JP6531484B2 - 液体を吐出する装置、画像データを処理する方法、プログラム - Google Patents

液体を吐出する装置、画像データを処理する方法、プログラム Download PDF

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Description

本発明は液体を吐出する装置、画像データを処理する方法、プログラムに関する。
液体を吐出する装置においては、ノズルが目詰まりなどによって吐出不良が発生すると、画像品質が低下することになる。
そこで、従来、入力画像の多値データをn値(n≧2の整数)に対応した多値誤差拡散処理によりn値のドットパターンに変換するとき、吐出不良を生じたノズル(これを「不良吐出ノズル」という。)に対応する画素位置に滴を吐出しないこととする一方、多値誤差拡散処理による量子化誤差はそのまま周囲の画素に展開し、展開先の画素でベタ印字に必要な滴サイズ以上の滴を形成することになった場合、滴を間引く、あるいは、滴サイズを小さいサイズへ変更する処理を行うことで、不良吐出ノズルによる画像劣化を補償しようとするものが知られている(特許文献1)。
特開2010−17918号公報
しかしながら、特許文献1に開示の構成にあっては、例えばヘッドを走査する装置に適用した場合、不良吐出ノズルの走査方向下流側の画素にしか量子化誤差を展開できないため、画質劣化の補償が十分でないという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、不良吐出ノズルによる画像劣化を低減することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る液体を吐出する装置は、
液体を吐出する複数のノズルを有する液体吐出ヘッドを備える装置であって、
入力画像の多値データをn値(n≧2の整数)に対応した多値誤差拡散処理によりn値のドットパターンに変換するとき、
不良吐出ノズルに対応する画素値が予め定めた第1の閾値未満であるときには、前記多値誤差拡散処理における量子化誤差を、前記不良吐出ノズルに対応する画素の周辺画素に展開する処理を行い、
前記不良吐出ノズルに対応する画素値が前記第1の閾値以上で、かつ、前記第1の閾値より大きい予め定めた第2の閾値未満であるときには、前記多値誤差拡散処理における量子化誤差を、前記不良吐出ノズルに対応する画素の周辺画素に、所定の係数を乗じて展開する処理を行い、
前記不良吐出ノズルに対応する画素値が前記第2の閾値以上であるときには、前記多値誤差拡散処理によるn値のドットパターンに変換した後に、所定のマスクパターンを用いて、前記不良吐出ノズルの周辺でのドットのうち小さなドットを大きなドットに置き換える処理を行う
構成とした。
本発明によれば、不良吐出ノズルによる画像劣化を低減することができる。
本発明に係る液体を吐出する装置の一例の機構部の平面説明図である。 同装置のヘッドの説明に供する説明図である。 同装置の制御部の概要のブロック説明図である。 ホスト側の一例のブロック説明図である。 本発明の第1実施形態における補償処理の説明に供するフロー図である。 同じくフロー図である。 滴量とドット径及び媒体種類の関係の一例を説明する説明図である。 マスクパターン処理(マスクパターンによるドットの置き換え処理)の第1例のマスクパターンの一例の説明図である。 同マスクパターンを使用したドット置換の一例の説明図である。 マスクパターン処理(マスクパターンによるドットの置き換え処理)の第2例のマスクパターンの一例の説明図である。 図8及び図10のマスクパターンを使用したドット置換の一例の説明図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る液体を吐出する装置の一例について図1を参照して説明する。図1は同装置の機構部の平面説明図である。
この装置は、シリアル型装置であり、左右の側板などに架け渡されるガイド部材1などでキャリッジ3が移動可能に保持されている。そして、主走査モータ5によって、駆動プーリ6と従動プーリ7間に架け渡されたタイミングベルト8を介して、キャリッジ3が主走査方向(キャリッジ移動方向)に往復移動する。
このキャリッジ3には、液体吐出ヘッド4a、4b(区別しないときは「ヘッド4」という。)を搭載している。ヘッド4は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出する。また、ヘッド4は、複数のノズルからなるノズル列4nを主走査方向と直交する副走査方向に配置し、滴吐出方向を下方に向けて装着している。
ヘッド4は、図2に示すように、それぞれ複数のノズル4nを配列した2つのノズル列Na、Nbを有する。ヘッド4aの一方のノズル列Naはブラック(K)の液滴を、他方のノズル列Nbはシアン(C)の液滴を吐出する。ヘッド4bの一方のノズル列Naはマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列Nbはイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。
一方、媒体である用紙10をヘッド4に対向して搬送するための搬送機構51として、搬送手段である搬送ベルト12を備えている。この搬送ベルト12は、無端状ベルトであり、搬送ローラ13とテンションローラ14との間に掛け渡されている。
そして、搬送ベルト12は、副走査モータ16によってタイミングベルト17及びタイミングプーリ18を介して搬送ローラ13が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。
さらに、キャリッジ3の主走査方向の一方側には搬送ベルト12の側方にヘッド4の維持回復を行う維持回復機構20が配置され、他方側には搬送ベルト12の側方にヘッド4から空吐出を行う空吐出受け21がそれぞれ配置されている。
維持回復機構20は、例えばヘッド4のノズル面(ノズルが形成された面)をキャッピングするキャップ部材20a、ノズル面を払拭するワイパ部材20bなどで構成されている。
また、搬送機構51と維持回復機構20との間の記録領域外であって、ヘッド4に対向可能な領域には、滴吐出の有無を検知する吐出検知手段を構成する吐出検知ユニット100が配置されている。一方、キャリッジ3には、吐出検知ユニット100の電極101を清浄化する払拭ユニット200が設けられている。
また、キャリッジ3の主走査方向に沿って両側板間に、所定のパターンを形成したエンコーダスケール23を張装し、キャリッジ3にはエンコーダスケール23のパターンを読取る透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ24を設けている。これらのエンコーダスケール23とエンコーダセンサ24によってキャリッジ3の移動を検知するリニアエンコーダ(主走査エンコーダ)を構成している。
また、搬送ローラ13の軸にはコードホイール25を取り付け、このコードホイール25に形成したパターンを検出する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ26を設けている。これらのコードホイール25とエンコーダセンサ26によって搬送ベルト12の移動量及び移動位置を検出するロータリエンコーダ(副走査エンコーダ)を構成している。
このように構成した装置においては、給紙トレイから用紙10が搬送ベルト12上に給紙されて吸着され、搬送ベルト12の周回移動によって用紙10が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ3を主走査方向に移動させながら画像信号に応じてヘッド4を駆動することにより、停止している用紙10にインク滴を吐出して1行分を記録する。そして、用紙10を所定量搬送後、次の行の記録を行う。
記録終了信号又は用紙10の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙10を排紙する。
次に、この装置の制御部の概要について図3を参照して説明する。同図は同制御部のブロック説明図である。
この制御部500は、この装置全体の制御を司るCPU501と、CPU501が実行する本発明に係るプログラムを含むプログラム、その他の固定データを格納するROM502と、画像データ等を一時格納するRAM503とを含む主制御部500Aを備えている。
また、制御部500は、PCなどのホスト(情報処理装置)600との間でデータの転送を司るホストI/F506と、ヘッド4を駆動制御する画像出力制御部511と、エンコーダ解析部512を備えている。エンコーダ解析部512は、主走査エンコーダセンサ24、副走査エンコーダセンサ26からの検出信号を入力して解析する。
また、制御部500は、主走査モータ5を駆動する主走査モータ駆動部513と、副走査モータ16を駆動する副走査モータ駆動部514と、温度センサ518、各種センサ及びアクチュエータ517との間のI/O516なども備えている。
を備えている。
また、制御部500は、吐出検知ユニット100の電極101に液滴が着弾したときの電気的変化を測定(検出)して吐出/不吐出を判別する吐出検知部531を備えている。また、制御部500は、吐出検知ユニット100の電極101を払拭する払拭ユニット200の駆動モータ203を駆動する払拭ユニット駆動部532を備えている。
画像出力制御部511は、印刷データを生成するデータ生成手段、ヘッド4を駆動制御するための駆動波形を発生する駆動波形生成手段、駆動波形から所要の駆動信号を選択するためのヘッド制御信号及び印刷データを転送するデータ転送手段などを含む。
そして、画像出力制御部511は、キャリッジ3側に搭載されたヘッド4を駆動するためのヘッド駆動回路であるヘッドドライバ510に対して駆動波形、ヘッド制御信号、印刷データなどを出力して、ヘッド4のノズルから印刷データに応じて液滴を吐出させる。
また、エンコーダ解析部512は、検出信号から移動方向を検知する方向検知部520と、移動量を検知するカウンタ部521とを備えている。
制御部500は、エンコーダ解析部512からの解析結果に基づいて、主走査モータ駆動部513を介して主走査モータ5を駆動制御することでキャリッジ3の移動制御を行う。また、副走査モータ駆動部514を介して副走査モータ16を駆動制御することで用紙10の送り制御を行う。
この制御部500の主制御部500Aは、ヘッド4の吐出検出を行うときには、ヘッド4を吐出検知ユニット100に対向する位置まで移動させる。そして、主制御部500Aは、画像出力制御部511を介してヘッド4の所要のノズルから滴吐出を行わせて吐出検知部531からの検知信号によって滴吐出状態(吐出/不吐出)を判別する制御を行う。
また、液体を吐出する装置側で入力画像のデータに対して不良吐出ノズルによる画質劣化を低減する処理(これを「補償処理」という。)を行うときには、ROM502に格納保持されたプログラムによって主制御部500Aによって補償処理を行うことになる。
次に、ホスト600側の一例について図4のブロック説明図を参照して説明する。
ホスト600は、情報処理装置であり、CPU611と、メモリ手段である各種のROM612やRAM613とが、バスラインで接続されている。このバスラインには、所定のインタフェイスを介して、ハードディスクなどの磁気記憶装置を用いた記憶装置616と、マウスやキーボードなどの入力装置614と、LCDやCRTなどのモニタ615と、外部I/F617が接続されている。
記憶装置616には、本発明に係るプログラムを含む画像処理プログラムが記憶されている。この画像処理プログラムは、記憶媒体から記憶媒体読取装置により読み取って、あるいは、インターネットなどのネットワークからダウンロードするなどして、記憶装置616にインストールしたものである。なお、画像処理プログラムは、所定のOS上で動作するものであってもよい。また、特定のアプリケーションソフトの一部をなすものであってもよい。
ホスト600は、アプリケーションソフトなどからのプリント命令をプリンタドライバ601で処理して液体を吐出する装置が出力可能な多値のドットパターンのデータを生成し、液体を吐出する装置に転送する。
ホスト600側で行う画像処理としては、例えば色を調整するためのカラーマネージメント処理(CMM)、γ補正処理、ディザ法や誤差拡散法などの中間調処理、さらには下地除去処理、総量規制処理などがある。そして、画像処理をしたデータをラスタデータに展開し液体を吐出する装置に転送する。
ホスト600側で補償処理を行うときには、液体を吐出する装置側から不良吐出ノズルの検知結果のデータの転送を受けて補償処理を行うことになる。
次に、本発明の第1実施形態における補償処理について図5及び図6のフロー図を参照して説明する。
なお、シリアル型装置におけるキャリッジ(ヘッド)の移動方向を主走査方向、媒体を搬送する方向を副走査方向とするとき、画像データについて、左右方向を「主走査方向」、上下方向を「副走査方向」とする。
この処理を開始する前に、不良吐出ノズルの有無の確認(吐出検知)を行っている。不良吐出ノズルの検知は、上述した吐出検知ユニット100を使用して行っているが、媒体上にテストパターンを吐出させて目視で確認して、確認結果を装置又はホスト600に入力することもできる。
ここで、吐出検知のタイミングは、画像データが入力された後、或いは、画像データが入力される前のいずれでもよい。
印刷画像データが入力された後に吐出検知を行うことで、印刷直前に不良吐出ノズルの検知を行うことができ、不良吐出ノズルが存在する場合には確実に補償を行うことができる。ただし、印刷画像データの入力後に判定処理を行う必要があるため、印刷開始の指示から実際に印刷が開始されるまでの待ち時間が長くなる。
一方、画像データが入力される前に吐出検知を行うことで、印刷開始の指示から実際に印刷が開始されるまでの待ち時間が長くならない。ただし、吐出検知から印刷開始までの時間が長くなる場合には、検知結果が変動することがある。
そして、吐出検知の結果、不良吐出ノズルが検知されたときには、当該不良ノズルのノズル位置の情報(基準ノズルに対して何番目のノズルかを示す位置情報)を取得する。この不良吐出ノズルの位置情報と、画像データを印刷するときの印刷品質(解像度)とを併せることにより、不良吐出ノズルによって形成される印刷画像上での画素位置を判定することができる。
そこで、図5を参照して、1回の走査分の入力画像の画像データを入力し、対象画素を移動する。
そして、当該対象画素が不良吐出ノズルで記録される画素か否かを判別する。
このとき、当該対象画素が不良吐出ノズルで記録される画素でなければ、多値誤差拡散処理を行う。
これに対し、当該対象画素が不良吐出ノズルで記録される画素であれば、対象画素の階調値(画素値)が予め定めた第1の閾値以上か否かを判別する。
このとき、当該対象画素が不良吐出ノズルで記録される対象画素の階調値が第1の閾値以上でなければ、つまり、第1の閾値未満であるときには、多値誤差拡散処理を行う。そして、多値誤差拡散処理における量子化誤差を、不良吐出ノズルに対応する画素の周辺画素に展開する処理を行う。ここでは、周辺画素に展開する処理として、主走査方向及び副走査方向下流側の画素に振り分ける処理を行う。
これに対し、当該対象画素が不良吐出ノズルで記録される対象画素の階調値が第1の閾値以上であれば、当該対象画素が不良吐出ノズルで記録される対象画素の階調値が第1の閾値より大きい予め定めた第2の閾値以上(第2の閾値>第1の閾値)か否かを判別する。
このとき、当該対象画素が不良吐出ノズルで記録される対象画素の階調値が第2の閾値以上でなければ、つまり、第1の閾値以上で第2の閾値未満であるときには、多値誤差拡散処理を行う。そして、多値誤差拡散処理における量子化誤差を、不良吐出ノズルに対応する画素の周辺画素に、所定の係数を乗じて展開する処理を行う。ここでは、周辺画素に所定の係数を乗じて展開する処理として、所定の係数を乗じて主走査方向及び副走査方向下流側の画素に振り分ける処理を行う。
これに対し、当該対象画素が不良吐出ノズルで記録される対象画素の階調値が第2の閾値以上であれば、対象画素の座標を保存する。そして、多値誤差拡散処理を行う。
その後、全体の量子化誤差を更新する。
そして、全ての画素でのn値化処理が終了したか否かを判別する。
このとき、全ての画素でのn値化処理が終了していなければ、対象画素を移動しながら上記の処理を繰り返す。
そして、全ての画素でのn値化処理が終了したときには、図6に示す処理に移行する。
図6を参照して、まず、保存した画素の座標があるか、つまり、座標が保存されている画素があるか否かを判別する。
このとき、座標が保存されている画素があれば、保存した座標の画素の周辺で、パターンマッチング処理を行って小さなドットを大きなドットに置き換える(ドット置換)。
つまり、不良吐出ノズルに対応する画素値が第2の閾値以上であるときには、不良吐出ノズルの周辺でのドットの大きさと配置に応じた所定のマスクパターンを用いて、パターンマッチングにより前記不良吐出ノズルの周辺でのドットのうち小さなドットを大きなドットに置き換える処理を行う。
その後、全ての画素についてのパターンマッチング処理が終了したか否かを判別する。
そして、全ての画素についてのパターンマッチング処理が終了したときには、この処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態においては、不良吐出ノズルで記録される画素については、量子化処理を行うときに、ドットを発生させない、又は、画質に影響を与えないレベルの小さいドットのみを吐出する、という処理を実施した後、量子化誤差を周囲の正常吐出ノズルで記録される画素に展開して、正常吐出ノズルからの滴の配置やサイズを変化させることによって、不良吐出ノズルによる画素の周辺での濃度を一定にすることにより画像品質の劣化を低減する(補償する)。ここで、量子化処理は、入力画像の画素値(階調値:多値データ)を、n値(n≧2の整数)に対応した多値誤差拡散処理によりn値のドットパターンに変換する処理である。
このように、量子化誤差を吐出不良ノズルで記録される画素の周辺画素に展開することで、ドット密度の低い、薄い色を表現するときには、1つのドットが変化することによる改善効果が大きいことから、不良吐出ノズルで記録される画素の下流での滴の配置やサイズを変化させる補償処理のみでも画質の劣化を低減することができる。
しかしながら、ドット密度が高く、滴で媒体を埋めるような画像に近くなると、不良吐出ノズルで記録される画素の下流で、周辺画素の滴の配置やサイズを変化させる補償処理をする場合には、入力画像の画素値が大きくなるほど、周囲に展開する量子化誤差も大きくなる。そのため、周囲に展開する量子化誤差が大きくなりすぎると、量子化誤差を展開された画素では、多値誤差拡散処理を行った結果、最大サイズのドットが発生し続ける可能性が高くなる。その結果、最大サイズのドットが連続する場合には、不良吐出ノズルに対しての補償効果は得られるが、補償部分のドットが目立ち、画像品質が低下する。
さらに、入力画像の濃度が高い場合には、不良吐出ノズルで記録される画素の上流での補償処理も同時に実施しないと、十分な画質の改善効果を得ることが難しくなる。
そこで、上述したように、不良吐出ノズルで記録されると判定された画素の画素値が第1の閾値未満であるときには、当該不良吐出ノズルで記録される画素の下流での滴の配置やサイズを変化させる補償処理として、多値誤差拡散処理における量子化誤差を周囲の画素に展開する処理を行う。このような処理でも画質の改善効果(劣化低減効果)を得ることができる。
また、不吐出ノズルで記録される画素の画素値が第1の閾値以上で、第1の閾値よりも大きい第2の閾値未満であるときには、不良吐出ノズルで記録される画素の下流側にサイズの大きなドットが発生し続けることを防止するため、多値誤差拡散処理における量子化誤差は、一定の係数を乗じた値を周囲の画素に展開する。これによって、下流側でのサイズの大きなドットが発生し続けることを防止する。
また、不吐出ノズルで記録される画素値が、第2の閾値以上であるときには、不良吐出ノズルで記録される画素の多値誤差拡散処理による下流側への量子化誤差の展開による補償処理だけでは十分ではない。そこで、不良吐出ノズルの周囲でのドットの形状と配置をマスクパターンと比較することによるパターンマッチングを行い、不良吐出ノズルで記録される画素の上流と下流の両方で、小さいドットを補償効果のある大きなドットに置き換える処理を行う。
そのため、上記実施形態で説明したように、第2の閾値以上の画素値であるときには、当該画素の座標を保存しておき、多値誤差拡散処理が終了した後に、パターンマッチング処理を実施する。
このように、上記実施形態における画像データを処理する方法では、入力画像の多値データをn値(n≧2の整数)に対応した多値誤差拡散処理によりn値のドットパターンに変換するとき、不良吐出ノズルに対応する画素値が予め定めた第1の閾値未満であるときには、多値誤差拡散処理における量子化誤差を、不良吐出ノズルに対応する画素の周辺画素に展開する処理を行い、不良吐出ノズルに対応する画素値が第1の閾値以上で、かつ、第1の閾値より大きい予め定めた第2の閾値以下であるときには、多値誤差拡散処理における量子化誤差を、不良吐出ノズルに対応する画素の周辺画素に、所定の係数を乗じて展開する処理を行い、不良吐出ノズルに対応する画素値が第2の閾値以上であるときには、不良吐出ノズルの周辺でのドットの大きさと配置に応じた所定のマスクパターンを用いて、パターンマッチングにより不良吐出ノズルの周辺でのドットのうち小さなドットを大きなドットに置き換える処理を行う。
次に、画素値の判定に使用する上記第1の閾値及び第2の閾値について図7も参照して説明する。図7は滴量とドット径及び媒体種類の関係の一例を説明する説明図である。
第1の閾値及び第2の閾値は、使用する媒体の種類、例えば、紙種ごとに設定することができる。
例えば、液体の滲みやすい媒体、例えば所謂普通紙などは、液体が滲むことによって、不良吐出ノズルで記録される画素の上流側の画像補償を行わないでも、画質改善効果(不良吐出ノズルで生じる画質の劣化を低減する効果)が高いため、閾値を高く設定することができる。
一方、表面がコーティングされているコート紙などでは、液体が表面のコーティングの影響により、ドット径が小さく締まる。そのため、不良吐出ノズルで記録される画素の上流側に対しても画像補償を行わないと、画質改善効果が低く、閾値を低く設定する必要がある。
なお、図7に紙面上での媒体種類によるドット径の違いを示している。
また、画素値の判定に使用する第1の閾値及び第2の閾値は、上記以外にも、n値(n≧2)に対応した多値誤差拡散処理を行った後(実施後)のドット配置を予め定めておき、多値誤差拡散処理では画質の改善効果が弱くなるドット配置となる階調を閾値として設定しておくこともできる。
例えば、多値誤差拡散処理として、入力の256階調を、3値(滴なし、小滴、大滴)に変換する例で説明する。予めドット配置として、小滴が100%、を経由して、大滴が100%のドット配置となるように、設計した場合、第1の閾値は、ドットがまばらに散っている階調での効果が高いため、小滴の80%で表現される階調値までに設定し、第2の閾値は、ドットが下流のみで補償できる限界として、大滴50%、小滴50%で表現される階調値までに設定できる。
また、画素値の判定に使用する第1の閾値及び第2の閾値は、印刷装置で使用する液体の濃度に応じて設定することができる。
例えば、イエローなどは、明度が高く、視認性が低いため、不良吐出ノズルとなっていても目につきにくい。そのため、イエローの閾値は大きい階調として設定することができる。一方、ブラックは、視認性が高いため、閾値はイエローよりも小さく設定する。
また、画素値の判定に使用する第1の閾値及び第2の閾値は、正常吐出されたときの画像濃度に応じて設定される。
次に、マスクパターン処理(マスクパターンによるドットの置き換え処理)の第1例について図8及び図9を参照して説明する。図8はマスクパターンの一例の説明図、図9は同マスクパターンを使用したドット置換の一例の説明図である。
なお、ここでは、n値(n≧2)化のnは、3種類のドット径のドット(大ドット、中ドット、小ドット)と、滴なし、の合計4値である場合を例にする。
マスクパターンによるドットの置き換えは、前述した補償処理(図5)で説明したとおり、対象画素として保存した座標の有無によって判定を行う。ここで、保存された(記憶された)座標がない場合には、パターンマッチングを実施しない。ただし、この場合、多値誤差拡散による不良吐出ノズルの補償処理は実施されているため、画質が改善された印刷結果を得ることができる。
一方、保存された座標がある場合には、パターンマッチングによるドット置換を行う。
この第1例では、図8に示すドット置換用のマスクパターンM1とのパターンマッチングでドット置換を行う。ドット置換用のマスクパターンM1は、4×3のマトリクスを有し、不良吐出ノズルで記録される画素Daに対して上流側及び下流側に位置する画素Dbについて、中ドットを大ドットに置換するパターンである。
例えば、図9(a)に示すような多値誤差拡散後のn値となった画像データとマスクパターンM1のパターンマッチングを行うと、画素D1〜D4でマスクパターンM1の置換ドットと画像データが一致する。したがって、図9(b)に示すように、画素D1〜D4のドットについて中ドットから大ドットに置換される。
このように、不良吐出ノズルで記録される画素の上流と下流両方のドットの置き換えを行うことにより、下流だけドットの置換を行うよりも、補償効果のあるパターンに変換することができる。
また、上記のマスクパターンは、n値(n≧2)化に対応した多値誤差拡散処理を行った後のドット配置に対して実施するため、n値後のそれぞれのドットサイズに合わせた個別のマスクパターンを設定することもできる。
次に、マスクパターン処理(マスクパターンによるドットの置き換え処理)の第2例について図10及び図11を参照して説明する。図10はマスクパターンの一例の説明図、図11は図8及び図10のマスクパターンを使用したドット置換の一例の説明図である。
この第2例は、n値(n≧2)化に対応した多値誤差拡散処理を行った後のドット配置に対して実施するため、n値後のそれぞれのドットサイズに合わせた個別のマスクパターンを設定する例である。
そこで、前述した第1例のマスクパターンM1とともに、図10に示すドット置換用のマスクパターンM2を使用する。このマスクパターンM2は、4×3のマトリクスを有し、不良吐出ノズルで記録される画素Daに対して上流側及び下流側に位置する画素Dcについて、小ドットを中ドットに置換するパターンである。
そして、例えば、図11(a)に示すような多値誤差拡散後のn値となった画像データと前記第1例で説明したマスクパターンM1のパターンマッチングを行うと、画素D1〜D4でマスクパターンM1の置換ドットと画像データが一致する。また、同画像データとマスクパターンM2のパターンマッチングを行うと、画素D5〜D11でマスクパターンM2の置換ドットと画像データが一致する。したがって、図11(b)に示すように、画素D1〜D4のドットについて中ドットから大ドットに置換され、画素D5〜D11のドットについて小ドットから中ドットに置換される。
このように、マスクパターンM1、M2を使用することで、つまり、不良吐出ノズルの周辺のドットのサイズごとに個別に設定したマスクパターンを用いてドットの置き換えを行うことで、例えばマスクパターンM1だけを使用する場合よりも、不良吐出ノズルの影響を緩和することができる。
上述した補償処理は、液体を吐出する装置側、ホスト側のいずれで行うこともできる。この場合、ROM502或いはROM612に、コンピュータに上述した補償処理を行わせるための本発明に係るプログラムを格納することで実行できる。
本願において、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて、液体を吐出させる装置である。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置が含まれる。
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
例えば、「液体を吐出する装置」として、液体を吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置がある。
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するものも含まれる。
上記「液体が付着可能もの」とは液体が一時的にでも付着可能なものを意味する。「液体が付着するもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
また、「液体」は、インク、処理液、DNA試料、レジスト、パターン材料、結着剤、造形液なども含まれる。
また、「液体を吐出する装置」には、特に限定しない限り、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
また、「液体吐出ヘッド」は、使用する圧力発生手段が限定されるものではない。例えば、上記実施形態で説明したような圧電アクチュエータ(積層型圧電素子を使用するものでもよい。)以外にも、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものでもよい。
また、本願において、画像形成、記録、印字、印写、印刷等はいずれも同義語とする。
3 キャリッジ
4、4a、4b 液体吐出ヘッド
100 吐出検知ユニット
500 制御部

Claims (8)

  1. 液体を吐出する複数のノズルを有する液体吐出ヘッドを備える装置であって、
    入力画像の多値データをn値(n≧2の整数)に対応した多値誤差拡散処理によりn値のドットパターンに変換するとき、
    不良吐出ノズルに対応する画素値が予め定めた第1の閾値未満であるときには、前記多値誤差拡散処理における量子化誤差を、前記不良吐出ノズルに対応する画素の周辺画素に展開する処理を行い、
    前記不良吐出ノズルに対応する画素値が前記第1の閾値以上で、かつ、前記第1の閾値より大きい予め定めた第2の閾値未満であるときには、前記多値誤差拡散処理における量子化誤差を、前記不良吐出ノズルに対応する画素の周辺画素に、所定の係数を乗じて展開する処理を行い、
    前記不良吐出ノズルに対応する画素値が前記第2の閾値以上であるときには、前記多値誤差拡散処理によるn値のドットパターンに変換した後に、所定のマスクパターンを用いて、前記不良吐出ノズルの周辺でのドットのうち小さなドットを大きなドットに置き換える処理を行う
    ことを特徴とする液体を吐出する装置。
  2. 前記不良吐出ノズルに対応する画素値が前記第2の閾値以上であるときには、当該不良吐出ノズルに対応する画素の座標を記憶し、記憶した前記画素の座標に基づいて前記小さなドットを大きなドットに置き換える処理を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体を吐出する装置。
  3. 前記小さなドットを大きなドットに置き換える処理では、前記入力画像の多値データをn値(n≧2の整数)に対応した多値誤差拡散処理でn値のドットパターンに変換した後の当該n値に対応した、前記不良吐出ノズルの周辺のドットのサイズごとに個別に設定したマスクパターンを用いてドットの置き換えを行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体を吐出する装置。
  4. 前記不良吐出ノズルに対応する画素値が前記第2の閾値以上であるときには、前記多値誤差拡散処理を実施後の不良吐出ノズルの周囲でのドットの形状及び配置を前記所定のマスクパターンと比較するパターンマッチングを行い、前記不良吐出ノズルの周辺でのドットのうち小さなドットを大きなドットに置き換える
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の液体を吐出する装置。
  5. 前記第1の閾値及び前記第2の閾値は、媒体の種類に応じて設定されている
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の液体を吐出する装置。
  6. 前記第1の閾値及び前記第2の閾値は、液体の色に応じて設定されている
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の液体を吐出する装置。
  7. 液体を吐出する複数のノズルを有する液体吐出ヘッドを備える装置に対する画像データを処理する方法であって、
    入力画像の多値データをn値(n≧2の整数)に対応した多値誤差拡散処理によりn値のドットパターンに変換するとき、
    不良吐出ノズルに対応する画素値が予め定めた第1の閾値未満であるときには、前記多値誤差拡散処理における量子化誤差を、前記不良吐出ノズルに対応する画素の周辺画素に展開する処理を行い、
    前記不良吐出ノズルに対応する画素値が前記第1の閾値以上で、かつ、前記第1の閾値より大きい予め定めた第2の閾値以下であるときには、前記多値誤差拡散処理における量子化誤差を、前記不良吐出ノズルに対応する画素の周辺画素に、所定の係数を乗じて展開する処理を行い、
    前記不良吐出ノズルに対応する画素値が前記第2の閾値以上であるときには、前記多値誤差拡散処理によるn値のドットパターンに変換した後に、所定のマスクパターンを用いて、前記不良吐出ノズルの周辺でのドットのうち小さなドットを大きなドットに置き換える処理を行う
    ことを特徴とする画像データを処理する方法。
  8. 液体を吐出する複数のノズルを有する液体吐出ヘッドを備える装置に対する画像データの処理をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
    入力画像の多値データをn値(n≧2の整数)に対応した多値誤差拡散処理によりn値のドットパターンに変換するとき、
    不良吐出ノズルに対応する画素値が予め定めた第1の閾値未満であるときには、前記多値誤差拡散処理における量子化誤差を、前記不良吐出ノズルに対応する画素の周辺画素に展開し、
    前記不良吐出ノズルに対応する画素値が前記第1の閾値以上で、かつ、前記第1の閾値より大きい予め定めた第2の閾値以下であるときには、前記多値誤差拡散処理における量子化誤差を、前記不良吐出ノズルに対応する画素の周辺画素に、所定の係数を乗じて展開し、
    前記不良吐出ノズルに対応する画素値が前記第2の閾値以上であるときには、前記多値誤差拡散処理によるn値のドットパターンに変換した後に、所定のマスクパターンを用いて、前記不良吐出ノズルの周辺でのドットのうち小さなドットを大きなドットに置き換える処理をコンピュータに行わせるためのプログラム。
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