JP6548953B2 - コンクリートのワーカビリティ判定方法 - Google Patents
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Description
このスランプ試験は、所定ロット毎にサンプリングしたフレッシュコンクリートをスランプコーン内に詰め、スランプコーンを鉛直に引き上げた時のフレッシュコンクリートの中央部の下がりをスケールで測り、その沈下量を指標としてコンシステンシーを評価する。
このコンクリートのコンシステンシー評価方法は、フレッシュコンクリートを締固めるために内部バイブレータを挿入すると、締固めと共に内部バイブレータの回転運動量が変化する点に着目したもので、この方法では、フレッシュコンクリートに内部バイブレータを振動させながら挿入し、負荷トルクを測定することにより、フレッシュコンクリートのコンシステンシーを評価する。
また、特許文献1のフレッシュコンクリートのコンシステンシー評価方法では、フレッシュコンクリートを容器に入れ、内部バイブレータを振動させながらこの容器内に挿入して、内部バイブレータに流れる電流の時刻歴変化を検出し、負荷トルクに変換させるようにしているが、このような負荷トルクでの表示形式では、コンクリートのワーカビリティの良否を迅速かつ適切に判定することが難しい、という問題がある。
各種コンクリート構造物の施工に用いるコンクリートの配合毎に、前記施工の前に予め、コンクリートポンプ車のホッパーを含む施工現場で使用する容器に投入するのと略同じ配合、略同じ量のコンクリートを任意の容器に採取し、前記容器内の当該コンクリートの中に前記施工に際して使用する電動機駆動式の棒形内部振動機を挿入して、前記棒形内部振動機の振動を開始し前記棒形内部振動機の負荷電流値を測定して、前記棒形内部振動機の振動開始から当該コンクリートの締固め過程において任意の時間の負荷電流値の平均値を求め、併せて前記任意の時間の締固めによる当該コンクリートのスランプを測定する工程を経て、前記任意の時間の負荷電流値の平均値と前記スランプとの関係、及び当該コンクリートの締固めに適した適宜の時間を求めておき、
前記施工に際して、同様にして、コンクリートポンプ車のホッパーを含む施工現場で使用する容器にコンクリートを投入し、前記容器内の当該コンクリートの中に前記棒形内部振動機を挿入して、前記棒形内部振動機の振動を開始し前記棒形内部振動機の負荷電流値を測定して、前記棒形内部振動機の振動開始から当該コンクリートの締固め過程において前記施工の前に求めた前記適宜の時間での負荷電流値の平均値を求め、その測定結果と、前記施工の前に求めた前記任意の時間の負荷電流値の平均値と前記スランプとの関係とに基づいて、当該コンクリートのスランプを推定し、ワーカビリティの良否の判定を行う、
ことを要旨とする。
この場合、任意の時間は5秒から120秒までの範囲とすることが好ましい。
また、この場合、電動機駆動式の棒形内部振動機の振動部に拡張部を設け、コンクリートの抵抗を大きくすることが好ましい。
このコンクリートのワーカビリティ判定方法は、各種コンクリート構造物の施工に用いるコンクリートの配合毎に、次の、施工前のステップ(1)、(2)、及び施工に際してのステップ(3)により行う。
(ステップ1)
図1に示すように、前記施工前に予め、コンクリートポンプ車のホッパーなど施工現場で使用する容器に投入するのと略同じ配合、略同じ量のコンクリートを任意の容器1に採取する。なお、このステップ1は、前記施工前のコンクリートの試験練り時などに実施することが好ましい。
(ステップ2)
続いて、容器1内の当該コンクリートの中に内部振動機Vを挿入して、内部振動機Vの振動を開始し内部振動機Vに発生する負荷電流値を測定して、内部振動機Vの振動開始から当該コンクリートの締固め過程において任意の時間の負荷電流値の平均値を求め、併せて当該任意の時間の締固めによる当該コンクリートのスランプ値を測定し、かかる工程を経て、任意の時間の負荷電流値の平均値とスランプ値との関係、及び当該コンクリートの締固めに適した適宜の時間を求める。
この場合、任意の時間は、5秒から120秒までの範囲とし、この任意の時間から、コンクリート構造物の種類、施工方法に適したコンクリートの軟らかさ、粘性の程度によって適宜の時間を決定する。スランプ値の測定は一般のスランプ試験による。
また、この場合、内部振動機Vに振動部が断面円形状の電動機駆動式の棒形内部振動機を使用する。この場合、内部振動機Vの負荷電流値の感度を大きくするため、内部振動機Vの振動部に拡張部を設け、コンクリートの抵抗を大きくしてもよい。この拡張部は、図3に示すように、振動部V1の外周に2枚の矩形状の平板とこれら2枚の平板の間に介在される中間板をボルトで連結してなるアタッチメントAを取り付けて、振動部V1を拡張したものでもよく、また、振動部の断面円形状の外径を拡大したものでもよい。
さらに、この場合、この内部振動機Vの負荷電流値の測定には、図4に示すように、内部振動機Vの電源ケーブルV2に流れる電流を測定するクランプ式測定器S、及びこのクランプ式測定器Sで測定したデータを記録する測定データ記録装置(データロガー)Lを採用する。また、これらの測定機器により得たデータやスランプ試験でのスランプ値などのデータ処理には、図5に示すように、PC(パーソナルコンピュータ)と汎用アプリケーションソフトを使用する。この場合、PCの汎用アプリケーションソフトとして、一般に数値データの集計・分析に用いる表計算ソフト(例えば、Excel(マイクロソフト社製(登録商標))を採用する。そして、クランプ式測定器Sと測定データ記録装置Lを専用のケーブルで接続し、測定データ記録装置LとPCをUSB接続して、クランプ式測定器Sで測定し測定データ記録装置Lに記録した内部振動機Vの任意の時間の負荷電流値及びスランプ試験によるスランプ値をPCの表計算ソフトに取り込み、これらの測定データに対して所定の指定した加工等を施してデータ処理を行い、内部振動機Vの任意の時間の負荷電流値の平均値、及びこの平均値とスランプ値との関係を求めて、この関係に基づいて次のステップ(3)で測定する内部振動機Vの任意の時間の負荷電流値の平均値をスランプ値に換算し、PCの表示画面に表示できるようにしておく。その表示例を図6に示す。
(ステップ3)
図2に示すように、前記施工に際して、同様にして、コンクリートポンプ車のホッパーなど施工現場で使用する容器11にコンクリートを投入し、容器11内の当該コンクリートの中に内部振動機Vを挿入して、内部振動機Vの振動を開始し内部振動機Vの負荷電流値を測定して、内部振動機Vの振動開始から当該コンクリートの締固め過程において施工前に求めた適宜の時間での負荷電流値の平均値を求める。そして、この測定結果と、施工前に求めた任意の時間の負荷電流値の平均値とスランプ値との関係とに基づいて、当該コンクリートのスランプ値を推定し、ワーカビリティの良否の判定を行う。
この場合、内部振動機Vの負荷電流値の平均値は、既述のとおり、クランプ式測定器S、測定データ記録装置Lを使って測定し、この測定結果を、PCにより、施工前に求めた任意の時間の負荷電流値の平均値とスランプ値との関係から、スランプ値に換算し、これをPCの表示画面に表示して(図6参照)、ワーカビリティの良否を判定する。
したがって、施工現場では、作業者はホッパー内のコンクリートの中に内部振動機Vを差し込み、適宜の時間だけ締固めを行いながら、内部振動機Vに発生する負荷電流値の平均値を測定するだけなので、施工現場での作業を容易とし、また、内部振動機Vの負荷電流値の平均値を建築土木関係者によく知られたスランプ値に換算して、ワーカビリティの判定を行うので、ワーカビリティの良否の判定を迅速かつ容易に行うことができる。
この実験では、まず、上記ステップ1として、コンクリートポンプ車のホッパーと略同量の容器に予め決めた配合のコンクリートを採取する(図1参照)。次いで、上記ステップ2として、このコンクリートの締固めに使用する内部振動機の電源ケーブルをクランプ式測定器のクランプに通し(図4(a)参照)、このクランプ式測定器を測定データ記録装置に接続し(図4(b)参照)、この測定データ記録装置とPCとを接続した後(図5参照)、この内部振動機を容器内のコンクリートの中に挿入する。この内部振動機の挿入後、内部振動機を駆動してコンクリートの振動締固めを開始し、振動開始から任意の時間として25秒間、内部振動機に発生する負荷電流値の平均値をクランプ式測定器及び測定データ記録装置により測定し、併せてこの時間(25秒)の締固めによるコンクリートのスランプ値を測定する。その結果を図7に示す。この図7から、スランプ値が大きくなると、内部振動機の負荷電流値の平均値が直線的に低下し、相関係数も大きいことが確認された。また、内部振動機の振動部に拡張部として平板状のアタッチメントを取り付けて同様の測定を行った。その結果を図8に示す。この図8から、内部振動機にアタッチメントを付けて抵抗を大きくした方が、感度がよくなり、判定が容易になることを確認した。
そして、上記ステップ3として、施工現場で使用するコンクリートポンプ車のホッパーに予め決めた配合のコンクリートを投入し、このホッパーのコンクリートの中に上記ステップ2と同様にして振動機を挿入した後、コンクリートの振動締固めを開始し、振動開始から任意の時間として25秒間、内部振動機に発生する負荷電流値の平均値をクランプ式測定器及び測定データ記録装置により測定し、併せてこの時間(25秒)の締固めによるコンクリートのスランプ値を測定したところ(図2参照)、図1と略同じ結果が得られたことを確認した。また、内部振動機の振動部にアタッチメントを取り付けた場合も、図2と略同じ結果になったことを確認した。
したがって、コンクリートの配合毎に、事前に上記ステップ1、2により負荷電流値の平均値とスランプ値の関係、及びコンクリートの適宜の締固め時間を求めておくことにより、施工現場では、ステップ3により内部振動機の振動開始から施工前に予め求めた適宜の時間の負荷電流値の平均値を求めるだけで、コンクリートの締固め過程のスランプの状態を推定でき、ワーカビリティの良否を迅速に判定することができる。
V1 振動部
V2 電源ケーブル
A アタッチメント
S クランプ式測定器
L 測定データ記録装置
1 容器
11 容器
Claims (3)
- 各種コンクリート構造物の施工に用いるコンクリートの配合毎に、前記施工の前に予め、コンクリートポンプ車のホッパーを含む施工現場で使用する容器に投入するのと略同じ配合、略同じ量のコンクリートを任意の容器に採取し、前記容器内の当該コンクリートの中に前記施工に際して使用する電動機駆動式の棒形内部振動機を挿入して、前記棒形内部振動機の振動を開始し前記棒形内部振動機の負荷電流値を測定して、前記棒形内部振動機の振動開始から当該コンクリートの締固め過程において任意の時間の負荷電流値の平均値を求め、併せて前記任意の時間の締固めによる当該コンクリートのスランプを測定する工程を経て、前記任意の時間の負荷電流値の平均値と前記スランプとの関係、及び当該コンクリートの締固めに適した適宜の時間を求めておき、
前記施工に際して、同様にして、コンクリートポンプ車のホッパーを含む施工現場で使用する容器にコンクリートを投入し、前記容器内の当該コンクリートの中に前記棒形内部振動機を挿入して、前記棒形内部振動機の振動を開始し前記棒形内部振動機の負荷電流値を測定して、前記棒形内部振動機の振動開始から当該コンクリートの締固め過程において前記施工の前に求めた前記適宜の時間での負荷電流値の平均値を求め、その測定結果と、前記施工の前に求めた前記任意の時間の負荷電流値の平均値と前記スランプとの関係とに基づいて、当該コンクリートのスランプを推定し、ワーカビリティの良否の判定を行う、
ことを特徴とするコンクリートのワーカビリティ判定方法。 - 任意の時間は5秒から120秒までの範囲とする請求項1に記載のコンクリートのワーカビリティ判定方法。
- 電動機駆動式の棒形内部振動機の振動部に拡張部を設け、コンクリートの抵抗を大きくする請求項1又は2に記載のコンクリートのワーカビリティ判定方法。
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