JP6539367B2 - 自動分析装置の反応容器 - Google Patents

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Description

本発明は血液等の成分を自動的に分析する自動分析装置に関する技術である。
サンプルに含まれる成分量を分析する分析装置として、光源からの光を、サンプルと試薬とが混合した反応液に照射して得られる単一又は複数の波長の透過光量または散乱光量を測定して、光量と濃度の関係から成分量を算出する自動分析装置が知られている。反応液の反応には、基質と酵素との呈色反応を用いる比色分析と、抗原と抗体との結合による凝集反応を用いるホモジニアス免疫分析の、大きく2種類の分析分野が存在し、後者のホモジニアス免疫分析では、免疫比濁法やラテックス凝集法などの測定方法が知られている。
免疫比濁法では、抗体を含有した試薬を用い、サンプルに含まれる測定対象物(抗原)との免疫複合体を生成させ、これらを光学的に検出し、成分量を定量する。ラテックス凝集法では、表面に抗体を感作(結合)させたラテックス粒子を含有した試薬を用い、試料中に含まれる抗原との抗原抗体反応によりラテックス粒子を凝集させ、これらを光学的に検出し、成分量を定量する。さらに、化学発光や電気化学発光による検出技術とB/F分離技術によって、より高感度な免疫分析を行うヘテロジニアス免疫分析装置も知られている。
また、血液の凝固能を測定する自動分析装置も存在する。血液は血管内部では流動性を保持して流れているが、一旦出血すると、血漿や血小板中に存在する凝固因子が連鎖的に活性化され、血漿中のフィブリノーゲンがフィブリンに変換され析出することで止血に至る。このような、血液凝固能には血管外に漏れ出した血液が凝固する外因性のものと、血管内で血液が凝固する内因性のものが存在する。血液凝固能(血液凝固時間)に関する測定項目としては、外因系血液凝固反応検査のプロトロンビン時間(PT)、内因系血液凝
固反応検査の活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)と、フィブリノーゲン量(Fbg)等が存在する。これらの項目は、血液の凝固反応を安定して進行させるために、サンプルと試薬の混合液を十分撹拌する必要がある。
本技術分野の背景技術として、特開平7−239334号公報(特許文献1)がある。この公報には、少量の試料液を第2液によって効率よく撹拌しながら精度のよい混合倍率で一様に混合する方法が記載されている。その際、試料液ピペットチップの先端を容器の内部側壁面に接触もしくは近接して停止させ、液を吐出させると記載されている。
特開平7−239334号公報
特許文献1には、少量の試料液を第2液によって効率よく撹拌する方法が記載されている。しかしながら、特許文献1の撹拌方法では毛細管現象による液の持ち上がりが考慮されていない。例えば、分注プローブを反応容器の内部側壁面に接触もしくは近接させて液を吐出する場合には、分注プローブと反応容器の内部側壁面の間に生じる隙間に毛細管現象が発生し、液が分注プローブの外側の壁面を伝ってくるという場合がある。
その際、分注プローブが広範囲にわたり液で汚染されるため、それに伴い分注プローブの洗浄範囲も広くなる。そのため分注プローブの洗浄動作が複雑になる、もしくは長時間が必要になってしまう。この洗浄工程はサイクルごとに行う必要があるため、処理能力の向上につながらないという欠点と洗浄水量が多くなるという欠点がある。また、洗浄工程をおろそかにすれば、キャリーオーバやコンタミネーションが発生する可能性が高くなるという課題がある。
そこで、本発明は、反応容器の内部側壁面に段差部を設け、分注プローブと反応容器の隙間で生じる毛細管現象を抑制し試薬の持ち上がりを低減することで、分注プローブの汚染される領域を制限することのできる自動分析装置を提供する。また、このような汚染される領域を制限できる反応容器を提供する。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば以下のとおりである。
試料と試薬が分注される反応容器と、該反応容器に該試薬を吐出するための分注プローブと、分注プローブを洗浄する洗浄槽と、分注プローブの動作を制御する制御部と、該試料と該試薬の混合液から該試料の検査を行う検出部と、を備えた自動分析装置において、反応容器は内部側壁面に内部側に突出する段差部を持ち、制御部は、分注プローブの先端が段差部の下方にくるように分注プローブを下降させ、分注プローブを段差部に接触させた状態で、該試薬を吐出する自動分析装置である。
また、試薬が分注される反応容器と、該反応容器に該試薬を吐出するための分注プローブと、分注プローブを洗浄する洗浄槽と、分注プローブの動作を制御する制御部と、該試料と該試薬の混合液から該試料の検査を行う検出部と、を備えた自動分析装置の反応容器において、制御部は、分注プローブを下降させた後、分注プローブの先端を反応容器の側面に接触させ、該試薬を吐出する制御を行い、反応容器は、分注プローブと接触する、内部側壁面に突出する段差部を備える自動分析装置の反応容器である。
このように、反応容器の内部側壁面に段差部を設けることで、分注プローブと反応容器の隙間で生じる毛細管現象を抑制し、試薬が分注プローブの上部まで持ち上がることを制限することができる。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
本発明の自動分析装置によれば、毛細管現象による分注プローブ上部への液の持ち上がりが抑制されるため、分注プローブの洗浄が容易になり、キャリーオーバやコンタミネーションの発生する可能性を低減することができる。また、本発明の自動分析装置の反応容器においても、分注の際に反応容器に接触させて試薬を分注する場合には、上記同様の効果を得ることができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明に一実施形態の自動分析装置の構成の概略を示す概略構成図である。 は分注プローブの動作を示したフローチャートである。 は分注プローブの動作を示した説明図である。 は実施例1に係る反応容器の形状と分注プローブの汚染領域と洗浄可能範囲の関係を示した説明図である。 は実施例2に係る反応容器の変形例を示す縦断面図である。 は実施例3に係る反応容器の変形例を示す縦断面図および上面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態を説明するために全図において同一機能を有するものは原則として同一の符号を付すようにし、その繰り返しの説明は可能な限り省略するようにしている。
図1は、本発明の一実施形態の自動分析装置1の構成の概略を示す概略構成図である。図1に示すように、自動分析装置1は、標準試料や被検試料等の試料を収容する試料容器20と、試料容器20を保持するサンプルディスク21とを備えている。
また、試料に含まれる各検査項目の成分と反応する成分を含有する試薬を収容する試薬容器30と、試薬容器30を保持かつ保冷する試薬ディスク31とを備えている。
また、サンプルディスク21に保持された試料容器20内の試料を吸引してディスポーザブル反応容器50内へ分注を行うサンプルプローブ22を備えている。
また、試薬ディスク31に保持された試薬容器30内の試薬を吸引してディスポーザブル反応容器50内へ分注を行う試薬分注プローブ60を備えている。
サンプルプローブ22はサンプル用シリンジポンプの動作に伴って試料および試薬の吸引動作および吐出動作を実行する。同様に、試薬分注プローブ60は試薬用シリンジポンプの動作に伴って吸引動作および吐出動作を実行する。
サンプル用シリンジポンプおよび試薬用シリンジポンプは微細な動作が可能であり、制御部100により制御され、分注精度を微量な値まで厳しく管理できるようになっている。
また、ディスポーザブル反応容器50を検出部72およびサンプル分注ポート74に設置し、使用済みのディスポーザブル反応容器50を廃棄するために搬送する、反応容器移送機構71を備えている。
ディスポーザブル反応容器50に試料と試薬が分注され、混合されることで、試料と試薬が反応を開始する。
検出部72では試料と試薬の混合液を保持したディスポーザブル反応容器50が設置され、試料と試薬の反応を検出し、これらの混合液から試料の検査を行う。
検出部72には光源と受光部が備えてあり、光源はたとえばLEDを、受光部はたとえばフォトダイオードを用いる。設置されたディスポーザブル反応容器50には下方から光源からの光が照射され、混合液の反応で産生された析出物により、この光は散乱される。析出物が増加すると散乱光も増加するため、この散乱光を受光部で検出することにより析出物の量を算出する。たとえば、凝固検査項目では検体と試薬が反応すると時間を経るとともに、フィブリンが析出する。フィブリンの増加とともに散乱される光量も増加する。この光量を監視することで、フィブリノーゲン量(Fbg)の検査ができる。また、検査項目対応する試薬を用いて同様に光量を監視することで、プロトロンビン時間(PT)や活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)等の他の凝固項目の検査もできる。
また、検出部72は試料と試薬の反応を促すために恒温に保たれており、37℃が好適である。
また、検出部72に設置されたディスポーザブル反応容器50に試薬を吐出し、分注を行う試薬分注プローブ60を備えている。
また、サンプルプローブ22、試薬分注プローブ60を洗浄するための洗浄槽73をそれぞれ備えている。
制御部100は前記サンプルディスク21と、試薬ディスク31と、サンプル分注プローブ22と、試薬分注プローブ60の上下および水平動作と、サンプル用シリンジおよび試薬用シリンジの動作と、洗浄槽73での洗浄水75の吐出と停止動作と、検出部72の光源および受光部の制御と、濃度演算など、前記の自動分析装置1を構成するすべての自動化要素の制御を実施する。
本自動分析装置1の動作を図2(a)のフローチャートと図3の分注プローブの動作フローを用いて説明する。なお、これらのフローチャートの実施内容は制御部100により制御される。
まず、図3(a)を用いて、使用するディスポーザブル反応容器50について説明する。図示するように、この反応容器は、内部側壁面に内部側に突出する段差部51を持っている。寸法の一例を挙げれば、突出高さ(水平方向の幅)は約0.13mm、垂直方向の幅は約0.8mmである。また、反応容器の高さは約26mm、開口部から段差部までの距離は約11mm、底から段差部までの距離は約15mmである。この段差部の高さは、試料と試薬の混合液が収容されたとしても混合液が触れない高さに設計されている。この段差部51は円環状に配置されあらゆる方向に配置されている。
図2のフローチャートに戻る。S101ではサンプルディスク21に架設された試料容器20内に保持された試料をサンプルプローブ22で吸引する。反応容器移送機構71がディスポーザブル反応容器50をサンプル分注ポート74に設置する。サンプル分注ポート74に設置されたディスポーザブル反応容器50にサンプルプローブ22が試料を吐出することで分注する。反応容器移送機構71がディスポーザブル反応容器50をサンプル分注ポート74から検出部72へ移送し、設置する。検出部72に設置された試料は昇温される。
S102では試薬ディスク31に架設された試薬容器30に保持された試薬を試薬分注プローブ60で吸引する。試薬分注プローブ60はヒータを備え付けており、たとえば37℃に恒温されている。吸引された試薬は試薬分注プローブ内でプリヒートされる。
プリヒートが完了した後、S103では、図3(a)に示したように凝固試薬分注プローブ60は水平に移動し、ディスポーザブル反応容器50の中心かつ上方に移動する。S104では試薬分注プローブ60が下降する。このとき、制御部100は、試薬分注プローブ60の先端が段差部51の下方にくるようにプローブを下降させる。
つづいてS105では試薬分注プローブ60は水平に移動し、前記プローブの先端をディスポーザブル反応容器50の内部側壁面に設けられた段差部51に接触させた位置で停止する。
S106では試薬分注プローブ60が停止した状態、つまり段差部51に接触させた状態で試薬を吐出する。試薬を吐出したときの勢いで試料62と試薬61を混合する。なお、プローブには、試薬61を吐出する前には、試薬61を押し出すための水63と、水63で試薬64が薄まるのを防ぐための空隙64が含まれている。試薬吐出の際には図3(b)に示したように、試薬分注プローブ60の先端をディスポーザブル反応容器50の内壁に接触させることで、試薬が壁を伝いディスポーザブル反応容器50の内に流入するため、気泡を巻き込むことなく試料と混合することができる。また、ディスポーザブル反応容器50の中心から試薬を吐出して混合する手法よりも効率的に混合することができる
。なお、本実施例では、別途外部の撹拌手段を用いての撹拌は行わずに、試薬の吐出力により混合液は撹拌される。
試薬を吐出した後、S107および図3(c)に示したように、試薬分注プローブ60がディスポーザブル反応容器50の中心部まで戻り、S108において上昇限界位置まで上昇する。別の形態として、試薬分注プローブ60は、先端をディスポーザブル反応容器50の中心に移動させつつ上昇するよう、すなわち斜め方向に移動することができる。このように、試薬分注プローブ60を、ディスポーザブル反応容器50の中心軸に近接した後に上昇させたり、または、斜め上方に移動させたりする。
S109では上昇限界位置まで上昇した後、試薬分注プローブ60は洗浄槽73まで水平に移動し、図3(d)に示したように洗浄水75にて洗浄される。
また、図2(b)のフローチャートに示したように変形例2としてS107の工程を省くことができる。試薬分注プローブ60は先端をディスポーザブル反応容器50の内部側壁面の段差部51に接触させた、水平方向の位置を保ちながら上昇することができる。このように、試薬分注プローブ60を、段差部51に接したまま上昇させたりすることができる。上昇後、試薬分注プローブ60は洗浄槽73まで水平移動する。試薬分注プローブ60は洗浄槽73で洗浄水75にて洗浄される。
また、図4は実施例1に係るディスポーザブル反応容器50の形状と試薬分注プローブ60の汚染領域と洗浄可能範囲の関係を示した説明図である。
図4(a)は、段差部51がないディスポーザブル反応容器50に試薬を吐出した場合の例である。段差部51がない場合でも、試薬を反応容器側面から吐出することは、試料62と試薬との撹拌効率の面から非常に有効である。しかしながら、反応容器側面から試薬を吐出した場合には反応容器側面とプローブとの間に生じる僅かな隙間での毛細管現象により試薬の一部が上昇し、反応容器の開口部付近まで到達する。つまり、後に洗浄する必要がある汚染領域が開口部付近まで広がる。このため、洗浄槽73における洗浄範囲は、少なくとも開口部に入ったプローブの領域すべてとする必要がある。
一方、図4(b)は、段差部51がある場合である。図で示すように、プローブと段差部51は接触している。試薬の一部は(a)の例と同様に毛細管現象により上昇するが、プローブと段差部51とが接触しているため、試薬はこれ以上上昇することができない。つまり、汚染領域は、プローブ先端から段差部51との接触点までである。このため、洗浄槽73における洗浄範囲は、段差部51と接触する点から上方に所定量のマージンを取った範囲だけで足りる。
言いかえると段差部51により開口部に入ったプローブの領域であっても洗浄しなくて済む領域が存在する。従い、洗浄槽73は、プローブの先端を洗浄する際、プローブが試薬を吐出する位置で反応容器の開口部よりも下方に位置付けられるプローブの段差部51と接触する位置から開口部までの開口部側の一部を洗浄しなくて済む。
このように、汚染されない領域を洗浄しなくて済むことで、分注プローブの洗浄動作が複雑になる、もしくは長時間が必要になってしまうといった欠点を解消することができる。また、この洗浄工程はサイクルごとに行う必要があるため、処理能力の向上につながらないという欠点、洗浄水量が多くなるという欠点等の様々な欠点を、反応容器に段差部51を設けることで解消することができる。
例えば、図4(b)の例で言えば、プローブが開口部に挿入される長さは約15mm、プローブ先端から段差部51までの長さは約4mmであり、マージンを約2mm取ったとしても、洗浄槽73はプローブ先端から約6mmの範囲を洗浄すれば足りる。これは、段差部51がない場合、約15mmの範囲を洗浄しなければならない場合に比べ大幅な改善である。
次に、さらに望ましい例について説明する。これまでは、段差部51にプローブの先端から比較的離れた側面を接触させる形態について述べた。これにより、毛細管現象による試薬の上昇を抑えることができる。プローブ先端が反応容器側面に完全に接していない場合でもある程度短い距離であれば、試薬の表面張力により試薬の上昇が生じる。しかし、プローブ先端が完全に接していない場合には、試薬を吐出する位置が反応容器の側面から離れることに起因して、撹拌力が落ちる。反応容器の側面を伝わらず直接試料に試薬が到達する場合には、最も効率的な撹拌である試料と反応容器側面との界面から離れるためであり、反応容器の側面を伝わって到達した場合でも、試薬と反応容器側面との衝突が、プローブ先端が完全に接している場合に比べ大きくなり、試薬が試料に侵入する勢いを弱めるためである。このため、プローブ先端も反応容器の側面に接触させて試薬を吐出することが望ましい。以下、説明する。
図4(b)は、プローブの先端も反応容器の側面に接している状態を示す図である。以下、反応容器は垂直断面が円形であることを前提に説明する。
前記プローブの先端と前記反応容器の壁面が接触する点を含む垂直断面の半径をaとする。前記プローブと段差部51が接触する点を含む垂直断面の半径をbとする。前記プローブの軸方向に対して垂直方向の、プローブ先端と側面との接触点間の弾性範囲をcとする。0≦b−a≦c の範囲にあるとき、前記プローブを前記反応容器に押し付けることで容易に、前記プローブの先端と前記反応容器の壁面の接触点と、前記プローブと段差部51の接触点を共に接触させることができる。このcは、プローブの外径の大きさ、材質、接触点間の距離により異なる値となるが、通常であれば、b−aが0.2mmを超えた場合には、プローブ先端が反応容器側面に引っ掛かり、プローブ側面を段差部51に接触させることが難しいと考えられる。従い、反応容器の段差部の突出高さに関しては、段差部51と反応容器の中心軸との水平方向の距離と、反応容器の先端が接触する箇所と中心軸との水平方向の距離との差が0.2mm以下であることが望ましい。この範囲で反応容器を設計することで、段差部51による汚染範囲の抑制と試薬による撹拌効率向上との両立を図ることができる。
先に述べたように、プローブ先端が容器側面に接触することは望ましい形態であって必須の実施形態ではい。但し、先端の接触の有り無しに係わらず、以下の条件を満たす、反応容器の構造が望ましい。
段差部51を境として、段差部の開口部側の近接領域における、分注プローブと反応容器の内壁との距離は、段差部51の底部側の近接領域における、該内壁との距離よりも大きい。又は、段差部51を境として、段差部の開口部側の近接領域における内径は、底部側の近接領域における内径よりも大きい。なお、近接領域とは、段差部から5mm程度離れた範囲までのことを言う。つまり、段差部よりも上側は、基本的に試薬は上昇できないが万一段差部を超えて上昇した場合であっても、必然的にプローブと反応容器の距離が大きいので、毛細管現象を弱めて試薬上昇を抑制できる。一方、段差部より下側は、プローブ先端と反応容器の距離が小さいので、試薬が反応容器の側面を伝って流れやすくなる。また、プローブ先端が反応容器側面に接触した場合と比べ、撹拌力は落ちるものの試薬吐出による撹拌力を一定量維持することができる。
このように段差部51に試薬分注プローブ60を接触させて試薬を吐出することで毛細管現象による試薬の持ち上がりが抑制されるため、試薬分注プローブ60の外壁の汚染範囲を限定することができる。これによれば、洗浄槽73における試薬分注プローブ60の洗浄時に、前記プローブの限定された範囲のみを洗浄すればよく、結果として、洗浄時間や洗浄水の使用量を低減することができる。また、前記プローブの外壁に付着する液体のみならず、ディスポーザブル反応容器50の内部側壁面に付着する液体を低減することができるため、貴重な試薬や検体の無駄を少なくすることができる。これらは装置の効率的な運用を可能とするものである。
また、前記の変形例2によれば、前記プローブの外壁に付着した液体を、ディスポーザブル反応容器50の段差部51で払い落す効果があるため、液体の無駄をより削減することができる。
図5を用いて、実施例2について説明する。実施例1では、ディスポーザブル反応容器50の段差部51は1つのみ設けているが、実施例2では図5のようにディスポーザブル反応容器50の段差部51を2つ以上設ける形状とする。上側の段差部51が新たに設けられた段差部51である。従い、混合液が段差部51と接触しない位置に設けられていることには変わりはない。この2つ以上の段差部51にプローブ側面を接触させた状態でプローブは試薬を吐出する。
これによれば、底部側の段差部51を試薬が乗り越え、液体が持ち上がってきた場合でも、開口部側の段差部51が毛細管現象による液体の持ち上がりを防止することができる。
また、試薬分注プローブ60を底部側と開口部側の段差部に共に接触させることにより、前記プローブの傾きをより容易に制御することができる。
図6を用いて、実施例3について説明する。実施例1では、ディスポーザブル反応容器50の段差部51を境にした開口部側と底部側とでは内径寸法が同一である(但し、容器底部側の底付近は除く)が、実施例3では図6(a)に示すようにディスポーザブル反応容器50の底部側の内径より、開口部側の内径を大きい形状とする。なお、この段差部51は、他の実施例同様にプローブ先端よりも上方に配置される。
これによれば、段差部51を境にした開口部側では前記プローブとディスポーザブル反応容器50の内壁との距離が増えることで、毛細管現象による試薬の持ち上がりをより効果的に防止することができる。目約として、段差部51の内径が外側に広がる段差部の段差は、0.25mm以上である。段差部の上方でのプローブ側面と反応容器内壁との距離は、0.3mm以上である。0.3mm以上の距離を確保できれば、毛細管現象による試薬の持ち上がりを防止することができる。上方に従い徐々に幅広になる反応容器の場合でもある程度上方であれば試薬の持ち上がりを防止することができるが、図6(a)で示すような段差部51を設けることで、徐々に幅広になる場合に比べ、上昇しようとする試薬がより多く段差部51の上面に溜まるので、効果的に汚染領域を少なくすることができる。
本実施例の変形例2として、図6(b)に示すように、試薬分注プローブ60に屈曲部65を設けることで、試薬分注プローブ60とディスポーザブル反応容器50の内壁との距離が増えることで、毛細管現象による液体の持ち上がりをより効果的に防止することができ、なおかつ試料もしくは試薬の液量が変化した場合でも実施例1と同様の効果を奏することができる。この場合には、段差部51は必ずしも必要ない。
プローブは、プローブの根元から延在する第1軸と、屈曲部65と、屈曲部65の下方にプローブ先端を含む第2軸とを備えている。屈曲部によりプローブから吐出した試薬の一部の屈曲部上方への上昇を抑えることができる。目約として屈曲部65による第1軸と第2軸とのズレは0.3mm以上あれば毛細管現象による試薬の持ち上がりを防止することができる。
実施例3の場合には、実施例1や2と異なって段差部51にプローブ側面が必ずしも接触する必要はなく、プローブ先端が接触又は近接していればよい。近接の目約として1mm以内であればよい。
図6(a)、(b)のいずれの場合でも、段差部51や屈曲部65により、プローブから吐出した試薬の上昇を抑えることができる。これらの工夫がなされてない場合よりも、洗浄範囲を狭くすることができる。洗浄槽の洗浄範囲については、実施例1と同様に、一部洗浄しない領域を設けることで洗浄範囲を狭くすることができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。例えば、光源からの光を反応容器の下方から照射させたが、横側面から照射させてもよい。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…自動分析装置、20…試料容器、21…サンプルディスク、22…サンプルプローブ、30…試薬容器、31…試薬ディスク、50…ディスポーザブル反応容器、51…段差部、60…試薬分注プローブ、61…試薬、62…試料、63…水、64…空隙、65…屈曲部、71…反応容器移送機構、72…検出部、73…洗浄槽、75…洗浄水

Claims (3)

  1. 試料と試薬が分注される反応容器と、
    該反応容器に該試薬を吐出する分注プローブと、
    前記分注プローブを洗浄する洗浄槽と、
    前記分注プローブの動作を制御する制御部と、
    該試薬と試料との混合液が収容された反応容器に光を照射する光源と、該光源から照射された光を受光する受光部とからなり、該受光された光に基づいて該試料を分析する分析部と、を備えた自動分析装置を用いた分析方法において、
    前記反応容器は、
    内部側壁面に沿って円環状に突出するように形成された段差部を有し、前記段差部の底部側の領域は、底部に近くなるほど前記反応容器の内径が小さくなるように構成され、
    前記制御部は、
    前記分注プローブの先端を前記段差部よりも底部側に位置するように下降させ、
    前記分注プローブの側面を前記反応容器の内部側壁面に押し付けることで、
    前記分注プローブの先端と前記内部側壁面との第1の接触部と、前記分注プローブの側面と前記段差部との第2の接触部と、を形成した状態で該試薬を吐出するように、前記分注プローブの動作を制御することを特徴とする分析方法。
  2. 請求項1に記載の分析方法において、
    前記第1の接触部を含む前記反応容器の垂直断面の半径をa、前記第2の接触部を含む前記反応容器の垂直断面の半径をbとするとき、b−aが0.2mm以下であることを特徴とする分析方法。
  3. 請求項1に記載の分析方法において、
    前記制御部は、
    前記分注プローブの先端を前記段差部よりも底部側に位置するように下降させたのち、前記分注プローブを前記反応容器の内部側壁面に向かって水平移動させることで、前記第1の接触部と、前記第2の接触部とを形成するように、前記分注プローブの動作を制御することを特徴とする分析方法。
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