以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
また、以下に示す実施の形態においては、一例として、粉砕対象物として茶葉を用い、飲料としてお茶を製造する場合について説明するが、粉砕対象物は茶葉に限定されることなく、穀物、乾物、その他の粉砕対象物を用いて、飲料を製造する場合にも適用することが可能である。以下では、茶葉とは、粉砕前の固形状態を意味し、茶葉粉末とは、粉砕された茶葉を意味し、お茶とは、茶葉粉末とお湯とが撹拌された(混ぜ合わされた)飲料を意味する。
[実施の形態1]
(飲料製造装置1)
図1は、本実施の形態に係る飲料製造装置の全体斜視図である。図2は、図1に示す飲料製造装置の構成要素を示す全体斜視図である。図1および図2を参照して、本実施の形態に係る飲料製造装置1について説明する。
図1および図2に示すように、本実施の形態に係る飲料製造装置1は、粉砕対象物として茶葉を用い、この茶葉を粉砕して茶葉粉末を得る。この得られた茶葉粉末を用いて、飲料としてお茶を製造する。飲料製造装置1は、筐体としての装置本体100、粉挽きユニット300、撹拌ユニット500、液体貯留タンク700、茶葉粉末受皿800、および、載置ベース900を備える。載置ベース900は、装置本体100の前側下方において、前側に突出するように設けられており、カップ(図示省略)および茶葉粉末受皿800の載置が可能である。茶葉粉末受皿800は、利用者が把持して移動できるように設けられている。
(粉挽きユニット300)
粉挽きユニット300は、装置本体100の前面側に設けられた粉挽きユニット装着部180に対して、着脱可能に装着される。粉挽きユニット300は、たとえば正面から見た場合に撹拌ユニット500に含まれる撹拌槽510の下方において撹拌槽510と重ならないように撹拌槽510から離れて配置される。
粉挽きユニット装着部180には、粉挽駆動力連結機構130が前方に突出するように設けられ、この粉挽駆動力連結機構130に粉挽きユニット300が着脱可能に装着される。粉挽きユニット300は、粉挽駆動力連結機構130に連結されることにより、粉砕対象物である茶葉を挽くための駆動力を得る。
粉挽きユニット300の上部から粉挽きユニット300の内部に投入された茶葉は、粉挽きユニット300の内部において細かく粉砕される。粉砕された茶葉は、粉挽きユニット300の下方に載置された茶葉粉末受皿800に茶葉粉末として落下して集められる。なお、粉挽きユニット300の詳細構造については、図3から図5を用いて後述する。
(液体貯留タンク700)
液体貯留タンク700は、装置本体100の上面側に設けられた液体貯留タンク装着部195に着脱可能に装着される。液体貯留タンク700は、上面開口を有するタンク本体710と、タンク本体710の上面開口を塞ぐ蓋部720とを含む。液体貯留タンク700は、撹拌ユニット500の撹拌槽510内に供給するための水等の液体を貯留する。
(撹拌ユニット500)
撹拌ユニット500は、後述する加熱手段200(図6参照)によって加熱されたお湯が供給される槽としての撹拌槽510と、後述する撹拌部材としての撹拌羽根550(図6参照)を含む。撹拌槽510は、液体と粉末とを撹拌するための容器である。撹拌槽510は、装置本体100の前面側に設けられた撹拌ユニット装着部190に対して、着脱可能に装着される。装置本体100から鉛直方向と交差する方向に突出するように、撹拌槽510は撹拌ユニット装着部190に装着されている。具体的には、撹拌槽510の一部が装置本体100の前面から前方へ突出するように、撹拌槽510が装着される。なお、撹拌ユニット500の詳細構造については、図6から図9を用いて後述する。
撹拌ユニット装着部190には、撹拌モータ非接触テーブル140Aが設けられている。撹拌ユニット500は、撹拌モータ非接触テーブル140A上に載置される。撹拌ユニット500の内部に設けられた撹拌羽根550は、撹拌モータ非接触テーブル140Aの下方に位置するように装置本体100内に収容された撹拌部材駆動部としての撹拌モータユニット140(図6参照)およびこれに連結された磁石141(図6参照)によって回転する。
(粉挽きユニット300の構造)
図3は、図1に示す飲料製造装置に具備される粉挽きユニットの斜視図である。図4は、図3に示す粉挽きユニットの分解斜視図である。図5は、図3に示す粉挽きユニットの縦断面図である。図3から図5を参照して、粉挽きユニット300の構造について説明する。
図3から図5に示すように、粉挽きユニット300は、全体として円筒形状を有する粉挽きケース310を有し、下方の側面には、粉挽駆動力連結機構130が内部に挿入される連結用窓300Wが設けられている。粉挽きケース310の最下端部には、粉挽きユニット300により粉砕された茶葉粉末が排出される排出口312aが形成されている。
粉挽きケース310の内部には、下方から、下臼支持部340、下臼350、上臼360が順番に設けられている。下臼支持部340の下面には下方に延びる粉挽き軸345が設けられ、この粉挽き軸345が粉挽駆動力連結機構130に連結し、下臼350を回転駆動させる。下臼支持部340の周縁には、水平方向に突出するように粉掻き取り部343が設けられている。
下臼350の中央部には、回転軸芯に沿って上方に向かって延びるコア355が設けられている。上臼360は、上臼保持部材370により保持されており、上臼保持部材370の内部には、上臼360を下方に向けて押圧するバネ380およびバネ保持部材390が収容されている。下臼350に設けられるコア355は、上臼360を貫通するように上方に延びている。コア355の先端側は、ホッパー320内に位置する。
コア355上部には、上方に凸形状の安全リブ315が形成されている。安全リブ315は、ホッパー320内に茶葉を投入可能となるように所定の大きさで設けられている。安全リブ315は、上方に向けて鋭角な断面が略三角形状を有しているが、この形状には限定されない。
粉挽きケース310の上端開口部310b側には、粉砕対象物を上臼360と下臼350との間に供給するためのホッパー320が取り付けられている。ホッパー320は、ロート形状を有する。
茶葉を粉砕する際には、ホッパー320は、カバー部330によって覆われることが好ましい。これにより、茶葉をホッパー320内に投入した後に、粉挽きユニット300内に異物が侵入することを防止することができる。また、粉砕された茶葉が外部へ飛散することを防止することができる。なお、茶葉を投入する際には、カバー部330は、ホッパー320から取り外される。
ホッパー320内に投入された茶葉は、コア355に設けられた螺旋羽根355aが下臼350の回転に伴って回転することにより、上臼360と下臼350との間に案内される。上臼360と下臼350との間に案内された茶葉は、粉砕されて茶葉粉末としてこれら上臼360と下臼350との周縁から下方へ落下する。
落下した茶葉粉末の一部は、排出経路312を通って排出口312aから茶葉粉末受皿800に排出される。落下した茶葉粉末のその他の部分は、貯留部311に貯留される。貯留部311内の茶葉粉末は、粉掻き取り部343が下臼支持部340の回転に伴って回転することにより、排出経路312に搬送されて排出口312aから茶葉粉末受皿800に排出される。
(飲料製造装置1の内部構成)
図6は、図1に示す飲料製造装置の概略構成を示す断面図である。図7は、図1に示す飲料製造装置の内部構成および撹拌ユニットの斜視図である。図6および図7を参照して、飲料製造装置1の内部構成について説明する。
図6および図7に示すように、飲料製造装置1は、制御部110、液体供給経路150、送風経路160、加熱手段200、サーミスタ201および送風機115を備える。制御部110は、加熱手段200、送風機115、粉挽駆動力連結機構130および撹拌モータユニット140等の動作を制御する。
液体供給経路150は、装置本体100内に収容されている。液体供給経路150は、液体貯留タンク700に接続される。液体供給経路150は、一端が液体貯留タンク700に接続され、液体供給経路150の他端が撹拌槽510にお湯を供給する供給口153となる。
液体供給経路150は、供給ノズル152および接続配管151を含む。供給ノズル152は、先端側に供給口153を有し、接続配管151側に嵌合部155を有する。供給口153は、撹拌槽510が撹拌ユニット装着部190に装着された状態において、撹拌槽510の底部に対向するように設けられている。供給口153は、撹拌羽根550の上方に配置される。
嵌合部155は、接続配管151の一端151a側に着脱可能に嵌合するように設けられている。嵌合部155は、円筒形状を有する。嵌合部155を接続配管151の一端151a側に嵌め込むことにより、接続配管151が供給ノズル152に接続される。
接続配管151は、供給ノズル152と液体貯留タンク700とを接続する。接続配管151は、液体貯留タンク700の底面から下方に一旦延び、U字形状に上向きに延びる。接続配管151の他端151b側には逆止弁730が設けられている。逆止弁730は、液体供給路150内の液体が液体貯留タンク700に逆流することを防止する。
加熱手段200は、液体供給経路150の接続配管151の途中領域に設けられている。加熱手段200は、液体供給経路150内の水(液体)を加熱する。加熱手段200によって液体供給経路150内の液体が加熱され、液体供給経路150内の圧力が所定の圧力以上となった場合に当該液体が撹拌槽510に供給される。この際、水を殺菌するために、水の温度が80℃以上となるように加熱する。
サーミスタ201は、加熱手段200近傍に設けられる。サーミスタ201は、加熱手段200の温度情報を制御部110に入力する。制御部110は、サーミスタ201からの温度情報に基づいて加熱手段200の温度が所定の温度以上か否かを判断する。
送風経路160は、撹拌槽510内に空気を送出するための経路である。送風経路160は、装置本体100内に収容されている。送風経路160は、吸込口111および吹出口163を含む。吸込口111は、装置本体100の背面側に設けられている。吸込口111には、空気中に含まれる塵埃を捕集するエアフィルタ112が設けられていてもよい。
吹出口163は、撹拌槽510が撹拌ユニット装着部190に装着された状態において、撹拌槽510の底部に対向するように設けられている。吹出口163は、供給口153の周囲の少なくとも一部を取り囲むように設けられている。この場合には、吹出口163の中心軸と供給口153の中心軸とは同軸であることが好ましい。
吹出口163は、加熱手段200によって加熱されたお湯を撹拌槽510に供給する際に少なくとも供給口153から撹拌槽510に向けて供給されているお湯(撹拌槽510に向けて落下しているお湯)に向けて空気を吹き当て可能に設けられている。
送風経路160は、吹出ダクト162および接続ダクト161を含む。吹出ダクト162は、先端側に上述の吹出口163を有し、接続ダクト161側に挿入部165を有する。挿入部165は、円筒形状を有する。挿入部165を接続ダクト161の一端161a側に挿入することにより、接続ダクト161が吹出ダクト162に接続される。接続ダクト161は、吹出ダクト162と吸込口111とを接続する。
送風機115は、送風経路160内に配置されている。送風機115は、吸込口111から吸い込んだ空気を吹出口163に向けて送風する。送風機115としては、シロッコファン、プロペラファン、ターボファン形式の送風機を適宜採用することができる。
供給ノズル152および吹出ダクト162は、経路形成部材170によって構成されている。経路形成部材170の詳細構造については、図14から図18を用いて後述する。
(撹拌ユニット500の詳細な構造)
図8は、図7に示す撹拌ユニットの斜視図である。図9は、図8に示す撹拌ユニットから撹拌カバーを取り外した状態を示す斜視図である。図6から図9を参照して、撹拌ユニット500の詳細な構造について説明する。
図6から図9に示すように、撹拌ユニット500は、撹拌槽510、撹拌羽根550、撹拌カバー530および吐出口開閉機構540を含む。撹拌槽510は、上面が開口する容器形状を有する。撹拌槽510は、上部に設けられた開口部513および外側に突出するように設けられた注ぎ部515を有する。
撹拌槽510は、撹拌羽根550を収容する。撹拌槽510は、たとえば樹脂製の外装ホルダー(不図示)と、この外装ホルダーに保持される保温タンクとによって構成されている。撹拌槽510には、グリップ520が設けられている。グリップ520は、樹脂によって外装ホルダーと一体成形されている。
撹拌カバー530は、撹拌槽510の開口部513に着脱可能に取付けられる。撹拌カバー530には、給湯口531、および粉末投入口532が設けられている。粉末投入口532は、粉挽きユニット300により粉砕された茶葉粉末を投入する部位である。
給湯口531は、供給ノズル152の供給口153および吹出ダクト162の吹出口163に対向可能に設けられている。給湯口531は、供給ノズル152から注がれるお湯を撹拌槽510内に案内するとともに、吹出口163から吹き出される空気を撹拌槽510内に案内する。また、給湯口531は、注ぎ部515に連通するように設けられている。
給湯口531が注ぎ部515に連通することにより、撹拌ユニット500を撹拌ユニット装着部190から取り外し、撹拌ユニット500を傾斜させることで、注ぎ部515および給湯口531を介して撹拌槽510内の飲料を外部に注ぐことができる。本実施の形態における給湯口531は、注ぎ口としても機能する。
また、撹拌カバー530には、粉末投入口532を開閉可能に覆うスライドカバー535が取付けられている。スライドカバー535は、撹拌カバー530上をスライド移動可能に設けられている。
粉末投入口532から粉末を撹拌槽510へ投入する場合には、粉末投入口532が露出するように、スライドカバー535をスライド移動させる。これにより、粉末投入口532が開状態となる。
一方、撹拌槽510への粉末の投入が終了した場合には、粉末投入口532がスライドカバー535によって覆われるようにスライドカバー535をスライド移動させる。これにより、粉末投入口532が閉状態となる。この閉状態においては、外部から粉末投入口532を通って撹拌槽510に異物が侵入することを防止できる。
なお、スライドカバー535は、粉末投入口532を開閉可能に覆うことができる限り、スライド移動可能に設けられる必要はなく、着脱自在に撹拌カバー530に取付けられていてもよい。
スライドカバー535は、粉末投入口532を覆った状態において粉末投入口532に連通する穴部533を有する。穴部533は、粉末投入口532に連通することにより、撹拌槽510に供給されたお湯の蒸気および吹出口163から撹拌槽510に送風された空気を外部に逃がす。
撹拌槽510の底部には、撹拌羽根550が載置される。撹拌槽510の底部には、上方に延びる回転軸560が設けられ、この回転軸560に撹拌羽根550の筒状芯250が挿入される。
撹拌羽根550には、磁石240が埋め込まれている。撹拌モータ非接触テーブル140A上において、撹拌羽根550に埋め込まれた磁石240と、撹拌モータユニット140側に設けられた磁石141とが非接触の状態で磁気結合することで、撹拌モータユニット140の回転駆動力が、撹拌羽根550に伝達される。
吐出口開閉機構540は、撹拌槽510の底部に設けられた吐出口541を開閉可能に塞ぐ開閉ノズル543と、開閉ノズル543の位置を制御する操作レバー542とを含む。開閉ノズル543は、通常状態においてはバネ等の付勢部材(図示省略)により吐出口541を塞ぐように付勢されている。利用者が、操作レバー542を付勢力に対抗して移動させた場合には、開閉ノズル543が移動し、吐出口541が開放される。これにより、撹拌槽510内のお茶が、載置ベース900に載置されたカップ(図示省略)に注出される。
本実施の形態においては、撹拌ユニット500を装置本体100に装着した状態で吐出口541から生成された飲料を外部に注出するか、撹拌ユニット500を装置本体から取り外した状態で、撹拌槽510の注ぎ部515から飲料を外部に注出するか適宜選択することができる。このため、利便性が格段に向上する。
上述した撹拌ユニット500においては、撹拌槽510が外装ホルダーと保温タンクによって構成される場合を例示して説明したが、これに限定されず、保温タンクのみから構成されていてもよい。また、保温タンクに代えて、保温性を有さず耐熱性を有する容器が使用されてもよい。
(撹拌羽根550)
図10は、図6に示す撹拌羽根の形状を示す平面図である。図11は、図6に示す撹拌羽根の形状を示す斜視図である。図12は、図6に示す撹拌羽根の構成を示す分解斜視図である。図13は、図10に示すXIII−XIII線に沿った断面図である。図10から図13を参照して、撹拌羽根550について説明する。
図10および図11に示すように、撹拌羽根550は、内部に回転軸が挿入される円筒形状の筒状芯250を中心に備えている。筒状芯250は、回転中心軸(C)を有する回転部を構成する。筒状芯250の外周面からは、放射状に延び、180度対向する位置に一対に設けられる第1パドル210と、この第1パドル210に対して90度回転する位置において、180度対向する位置に一対に設けられる第2パドル211とを備える。
一対の第1パドル210の外周面および一対の第2パドル211の外周面には、下部補助リング222が設けられている。下部補助リング222は、回転方向(図中矢印A方向)に対して抵抗にならない形状を有している。下部補助リング222には、第1パドル210および第2パドル211の上面(第1面)側に向かって延びる羽根部220が、回転中心軸Cを取り囲むように複数設けられている。また、羽根部220は、回転中心軸Cに対して回転対称となるように複数枚設けられている。羽根部220の上端部は、上部補助リング223に連結されている。上部補助リング223も下部補助リング222と同様に、回転方向に対して抵抗にならない形状を有している。なお、羽根部220の詳細形状については後述する。
一対の第1パドル210は、下方(第2面)側に向かって所定の厚みを有し、回転方向から見て下流側に凹む湾曲形状を有し、回転方向(図中矢印A方向)において撹拌に寄与する湾曲形状のパドル面212が形成されている。同様に、第2パドル211にも、下方(第2面)側に向かって所定の厚みを有し、回転方向から見て下流側に凹む湾曲形状を有し、回転方向(図中矢印A方向)において撹拌に寄与する湾曲形状のパドル面212が形成されている。パドル面212は4箇所に設けられており、第1パドル210と第2パドル211との間には、合計4箇所の空間210hが形成されている。一対の第1パドル210の内部には、磁石240が埋め込まれている。
図12および13を示すように、筒状芯250および一対の第1パドル210は、一体に成形されたカバー260aを含んでいる。第1パドル210のパドル本体260b内には、磁石240を収納するための円筒状の収容部210aが設けられている。一対の第1パドル210内に埋め込まれた磁石240は、非接触回転駆動機構(撹拌モータユニット140および磁石141)によって、磁力による回転伝達がなされる。回転駆動中の磁力による保持力を高めるには、磁石240は、2箇所に設けることが望ましい。
一対の第1パドル210の間には、回転軸が挿入される貫通穴253が設けられている。筒状芯250の内部には、回転軸の先端が点接触し撹拌羽根550をスムーズに回転させるために円錐状キャップ251が収容されている。カバー260aとパドル本体260bと間には、水密性を確保するためのリングシール252が嵌め込まれている。
次に、図13を参照して、羽根部220の形状について説明する。羽根部220は、上方に向かうにしたがって外側に拡がる傾斜角θが設けられている。傾斜角θは、たとえば75度程度である。傾斜角θによって、撹拌羽根550は同じ外形で高い撹拌力を得るか、もしくは同じ撹拌力で回転駆動部の負荷を低減することが可能になる。
また、傾斜角θによって、撹拌羽根550の清掃性が向上する。撹拌羽根550の全高hに対して、第1パドル210および第2パドル211の高さhaを、図13に示すように回転方向に対して抵抗になる(撹拌力に寄与する)エリアと定義する。本実施の形態においては、h=9.5mm、ha=5.5mmであるのが望ましい。また、羽根部220の内径d1=φ30mm、外径d=φ32mmであるのが望ましい。
このような構成を有することにより、撹拌羽根550は、撹拌動作において水面からの空気取り込みによる泡立て効果と、第1パドル210および第2パドル211のパドル面212による撹拌効果を兼ね備えることができる。たとえば、内径φ100mmの撹拌槽510内において、最小液体供給量150ccの泡立て性能および撹拌性能を確保することができる。
撹拌羽根550を回転させると、撹拌羽根550の撹拌作用により、液体には、回転中心軸Cに対して略直交する方向の力が作用する。この結果、回転中心軸を含む中央部の液面が下方に変位し、撹拌羽根550の上部が液面から露出する状態となる。
撹拌羽根550の液面から露出した領域において、液体中へ空気の取り込みが可能となる。同時に撹拌羽根550の中央部から外周部へと空気および撹拌対象の液体を送り出し、液中へ空気を効率よく取り込みながら粉末と液体とを撹拌させる。
撹拌羽根550の羽根部220が、空気と液体との界面を通過することにより、大きな泡を粉砕し、きめ細やかな泡を生成することができる。
なお、撹拌羽根550の構成は、上記のような構成に限定されず、空気を取り込み可能に設けられた羽根部と、撹拌に寄与する撹拌寄与部とを有するシロッコファン形状を備えた構成であれば適宜変更することができる。
(経路形成部材170)
図14は、図7に示す経路形成部材を示す斜視図である。図15は、図14に示す経路形成部材を吹出口および供給口側から見た斜視図である。図16は、図14に示す経路形成部材の分解斜視図である。図17は、図14に示すXVII−XVII線に沿った断面図である。図14から図17を参照して、経路形成部材170について説明する。
経路形成部材170は、上部側部材171、下部側部材172および中間部材152A(図16参照)を有する。経路形成部材170は、略L字形状を有する。経路形成部材170の一端170a側には、供給口153(図15参照)および吹出口163(図15参照)が設けられている。
経路形成部材170の屈曲部近傍には、円筒形状の嵌合部155が設けられている。嵌合部155は、上述のように供給ノズル152の一部であり、お湯を排出するための液体供給経路150の一部を構成する。
経路形成部材170の他端170b側には、円筒形状の挿入部165が設けられている。挿入部165は、上述のように吹出ダクト162の一部であり、空気を送風するための送風経路160の一部を構成する。
屈曲部から一端170aに至るまでの経路形成部材170の内部は、二重構造となっている。屈曲部から一端170aに至るまで供給ノズル152の周囲を取り囲むように吹出ダクト162の一部が設けられている。
下部側部材172は、上方に向けて開口するように設けられている。下部側部材172は、上述の嵌合部155、挿入部165、隔壁部152B、底部172Aおよび周壁部172Bを含む。
隔壁部152Bは、環状形状を有し、上方に向けて開口する。隔壁部152Bは、屈曲部から一端170a側に至るまでの下部側部材172の略中央部において底部172Aから起立するように設けられている。隔壁部152Bは、嵌合部155と供給口153とを接続しつつ、供給口153と吹出口163とを隔てるように設けられている。
周壁部172Bは、底部172Aの周縁から起立するように設けられている。周壁部172Bは、挿入部165と吹出口163とを接続しつつ、隔壁部152Bを取り囲むように設けられている。
中間部材152Aは、隔壁部152Bの上面開口を塞ぐ部位である。中間部材152Aが隔壁部152Bの上面開口を塞ぐことにより、隔壁部152B、中間部材152Aおよび底部172Aによって供給口153と嵌合部155とに連通する空間が形成される。これにより、供給ノズル152が形成される。
上部側部材171は、下部側部材172の上面開口を塞ぐ部位である。供給ノズル152が形成された状態で、上部側部材171が下部側部材172の上面開口を塞ぐことにより、上述の供給口153と嵌合部155とに連通する空間とは分離された空間が経路形成部材170内に形成される。これにより、吹出ダクト162が形成される。
当該分離された空間は、底部172A側を除く供給ノズル152の周囲を取り囲むように形成される。このため、供給口153からお湯を撹拌槽510に向けて供給する前に、供給ノズル152内を通過するお湯を、供給ノズル152を構成する隔壁部152Bおよび中間部材152Aを介して吹出ダクト162内を送風する空気によって冷却することができる。
また、上部側部材171が下部側部材172の上面開口を塞ぐことにより、送風経路160には、吹出口163側において吹出口163に連通し、送風機115によって送風される空気の送風方向を撹拌槽510に向かうように変換する吹出室154(図17参照)が形成される。
吹出室154は、撹拌槽510内に供給されたお湯からの蒸気が吹出口163から吹出室154に侵入して結露することにより吹出室154に付着する結露水を吹出口163から撹拌槽510に向けて排出可能に設けられている。
具体的には、たとえば吹出口163を規定する部分の吹出ダクト162の内壁部164が下方に向かうにつれて内径が小さくなるように傾斜する。また、屈曲部から一端170a側に至る部分における下部側部材172の底部172Aも屈曲部側から吹出口163側に向かうにつれて下方に傾斜するように設けられることが好ましい。
吹出室154に付着した結露水は、底部172Aの傾斜面および内壁部164の傾斜面を伝って吹出口163から排出される。このように構成することにより、結露水が送風機115側に移動することを防止できる。この結果、送風機115の駆動部が短絡することを防止することができる。
また、以上のような構成を有する経路形成部材170を用いることにより、撹拌槽510内に供給されたお湯だけでなく、撹拌槽510に供給途中のお湯も冷却することができる。このため、お湯が比較的高温である部分で積極的に直接空気と接触させることによりお湯の蒸発潜熱を奪って、効率よくお湯を冷却することができる。
(お湯を供給中の湯気および冷却空気の移動)
図18は、図7に示す撹拌ユニットにお湯を供給した場合の湯気および冷却用空気の移動を示す模式図である。なお、図18においては、便宜上のためスライドカバー535は省略している。図18を参照して、撹拌ユニット500にお湯を供給した場合の湯気の移動を示す模式図である。
お湯を供給する際には、撹拌ユニット500を撹拌ユニット装着部190に装着して、給湯口531と、供給口153および吹出口163が設けられた経路形成部材170の先端とを対向させる。これにより、注ぎ部515およびこれに連通する給湯口531がほぼ経路形成部材170の先端にて塞がれた状態となる。
供給口153から撹拌槽510内にお湯を供給しつつ、吹出口163から冷却用の空気を撹拌槽510内に送風する場合には、給湯口531側が塞がれていることから、お湯からの湯気および冷却用の空気は、図18中矢印に示すように、粉末投入口532、スライドカバー535の穴部533を通って外部に排出される。
スライドカバー535の穴部533は、図6に示すように、装置本体100から遠ざかった位置に設けられているため、湯気およびこれを含んだ冷却用の空気が装置本体100内に侵入することを防止することができる。これにより、装置本体100の内部が結露することを防止でき、装置本体100内の電子部品が短絡、腐食等により破損することを防止できる。
(第1比較例)
(撹拌ユニット500X)
図19は、第1比較例における撹拌ユニットを示す図である。図19を参照して、第1比較例における撹拌ユニット500Xについて説明する。
第1比較例における撹拌ユニット500Xは、実施の形態1に係る撹拌ユニット500と比較した場合に、撹拌カバー530Xの構成が相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
撹拌ユニット500Xの撹拌カバー530Xは、撹拌槽510の注ぎ部515を露出させるように設けられた開口部534と、注ぎ部515には連通せずに、注ぎ部515から離れた位置に設けられた給湯口531Xと、粉末投入口(不図示)とを含む。
(第1比較例におけるお湯を供給中の湯気および冷却空気の移動)
図20は、図19に示す撹拌ユニットにお湯を供給した場合の湯気および冷却用空気の移動を示す模式図である。図20を参照して、第1比較例における撹拌ユニット500Xにお湯を供給した場合の湯気および冷却用吸気の移動について説明する。
図20に示すように、お湯を供給する際には、撹拌ユニット500Xを撹拌ユニット装着部190に装着して、給湯口531Xと、供給口153および吹出口163が設けられた経路形成部材170の先端とを対向させる。
第1比較例においては、給湯口531は、ほぼ経路形成部材170の先端にて塞がれた状態となるが、注ぎ部515およびこれを露出させる開口部534は、開いた状態が維持される。
このため、供給口153から撹拌槽510内にお湯を供給しつつ、吹出口163から冷却用の空気を撹拌槽510内に送風する場合には、図20中矢印に示すように、お湯からの湯気および冷却用の空気は、粉末投入口532に連通する穴部533および撹拌カバー530Xの開口部534を通って外部に排出される。
ここで、撹拌ユニット500Xを撹拌ユニット装着部190に装着した状態においては、注ぎ部515および開口部534は、装置本体100側を向いている。また、装置本体100には、装置本体100から経路形成部材170の先端を露出させるために貫通孔が設けられている。
このため、開口部534から排出される湯気およびこれを含む冷却用の空気は、装置本体100に設けられた貫通孔から装置本体100内に侵入する場合がある。これにより、装置本体100内の電子部品が短絡、腐食等により破損することが起こり得る。
(実施の形態1におけるお茶の製造)
図21は、本実施の形態に係る飲料製造装置を用いてお茶を製造するフローを示す図である。図22は、本実施の形態に係る飲料製造装置を用いてお茶を製造する際のタイムチャートである。図21および図22を参照して、本実施の形態に係る飲料製造装置1を用いたお茶の製造方法について説明する。
図21および図22に示すように、お茶を製造するに際して、まず、粉挽きユニット300によって得られて茶葉粉末を撹拌槽510内に投入する。撹拌羽根550は、撹拌槽510の底部に設けられているため、後述するようにお湯を少量供給した場合で撹拌羽根550を撹拌させることができる。茶葉粉末は、供給口から撹拌槽510に向けて落下しているお湯に直接当たらないように、撹拌羽根550から離れた位置に投入されることが好ましい。後述する工程にて供給口から落下するお湯の勢いによって茶葉粉末が飛散することを防止することができる。
茶葉粉末の投入と同時または投入後に、工程(S10)において、制御部110は、加熱手段200を駆動させる。加熱手段200の駆動は、たとえば、使用者が装置本体100に設けられた給湯開始ボタンを押すことにより実行される。具体的には、給湯開始ボタンが押されることにより、給湯開始信号が制御部110に入力される。制御部110は、この給湯開始信号に基づいて加熱手段200を駆動させる。
続いて、工程(S11)において、制御部110は、加熱手段200を駆動させてからの経過時間tf秒がt1秒以上であるか否かを判断する。経過時間tf秒がt1秒以上であると判断した場合(工程S11;YES)には、制御部110は、工程(S12)を実施する。経過時間tf秒がt1秒よりも短いと判断した場合(工程S11;NO)には、制御部110は、経過時間tfがt1秒以上となるまで加熱手段200を駆動させた状態を維持する。たとえば、t1秒は、略60秒である。t1秒は、茶葉粉末を溶かすために最低限必要な湯量が撹拌槽510内に溜まるまでの待ち時間となることが好ましい。
経過時間tfがt1秒に到達するまでの間に、加熱手段200によって液体供給経路150内の水が加熱されることにより、液体供給経路150内の圧力が所定の圧力以上となる。液体供給経路150内の圧力が所定の圧力以上となることにより、撹拌槽510へのお湯の供給が開始される。たとえば、加熱手段200を駆動させてから15秒〜20秒程度経過後に、撹拌槽510へのお湯の供給が開始される。なお、水を殺菌するために、水の温度が80℃以上となるように加熱することが好ましい。
次に、工程(S12)において、制御部110は、撹拌モータユニット140を駆動させて、撹拌羽根550を回転駆動させる。具体的には、制御部110は、上述の撹拌槽510へのお湯の供給が開始してからお湯の供給が終了する前に、撹拌羽根550を第1速度で回転駆動させる。お湯の供給が開始されてから、25秒〜30秒程度経過後に撹拌羽根550を回転駆動させる。
この場合において、撹拌羽根550の上端がお湯に浸漬するまで撹拌槽510にお湯が供給された後に撹拌羽根550が回転駆動するように、制御部110が撹拌モータユニット140を制御することが好ましい。
撹拌羽根550の上端がお湯に浸漬するまで撹拌槽510にお湯を供給することにより、投入された粉末の全てを確実にお湯中に浸漬させることができる。このような状態においては、相当程度の湯量が供給されているため、お湯および粉末が撹拌により周囲に飛散することを防止することができる。
なお、撹拌羽根550の上端がお湯に浸漬しない場合であっても、茶葉粉末を溶かすために最低限必要な湯量が供給され、かつ、撹拌によりお湯および粉末が飛び散らない程度の最低量のお湯が供給される限り、撹拌羽根550の回転駆動を開始させてもよい。
続いて、工程(S13)において、制御部110は、サーミスタ201から入力される温度情報に基づいて加熱手段200の温度Thが、所定の温度T1以上であるか否かを判断する。液体供給経路150内のお湯が全て撹拌槽510に供給された場合には、加熱手段200の熱がお湯に伝達されなくなり、加熱手段200の温度が上昇する。このため、加熱手段200の温度が所定の温度以上か否かを判断することにより、液体供給経路150内のお湯が全て撹拌槽510に供給されたか否かを判断する。
加熱手段200の温度Thが所定の温度T1以上であると判断した場合(工程S13;YES)には、制御部110は、工程(S14)を実施する。加熱手段200の温度Thが所定の温度T1より低いと判断した場合(工程S13;NO)には、制御部110は、加熱手段200の温度Thが所定の温度T1以上となるまで加熱手段200を駆動させた状態を維持する。
次に、工程(S14)において、制御部110は、加熱手段200の駆動を停止する。これにより湯沸が終了する。続いて、工程(S15)において、制御部110は、湯沸終了後からの経過時間tsを0秒として、当該経過時間tsの測定を開始する。
続いて、工程(S16)において、制御部110は、経過時間ts秒がt5秒以上であるか否かを判断する。経過時間tsがt5秒以上であると判断した場合(工程S16;YES)には、制御部110は、工程(S17)を実施する。経過時間tsがt5より短いと判断した場合(工程S16;NO)には、制御部110は、経過時間tsがt5秒以上となるまで撹拌羽根550の回転駆動が継続されるように撹拌モータユニット140を制御する。たとえば、t5秒は、45秒〜90秒程度である。少なくとも45秒程度撹拌を継続することにより、きめ細やかな泡の生成が促進される。
次に、工程(S17)において、制御部110は、撹拌モータユニット140の駆動を停止させ、撹拌羽根550の回転駆動を停止させる。これにより、撹拌羽根550による茶葉粉末とお湯との撹拌が終了する。
工程(S12)にて撹拌モータユニット140の駆動を開始してから、工程(S17)にて撹拌モータユニット140の駆動を停止するまでの間、撹拌モータユニット140は一定の強さの駆動入力値で駆動される。たとえば、撹拌モータユニット140は、PWM制御にて制御されており、撹拌モータユニット140の駆動開始から駆動停止に至るまでの間、デューティ比が一定となるように制御される。
これにより、撹拌羽根550は、撹拌槽510へのお湯の供給途中に第1速度で回転駆動してから撹拌が終了するまでの間、第1速度よりも大きくならないように回転駆動する。たとえば、第1速度とは、1200rpm〜1800rpm程度の速度である。
上述のように、本実施の形態に係る飲料製造装置1では、撹拌槽510へのお湯の供給途中に撹拌羽根550を回転させるため、飲料を製造するために必要であるお湯の全てを供給した後に撹拌羽根550を回転させる場合と比較して、湯量が少ない状態で撹拌羽根550を回転させることとなる。
この場合には、茶葉粉末が全体的に吸湿して大きな塊状(ダマ)となる前に、お湯と茶葉粉末との撹拌を開始させることができる。このため、お湯中に茶葉粉末を容易に分散させることができ、塊状の茶葉粉末が生成されることを防止できる。また、供給されたお湯の量が少なく濃度が高い状態で撹拌を開始させることができるため、きめ細やかな泡が生成されやすくなる。
以上のように、本実施の形態に係る飲料製造装置1にあっては、制御部110が、供給口153から撹拌槽510へのお湯の供給が開始されてから撹拌槽510へのお湯の供給が終了する前に撹拌羽根550を回転駆動させることにより、粉末が塊状で残留することを抑制しつつ、泡立ちの良好な飲料を製造することができる。
さらに、供給口153から撹拌槽510へのお湯の供給が開始されてから撹拌槽510へのお湯の供給が終了する前に撹拌羽根550を第1速度で回転駆動させ、撹拌羽根550による撹拌が終了するまでの間、撹拌羽根550の回転速度が第1速度よりも大きくならないように撹拌モータユニット140を制御することにより、撹拌初期に形成された泡が破壊されず、撹拌終了まで気泡径の小さいクリーミーな泡を十分に残すことができる。
(第2比較例)
(お茶の製造)
図23は、第2比較例における飲料製造装置を用いてお茶を製造するフローを示す図である。図24は、第2比較例における飲料製造装置を用いてお茶を製造する際のタイムチャートである。図23および図24を参照して、第2比較例に係る飲料製造装置を用いたお茶の製造方法について説明する。
図23および図24に示すように、第2比較例に係る飲料製造装置は、実施の形態1に係る飲料製造装置と比較した場合に、撹拌羽根550の撹拌動作が相違する。その他の動作および装置の構成については、ほぼ同様である。
本比較例においても、お茶を製造するに際して、まず、粉挽きユニット300によって得られて茶葉粉末を撹拌槽510内に投入する。茶葉粉末の投入と同時または投入後に、工程(S20)において、制御部110は、加熱手段200を駆動させる。
次に、工程(S21)において、制御部110は、サーミスタ201から入力される温度情報に基づいて加熱手段200の温度Thが、所定の温度T1以上であるか否かを判断する。
加熱手段200の温度Thが所定の温度T1以上であると判断した場合(工程S21;YES)には、制御部110は、工程(S22)を実施する。加熱手段200の温度Thが所定の温度T1より低いと判断した場合(工程21;NO)には、制御部110は、加熱手段200の温度Thが所定の温度T1以上となるまで加熱手段200を駆動させた状態を維持する。
続いて、工程(S22)において、制御部110は、加熱手段200の駆動を停止する。これにより湯沸が終了する。
次に、工程(S23)において、加熱手段200の駆動停止後からの経過時間tbがt2秒以上であるか否かを判断する。経過時間tbがt2秒以上であると判断した場合(工程S23;YES)には、制御部110は、工程(S24)を実施する。経過時間tbがt2より短いと判断した場合(工程S23;NO)には、制御部110は、経過時間tbがt2秒以上となるまで加熱手段200の駆動が停止された状態を維持する。たとえばt2秒は、10秒程度である。沸騰が激しい状態で撹拌モータを速い速度で回転させると、お湯が周囲に飛び散ってしまう。このため、沸騰が治まってから次の工程の動作を開始するように、t2秒間待つことが好ましい。
続いて、工程(S24)において、制御部110は、撹拌モータユニット140を駆動させる。具体的には、実施の形態に係る第1速度よりも速い速度で撹拌羽根550を回転駆動させる。この際、制御部110は、撹拌モータユニット140の駆動開始後からの経過時間ts1を0秒として、当該経過時間ts1の測定を開始する。
実施の形態に係る第1速度よりも速い速度で撹拌羽根550を回転駆動させる場合には、撹拌モータユニット140を駆動させる駆動入力値を実施の形態1に係る駆動入力値よりも大きくする。具体的には、実施の形態1よりもデューティ比を大きくする。たとえば、撹拌羽根550の回転数は、2000rpmである。
次に、工程(S25)において、加熱手段200の駆動停止後からの経過時間ts1がt3秒以上であるか否かを判断する。経過時間ts1がt3秒以上であると判断した場合(工程S25;YES)には、制御部110は、工程(S26)を実施する。経過時間ts1がt3より短いと判断した場合(工程S25;NO)には、制御部110は、経過時間ts1がt3以上となるまで上述の速度で撹拌羽根550の回転駆動が継続されるように撹拌モータユニット140を制御する。たとえばt3秒は、45秒程度である。
続いて、工程(S26)において、制御部110は、工程(S25)にて継続させた上述の速度よりも遅い速度で撹拌羽根550を回転駆動させるように、撹拌モータユニット140を制御する。上述の工程(S24),(S25)におけるデューティ比を略半分程度にする。たとえば、撹拌羽根550の回転数は、1000rpmである。
次に、工程(S27)において、制御部110は、経過時間ts1秒がt4秒以上であるか否かを判断する。経過時間ts1がt4秒以上であると判断した場合(工程S27;YES)には、制御部110は、工程(S28)を実施する。経過時間ts1がt4より短いと判断した場合(工程S27;NO)には、制御部110は、経過時間ts1がt4秒以上となるまで工程(S26)にて調整した速度で撹拌羽根550の回転駆動が継続されるように撹拌モータユニット140を制御する。たとえば、t4秒は、90秒である。t4秒は、比較例における総撹拌時間である。
続いて、工程(S28)において、制御部110は、撹拌モータユニット140の駆動を停止させ、撹拌羽根550の回転駆動を停止させる。これにより、撹拌羽根550による茶葉粉末とお湯との撹拌が終了する。
第2比較例における飲料製造装置にあっては、撹拌槽510内に飲料の製造に必要なお湯を全て供給した後に撹拌羽根550を回転駆動させる。お湯の供給開始から撹拌羽根550を回転させるまでに時間が相当程度経過しているため、その間に粉末投入口から投入されて山状に堆積した茶葉粉末が全体的にお湯を吸湿して、比較的大きな塊状(ダマ)になりやすい。
この大きな塊状の茶葉粉末を分解するために、比較例においては、工程(S24),(S25)において、撹拌羽根550の回転を実施の形態1によりも速く回転させる必要が生じる。このため、撹拌羽根550の回転に伴って大きな騒音が発生し、使用者が不快に感じる場合があった。また、撹拌羽根550の撹拌速度を速くした場合であっても、大きな塊状の茶葉粉末は、完全には分解しきれず、塊状の茶葉粉末が残ってしまう場合があった。
一般的に、茶葉粉末が分散されるお茶においては、濃度が濃い程、泡立ちが良好となりやすい。しかしながら、比較例においては、相当程度多い量のお湯が撹拌槽510内に溜まった後に、撹拌させる。お茶の濃度が低い状態で撹拌羽根550を用いて泡の生成を行なうとともに、回転数を速くして撹拌するため、気泡径の大きい泡が生成されてしまう。t3秒経過後からt4秒までに至る間に、撹拌羽根550の回転速度を遅くして、この気泡径の大きい泡を粉砕することにより、多少は、気泡径を小さくすることができるが、きめ細かなクリーミーな泡を生成することは困難となる。
[実施の形態2]
(お茶の製造)
図25は、本実施の形態に係る飲料製造装置を用いてお茶を製造するフローを示す図である。図26は、本実施の形態に係る飲料製造装置を用いてお茶を製造する際のタイムチャートである。図25および図26を参照して、本実施の形態に係る飲料製造装置を用いたお茶の製造方法について説明する。
図25および図26に示すように、本実施の形態に係る飲料製造装置は、実施の形態1に係る飲料製造装置1と比較した場合に、撹拌槽510へのお湯の供給が終了した後であって撹拌羽根550による撹拌が終了するまでの間における、撹拌羽根550の撹拌動作が相違する。その他の動作および装置の構成については、ほぼ同様である。
本実施の形態に係る飲料製造装置を用いたお茶の製造方法においては、工程(S10)から工程(S15)まで、実施の形態1に係る飲料製造装置を用いたお茶の製造方法とほぼ同様の動作が実施される。
次に、工程(S15A1)において、制御部110は、経過時間ts秒がt6秒以上であるか否かを判断する。経過時間tsがt6秒以上であると判断した場合(工程S15A1;YES)には、制御部110は、工程(S15A2)を実施する。経過時間tsがt6より短いと判断した場合(工程S15A1;NO)には、制御部110は、経過時間tsがt6秒以上となるまで第1速度での撹拌羽根550の回転駆動が継続されるように撹拌モータユニット140を制御する。なお、t6秒は、t5秒よりも短い時間である。たとえば、t5秒は、90秒程度であり、t6秒は、45秒程度である。t6秒は、泡立ちを促進するための撹拌時間である。
続いて、工程(S15A2)において、制御部110は、第1速度よりも遅い第2速度で撹拌羽根550を回転駆動させるように、撹拌モータユニット140を制御する。制御部110は、第1速度で回転させるために入力した所定の強さに駆動入力値よりも、小さい駆動入力値で撹拌モータユニット140を駆動する。たとえば、デューティ比を小さくして撹拌モータユニット140を駆動する。
次に、工程(S16)において、制御部110は、経過時間ts秒がt5秒以上であるか否かを判断する。経過時間tsがt5秒以上であると判断した場合(工程S16;YES)には、制御部110は、工程(S17)を実施する。経過時間tsがt5より短いと判断した場合(工程S16;NO)には、制御部110は、経過時間tsがt5秒以上となるまで第2速度での撹拌羽根550の回転駆動が継続されるように撹拌モータユニット140を制御する。たとえば、t5秒は、90秒である。t5秒は、加熱手段200の駆動が停止されて湯沸が終了した時間から撹拌が終了するまでの時間である。
次に、工程(S17)において、制御部110は、撹拌モータユニット140の駆動を停止させ、撹拌羽根550の回転駆動を停止させる。これにより、撹拌羽根550による茶葉粉末とお湯との撹拌が終了する。
本実施の形態に係る飲料製造装置にあっても、制御部110は、供給口から撹拌槽510のお湯の供給が開始されてから撹拌槽510へのお湯の供給が終了する前に、撹拌羽根550を第1速度で回転させる。
これにより、茶葉粉末が全体的に吸湿して大きな塊状(ダマ)となる前に、お湯と茶葉粉末との撹拌を開始させることができる。このため、お湯中に茶葉粉末を容易に分散させることができ、塊状の茶葉粉末が生成されることを防止できる。
また、供給されたお湯の量が少なく濃度が高い状態で撹拌を開始させることができるため、きめ細やかな泡が生成されやすくなる。撹拌中に、お湯が新たに供給されていくこととなるが、撹拌終了まで第1速度よりも撹拌速度が大きくならないようにして撹拌羽根550を回転させる。このため、撹拌初期に形成された泡が破壊されず、撹拌終了まで気泡径の小さいクリーミーな泡を残すことができる。
さらに、本実施の形態に係る飲料製造装置にあっては、お湯の供給が終了した後であって撹拌羽根550による撹拌が終了するまでの間に、所定の時間(t6秒間)第1速度で撹拌羽根550を回転駆動させた後に、第1速度よりも小さい第2速度で撹拌羽根550を回転駆動させる。
撹拌槽510に供給されるお湯の量が少ない場合(たとえば150cc程度の場合)には、第1速度で回転させることによりきめ細やかな泡を生成できるものの、泡が消失しやすくなる。このため、第1速度よりも低い第2速度で回転させることにより、お湯の量が少量の場合であっても、泡の消失を防止し、気泡径の小さいクリーミーな泡を残すことができる。
[実施の形態3]
(お茶の製造)
図27は、本実施の形態に係る飲料製造装置を用いてお茶を製造するフローを示す図である。図28は、本実施の形態に係る飲料製造装置を用いてお茶を製造する際のタイムチャートである。図27および図28を参照して、本実施の形態に係る飲料製造装置を用いたお茶の製造方法について説明する。
図27および図28に示すように、本実施の形態に係る飲料製造装置は、実施の形態1に係る飲料製造装置1と比較した場合に、撹拌槽510へのお湯の供給が終了した後であって撹拌羽根550による撹拌が終了するまでの間における、撹拌羽根550の撹拌動作が相違する。その他の動作および装置の構成については、ほぼ同様である。
本実施の形態に係る飲料製造装置を用いたお茶の製造方法においては、工程(S10)から工程(S15)まで、実施の形態1に係る飲料製造装置を用いたお茶の製造方法とほぼ同様の動作が実施される。
次に、工程(S15A1)において、制御部110は、経過時間ts秒がt6秒以上であるか否かを判断する。経過時間tsがt6秒以上であると判断した場合(工程S15A1;YES)には、制御部110は、工程(S15A2)を実施する。経過時間tsがt6より短いと判断した場合(工程S15A1;NO)には、制御部110は、経過時間tsがt6秒以上となるまで第1速度での撹拌羽根550の回転駆動が継続されるように撹拌モータユニット140を制御する。なお、t6秒は、t5秒よりも短い時間である。たとえば、t6秒は、45秒程度である。
続いて、工程(S15A2)において、制御部110は、第1速度よりも遅い第2速度で撹拌羽根550を回転駆動させるように、撹拌モータユニット140を制御する。制御部110は、第1速度で回転させるために入力した所定の強さに駆動入力値よりも、小さい駆動入力値で撹拌モータユニット140を駆動する。たとえば、デューティ比を小さくして撹拌モータユニット140を駆動する。
次に、工程(S15A3)において、制御部110は、経過時間ts秒がt7秒以上であるか否かを判断する。経過時間tsがt7秒以上であると判断した場合(工程S15A3;YES)には、制御部110は、工程(S15A4)を実施する。経過時間tsがt7より短いと判断した場合(工程S15A3;NO)には、制御部110は、経過時間tsがt7秒以上となるまで第2速度での撹拌羽根550の回転駆動が継続されるように撹拌モータユニット140を制御する。なお、t7秒は、t6秒よりも長く、t5秒よりも短い時間である。たとえば、t7秒は、65秒から70秒程度である。
続いて、工程(S15A4)において、制御部110は、第2速度よりも遅い第3速度で撹拌羽根550を回転駆動させるように、撹拌モータユニット140を制御する。制御部110は、第2速度で回転させるために入力した所定の強さの駆動入力値よりも、小さい駆動入力値で撹拌モータユニット140を駆動する。たとえば、デューティ比を小さくして撹拌モータユニット140を駆動する。
次に、工程(S16)において、制御部110は、経過時間ts秒がt5秒以上であるか否かを判断する。経過時間tsがt5秒以上であると判断した場合(工程S16;YES)には、制御部110は、工程(S17)を実施する。経過時間tsがt5より短いと判断した場合(工程S16;NO)には、制御部110は、経過時間tsがt5秒以上となるまで第3速度での撹拌羽根550の回転駆動が継続されるように撹拌モータユニット140を制御する。たとえば、t5秒は、90秒である。
次に、工程(S17)において、制御部110は、撹拌モータユニット140の駆動を停止させ、撹拌羽根550の回転駆動を停止させる。これにより、撹拌羽根550による茶葉粉末とお湯との撹拌が終了する。
本実施の形態に係る飲料製造装置にあっても、制御部110は、供給口から撹拌槽510のお湯の供給が開始されてから撹拌槽510へのお湯の供給が終了する前に、撹拌羽根550を第1速度で回転させる。
これにより、茶葉粉末が全体的に吸湿して大きな塊状(ダマ)となる前に、お湯と茶葉粉末との撹拌を開始させることができる。このため、お湯中に茶葉粉末を容易に分散させることができ、塊状の茶葉粉末が生成されることを防止できる。
また、供給されたお湯の量が少なく濃度が高い状態で撹拌を開始させることができるため、きめ細やかな泡が生成されやすくなる。撹拌中に、お湯が新たに供給されていくこととなるが、撹拌終了まで第1速度よりも撹拌速度が大きくならないように撹拌羽根550を回転させる。このため、撹拌初期に形成された泡が破壊されず、撹拌終了まで気泡径の小さいクリーミーな泡を残すことができる。
さらに、制御部110は、湯の供給が終了した後であって撹拌羽根550による撹拌が終了するまでの間に、所定の時間(t6秒間)、第1速度で撹拌羽根550を回転駆動させた後に、所定の時間(t7−t6(秒間))、第1速度よりも小さい第2速度で撹拌羽根550を回転駆動させ、その後所定の時間(t5−t7(秒間))、第2速度よりも小さい第3速度で撹拌羽根550を回転駆動させる。
撹拌槽510に供給されるお湯の量がさらに少ない場合(150ccよりも少ない場合)であっても、回転数を段階的に落としていくことにより、第1速度で回転させることにより生成されたきめ細やかな泡の消失を抑制しつつ、気泡径の小さいクリーミーな泡を残すことができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。