JP6558060B2 - 厚鋼板の冷却制御方法、冷却制御装置、製造方法、および、製造装置 - Google Patents

厚鋼板の冷却制御方法、冷却制御装置、製造方法、および、製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、熱間圧延された厚鋼板の冷却形態を制御する冷却制御方法およびこれを用いる厚鋼板の製造方法、並びに、熱間圧延された厚鋼板の冷却形態を制御する冷却制御装置およびこれを用いる厚鋼板の製造装置に関する。
熱間圧延された厚鋼板を加速冷却し、焼入れ効果などを得るようにした厚鋼板の製造ラインが、広く厚鋼板の製造に使用されている。この熱間圧延された厚鋼板の冷却は、厚鋼板の材質造り込みの観点から非常に重要な工程であり、その特性を決定する要因としては、厚鋼板の冷却開始温度、厚鋼板の冷却速度、および、厚鋼板の冷却停止温度を挙げることができる。
上記の要因のうち、厚鋼板の冷却開始温度は仕上圧延工程の仕上温度で決まり、厚鋼板の冷却速度は所望の材質造り込みにおいて、製造する厚鋼板毎に概ね指示されている。したがって、実プロセスにおける冷却制御においては、厚鋼板の冷却停止温度が最も重要である。また、均一な特性を持った厚鋼板を製造するためには、厚鋼板の長手方向および幅方向における冷却停止温度の温度むらが極力小さいことが求められる。
従来から、例えば特許文献1等のように、冷却しつつ通板されている厚鋼板の温度を計測し、冷却停止温度が所望の温度になるように厚鋼板に噴射する冷却水量を変動させて、温度誤差を修正するようにした冷却制御方法が開示されている。
また、特許文献2や特許文献3には、厚鋼板の長手方向の温度むらを抑制するため、厚鋼板の搬送速度を制御する方法や、冷却装置の水冷条件を最適化する方法が提案されている。
また、特許文献4には、厚鋼板の平坦度を確保するため、厚鋼板の上下面温度差を検出し、検出した上下面温度差に基づいて上下注水量比を修正制御する方法が提案されている。
特公平7−41303号公報 特開2006−281300号公報 特開2004−244721号公報 特公平6−89411号公報
厚鋼板の特性を均一化するためには、冷却に際して厚鋼板の長手方向および幅方向の温度むらを抑制し、且つ、冷却後の厚鋼板の平坦度を高めることが必要になる。しかしながら、従来の技術では、厚鋼板の長手方向の温度むら、厚鋼板の幅方向の温度むら、および、冷却後の厚鋼板の平坦度の相関について検討していないため、厚鋼板の長手方向および幅方向の温度むらを抑制しつつ厚鋼板の平坦度を高める冷却制御を行うことは困難であった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、長手方向および幅方向の温度むらを抑制するとともに、冷却後の厚鋼板の平坦度を高めることが可能な、厚鋼板の冷却制御方法および冷却制御装置並びに厚鋼板の製造方法および製造装置を提供することを課題
とする。
発明者らは鋭意研究した結果、以下の知見を得て本発明を完成させた。
1)厚鋼板の長手方向の温度むら、厚鋼板の幅方向の温度むら、および、冷却後の厚鋼板の平坦度には相関があり、単純にそれぞれを調整しただけでは、適切な冷却制御を行うことは困難である。
2)厚鋼板の冷却時に、上下水量比(定義は後述)を変えることにより、冷却後の厚鋼板の平坦度が変化する。冷却後の厚鋼板の平坦度を高めるためには、上下水量比を調整することが有効である。また、前後段冷却比(定義は後述)を変えることでも、冷却後の厚鋼板の平坦度が変化する。冷却後の厚鋼板の平坦度を高めるためには、前後段冷却比の影響も加味して上下水量比を調整することが、さらに効果的である。
3)冷却実験および数値実験(シミュレーション)により、冷却装置の設定因子が厚鋼板の幅方向の温度むらに与える影響の度合いをモデル化することにより、厚鋼板の幅方向の温度むらを予測することができる。このとき、冷却後の厚鋼板の平坦度を確保するために、決定した上下水量比を冷却装置の設定因子の一つとして利用することにより、冷却後の厚鋼板の平坦度を確保しつつ、厚鋼板の幅方向の温度むらが所定値以下となるように、予測結果を用いて厚鋼板の板幅方向の流量分布パターン(以下において、「流量クラウン量」ということがある。)を決定することが可能になる。
4)さらに、上下水量比および流量クラウン量を基に、厚鋼板を冷却する冷却装置の各冷却ゾーンにおける水量密度を、厚鋼板の冷却中に冷却水の水量を変動させるように制御(以下において、「ダイナミック制御」ということがある。)することにより、厚鋼板の板幅中央部における長手方向の温度むらを高精度に制御することが可能になる。
以下、本発明について説明する。
本発明の第1の態様は、冷却装置の水冷ゾーンを通過させる厚鋼板の冷却を制御する方法であって、過去の製造実績から、冷却される厚鋼板の平坦度合格率が所定値以上になる冷却装置の上下水量比を決定する工程と、決定された上下水量比、および、これ以外の製造条件から、厚鋼板の幅方向における冷却後の温度分布を予測する工程と、予測した冷却後の温度分布の幅が一定値以下になる、厚鋼板の幅方向における冷却水の流量分布を決定する工程と、決定された上下水量比、および、決定された冷却水の流量分布となるように、冷却装置へと供給される冷却水の水量を、厚鋼板の冷却中に変動させるように制御する工程と、を有する、厚鋼板の冷却制御方法である。
ここに、「冷却装置の上下水量比」とは、冷却装置を用いて冷却される厚鋼板の上面側に配置されている冷却ヘッダーへと供給される冷却水量をα、当該厚鋼板の下面側に配置されている冷却ヘッダーへと供給される冷却水量をβとするとき、RTB=α/βで導かれるRTBをいう。また、「これ以外の製造条件」には、具体的には、冷却装置の入側における厚鋼板の表面温度の実績値、冷却装置の出側における厚鋼板の表面温度の実績値、厚鋼板の板厚、厚鋼板の板幅、厚鋼板の搬送速度、冷却装置の各冷却ゾーンにおける冷却水の温度、冷却装置の各冷却ゾーンにおける冷却水の水量密度、厚鋼板の幅方向における冷却水の流量分布、および、冷却装置の前後段冷却比からなる群より選択された一以上が含まれる。また、「冷却装置の前後段冷却比」とは、冷却装置の複数ある冷却ゾーンを、厚鋼板の搬送方向上流側の前段冷却ゾーンと、当該前段冷却ゾーンに隣接する厚鋼板の搬送方向下流側の後段冷却ゾーンとに分けたとき、前段冷却ゾーンに供給される冷却水の水量密度をγ、後段冷却ゾーンに供給される冷却水の水量密度をθとするとき、RFB=γ/θで導かれるRFBをいう。
また、上記本発明の第1の態様において、過去の製造実績に関する情報が保存されている記憶手段から、冷却される厚鋼板の操業条件に近い製造実績に関する情報を抽出し、抽出した製造実績に関する情報と平坦度合格率との関係を求め、求めた関係から上下水量比を決定しても良い。ここに、本発明の第1の態様、および、以下に示す本発明の他の態様において、保存されている過去の製造実績が、冷却される厚鋼板の操業条件に近いか否かは、過去の製造実績の操業条件を表す情報ベクトルと、冷却される厚鋼板の操業条件を表す情報ベクトルとの間の距離関数を定義して、当該距離の大きさに基づいて判断すること
ができる。
また、抽出した製造実績に関する情報と平坦度合格率との関係から上下水量比を決定する上記本発明の第1の態様において、冷却される厚鋼板の操業条件に近い製造実績に関する情報として前後段冷却比を抽出した上で、該前後段冷却比を含む、冷却される厚鋼板の操業条件に近い製造実績に関する情報と、平坦度合格率との関係を求め、求めた関係から上記上下水量比を決定しても良い。
本発明の第2の態様は、厚鋼板を仕上圧延する工程と、該仕上圧延する工程の後に厚鋼板を冷却する工程と、を有し、冷却する工程で、上記本発明の第1の態様にかかる厚鋼板の冷却制御方法が適用されることを特徴とする、厚鋼板の製造方法である。
本発明の第3の態様は、仕上圧延された厚鋼板を冷却する冷却装置へと供給される冷却水量を制御する冷却制御装置であって、過去の製造実績に関する情報を保存する記憶部と、該記憶部に保存されている過去の製造実績から、冷却される厚鋼板の平坦度合格率が所定値以上になる冷却装置の上下水量比を決定する上下水量比決定部と、決定した上下水量比、および、これ以外の製造条件から、厚鋼板の幅方向における冷却後の予測温度の分布を求める温度分布予測部と、温度分布予測部で求めた冷却後の予測温度の分布幅が一定値以下になる、厚鋼板の幅方向における冷却水の流量分布を決定する流量分布決定部と、上下水量比決定部で決定された上下水量比、および、流量分布決定部で決定された冷却水の流量分布となるように、冷却装置へと供給される冷却水の水量を、厚鋼板の冷却中に変動させるように制御する制御部と、を有する、厚鋼板の冷却制御装置である。
また、上記本発明の第3の態様において、記憶部から抽出した、冷却される厚鋼板の操業条件に近い製造実績に関する情報と、平坦度合格率との関係を求め、求めた関係を用いて、上下水量比決定部で上下水量比を決定しても良い。
また、抽出した製造実績に関する情報と平坦度合格率との関係を用いて上下水量比を決定する上記本発明の第3の態様において、冷却される厚鋼板の操業条件に近い製造実績に関する情報として前後段冷却比を抽出した上で、該前後段冷却比を含む、冷却される厚鋼板の操業条件に近い製造実績に関する情報と、平坦度合格率との関係を求め、求めた関係を用いて、上記上下水量比決定部で上記上下水量比を決定しても良い。
本発明の第4の態様は、厚鋼板を仕上圧延する圧延機と、該圧延機で圧延された厚鋼板を冷却する冷却装置と、該冷却装置の動作を制御する冷却制御装置と、を備え、該冷却制御装置が、上記本発明の第3の態様にかかる厚鋼板の冷却制御装置である、厚鋼板の製造装置である。
本発明によれば、厚鋼板の冷却停止温度に関して、冷却装置の設定因子が厚鋼板の幅方向の温度むらに与える影響度合いをモデル化し、そのモデルを用いて幅方向の温度むらが所定値以下となるような設定因子を逆算し、また、板幅中央部の長手方向の温度むらを抑制するために、各冷却ゾーンの水量密度をダイナミック制御し、かつ、冷却後の厚鋼板の平坦度に影響を与える上下水量比の設定に際しては、平坦度良否の過去データベースからその時点で最も平坦度良品率が高くなる上下水量比を求めることが可能になる。そのため、本発明によれば、長手方向および幅方向の温度むらを抑制するとともに、冷却後の厚鋼板の平坦度を高めることが可能な、厚鋼板の冷却制御方法および冷却制御装置並びに厚鋼板の製造方法および製造装置を提供することができる。
本発明の厚鋼板の冷却制御装置10を説明する図である。 本発明の厚鋼板の冷却制御方法を説明する図である。 ダイナミック制御における温度計算の概要を説明する図である。 ダイナミック制御の効果を説明する図である。 幅方向流量クラウン量の調整形態を説明する図である。 水冷熱伝達モデルの概要を説明する図である。 幅方向流量クラウン量の制御結果を説明する図である。 上下水量比と平坦度合格率との関係を説明する図である。 上下水量比と平坦度合格率との関係を説明する図である。 上下水量比と平坦度合格率との関係を説明する図である。 2つのパターンにおける前後段冷却比と冷却後平坦度が良好であった上下水量比との関係を説明する図である。 冷却制御の概要を説明する図である。 本発明の厚鋼板の製造方法を説明する図である。 本発明の厚鋼板の製造装置100を説明する図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に示す形
態は本発明の例示であり、本発明は以下に示す形態に限定されない。
図1は、本発明の厚鋼板の冷却制御方法を実施可能であり、且つ、本発明の厚鋼板の製造装置に備えられる、本発明の厚鋼板の冷却制御装置10を説明する図である。図1には、供給される冷却水量が冷却制御装置10によって制御される冷却装置20、および、該冷却装置20によって冷却される厚鋼板1等も示しており、冷却制御装置10よりも厚鋼板1の搬送方向上流側には、不図示の圧延機が備えられている。
冷却制御装置10は、記憶部11と、上下水量比決定部12と、トラッキング部13と、厚鋼板移動速度予測部14と、冷却ゾーン通過所要時間計算部15と、現在温度計算部16と、温度分布予測部17と、流量分布決定部18と、制御部19と、を有している。
記憶部11には、厚鋼板の過去の製造実績に関する情報が記憶されており、この過去の製造実績に関する情報を用いて、上下水量比決定部12で、厚鋼板1の平坦度合格率が所定値以上になる冷却装置20の上下水量比が決定される。
トラッキング部13は、厚鋼板1の先端から長手方向(厚鋼板1の長さ方向。図1の紙面右側(先端側)から左側(尾端側)の方向。)に一定の間隔で設けられた仮想的な制御点(P〜P)の位置をトラッキングする。具体的には、ソフトウエアにより、トラッキング処理が行われる。
冷却装置20の入側における厚鋼板1の温度は、温度計2によって測定され、冷却装置20の出側における厚鋼板1の温度は、温度計3によって測定される。温度計2、3としては、放射温度計を用いることができる。放射温度計を用いる場合、板幅中央部の温度を測定すれば良い。温度計2、3としては、板幅方向の温度分布を測定可能な走査式の幅温度計を用いることも可能である。なお、図1では温度計2,3は厚鋼板の上面を測温する形態となっているが、下面を測温する形態でもよい。
厚鋼板移動速度予測部14は、トラッキング部13からの制御点の位置情報を受け取り、厚鋼板1の移動速度を予測する手段である。具体的には、冷却前に厚鋼板1の製造条件(冷却開始温度、冷却速度、冷却停止温度等)に基づいて予め速度パターンを決定した上で、このパターンに基づいて速度予測を行う。
冷却ゾーン通過所要時間計算部15は、厚鋼板移動速度予測部14からの予測速度情報を受け取り、冷却装置20の各冷却ゾーン(A、B、C、D)を厚鋼板1が通過するのに必要な時間を計算する。この時間は、各冷却ゾーンの距離と予測した厚鋼板の移動速度とから得ることができる。
現在温度計算部16は、トラッキング部13からの制御点の位置情報、および、温度計2からの温度情報から、冷却装置20の入口部に先行した制御点の現時点における温度を計算する。具体的には、各制御点における水冷熱伝達モデルによる熱伝達率の計算、および、該熱伝達率を用いた各制御点における現在温度の計算が行われる。
温度分布予測部17は、上下水量比決定部12で決定された上下水量比、および、これ以外の製造条件から、厚鋼板1の幅方向における冷却後の予測温度の分布を求める。「これ以外の製造条件」には、温度計2によって測定された厚鋼板1の表面温度の実績値、厚鋼板1の板厚、厚鋼板1の板幅、厚鋼板1の板長、厚鋼板1の搬送速度(移動速度)、冷却装置20の各冷却ゾーンにおける冷却水の温度、冷却装置20の各冷却ゾーンにおける冷却水の水量密度、および、厚鋼板1の幅方向における冷却水の流量分布、からなる群より選択された一以上が含まれる。温度分布予測部17における温度の計算方法は、現在温
度計算部16における計算方法と同様である。
流量分布決定部18は、厚鋼板1の冷却後の予測温度、および、目標温度情報に基づいて、温度分布予測部17で求めた冷却後の予測温度の分布幅が一定値以下になる、厚鋼板1の幅方向における冷却水の流量分布を決定する。温度分布予測部17で幅方向における冷却後の温度分布を予測計算する際には、幅方向の温度むらを低減する制御が反映されていないため、幅方向の温度むらが生じてしまう。そこで、幅方向の温度むらを低減するために、流量分布決定部18で、幅方向における冷却水の流量分布を決定する。具体的には、冷却水の流量分布を変えた2つの幅方向温度分布を、温度分布予測部17から得て、これらについて収束計算を行うことで、幅方向の温度むらが最小になる冷却水の流量分布を決定することができる。
制御部19は、上下水量比決定部12で決定された上下水量比、および、流量分布決定部18で決定された冷却水の流量分布となるように、冷却装置20へと供給される冷却水の水量を制御する。具体的には、冷却装置20へと供給される冷却水が流れる配管に設置されたバルブの動作を制御することにより行われる。
図2は、本発明の厚鋼板の冷却制御方法を説明する図である。図1および図2を参照しつつ、本発明の厚鋼板の冷却制御方法について説明する。なお、ここでは、冷却制御装置10を用いて制御する形態について説明するが、本発明の厚鋼板の冷却制御方法は、同様に冷却することができれば、その形態はこれに限定されない。
図2に示したように、本発明の厚鋼板の冷却制御方法は、冷却装置の上下水量比を決定する工程S11と、厚鋼板の幅方向における冷却後の温度分布を予測する工程S12と、当該工程S12で予測した冷却後の温度分布の幅が一定値以下になる厚鋼板の幅方向における冷却水の流量分布を決定する工程S13と、工程S11で決定された上下水量比、および、工程S13で決定された冷却水の流量分布となるように、冷却装置へと供給される冷却水の水量を、厚鋼板の冷却中に変動させるように制御する工程S14と、を有している。工程S11は上下水量比決定部12で行われ、工程S12は温度分布予測部17で行われ、工程S13は流量分布決定部18で行われ、工程S14は制御部19で行われる。
<長手方向温度分布改善>
仕上圧延された厚鋼板1は、冷却装置20において水冷され、所望の水冷停止温度まで冷却される。この際、冷却装置20の入側に設置されている温度計2によって、厚鋼板1の上表面温度が測定される。図1に示した形態では、仮想的な制御点(P〜P)を厚鋼板1の先端から一定の距離間隔で当該の厚鋼板1上に設けており、仮想的な制御点の初期温度は、温度計2で測定した温度とする。なお、図1では、Pが厚鋼板の最先端より内側にある形態となっているが、Pを厚鋼板の最先端にとっても良い。
冷却装置20へと供給される冷却水量を制御する際には、仮想的な制御点について、冷却装置20内の位置およびその制御点の温度をトラッキングする。現時点(時刻tとする)での制御点の位置は、時刻tまでの厚鋼板1の搬送速度の実績から求めることができ、時刻tよりも後の制御点の位置は、搬送速度の予測値を用いて予測する。同様に、現時点(時刻t)での制御点の温度は、冷却装置20内における時刻tまでの水冷実績に基づいて計算され、冷却装置20の出口における厚鋼板1の温度(以下において、「出口温度」ということがある。)は、冷却装置20の各冷却ゾーンの通過所要時間を予測する計算の結果と、現時点での制御点の温度とから、鋼板温度計算モデルに基づいて予測する。
このようにして算出された出口温度の予測値と目標温度である水冷停止温度とが一致するように、冷却装置20へと供給される冷却水の最適水量を求め、冷却装置20の冷却ゾーン毎に流量指令を出す。この流量指令の制御は、冷却装置20の入側に配置された温度計2の直下で制御点を一定間隔で生成し、この制御点をトラッキングしながら、制御点の出口温度が目標温度となるように、冷却装置20へと供給される冷却水の水量をダイナミックに設定する(厚鋼板1の冷却中に冷却水の水量を変動させる)ので、ダイナミック制御と呼ぶ。
図3は、ダイナミック制御を実施した際の、厚鋼板1の各制御点の温度変化を示す図である。図3に示したように、冷却装置20の入口では高温だった厚鋼板1は、その先端(P1側)から、冷却装置20の出口で目標温度になるように冷却されて、鋼板温度が低下する。
図4に、ダイナミック制御を行った場合と、ダイナミック制御を行わずに予め与えられた厚鋼板1の冷却条件から冷却装置20による水冷条件を事前に決定して制御した場合との比較を示す。図4は、冷却装置20の入口における温度変動を±15℃、変動ピッチを10mとして、数値実験にて求めた冷却装置20の出口における長手方向温度変動(長手方向の温度むら)を比較した図である。図4(a)の縦軸は冷却装置20の出口における厚鋼板1の表面温度、横軸は厚鋼板の位置[m]であり、図4(b)の縦軸は、ダイナミック制御を実施した場合の温度変動とダイナミック制御を実施しない場合の温度変動との比、横軸は外乱周波数[Hz]である。図4(a)および図4(b)に示したように、ダイナミック制御を実施した場合には、温度変動を半分に抑制することができる。
冷却装置20は、厚鋼板1の上面側に配置された上面ヘッダー群21、および、厚鋼板1の下面側に配置された下面ヘッダー群22を有しており、冷却装置20へと供給された冷却水は、上面ヘッダー群21および下面ヘッダー群22へと配分される。このときの配分は、上下水量比RTB(=上面ヘッダー群21へと供給される冷却水の水量α/下面ヘッダー群22へと供給される冷却水の水量β)に基づいて決定される。
上面ヘッダー群21は、製造ラインの進行方向に複数の冷却ゾーンA、B、C、Dに分かれ、さらに各冷却ゾーンA、B、C、Dには、複数の上面ヘッダー21a、21a、…が厚鋼板1の進行方向に並列されている。図5は、上面ヘッダー21aを下方(厚鋼板1側)から見た図である。図5では、水が流れる方向を矢印で示している。
上面ヘッダー21aは、図5に示したように、厚鋼板1の板幅方向(図1の紙面奥/手前方向)に長く形成された横断面が矩形(大径)の管状部材であり、その下面にはノズル21b、21b、…が配置されている。また、上面ヘッダー21aの内側には仕切り板21c、21cが設けられ、仕切られた各部位に枝給水管21d、21d、21dが接続されている。枝給水管21d、21d、21dへの水量の調整をバルブ21eによって行うことにより、図5のグラフに示したように、厚鋼板1の幅方向の冷却水の流量分布を調整可能なように構成されている。
一方、下面ヘッダー群22も、上面ヘッダー群21と同様に、厚鋼板1の進行方向に複数の冷却ゾーンA、B、C、Dに分かれ、さらに各冷却ゾーンA、B、C、Dには、複数の下面ヘッダー22a、22a、…が厚鋼板1の進行方向に並列されている。ここで、厚鋼板1の下面は、上面ほど幅方向の温度むらが大きくない。そのため、下面ヘッダー群22には、基本的に上面ヘッダー群21のような冷却水の流量分布を調整する機能を付加しなくても良い。
<幅方向温度分布改善>
上記のダイナミック制御により、厚鋼板1の長手方向の温度むらを抑制することが可能になるが、温度むらには幅方向の温度むらも存在する。そのため、厚鋼板1の全長および全幅に亘る温度の均一性を確保するには、厚鋼板1の幅方向の温度むらも抑制する必要がある。そこで、冷却装置20は、図5にも示したように、幅方向の冷却水の流量分布を調整可能なように構成された上面ヘッダー群21が備えられる形態としている。このような形態とすることにより、冷却装置20から厚鋼板1へ向けて供給された冷却水の、厚鋼板1の幅方向における流量分布(流量クラウン量)を適切に設定することが可能になり、これによって、幅方向の温度むらが所定値以下となるように制御することが可能になる。
厚鋼板1の幅方向中央部の温度は、下記式(1)に示す板厚方向1次元熱伝導方程式により表すことができる。
厚鋼板1の上表面および下表面における境界条件は、下記式(2)(3)により与える。
ここで、Tは温度[℃]、tは時間[s]、xは板厚方向の座標[m]、cは比熱[J/kg・s]、ρは密度[kg/m]、λは熱伝導率[W/m・℃]、qは水冷による熱流束[W/m]、qは対流による熱流束[W/m]、qは輻射による熱流束[W/m]を表し、uは上面を表す添字、dは下面を表す添字である。
水冷による熱流束q、および、対流による熱流束qは、それぞれ、熱伝達率を用いて以下のように書くことができる。
ここで、Tは厚鋼板1の表面温度[℃]、Tは冷却水の温度[℃]、Tは雰囲気の温度[℃]であり、Hは水冷熱伝達率、Hは対流熱伝達率である。
また、輻射による熱流束qは、放射率εとステファン・ボルツマン定数σとを用いて以下にように書くことができる。
上記の式(1)を、各冷却ゾーンでの水冷条件を反映した境界条件の式(2)〜(6)の下で、有限差分法を用いて、オンラインで解くことにより、厚鋼板1の制御点に対する
温度を計算することができる。
ここで、水冷の熱伝達率Hは、下記式(7)に示されるように、冷却装置20の水冷条件である各因子(冷却水の流量W、厚鋼板1の移動速度V、冷却水の水温T、厚鋼板1の表面温度T、冷却水の粘性係数μ等)の複雑な関数となっている。
厚鋼板の水冷に際しては、鋼板上面での水冷状態が幅方向で異なる。例えば、幅方向の滞留水(板上水)の高さや滞留水(板上水)の幅方向流速が異なっているので、幅方向に温度むらが発生する。そこで、図6に示すように、幅方向冷却特性モデルを用いて、幅方向温度むらを予測し、予測した温度むらが所定の値以下となるように、幅方向の流量クラウン量の設定値を求める。
図6に示したモデルでは、上面ヘッダーおよび下面ヘッダー(以下において、「上下ヘッダー」という。)に挟まれた厚鋼板1の部位の熱伝達率を計算する際に、1組の上下ノズル(上面ヘッダーに配置されたノズルおよび下面ヘッダーに配置されたノズル)の噴流方向を中心に厚鋼板上の領域を同心円状のセルに分割している。このような同心円状のセルに分割したモデルを用いるのは、ノズルから噴出された冷却水は同心円状に厚鋼板上に広がるためである。同心円状に分割したセルは、その分割幅が狭いほど精度の高い予測が可能になるが、計算負荷が大きくなるため、一定の幅を持ったセルに分割すれば良い。より具体的には、並列されるノズル間の距離を考慮して、各ノズルにおけるモデル同士が一部重複する形で形成されるように、モデルの最大半径(モデルで想定するセルの最大半径)を決定し、このモデルを5つ程度のセルに分割すれば良い。図6に示した例では、並列されるノズル間の距離が50mmであったため、最大半径25.7mmのモデルを形成した。ここで、各セルは、5.7mmの幅を持つ4つのリング状セルと、中心に半径2.9mmの1つの円状セルと、に分割した。
このようにして複数のセルに分割したら、セルごとに熱伝達率を算出する。熱伝達率を算出する際には、まず、各セルの水温を計算する。ノズル直下から離れるほど厚鋼板の温度の影響を受けて水温は上昇する。水温は、熱伝達計算で容易に求めることができる。
続いて、セルごとに核沸騰と膜沸騰との割合を求める。沸騰熱伝達現象は、膜沸騰の状態では熱伝達率が小さく、核沸騰の状態では熱伝達率が大きい。厚鋼板の温度が高いときは膜沸騰が主体であるが、低温になると核沸騰に遷移し、熱伝達率が急増する傾向がある。よって、この割合によって、熱伝達率が大きく異なる。極大熱流束点(核沸騰が起こる最高温度)と、極小熱流束点(膜沸騰が起こる最低温度)との関係は実験的に求めることができることが知られている。当該最高温度と当該最低温度との間の温度域は、核沸騰と膜沸騰とが同時に起こる遷移沸騰域と呼ばれる。厚鋼板の表面温度が、核沸騰が起こる最高温度以下であれば、核沸騰の割合が100%、膜沸騰が起こる最低温度以上であれば膜沸騰の割合が100%である。従って、厚鋼板の表面温度が遷移沸騰域にあれば、その割合に応じて核沸騰割合(膜沸騰割合)を決める。例えば、水温40℃の時の当該最高温度が350℃、当該最低温度が600℃であり、且つ、厚鋼板の表面温度が500℃の場合、核沸騰割合は60%(膜沸騰割合は40%)である。この割合は計算により算出しても良いが、予めテーブルを作成し、そのテーブルを参照して割合を決定しても良い。
そして、この割合を用いてセルごとに熱伝達率を算出する。算出は核沸騰の場合の熱伝
達率H、および、膜沸騰の場合の熱伝達率Hをそれぞれ計算し、その割合から各セルの熱伝達率Hを算出する。より具体的には、核沸騰、膜沸騰それぞれの場合の熱伝達率は下記式(8)、(9)で計算されるので、これらに沸騰状態の割合を加味し、式(10)により熱伝達率Hを算出する。
ここで、Nuは核沸騰ヌッセルト数、Nuは膜沸騰ヌッセルト数、λは水の熱伝導率[W/m・℃]、Lは代表長さ[m]、ΔTsatは過熱度[℃]、ΔTsubはサブクール度[℃]、Tは鋼板の表面温度[℃]、Tは噴流水温[℃]、Bは核沸騰割合(0≦B≦1)をそれぞれ表す。
最終的にセルごとに算出した熱伝達率Hについて平均値(平均熱伝達率)を計算し、これを上下ヘッダーに挟まれた厚鋼板1の部位の熱伝達率とする。ここで、平均値の計算は単純平均でもよいが、より正確な予測をするためにセルの幅を考慮して積分した平均値を取ることが好ましい。
以上、1つのノズルのモデルに関して説明したが、すべてのノズルは同じように計算式により計算される。噴射される冷却水の水量密度が同じであれば、計算値を流用できるが、冷却水の水量密度が異なれば別途計算が必要になる。例えば、冷却水の幅方向流量分布の形状をクラウン状にする(厚鋼板の幅方向に冷却水の流量分布を設ける)場合には、厚鋼板の幅方向両端と中央部とでは水量密度が異なるので、当該水量密度にあわせた計算が必要である。
一方、隣接する上下ヘッダー間に該当する厚鋼板の部位では、厚鋼板の板幅方向の位置における冷却水流速を加味して熱伝達率を計算する。例えば、厚鋼板の中央部を基準として幅方向にx軸を取ったと仮定し、板幅方向位置xにおける冷却水の流速νを下記式(11)に示すようなxの2次式で表したモデルを用いて計算すればよい。νはレイノルズ数Reのパラメータであるので、Reは下記式(12)のようになる。このReをヌッセルト数に反映させ、式(10)〜式(12)を用いて熱伝達率Hを計算することができる。
ここで、a、a、aは係数を表す。また、Lは代表長さ[m]、ρは冷却水密度[kg/m]、μは冷却水の粘性係数[m・s/kg]である。
以上の2つのモデルを用いることにより、熱伝達率を計算することができ、幅方向表面温度むらを予測することができる。
図7に、幅方向温度むらを抑制するために、流量クラウン量を適正に設定した場合と、流量クラウン量を全く設定せずに幅方向流量を一定にした場合との比較を示す。図7(a)の縦軸は厚鋼板の上面温度[℃]であり、横軸は板幅中央から端部までの距離である。ここでは、冷却装置出側の厚鋼板の温度、冷却ゾーンA出側の厚鋼板の温度、および、冷却ゾーンB出側の厚鋼板の温度について、流量クラウン量を調整した場合を記号(■、◇、▲)で示し、流量クラウン量を調整しなかった場合を実線で示した。
図7(b)は、流量クラウン量の調整形態を説明する図である。図7(b)の縦軸は流量クラウン量を調整した時の水量密度[L/m・s]であり、横軸は板幅中央からの距離[m]である。
図7(c)は、各冷却ゾーン(A、B、C、D)および冷却装置の出側における厚鋼板端部の温度低下量[℃]を棒グラフで表した図である。
図7(a)〜(c)に示したように、流量クラウン量の設定を行った場合には、板幅端部の温度降下が大幅に抑えられた。この結果から、流量クラウン量の調整は、幅方向温度むらの抑制に効果があることがわかる。
<平坦度改善>
厚鋼板の製造では平坦度制御が重要になる。一定以上の平坦度を確保できない場合には厚鋼板製造後に矯正作業が必要となり、工数および製造コストが増加する。
厚鋼板の平坦度は上下水量比に依存する。上下水量比の決定に際しては、過去の製造実績に基づいて決めれば良い。より具体的には、過去の製造実績が保存されている記憶部11から、厚鋼板の操業条件に近い製造実績データを抽出し、製造実績データと平坦度合格率(矯正作業を行わなかった厚鋼板の割合)との関係を求め、この関係から上下水量比を決定すれば良い。上下水量比は、例えば、特願2011−149832に開示されている手順で決定することができる。
ここで、操業条件に近い製造実績データの抽出では、操業条件として板厚、板幅、板長、冷却開始温度、冷却速度、冷却停止温度指示、カーボン当量、成分含有量、圧延ロール磨耗量、圧延デスケーリング回数などを用い、これらの条件値が近い過去の製造実績データをもって製造実績データとする。そして、抽出した製造実績データから、上下水量比、および、平坦度合格率の分布(ヒストグラムで良い)を求め、平坦度合格率が最も高くなる上下水量比を望ましい上下水量比とすれば良い。抽出する製造実績データ数は100〜500個程度が好ましい。これより多いと操業条件として近くない実績データをも抽出することになるため、適切な上下水量比を決定できなくなることがある。
図8に、特定の厚鋼板についての上下水量比RTBと平坦度との関係を示す。平坦度については平坦度合格率として、製造した厚鋼板の枚数に対する一定以上の平坦度を確保で
きた厚鋼板の枚数の割合を縦軸に示している。横軸は上下水量比RTBである。図8より、上下水量比RTBは0.72近辺が望ましいことが分かる。
一般に、図9Aに示すように、平坦度合格率は上下水量比RTBが1以下でピークを取り、高すぎても、低すぎても平坦度の合格率は悪化する。よって、製品ごとに適切な上下水量比RTBとすることが求められる。
図9Bに、厚鋼板の冷却に際して、前段冷却ゾーンの水量を少なくするとともに後段冷却ゾーンの水量を多くすることにより、前後段冷却比RFBを変更した場合の特定の厚鋼板についての、上下水量比RTBと平坦度合格率との関係を示す。図9Aおよび図9Bの縦軸は平坦度合格率であり、図9Aおよび図9Bの横軸は上下水量比である。図9Bより、上下水量比RTBは0.95近辺が望ましいことが分かる。図9Aおよび図9Bより、特定の厚鋼板でも前後段冷却比を変えると、冷却後平坦度が良好となる望ましい上下水量比は大きく変化することが分かる。
また、図9Cに、前後段冷却比を変えた2つの冷却パターン(パターン1の前後段冷却比RFB1<パターン2の前後段冷却比RFB2)において、冷却後平坦度が良好であった上下水量比の実績データを示す。パターン2では、適正な上下水量比がパターン1よりも高いことが、図9Cに示されている。図9Cに示したように、前後段冷却比RFBが変わると、冷却後平坦度を良好にするための上下水量比が大きく変わる。そのため、前後段冷却比RFBを変える場合には、製造実績に関する情報として、前後段冷却比を抽出し、上下水量比を決定することが好ましいことが分かる。
<温度むらと平坦度との相関関係>
以上、長手方向温度むら、幅方向温度むら、および、平坦度についてそれぞれ述べたが、お互い相関関係があり、それぞれ独立して実施した場合には適切な冷却制御が行えない。このため、以下のように水冷制御を行う必要がある。
図10に、冷却制御の概要図を示す。
過去の製造実績データを用いて上下水量比を求める際には、記憶部11から、当該冷却対象材の操業条件に近い過去実績データを抽出し、その抽出された過去実績データの上下水量比と平坦度合格率との関係を求め、この関係から上下水量比を決定(算出)する。
上下水量比の決定に続き、流量クラウン量を決定する。流量クラウン量を決定する際には、先に決定した上下水量比を用いる。上下水量比をパラメータとして流量クラウン量を決定することで、平坦度の悪化を回避することができる。そして、最後に、上下水量比および流量クラウン量を用いて、冷却装置にてダイナミック制御を行う。
以上のような工程を通して、平坦度が良好であり、温度むらが低減され、均一な品質を有する厚鋼板を製造することができる。図11は、本発明の厚鋼板の製造方法を説明する図である。図11に示したように、本発明の厚鋼板の製造方法は、厚鋼板を仕上圧延する工程S21と、工程S21で仕上圧延された厚鋼板を冷却する工程S22と、を有し、当該工程S22で、上記本発明の厚鋼板の冷却制御方法が適用される。
なお、冷却後の厚鋼板は平坦度を測定し、製造条件等と平坦度とを紐付けしてデータベースに保存する。データを蓄積することにより、次以降の厚鋼板の製造時に、より最適な上下水量比を算出できるようになる。
図12は、本発明の厚鋼板の製造装置100を説明する図である。図12では、厚鋼板の製造装置100に備えられる各装置を簡略化して示しており、図1と同様に構成されるものには、図1で使用した符号と同一の符号を付している。
図12に示したように、本発明の厚鋼板の製造装置100は、厚鋼板を仕上圧延する圧延機30と、圧延機30で圧延された厚鋼板の温度を測定する温度計2と、圧延機30で圧延された厚鋼板を冷却する冷却装置20と、該冷却装置20の動作を制御する冷却制御装置10と、冷却装置20で冷却された厚鋼板の温度を測定する温度計3と、を備えている。厚鋼板の製造装置100は、本発明の厚鋼板の冷却制御装置10によって動作を制御される冷却装置20を用いて厚鋼板を冷却するので、平坦度が良好であり、温度むらが低減され、均一な品質を有する厚鋼板を製造することができる。
本発明に関する上記説明では、上下水量比決定部12、厚鋼板移動速度予測部14、冷却ゾーン通過所要時間計算部15、現在温度計算部16、温度分布予測部17、流量分布決定部18、および、制御部19を別々に示したが、本発明の厚鋼板の冷却制御装置は当該形態に限定されず、これらすべての機能を兼ね備えた1つの制御部が備えられる形態とすることも可能である。
1…厚鋼板
2、3…温度計
10…厚鋼板の冷却制御装置
11…記憶部(記憶手段)
12…上下水量比決定部
13…トラッキング部
14…厚鋼板移動速度予測部
15…冷却ゾーン通過所要時間計算部
16…現在温度計算部
17…温度分布予測部
18…流量分布決定部
19…制御部
20…冷却装置
21…上面ヘッダー群
21a…上面ヘッダー
21b…ノズル
21c…仕切り板
21d…枝給水管
21e…バルブ
22…下面ヘッダー群
22a…下面ヘッダー
30…圧延機
100…厚鋼板の製造装置

Claims (8)

  1. 冷却装置の水冷ゾーンを通過させる厚鋼板の冷却を制御する方法であって、
    過去の製造実績から、冷却される前記厚鋼板の平坦度合格率が所定値以上になる前記冷却装置の上下水量比を決定する工程と、
    決定された前記上下水量比、および、これ以外の製造条件から、前記厚鋼板の幅方向における冷却後の温度分布を予測する工程と、
    予測した前記冷却後の温度分布の幅が一定値以下になる、前記厚鋼板の幅方向における冷却水の流量分布を決定する工程と、
    決定された前記上下水量比、および、決定された前記冷却水の流量分布となるように、前記冷却装置へと供給される冷却水の水量を、前記厚鋼板の冷却中に変動させるように制御する工程と、
    を有する、厚鋼板の冷却制御方法。
  2. 前記過去の製造実績に関する情報が保存されている記憶手段から、冷却される前記厚鋼板の操業条件に近い製造実績に関する情報を抽出し、抽出した製造実績に関する情報と平坦度合格率との関係を求め、求めた前記関係から前記上下水量比を決定する、請求項1に記載の厚鋼板の冷却制御方法。
  3. 冷却される前記厚鋼板の操業条件に近い製造実績に関する前記情報として、前後段冷却比を抽出した上で、該前後段冷却比を含む、冷却される前記厚鋼板の操業条件に近い製造実績に関する前記情報と、平坦度合格率との関係を求め、求めた関係から前記上下水量比を決定する、請求項2に記載の厚鋼板の冷却制御方法。
  4. 厚鋼板を仕上圧延する工程と、
    前記仕上圧延する工程の後に前記厚鋼板を冷却する工程と、を有し、
    前記冷却する工程で、請求項1〜3のいずれか1項に記載の厚鋼板の冷却制御方法が適用されることを特徴とする、厚鋼板の製造方法。
  5. 仕上圧延された厚鋼板を冷却する冷却装置へと供給される冷却水量を制御する冷却制御装置であって、
    過去の製造実績に関する情報を保存する記憶部と、
    前記記憶部に保存されている過去の製造実績から、冷却される前記厚鋼板の平坦度合格率が所定値以上になる前記冷却装置の上下水量比を決定する上下水量比決定部と、
    決定した前記上下水量比、および、これ以外の製造条件から、前記厚鋼板の幅方向における冷却後の予測温度の分布を求める温度分布予測部と、
    前記温度分布予測部で求めた前記冷却後の予測温度の分布幅が一定値以下になる、前記厚鋼板の幅方向における冷却水の流量分布を決定する流量分布決定部と、
    前記上下水量比決定部で決定された前記上下水量比、および、前記流量分布決定部で決定された前記冷却水の流量分布となるように、前記冷却装置へと供給される冷却水の水量を、前記厚鋼板の冷却中に変動させるように制御する制御部と、
    を有する、厚鋼板の冷却制御装置。
  6. 前記記憶部から抽出した、冷却される前記厚鋼板の操業条件に近い製造実績に関する情報と、平坦度合格率との関係を求め、求めた前記関係を用いて、前記上下水量比決定部で前記上下水量比が決定される、請求項5に記載の厚鋼板の冷却制御装置。
  7. 冷却される前記厚鋼板の操業条件に近い製造実績に関する前記情報として、前後段冷却比を抽出した上で、該前後段冷却比を含む、冷却される前記厚鋼板の操業条件に近い製造実績に関する前記情報と、平坦度合格率との関係を求め、求めた関係を用いて、前記上下水量比決定部で前記上下水量比が決定される、請求項5又は6に記載の厚鋼板の冷却制御装置。
  8. 厚鋼板を仕上圧延する圧延機と、該圧延機で圧延された厚鋼板を冷却する冷却装置と、該冷却装置の動作を制御する冷却制御装置と、を備え、
    前記冷却制御装置が、請求項5〜7のいずれか1項に記載の厚鋼板の冷却制御装置である、厚鋼板の製造装置。
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