JP6558060B2 - 厚鋼板の冷却制御方法、冷却制御装置、製造方法、および、製造装置 - Google Patents
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また、特許文献2や特許文献3には、厚鋼板の長手方向の温度むらを抑制するため、厚鋼板の搬送速度を制御する方法や、冷却装置の水冷条件を最適化する方法が提案されている。
また、特許文献4には、厚鋼板の平坦度を確保するため、厚鋼板の上下面温度差を検出し、検出した上下面温度差に基づいて上下注水量比を修正制御する方法が提案されている。
とする。
1)厚鋼板の長手方向の温度むら、厚鋼板の幅方向の温度むら、および、冷却後の厚鋼板の平坦度には相関があり、単純にそれぞれを調整しただけでは、適切な冷却制御を行うことは困難である。
2)厚鋼板の冷却時に、上下水量比(定義は後述)を変えることにより、冷却後の厚鋼板の平坦度が変化する。冷却後の厚鋼板の平坦度を高めるためには、上下水量比を調整することが有効である。また、前後段冷却比(定義は後述)を変えることでも、冷却後の厚鋼板の平坦度が変化する。冷却後の厚鋼板の平坦度を高めるためには、前後段冷却比の影響も加味して上下水量比を調整することが、さらに効果的である。
3)冷却実験および数値実験(シミュレーション)により、冷却装置の設定因子が厚鋼板の幅方向の温度むらに与える影響の度合いをモデル化することにより、厚鋼板の幅方向の温度むらを予測することができる。このとき、冷却後の厚鋼板の平坦度を確保するために、決定した上下水量比を冷却装置の設定因子の一つとして利用することにより、冷却後の厚鋼板の平坦度を確保しつつ、厚鋼板の幅方向の温度むらが所定値以下となるように、予測結果を用いて厚鋼板の板幅方向の流量分布パターン(以下において、「流量クラウン量」ということがある。)を決定することが可能になる。
4)さらに、上下水量比および流量クラウン量を基に、厚鋼板を冷却する冷却装置の各冷却ゾーンにおける水量密度を、厚鋼板の冷却中に冷却水の水量を変動させるように制御(以下において、「ダイナミック制御」ということがある。)することにより、厚鋼板の板幅中央部における長手方向の温度むらを高精度に制御することが可能になる。
ができる。
態は本発明の例示であり、本発明は以下に示す形態に限定されない。
度計算部16における計算方法と同様である。
図2に示したように、本発明の厚鋼板の冷却制御方法は、冷却装置の上下水量比を決定する工程S11と、厚鋼板の幅方向における冷却後の温度分布を予測する工程S12と、当該工程S12で予測した冷却後の温度分布の幅が一定値以下になる厚鋼板の幅方向における冷却水の流量分布を決定する工程S13と、工程S11で決定された上下水量比、および、工程S13で決定された冷却水の流量分布となるように、冷却装置へと供給される冷却水の水量を、厚鋼板の冷却中に変動させるように制御する工程S14と、を有している。工程S11は上下水量比決定部12で行われ、工程S12は温度分布予測部17で行われ、工程S13は流量分布決定部18で行われ、工程S14は制御部19で行われる。
仕上圧延された厚鋼板1は、冷却装置20において水冷され、所望の水冷停止温度まで冷却される。この際、冷却装置20の入側に設置されている温度計2によって、厚鋼板1の上表面温度が測定される。図1に示した形態では、仮想的な制御点(P1〜Pn)を厚鋼板1の先端から一定の距離間隔で当該の厚鋼板1上に設けており、仮想的な制御点の初期温度は、温度計2で測定した温度とする。なお、図1では、P1が厚鋼板の最先端より内側にある形態となっているが、P1を厚鋼板の最先端にとっても良い。
上記のダイナミック制御により、厚鋼板1の長手方向の温度むらを抑制することが可能になるが、温度むらには幅方向の温度むらも存在する。そのため、厚鋼板1の全長および全幅に亘る温度の均一性を確保するには、厚鋼板1の幅方向の温度むらも抑制する必要がある。そこで、冷却装置20は、図5にも示したように、幅方向の冷却水の流量分布を調整可能なように構成された上面ヘッダー群21が備えられる形態としている。このような形態とすることにより、冷却装置20から厚鋼板1へ向けて供給された冷却水の、厚鋼板1の幅方向における流量分布(流量クラウン量)を適切に設定することが可能になり、これによって、幅方向の温度むらが所定値以下となるように制御することが可能になる。
温度を計算することができる。
続いて、セルごとに核沸騰と膜沸騰との割合を求める。沸騰熱伝達現象は、膜沸騰の状態では熱伝達率が小さく、核沸騰の状態では熱伝達率が大きい。厚鋼板の温度が高いときは膜沸騰が主体であるが、低温になると核沸騰に遷移し、熱伝達率が急増する傾向がある。よって、この割合によって、熱伝達率が大きく異なる。極大熱流束点(核沸騰が起こる最高温度)と、極小熱流束点(膜沸騰が起こる最低温度)との関係は実験的に求めることができることが知られている。当該最高温度と当該最低温度との間の温度域は、核沸騰と膜沸騰とが同時に起こる遷移沸騰域と呼ばれる。厚鋼板の表面温度が、核沸騰が起こる最高温度以下であれば、核沸騰の割合が100%、膜沸騰が起こる最低温度以上であれば膜沸騰の割合が100%である。従って、厚鋼板の表面温度が遷移沸騰域にあれば、その割合に応じて核沸騰割合(膜沸騰割合)を決める。例えば、水温40℃の時の当該最高温度が350℃、当該最低温度が600℃であり、且つ、厚鋼板の表面温度が500℃の場合、核沸騰割合は60%(膜沸騰割合は40%)である。この割合は計算により算出しても良いが、予めテーブルを作成し、そのテーブルを参照して割合を決定しても良い。
達率Hn、および、膜沸騰の場合の熱伝達率Hfをそれぞれ計算し、その割合から各セルの熱伝達率Hを算出する。より具体的には、核沸騰、膜沸騰それぞれの場合の熱伝達率は下記式(8)、(9)で計算されるので、これらに沸騰状態の割合を加味し、式(10)により熱伝達率Hを算出する。
図7(b)は、流量クラウン量の調整形態を説明する図である。図7(b)の縦軸は流量クラウン量を調整した時の水量密度[L/m2・s]であり、横軸は板幅中央からの距離[m]である。
図7(c)は、各冷却ゾーン(A、B、C、D)および冷却装置の出側における厚鋼板端部の温度低下量[℃]を棒グラフで表した図である。
厚鋼板の製造では平坦度制御が重要になる。一定以上の平坦度を確保できない場合には厚鋼板製造後に矯正作業が必要となり、工数および製造コストが増加する。
きた厚鋼板の枚数の割合を縦軸に示している。横軸は上下水量比RTBである。図8より、上下水量比RTBは0.72近辺が望ましいことが分かる。
図9Bに、厚鋼板の冷却に際して、前段冷却ゾーンの水量を少なくするとともに後段冷却ゾーンの水量を多くすることにより、前後段冷却比RFBを変更した場合の特定の厚鋼板についての、上下水量比RTBと平坦度合格率との関係を示す。図9Aおよび図9Bの縦軸は平坦度合格率であり、図9Aおよび図9Bの横軸は上下水量比である。図9Bより、上下水量比RTBは0.95近辺が望ましいことが分かる。図9Aおよび図9Bより、特定の厚鋼板でも前後段冷却比を変えると、冷却後平坦度が良好となる望ましい上下水量比は大きく変化することが分かる。
また、図9Cに、前後段冷却比を変えた2つの冷却パターン(パターン1の前後段冷却比RFB1<パターン2の前後段冷却比RFB2)において、冷却後平坦度が良好であった上下水量比の実績データを示す。パターン2では、適正な上下水量比がパターン1よりも高いことが、図9Cに示されている。図9Cに示したように、前後段冷却比RFBが変わると、冷却後平坦度を良好にするための上下水量比が大きく変わる。そのため、前後段冷却比RFBを変える場合には、製造実績に関する情報として、前後段冷却比を抽出し、上下水量比を決定することが好ましいことが分かる。
以上、長手方向温度むら、幅方向温度むら、および、平坦度についてそれぞれ述べたが、お互い相関関係があり、それぞれ独立して実施した場合には適切な冷却制御が行えない。このため、以下のように水冷制御を行う必要がある。
過去の製造実績データを用いて上下水量比を求める際には、記憶部11から、当該冷却対象材の操業条件に近い過去実績データを抽出し、その抽出された過去実績データの上下水量比と平坦度合格率との関係を求め、この関係から上下水量比を決定(算出)する。
なお、冷却後の厚鋼板は平坦度を測定し、製造条件等と平坦度とを紐付けしてデータベースに保存する。データを蓄積することにより、次以降の厚鋼板の製造時に、より最適な上下水量比を算出できるようになる。
図12に示したように、本発明の厚鋼板の製造装置100は、厚鋼板を仕上圧延する圧延機30と、圧延機30で圧延された厚鋼板の温度を測定する温度計2と、圧延機30で圧延された厚鋼板を冷却する冷却装置20と、該冷却装置20の動作を制御する冷却制御装置10と、冷却装置20で冷却された厚鋼板の温度を測定する温度計3と、を備えている。厚鋼板の製造装置100は、本発明の厚鋼板の冷却制御装置10によって動作を制御される冷却装置20を用いて厚鋼板を冷却するので、平坦度が良好であり、温度むらが低減され、均一な品質を有する厚鋼板を製造することができる。
2、3…温度計
10…厚鋼板の冷却制御装置
11…記憶部(記憶手段)
12…上下水量比決定部
13…トラッキング部
14…厚鋼板移動速度予測部
15…冷却ゾーン通過所要時間計算部
16…現在温度計算部
17…温度分布予測部
18…流量分布決定部
19…制御部
20…冷却装置
21…上面ヘッダー群
21a…上面ヘッダー
21b…ノズル
21c…仕切り板
21d…枝給水管
21e…バルブ
22…下面ヘッダー群
22a…下面ヘッダー
30…圧延機
100…厚鋼板の製造装置
Claims (8)
- 冷却装置の水冷ゾーンを通過させる厚鋼板の冷却を制御する方法であって、
過去の製造実績から、冷却される前記厚鋼板の平坦度合格率が所定値以上になる前記冷却装置の上下水量比を決定する工程と、
決定された前記上下水量比、および、これ以外の製造条件から、前記厚鋼板の幅方向における冷却後の温度分布を予測する工程と、
予測した前記冷却後の温度分布の幅が一定値以下になる、前記厚鋼板の幅方向における冷却水の流量分布を決定する工程と、
決定された前記上下水量比、および、決定された前記冷却水の流量分布となるように、前記冷却装置へと供給される冷却水の水量を、前記厚鋼板の冷却中に変動させるように制御する工程と、
を有する、厚鋼板の冷却制御方法。 - 前記過去の製造実績に関する情報が保存されている記憶手段から、冷却される前記厚鋼板の操業条件に近い製造実績に関する情報を抽出し、抽出した製造実績に関する情報と平坦度合格率との関係を求め、求めた前記関係から前記上下水量比を決定する、請求項1に記載の厚鋼板の冷却制御方法。
- 冷却される前記厚鋼板の操業条件に近い製造実績に関する前記情報として、前後段冷却比を抽出した上で、該前後段冷却比を含む、冷却される前記厚鋼板の操業条件に近い製造実績に関する前記情報と、平坦度合格率との関係を求め、求めた関係から前記上下水量比を決定する、請求項2に記載の厚鋼板の冷却制御方法。
- 厚鋼板を仕上圧延する工程と、
前記仕上圧延する工程の後に前記厚鋼板を冷却する工程と、を有し、
前記冷却する工程で、請求項1〜3のいずれか1項に記載の厚鋼板の冷却制御方法が適用されることを特徴とする、厚鋼板の製造方法。 - 仕上圧延された厚鋼板を冷却する冷却装置へと供給される冷却水量を制御する冷却制御装置であって、
過去の製造実績に関する情報を保存する記憶部と、
前記記憶部に保存されている過去の製造実績から、冷却される前記厚鋼板の平坦度合格率が所定値以上になる前記冷却装置の上下水量比を決定する上下水量比決定部と、
決定した前記上下水量比、および、これ以外の製造条件から、前記厚鋼板の幅方向における冷却後の予測温度の分布を求める温度分布予測部と、
前記温度分布予測部で求めた前記冷却後の予測温度の分布幅が一定値以下になる、前記厚鋼板の幅方向における冷却水の流量分布を決定する流量分布決定部と、
前記上下水量比決定部で決定された前記上下水量比、および、前記流量分布決定部で決定された前記冷却水の流量分布となるように、前記冷却装置へと供給される冷却水の水量を、前記厚鋼板の冷却中に変動させるように制御する制御部と、
を有する、厚鋼板の冷却制御装置。 - 前記記憶部から抽出した、冷却される前記厚鋼板の操業条件に近い製造実績に関する情報と、平坦度合格率との関係を求め、求めた前記関係を用いて、前記上下水量比決定部で前記上下水量比が決定される、請求項5に記載の厚鋼板の冷却制御装置。
- 冷却される前記厚鋼板の操業条件に近い製造実績に関する前記情報として、前後段冷却比を抽出した上で、該前後段冷却比を含む、冷却される前記厚鋼板の操業条件に近い製造実績に関する前記情報と、平坦度合格率との関係を求め、求めた関係を用いて、前記上下水量比決定部で前記上下水量比が決定される、請求項5又は6に記載の厚鋼板の冷却制御装置。
- 厚鋼板を仕上圧延する圧延機と、該圧延機で圧延された厚鋼板を冷却する冷却装置と、該冷却装置の動作を制御する冷却制御装置と、を備え、
前記冷却制御装置が、請求項5〜7のいずれか1項に記載の厚鋼板の冷却制御装置である、厚鋼板の製造装置。
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