成物を目的とする箇所に塗工し、乾燥させることで形成できる。接着剤組成物中の、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、接着剤層の前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。
次に、接着剤組成物及び接着剤層の含有成分について説明する。
重合体成分(A)は、重合性化合物が重合反応して形成されたとみなせる成分であり、接着剤層に造膜性や、可撓性等を付与するための重合体化合物である。重合体成分(A)は、熱硬化性成分(B)にも該当する場合がある。例えば、フェノキシ樹脂や、側鎖にエポキシ基を有するアクリル系樹脂等は、重合体成分(A)に該当し、かつ熱硬化性成分(B)にも該当することがある。本発明において、このような成分は、重合体成分(A)として取り扱う。
アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、10000〜2000000であることが好ましく、100000〜1500000であることがより好ましい。アクリル系樹脂の重量平均分子量が前記下限値以上であることで、接着剤層と支持シートとの接着力(例えば、接着剤層と、後述する硬化後の粘着剤層との接着力)が抑制されて、接着剤層付き半導体チップのピックアップ性がより向上する。また、アクリル系樹脂の重量平均分子量が前記上限値以下であることで、被着体の凹凸面へ接着剤層が追従し易くなり、被着体と接着剤層との間でボイド等の発生がより抑制される。
なお、本明細書において、重量平均分子量とは、特に断りのない限り、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算値を意味する。
(メタ)アクリル酸シクロアルキル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸イミド等の、環状骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル基含有(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸N−メチルアミノエチル等の置換アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。ここで、「置換アミノ基」とは、アミノ基の1個又は2個の水素原子が水素原子以外の基で置換されてなる基を意味する。
このように、接着剤層が、重合体成分(A)としてアクリル系樹脂を含有する場合、接着剤層のアクリル系樹脂の含有量は、5〜90質量%であることが好ましく、40〜80質量%であることがより好ましい。
熱硬化性成分(B)は、接着剤層を硬化させるための成分である。熱硬化性成分(B)は、重合体成分(A)にも該当する場合があるが、このような成分は重合体成分(A)として取り扱う。
エポキシ系熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂(B1)及び熱硬化剤(B2)からなる。
エポキシ系熱硬化性樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂(B1)のエポキシ当量は、100〜1100g/eqであることが好ましく、150〜1000g/eqであることがより好ましい。
熱硬化剤(B2)としては、例えば、1分子中にエポキシ基と反応し得る官能基を2個以上有する化合物が挙げられる。前記官能基としては、例えば、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシ基、酸基が無水物化された基等が挙げられ、フェノール性水酸基、アミノ基、又は酸基が無水物化された基であることが好ましく、フェノール性水酸基又はアミノ基であることがより好ましく、フェノール性水酸基であることが特に好ましい。
熱硬化剤(B2)のうち、アミノ基を有するアミン系硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド(以下、「DICY」と略記することがある)等が挙げられる。
不飽和炭化水素基を有する熱硬化剤(B2)としては、例えば、フェノール樹脂の水酸基の一部が、不飽和炭化水素基を有する基で置換されてなる化合物、フェノール樹脂の芳香環に、不飽和炭化水素基を有する基が直接結合してなる化合物等が挙げられる。
熱硬化剤(B2)における前記不飽和炭化水素基は、上述の不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂における不飽和炭化水素基と同様のものである。
接着剤組成物は硬化促進剤(C)を含有していてもよい。硬化促進剤(C)は、接着剤組成物の硬化速度を調整するための成分である。
好ましい硬化促進剤(C)としては、例えば、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の第3級アミン;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類(1個以上の水素原子が水素原子以外の基で置換されたイミダゾール);トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類(1個以上の水素原子が有機基で置換されたホスフィン);テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩等が挙げられる。
接着剤組成物及び接着剤層は、充填材(D)を含有していてもよい。接着剤層が充填材(D)を含有することにより、硬化後の接着剤層は熱膨張係数の調整が容易となり、この熱膨張係数を半導体チップに対して最適化することで、パッケージ信頼性を向上させることができる。
また、接着剤層が充填材(D)を含有することにより、硬化後の接着剤層の吸湿率を低減することもできる。
好ましい無機充填材としては、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化ケイ素、窒化ホウ素等の粉末;これらシリカ等を球形化したビーズ;これらシリカ等の表面改質品;これらシリカ等の単結晶繊維;ガラス繊維等が挙げられる。
これらの中でも、無機充填材は、シリカフィラー又はアルミナフィラーであることが好ましい。
そして、充填材(D)を用いる場合、接着剤組成物の溶媒以外の成分の総含有量に対する充填材(D)の含有量の割合(すなわち、接着剤層の充填材(D)の含有量)は、1〜35質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましく、2.5〜25質量%であることが特に好ましく、例えば、4〜25質量%であってもよい。
充填材(D)は、接着剤層の表面に存在した場合、この表面と接着される被着体との接着力を低減し得る。一方、充填材(D)の含有量が前記上限値以下であることで、接着剤層の第1面と支持シートの表面との接着力、接着剤層の第2面と半導体ウエハ又は半導体チップの裏面との接着力を、それぞれ目的とする範囲内に調節することがより容易となる。
また、充填材(D)を用いる場合、充填材(D)の含有量が前記下限値以上であることで、充填材(D)を用いたことによる効果がより顕著に得られる。
接着剤組成物及び接着剤層は、カップリング剤(E)を含有していてもよい。接着剤層は、カップリング剤(E)として、無機化合物又は有機化合物と反応可能な官能基を有するものを用いることにより、接着剤層の被着体に対する接着性及び密着性を向上させることができる。また、カップリング剤(E)を用いることで、接着剤層を硬化して得られた硬化物は、耐熱性を損なうことなく、耐水性が向上する。
シランカップリング剤は、接着剤層の第1面及び第2面において、ケイ素原子の含有比率(%)に影響を与え得る前記有機ケイ素化合物に該当する。
カップリング剤(E)を用いる場合、接着剤組成物及び接着剤層のカップリング剤(E)の含有量は、重合体成分(A)及び熱硬化性成分(B)の総含有量100質量部に対して、0.03〜20質量部であることが好ましく、0.05〜10質量部であることがより好ましく、0.1〜5質量部であることが特に好ましい。
カップリング剤(E)の前記含有量が前記上限値以下であることで、アウトガスの発生がより抑制される。
また、カップリング剤(E)を用いる場合、カップリング剤(E)の前記含有量が前記下限値以上であることで、カップリング剤(E)を用いたことによる効果がより顕著に得られる。
重合体成分(A)として、他の化合物と結合可能な、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、水酸基、カルボキシ基、イソシアネート基等の官能基を有する、上述のアクリル系樹脂を用いる場合、この官能基を他の化合物と結合させて架橋するために、架橋剤(F)を用いることができる。架橋剤(F)を用いて架橋することにより、接着剤層の初期接着力及び凝集力を調節できる。
接着剤組成物及び接着剤層は、シリコーンオイル(G)を含有していてもよい。
シリコーンオイル(G)は、構成原子としてケイ素原子を有するオイル状成分であり、接着剤層の第1面及び第2面において、ケイ素原子の含有比率(%)に影響を与え得る前記有機ケイ素化合物に該当する。
なお、シリコーンオイル(G)は、重合体成分(A)等の、上述の他の成分にも該当する場合がある。本発明において、このような成分は、シリコーンオイル(G)として取り扱う。
前記オルガノポリシロキサンが側鎖として有する有機基としては、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基又はアラルキル基(アリールアルキル基)等が挙げられる。なお、本明細書において、「置換基を有する」とは、特に断りのない限り、元の化合物の1個以上の水素原子が水素原子以外の基(置換基)で置換されていることを意味する。
また、前記オルガノポリシロキサンが有する前記置換基は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
直鎖状又は分岐鎖状の前記アルキル基は、炭素数が1〜30であることが好ましい。
環状の前記アルキル基は、炭素数が3〜30であることが好ましい。
なかでも、前記アルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。
前記アリール基は、炭素数が6〜30であることが好ましい。
なかでも、前記アリール基は、単環状であることが好ましい。
前記アラルキル基としては、例えば、前記アルキル基から1個の水素原子が除かれてなるアルキレン基が、前記アリール基に結合してなる一価の基が挙げられる。
前記アラルキル基は、炭素数が7〜31であることが好ましい。
なかでも、前記アラルキル基は、これを構成している前記アリール基が単環状であり、前記アリール基に結合しているアルキレン基が直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。
前記オルガノポリシロキサンにおいて、前記有機基が置換基を有する場合、1個の前記有機基が有する置換基は、1個でもよいし、2個以上でもよく、2個以上である場合、これら置換基はすべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。
そして、シリコーンオイル(G)を用いる場合、接着剤組成物の溶媒以外の成分の総含有量に対するシリコーンオイル(G)の含有量の割合(すなわち、接着剤層のシリコーンオイル(G)の含有量)は、0.001〜5質量%であることが好ましく、0.05〜3.5質量%であることがより好ましく、0.1〜2質量%であることが特に好ましい。
シリコーンオイル(G)の含有量が前記上限値以下であることで、接着剤層の第1面と支持シートの表面との接着力、接着剤層の第2面と半導体ウエハ又は半導体チップの裏面との接着力を、それぞれ目的とする範囲内に調節することがより容易となる。
また、シリコーンオイル(G)を用いる場合、シリコーンオイル(G)の含有量が前記下限値以上であることで、シリコーンオイル(G)を用いたことによる効果がより顕著に得られる。
接着剤組成物及び接着剤層は、上述の成分以外に、汎用添加剤(H)を含有していてもよい。
汎用添加剤(H)としては、例えば、公知のレベリング剤、可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、着色剤(顔料、染料)、イオン捕捉剤、ゲッタリング剤、連鎖移動剤等が挙げられる。
汎用添加剤(H)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
接着剤組成物は、希釈によってその取り扱い性が向上する点から、さらに溶媒を含有するものが好ましい。
接着剤組成物が含有する溶媒は、特に限定されないが、好ましいものとしては、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素;メタノール、エタノール、2−プロパノール、イソブチルアルコール(2−メチルプロパン−1−オール)、1−ブタノール等のアルコール;酢酸エチル等のエステル;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;テトラヒドロフラン等のエーテル;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド(アミド結合を有する化合物)等が挙げられる。
接着剤組成物が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
接着剤組成物は、これを構成するための上述の各成分を配合することで得られる。
各成分の配合時における添加順序は特に限定されず、2種以上の成分を同時に添加してもよい。
溶媒を用いる場合には、溶媒を溶媒以外のいずれかの配合成分と混合してこの配合成分を予め希釈しておくことで用いてもよいし、溶媒以外のいずれかの配合成分を予め希釈しておくことなく、溶媒をこれら配合成分と混合することで用いてもよい。
各成分の添加及び混合時の温度並びに時間は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、適宜調節すればよい。
一方、接着剤層の第1面における前記ケイ素原子の含有比率の上限値は、特に限定されないが、接着剤層と支持シートとを安定して接着できる効果がより高くなる点から、例えば、15%であることが好ましい。
一方、ケイ素原子の含有比率の差の上限値は、特に限定されないが、接着剤層のすべての特性がより良好となる点から、例えば、15%であることが好ましい。
一方、接着剤層の第2面における前記ケイ素原子の含有比率の下限値は、特に限定されず、例えば、0.001%が挙げられるが、これに限定されない。
本発明に係るダイシングダイボンディングシートは、例えば、接着剤層を構成するための成分を含有する接着剤組成物を、剥離材の剥離処理面に塗工して、接着剤層を形成する工程(以下、「接着剤層形成工程」と称することがある)と、前記接着剤層から前記剥離材を剥離させ、前記接着剤層の前記剥離材と接触していた面(以下、この面を「塗工面」と称し、この塗工面とは反対側の面を「貼合面」と称することがある)を、支持シートの表面と貼り合わせて、前記支持シートに前記接着剤層を積層する工程(以下、「積層工程」と称することがある)と、を有する製造方法(以下、「製造方法(1)」と称することがある)で製造できる。接着剤層の塗工面及び貼合面は、前記接着剤層形成工程において決定される。
一方、支持シートが、基材上に他の層が積層されてなるものである場合には、前記積層工程においては、接着剤層の前記塗工面を、前記他の層の基材と接触している側とは反対側の表面(露出面)と貼り合わせて、前記基材、他の層及び接着剤層がこの順に積層されてなる積層体を形成すればよい。
一方、基材上に他の層が積層されてなる支持シートを製造する場合には、例えば、前記他の層を構成するための成分を含有する組成物を、基材の表面に塗工して、必要に応じて乾燥させることで、基材に前記他の層を積層すればよい。また、基材上に他の層が積層されてなる支持シートを製造する場合には、例えば、前記他の層を構成するための成分を含有する組成物を、剥離材の剥離処理面に塗工して、必要に応じて乾燥させることで、剥離材上に前記他の層を形成した後、形成した前記他の層の表面(露出面)を前記基材の表面と貼り合わせることで、基材に前記他の層を積層してもよい。この場合、前記剥離材は、前記他の層への接着剤層の積層時までに取り除けばよい。そして、前記剥離材は、上述の接着剤組成物の塗工に用いる剥離材と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
すなわち、このようなダイシングダイボンディングシートは、前記接着剤組成物を第1剥離材の剥離処理面に塗工して、接着剤層を形成する工程(接着剤層形成工程)と、前記粘着剤組成物を第2剥離材の剥離処理面に塗工して、粘着剤層を形成する工程(以下、「粘着剤層形成工程(β)」と称することがあり、これと区別するために、上述の製造方法(1)−1における粘着剤層形成工程を「粘着剤層形成工程(α)」と称することがある)と、前記接着剤層から前記第1剥離材を剥離させ、前記接着剤層の前記第1剥離材と接触していた面(塗工面)を、前記粘着剤層の第2剥離材と接触している側とは反対側の表面(露出面)と貼り合わせて、前記粘着剤層に前記接着剤層を積層する工程(以下、「積層工程(β)−1」と称することがあり、これと区別するために、上述の製造方法(1)及び製造方法(1)−1における積層工程を「積層工程(α)」と称することがある)と、前記粘着剤層から前記第2剥離材を剥離させ、前記粘着剤層の前記第2剥離材と接触していた面を、基材の表面と貼り合わせて、前記粘着剤層に基材を積層する工程(以下、「積層工程(β)−2」と称することがある)と、を有する製造方法(以下、「製造方法(2)−1」と称することがある)で製造できる。製造方法(2)−1も、製造方法(1)の場合と同様の貼合工程を有することが好ましい。
接着剤層の形成対象面へ接着剤組成物を塗工し、接着剤層を形成することによって、接着剤層は、前記形成対象面と接触した状態の表面である塗工面と、この塗工面とは反対側に位置し、前記形成対象面と接触していない状態の表面である非塗工面(すなわち、前記貼合面)と、を有するものとなる。理由は定かではないが、前記塗工面は、前記貼合面よりも、前記式(I)で算出される、前記接着剤層の表面における有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率が高くなることが、初めて見出された。そして、前記塗工面を第1面として選択し、前記貼合面を第2面として選択することで、ダイシングダイボンディングシートにおいては、同じ接着剤層を用いる限り、接着剤層の支持シートとの間の剥離力が安定化し、半導体チップのピックアップ適性が安定化することが初めて見出された。
なお、シリコーン系の剥離剤は、接着剤層の第1面及び第2面において、ケイ素原子の含有比率(%)に影響を与え得る前記有機ケイ素化合物に該当する。
また、上述の製造方法の粘着剤層形成工程、粘着剤層形成工程(α)又は粘着剤層形成工程(β)において、粘着剤層は、粘着剤組成物を粘着剤層の形成対象面に塗工した後、乾燥させることで形成することが好ましい。このとき必要に応じて、塗工した粘着剤組成物を加熱することで、架橋してもよい。加熱条件は、例えば、80〜130℃で1〜5分間とすることができるが、これに限定されない。
本法では、次いで、図4(b)に示すように、接着剤層13の剥離材90と接触している側とは反対側の表面(露出面)に、別途剥離材14の剥離処理面14aを貼り合わせる、前記貼合工程を行うことが好ましい。
以上により、図4(d)に示すように、接着剤層13の前記塗工面13b’が第1面13bとなり、接着剤層13の剥離材14との接触面が第2面13aとなって、ダイシングダイボンディングシート1Aが得られる。
本発明に係るダイシングダイボンディングシートの使用方法は、以下に示すとおりである。
すなわち、まず、ダイシングダイボンディングシートの接着剤層に半導体ウエハの裏面を貼付するとともに、ダイシングダイボンディングシートをダイシング装置に固定する。
次いで、半導体ウエハをダイシングして個片化し、半導体チップとする。
次いで、半導体チップをその裏面に貼付されている接着剤層とともに支持シートから剥離させてピックアップすることにより、接着剤層付き半導体チップを得る。このとき、支持シートが、基材上に粘着剤層が積層されてなるものである場合には、必要に応じて粘着剤層にエネルギー線を照射して、粘着剤層を硬化させてその粘着性を低下させた後にピックアップを行うことにより、さらに安定して容易にピックアップを行うことができる。
そして、本発明に係るダイシングダイボンディングシートにおいては、接着剤層の第1面が、上記のように、接着剤層の第2面よりも前記ケイ素原子の含有比率が高いことにより、同じ接着剤層を用いている限り、接着剤層の支持シートとの間の剥離力が安定化する。したがって、ピックアップのときに接着剤層が半導体チップとともに支持シートから容易に剥離するだけでなく、このときの剥離力が安定しており、半導体チップのピックアップ適性が安定化する。
[重合体成分(A)]
(A)−1:アクリル酸メチル95質量部及びアクリル酸2−ヒドロキシエチル5質量部を共重合してなるアクリル系樹脂(重量平均分子量500000、ガラス転移温度9℃)。
[熱硬化性成分(B)]
・エポキシ樹脂(B1)
(B1)−1:アクリロイル基付加クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製「CNA−147」)
・熱硬化剤(B2)
(B2)−1:アラルキルフェノール樹脂(三井化学社製「ミレックスXLC−4L」)
[充填材(D)]
(D)−1:シリカフィラー(アドマテックス社製「YA050C−MJA」)
[カップリング剤(E)]
(E)−1:シランカップリング剤(信越シリコーン社製「KBE402」、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン)
[架橋剤(F)]
(F)−1:芳香族性多価イソシアネート(日本ポリウレタン工業社製「コロネートL」)
[シリコーンオイル(G)]
(G)−1:アルキルアラルキル変性シリコーンオイル(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製「XF42−334」)
剥離材(1):ポリエチレンテレフタレート製フィルムの片面がシリコーン処理により剥離処理された剥離フィルム(リンテック社製「SP−PET382150」、厚さ38μm)
剥離材(2):ポリエチレンテレフタレート製フィルムの片面がシリコーン処理により剥離処理された剥離フィルム(リンテック社製「SP−PET382060」、厚さ38μm)
剥離材(3):ポリエチレンテレフタレート製フィルム(厚さ38μm)の片面に、アクリル変性アルキド樹脂のコーティングにより、アルキド樹脂層(厚さ0.2μm)が形成され、剥離処理された剥離フィルム(リンテック社製「PET38AL−5」)
<ダイシングダイボンディングシート及び積層シートの製造>
(粘着剤組成物の製造)
アクリル酸2−エチルヘキシル60質量部、メタクリル酸メチル30質量部、及びアクリル酸2−ヒドロキシエチル10質量部を共重合してなる(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体(重量平均分子量700000、ガラス転移温度−44℃)(100g、固形分)、芳香族性多価イソシアネート(日本ポリウレタン工業社製「コロネートL」)(19g、固形分)、及び酢酸エチルを混合し、固形分の含有量が24質量%である粘着剤組成物を得た。
ポリエチレンテレフタレート製フィルムの片面が剥離処理された剥離フィルム(厚さ38μm、以下、「剥離フィルム(4)」と略記することがある)の前記剥離処理面に、アプリケータを用いてギャップを調整しながら、上記で得られた粘着剤組成物を塗工し、100℃で2分間乾燥させることで、厚さが10μmである粘着剤層を形成した。得られた粘着剤層の露出面に、基材として、Tダイ押出しにより厚さ80μmに製膜した無延伸のエチレン−メタクリル酸共重合体製フィルムを貼り合わせた。以上により、基材、粘着剤層及び剥離フィルム(4)がこの順に積層されてなる支持シートを得た。
表1に示すように、重合体成分(A)−1(100質量部)、エポキシ樹脂(B1)−1(30質量部)、熱硬化剤(B2)−1(5質量部)、カップリング剤(E)−1(1.5質量部)、及び架橋剤(F)−1(0.6質量部)を混合し、さらにメチルエチルケトンを混合して、固形分の含有量が20質量%である接着剤組成物を得た。なお、ここと表1に示すメチルエチルケトン以外の成分の配合量は、すべて固形分量である。
剥離材(1)の剥離処理面上に、ナイフコーターによって、上記で得られた接着剤組成物を塗工し、110℃で2分間乾燥させることにより、厚さが25μmである接着剤層を形成した。
次いで、この接着剤層の剥離材(1)が設けられている面とは反対側の露出面に、剥離材(2)の剥離処理面を貼り合わせ、剥離材(1)、接着剤層及び剥離材(2)がこの順に積層されてなる接着シートを得た。
ここで形成した接着剤層の表面のうち、剥離材(1)との接触面が塗工面であり、剥離材(2)との接触面が貼合面である。
上記で得られた接着シートから剥離材(1)を取り除き、露出した接着剤層の塗工面と、前記支持シートの前記粘着剤層の表面とを、ラミネーターを用いて圧着した。
以上により、支持シート(基材、粘着剤層)、接着剤層及び剥離材(2)がこの順に積層されてなり、接着剤層の塗工面が支持シートの表面との接触面(第1面)であるダイシングダイボンディングシートを得た。
(ダイシングダイボンディングシートのピックアップ適性の評価)
上記で得られたダイシングダイボンディングシートから、剥離材(2)を取り除き、露出した接着剤層の貼合面に、8インチのシリコンウエハ(直径300mm、 厚さ75μm)を60℃でラミネートし、さらに両面テープを用いて、このダイシングダイボンディングシートをリングフレームに固定した。
次いで、ブレードダイシングによる切断方法を適用して、シリコンウエハを8mm×8mmの大きさのチップに個片化した。このとき、ダイシングブレードによって支持シートをその表面から20μmだけ切り込んだ。
○:正常にピックアップできたチップが6個以上であった。
△:正常にピックアップできたチップが1〜5個であった。
×:正常にピックアップできたチップが0個であった。
上記で得られた接着シートから、剥離材(1)を取り除いて、露出した接着剤層の塗工面における有機ケイ素化合物由来のケイ素原子数の比率(Atomic%)、全ケイ素原子数の比率(Atomic%)、全炭素原子数の比率(Atomic%)及び全酸素原子数の比率(Atomic%)をそれぞれ測定した。これら原子数の比率は、X線光電子分光分析装置を用いて、X線源をMgKα15KV(300W)とし、取り出し角を45°として、X線光電子分光分析(XPS)を行うことにより、測定した。なお、ケイ素原子については、結合エネルギーのピーク位置が102.2eVであるものを有機ケイ素化合物由来のケイ素原子とし、結合エネルギーのピーク位置が103.5eVであるものを無機ケイ素化合物由来のケイ素原子として、原子数の比率を算出した。また、有機ケイ素化合物由来のケイ素原子と無機ケイ素化合物由来のケイ素原子の合計を全ケイ素原子とした。
次いで、これら測定値を用い、前記式(I)から、接着剤層の塗工面における有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率(%)を算出した。結果を表1に示す。表1中、「Si含有比率(%)」の「有機Si」の欄の数値が、前記塗工面における有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率である。
上記で得られた接着シートから、剥離材(2)を取り除いて、露出した接着剤層の貼合面における、有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率(%)を、接着剤層の塗工面の場合と同じ方法で測定した。結果を表1に示す。
[実施例2〜12、比較例1〜2]
接着剤組成物の配合成分の種類、接着剤組成物の配合成分の量、剥離フィルムの種類、及び接着剤層における第1面のいずれか一以上を、表1〜3に示すように変更した点以外は、実施例1と同じ方法で、ダイシングダイボンディングシートを製造し、評価した。例えば、実施例5では、接着剤組成物の製造時には、カップリング剤(E)−1の配合量を1.5質量部に代えて0.8質量部とし、さらにシリカフィラー(D)−1(35質量部)とシリコーンオイル(G)−1(1.5質量部)を追加で配合し、接着剤層の形成時には、剥離材(1)及び剥離材(2)に代えて、いずれも剥離材(3)を用いた点以外は、実施例1と同じ方法で、ダイシングダイボンディングシートを製造し、評価した。結果を表1〜3に示す。
また、比較例2のダイシングダイボンディングシートは、接着剤層がケイ素原子を有する成分を含有していないことで、第1面及び第2面がいずれも、有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率はゼロで差がなく、ピックアップ適性が顕著に劣っていた。
Claims (4)
- 支持シート上に接着剤層を備えてなり、
前記接着剤層の表面のうち、前記支持シート側の第1面が、前記第1面とは反対側の第2面よりも、下記式(I)で算出される、前記接着剤層の表面における有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率が高い、ダイシングダイボンディングシート。
[有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率(%)]=[有機ケイ素化合物由来のケイ素原子数の比率(Atomic%)]/{[全炭素原子数の比率(Atomic%)]+[全酸素原子数の比率(Atomic%)]+[全ケイ素原子数の比率(Atomic%)]}×100 ・・・・(I) - 前記接着剤層において、前記第1面における前記ケイ素原子の含有比率と、前記第2面における前記ケイ素原子の含有比率と、の差が2.5%以上である、請求項1に記載のダイシングダイボンディングシート。
- 前記接着剤層において、前記第1面における前記ケイ素原子の含有比率が4.0%以上である、請求項1又は2に記載のダイシングダイボンディングシート。
- 前記有機ケイ素化合物が、シランカップリング剤及びシリコーンオイルからなる群より選択される1種又は2種以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のダイシングダイボンディングシート。
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