JP6534295B2 - 撮像装置および方法並びに撮像制御プログラム - Google Patents

撮像装置および方法並びに撮像制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、細胞を経時的に複数回撮像する撮像装置および方法並びに撮像制御プログラムに関するものである。
近年、幹細胞などの培養された透明な細胞を非染色のまま観察する方法として位相差計測が広く使われ始めている。そして、このような位相差計測を行うものとして、CCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子を用いた位相差顕微鏡が使用されている。位相差顕微鏡は、細胞によって生じる回折光と直接光の位相差を検出することによって細胞の画像を生成するものである。
特開2005−214924号公報 特開2012−244510号公報
ここで、細胞の増殖が進むと細胞群(細胞コロニーとも言う)を形成する。そして、この細胞群の増殖が進むと単層の状態から細胞が複数層に重なり合って積層化する。このように細胞群が積層化された場合、細胞によって発生した回折光が細胞群の中で多重散乱を起こし、直接光と同じ光路を伝搬してしまう。その結果、積層化した細胞群から発せられる光の強度が大きくなり、単層の細胞群から発せられる光の強度とは大きく違ってくる。
したがって、単層の細胞群を撮像した際の撮像素子の露光条件のままで継続してタイプラプス撮影を行った場合、細胞群が積層化した際には、細胞群から発せられる光の強度が撮像素子の検出限界上限レベル以上となり、撮像素子が飽和して適切な細胞群の画像を取得することができない。
特許文献1においては、今回撮像した蛍光画像の輝度の最大値が、撮像素子の飽和レベルの90%(以下、基準蛍光輝度という。)を超えた場合に、次回の撮像における撮像素子の露光時間を短くすることが開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、今回撮像した蛍光画像の最大値と基準蛍光輝度との比較を行って、次回の撮像の露出時間を決定するため、今回撮像した蛍光画像の最大値が基準蛍光輝度未満である場合には、次回の撮像の露出時間の変更は行われないことになるが、次回までの蛍光の輝度の変化量によっては、次回の蛍光画像の撮像において、蛍光画像が飽和する可能性がある。特に、細胞を撮像する際には、細胞の成長度などによって細胞から発せられる光の強度の変化量が変わるので、画像が飽和する可能性が高くなる。また、特許文献2においても、特許文献1と同様に、今回の撮影の画像の最大値に基づいて、次回の撮影の露光時間を設定することが開示されている。
本発明は、上記の問題に鑑み、細胞を経時的に複数回撮像する際、従来よりも細胞画像の飽和の発生を抑制することができる撮像装置および方法並びに撮像制御プログラムを提供することを目的とする。
本発明の撮像装置は、細胞を撮像素子によって経時的に複数回撮像する撮像部と、撮像部によって現時点までに撮像された細胞画像の輝度に基づいて、次回撮像される細胞画像の輝度を推定する輝度推定部と、輝度推定部によって推定された輝度が、撮像素子の検出限界上限レベル以上である場合、次回撮像される細胞画像の輝度が、検出限界上限レベル未満となる撮像素子の露光条件を決定する露光条件決定部とを備え、撮像部が、露光条件決定部によって決定された露光条件に基づいて、次回の撮像を行うことを特徴とする。
また、上記本発明の撮像装置において、露光条件決定部は、現時点までに撮像された細胞画像の輝度に基づいて、次回の撮像の露光条件を決定することができる。
また、上記本発明の撮像装置において、輝度推定部は、現時点までに撮像された細胞画像の輝度に基づいて、その輝度の経時的な変化を表す近似関数を設定し、その設定した近似関数に基づいて、次回撮像される細胞画像の輝度を推定することができる。
また、上記本発明の撮像装置において、露光条件決定部は、近似関数に基づいて、次回以降の撮像の露光条件を決定することができる。
また、上記本発明の撮像装置において、輝度推定部は、初期設定関数を予め記憶し、現時点までに撮像された細胞画像の輝度に基づいて初期設定関数を変更することによって近似関数を設定することができる。
また、上記本発明の撮像装置において、初期設定関数を、細胞の種類毎または培養条件毎に記憶することができる。
また、上記本発明の撮像装置において、露光条件決定部は、残りの撮像期間または残りの撮像回数の情報を取得し、その情報に基づいて、次回以降の撮像の露光条件を決定することができる。
また、上記本発明の撮像装置において、輝度推定部は、現時点までに撮像された各細胞画像の輝度の平均値、最大値、最小値、最頻値および輝度の平均値と分散値との組み合わせの少なくとも1つに基づいて、次回撮像される細胞画像の輝度を推定することができる。
また、上記本発明の撮像装置において、輝度推定部は、輝度の平均値に分散値を加算した値と最大値との差が予め設定された範囲内である場合には、最大値に基づいて、次回撮像される細胞画像の輝度を推定し、上記差が予め設定された範囲外である場合には、平均値に分散値を加算した値に基づいて、次回撮像される細胞画像の輝度を推定することができる。
また、上記本発明の撮像装置において、露光条件決定部は、次回以降に撮像される細胞画像の輝度の最大値が検出限界上限レベル未満となる撮像素子の露光条件を決定することができる。
また、上記本発明の撮像装置において、撮像部は、複数の細胞群を撮像することができ、輝度推定部は、細胞群毎の次回撮像される細胞画像の輝度を推定することができ、露光条件決定部は、細胞群毎の次回の撮像の露光条件を決定することができ、撮像部は、細胞群毎に決定された露光条件に基づいて、細胞群毎の次回の撮像を行うことができる。
また、上記本発明の撮像装置において、露光条件は、撮像素子の露光時間および入射光量のうちの少なくとも1つを含むことができる。
本発明の撮像方法は、細胞を撮像素子によって経時的に複数回撮像する撮像方法であって、現時点までに撮像された細胞画像の輝度に基づいて、次回撮像される細胞画像の輝度を推定し、その推定した輝度が、撮像素子の検出限界上限レベル以上である場合、次回撮像される細胞画像の輝度が、検出限界上限レベル未満となる撮像素子の露光条件を決定し、その決定した露光条件に基づいて、次回の撮像を行うことを特徴とする。
本発明の撮像制御プログラムは、細胞を撮像素子によって経時的に複数回撮像する撮像部を制御する撮像制御部としてコンピュータを機能させる撮像制御プログラムであって、撮像部によって現時点までに撮像された細胞画像の輝度に基づいて、次回撮像される細胞画像の輝度を推定する輝度推定部と、輝度推定部によって推定された輝度が、撮像素子の検出限界上限レベル以上である場合、次回撮像される細胞画像の輝度が、検出限界上限レベル未満となる撮像素子の露光条件を決定する露光条件決定部としてさらにコンピュータを機能させ、撮像制御部が、撮像部を制御することによって、露光条件決定部によって決定された露光条件に基づいて、次回の撮像を行うことを特徴とする。
本発明の撮像装置および方法並びに撮像制御プログラムによれば、現時点までに撮像された細胞画像の輝度に基づいて、次回撮像される細胞画像の輝度を推定する。そして、その推定した輝度が、撮像素子の検出限界上限レベル以上である場合、次回撮像される細胞画像の輝度が、検出限界上限レベル未満となる撮像素子の露光条件を決定し、その決定した露光条件に基づいて、次回の撮像を行う。このように次回撮像される細胞画像の輝度を推定し、その推定した輝度に基づいて、次回の露光条件を決定するようにしたので、従来よりも細胞画像の飽和の発生を抑制することができる。
本発明の撮像装置の一実施形態を用いた細胞観察システムの概略構成を示す図 図1に示す細胞観察システムの撮像部の概略構成を示す図 現時点までに撮像された位相差画像の輝度に基づいて、次回撮像される位相差画像の輝度を推定する方法を説明するための図 残りの撮像期間に基づいて、次回以降の撮像の露光条件を決定する方法を説明するための図 次回以降の撮像の露光条件の決定方法のその他の実施形態を説明するための図 本発明の撮像装置の一実施形態を用いた細胞観察システムの作用を説明するためのフローチャート 次回の撮像を分割して行う場合を説明するための図
以下、本発明の撮像装置および方法並びに撮像制御プログラムの一実施形態を用いた細胞観察システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、細胞観察システム1の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態の細胞観察システム1は、図1に示すように、撮像部10と、撮像制御装置20と、表示装置30と、入力装置40とを備えている。
撮像部10は、培養された細胞群の位相差画像を撮像するものである。また、撮像部10は、細胞群を経時的に複数回撮像する、いわゆるタイムラプス撮影を行うものである。撮像対象の細胞としては、具体的には、iPS(induced pluripotent stem)細胞およびES(embryonic stem)細胞といった多能性幹細胞、幹細胞から分化誘導された神経、皮膚、心筋および肝臓の細胞、並びに人体から取り出された皮膚、網膜、心筋、血球、神経および臓器の細胞などがある。
図2は、撮像部10の概略構成を示す図である。撮像部10は、図2に示すように、白色光を出射する白色光源11と、リング形状のスリットを有し、白色光源11から出射された白色光が入射されて、いわゆる位相差計測のためのリング状の照明光L1を出射するスリット板12と、スリット板12から出射されたリング状の照明光L1が入射され、その入射されたリング状の照明光L1を、細胞群Sを含む撮像領域に対して照射する対物レンズ13とを備えている。
スリット板12は、白色光源11から出射された白色光を遮光する遮光板に対して白色光を透過するリング形状のスリットが設けられたものであり、白色光がスリットを通過することによってリング状の照明光L1が形成される。
また、撮像部10は、位相差レンズ14と、結像レンズ15と、撮像素子16とを備えている。
位相差レンズ14は、対物レンズ14aおよび位相板14bを備えている。位相板14bは、照明光L1の波長に対して透明な透明板に対して位相リングを形成したものである。なお、上述したスリット板12のスリットの大きさは、この位相リングと共役な関係にある。
位相リングは、入射された光の位相を1/4波長ずらす位相膜と、入射された光を減光する減光フィルタがリング状に形成されたものである。位相リングに入射された直接光は、位相リングを通過することによって位相が1/4波長ずれるとともに、その明るさが弱められる。一方、細胞群Sによって回折された回折光は大部分が位相板14bの透明板を通過し、その位相および明るさは変化しない。
位相差レンズ14は、図示省略した光学系駆動部によってZ方向(矢印A方向)に移動するものである。この位相差レンズ14のZ方向への移動によってオートフォーカス制御が行われ、撮像素子16によって撮像される画像のコントラストが調整される。
結像レンズ15は、位相差レンズ14を通過した回折光および直接光が入射され、これらを撮像素子16に結像するものである。
撮像素子16は、結像レンズ15によって結像された回折光および直接光を検出して位相差画像を撮像するものである。撮像素子16としては、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどが用いられる。撮像素子としては、RGB(Red Green Blue)のカラーフィルタが設けられた撮像素子を用いてもよいし、モノクロの撮像素子を用いるようにしてもよい。なお、本実施形態においては、位相差画像が、本発明の細胞画像に相当するものである。
対物レンズ13と位相差レンズ14との間には、ステージ51が設けられている。そして、このステージ51上に、細胞群Sおよび培養液Cが収容された培養容器50が設置される。ステージ51は、図示省略したステージ駆動部によって互いに直交するX方向およびY方向に移動するものである。培養容器50としては、シャーレ、ディッシュまたはウェルプレートなどを用いることができる。
図1に戻り、撮像制御装置20は、細胞画像取得部21と、輝度推定部22と、露光条件決定部23と、撮像制御部24と、表示制御部25とを備えている。
撮像制御装置20は、コンピュータに対して本発明の撮像制御プログラムの一実施形態がインストールされたものである。
撮像制御装置20は、中央処理装置、半導体メモリおよびハードディスクなどを備えており、ハードディスクに本発明の撮像制御プログラムの一実施形態がインストールされている。そして、このプログラムが中央処理装置によって実行されることによって、図1に示すような細胞画像取得部21、輝度推定部22、露光条件決定部23、撮像制御部24および表示制御部25が動作する。
細胞画像取得部21は、撮像部10において経時的に複数回撮像された位相差画像を取得して記憶するものである。
輝度推定部22は、撮像部10によって現時点までに撮像された位相差画像の輝度に基づいて、次回、撮像部10によって撮像される位相差画像の輝度を推定するものである。具体的には、輝度推定部22は、細胞画像取得部21から現時点までに撮像されたN枚の位相差画像を取得し、各位相差画像のそれぞれの輝度の平均値を算出する。なお、Nは1以上の自然数であるが、2以上であることが望ましく、さらに好ましくは3以上である。
そして、輝度推定部22は、図3に示すように、各位相差画像の輝度の平均値を時系列にプロットすることにより、位相差画像の輝度の変化を表す近似関数を算出し、その近似関数に基づいて、次回撮像されるN+1枚目の位相差画像の輝度の平均値を推定するものである。図3は、培養開始時(t0)と時刻t1〜t3の各位相差画像の輝度の平均値a0〜a3に基づいて近似関数f(t)を算出し、その近似関数f(t)に基づいて、次回の時刻t4に撮像される位相差画像の輝度の平均値a4を推定する例を示したものである。近似関数f(t)としては、たとえば2次関数や4次関数などの偶関数を用いるようにしてもよいし、1次関数を用いるようにしてもよいし、指数関数を用いるようにしてもよい。また、多項式近似を用いて近似関数f(t)を用いるようにしてもよい。近似関数f(t)を求める方法としては、その他の公知の方法を用いることができる。
露光条件決定部23は、輝度推定部22によって推定された輝度の平均値が、撮像素子16の検出限界上限レベル以上である場合には、次回撮像される位相差画像の輝度の平均値が、検出限界上限レベル未満となる撮像素子16の露光条件を決定するものである。具体的には、露光条件決定部23は、図3に示すように、輝度推定部22によって推定された輝度の平均値a4が、検出限界上限レベルLV以上である場合には、時刻t4に撮像される位相差画像の輝度の平均値が、たとえばb4となる撮像素子16の露光条件を決定するものである。なお、撮像素子16の検出限界上限レベルLVは、撮像素子16の飽和レベルと同様であり、予め設定されるものである。
また、露光条件決定部23は、露光条件として、撮像素子16の露光時間および入射光量のうちの少なくとも1つを決定するものである。具体的には、たとえばb4/a4を算出し、その除算値と時刻t0における撮像で使用した露光時間または入射光量とを乗算することによって時刻t4における撮像の露光時間または入射光量を決定するようにすればよい。このようにして露光時間または入射光量を決定することによって、時刻t4において撮像される位相差画像の輝度の平均値b4を、時刻t0に撮像された位相差画像の輝度の平均値a0と同様のレベルにすることができる。なお、本実施形態においては、撮像素子16への入射光量は、白色光源11からの白色光の出射光量を制御することによって制御される。
また、露光時間と入射光量の両方を制御する場合には、時刻t0における撮像で使用した露光時間および入射光量に対して、それぞれb4/(2×a4)を乗算することによって時刻t4における撮像の露光時間および入射光量を決定するようにすればよい。
なお、露光条件の決定方法は、上記のような方法に限らず、時刻t4に撮像される位相差画像の輝度の平均値b4が、検出限界上限レベルLV未満となる方法であれば如何なる方法でもよい。
たとえば、露光条件決定部23が、現時点からの残りの撮像期間または残りの撮像回数の情報を取得し、この情報に基づいて、次回以降の撮像の露光条件を決定するようにしてもよい。ここで、残りの撮像期間とは、本実施形態のように、所定の間隔を空けて複数枚の位相差画像を撮像するタイムラプス撮影を行う場合において、現時点から最後の位相差画像を撮像するまでの期間である。なお、全撮像期間および全撮像回数については、ユーザによって予め設定されるものであり、露光条件決定部23は、タイマによって計測した現時点までの撮像期間やカウンタによって計測した現時点までの撮像回数に基づいて、残りの撮像期間または残りの撮像回数の情報を取得するものである。
そして、残りの撮像期間が長いほど、また残りの撮像回数が多いほど最後に撮像される位相差画像の輝度が大きくなるので、その最後の位相差画像の輝度が、検出限界上限レベル未満となるように、次回以降の撮像の露光条件を決定する。図4は、図3と同様に、次回の時刻t4の位相差画像の輝度の平均値a4が検出限界上限レベルLV以上と推定される場合であり、残りの撮像期間Tに基づいて時刻t4および時刻t5の撮像の露光条件を決定する場合を説明する図である。この場合、露光条件決定部23は、次回以降の残りの撮像期間Tを取得し、近似関数f(t)を平均値b4の位置まで縦軸方向にシフトし、そのシフトした近似関数f(t)と撮像期間Tとに基づいて、時刻t5に撮像される位相差画像の輝度の平均値b5を推定する。なお、平均値b4は、上記と同様に、時刻t0の輝度の平均値a0と同様のレベルとする。
そして、露光条件決定部23は、時刻t5の輝度の平均値b5が検出限界上限レベル未満となる時刻t5の露光条件を決定する。
なお、図4は、上述したように時刻t4の輝度の平均値b4が、時刻t0の輝度の平均値a0と同様のレベルになるように時刻t4と時刻t5の露光条件を決定した場合を示しているが、S/Nの観点からは、次回以降の撮像の輝度はできるだけ高い方が望ましい。
したがって、たとえば図5に示すように、最後に撮像される位相差画像の輝度の最大値C5maxが検出限界上限レベルLVの90%〜95%となるように時刻t4および時刻t5の露光条件を決定するようにしてもよい。具体的には、時刻t5における位相差画像の輝度の最大値C5maxを検出限界上限レベルLVの90%〜95%に設定し、時刻t0〜t3において撮像された各位相差画像のそれぞれの分散値を算出する。そして、その分散値の平均と最大値C5maxとに基づいて平均値C5を求める。そして、平均値C5の位置まで近似関数f(t)をシフトし、撮像期間Tに基づいて平均値C4を算出する。そして、時刻t4に撮像される位相差画像の輝度の平均値がC4となり、時刻t5に撮像される位相差画像の輝度の平均値がC5となるように時刻t4と時刻t5の露光条件を決定する。なお、分散値については、必ずしも時刻t0〜t3において撮像された各位相差画像のそれぞれの分散値の平均を用いなくてもよく、各位相差画像の分散値のうちの最大値を用いるようにしてもよい。
撮像制御部24は、撮像部10の撮像動作を制御するものである。具体的には、撮像制御部24は、白色光源11から出射光量、ステージ51のX−Y方向への移動、位相差レンズのZ方向への移動および撮像素子16の露光動作を制御するものである。特に、撮像制御部24は、予め設定された露光条件または露光条件決定部23によって決定された露光条件に基づいて、白色光源11からの出射光量および撮像素子16の露光時間を制御するものである。
露光条件としては、上述したように撮像素子16の露光時間および撮像素子16への入射光量とがあるが、本実施形態においては、上述したように白色光源11からの出射光量を制御することによって撮像素子16への入射光量を制御する。なお、撮像素子16への入射光量への制御は、白色光源11から出射光量の制御に限らず、たとえば、撮像部10が、白色光源11から出射された白色光の光量を制限する絞りなどの光量制限部を備えたものである場合には、その光量制限部を制御することによって撮像素子16への入射光量を制御するようにしてもよい。
本実施形態の撮像制御部24は、撮像開始から次に撮像される位相差画像の輝度が検出限界上限レベルLV以上になると推定されるまでの間は、予め設定された初期露光条件に基づいて白色光源11および撮像素子16を制御し、次に撮像される位相差画像の輝度が検出限界上限レベルLV以上になると推定された際には、露光条件決定部23によって決定された露光条件に基づいて白色光源11および撮像素子16を制御するものである。
そして、露光条件決定部23によって決定された露光条件に基づいて白色光源11および撮像素子16を制御して位相差画像の撮像を継続して行った結果、再び、次に撮像される位相差画像の輝度が検出限界上限レベルLV以上になると推定された際には、再び露光条件決定部23によって新たな露光条件が決定され、撮像制御部24は、その新たな露光条件に基づいて白色光源11および撮像素子16を制御するものである。
表示制御部25は、細胞画像取得部21によって取得された位相差画像を表示装置30に表示させるものである。また、露光条件決定部23において決定された露光条件や上述した近似関数f(t)などを表示装置30に表示させるようにしてもよい。また、次に撮像される位相差画像の輝度の平均値が検出限界上限レベル以上となることをユーザに知らせる警告メッセージなどを表示装置30に表示させるようにしてもよい。
表示装置30は、細胞画像取得部21によって取得された位相差画像などを表示するものであり、たとえば液晶ディスプレイなどを備えたものである。また、表示装置30をタッチパネルによって構成し、入力装置40と兼用するようにしてもよい。
入力装置40は、マウスやキーボードなどを備えたものであり、ユーザによる種々の設定入力を受け付けるものである。本実施形態の入力装置40は、たとえば上述した初期露光条件の設定入力を受け付けるものである。
次に、本実施形態の細胞観察システム1の作用について、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、ユーザによって入力装置40を用いて初期露光条件が設定される(S10)。撮像制御部24は、初期露光条件に基づいて撮像部10を制御し、撮像部10によって時系列に撮像された位相差画像が細胞画像取得部21によって取得される(S12)。
細胞画像取得部21によって取得された複数枚の位相差画像は輝度推定部22によって順次取得され、輝度推定部22は、取得した位相差画像に基づいて、次回撮像される位相差画像の輝度の平均値を順次推定する(S14)。
輝度推定部22によって推定された輝度の平均値は露光条件決定部23によって取得され、露光条件決定部23は、次回撮像される位相差画像の輝度の平均値が撮像素子16の検出限界上限レベル以上であるか否かを判定する。露光条件決定部23は、次回撮像される位相差画像の輝度の平均値が検出限界上限レベル以上であると判定した場合には(S16,YES)、次回撮像される位相差画像の輝度の平均値が検出限界上限レベル未満となる新たな露光条件を決定する(S18)。
撮像制御部24は、露光条件決定部23によって決定された新たな露光条件を取得し、その新たな露光条件に基づいて撮像部10を制御し、予め設定された撮像回数または撮像期間が終了するまでS12〜S18を繰り返して行って引き続き位相差画像の撮像を継続する(S20,NO)。
そして、撮像制御部24は、予め設定された撮像回数または撮像期間が終了した時点で撮像処理を終了する(S20,YES)。
上記実施形態の細胞観察システム1によれば、現時点までに撮像された位相差画像の輝度に基づいて、次回撮像される位相差画像の輝度を推定する。そして、その推定した輝度が、撮像素子の検出限界上限レベル以上である場合、次回撮像される位相差画像の輝度が、検出限界上限レベル未満となる撮像素子16の露光条件を決定し、その決定した露光条件に基づいて、次回の撮像を行う。このように次回撮像される位相差画像の輝度を推定し、その推定した輝度に基づいて、次回の露光条件を決定するようにしたので、従来よりも位相差画像の飽和の発生を抑制することができる。
なお、上記実施形態の細胞観察システム1において、たとえば図7に示すように、次回以降に撮像される位相差画像の輝度の最大値b5maxが検出限界上限レベルLV以上となる場合には、時刻t5の位相差画像の撮像については、複数回に分けて行うようにすることによって、各撮像によって取得される位相差画像の輝度の最大値が検出限界上限レベルLV未満となるようにしてもよい。
この場合、露光条件決定部23においては、各撮像によって取得される位相差画像の輝度の最大値が検出限界上限レベルLV未満となる露光条件が決定され、撮像制御部24は、その露光条件に基づいて、時刻t5において複数回の撮像を行う。そして、細胞画像取得部21によって複数回の撮像による位相差画像が取得され、これらの位相差画像が加算されて最終的な位相差画像として取得され、表示制御部25によって表示装置30に表示される。
また、上記実施形態の細胞観察システム1においては、位相差画像全体の輝度の平均値を算出し、その輝度の平均値に基づいて次回撮像される位相差画像の輝度の推定および露光条件の決定を行うようにしたが、位相差画像内に含まれる細胞群の単位で輝度の平均値を算出するようにしてもよい。
すなわち、輝度推定部22が、位相差画像内に含まれる細胞群を特定し、細胞群毎の位相差画像の輝度の平均値を算出し、各細胞群について、それぞれ輝度の平均値を時系列にプロットし、次回撮像される各細胞群の位相差画像の輝度の平均値を推定するようにしてもよい。そして、露光条件決定部23が、各細胞群の位相差画像の輝度値の平均値が検出限界上限レベル以上である場合に、その細胞群に対して新たな露光条件を決定することによって細胞群毎に最適な露光条件を決定し、その細胞群毎の露光条件に基づいて、各細胞群の撮像をそれぞれ行うようにしてもよい。なお、位相差画像内に含まれる細胞群の特定方法としては、たとえば位相差画像を2値化画像に変換した後、テンプレートマッチングなどによって細胞群を自動的に検出するようにすればよい。また、細胞群の特定方法については、上述した方法に限らず、その他の公知な方法を用いるようにしてもよい。
また、上記説明では、位相差画像全体または細胞群毎の位相差画像の輝度の平均値に基づいて、次回以降に撮像される位相差画像の輝度の平均値を推定し、露光条件を決定するようにしたが、必ずしも輝度の平均値を用いなくてもよく、たとえば位相差画像全体または細胞群毎の位相差画像の輝度の最大値、最小値、最頻値および平均値と分散値との組み合わせの少なくとも1つに基づいて、次回以降に撮像される位相差画像の輝度を推定し、それに基づいて露光条件を決定するようにしてもよい。
また、上述したように位相差画像全体または細胞群毎の位相差画像の輝度に基づいて、次回以降に撮像される位相差画像の輝度を推定する際、たとえば位相差画像全体または細胞群毎の位相差画像の中に、周囲と比較すると明らかに輝度が高くなっている孤立点が存在する場合がある。このような場合に、位相差画像全体または細胞群毎の位相差画像の輝度の最大値に基づいて、次回以降に撮像される位相差画像の輝度の推定した場合、適切な輝度を推定することができない場合がある。
そこで、位相差画像全体または細胞群毎の位相差画像について、輝度の平均値、分散値および最大値をそれぞれ求め、最大値と平均値に分散値を加算した値との差が予め設定された範囲内である場合には、すなわちこれらの値の差が小さい場合には、輝度の最大値を用いるようにし、最大値と平均値に分散値を加算した値との差が予め設定された範囲外である場合には、すなわちこれらの値の差が大きく、最大値が明らかに孤立点であると認められる場合には、輝度の平均値に分散値を加算した値を用いるようにしてもよい。なお、ここでいう平均値に加算される分散値とは、プラス側の分散値である。
また、上記実施形態の細胞観察システム1においては、近似関数f(t)を用いて次回以降に撮像される位相差画像の輝度を推定するようにしたが、輝度推定部22に、初期設定関数fa(t)を予め記憶しておき、現時点までに撮像された位相差画像の輝度に基づいて、その初期設定関数fa(t)を変更することによって近似関数f(t)を求めるようにしてもよい。具体的には、たとえば初期設定関数fa(t)として2次関数fa(t)=at+bt+cを予め記憶しておき、現時点までに撮像された位相差画像の輝度に基づいて係数a,係数bおよび係数cを変更することによって近似関数f(t)を求めるようにしてもよい。なお、初期設定関数としては、2次関数に限らず、4次関数などの偶関数および指数関数を用いるようにしてもよい。また、撮像部10の光学倍率および撮像素子の感度など撮像条件に応じて係数を変更するようにしてもよい。
さらに、初期設定関数を、細胞群をなす細胞の種類毎または培養条件毎にそれぞれ記憶しておくようにしてもよい。細胞の種類または培養条件によって細胞の成長度が異なるので、上述したように細胞の種類毎または培養条件毎に初期設定関数を予め記憶しておくことによって、次回撮像される位相差画像の輝度の推定をより高精度に行うことができる。より具体的には、たとえば細胞の成長度が相対的に早い細胞または培養条件の場合には2次関数を用い、細胞の成長度が相対的に遅い細胞または培養条件の場合には指数関数を用いるようにしてもよい。または、細胞の種類毎または培養条件毎に、初期設定関数に設定する係数を変更するようにしてもよい。なお、培養条件としては、培地の種類、成長因子の種類または量および培養期間などがあるが、細胞の成長速度に影響する条件であればその他の条件でもよい。
また、上記実施形態の細胞観察システム1においては、撮像部10によって位相差画像を撮像するようにしたが、位相差画像に限らず、たとえば明視野画像、微分干渉画像または蛍光画像を細胞画像として撮像するものとしてもよい。
1 細胞観察システム
10 撮像部
11 白色光源
12 スリット板
13 対物レンズ
14 位相差レンズ
14a 対物レンズ
14b 位相板
15 結像レンズ
16 撮像素子
20 撮像制御装置
21 細胞画像取得部
22 輝度推定部
23 露光条件決定部
24 撮像制御部
25 表示制御部
30 表示装置
40 入力装置
50 培養容器
51 ステージ

Claims (13)

  1. 細胞を撮像素子によって経時的に複数回撮像する撮像部と、
    該撮像部によって現時点までに撮像された細胞画像の輝度に基づいて、前記細胞の種類毎または培養条件毎に記憶された初期設定関数の中の前記撮像部によって撮像された細胞に対応する初期設定関数を変更することによって近似関数を設定し、設定した近似関数に基づいて、前記撮像部によって撮像された細胞が前記撮像部によって次回撮像される細胞画像の輝度を推定する輝度推定部と、
    該輝度推定部によって推定された輝度が、前記撮像素子の検出限界上限レベル以上である場合、次回撮像される細胞画像の輝度が、前記検出限界上限レベル未満となる前記撮像素子の露光条件を決定する露光条件決定部とを備え、
    前記撮像部が、前記露光条件決定部によって決定された露光条件に基づいて、次回の撮像を行うことを特徴とする撮像装置。
  2. 前記記憶された初期設定関数は、前記細胞の成長度が相対的に早い細胞または前記細胞の成長度が相対的に早い培養条件の場合には2次関数を用い、前記細胞の成長度が相対的に遅い細胞または前記細胞の成長度が相対的に遅い培養条件の場合には指数関数を用いる請求項1記載の撮像装置。
  3. 前記細胞の種類毎または培養条件毎に、前記記憶された初期設定関数に設定する係数を変更する請求項1または2記載の撮像装置。
  4. 前記露光条件決定部が、前記現時点までに撮像された細胞画像の輝度に基づいて、次回の撮像の露光条件を決定する請求項1から3のいずれか1項記載の撮像装置。
  5. 前記露光条件決定部が、前記近似関数に基づいて、次回以降の撮像の露光条件を決定する請求項1から3のいずれか1項記載の撮像装置。
  6. 前記露光条件決定部が、残りの撮像期間または残りの撮像回数の情報を取得し、該情報に基づいて、次回以降の撮像の露光条件を決定する請求項1からいずれか1項記載の撮像装置。
  7. 前記輝度推定部が、前記現時点までに撮像された各細胞画像の輝度の平均値、最大値、最小値、最頻値および前記輝度の平均値と分散値との組み合わせの少なくとも1つに基づいて、次回撮像される細胞画像の輝度を推定する請求項1からいずれか1項記載の撮像装置。
  8. 前記輝度推定部が、前記輝度の平均値に前記分散値を加算した値と前記最大値との差が予め設定された範囲内である場合には、前記最大値に基づいて、次回撮像される細胞画像の輝度を推定し、前記差が前記予め設定された範囲外である場合には、前記平均値に分散値を加算した値に基づいて、次回撮像される細胞画像の輝度を推定する請求項記載の撮像装置。
  9. 前記露光条件決定部が、前記次回以降に撮像される細胞画像の輝度の最大値が前記検出限界上限レベル未満となる前記撮像素子の露光条件を決定する請求項1からいずれか1項記載の撮像装置。
  10. 前記撮像部が、複数の細胞群を撮像し、
    前記輝度推定部が、前記細胞群毎の前記次回撮像される細胞画像の輝度を推定し、
    前記露光条件決定部が、前記細胞群毎の前記次回の撮像の露光条件を決定し、
    前記撮像部が、前記細胞群毎に決定された露光条件に基づいて、前記細胞群毎の前記次回の撮像を行う請求項1からいずれか1項記載の撮像装置。
  11. 前記露光条件が、前記撮像素子の露光時間および入射光量のうちの少なくとも1つを含む請求項1から10いずれか1項記載の撮像装置。
  12. 細胞を撮像素子によって経時的に複数回撮像する撮像方法であって、
    現時点までに撮像された細胞画像の輝度に基づいて、前記細胞の種類毎または培養条件毎に記憶された初期設定関数の中の前記撮像素子によって撮像された細胞に対応する初期設定関数を変更することによって近似関数を設定し、設定した近似関数に基づいて、前記撮像素子によって撮像された細胞が前記撮像部によって次回撮像される細胞画像の輝度を推定し、
    該推定した輝度が、前記撮像素子の検出限界上限レベル以上である場合、次回撮像される細胞画像の輝度が、前記検出限界上限レベル未満となる前記撮像素子の露光条件を決定し、
    該決定した露光条件に基づいて、次回の撮像を行うことを特徴とする撮像方法。
  13. 細胞を撮像素子によって経時的に複数回撮像する撮像部を制御する撮像制御部としてコンピュータを機能させる撮像制御プログラムであって、
    前記撮像部によって現時点までに撮像された細胞画像の輝度に基づいて、前記細胞の種類毎または培養条件毎に記憶された初期設定関数の中の前記撮像部によって撮像された細胞に対応する初期設定関数を変更することによって近似関数を設定し、設定した近似関数に基づいて、前記撮像部によって撮像された細胞が前記撮像部によって次回撮像される細胞画像の輝度を推定する輝度推定部と、
    該輝度推定部によって推定された輝度が、前記撮像素子の検出限界上限レベル以上である場合、次回撮像される細胞画像の輝度が、前記検出限界上限レベル未満となる前記撮像素子の露光条件を決定する露光条件決定部としてさらにコンピュータを機能させ、
    前記撮像制御部が、前記撮像部を制御することによって、前記露光条件決定部によって決定された露光条件に基づいて、次回の撮像を行うことを特徴とする撮像制御プログラム。
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