JP6535593B2 - ガスセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、排気再循環機構を有する内燃機関の吸気通路に配置して用いられるガスセンサに関する。
車載用のガスセンサには、内燃機関の排気通路に用いられるもの以外にも、新規導入空気に排ガスの一部を再循環させる排気再循環機構の吸気通路に配置して用いられるものがある。排気再循環機構の吸気通路においては、排ガスに含まれるカーボン、エンジンオイル(潤滑油)等の微粒子であるデポジット及び水蒸気が、排ガスよりも低温の新規導入空気によって冷やされる。そして、排気再循環機構の吸気通路に配置されるガスセンサにおいては、粘度が高くなったデポジット、及び排ガスに含まれる腐食物質が液化した腐食質凝縮水が、センサ素子、及びセンサ素子を覆うカバーに付着しやすくなる。
特許文献1においては、排気再循環機構の吸気通路に配置される酸素センサについて、センサ素子の多孔質層、及びセンサ素子を覆う内カバーの外側に位置する外カバーに、撥水性被膜を形成している。これにより、センサ素子の多孔質層及び外カバーにデポジットが付着しにくくしている。
特開平10−170474号公報
しかしながら、引用文献1においては、外カバーにおける、センサ素子へ測定用ガスを導入するための導入孔は、その周方向において均等に形成されている。そのため、吸気通路における測定用ガスの流れが、導入孔を経由して内カバー及びセンサ素子に接触しやすく、測定用ガスに含まれるデポジット及び凝縮水が、内カバー及びセンサ素子に接触しやすくなる。その結果、センサ素子、及び内カバーの導入孔の周辺にデポジットが堆積しやすくなり、また、センサ素子が凝縮水によって割れるおそれが高まる。
従って、内カバー及びセンサ素子に対するデポジットの堆積、内カバー及び外カバーの凝縮水による腐食を、より効果的に抑制し、かつ、センサ素子を被水割れから保護するためには更なる工夫が必要とされる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、腐食、デポジットの堆積及び被水割れに対して、より強固なガスセンサを提供しようとして得られたものである。
本発明の一態様は、新規導入空気(A)に排ガス(G)の一部を再循環させる排気再循環機構(8)を有する内燃機関(7)の吸気通路(81)に配置して用いられるガスセンサ(1)であって、
挿通口(21)を有するハウジング(2)と、
該ハウジングの中心軸線(C)に沿って配置されるとともに上記挿通口に絶縁碍子(22)を介して保持され、上記新規導入空気と上記排ガスとの混合ガス(M)が導入されるガス検知部(11)が上記ハウジングから突出するセンサ素子(3)と、
上記中心軸線に沿って上記ハウジングに取り付けられる筒状のインナー側壁部(41)、及び該インナー側壁部の端部を閉塞するインナー底部(42)を有し、かつ、該インナー底部及び上記インナー側壁部に、上記混合ガスを通過させるインナー通気孔(421,411)が設けられたインナーカバー(4)と、
上記中心軸線に沿って上記インナーカバー又は上記ハウジングに取り付けられる筒状のアウター側壁部(51)、及び該アウター側壁部の端部を閉塞するアウター底部(52)を有し、かつ、該アウター底部及び上記アウター側壁部に、上記混合ガスを通過させるアウター通気孔(521,511)が設けられたアウターカバー(5)と、を備えており、
上記インナーカバーは、金属製の基材と、該基材を被覆する樹脂被覆層とによって構成されており、
上記アウターカバーは、樹脂によって構成されており、
上記アウター側壁部における上記アウター通気孔は、該アウター側壁部における、上記中心軸線の周りの全領域のうち、上記吸気通路内における上記混合ガスの流れの下流側に位置する半分の領域(X)にのみ設けられている、ガスセンサにある。
上記ガスセンサにおいては、インナーカバー及びアウターカバーの構成、並びにアウターカバーにおけるアウター通気孔の構成に工夫をしている。
具体的には、インナーカバーは、金属製の基材を樹脂被覆層によって被覆して形成する一方、アウターカバーは、樹脂によって形成している。つまり、新規導入空気と排ガスとの混合ガスの流れを受け止めるアウターカバーは、金属製の基材を用いずに、樹脂のみによって形成している。これにより、混合ガスに含まれる凝縮水がアウターカバーに激しく衝突する場合でも、アウターカバーの腐食をほとんどなくすことができる。また、インナーカバーの金属製の基材が樹脂被覆層によって被覆されていることにより、インナーカバーへのデポジットの堆積を抑制することができる。
また、アウター側壁部におけるアウター通気孔は、アウター側壁部における、中心軸線の周りの全領域のうち、吸気通路内における混合ガスの流れの下流側に位置する半分の領域にのみ設けられている。これにより、吸気通路内における混合ガスの流れはアウター側壁部に衝突することになり、アウター側壁部におけるアウター通気孔へは、アウター側壁部に衝突して勢いが弱められた混合ガスが回り込むように導入される。そのため、混合ガスに含まれるデポジットが、インナーカバーのインナー側壁部におけるインナー通気孔の周辺及びセンサ素子のガス検知部の周辺に堆積しにくくすることができる。その結果、混合ガスがガス検知部に到達しにくくなることが防止され、ガス検知部によるガス検知の応答性が維持される。
また、アウター側壁部における、中心軸線の周りの全領域のうち、吸気通路内における混合ガスの流れの上流側に位置する半分の領域には、アウター通気孔が設けられていない。これにより、混合ガスに含まれる凝縮水が、インナーカバー及びセンサ素子に衝突しにくくなる。そのため、インナーカバーが腐食しにくくすることができるとともに、センサ素子を凝縮水による被水割れから、より効果的に保護することができる。
それ故、上記ガスセンサによれば、腐食、デポジットの堆積及び被水割れに対して、より強固なガスセンサを形成することができる。
実施形態1にかかる、排気再循環機構を有する内燃機関の吸気通路に配置されたガスセンサを示す断面説明図。 実施形態1にかかる、インナーカバー及びアウターカバーを、ガスセンサの軸方向から見た状態で示す説明図。 実施形態1にかかる、アウター側壁部におけるアウター通気孔を、混合ガスの流れの下流側から見た状態で示す説明図。 実施形態1にかかる、センサ素子を示す断面説明図。 実施形態1にかかる、センサ素子を、図4と直交する方向から見た状態で示す断面説明図。 実施形態1にかかる、排気再循環機構を有する内燃機関を示す説明図。 実施形態2にかかる、ガスセンサを示す断面説明図。 実施形態2にかかる、他のガスセンサを示す断面説明図。 実施形態2にかかる、アウター側壁部におけるアウター通気孔を、混合ガスの流れの下流側から見た状態で示す説明図。 実施形態2にかかる、他のアウター側壁部におけるアウター通気孔を、混合ガスの流れの下流側から見た状態で示す説明図。 実施形態2にかかる、他のアウター側壁部におけるアウター通気孔を、混合ガスの流れの下流側から見た状態で示す説明図。 実施形態3にかかる、インナー底部におけるインナー通気孔とアウター底部におけるアウター通気孔との位置関係を、ガスセンサの軸方向から見た状態で示す説明図。 実施形態3にかかる、他のインナー底部におけるインナー通気孔と他のアウター底部におけるアウター通気孔との位置関係を、ガスセンサの軸方向から見た状態で示す説明図。 実施形態3にかかる、他のインナー底部におけるインナー通気孔と他のアウター底部におけるアウター通気孔との位置関係を、ガスセンサの軸方向から見た状態で示す説明図。 実施形態3にかかる、他のインナー底部におけるインナー通気孔と他のアウター底部におけるアウター通気孔との位置関係を、ガスセンサの軸方向から見た状態で示す説明図。 確認試験にかかる、アウターカバーを溶液中に含浸させ乾燥させるサイクル数(回)と、アウターカバーの厚みの減少量(μm)との関係を示すグラフ。 確認試験にかかる、ガスセンサがガス中に晒された時間(hr)と、10〜90%応答時間(ms)との関係を示すグラフ。
上述したガスセンサにかかる好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
(実施形態1)
本形態のガスセンサ1は、図6に示すように、新規導入空気Aに排ガスGの一部を再循環させる排気再循環機構8を有する内燃機関7の吸気通路81に配置して用いられる。ガスセンサ1は、図1に示すように、ハウジング2、センサ素子3、インナーカバー4及びアウターカバー5を備える。ハウジング2には、センサ素子3を挿通するための挿通口21が形成されている。
センサ素子3は、ハウジング2の中心軸線Cに沿って配置されるとともに、ハウジング2の挿通口21に絶縁碍子22を介して保持されている。センサ素子3における、新規導入空気Aと排ガスGとの混合ガスMが導入されるガス検知部11は、ハウジング2から突出している。
インナーカバー4は、中心軸線Cに沿ってハウジング2に取り付けられる筒状のインナー側壁部41と、インナー側壁部41の端部を閉塞するインナー底部42とを有する。インナー底部42及びインナー側壁部41には、吸気通路81内を流れる混合ガスMを通過させるインナー通気孔421,411が設けられている。アウターカバー5は、中心軸線Cに沿ってインナーカバー4又はハウジング2に取り付けられる筒状のアウター側壁部51と、アウター側壁部51の端部を閉塞するアウター底部52とを有する。アウター底部52及びアウター側壁部51には、吸気通路81内を流れる混合ガスMを通過させるアウター通気孔521,511が設けられている。
インナーカバー4は、金属製の基材と、基材を被覆する樹脂被覆層とによって構成されている。アウターカバー5は、樹脂によって構成されている。図1、図2に示すように、アウター側壁部51におけるアウター通気孔511は、アウター側壁部51における、中心軸線Cの周りの全領域のうち、吸気通路81内における混合ガスMの流れの下流側に位置する半分の領域Xにのみ設けられている。なお、図2においては、インナーカバー4を破線によって示す。
以下に、本形態のガスセンサ1についてさらに詳説する。
図6に示すように、ガスセンサ1は、車載用の内燃機関7に用いられる。排気再循環機構8は、内燃機関7から排気通路82に排気される排ガスGの一部を、内燃機関7の吸気通路81に再循環させるものである。排気再循環機構8は、排気通路82から分岐して吸気通路81に接続される再循環通路83と、再循環通路83内を流れる排ガスGの流量を調整する流量調整弁831とを有している。本形態のガスセンサ1は、吸気通路81における、再循環通路83が合流する位置よりも、混合ガスMの流れの下流側に配置されている。
図1に示すように、ガスセンサ1は、センサ素子3のガス検知部11によって、混合ガスMの酸素濃度、特定ガス成分濃度等を検出するために用いられる。ハウジング2は、ガスセンサ1を、吸気通路81を形成する配管811に取り付けるための構造を有している。
センサ素子3は、ハウジング2の中心軸線Cの方向に沿って長い長尺形状に形成されている。センサ素子3の中心軸線Cはハウジング2の中心軸線Cと一致しており、これらの中心軸線Cの方向を軸方向Lとして示す。図1において、センサ素子3が混合ガスM内に晒される側を軸方向Lの先端側L1として示し、先端側とは反対側を基端側L2として示す。また、同図において、吸気通路81内における混合ガスMの流れの上流側は左側であり、この流れの方向をM1で示す。
図4、図5に示すように、センサ素子3は、複数の電極311,312が設けられた酸素イオン伝導性を有する固体電解質体31と、固体電解質体31を加熱するヒータ33とが積層されたものである。複数の電極311,312は、固体電解質体31の一方の表面に設けられ、混合ガスMに晒される測定電極311と、固体電解質体31の他方の表面に設けられ、大気に晒される基準電極312とからなる。
固体電解質体31とヒータ33とは、絶縁体32を介して積層されている。絶縁体32によって、測定電極311に接触する混合ガスMが導入されるガス室321と、基準電極312に接触する大気Bが導入される大気室322とが形成されている。測定電極311及び基準電極312は、センサ素子3の先端部に配置されている。センサ素子3のガス検知部11は、センサ素子3における、測定電極311、基準電極312、ガス室321等が配置された部分に形成されている。ヒータ33は、測定電極311及び基準電極312と対向する位置に、通電によって発熱する発熱体331を有している。
図4、図5に示すように、センサ素子3の絶縁体32には、ガス室321内に導入する混合ガスMの流れを律速する多孔質体からなる拡散抵抗層34が設けられている。また、センサ素子3の、拡散抵抗層34を含む表面には、水分、測定電極311に対する被毒物質等を捕獲するための多孔質保護層35が設けられている。混合ガスMは、多孔質保護層35及び拡散抵抗層34を通過してガス室321内に導入される。
図1、図2に示すように、インナーカバー4のインナー側壁部41は円筒形状に形成されている。インナー側壁部41におけるインナー通気孔411は、センサ素子3のガス検知部11が設けられた位置よりも、軸方向Lの基端側L2における複数個所に形成されている。これにより、インナーカバー4内において混合ガスMの滞留が生じにくくし、ガス検知部11による酸素濃度又は特定ガス成分濃度の検出の応答収束性を向上させることができる。インナー側壁部41におけるインナー通気孔411は、インナー側壁部41の周方向に等間隔に設けることができる。
インナー底部42におけるインナー通気孔421は、インナー底部42における複数個所に形成されている。インナー底部42におけるインナー通気孔421は、インナー底部42における中心の周りに等間隔に設けることができる。
図1〜図3に示すように、アウターカバー5のアウター側壁部51は円筒形状に形成されている。アウター側壁部51におけるアウター通気孔511は、センサ素子3のガス検知部11が設けられた軸方向Lの位置を含み、ガス検知部11が設けられた軸方向Lの位置の先端側L1及び基端側L2の各位置に広がって形成されている。アウター側壁部51におけるアウター通気孔511は、アウター側壁部51における、吸気通路81内における混合ガスMの流れの下流側に位置する半分の領域Xにおいて、最も下流側に位置する中心位置に1つ形成されている。アウター側壁部51においては、1つの大きなアウター通気孔511が、ガス検知部11が設けられた軸方向Lの位置の先端側L1及び基端側L2の各位置に広がって形成されている。
アウター底部52におけるアウター通気孔521は、アウター底部52における複数個所に形成されている。アウター底部52におけるアウター通気孔521は、アウター底部52における中心の周りに等間隔に設けることができる。
ガスセンサ1における混合ガスMの流れは、次のようになる。
図1に示すように、吸気通路81内を流れる混合ガスMのほとんどは、アウター側壁部51及びアウター底部52を回り込んで、アウター側壁部51のアウター通気孔511からアウターカバー5内に流れる。次いで、アウターカバー5内の混合ガスMの一部は、インナー側壁部41のインナー通気孔411からインナーカバー4内に流れる。そして、インナーカバー4内の混合ガスMの一部は、多孔質保護層35及び拡散抵抗層34を通過してガス室321に取り込まれ、測定電極311と基準電極312とによる酸素濃度又は特定ガス成分濃度の検出に使用される。
また、インナーカバー4内の混合ガスMの残部は、インナー底部42のインナー通気孔421からアウター底部52のアウター通気孔521を通過して、吸気通路81内に流れる。このとき、通気通路81内を流れる混合ガスMによって、アウター底部52のアウター通気孔521には負圧効果が作用する。これにより、インナーカバー4内の混合ガスMの残部が、インナー底部42のインナー通気孔421及びアウター底部52のアウター通気孔521を通過して吸気通路81内に流れやすくすることができる。
図1、図2に示すように、インナー底部42におけるインナー通気孔421と、アウター底部52におけるアウター通気孔521とは、ハウジング2の中心軸線Cに直交する横方向の互いにずれた位置に形成されている。言い換えれば、インナー底部42及びアウター底部52を、軸方向Lから見たときに、インナー底部42におけるインナー通気孔421の形成箇所と、アウター底部52におけるアウター通気孔521の形成箇所とは互いに重なっていない。これにより、アウター底部52のアウター通気孔521からインナー底部42のインナー通気孔421への凝縮水の侵入をより効果的に防止することができる。そして、上記負圧効果をより効果的に作用させることができる。
また、本形態においては、アウター通気孔521は、アウター底部52の中心と、この中心の周りの複数個所に形成されており、インナー通気孔421は、インナー底部42の中心の周りの複数個所に形成されている。
インナーカバー4の金属製の基材は、ステンレス鋼によって構成されている。
インナーカバー4の樹脂被覆層は、含フッ素化合物(フッ素系樹脂)又は含珪素化合物(珪素系樹脂)によって構成されている。含フッ素化合物又は含珪素化合物は、フルオロアルキル基含有シラン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体、シリカの中から選ばれる1種又は2種以上の化合物から構成することができる。
樹脂被覆層は、インナーカバー4を構成する基材の全体の表面に設けることができる。また、樹脂被覆層は、インナーカバー4のインナー側壁部41を構成する基材の外側の表面にのみ設けることもできる。また、樹脂被覆層は、インナー側壁部41を構成する基材におけるインナー通気孔411及びインナー通気孔411の周辺にのみ設けることもできる。
アウターカバー5は、樹脂としての含フッ素化合物(フッ素系樹脂)によって構成されている。フッ素化合物は、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体の中から選ばれる1種又は2種以上の化合物から構成することができる。
本形態のガスセンサ1においては、インナーカバー4は、金属製の基材を樹脂被覆層によって被覆して形成する一方、アウターカバー5は、樹脂によって形成している。つまり、新規導入空気Aと排ガスGとの混合ガスMの流れを受け止めるアウターカバー5は、金属製の基材を用いずに、樹脂のみによって形成している。これにより、混合ガスMに含まれる凝縮水がアウターカバー5に激しく衝突する場合でも、アウターカバー5の腐食をほとんどなくすことができる。また、インナーカバー4の金属製の基材が樹脂被覆層によって被覆されていることにより、インナーカバー4へのデポジットの堆積を抑制することができる。
また、アウター側壁部51におけるアウター通気孔511は、アウター側壁部51における、中心軸線Cの周りの全領域のうち、吸気通路81内における混合ガスMの流れの下流側に位置する半分の領域Xにのみ設けられている。これにより、吸気通路81内における混合ガスMの流れはアウター側壁部51に衝突することになり、アウター側壁部51におけるアウター通気孔511へは、アウター側壁部51に衝突して勢いが弱められた混合ガスMが回り込むように導入される。そのため、混合ガスMに含まれるデポジットが、インナーカバー4のインナー側壁部41におけるインナー通気孔411の周辺及びセンサ素子3の多孔質保護層35の周辺に堆積しにくくすることができる。その結果、混合ガスMがガス検知部11に到達しにくくなることが防止され、ガス検知部11によるガス検知の応答性が維持される。
また、アウター側壁部51における、中心軸線Cの周りの全領域のうち、吸気通路81内における混合ガスMの流れの上流側に位置する半分の領域には、アウター通気孔511が設けられていない。これにより、混合ガスMに含まれる凝縮水が、インナーカバー4及びセンサ素子3に衝突しにくくなる。そのため、インナーカバー4が腐食しにくくすることができるとともに、センサ素子3を凝縮水による被水割れから、より効果的に保護することができる。
それ故、上記ガスセンサ1によれば、腐食、デポジットの堆積及び被水割れに対して、より強固なガスセンサ1を形成することができる。
(実施形態2)
本形態においては、アウターカバー5のアウター側壁部51に設けるアウター通気孔511の種々の態様について示す。
アウター側壁部51におけるアウター通気孔511は、例えば、図7に示すように、アウター側壁部51における、吸気通路81内における混合ガスMの流れの下流側に位置する半分の領域Xの、左右における中心位置に、軸方向Lに並んで複数形成することもできる。また、アウター側壁部51におけるアウター通気孔511は、図8に示すように、アウター側壁部51における、吸気通路81内における混合ガスMの流れの下流側に位置する半分の領域Xの周方向の略全域に1つ形成することもできる。
また、アウター側壁部51におけるアウター通気孔511は、例えば、図9に示すように、円形状に形成することができ、図10に示すように、アウター側壁部51の軸方向Lに長い長方形状に形成することもでき、図11に示すように、アウター側壁部51の軸方向Lに直交する方向に長い長方形状に形成することもできる。アウター側壁部51におけるアウター通気孔511の形成数は単数又は複数のいずれとすることもできる。また、アウター側壁部51におけるアウター通気孔511の形状及び配置の仕方は、上記以外の種々の態様とすることもできる。
本形態においても、ガスセンサ1のその他の構成及び図中の符号が示す構成要素は実施形態1と同様であり、実施形態1と同様の作用効果を得ることができる。
(実施形態3)
本形態は、インナー底部42におけるインナー通気孔421と、アウター底部52におけるアウター通気孔521とが横方向の互いにずれた位置に形成される種々の態様について示す。なお、図12〜図15においては、インナーカバー4を破線によって示す。
例えば、図12に示すように、アウター通気孔521は、アウター底部52の中心にのみ形成し、インナー通気孔421は、インナー底部42の中心の周りの複数個所に形成することもできる。また、図13に示すように、アウター通気孔521は、アウター底部52の中心の周りの複数個所に形成し、インナー通気孔421は、インナー底部42の中心と、この中心の周りの複数個所に形成することもできる。
また、図14に示すように、アウター通気孔521は、アウター底部52の中心の周りの複数個所に形成し、インナー通気孔421は、インナー底部42の中心の周りの複数個所に形成することもできる。また、図15に示すように、アウター通気孔521は、アウター底部52の中心の周りの複数個所に形成し、インナー通気孔421は、インナー底部42の中心にのみ形成することもできる。
インナー底部42におけるインナー通気孔421及びアウター底部52におけるアウター通気孔521の形成数は適宜変更することができる。また、インナー底部42におけるインナー通気孔421の配置の仕方及びアウター底部52におけるアウター通気孔521の配置の仕方は、上記以外の種々の態様とすることもできる。
本形態においても、ガスセンサ1のその他の構成及び図中の符号が示す構成要素は実施形態1と同様であり、実施形態1と同様の作用効果を得ることができる。
本発明は、各実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲においてさらに異なる実施形態を構成することが可能である。
(確認試験)
本確認試験においては、実施形態1に示したガスセンサ1のアウターカバー5に生じる腐食の度合を確認する腐食確認試験、及び実施形態1に示したガスセンサ1の応答性の良し悪しを確認する応答性確認試験を行った。
腐食確認試験においては、次の試験品、比較品1及び比較品2を準備した。試験品は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)によって形成されたアウターカバーからなる。比較品1は、ステンレス鋼による基材と、基材の表面に設けられたフルオロアルキル基含有シラン(FAS)による樹脂被膜層とによって形成されたアウターカバーからなる。比較品2は、ステンレス鋼によって形成されたアウターカバーからなる。
そして、試験品、比較品1及び比較品2の各アウターカバーを、塩化アンモニウム(NH4Cl)の溶液中に30分含浸させた後、60℃の飽和水蒸気中かつ大気中において20時間放置させるサイクルを繰り返し行い、各アウターカバーの厚みがどれだけ減少したかを測定した。この測定結果を図16に示す。同図においては、サイクル数(回)とアウターカバーの厚みの減少量(μm)との関係を示す。
試験品、比較品1及び比較品2について含浸・乾燥のサイクルを繰り返し行った結果、試験品の厚みの減少量に比べて比較品1の厚みの減少量が大きくなり、比較品1の厚みの減少量に比べて比較品2の厚みの減少量が大きくなった。この結果より、試験品であるアウターカバーは、比較品1,2のアウターカバーに比べて、凝縮水に対する耐腐食に優れることが分かった。
応答性確認試験においては、次の試験品、比較品1及び比較品2を準備した。試験品は、ステンレス鋼による基材、及び基材の表面に設けられたフルオロアルキル基含有シラン(FAS)による樹脂被膜層によって形成されたインナーカバーと、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)によって形成されたアウターカバーとを用いたガスセンサからなる。比較品1は、ステンレス鋼によって形成されたインナーカバーと、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)によって形成されたアウターカバーとを用いたガスセンサからなる。比較品2は、ステンレス鋼によって形成されたインナーカバーのみ用い、アウターカバーを用いていないガスセンサからなる。
インナーカバーにおける各インナー通気孔及びアウターカバーにおける各アウター通気孔の形成状態は、試験品、比較品1及び比較品2において同じとした。
そして、試験品、比較品1及び比較品2の各ガスセンサを、デポジットが多量に含まれるガス中に所定時間配置したときの、各ガスセンサの10〜90%応答時間を測定した。10〜90%応答時間は、各ガスセンサによって酸素濃度又は特定ガス成分濃度の検出を行う際の出力が定常値の10%から90%になるまでに掛かる時間を示す。また、デポジットが多量に含まれるガスのA/F(空燃比)は、15〜18とした。
10〜90%応答時間の測定結果を図17に示す。同図においては、ガスセンサがガス中に晒された時間(hr)と10〜90%応答時間(ms)との関係を示す。
試験品、比較品1及び比較品2について複数の所定時間における10〜90%応答時間を測定した結果、試験品の10〜90%応答時間に比べて比較品1の10〜90%応答時間が長くなり、比較品1の10〜90%応答時間に比べて比較品2の10〜90%応答時間が長くなった。比較品1,2の10〜90%応答時間が長くなる理由は、主としてインナー側壁部におけるインナー通気孔に、ガス中のデポジットが堆積したためであると考える。この結果より、試験品であるガスセンサは、比較品1,2のガスセンサに比べて、デポジットの堆積が少なく、応答性に優れることが分かった。
1 ガスセンサ
2 ハウジング
3 センサ素子
4 インナーカバー
41 インナー側壁部
42 インナー底部
411,421 インナー通気孔
5 アウターカバー
51 アウター側壁部
52 アウター底部
511,521 アウター通気孔

Claims (4)

  1. 新規導入空気(A)に排ガス(G)の一部を再循環させる排気再循環機構(8)を有する内燃機関(7)の吸気通路(81)に配置して用いられるガスセンサ(1)であって、
    挿通口(21)を有するハウジング(2)と、
    該ハウジングの中心軸線(C)に沿って配置されるとともに上記挿通口に絶縁碍子(22)を介して保持され、上記新規導入空気と上記排ガスとの混合ガス(M)が導入されるガス検知部(11)が上記ハウジングから突出するセンサ素子(3)と、
    上記中心軸線に沿って上記ハウジングに取り付けられる筒状のインナー側壁部(41)、及び該インナー側壁部の端部を閉塞するインナー底部(42)を有し、かつ、該インナー底部及び上記インナー側壁部に、上記混合ガスを通過させるインナー通気孔(421,411)が設けられたインナーカバー(4)と、
    上記中心軸線に沿って上記インナーカバー又は上記ハウジングに取り付けられる筒状のアウター側壁部(51)、及び該アウター側壁部の端部を閉塞するアウター底部(52)を有し、かつ、該アウター底部及び上記アウター側壁部に、上記混合ガスを通過させるアウター通気孔(521,511)が設けられたアウターカバー(5)と、を備えており、
    上記インナーカバーは、金属製の基材と、該基材を被覆する樹脂被覆層とによって構成されており、
    上記アウターカバーは、樹脂によって構成されており、
    上記アウター側壁部における上記アウター通気孔は、該アウター側壁部における、上記中心軸線の周りの全領域のうち、上記吸気通路内における上記混合ガスの流れの下流側に位置する半分の領域(X)にのみ設けられている、ガスセンサ。
  2. 上記インナー底部における上記インナー通気孔と、上記アウター底部における上記アウター通気孔とは、上記中心軸線に直交する横方向の互いにずれた位置に形成されている、請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 上記樹脂被覆層は、含フッ素化合物又は含珪素化合物によって構成されている、請求項1又は2に記載のガスセンサ。
  4. 上記アウターカバーは、樹脂としての含フッ素化合物によって構成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のガスセンサ。
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