以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.第1の実施の形態]
[1−1.紙幣出金機の外観構成]
図1に外観を示すように、現金自動支払機1は、箱状の筐体2を中心に構成されており、例えば金融機関等に設置され、顧客との間で出金取引等の現金に関する取引を行う。筐体2は、その前側に顧客が対峙した状態で紙幣の投入やタッチパネルによる操作等をしやすい箇所に顧客応対部3が設けられている。
顧客応対部3は、カード入出口4、出金口5、操作表示部6、テンキー7及びレシート発行口8が設けられており、顧客との間で現金や通帳等を直接やり取りすると共に、取引に関する情報の通知や操作指示の受付を行う。カード入出口4は、キャッシュカード等の各種カードが挿入又は排出される部分である。カード入出口4の奥側には、各種カードに磁気記録された口座番号等の読み取りを行うカード処理部(図示せず)が設けられている。出金口5は、顧客へ出金する紙幣が排出される部分である。出金口5は、シャッタ(図示せず)を駆動することにより開放又は閉塞する。操作表示部6は、取引に際して操作画面を表示するLCD(Liquid Crystal Display)と、取引の種類の選択、暗証番号や取引金額等を入力するタッチパネルとが一体化されている。テンキー7は、「0」〜「9」の数字等の入力を受け付ける物理的なキーであり、暗証番号や取引金額等の入力操作時に用いられる。レシート発行口8は、取引処理の終了時に取引内容等を印字したレシートを発行する部分である。因みにレシート発行口8の奥側には、レシートに取引内容等を印字するレシート処理部(図示せず)が設けられている。
筐体2内には、現金自動支払機1全体を統括制御する主制御部9や、紙幣に関する種々の処理を行う紙幣出金機10等が設けられている。主制御部9は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部から所定のプログラムを読み出して実行することにより、各部を制御して出金取引等の種々の処理を行う。
筐体2は、前面側及び後面側に、開閉可能な扉が設けられている。筐体2は、顧客との間で取引処理が行われる取引動作時の場合には扉を閉鎖することにより、現金自動支払機1の内部を保護する。一方筐体2は、保守員や金融機関の行員等により保守作業が行われる保守作業時の場合には、必要に応じて扉を開放することにより、内部の各部に対する作業を容易に行わせ得る。以下では、現金自動支払機1のうち顧客が対峙する側を前側とし、その反対を後側とし、該前側に対峙した顧客から見て左、右、上及び下をそれぞれ左側、右側、上側及び下側として説明する。
[1−2.紙幣出金機の構成]
図2に示すように、紙幣出金機10は、大きく分けて下側の収納ユニット12及び上側の束搬送ユニット14により構成されており、さらに全体を制御する制御部16(図1)が組み込まれている。この紙幣出金機10は、その製造時に、下側の収納ユニット12に上側の束搬送ユニット14が取り付けられることにより組み立てられる。この紙幣出金機10は、前側に設けられた出金機出金口46に対し該出金機出金口46と同じ側である前側から出金カセット20が収納筐体18に着脱される前面機として機能する。
制御部16は、図示しないCPUを中心に構成されており、図示しないROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、出金処理等の処理を行う。また制御部16は、内部にRAM、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させる。
[1−3.収納ユニットの構成]
収納ユニット12は、直方体状の収納筐体18内に、紙幣に関する種々の処理を行う複数の部分が組み込まれており、紙幣を収納すると共に、利用者に引き渡すべき紙幣を集積して紙幣束を生成する。この収納筐体18内には、4個の出金カセット20(20A、20B、20C及び20D)、上部搬送部22、下部搬送部24、鑑別部26、切替部28、集積部30及びリジェクトカセット32が設けられている。
媒体収納庫としての出金カセット20(20A、20B、20C及び20D)は、収納筐体18の前側における上下方向の中央から下側にかけて、互いに積み重なるように取り付けられている。各出金カセット20は、上下方向に短く前後方向に長い扁平な直方体状に形成されており、その内部に、紙面を前後方向に向けて前後方向に沿って並んだ状態で、紙幣を収納する。また出金カセット20(20A、20B、20C及び20D)の後側下部には、収納されている紙幣を1枚ずつに分離して繰り出す収納庫繰出口としてのカセット繰出口37(37A、37B、37C及び37D)が設けられている。さらに出金カセット20(20A、20B、20C及び20D)内部の後側下部におけるカセット繰出口37(37A、37B、37C及び37D)の前側には、収納されている紙幣を1枚ずつに分離して該カセット繰出口37(37A、37B、37C及び37D)から繰り出すローラ群と、該ローラ群を駆動するアクチュエータとにより構成された繰出部36(36A、36B、36C及び36D)が設けられている。
出金カセット20(20A、20B、20C及び20D)は、直方体状のフレームであるカセットフレーム34(34A、34B、34C及び34D)それぞれを介し収納筐体18に取り付けられる。カセットフレーム34は、収納筐体18の内部に設けられ、それぞれ1個の出金カセット20を覆うように出金カセット20毎に分割されて構成されている。これによりカセットフレーム34は、紙幣出金機10に装着可能な出金カセット20の数量に合わせて追加又は削除が可能となっている。
各出金カセット20は、収納筐体18のカセットフレーム34に対し前方向へ引き抜かれることにより、該収納筐体18から取り外され、また該収納筐体18のカセットフレーム34に対し位置を合わされ後方向へ押し込まれることにより、該収納筐体18に装着される。すなわち各出金カセット20は、収納筐体18の前面から着脱可能に構成されている。また各出金カセット20は、それぞれに収納される紙幣の金種が予め定められている。
下部搬送部24は、カセットフレーム34A、34B、34C及び34Dの後側において収納筐体18に対し着脱可能に取り付けられており、ローラやベルト、或いはこれらを駆動するモータ等により、紙幣を搬送する経路である搬送路を構成している。この搬送路は、図中に実線で示すように、各出金カセット20の繰出部36と接続され、各出金カセット20の後側を上下方向に沿って進行し、さらに最も上方に位置する出金カセット20Aの上側まで到達するように配設されている。下部搬送部24は、各出金カセット20の繰出部36から繰り出された紙幣を、短辺に沿う方向を進行方向(搬送方向)に沿わせて概ね上方向へ進行させる。
上部搬送部22は、図示しないローラやベルト、或いはこれらを駆動するモータ等により、紙幣を搬送する経路である搬送路を構成している。この搬送路は、図中に実線で示すように、下部搬送部24の上端部と接続され、出金カセット20Aの上側における前後方向の中央付近まで到達するように配設されている。
鑑別部26は、下部搬送部24の上側部分に、上部搬送部22の搬送路に沿って設けられている。この鑑別部26は、内部に複数種類のセンサが組み込まれており、各センサから得られた情報を基に、搬送される紙幣の金種や走行状態等を鑑別し、その鑑別結果を制御部16へ供給する。制御部16は、得られた鑑別結果を基に、各紙幣の搬送先を決定する。具体的に制御部16は、出金すべき正常な紙幣の搬送先を集積部30に、出金すべきで無い紙幣(以下これをリジェクト紙幣と呼ぶ)の搬送先をリジェクトカセット32に、それぞれ決定する。
切替部28は、出金カセット20Aの上側における前後方向のほぼ中央に配置されており、制御部16の制御に基づき、紙幣に当接して進行方向を変化させるブレード(図中三角形で示す)の傾斜角度を変更することにより、紙幣の進行方向を切り替える。また切替部28は、上部搬送部22により、鑑別部26、集積部30及びリジェクトカセット32とそれぞれ接続されている。この切替部28は、下方から搬送されてきた紙幣それぞれの進行方向を、制御部16において決定された搬送先に応じて切り替え、集積部30又はリジェクトカセット32へ進行させる。
集積部30は、収納筐体18内における最も上側の後側に位置しており、内部に紙幣を集積する空間である集積空間30Sを形成している。この集積部30は、集積空間30S内に、上面に紙幣を集積するステージ30Tを有している。ステージ30Tは、上下方向に薄い板状に形成されており、前後方向及び左右方向の長さが、紙幣における短辺及び長辺の長さよりもそれぞれ長くなっている。
また集積部30における前側上寄りには、切替部28から搬送されてきた紙幣を集積空間30S内へ放出する放出部30Jが設けられている。このため集積部30は、切替部28から搬送され放出部30Jにより集積空間30S内へ放出された紙幣を、ステージ30T上に集積させる。このときステージ30T上に集積された紙幣は、束状に積み重ねられている。以下では、このように積み重ねられた紙幣を紙幣束とも呼ぶ。
さらにステージ30Tは、図示しないステージ移動機構により上下方向へ移動する。また集積部30の上面には、上下方向に貫通する集積孔30Hが穿設されている。集積孔30Hにおける前後方向の長さは、ステージ30Tにおける前後方向の長さよりも僅かに長くなっている。この集積孔30Hは、収納筐体18の上面も貫通しており、集積空間30Sと収納筐体18よりも上側の空間とを連通させている。このため集積部30は、ステージ30Tに紙幣束を載置した状態で該ステージ30Tを上方へ移動させることにより、該ステージ30T及び紙幣束を収納筐体18の上面よりも上側まで持ち上げる。
リジェクトカセット32は、収納筐体18内における最も上側の前側、すなわち集積部30の前側に位置しており、内部に紙幣を収納する収納空間32Sを形成している。この収納空間32Sは、仕切板32Pにより、前上側に位置する取忘れ紙幣収納空間32SLと、後下側に位置するリジェクト紙幣収納空間32SRとに仕切られている。またリジェクトカセット32における後側上寄りには、切替部28から搬送されてきた紙幣をリジェクト紙幣収納空間32SR内へ放出する放出部32Jが設けられている。このためリジェクトカセット32は、切替部28から搬送され放出部32Jによりリジェクト紙幣収納空間32SR内へ放出された紙幣(すなわちリジェクト紙幣)を収納する。
またリジェクトカセット32の上面には、上下方向に貫通する取込孔32Hが穿設されている。取込孔32Hにおける前後方向の長さは、集積部30の集積孔30Hにおける前後方向の長さとほぼ同等となっている。さらに取込孔32Hは、収納筐体18の上面も貫通しており、取忘れ紙幣収納空間32SLと収納筐体18よりも上側の空間とを連通させている。このためリジェクトカセット32は、上方から取忘れ紙幣束が落下してきた場合、この取忘れ紙幣束を取忘れ紙幣収納空間32SL内に収納する。
さらにリジェクトカセット32は、出金カセット20と同様に、収納筐体18に対し前方向へ引き抜かれることにより、該収納筐体18から取り外され、また該収納筐体18に対し位置を合わされ前方向へ押し込まれることにより、該収納筐体18に装着される。
収納筐体18における、後述する束搬送筐体40内の上搬送ベルト42よりも下側部分のうち、大孔部40Hの範囲内には、可動搬送ガイド38が設けられている。可動搬送ガイド38は、上下方向に薄い扁平な直方体状に形成されており、その上面を上搬送ベルト42の下面と対向させている。
また可動搬送ガイド38は、駆動機構により、大孔部40Hの範囲内で前後方向へ移動する。例えば可動搬送ガイド38は、後側に移動した場合、大孔部40Hのうち中央付近及び後側を閉鎖し、前側の範囲を開放した状態とする。また可動搬送ガイド38は、前側に移動した場合、大孔部40Hのうち中央付近及び前側を閉鎖し、後側の範囲を開放した状態とする。
[1−4.束搬送ユニットの構成]
束搬送ユニット14は、全体として、上下方向に短く前後方向に長い、扁平な直方体状に形成されており、前後方向の長さが収納ユニット12よりも長くなっている。束搬送ユニット14は、直方体状の束搬送筐体40内に、紙幣束を搬送する種々の機構が設けられている。
束搬送筐体40内における上側部分には、上搬送ベルト42が設けられている。上搬送ベルト42は、後端近傍及び前端近傍にそれぞれ配置されたローラの周囲に掛け回された無端ベルトであり、このローラが回転することにより、その下面を水平方向に沿った前後方向に沿って走行させる。説明の都合上、以下では、上搬送ベルト42における下面部分の走行方向を、該上搬送ベルト42の走行方向と見なす。
束搬送筐体40における下面のうち前後方向の中央付近から後側に渡る広い範囲には、大きな孔でなる大孔部40Hが穿設されている。束搬送筐体40内における上搬送ベルト42よりも下側部分のうち、大孔部40Hよりも前側には、出金口搬送ベルト44が設けられている。出金口搬送ベルト44は、後端近傍及び前端近傍にそれぞれ配置されたローラの周囲に掛け回された無端ベルトであり、このローラが回転することにより、上搬送ベルト42の下面と対向する上面を水平方向に沿った前後方向に沿って走行させる。
また可動搬送ガイド38が前方へ移動された状態(図2)において、集積孔30Hは、集積部30のステージ30Tが上方へ移動された場合、該ステージ30Tにより閉鎖される。このとき束搬送ユニット14内には、上搬送ベルト42と、ステージ30T、可動搬送ガイド38及び出金口搬送ベルト44とにより上下方向から挟まれ水平方向に沿う束搬送路14Yが形成される。
また束搬送ユニット14内には、押出部45が設けられている。押出部45は、その一部を上搬送ベルト42の下面よりも下方に突出させており、図示しない移動機構により、前後方向に沿って、すなわち束搬送路14Yに沿って移動する。すなわち押出部45は、出金方向(前方)へ移動することにより紙幣束の束ずれや紙幣残留等を防止しつつ該紙幣束の後端を押す一方、取込方向(後方)へ移動することにより紙幣束の束ずれや紙幣残留等を防止しつつ該紙幣束の前端を押す。また押出部45は、図示しない変位機構により、上下方向へ変位する。すなわち押出部45は、図2に示したように、上搬送ベルト42の下面よりも下方へその一部を降ろすことの他、後述するように、上搬送ベルト42の下面よりも上方へ変位する。
束搬送筐体40の前端には、束搬送路14Y内を前方へ搬送されてきた紙幣束を利用者に引き渡す出金機出金口46が形成されている。この出金機出金口46は、出金口5(図1)と対向している。出金機出金口46の近傍には、紙幣束を検知する図示しない出金口センサが設けられている。出金口センサは、所定の検知光を発光する発光素子及びこの検知光を受光する受光素子の組み合わせにより構成された光学センサであり、該検知光の光路を束搬送路14Yと交差させている。この出金口センサは、検知光の受光結果を制御部16に通知する。制御部16は、この受光結果を基に、出金機出金口46に紙幣束があるか否かを判断する。
[1−5.下部搬送部の構成]
図3に示すように、下部搬送部24は、主に、搬送フレーム50、ガイド52(52A、52B、52C、52D及び52E)、ベルト駆動部54、タイミングベルト56、ベルト巻付部58(58A、58B、58C及び58D)、ベルトテンション部60及び固定ローラ部61(61A、61B、61C及び61D)により構成されている。
搬送フレーム50は、フレーム部63とガイド部62(62A、62B、62C及び62D)とが樹脂成型で一体に形成されている。フレーム部63は、ガイド部62をリブで囲った箱形状であり十分な強度を有し、搬送フレーム50における左右両側の端部においてタイミングベルト56の上端から下端までに亘って連続的に上下方向に伸びており、ガイド52、ベルト駆動部シャフト64及びベルト巻付部シャフト66が固定される孔部が穿設されている。ガイド部62(62A、62B、62C及び62D)は、左右の搬送フレーム50の間においてそれぞれのカセット繰出口37(37A、37B、37C及び37D)(図2)の後方の上側に設けられた板状部材であり、搬送される紙幣の前面を案内し滑らかに搬送させるガイド部面62Sがその後面に形成されている。このガイド部62は、タイミングベルト56と前後方向に所定の距離を開けつつ上下方向の中央部が後側に膨らむよう湾曲している。またガイド部62には、一部の固定ローラシャフト77が固定されるガイド部孔部が穿設されている。
ガイド52(52A、52B、52C、52D及び52E)は、紙幣受渡部48の下側と、カセット繰出口37(37A、37B、37C及び37D)それぞれの後方の下側と
において搬送フレーム50のフレーム部63に取り付けられており、搬送される紙幣を案内し滑らかに搬送させるガイド面52Sが形成されている。ガイド52A、52B、52C及び52Dは、板状部材であり、ガイド面52Sがその後面に形成されている。このガイド52A、52B、52C及び52Dは、タイミングベルト56と前後方向に所定の距離を開けつつ、ガイド面52Sがガイド部面62Sと面一になるよう、その下端部に形成された爪が、ガイド部62の上端部に形成された爪に入り込んでいる。ガイド52Eは、他のガイド52A、52B、52C及び52Dとは形状が異なっており、カセット繰出口37Dから繰り出される紙幣の下面をガイド面52Sによりガイドすると共に、後端がタイミングベルト56の前側よりも後側に位置することにより、ガイド52Dよりも下側へ紙幣が搬送されてしまうことを防止している。
ガイド部62Aとガイド52Bとの間には、カセット繰出口37Aと対向し紙幣を通過させる隙間である繰出孔78Aが形成されている。同様に、ガイド部62Bとガイド52Cとの間にはカセット繰出口37Bと対向する繰出孔78Bが、ガイド部62Cとガイド52Dとの間にはカセット繰出口37Cと対向する繰出孔78Cが、ガイド部62Dとガイド52Eとの間にはカセット繰出口37Dと対向する繰出孔78Dがそれぞれ形成されている。以下ではガイド部62とガイド52とをまとめてガイド機構とも呼び、ガイド部面62Sとガイド面52Sとをまとめてガイド面とも呼ぶ。
ベルト駆動部54は、下部搬送部24の上端部に配されており、ベルト駆動部シャフト64及びベルト駆動部プーリ65により構成されている。ベルト駆動部シャフト64は、円筒形状であり左右方向に沿って延在し左右端部がフレーム部63に固定されている。ベルト駆動部プーリ65は、ベルト駆動部シャフト64を軸として回転自在に、タイミングベルト56に当接する位置において左右に並び2個設けられている。図4に示すようにベルト駆動部プーリ65は歯車状でなり、外周面(周側面)において円周方向(回転方向)に沿って所定ピッチでプーリ歯山部80a及びプーリ歯谷部80bが交互に、円周方向に直交する幅方向(左右方向)に沿って右端から左端まで形成されている。以下では、プーリ歯山部80a及びプーリ歯谷部80bをまとめてプーリ歯部80とも呼ぶ。ベルト駆動部プーリ65は、図示しない駆動部により回転し、タイミングベルト56を回転させる。
ベルト巻付部58(58A、58B、58C及び58D)は、繰出孔78(78A、78B、78C及び78D)それぞれの後下側に配されており、ベルト巻付部シャフト66及びベルト巻付部プーリ67により構成されている。ベルト巻付部シャフト66は、円筒形状であり左右方向に沿って延在し左右端部がフレーム部63に固定されている。ベルト巻付部プーリ67は、ベルト巻付部シャフト66を軸として回転自在に、紙幣の長辺方向の長さよりも短い間隔を空けて左右に並び2個設けられている。ベルト巻付部プーリ67は、歯車状でなり、外周面において円周方向に沿ってベルト駆動部プーリ65(図4)と同様のピッチ及び高さでなるプーリ歯部が右端から左端まで形成されている。ベルト巻付部58Dは、繰出孔78Dに対するベルト巻付部シャフト66の位置が繰出孔78A、78B及び78Cに対するベルト巻付部58A、58B及び58Cそれぞれのベルト巻付部シャフト66の位置と同様であるものの、ベルト巻付部プーリ67の外径が、ベルト巻付部58A、58B及び58Cのベルト巻付部プーリ67よりも僅かに大きく形成されている。
タイミングベルト56は、グラスファイバーを含有し伸び縮みし難く剛性が高いゴムにより形成されており、ベルト駆動部プーリ65とベルト巻付部58Dのベルト巻付部プーリ67との外周面に架設されている。ガイド52Aの上端部とタイミングベルト56の上端部との間の上側には、上部搬送部22と接続され、出金カセット20から搬送された紙幣を該上部搬送部22へ受け渡す媒体受渡部としての紙幣受渡部48が形成されている。このようにタイミングベルト56は、下部搬送部24の紙幣受渡部48から繰出孔78Dの下側のベルト巻付部58Dのベルト巻付部プーリ67までに亘って架設されている。図4に示すように、タイミングベルト56の内周面には、ベルト駆動部プーリ65のプーリ歯部80とベルト巻付部58Dのベルト巻付部プーリ67のプーリ歯部と噛み合うベルト歯部81が形成されている。タイミングベルト56のベルト歯部81は、該タイミングベルト56の進行方向(循環方向)に直交する幅方向(左右方向)に沿ってプーリ歯山部80aよりもやや低く突設されたベルト歯山部81aと、該ベルト歯山部81aよりも低く形成されたベルト歯谷部81bとが、該タイミングベルト56の進行方向に沿って交互に設けられている。
固定ローラ部61は、固定ローラ部61A、61B、61C及び61Dにより構成されている。固定ローラ部61A(61A1、61A2及び61A3)は、例えばボールベアリングであり、固定ローラシャフト77及び固定ローラ76により構成されている。固定ローラ部61A1の固定ローラシャフト77は、円筒形状であり左右方向に沿って延在し左右端部がガイド52Aに固定されている。固定ローラ部61A1の固定ローラ76は、固定ローラシャフト77を軸として回転自在に、紙幣の長辺方向の長さよりも短い間隔を空けて左右に並び2個設けられている。固定ローラ部61A2及び61A3の固定ローラシャフト77は、円筒形状であり左右方向に沿って延在し左右端部が上下方向に並んでガイド部62Aに固定されている。固定ローラ部61A2及び61A3の固定ローラ76は、固定ローラシャフト77を軸として回転自在に、紙幣の長辺方向の長さよりも短い間隔を空けて左右に並び2個設けられている。固定ローラ部61B(61B1、61B2及び61B3)は、ガイド52B及びガイド部62Bに対し固定ローラ部61Aと同様に設けられている。固定ローラ部61C(61C1、61C2及び61C3)は、ガイド52C及びガイド部62Cに対し固定ローラ部61Aと同様に設けられている。固定ローラ部61D(61D1、61D2及び61D3)は、ガイド52D及びガイド部62Dに対し固定ローラ部61Aと同様に設けられている。固定ローラ76は、外周面に歯部は形成されておらず、円周方向に沿って平らな形状となっている。また固定ローラ76は、ガイド部62及びガイド52それぞれに穿設されたガイド部孔部及びガイド孔部から、その外周面をガイド部面62S及びガイド面52Sそれぞれの後側に突出させている。また上下に隣り合う固定ローラ76は、紙幣の短辺方向の長さよりも短い間隔を空けて配置されている。以下ではガイド部孔部及びガイド孔部をまとめてガイド機構孔部とも呼ぶ。
ベルト巻付部プーリ67の左右両端には、該ベルト巻付部プーリ67の外周面における左右方向の中央部に対し、ベルト巻付部シャフト66から外周面方向に向かう半径方向の外側に向かってタイミングベルト56のベルト歯山部81aの厚さよりも低い高さにフランジが突設することにより、該ベルト巻付部プーリ67からタイミングベルト56が左右方向に移動して外れてしまうことを防止している。
ベルトテンション部60は、下部搬送部24の上端部のやや下側、すなわち出金カセット20の後側に配されており、タイミングベルト56の張りを保つように構成されている。図5に示すように、ベルトテンション部60は、テンションローラシャフト73、テンションローラ72、ブラケット74及びスプリング75により構成されている。
テンションローラシャフト73は、円筒形状であり左右方向に沿って延在し左右端部がフレーム部63に固定されている。ブラケット74は、直方体形状でありテンションローラシャフト73を支点として回動自在に、紙幣の長辺方向の長さよりも短い間隔を空けて左右に並び2個設けられている。テンションローラ72は、タイミングベルト56に当接する位置において、円筒形状であり左右方向に沿って延在しブラケット74に固定されたシャフトに、回転自在に取り付けられている。
テンションローラシャフト73における、ブラケット74とフレーム部63との間には、トーションバースプリングであるスプリング75が取り付けられている。ブラケット74における背面にはスプリング75の一端が当接することにより、該ブラケット74は、テンションローラシャフト73よりも上側がタイミングベルト56に当接する方向に付勢力が加えられている。これによりテンションローラ72は、タイミングベルト56に当接して突き当たることにより、ベルト駆動部プーリ65とベルト巻付部58Dのベルト巻付部プーリ67とに一定の引張力を与えると共に、タイミングベルト56に一定の張力を与える。
ここで、ベルト巻付部58A、58B及び58Cは、ベルト駆動部54及びベルト巻付部58Dに張架された状態のタイミングベルト56の前側部を、ベルトテンションに逆らって、前方すなわち固定ローラ部61に向かって押し付けるよう押圧する。また固定ローラ76は、その後端部が、ベルト巻付部プーリ67の前端部よりも後側に位置するように設けられている。このため固定ローラ76は、上下方向に並ぶベルト巻付部プーリ67の間において、タイミングベルト56の前側部を、ベルトテンションに逆らって、後方すなわちベルト巻付部58に向かって押し付けるよう押圧する。
このようにベルト巻付部58がタイミングベルト56の前部分を前方向に押し付けると共に、固定ローラ部61が該タイミングベルト56の前部分を後方向に押し付けるため、タイミングベルト56は、一定の張力で固定ローラ76及びベルト巻付部プーリ67に巻き付く。これにより固定ローラ76は、タイミングベルト56のベルトテンションにより、固定ローラシャフト77へ向かう方向へ押圧される。このように下部搬送部24は、タイミングベルト56により紙幣を固定ローラ76に押し付け、該タイミングベルト56と固定ローラ76とで紙幣を挟持しつつ搬送する。
ここで、カセット繰出口37Aに対する固定ローラ部61A及びベルト巻付部58Aの位置関係と、カセット繰出口37Bに対する固定ローラ部61B及びベルト巻付部58Bの位置関係と、カセット繰出口37Cに対する固定ローラ部61C及びベルト巻付部58Cの位置関係と、カセット繰出口37Dに対する固定ローラ部61D及びベルト巻付部58Dの位置関係とは、何れも同様に構成されている。すなわち、カセット繰出口37A、37B、37C及び37Dに対する、該カセット繰出口37A、37B、37C及び37Dに最も近接するベルト巻付部58と、該該カセット繰出口37A、37B、37C及び37Dの上側に配された3組の固定ローラ部61とは、互いに同じ位置関係となっている。
[1−6.ガイド部及びガイドの構成]
図7は、図6に示す固定ローラ部61A2及びガイド部62Aの断面図を示している。なおガイド部62Aは、説明の都合上、図7においてガイド部62と記している。図7に示すように、ガイド部62は、ガイド部板94及び突出部95により形成されている。ガイド部板94は、ガイド部62の大部分を形成しており、搬送される紙幣の前面を案内し滑らかに搬送させるガイド部板面94Sがその後面に形成されている。突出部95は、ガイド部板94の後面における、固定ローラ76の左右両側、すなわちガイド部孔部62Hにおいてタイミングベルト56の進行方向と直交する左右方向の両脇に、上下方向に延在してガイド部板94よりもタイミングベルト56に近接するよう後方に突出して形成されている。この突出部95はタイミングベルト56が左右方向に位置ずれした際に当接する左右方向の範囲に亘って形成されている。突出部95は、ガイド部板面94Sよりも後方のタイミングベルト56に近接する位置において、搬送される紙幣の前面を案内し滑らかに搬送させる突出面95Sがその後面に形成されている。このような突出面95S及びガイド部板面94Sでガイド部面62S(図3)を形成している。ガイド部62B、62C及び62Dと、ガイド52(52A、52B、52C及び52D)ともガイド部62Aと同様に構成された突出部95を有している。
ここで、図6に示すように、タイミングベルト56が、ベルト駆動部プーリ65の外周面と、ベルト巻付部58A、58B、58C及び58Dそれぞれのベルト巻付部プーリ67の外周面とに巻き付く長さを、それぞれプーリ巻付長さLp1、Lp2、Lp3、Lp4及びLp5とし、これらプーリ巻付長さLp1、Lp2、Lp3、Lp4及びLp5の和をプーリ巻付総長さLpとする。
また、タイミングベルト56が、固定ローラ部61A1、61A2、61A3、61B1、61B2、61B3、61C1、61C2、61C3、61D1、61D2及び61D3それぞれの固定ローラ76の外周面に巻き付く長さを、それぞれローラ巻付長さLr1、Lr2、Lr3、Lr4、Lr5、Lr6、Lr7、Lr8、Lr9、Lr10、Lr11及びLr12とし、これらローラ巻付長さLr1、Lr2、Lr3、Lr4、Lr5、Lr6、Lr7、Lr8、Lr9、Lr10、Lr11及びLr12の和をローラ巻付総長さLrとする。
ここで、突出面95Sと固定ローラ76の外周面との距離、すなわち突出面95Sから固定ローラ76の外周面がタイミングベルト56に向かって突き出す長さであるローラ突出量hの条件について検討する。
図7(C)にタイミングベルト56が固定ローラ76からずり落ちた状態を示すように、該タイミングベルト56が該固定ローラ76からずり落ちるのは、タイミングベルト56の重心(すなわち幅方向の中央部)が固定ローラ76の幅方向の外側に移動したときである。このため、タイミングベルト56の幅方向の長さをベルト幅bとすると、タイミングベルト56の端がb/2だけ固定ローラ76からはみ出たときに、タイミングベルト56の端が突出面95Sに落ち、固定ローラ76の外周面に対するタイミングベルト56の前側部の面の傾きであるベルト傾きθだけ該タイミングベルト56は傾くこととなる。このベルト傾きθは、arcsin(b/2)となり、実際には20度程度となっている。このとき、固定ローラ76の固定ローラシャフト77に向かって前方向へ張力Tが働き、そのうちタイミングベルト56の輻方向に沿う分力であるベルト外し力T1(=Tsinθ)がタイミングベルト56を固定ローラ76から外そうとする力となる。
タイミングベルト56が固定ローラ76から外れると、ベルト駆動部プーリ65及びベルト巻付部プーリ67に形成されたフランジにより、タイミングベルト56を元の位置に戻そうとする力が発生する。このとき、タイミングベルト56を元の位置に戻そうとしてベルト駆動部プーリ65及びベルト巻付部プーリ67から該タイミングベルト56にかかる力をベルト戻し力Fとする。ベルト外し力T1は、タイミングベルト56が、固定ローラ部61A1、61A2、61A3、61B1、61B2、61B3、61C1、61C2、61C3、61D1、61D2及び61D3それぞれの固定ローラ76の外周面に巻き付く箇所で発生する。タイミングベルト56は、上述したように固定ローラ76に対しローラ巻付総長さLrだけ巻き付いているため、下部搬送部24全体におけるベルト外し力T1の合力であるベルト外し合力Ts1は、ベルト外し力T1×ローラ巻付総長さLr、すなわちTsinθ×Lrで、TLrsinθとなる。またタイミングベルト56は、上述したようにベルト駆動部プーリ65の外周面と、ベルト巻付部58A、58B、58C及び58Dそれぞれのベルト巻付部プーリ67の外周面とに対しプーリ巻付総長さLpだけ巻き付いているため、下部搬送部24全体におけるベルト戻し力Fの合力であるベルト戻し合力Fsは、ベルト戻し力F×プーリ巻付総長さLp、すなわちF×Lpで、FLpとなる。
このため、タイミングベルト56が自動的に正常な位置に復旧するためには、ベルト戻し合力Fsがベルト外し合力Ts1よりも大きい、すなわちTs1<Fsである必要があるため、次式を満たす必要がある。
[数1]
TLrsinθ<FLp……(1)
(1)式のsinθに2h/bを代入しローラ突出量hについて解くと、次式となる。
[数2]
h<bFLp/TLr……(2)
このため、固定ローラ76のローラ突出量hが(2)式の条件を満たすように、ガイド部孔部62Hの左右両脇に突出部95を設ければ良い。
かかるガイド52及びガイド部62の構成において、下部搬送部24にジャムが発生し紙幣BLが残留した場合には、図7(B)に示すように、行員や保守員が紙幣BLをタイミングベルト56の左右何れか(例えば右側)から引っ張って取り除く。すると、タイミングベルト56が紙幣BLと一緒にずれ、タイミングベルト56の右端が突出面95Sにずれ落ちる場合がある。ガイド52及びガイド部62は(2)式を満たすように構成されているため、ベルト戻し合力Fsがベルト外し合力Ts1を上回ることとなり、タイミングベルト56は、回転に伴い正常な位置へ自動的に復旧する。
[1−7.紙幣出金機の動作]
次に、紙幣出金機10における出金に関する動作について説明する。紙幣出金機10は、図示しない操作部により利用者から出金の指示及び出金額を受け付けると、制御部16の制御に基づき、制御プログラム等を読み出して実行することにより、その構成に応じた処理を開始する。
制御部16は、図8(A)に示すように、まずステージ30Tを下方へ移動させると共に、可動搬送ガイド38を後方へ移動させることにより集積部30の集積孔30Hを閉鎖する。また制御部16は、押出部45を最も後側に移動させる。
この状態で制御部16は、出金カセット20から出金額に応じた金種及び枚数の紙幣を繰出部36により順次繰り出させ、下部搬送部24により上方へ搬送して上部搬送部22により搬送し、鑑別部26により鑑別させる。このとき制御部16は、鑑別部26から得られる鑑別結果を基に、紙幣が出金可能であるか否かに応じて、その搬送先を集積部30又はリジェクトカセット32に決定する。続いて制御部16は、鑑別部26により鑑別された紙幣を、上部搬送部22により上方及び前方へ搬送して切替部28に到達させる。切替部28は、制御部16の制御に基づき、紙幣それぞれについて決定された搬送先に応じて進行方向を切り替え、集積部30又はリジェクトカセット32へ進行させる。
集積部30は、搬送されてきた紙幣を放出部30Jにより集積空間内へ放出し、ステージ30T上に集積させる。このとき集積部30は、集積孔30Hの上方が可動搬送ガイド38により閉鎖されているため、放出部30Jから放出された紙幣が上方へ舞い上がることを防止し、ステージ30T上に安定的に集積させる。またリジェクトカセット32は、搬送されてきた紙幣を放出部32Jによりリジェクト紙幣収納空間32SR内へ放出して収納させる。
制御部16は、搬送先を集積部30とした紙幣、すなわち集積部30に集積した紙幣の金種及び枚数を逐次集計しており、集計した金額が出金額に到達した段階で、出金カセット20からの紙幣の繰出を中止する。この結果、集積部30のステージ30T上には、出金額の紙幣が束状に集積された紙幣束Wが載置される。
次に制御部16は、図8(B)に示すように可動搬送ガイド38を前方へ移動させることにより集積部30の集積孔30Hを開放すると共に、集積部30のステージ30Tを上方へ移動させることにより、束搬送ユニット14側へ紙幣束Wを受け渡す位置まで該紙幣束Wを持ち上げさせる。このとき制御部16は、ステージ30Tの上面を出金口搬送ベルト44及び可動搬送ガイド38の上面と同等の高さに揃えて、該ステージ30Tにより束搬送路14Yの一部を構成させると共に、該ステージ30T上の紙幣束Wを該束搬送路14Y内に位置させる。
さらに制御部16は、上搬送ベルト42を前方へ走行させると共に押出部45を前方へ移動させることにより、紙幣束Wを束搬送路14Yに沿って前方へ進行させていく。やがて制御部16は、出金口センサからの通知を基に紙幣束Wが出金機出金口46に到達したことを検知すると、図8(C)に示すように、上搬送ベルト42の走行を停止する。因みに制御部16は、このときステージ30Tを下方へ移動させて、出金動作を終了する。
これにより紙幣出金機10は、出金機出金口46から紙幣束Wの一部を露出させ、且つ上搬送ベルト42及び出金口搬送ベルト44により該紙幣束Wの後端近傍を挟持した状態として、利用者にこの紙幣束Wを取り出させることができる。
ここで制御部16は、出金口センサからの通知を基に、出金機出金口46から紙幣束Wが取り出されたか否かを監視しており、所定の待機時間(例えば30秒間)が経過しても取り出されなかった場合、この紙幣束Wを取り込む取込動作を開始する。
具体的に制御部16は、図9(A)に示すように、押出部45を上方へ変位させた上で上搬送ベルト42を後方へ走行させることにより、紙幣束Wを束搬送路14Y内に取り込み、該束搬送路14Yに沿って後方へ進行させていく。このとき制御部16は、図示しないセンサにより紙幣束Wが押出部45よりも後方に到達したことを検知すると、該押出部45を下方へ変位させると共に後方へ移動させることにより、紙幣束Wの後方への搬送を補助する。
やがて制御部16は、図9(B)に示すように、紙幣束Wが取込孔32Hに到達すると、この紙幣束Wを束搬送路14Yから落下させ、リジェクトカセット32の取忘れ紙幣収納空間32SL内に収納させて取込動作を終了する。かくして紙幣出金機10は、利用者が出金機出金口46から取り忘れた取忘れ紙幣束を取り込んでリジェクトカセット32に収納する。
[1−8.効果]
図24に示したように、紙幣出金機1010は、カセットフレーム1034(1034A、1034B、1034C及び1034D)毎に独立して該カセットフレーム1034に内蔵された下部搬送部1024(1024A、1024B、1024C及び1024D)を有している。
しかしながら紙幣出金機1010においては、下部搬送部1024Aと下部搬送部1024Bとの接続箇所と、下部搬送部1024Bと下部搬送部1024Cとの接続箇所と、下部搬送部1024Cと下部搬送部1024Dとの接続箇所との3箇所において紙幣の受け渡しが発生してしまうため、下側に位置するカセットフレーム1034の下部搬送部1024から、該カセットフレーム1034の上側に位置する下部搬送部1024に紙幣を受け渡す際に、スキューが発生してしまう可能性があった。
これに対し紙幣出金機10は、下部搬送部24の紙幣受渡部48から繰出孔78Dの下側のベルト巻付部58Dまでに亘って左右に1本ずつタイミングベルト56を架設するようにした。これにより紙幣出金機10は、紙幣の後面をタイミングベルト56の一定の位置に当接させつつ、カセット繰出口37から紙幣受渡部48まで該紙幣を搬送することができるため、下部搬送部24内部において出金カセット20が積み重なる上下方向に沿って紙幣を搬送する際の紙幣の受け渡しをなくすことができる。これにより紙幣出金機10は、下部搬送部24内部を上下方向に沿って紙幣を搬送する際に該紙幣にスキューやジャムが発生してしまうことを抑止し、搬送する際の精度を向上させることができる。
また、例えば水平方向に沿って紙幣を搬送する搬送部においては、重力の影響により、紙幣に対し紙面が曲がる方向へ力が加わる。これに対し上下方向に沿って搬送する下部搬送部24においては、重力の影響により、紙幣に対し下方向へ落ちる方向へ力が加わる。このため下部搬送部24においては、水平方向に沿って紙幣を搬送する場合よりも、紙幣の受け渡しの際に重力の影響によりスキューが発生し易いと言える。このため紙幣出金機10においては、水平方向に沿って紙幣を搬送するのではなく上下方向に沿って紙幣を搬送する下部搬送部24に本発明を適用することにより、スキューの発生を抑える効果をより顕著に奏する。
また従来の紙幣出金機1010は、撓みやすい前側平ベルト92及び後側平ベルト93と紙幣との間の摩擦力を利用して該前側平ベルト92及び該後側平ベルト93で紙幣を挟持しつつ搬送するため、紙幣の種類によっては、紙幣と前側平ベルト92及び後側平ベルト93との間の摩擦力が弱くなり、スキューが発生しやすくなる場合があった。また紙幣出金機1010は、短辺方向の長さが短い紙幣を確実に搬送するためには、上下に並ぶ前側ローラ90同士の間隔と、上下に並ぶ後側ローラ91同士の間隔とを、紙幣の短辺方向の長さよりも短くする必要があったため、多数のローラが必要になってしまっていた。
これに対し紙幣出金機10は、上下に隣り合う固定ローラ76を紙幣の短辺方向の長さよりも短く配置する共に、撓み難いタイミングベルト56により紙幣を固定ローラ76に押し付け、タイミングベルト56と固定ローラ76とで紙幣を挟持しつつ搬送するようにした。このため紙幣出金機10は、短辺方向の長さが短い紙幣であっても、簡易な構成によりスキューの発生を抑止して確実に搬送することができる。
また従来の紙幣出金機1010は、カセットフレーム1034(1034A、1034B、1034C及び1034D)毎に独立して下部搬送部1024を設けていたため、多数の前側ローラ90、後側ローラ91、前側平ベルト92及び後側平ベルト93が必要であり、構成が複雑になっていた。これに対し紙幣出金機10は、主に、左右1組のタイミングベルト56と、該タイミングベルト56に対向する、固定ローラ部61、ガイド52及びガイド部62を設けるだけで紙幣を搬送するようにしたため、簡易な構成とすることができる。
また従来の紙幣出金機1010は、カセットフレーム1034(1034A、1034B、1034C及び1034D)毎に独立して該カセットフレーム1034内に下部搬送部1024を内蔵するようにした。このため、繰出部36や下部搬送部1024が故障した場合、カセットフレーム1034の外部から、繰出部36や下部搬送部1024に保守員がアクセスすることは困難であった。このため紙幣出金機1010においては、故障した繰出部36や下部搬送部1024が内蔵されているカセットフレーム1034ごと交換する必要があったが、実際には大掛かりな分解及び最組立作業を要するため、該紙幣出金機1010が内蔵された現金自動支払機が設置された現地では対応することは困難であり、結局紙幣出金機1010自体を交換する必要があった。このため、紙幣出金機1010自体を交換する際の準備、配送、設置等のため多くの時間と工数を要してしまい、現金自動支払機が長期間休止してしまっていた。
これに対し紙幣出金機10は、収納筐体18におけるカセットフレーム34A、34B、34C及び34Dの後側に着脱可能に下部搬送部24を取り付けるようにした。このため紙幣出金機10は、これにより紙幣出金機10は、保守性を向上させることができ、繰出部36や下部搬送部24が故障した場合であっても、現金自動支払機1が長期間休止してしまうことを防ぐことができる。
また図25に示すように、従来の紙幣出金機1010は、ガイド部1062に突出部95が形成されておらず、ガイド部板94のみにより形成されているため、ローラ突出量hが、ガイド部62よりも大きくなる。このガイド部1062において、図25(B)に示すように、行員や保守員が紙幣BLをタイミングベルト56の例えば右側から引っ張って取り除く際、図25(C)に示すように、タイミングベルト56が固定ローラ76からずり落ちると、ベルト傾きθは、ガイド部62(図7(C))よりも大きい45度程度となる。このガイド部1062においては、上述した(1)式及び(2)式を満たさないためベルト戻し合力Fsはベルト外し合力Ts1を上回らなくなり、タイミングベルト56は正常な位置へ自動的には復旧しない。
このため紙幣出金機1010は、タイミングベルト56が固定ローラ76から外れた状態のまま装置を動作させてしまい、再度ジャムが発生し紙幣出金機1010が動かなくなり、紙幣出金機1010の休止率が高くなってしまっていた。
これに対し本実施の形態による紙幣出金機10は、ガイド部板94(図23)に対し突出部95を形成するようにしたため、ガイド部板面94Sよりもタイミングベルト56に近接する突出面95Sが形成される。これにより紙幣出金機10は、ローラ突出量hが紙幣出金機1010よりも短くなり、(1)式及び(2)式を満たし、ベルト傾きθを小さくできるため、ベルト外し力T1が紙幣出金機1010よりも小さくなる。これにより紙幣出金機10は、ベルト戻し合力Fsがベルト外し合力Ts1を上回ることとなり、タイミングベルト56の回転に伴って該タイミングベルト56を正常な位置へ自動的に復旧させることができる。
また、ガイド部孔部62H及びガイド孔部52Hの左右両脇のみに突出部95を形成するのではなく、ガイド部板94の左端部から右端部までに亘って突出部を形成することも考えられる。しかしながらその場合、搬送される紙幣が突出部と接触する面積が増えてしまい、紙幣が搬送される際の抵抗になってしまう可能性があった。
これに対し紙幣出金機10は、ガイド部孔部62Hの左右両脇のみに突出部95を形成するようにし、該突出部95よりも左右方向の外側は、突出面95Sよりもタイミングベルト56から離隔するガイド部板面94Sを設けるようにした。これにより紙幣出金機10は、搬送される紙幣とガイド部板面94Sとの接触抵抗が増加しないようにしつつ、タイミングベルト56が固定ローラ76から外れてしまうことを防ぐことができるため、紙幣を安定して搬送できる。ガイド52においても同様である。
なお、固定ローラ76の外周面よりも突出面95Sをタイミングベルト56に向かって突出させることにより、固定ローラ76から外れかかったタイミングベルト56を、突出部95において固定ローラ76と対向する側面に当接させることで、タイミングベルト56が固定ローラ76から外れないようにすることも考えられる。しかしながらその場合、タイミングベルト56と固定ローラ76との間で挟持されて搬送される紙幣BLが突出部95に擦れてしまい、搬送に悪影響が出てしまう。また、紙幣BLがタイミングベルト56から引っ張られて取り除かれる際に、該紙幣BLが突出部95に擦れてしまう。
これに対し紙幣出金機10は、突出面95Sから固定ローラ76の外周面をタイミングベルト56に向かってローラ突出量hだけ突出させるようにした。これにより紙幣出金機10は、タイミングベルト56と固定ローラ76との間の搬送路を突出面95Sから離隔させることで、搬送時に紙幣BLが突出部95に擦れることを防止し、且つ保守時に紙幣BLがタイミングベルト56から抜き取られやすくすることができる。
また、紙幣出金機10は、固定ローラ76とタイミングベルト56とで紙幣を挟持して安定的に搬送するために固定ローラ76に向かってタイミングベルト56が強く付勢されているため、該タイミングベルト56は固定ローラ76から幅方向に外れやすい傾向にある。このため紙幣出金機10においては、そのような外れやすいタイミングベルト56を有する下部搬送部24において、ガイド部孔部62H及びガイド孔部52Hの左右両脇に突出部95を形成するようにしたため、ジャムの再発生を抑える効果を顕著に奏する。
以上の構成によれば紙幣出金機10は、紙葉状の媒体としての紙幣を収納し上下方向に並んで複数配された出金カセット20と、出金カセット20から繰り出された紙幣を鑑別する鑑別部26と、複数の出金カセット20と接続され、該出金カセット20から繰り出された紙幣を上方向へ向かって紙幣受渡部48まで搬送し鑑別部26に受け渡す下部搬送部24とを設け、該下部搬送部24は、複数の出金カセット20全てに亘るよう架設され一定の位置に紙幣の後面を当接させたまま紙幣受渡部48まで該紙幣を搬送するタイミングベルト56と、紙幣を挟んでタイミングベルト56と対向する位置に配され、紙幣の前面に当接し該紙幣をタイミングベルト56と挟持して搬送する固定ローラ76と、タイミングベルト56に張力を付与するベルトテンション部60と、紙幣を挟んでタイミングベルト56と対向する位置に配され、紙幣の前面をガイドするガイド部面62S及びガイド面52Sが形成され、固定ローラ76を軸支するガイド部62及びガイド52と、上下方向に延在しガイド部62及びガイド52が設けられ、ベルトテンション部60を支持するフレーム部63とを有するようにした。
これにより紙幣出金機10は、紙幣の後面をタイミングベルト56の一定の位置に当接させ、該タイミングベルト56と固定ローラ76とで紙幣を挟持しつつ、カセット繰出口37から紙幣受渡部48まで該紙幣を搬送することができる。
[2.第2の実施の形態]
[2−1.現金自動支払機及び紙幣出金機の構成]
図1に示すように、第2の実施の形態による現金自動支払機101は、第1の実施の形態による現金自動支払機1と比べて、紙幣出金機110が紙幣出金機10と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。図2と対応する図10に示すように、紙幣出金機110は紙幣出金機10と比べて、下部搬送部124が下部搬送部24と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。
[2−2.下部搬送部の構成]
図3と対応する図11に示すように、下部搬送部124は下部搬送部24と比べて、搬送フレーム150が搬送フレーム50と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。搬送フレーム150は、上部フレーム部163U及び下部フレーム部163Dと、ガイド部62(62A、62B、62C及び62D)とにより構成されている。上部フレーム部163U及び下部フレーム部163Dは、搬送フレーム50(図3)のフレーム部63が、上下方向のほぼ中央部、すなわち出金カセット20Bと出金カセット20Cとの間で物理的に分割された構成となっており、互いに接続されて固定され、上側に上部フレーム部163Uが、下側に下部フレーム部163Dがそれぞれ配置される。
上部フレーム部163Uは、出金カセット20A及び20Bの後側に配され、ガイド部62A及び62Bが一体に形成されている。上部フレーム部163Uは、出金カセット20A及び20Bに対応するガイド52A、52B及び52Cが取り付けられる。ガイド52A、ガイド部62A、ガイド52B、ガイド部62B及びガイド52Cは、出金カセット20A及び20Bに対応する固定ローラ部61A1、61A2、61A3、61B1、61B2、61B3及び61C1が取り付けられる。また上部フレーム部163Uは、出金カセット20A及び20Bに対応するベルト巻付部58A及び58Bが取り付けられる。さらに上部フレーム部163Uは、ベルト駆動部54が取り付けられる。
下部フレーム部163Dは、出金カセット20C及び20Dの後側に配され、ガイド部62C及び62Dが一体に形成されている。下部フレーム部163Dは、出金カセット20C及び20Dに対応するガイド52D及び52Eが取り付けられる。ガイド部62C、ガイド52D及びガイド部62Dは、出金カセット20C及び20Dに対応する固定ローラ部61C2、61C3、61D1、61D2及び61D3が取り付けられる。また下部フレーム部163Dは、出金カセット20C及び20Dに対応するベルト巻付部58C及び58Dが取り付けられる。
ここで、カセット繰出口37Aに対する固定ローラ部61A及びベルト巻付部58Aの位置関係と、カセット繰出口37Bに対する固定ローラ部61B及びベルト巻付部58Bの位置関係と、カセット繰出口37Cに対する固定ローラ部61C及びベルト巻付部58Cの位置関係と、カセット繰出口37Dに対する固定ローラ部61D及びベルト巻付部58Dの位置関係とは、何れも同様に構成されている。
[2−3.2個の出金カセットに対応させる場合]
ここで、図12に示すように、紙幣出金機110(図10)から出金カセット20C及び20Dが省略され出金カセット20A及び20Bのみを有する紙幣出金機110c2について検討する。紙幣出金機110c2は、収納筐体18よりも高さが低く構成された収納筐体118c2を有し、カセットフレーム34C及び34Dが省略されカセットフレーム34A及び34Bのみを有している。
下部搬送部124c2は、収納筐体118c2におけるカセットフレーム34A及び34Bの後側に着脱可能に取り付けられており、出金カセット20A及び20Bから繰り出された紙幣を上部搬送部22まで搬送する。図13に示すように下部搬送部124c2の搬送フレーム150c2は、下部搬送部124(図11)と同様の上部フレーム部163Uを有している。また下部搬送部124c2は、下部搬送部124における上部フレーム部163Uからベルト巻付部58Bが取り外されベルト巻付部58Dが取り付けられると共に、上部フレーム部163Uから固定ローラ部61C1及びガイド52Cが取り外されガイド52Eが取り付けられた構成となっている。タイミングベルト56c2は、タイミングベルト56よりもベルト長さが短く構成されており、ベルト駆動部プーリ65とベルト巻付部58Dのベルト巻付部プーリ67との外周面に架設されている。
[2−4.効果]
ここで、図14に示すように、第1の実施の形態による紙幣出金機10(図2)から出金カセット20C及び20Dが省略され出金カセット20A及び20Bのみを有する紙幣出金機10c2について検討する。紙幣出金機10c2は、4個の出金カセット20に対応する上下方向の長さに亘って連続的に形成されたフレーム部63(図3)が形成された搬送フレーム50を有する下部搬送部24により、出金カセット20A及び20Bから繰り出された紙幣を上部搬送部22まで搬送する。
このような紙幣出金機10c2は、下部搬送部24が、4個の出金カセット20に対応する高さに形成されているため、2個の出金カセット20A及び20Bしか装着されない場合であっても4個の出金カセット20に対応する高さの収納筐体18を使用する必要があり、出金カセット20Bの下側に不要なスペースが存在し、紙幣出金機10c2の高さを抑えることができなかった。
これに対し紙幣出金機110は、最大で2個だけ出金カセット20が装着される紙幣出金機110c2に下部搬送部124(図11)を適用する場合、該下部搬送部124から、下部フレーム部163Dと、該下部フレーム部163Dに取り付けられた各種ローラ等とが取り外されると共に、上部フレーム部163Uからベルト巻付部58Bが取り外されベルト巻付部58Dが取り付けられ、さらに上部フレーム部163Uから固定ローラ部61C1及びガイド52Cが取り外されガイド52Eが取り付けられることにより、下部搬送部124c2が製造されるだけで、収納筐体18よりも高さが抑えられた収納筐体118c2内部に下部搬送部124c2が取り付けられることができる。
これにより紙幣出金機110c2は、該紙幣出金機110c2に装着可能な出金カセット20の個数に応じた分だけに高さを抑えることができ、紙幣出金機110c2を小型化することができる。
その他第2の実施の形態による紙幣出金機110は、第1の実施の形態による紙幣出金機10と同様の作用効果を奏する。
[3.第3の実施の形態]
[3−1.現金自動支払機及び紙幣出金機の構成]
図1に示すように、第3の実施の形態による現金自動支払機201は、第1の実施の形態による現金自動支払機1と比べて、紙幣出金機210が紙幣出金機10と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。図2と対応する図15に示すように、紙幣出金機210は紙幣出金機10と比べて、下部搬送部224が下部搬送部24と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。
[3−2.下部搬送部の構成]
図3と対応する図16に示すように、下部搬送部224は下部搬送部24と比べて、搬送フレーム250が搬送フレーム50と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。搬送フレーム250は、最上部フレーム部263U、第1下部フレーム部263D1、第2下部フレーム部263D2及び第3下部フレーム部263D3と、ガイド部62(62A、62B、62C及び62D)とにより構成されている。最上部フレーム部263U、第1下部フレーム部263D1、第2下部フレーム部263D2及び第3下部フレーム部263D3は、搬送フレーム50(図3)のフレーム部63が、上下方向にほぼ4分割、すなわち出金カセット20Aと出金カセット20Bとの間と、出金カセット20Bと出金カセット20Cとの間と、出金カセット20Cと出金カセット20Dとの間とで物理的に分割された構成となっており、互いに接続されて固定され、上から下に向かって最上部フレーム部263U、第1下部フレーム部263D1、第2下部フレーム部263D2及び第3下部フレーム部263D3の順にそれぞれ配置される。このように搬送フレーム250は、出金カセット20と同数に分割されている。
最上部フレーム部263Uは、出金カセット20Aの後側に配され、ガイド部62Aが一体に形成されている。最上部フレーム部263Uは、出金カセット20Aに対応するガイド52A及び52Bが取り付けられる。ガイド52A、ガイド部62A及びガイド52Bは、出金カセット20Aに対応する固定ローラ部61A1、61A2、61A3及び61B1が取り付けられる。また最上部フレーム部263Uは、出金カセット20Aに対応するベルト巻付部58Aが取り付けられる。さらに最上部フレーム部263Uは、ベルト駆動部54が取り付けられる。
第1下部フレーム部263D1は、出金カセット20Bの後側に配され、ガイド部62Bが一体に形成されている。第1下部フレーム部263D1は、出金カセット20Bに対応するガイド52Cが取り付けられる。ガイド部62B及びガイド52Cは、出金カセット20Bに対応する固定ローラ部61B2、61B3及び61C1が取り付けられる。また第1下部フレーム部263D1は、出金カセット20Bに対応するベルト巻付部58Bが取り付けられる。
第2下部フレーム部263D2は、出金カセット20Cの後側に配され、ガイド部62Cが一体に形成されている。第2下部フレーム部263D2は、出金カセット20Cに対応するガイド52Dが取り付けられる。ガイド部62C及びガイド52Dは、出金カセット20Cに対応する固定ローラ部61C2、61C3及び61D1が取り付けられる。また第2下部フレーム部263D2は、出金カセット20Cに対応するベルト巻付部58Cが取り付けられる。
第3下部フレーム部263D3は、出金カセット20Dの後側に配され、ガイド部62Dが一体に形成されている。第3下部フレーム部263D3は、出金カセット20Dに対応するガイド52Eが取り付けられる。ガイド部62D及びガイド52Eは、出金カセット20Dに対応する固定ローラ部61D2及び61D3が取り付けられる。また第3下部フレーム部263D3は、ベルト巻付部58Dが取り付けられる。
ここで、カセット繰出口37Aに対する固定ローラ部61A及びベルト巻付部58Aの位置関係と、カセット繰出口37Bに対する固定ローラ部61B及びベルト巻付部58Bの位置関係と、カセット繰出口37Cに対する固定ローラ部61C及びベルト巻付部58Cの位置関係と、カセット繰出口37Dに対する固定ローラ部61D及びベルト巻付部58Dの位置関係とは、何れも同様に構成されている。
[3−3.3個の出金カセットに対応させる場合]
ここで、図17に示すように、紙幣出金機210(図15)から出金カセット20Dが省略され出金カセット20A、20B及び20Cのみを有する紙幣出金機210c3について検討する。紙幣出金機210c3は、収納筐体18よりも高さが低く構成された収納筐体218c3を有し、カセットフレーム34Dが省略されカセットフレーム34A、34B及び34Cのみを有している。
下部搬送部224c3は、収納筐体218c3におけるカセットフレーム34A、34B及び34Cの後側に着脱可能に取り付けられており、出金カセット20A、20B及び20Cから繰り出された紙幣を上部搬送部22まで搬送する。図18に示すように下部搬送部224c3の搬送フレーム250c3は、下部搬送部224(図16)から第2下部フレーム部263D2が省略され、該下部搬送部224と同様の最上部フレーム部263U、第1下部フレーム部263D1及び第3下部フレーム部263D3を有している。タイミングベルト56c3は、タイミングベルト56よりもベルト長さが短く構成されており、ベルト駆動部プーリ65とベルト巻付部58Dのベルト巻付部プーリ67との外周面に架設されている。
[3−4.2個の出金カセットに対応させる場合]
また図19に示すように、紙幣出金機210(図15)から出金カセット20C及び20Dが省略され出金カセット20A及び20Bのみを有する紙幣出金機210c2について検討する。紙幣出金機210c2は、収納筐体18よりも高さが低く構成された収納筐体218c2を有し、カセットフレーム34C及び34Dが省略されカセットフレーム34A及び34Bのみを有している。
下部搬送部224c2は、収納筐体218c2におけるカセットフレーム34A及び34Bの後側に着脱可能に取り付けられており、出金カセット20A及び20Bから繰り出された紙幣を上部搬送部22まで搬送する。図20に示すように下部搬送部224c2の搬送フレーム250c2は、下部搬送部224(図16)から第1下部フレーム部263D1及び第2下部フレーム部263D2が省略され、該下部搬送部224と同様の最上部フレーム部263U及び第3下部フレーム部263D3を有している。タイミングベルト56c2は、タイミングベルト56よりもベルト長さが短く構成されており、ベルト駆動部プーリ65とベルト巻付部58Dのベルト巻付部プーリ67との外周面に架設されている。
[3−5.1個の出金カセットに対応させる場合]
また図21に示すように、紙幣出金機210(図15)から出金カセット20B、20C及び20Dが省略され出金カセット20Aのみを有する紙幣出金機210c1について検討する。紙幣出金機210c1は、収納筐体18よりも高さが低く構成された収納筐体218c1を有し、カセットフレーム34B、34C及び34Dが省略されカセットフレーム34Aのみを有している。
下部搬送部224c1は、収納筐体218c1におけるカセットフレーム34Aの後側に着脱可能に取り付けられており、出金カセット20Aから繰り出された紙幣を上部搬送部22まで搬送する。図22に示すように下部搬送部224c1の搬送フレーム250c1は、下部搬送部224(図16)から第1下部フレーム部263D1、第2下部フレーム部263D2及び第3下部フレーム部263D3が省略され、該下部搬送部224と同様の最上部フレーム部263Uを有している。また下部搬送部224c1は、下部搬送部224における最上部フレーム部263Uからベルト巻付部58Aが取り外されベルト巻付部58Dが取り付けられると共に、最上部フレーム部263Uから固定ローラ部61B1及びガイド52Bが取り外されガイド52Eが取り付けられた構成となっている。タイミングベルト56c1は、タイミングベルト56よりもベルト長さが短く構成されており、ベルト駆動部プーリ65とベルト巻付部58Dのベルト巻付部プーリ67との外周面に架設されている。
[3−6.効果]
以上の構成において紙幣出金機210は、最大で3個だけ出金カセット20を装着する紙幣出金機210c3に下部搬送部224(図16)を適用する場合、該下部搬送部224から、第2下部フレーム部263D2と、該第2下部フレーム部263D2に取り付けられた各種ローラ等とが取り外されると共に、最上部フレーム部263Uと第1下部フレーム部263D1と第3下部フレーム部263D3とが接続されることにより、下部搬送部224c3が製造されるだけで、収納筐体18よりも高さが抑えられた収納筐体218c3内部に下部搬送部224c3が取り付けられることができる。
また紙幣出金機210は、最大で2個だけ出金カセット20を装着する紙幣出金機210c2に下部搬送部224(図16)を適用する場合、該下部搬送部224から、第1下部フレーム部263D1及び第2下部フレーム部263D2と、該第1下部フレーム部263D1及び該第2下部フレーム部263D2に取り付けられた各種ローラ等とが取り外されると共に、最上部フレーム部263Uと第3下部フレーム部263D3とが接続されることにより、下部搬送部224c2が製造されるだけで、収納筐体18よりも高さが抑えられた収納筐体218c2内部に下部搬送部224c2が取り付けられることができる。
さらに紙幣出金機210は、最大で1個だけ出金カセット20を装着する紙幣出金機210c1に下部搬送部224(図16)を適用する場合、該下部搬送部224から、第1下部フレーム部263D1、第2下部フレーム部263D2及び第3下部フレーム部263D3と、該第1下部フレーム部263D1、該第2下部フレーム部263D2及び該第3下部フレーム部263D3に取り付けられた各種ローラ等とが取り外されると共に、最上部フレーム部263Uからベルト巻付部58Aが取り外されベルト巻付部58Dが取り付けられ、さらに最上部フレーム部263Uから固定ローラ部61B1及びガイド52Bが取り外されガイド52Eが取り付けられることにより、下部搬送部224c1が製造されるだけで、収納筐体18よりも高さが抑えられた収納筐体218c1内部に下部搬送部224c1が取り付けられることができる。
これにより紙幣出金機210は、様々な紙幣出金機に対し、出金カセット20の個数に応じた分の高さの下部搬送部を容易に製造させることができるため、汎用性を高めることができると共に、紙幣出金機の高さを、該紙幣出金機に装着可能な出金カセット20の個数に応じた分に抑えることができ、紙幣出金機を小型化することができる。
また上述したように、カセット繰出口37それぞれに対する該カセット繰出口37近傍の固定ローラ部61及びベルト巻付部58は、何れのカセット繰出口37においても同様に構成されている。このため紙幣出金機210は、最上部フレーム部263Uの下に、第1下部フレーム部263D1、第2下部フレーム部263D2及び第3下部フレーム部263D3を所定の個数だけ組み合わせても、全てのカセット繰出口37に対する固定ローラ部61及びベルト巻付部58の位置関係が崩れることなく、紙幣を正常に搬送することができる。
さらに紙幣出金機210は、ベルトテンション部60を最上部フレーム部263Uに設けるようにした。これにより紙幣出金機210は、ベルトテンション部60が例えば第3下部フレーム部263D3に設けられている場合と比べて、最上部フレーム部263Uと、第1下部フレーム部263D1、第2下部フレーム部263D2又は第3下部フレーム部263D3とが適宜組み合わせて製造される際に、製造させ易くできる。
その他第3の実施の形態による紙幣出金機210は、第2の実施の形態による紙幣出金機110と同様の作用効果を奏する。
[4.第4の実施の形態]
[4−1.現金自動支払機、紙幣出金機及び下部搬送部の構成]
図1に示すように、第4の実施の形態による現金自動支払機301は、第1の実施の形態による現金自動支払機1と比べて、紙幣出金機310が紙幣出金機10と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。図2に示すように、紙幣出金機310は紙幣出金機10と比べて、下部搬送部324が下部搬送部24と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。図7と対応する図23に示すように、下部搬送部324は下部搬送部24と比べて、ガイド部362及びガイド352がガイド部62及びガイド52と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。
[4−2.ガイド部及びガイドの構成]
図23に示すように、ガイド部362は、突出部95に代えて突出部395を有している。突出部395は、後端にストッパ96が形成されている。ストッパ96は、断面三角形状のストッパ突起97が左右方向に複数本並んで鋸歯状に形成されている。ストッパ突起97は、ストッパ第1面97S1及びストッパ第2面97S2が形成されている。ストッパ第1面97S1は、固定ローラ76に対向するように左右方向の内側に面し、タイミングベルト56の進行方向(上下方向)に沿う平面である。ストッパ第2面97S2は、ストッパ第1面97S1の前端から、左右方向の内側に向かうに連れて後方へ傾斜する平面である。これによりストッパ突起97は、固定ローラ76から左右方向に離隔する方向に対しては、ストッパ第1面97S1が引っ掛かることにより紙幣を進行させない一方、左右方向外側から固定ローラ76に近接する方向に対しては、ストッパ第2面97S2が引っ掛かないことにより紙幣を進行させる。ガイド352もガイド部362と同様に構成されたストッパ96を有している。
かかるガイド352及びガイド部362の構成において、下部搬送部24にジャムが発生し紙幣BLが残留した場合には、図23(B)に示すように、行員や保守員が紙幣BLをタイミングベルト56の例えば右側から引っ張って取り除く。すると、タイミングベルト56が紙幣BLと一緒にずれ、タイミングベルト56の右端がストッパ96にずれ落ちる場合がある。このとき紙幣の右端部は、ストッパ突起97のストッパ第1面97S1に当接すると、それ以上の右方への移動と、固定ローラ76との接触点を支点とした回動とが規制される。これにより紙幣出金機310は、ベルト傾きθを紙幣出金機10よりもさらに小さくできるため、ベルト外し力T1が紙幣出金機10よりも小さくなる。これにより紙幣出金機310は、ベルト戻し合力Fsがベルト外し合力Ts1をより上回ることとなり、タイミングベルト56を回転に伴い正常な位置へ自動的に復旧させ、該タイミングベルト56の幅方向への位置ずれを抑えることができる。
その他第4の実施の形態による紙幣出金機310は、第1の実施の形態による紙幣出金機10と同様の作用効果を奏する。
[5.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態においては、下部搬送部24の上端部近傍にベルトテンション部60を配置する場合について述べた。本発明はこれに限らず、下部搬送部24の下端部近傍等、種々の位置にベルトテンション部を配置しても良い。第2乃至第4の実施の形態においても同様である。
また上述した第1の実施の形態においては、ベルト巻付部プーリ67Dの外径をベルト巻付部プーリ67A、67B及び67Cよりも僅かに大きく形成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、ベルト巻付部プーリ67Dの外径をベルト巻付部プーリ67A、67B及び67Cと同じにし、該ベルト巻付部プーリ67Dの位置をベルト巻付部プーリ67A、67B及び67Cよりも僅かに前方に配置するようにしても良い。第2乃至第4の実施の形態においても同様である。
さらに上述した第1実施の形態においては、上下方向に沿って紙幣を搬送する下部搬送部24に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、上下方向に対し傾斜した方向に沿って紙幣を搬送する搬送部に本発明を適用しても良い。第2乃至第4の実施の形態においても同様である。その場合も、重力によって紙幣がスキューする可能性が高くなるような搬送路の場合、本発明の効果を顕著に奏する。
さらに上述した第1の実施の形態においては、突出部95の、タイミングベルト56の進行方向(上下方向)に沿った長さは種々の長さで良い。要はタイミングベルト56が固定ローラ76から外れた際に該タイミングベルト56の端部と接触できれば良い。第4の実施の形態においても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、ガイド部板94の後面における固定ローラ76の左右両側に、タイミングベルト56が左右方向に位置ずれした際に当接する左右方向の範囲に亘って突出部95を形成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、図26に示すように、ガイド部板94の後面における固定ローラ76の左右両側に、左右方向の幅が細く後方に突出し後面にリブ面98Sが形成されたリブ98を形成しても良い。
さらに上述した第4の実施の形態においては、ガイド部板94の後面における固定ローラ76の左右両側に、タイミングベルト56が左右方向に位置ずれした際に当接する左右方向の範囲に亘って突出部395を形成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、図27に示すように、ガイド部板94の後面における固定ローラ76の左右両側に、左右方向の幅が細く後方に突き出しストッパ96が形成されたリブ99を形成しても良い。
さらに上述した第4の実施の形態においては、ストッパ突起97の断面形状を三角形状とする場合について述べた。本発明はこれに限らず、種々の断面形状で良い。また突出部95を省略し、ガイド部板面94Sにストッパ96を形成しても良い。要はずれ落ちた紙幣の移動を規制する形状であれば良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、紙幣を出金する紙幣出金機10に本発明を適用する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば種々の金券や証券、或いは各種チケットなど、紙葉状の媒体を収納しておき、これを利用者に引き渡す種々の装置に適用しても良い。第2乃至第4の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、媒体収納庫としての出金カセット20と、鑑別部としての鑑別部26と、搬送部としての下部搬送部24と、ベルトとしてのタイミングベルト56と、ローラとしての固定ローラ部61と、テンション部としてのベルトテンション部60とによって、媒体引渡装置としての紙幣出金機10を構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる媒体収納庫と、鑑別部と、搬送部と、ベルトと、ローラと、テンション部とによって、媒体引渡装置を構成しても良い。