JP6540264B2 - 水酸化マグネシウムスラリーの製造方法及び水酸化マグネシウムスラリー - Google Patents
水酸化マグネシウムスラリーの製造方法及び水酸化マグネシウムスラリー Download PDFInfo
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Description
しかしながら、海水由来の軽焼酸化マグネシウムは、一般的に平均粒子径が小さく、比表面積が大きいため、水と反応しやすく、アクリル酸系ポリマーの分散剤では、水酸化マグネシウムスラリーのゲル化や硬化の抑制が十分ではない。
[1]平均粒子径が10μm以下である軽焼酸化マグネシウムに水を加え、水和反応をさせて水酸化マグネシウムスラリーを製造する工程において、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩を添加することを特徴とする水酸化マグネシウムスラリーの製造方法。
[2]軽焼酸化マグネシウムが、海水から得られた軽焼酸化マグネシウムを含む、[1]に記載の水酸化マグネシウムスラリーの製造方法。
[3]固形分換算で軽焼酸化マグネシウム100質量部に対して、固形分換算でナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩を0.01〜0.4質量部添加する、[1]又は[2]に記載の水酸化マグネシウムスラリーの製造方法。
[4]ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩を水に加え、次に軽焼酸化マグネシウムを加える、[1]〜[3]のいずれかに記載の水酸化マグネシウムスラリーの製造方法。
[5]軽焼酸化マグネシウムと水の合計量に対して、軽焼酸化マグネシウムの含有量が15〜45質量%である、[1]〜[4]のいずれかに記載の水酸化マグネシウムスラリーの製造方法。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の水酸化マグネシウムの製造方法によって得られる、排煙中の硫黄酸化物除去用の水酸化マグネシウムスラリー。
本発明は、軽焼酸化マグネシウムに水を加え、水和反応によって水酸化マグネシウムスラリーを製造する工程において、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩を添加することを特徴とする水酸化マグネシウムスラリーの製造方法である。
軽焼酸化マグネシウムは、海水中の塩化マグネシウムを水酸化カルシウムと反応させて水酸化マグネシウムスラリーとし、これを焼成して製造された海水由来の軽焼酸化マグネシウムを含むことが好ましい。海水由来の軽焼酸化マグネシウムは、不純物が少ないため、排煙中の硫黄酸化物の吸収力が高く、排煙硫黄酸化物除去の用途に適しているためである。また、近年、国内や海外資源の枯渇が問題となっているが、鉱物由来のマグネサイトが使用できなくなった場合であっても、海水から採取した軽焼酸化マグネシウムを排煙中の硫黄酸化物除去に使用することができ、有用である。
本明細書において、平均粒子径とは、レーザー回折散乱法によって求めた粒度分布における粒子個数の積算値が50%となる粒子径(d50)を意味し、島津製作所株式会社製の商品名SALD-2100等の測定装置により測定できる。
軽焼酸化マグネシウム中、MgO、CaO、SiO2、Fe2O3の各含有量が上記の範囲内であると、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物の添加によって、軽焼酸化マグネシウムの平均粒子径が10μm以下と小さく、軽焼酸化マグネシウムと水との水和反応の速度が大きい場合であっても、スラリー中の水酸化マグネシウムの分散性が良好となり、ゲル化や硬化が抑制された水酸化マグネシウムスラリーを得ることができる。
ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩は、下記一般式(I)の構造を有するものが挙げられる。
本発明の製造方法によって得られる水酸化マグネシウムスラリーは、平均粒子径が比較的小さい軽焼酸化マグネシウムを原料とする場合であっても、ゲル化や硬化が抑制されているため、一般的に平均粒子径が小さく、不純物が少ない、海水由来の軽焼酸化マグネシウムを用いることができる。
また、本発明の製造方法によって得られる水酸化マグネシウムスラリーは、ゲル化や硬化が抑制されているため、排煙脱硫設備が設置された工場内で、水酸化マグネシウムスラリーを生成する場合に適している。本発明の製造方法によって得られた水酸化マグネシウムスラリーは、ゲル化や硬化が抑制されているため、排煙脱硫設備において移送ラインの詰まりを防止し、清掃頻度を低減することができる。排煙脱硫設備における移送ラインとしては、軽焼酸化マグネシウムの反応槽と水酸化マグネシウムスラリーを貯留する貯留槽との移送ライン、貯留槽から酸化反応槽や脱硫等に移送する移送ライン等が挙げられる。また、本発明の製造方法によって得られた水酸化マグネシウムスラリーによれば、ゲル化や硬化が抑制されているため、排煙脱硫設備において、水酸化マグネシウムスラリー反応槽に設けられた撹拌器の故障を防止することができる。
軽焼酸化マグネシウム1:海水由来の軽焼酸化マグネシウム20質量%と、天然鉱物由来の軽焼酸化マグネシウム80質量%との混合品。
ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、重量平均分子量1000
ポリアクリル酸ナトリウム、重量平均分子量5000
ポリアクリル酸ナトリウム、重量平均分子量6000
各添加剤の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリアクリル酸ナトリウム換算する方法にて測定した。
工業用水350gに、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物を添加して撹拌した。ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物は、次に添加する軽焼酸化マグネシウムの固形分換算100質量部に対して、固形分換算で0.1質量部となるように添加した。次に、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物を含有する工業用水に、撹拌しながら、軽焼酸化マグネシウム1(平均粒子径7μm)を150g添加した。軽焼酸化マグネシウムと工業用水の合計量に対して、軽焼酸化マグネシウムの含有量は30質量%であった。工業用水、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、軽焼酸化マグネシウムの混合物を、90℃で、マグネチックスターラー(回転速度350rpm)で撹拌しつつ、2時間反応させた。軽焼酸化マグネシウムと水との発熱反応により、反応温度は90℃を超えた。2時間経過後に、マグネチックスターラーが回転し続けている場合を回転有りとし、回転が止まっている場合は回転無しとして「有」、「無」を評価した。また、反応2時間経過後の状態を目視で外観観察した。結果を表2に示す。表2中、軽焼酸化マグネシウムの数値及び添加剤の数値は、「質量部」である。
添加剤を含有しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、試験を行った。結果を表2に示す。
添加剤として、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物の代わりに、ポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量5000)又はポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量6000)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、試験を行った。結果を表2に示す。
実施例1及び比較例1〜3の結果から、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩を添加して得られた水酸化マグネシウムスラリーは、ゲル化や硬化が十分に抑制されることが確認できた。本発明によって得られた水酸化マグネシウムスラリーは、ゲル化や硬化が抑制されているため、排煙脱硫設備において移送ラインの詰まりを防止し、清掃頻度を低減することができる。また、本発明によって得られた水酸化マグネシウムスラリーによれば、ゲル化や硬化が抑制されているため、排煙脱硫設備において、水酸化マグネシウムスラリー反応槽に設けられた撹拌器の故障を防止することができる。このように本発明によって得られた水酸化マグネシウムスラリーは、排煙中の硫黄酸化物除去の用途に好適に用いることができる。
Claims (5)
- 平均粒子径が10μm以下の軽焼酸化マグネシウムに水を加え、水和反応をさせて水酸化マグネシウムスラリーを製造する工程において、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩を水に加え、次に全量の軽焼酸化マグネシウムを加えることを特徴とする水酸化マグネシウムスラリーの製造方法。
- 軽焼酸化マグネシウムが、海水から得られた軽焼酸化マグネシウムを含む、請求項1に記載の水酸化マグネシウムスラリーの製造方法。
- 固形分換算で軽焼酸化マグネシウム100質量部に対して、固形分換算でナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩を0.01〜0.4質量部添加する、請求項1又は2に記載の水酸化マグネシウムスラリーの製造方法。
- 軽焼酸化マグネシウムと水の合計量に対して、軽焼酸化マグネシウムの含有量が15〜45質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水酸化マグネシウムスラリーの製造方法。
- 前記含有量となる軽焼酸化マグネシウムを、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩が添加された水に加える、請求項4に記載の水酸化マグネシウムスラリーの製造方法。
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