以下、本実施形態に係る医用画像処理装置200について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能および構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
図1は、実施形態に係る医用画像処理装置200を備える医用画像診断装置300の一例を示すブロック図である。なお、本実施形態では、上記医用画像診断装置300の一例として、PET−CT(Positron Emission computed Tomography−Computed Tomography)装置の構成を示す。
図1に示すように、医用画像診断装置300は、医用画像撮像装置100と、医用画像処理装置200とを備える。
医用画像撮像装置100は、ガントリ(架台)30の内部に、スリップリング10、高電圧発生部11、X線管12、X線検出器13、投影データ収集部(DAS:Data Acquisition System)14、非接触データ伝送部15、第1前処理部16、第1再構成部17、および第1走査制御部18を備える。また、医用画像撮像装置100は、ガントリ30の内部に、ガンマ線収集部20、第2前処理部21、エネルギー弁別部22、同時計数回路23、第2再構成部24、および第2走査制御部25を備える。
ガントリ30には、図示していない回転支持機構が収容される。回転支持機構は、回転リング19と、被検体の体軸(Z軸)を回転軸として回転自在に回転リング19を支持するリング支持機構と、回転リング19の回転を駆動する回転駆動部とを有する。回転リング19および後述する検出器リングの開口部には、被検体Pを載置可能な天板Tが挿入される。天板Tは、回転リング19および検出器リングの中心軸に沿って移動可能に寝台(図示せず)に支持される。ここで、天板Tに載置された被検体Pの体軸は、回転リング19および検出器リングの中心軸に一致するものとする。
回転リング19には、高電圧発生部11と、X線管12と、DAS14と、非接触データ伝送部15と、図示していない冷却装置及びガントリ制御装置等とが搭載されている。
高電圧発生部11は、第1走査制御部18による制御の下で、スリップリング10を介して供給された電力を用いて、X線管12に印加する管電圧と、X線管12に供給する管電流とを発生する。
X線管12は、高電圧発生部11からの管電圧の印加および管電流の供給を受けて、X線の焦点から天板Tに載置された被検体PへX線を放射する。X線管12は、高電圧発生部11により印加される管電圧に対応するエネルギースペクトルを有するX線を発生する。X線の放射範囲は、図1に示す二点鎖線で示されている。
X線検出器13は、回転軸を挟んでX線管12に対峙する位置およびアングルで、回転リング19に取り付けられる。X線検出器13は、複数のX線検出素子を有する。ここでは、単一のX線検出素子が単一のチャンネルを構成しているものとして説明する。複数のチャンネルは、回転軸に直交し、かつ放射されるX線の焦点を中心として、この中心から1チャンネル分のX線検出素子の受光部中心までの距離を半径とする円弧方向(チャンネル方向)とZ方向との2方向に関して2次元状に配列される。X線検出器13の出力側には、DAS14が接続される。
なお、X線検出器13は、複数のX線検出素子を1列に配列した複数のモジュールで構成されてもよい。このとき、モジュール各々は、上記チャンネル方向に沿って略円弧方向に1次元状に配列される。また、複数のX線検出素子は、チャンネル方向とスライス方向との2方向に関して2次元状に配列させてもよい。すなわち、2次元状の配列は、上記チャンネル方向に沿って一次元状に配列された複数のチャンネルを、スライス方向に関して複数列並べて構成される。このような2次元状のX線検出素子配列を有するX線検出器13は、略円弧方向に1次元状に配列される複数の上記モジュールをスライス方向に関して複数列並べて構成してもよい。
DAS14は、X線検出器13の各チャンネルの電流信号を電圧に変換するIV変換器と、この電圧信号をX線の曝射周期に同期して周期的に積分する積分器と、この積分器の出力信号を増幅するアンプと、このアンプの出力信号をディジタル信号変換するアナログ・ディジタル・コンバータとを、チャンネルごとに取り付けている。DAS14は、出力したデータ(純生データ(pure raw data))を、磁気送受信又は光送受信を用いた非接触データ伝送部15を経由して、第1前処理部16に伝送する。第1前処理部16は、DAS14から出力された純生データに対して前処理を施す。前処理には、例えばチャンネル間の感度不均一補正処理、X線強吸収体、主に金属部による極端な信号強度の低下または、信号脱落を補正する処理等が含まれる。第1前処理部16は、前処理を施した再構成処理直前のデータ(生データ(raw data)または、投影データと称される、ここでは投影データという)を、データ収集したときにビューアングルを表すデータと関連付けて、第1再構成部17および記憶部48へ伝送する。
なお、投影データとは、被検体を透過したX線の強度に応じたデータ値の集合である。ここでは説明の便宜上、ワンショットで略同時に収集したビューアングルが同一である全チャンネルにわたる一揃いの投影データを、投影データセットと称する。また、ビューアングルは、X線管12が回転軸を中心として周回する円軌道の各位置を、回転軸から鉛直上向きにおける円軌道の最上部を0°として360°の範囲の角度で表したものである。なお、投影データセットの各チャンネルに対する投影データは、ビューアングル、コーン角、チャンネル番号によって識別される。
第1再構成部17は、第1前処理部16から伝送された、ビューアングルが360°または180°+ファン角の範囲内の投影データセットに基づいて、フェルドカンプ法またはコーンビーム再構成法により、略円柱形のボリュームデータを再構成する。第1再構成部17は、例えば、ファンビーム再構成法(ファンビーム・コンボリューション・バックプロジェクション法ともいう)、フィルタ補正逆投影法(FBP:Filtered Back Projection)または逐次近似再構成法等により、上記投影データセットから2次元CT画像(断層画像、以降、単にCT画像と記載)を再構成する。フェルドカンプ法は、コーンビームのように再構成面に対して投影レイが交差する場合の再構成法であり、コーン角が小さいことを前提として畳み込みの際にはファン投影ビームとみなして処理し、逆投影はスキャンの際のレイに沿って処理する近似的画像再構成法である。コーンビーム再構成法は、フェルドカンプ法よりもコーン角のエラーが抑えられる方法として、再構成面に対するレイの角度に応じて投影データを補正する再構成法である。第1再構成部17は、再構成されたボリュームデータおよびCT画像を記憶部48へ伝送する。
第1走査制御部18は、所定のスキャンシーケンスに従って撮像を行うように、スリップリング10から高電圧発生部11への電力供給を制御する。
ガンマ線収集部20は、ガンマ線検出機構である検出器リング(図示せず)を有する。典型的には、ガントリ30内は、Z軸に沿って複数の検出器リングが配列される。検出器リングは、Z軸回りに円周状に配列された複数のガンマ線検出器を有する。
複数のガンマ線検出器は、被検体P内部に注入された放射線源から放出されるガンマ線を検出し、当該ガンマ線のエネルギーに応じた検出信号を発生する。複数のガンマ線検出器は、被検体Pの体軸回りに円周状に配列されているため、複数の方向(立体角)において、ガンマ線を検出することが可能である。具体的には、ガンマ線検出器は、複数のシンチレータと、複数の光電変換素子とを有している。シンチレータは、ガンマ線が入射されると蛍光を発生する。蛍光は、ライトガイド(図示せず)を介して光電変換素子に導かれる。光電変換素子は、ライドガイドを介してシンチレータから蛍光を受波し、受波された蛍光の光量を増幅し、光量に応じた検出信号を発生する。光電変換素子は、発生した検出信号を第2前処理部21およびエネルギー弁別部22へ出力する。
ここで、PETでは、被検体に投与された1つの放射線源から放出される陽電子と電子とが対消滅すると同時に180°反対方向にそれぞれ放出される、一対の消滅放射線を複数のガンマ線検出器で検出する。なお、一対の消滅放射線の入射位置同士を結ぶ線は、LOR(Line of Response)と呼ばれている。PETは、この一対の消滅放射線を弁別して、放射線源の空間分布を発生する。
第2前処理部21は、ガンマ線検出器から出力された検出信号に基づいて、ガンマ線検出器に入射されたガンマ線のエネルギー値を算出する。また、第2前処理部21は、ガンマ線検出器から出力された検出信号に基づいて、ガンマ線検出器に入射されたガンマ線の検出時刻を計測する。第2前処理部21は、ガンマ線検出器から出力された一対の検出信号に基づいて、光電変換素子にて受波された蛍光の光量の比により、蛍光を発生したシンチレータの位置情報、すなわち当該一対のガンマ線の入射位置を算出する。第2前処理部21は、上記ガンマ線のエネルギー値情報、検出時刻情報および入射位置情報をエネルギー弁別部22へ出力する。
エネルギー弁別部22は、第2前処理部21から出力されたエネルギー値情報に基づいて、ガンマ線検出器から出力された検出信号を弁別する。具体的には、エネルギー弁別部22は、ガンマ線のエネルギーピーク511keVを中心とした、±20パーセント程度のエネルギーウィンドウ幅以内のエネルギー値を有する検出信号を弁別する。なお、エネルギーウィンドウ下限値(下限閾値、300〜400keV程度)よりもエネルギー値が低い場合、ガンマ線の散乱線成分とみなされる。また、エネルギーウィンドウ上限値(上限閾値、600〜850keV程度)よりもエネルギー値が高い場合、パイルアップとみなされる。パイルアップとは、同時あるいは非常に短い時間間隔で入力された信号がお互いに重なり合うことである。
同時計数回路23は、第2前処理部21から出力された検出時刻情報に基づいて、エネルギー弁別部22により弁別された一対の検出信号を、同時性により、計数する。具体的には、エネルギー弁別部22は、ガンマ線検出器に入射されたガンマ線から、その検出時刻差が2nsec〜5nsecのタイムウィンドウ幅以内となる、一対の検出信号を上記LORごとに計数する。実施形態では、弁別された一対の検出信号を上記LORごとに計数した値を、同時計数情報と定義する。同時計数情報には、シンチレータにガンマ線が入射する事象を表すイベントごとに発生した、一対のガンマ線各々の入射位置および入射時間を関連付けたデータセット(イベントデータ)が含まれる。ここで、同時計数回路23は、複数の医用画像各々の同時計数のカウント数を求める。すなわち、同時計数回路23は、上記イベントごとに発生したイベントデータのカウント数を求める。本実施形態では、イベントごとに発生したイベントデータのカウント数をイベント数と記載する。同時計数回路23は、上記弁別された一対の検出信号の計数処理を繰り返し実行することで、複数の方向(立体角)における同時計数情報およびイベント数情報を取得する。同時計数回路23は、当該複数の方向における同時計数情報を第2再構成部24および記憶部48へ出力する。同時計数情報は、第2再構成部24により再構成されたPET画像に関連付けられて、記憶部48に記憶される。また、同時計数回路23は、当該イベント数情報を記憶部48へ出力する。イベント数情報は、第2再構成部24により再構成されたPET画像に関連付けられて、記憶部48に記憶される。
第2再構成部24は、同時計数回路23から出力された複数の方向における同時計数情報に含まれるイベントデータを用いて、複数のPET画像を再構成する。PET画像とは、放射性同位体(ポジトロン核種)で標識した薬剤を放射線源として得られる上記データから、放射線源の空間的な集積分布を再構成したものである。具体的には、第2再構成部24は、フィルタ補正逆投影法(FBP:Filtered Back Projection)または逐次近似再構成法等を適用して演算処理を実行し、上記同時計数情報からPET画像を再構成する。再構成された複数のPET画像のデータは、当該複数の方向における同時計数情報と関連付けられて、記憶部48に記憶される。
第2走査制御部25は、所定のスキャンシーケンスに従ってガンマ線収集を行うように、ガンマ線収集部20を制御する。スキャンシーケンスは、ガンマ線の収集タイミング等を規定している。
医用画像処理装置200は、領域抽出部40と、画像発生部41と、インターフェイス(I/F)45と、入力部46と、表示部47と、記憶部48と、システム制御部49とを有する。
領域抽出部40は、上記PET画像から、放射線源の集積度が所定の基準値を超える高集積領域を抽出する。領域抽出部40は、当該高集積領域として、例えば、被検体Pにおける生理的要因により放射線源の集積度が高い生理的高集積領域を当該PET画像から抽出する。また、領域抽出部40は、被検体Pにおける病変部位または病変候補部位の存在により放射線源の集積度が高い病変候補領域を当該PET画像から抽出する。領域抽出部40は、抽出した生理的高集積領域および病変候補領域のデータを画像発生部41へ伝送する。
ここで、上記第1再構成部17または第2再構成部24における再構成処理、または記憶部48におけるCT画像またはPET画像の記憶処理において、CT画像における位置座標系と、PET画像における位置座標系とが関連付けられている。このため、領域抽出部40は、上記CT画像から得られる生理的高集積領域に対応する領域の輪郭データを基に、生理的高集積領域をPET画像から抽出してもよい。なお、生理的高集積領域とは、例えば、脳、心臓、膀胱、および腎臓等のことである。
画像発生部41は、切り抜き画像発生部42と、切り出し画像発生部43と、フュージョン画像発生部44とを有する。
切り抜き画像発生部42は、領域抽出部40から伝送された生理的高集積領域および病変候補領域のデータに基づいて、上記高集積領域をPET画像から切り抜いた切り抜き画像を発生する。切り抜き画像発生部42は、発生した切り抜き画像をフュージョン画像発生部44および表示部47へ伝送する。
切り出し画像発生部43は、領域抽出部40から伝送された生理的高集積領域および病変候補領域のデータに基づいて、上記生理的高集積領域および病変候補領域をPET画像から切り出した切り出し画像を発生する。切り出し画像発生部43は、発生した切り出し画像をフュージョン画像発生部44および表示部47へ伝送する。なお、切り抜き画像発生部42は、上記生理的高集積領域のみ、または病変候補領域のみをPET画像から切り出した切り出し画像を発生してもよい。
フュージョン画像発生部44は、上記CT画像と、上記PET画像とを重畳処理した第1フュージョン画像を発生する。また、フュージョン画像発生部44は、当該CT画像と、切り出し画像発生部43により発生された切り出し画像とを重畳処理した第2フュージョン画像を発生する。また、フュージョン画像発生部44は、当該CT画像と、切り抜き画像発生部42により発生された切り抜き画像とを重畳処理した第3フュージョン画像を発生する。フュージョン画像発生部44は、第1フュージョン画像と、第2フュージョン画像と、第3フュージョン画像とを表示部47へ伝送する。
なお、画像発生部41における画像生成においては、ウィンドウ変換の際、例えば、上記切り出し画像における複数の高集積領域の少なくともいずれか1つに合わせて、ウィンドウ幅と、ウィンドウレベルとを調整してもよい。これにより、上記切り出し画像を表示する際に、当該複数の高集積領域各々に合わせて個々に最適なウィンドウを設定することが可能になる。すなわち、PET画像における全ての領域をウィンドウ変換することなく、病変部位または病変候補部位を最適なウィンドウで観察することが可能になる。
また、画像発生部41は、上記ボリュームデータを最大値投影法で投影処理することで得られるMIP(Maximum Intensity Projection)画像を発生してもよい。また、画像発生部41は、上記ボリュームデータを最小値投影法で投影処理することで得られるMinIP(Minimum Intensity Projection)画像を発生してもよい。また、画像発生部41は、上記ボリュームデータを総和値投影法で投影処理することで得られるレイサム(Ray Summation)画像を発生してもよい。これにより、画像の雑音成分の受けにくく、高いコントラストの画像を得られる。
インターフェイス45は、有線あるいは無線にて外部装置と通信する。外部装置は、例えば、上記PET−CT装置以外のモダリティ、放射線部門情報管理システム(RIS:Radiological Information System)、病院情報システム(HIS:Hospital Information System)およびPACS(Picture Archiving and Communication System)等のシステムに含まれるサーバ、あるいは他のワークステーション等である。
入力部46は、ユーザの操作に応じたコマンド等を入力するインターフェイスである。入力部46は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、トラックボールおよび各種ボタン等を含む。
表示部47は、上記CT画像、PET画像、切り抜き画像、切り出し画像、第1フュージョン画像、第2フュージョン画像、第3フュージョン画像、MIP画像、MinIP画像およびレイサム画像等を表示デバイスに表示する。表示部47は、例えば、切り抜き画像に合わせて、ウィンドウ幅と、ウィンドウレベルと、オパシティと、表示色とを調整して、当該切り抜き画像を表示する。すなわち、PET画像における画素値の高い部分を除いてからウィンドウ幅と、ウィンドウレベルと、オパシティと、表示色とが調整される。これにより、PET画像における上記高集積領域よりも輝度の小さい領域の視認性が向上する。表示デバイスとしては、CRTディスプレイ(Cathode Ray Tube Display)、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro Luminescence Display)あるいはプラズマディスプレイ等が適宜利用可能である。
なお、表示部47は、画像の表示領域ごとに、ウィンドウ幅と、ウィンドウレベルと、オパシティと、表示色とを調整してもよい。
記憶部48は、比較的大容量のデータを記憶可能なHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等である。記憶部48は、第2再構成部24で再構成された複数のPET画像のデータを記憶する。また、記憶部48は、同時計数回路23から出力された複数の方向における同時計数情報と、当該イベント数情報とをそれぞれ関連付けて記憶する。また、記憶部48は、第1再構成部17から伝送されるCT画像における位置座標系と、第2再構成部24から伝送されるPET画像における位置座標系とを関連付けて、当該CT画像のデータを記憶する。なお、記憶部48は、第1再構成部17から伝送されるCT画像における位置座標系と、第2再構成部24から伝送されるPET画像における位置座標系とを関連付けて、当該PET画像のデータを記憶してもよい。記憶部48は、第1前処理部16から伝送された投影データおよび第1再構成部17で再構成されたボリュームデータを記憶する。
記憶部48は、領域抽出部40で抽出された高集積領域(生理的高集積領域および病変候補領域)に関連付けられる領域情報を付帯情報として付帯させて、当該高集積領域のデータを各々登録する。例えば、記憶部48は、PET画像における高集積領域の位置座標と、当該高集積領域における最大画素値と、当該高集積領域の最大径と、当該領高集積域の種類とを付帯情報として付帯させて、領域抽出部40で抽出された高集積領域のデータを各々登録する。すなわち、記憶部48内には、当該生理的高集積領域および病変候補領域に関する領域データベースが構築される。これにより、例えば、フォローアップ検査において、上記領域データベースを検索して、治療開始前および治療後の経過観察で得られた高集積領域のデータを参照することが可能になる。
なお、記憶部48は、HDD等の磁気ディスク以外にも、光磁気ディスクやCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスク(Blu-ray(登録商標) Disc)等の光ディスクを利用してもよい。また、記憶部48の保存領域は、医用画像処理装置200内にあってもよいし、上記ネットワークで接続された外部記憶装置内にあってもよい。
システム制御部49は、医用画像撮像装置100と、領域抽出部40と、画像発生部41と、インターフェイス45と、入力部46と、表示部47と、記憶部48との動作を制御する。
ここで、実施形態に係る医用画像処理装置200による処理の流れについて、具体例を挙げて説明する。
図2は、実施形態に係る医用画像処理装置200における処理の流れを示すフローチャートである。図3は、図1に示す第2再構成部24にて再構成されたPET画像と、切り出し画像発生部43にて発生された切り出し画像と、切り抜き画像発生部42にて発生された切り抜き画像との一例を示す図である。図4は、図1に示す記憶部48に記憶される領域データベースを示す図である。
図2に示すように、領域抽出部40にて、図3(a)に示すPET画像から生理的高集積領域(例えば、脳、心臓、膀胱、腎臓等)と病変候補領域とが抽出される(ステップST1)。上記生理的高集積領域および病変候補領域の抽出方法として、次の方法が挙げられる。
第1の抽出方法として、フィルタ処理(雑音の除去・低減、集積値の変動範囲の調整等)が実行される。フィルタ処理後、PET画像上に、ユーザによる任意点が設定される(ポインティング)。任意点の設定後、当該任意点を基準としたROI(Region Of Interest)が設定される。さらに、セグメンテーション(特徴抽出およびエッジ抽出等)が実行される。セグメンテーション後、抽出した領域が編集(拡大・縮小・分割・統合・削除等)される。
また、第2の抽出方法として、フィルタ処理(雑音の除去・低減、集積値の変動範囲の調整等)が実行される。フィルタ処理後、PET画像における各高集積領域の最大画素値を検出した位置を示す極大点が抽出される。極大点の抽出後、当該極大点を基準としたROIが設定される。さらに、セグメンテーション(特徴抽出およびエッジ抽出等)が実行される。セグメンテーション後、抽出した領域が編集(拡大・縮小・分割・統合・削除等)される。
上記抽出方法により、領域抽出部40は、PET画像における生理的高集積領域および病変候補領域を抽出する。
PET画像から生理的高集積領域と病変候補領域とを抽出後、切り出し画像発生部43にて、PET画像から生理的高集積領域と病変候補領域とを切り出した切り出し画像が発生される(ステップST2)。切り出し画像は、図3(b)に示されている。PET画像から切り出された生理的高集積領域および病変候補領域各々には、例えば、図4に示す領域番号、PET画像における高集積領域の位置座標、当該高集積領域の最大画素値、当該高集積領域の最大径、当該高集積領域の種類、および部位の名称(例えば、脳皮質、心臓、肝臓、膀胱、腎臓等)等が付帯情報として付帯されている。
ここで、上記再構成処理または記憶処理において、CT画像における位置座標系と、PET画像における位置座標系とが関連付けられている。これにより、PET画像上で、生理的高集積領域と、病変候補領域とを区別することが可能となっている。このため、生理的高集積領域には、上記部位の名称が付帯情報として付帯されている。
また、切り抜き画像発生部42にて、PET画像から生理的高集積領域と病変候補領域とを切り抜いた切り抜き画像が発生される(ステップST3)。切り抜き画像は、図3(c)に示されている。なお、上記生理的高集積領域と病変候補領域とを切り抜いた部分の画素には、特定の値(例えば、0)を設定してもよい。
図5は、図1に示すフュージョン画像発生部44にて発生された、上記第1、第2および第3フュージョン画像を示す図である。
フュージョン画像発生部44にて、上記CT画像と、上記PET画像とを重畳処理した第1フュージョン画像が発生される。第1フュージョン画像は、図5(a)に示されている。また、フュージョン画像発生部44にて、当該CT画像と、切り出し画像発生部43により発生された切り出し画像とを重畳処理した第2フュージョン画像が発生される。第2フュージョン画像は、図5(b)に示されている。また、フュージョン画像発生部44にて、当該CT画像と、切り抜き画像発生部42により発生された切り抜き画像とを重畳処理した第3フュージョン画像が発生される。第3フュージョン画像は、図5(c)に示されている(ステップST4)。
上記処理により、切り抜き画像、切り出し画像、第1フュージョン画像、第2フュージョン画像、および第3フュージョン画像が得られる。
なお、ステップST4でのフュージョン画像生成においては、例えば、第2フュージョン画像における複数の高集積領域の少なくともいずれか1つに合わせて、ウィンドウ幅と、ウィンドウレベルとを調整してもよい。これにより、上記第2フュージョンを表示する際に、当該複数の高集積領域各々に合わせて個々に最適なウィンドウを設定することが可能になる。すなわち、第2フュージョン画像における全ての領域をウィンドウ変換することなく、病変部位または病変候補部位を最適なウィンドウで観察することが可能になる。
図6は、上記第1、第2、および第3フュージョン画像の表示形態の一例を示す図である。図7は、上記CT画像、PET画像、第3フュージョン画像、およびMIP画像の表示形態の一例を示す図である。
図6において、表示部47の表示領域が9つに分割されている。表示部47には、一行目に、アキシャル断面、コロナル断面、およびサジタル断面各々の第1フュージョン画像が表示されている。また、表示部47には、二行目に、アキシャル断面、コロナル断面、およびサジタル断面各々の第2フュージョン画像が表示されている。また、表示部47には、三行目に、アキシャル断面、コロナル断面、およびサジタル断面各々の第3フュージョン画像が表示されている。
図7において、表示部47の表示領域が4つに分割されている。表示部47には、CT画像、PET画像、第3フュージョン画像、およびMIP画像が表示されている。表示部47は、画像ごとに、ウィンドウ幅と、ウィンドウレベルと、オパシティと、表示色とを調整して表示してもよい。表示部47は、例えば、切り出し画像および第2フュージョン画像における複数の高集積領域の少なくともいずれか1つに合わせて、ウィンドウ幅と、ウィンドウレベルと、オパシティと、表示色とを調整して表示をしてもよい。これにより、表示部47は、上記切り出し画像および第2フュージョン画像を表示する際に、切り出し画像および第2フュージョン画像における複数の高集積領域各々に合わせて個々に最適なウィンドウを設定することが可能になる。すなわち、表示部47は、PET画像および第2フュージョン画像における全ての領域をウィンドウ変換することなく、病変部位または病変候補部位を最適なウィンドウで表示することが可能になる。
なお、図6および図7に示す表示は一例であり、これに限定されない。表示部47は、上記CT画像、PET画像、切り抜き画像、切り出し画像、第1フュージョン画像、第2フュージョン画像、第3フュージョン画像、MIP画像、MinIP画像およびレイサム画像等をユーザの指示に応じて適宜表示してもよい。また、表示部47は、上記CT画像、PET画像、切り抜き画像、切り出し画像、第1フュージョン画像、第2フュージョン画像、第3フュージョン画像、MIP画像、MinIP画像およびレイサム画像等を、2次元および3次元の少なくともいずれか1つで表示してもよい。また、表示部47は、画像ごとのウィンドウサイズを変更して表示してもよい。また、表示部47は、上記CT画像、PET画像、切り抜き画像、切り出し画像、第1フュージョン画像、第2フュージョン画像、第3フュージョン画像、MIP画像、MinIP画像およびレイサム画像等の領域の一部を編集した画像を表示してもよい。表示部47は、例えば、切り出し画像における高集積領域の少なくともいずれか1つを拡大して表示してもよい。
上記構成によれば、本実施形態に係る医用画像処理装置200では、領域抽出部40は、被検体Pに投与された放射線源の空間的な集積分布を示すPET画像から、放射線源の集積度が所定の基準値を超える高集積領域(例えば、生理的高集積領域および病変候補領域)を抽出する。切り抜き画像発生部43は、領域抽出部40で抽出された高集積領域をPET画像から切り抜いた切り抜き画像を発生する。これにより、画面の輝度に影響されず、高集積領域の視認性を向上させることが可能になる。
したがって、医用画像処理装置200は、病変部位または病変候補部位の検査漏れが生じる可能性を低減することができる。
また、医用画像処理装置200は、画面の輝度を切り抜き画像に合わせて調整することで、生理的高集積領域および病変候補領域より輝度の小さい領域の視認性を向上させることが可能になる。
また、医用画像処理装置200は、フュージョン画像においても、CT画像と、PET画像から生理的高集積領域および病変候補領域を切り抜いた切り抜き画像とを重畳処理しているため、生理的高集積領域および病変候補領域の輝度を考慮せず画面の輝度を調整することが可能になる。すなわち、医用画像処理装置200は、フュージョン画像を表示させる場合に、生理的高集積領域および病変候補領域より輝度の小さい領域の視認性を向上させることが可能になる。
また、画像発生部41における画像生成においては、ウィンドウ変換の際、例えば、上記切り出し画像における複数の高集積領域の少なくともいずれか1つに合わせて、ウィンドウ幅と、ウィンドウレベルとを調整してもよい。これにより、上記切り出し画像を表示する際に、当該複数の高集積領域各々に合わせて個々に最適なウィンドウを設定することが可能になる。すなわち、PET画像における全ての領域をウィンドウ変換することなく、病変部位または病変候補部位を最適なウィンドウで観察することが可能になる。
また、医用画像処理装置200は、記憶部48に、PET画像における高集積領域の位置座標と、当該高集積領域における最大画素値と、当該高集積領域の最大径と、当該領高集積域の種類とを付帯情報として付帯させて、領域抽出部40で抽出された高集積領域のデータを各々登録している。すなわち、記憶部48内には、当該生理的高集積領域および病変候補領域に関する領域データベースが構築される。これにより、例えば、フォローアップ検査において、上記領域データベースを検索して、治療開始前および治療後の経過観察で得られた高集積領域のデータを参照することが可能になる。
なお、上記実施形態では、医用画像診断装置の一例として、PET/CT装置を示しているが、これに限定されない。実施形態に係る医用画像処理装置200は、上記X線CT装置と上記核医学診断装置の1つであるSPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置とを組み合わせたSPECT/CT装置にも適用可能である。また、実施形態に係る医用画像処理装置200は、上記医用画像撮像装置の1つである磁気共鳴イメージング診断装置(MRI:Magnetic Resonance Imaging)と上記PET装置とを組み合わせたPET/MRI装置にも適用可能である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。