JP6560136B2 - 水酸化鉱物分散体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
[1]水酸化鉱物、非水系分散媒体、及び前記非水系分散媒体中に前記水酸化鉱物を分散させるフィラー分散剤を含有する水酸化鉱物分散体であって、前記水酸化鉱物が、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化水酸化鉄、及び水酸化鉄からなる群より選択される少なくとも一種であり、前記フィラー分散剤が、メタクリル酸系モノマーに由来する構成単位を90質量%以上含有するとともに、数平均分子量が4,000以上20,000以下であり、かつ、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が1.6以下である、Aポリマーブロック及びBポリマーブロックを含むA−Bブロックコポリマーであり、前記Aポリマーブロックは、アルキルメタクリレート、シクロアルキルメタクリレート、アルキルシクロアルキルメタクリレート、アリールメタクリレート、アリールアルキルメタクリレート、アルコキシアルキルメタクリレート、シクロアルコキシアルキルメタクリレート、シクロアルケノキシアルキルメタクリレート、及びアリーロキシアルキルメタクリレートからなる群より選択される少なくとも一種に由来する構成単位を80質量%以上含有するとともに、数平均分子量が3,000以上15,000以下であり、かつ、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が1.5以下であり、前記Bポリマーブロックは、カルボキシ基を有するメタクリル酸系モノマーに由来する構成単位を含有するとともに、酸価が100mgKOH/g以上652mgKOH/g以下であり、かつ、数平均分子量が前記Aポリマーブロックの数平均分子量以下であり、前記非水系分散媒体が、25℃の水への溶解度が20g/L以下である非プロトン性有機溶媒、又は熱可塑性樹脂である水酸化鉱物分散体。
[2]前記水酸化鉱物の含有量が5〜50質量%であり、前記水酸化鉱物の数平均粒子径が500nm以下であり、前記水酸化鉱物100質量部に対する、前記フィラー分散剤の含有量が、20〜200質量部である前記[1]に記載の水酸化鉱物分散体。
[4]前記[1]又は[2]に記載の水酸化鉱物分散体の製造方法であって、有機無機複合材料を、前記非水系分散媒体中に分散させる工程を有し、前記有機無機複合材料が、水酸化鉱物及びポリマーを含有し、前記水酸化鉱物が、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化水酸化鉄、及び水酸化鉄からなる群より選択される少なくとも一種であり、前記ポリマーが、メタクリル酸系モノマーに由来する構成単位を90質量%以上含有するとともに、数平均分子量が4,000以上20,000以下であり、かつ、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が1.6以下である、Aポリマーブロック及びBポリマーブロックを含むA−Bブロックコポリマーであり、前記Aポリマーブロックは、アルキルメタクリレート、シクロアルキルメタクリレート、アルキルシクロアルキルメタクリレート、アリールメタクリレート、アリールアルキルメタクリレート、アルコキシアルキルメタクリレート、シクロアルコキシアルキルメタクリレート、シクロアルケノキシアルキルメタクリレート、及びアリーロキシアルキルメタクリレートからなる群より選択される少なくとも一種に由来する構成単位を80質量%以上含有するとともに、数平均分子量が3,000以上15,000以下であり、かつ、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が1.5以下であり、前記Bポリマーブロックは、カルボキシ基を有するメタクリル酸系モノマーに由来する構成単位を含有するとともに、酸価が100mgKOH/g以上652mgKOH/g以下であり、かつ、数平均分子量が前記Aポリマーブロックの数平均分子量以下である水酸化鉱物分散体の製造方法。
本発明の水酸化鉱物分散体は、水酸化鉱物、非水系分散媒体、及び非水系分散媒体中に水酸化鉱物を分散させるフィラー分散剤を含有する。以下、本発明の水酸化鉱物分散体を構成する各成分について詳細に説明する。
水酸化鉱物は、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化水酸化鉄、及び水酸化鉄からなる群より選択される少なくとも一種である。これらの水酸化鉱物は無機酸化物であるため、様々な結晶形を有する。例えば、水酸化アルミニウムに関しては、α−、β−、γ−、δ−が知られている。本発明においては、いずれの結晶形を有するものであってもよい。水酸化鉱物の形状としては、針状、平面状、板状、鱗片状、立方体、円盤状、粒状、粉状、及び球状などがある。本発明においては、いずれの形状の水酸化鉱物であってもよい。さらに、水酸化鉱物は天然鉱物であってもよく、化学合成して得られたものであってもよい。化学合成としては、アルカリによる中和反応、過飽和状態からの析出、金属アルコキシドの加水分解、及び水酸化物の熱合成などがある。
本発明の水酸化鉱物分散体に用いるフィラー分散剤は、Aポリマーブロック及びBポリマーブロックを含むA−Bブロックコポリマーである。A−Bブロックコポリマーは、メタクリル酸系モノマーに由来する構成単位を90質量%以上、好ましくは95質量%以上、最も好ましくは100質量%含有する。後述するA−Bブロックコポリマーの好適な製造方法は、メタクリル酸系モノマーを用いることが好ましい重合方法である。この製造方法において、スチレン等のビニル系モノマー、アクリレート系モノマー、又はビニルエーテル系モノマーなどを用いると、重合末端に結合したヨウ素が安定化しすぎてしまい、解離させるのに加温する必要性が生ずる、或いは加温しても解離しないなどの不都合が生ずる可能性がある。このため、メタクリル酸系モノマー以外のモノマーを多量に用いると、所望とする特定構造を有するA−Bブロックコポリマーが得られない、或いは分子量分布が過剰に広がってしまうなどの不具合が生ずる可能性がある。但し、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、メタクリル酸系モノマー以外のモノマーを用いてもよい。
Aポリマーブロックは、疎水性の非水系分散媒体に親和及び溶解し、立体障害や立体反発によって水酸化鉱物の凝集を抑制する機能を有する。また、Aポリマーブロックは、顔料分散液などに用いられるその他のポリマーと相溶する性質をも有する。
Bポリマーブロックは、カルボキシ基を有するメタクリル酸系モノマーに由来する構成単位を含有する、水酸化鉱物に吸着するポリマーブロックである。カルボキシ基以外の酸性基(例えば、スルホン酸基やリン酸基など)の場合、水酸化鉱物分散体の耐水性が低下する場合がある。カルボキシ基を有するメタクリル酸系モノマーとしては、例えば、メタクリル酸;メタクリル酸にアクリル酸を付加したもの;メタクリル酸を開始基としてε−カプロラクトンなどを数モル開環反応させて得られるモノマー;メタクリル酸2−ヒドロキシエチルやメタクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどの水酸基含有メタクリレートに、フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マレイン酸、コハク酸、これらの酸無水物、これらの酸クロライドなどの二塩基酸を反応させて得られる、二塩基酸やトリメリット酸などの多価カルボキシ化合物のハーフエステル型メタクリレート;グリシジルメタクリレートに二塩基酸を反応させたものなどを挙げることができる。
本発明の水酸化鉱物分散体にフィラー分散剤として用いるA−Bブロックコポリマー(本発明のA−Bブロックコポリマー)は、その数平均分子量や分子量分布などが特定の範囲内に規定されている。このため、A−Bブロックコポリマーは、リビングラジカル重合によって製造することが、分子量や分子量分布などをより正確に制御できるために好ましい。より具体的には、本発明のA−Bブロックコポリマーの製造方法は、重合開始化合物及び触媒の存在下、前述のメタクリル酸系モノマーを用いてリビングラジカル重合する工程(重合工程)を有する。重合開始化合物は、ヨウ素及びヨウ素化合物の少なくともいずれかである。また、触媒は、ハロゲン化リン、フォスファイト系化合物、フォスフィネート化合物、イミド系化合物、フェノール系化合物、ジフェニルメタン系化合物、及びシクロペンタジエン系化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物である。
「主鎖のポリマーの理論分子量」=「重合開始化合物1モル」×「モノマーの分子量」×「モノマーのモル数/重合開始化合物のモル数」 ・・・(1)
一般的に、水酸化鉱物は親水性であるため親水性媒体中に分散しやすいが、疎水性媒体では表面を湿潤させにくく、分散させることが困難である。本発明の水酸化鉱物分散体において効果が発揮される分散媒体は、水酸化鉱物を分散させることが一般的には困難な非水系分散媒体である。本発明の水酸化鉱物分散体に用いる非水系分散媒体は、25℃の水への溶解度が20g/L以下である非プロトン性有機溶媒、又は熱可塑性樹脂である。非プロトン性有機溶媒の具体例としては、ヘキサン、ヘプタン、ドデカン、イソパラフィン、シクロヘキサン、ナフテン系溶剤、エチルベンゼン、スチレンなどの炭化水素系溶媒;アセトン以外の、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのアルキルケトン;酢酸エチル、酢酸ブチル、酪酸メチルなどのエステル系溶媒;アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチルなどの、紫外線又は電子線硬化型インクなどに使用されるビニル系モノマー;ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒;ジメチルシロキサンなどのシリコーン系溶媒などを挙げることができる。
本発明の水酸化鉱物分散体には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、従来公知の添加剤を含有させてもよい。用いることができる添加剤としては、例えば、相溶化剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、滑剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、抗菌剤、香料、帯電防止剤、導電剤、防曇剤、金属粉末、染料、顔料、界面活性剤、ナノファイバー類、粘度調整剤、伝熱剤、磁性体、ガラス粉末、クレイや木片などの天然材料、可塑剤、難燃剤、赤外線吸収剤、遠赤外線吸収剤、熱線反射剤、難溶性無機塩、ガラス繊維、炭素繊維などを挙げることができる。
本発明の水酸化鉱物分散体は、分散機等を使用し、従来公知の方法によって各成分を混合及び分散させることによって調製することができる。非水系分散媒体として液媒体を用いる場合、分散機としては、例えば、ニーダー、二本ロール、三本ロール、ミラクルKCK(浅田鉄鋼社製、商品名)などの混練機;超音波分散機;マイクロフルイダイザー(みずほ工業社製、商品名)、ナノマイザー(吉田機械興業社製、商品名)、スターバースト(スギノマシン社製、商品名)、G−スマッシャー(リックス社製、商品名)などの高圧ホモジナイザーなどを使用することができる。また、ガラスやジルコンなどのビーズメディアを用いる場合には、ボールミル、サンドミル、横型メディアミル分散機、コロイドミルなどを使用することができる。
次に、本発明の有機無機複合材料について説明する。本発明の有機無機複合材料は、水酸化鉱物及びポリマーを含有する。水酸化鉱物は、前述の水酸化鉱物分散体に用いるものと同一であり、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化水酸化鉄、及び水酸化鉄からなる群より選択される少なくとも一種である。そして、ポリマーが、前述の水酸化鉱物分散体にフィラー分散剤として用いるA−Bブロックコポリマーである。
(合成例1)
撹拌機、逆流コンデンサー、温度計、及び窒素導入管を取り付けた2Lセパラブルフラスコに、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル(BDG)385.8部、ヨウ素5.1部、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−70)18.5部、ジフェニルメタン(DPM)0.9部、及びメタクリル酸メチル(MMA)250.3部を入れ、45℃に加温して2時間撹拌した。ヨウ素の褐色が消えたことから、V−70がヨウ素と反応し、重合開始化合物であるヨウ素化合物が形成されたことを確認した。45℃で3時間重合した後、反応溶液の一部をサンプリングして固形分を測定したところ、41.5%であった。また、測定した固形分に基づき算出した重合率は、ほぼ100%であった。以上のようにして、Aポリマーブロックの溶液を得た。テトラヒドロフラン(THF)を展開溶媒とするGPCにて測定したAポリマーブロックの数平均分子量(Mn)は5,700であり、分子量分布(PDI)は1.25であった。なお、GPCの検出器としては示差屈折率検出器を使用した。
43.1/(43.1+64.7)=0.3998(部)
(0.3998/86.1)×56.1×1000=260.5(mgKOH/g)
前述の合成例1で用いたものと同様のフラスコに、BDG439.6部、ヨウ素5.1部、V−70 18.5部、DPM0.9部、MMA100.1部、及びメタクリル酸シクロヘキシル(CHMA)252.5部を入れ、45℃に加温して2時間撹拌した。45℃で5時間重合した後、反応溶液の一部をサンプリングして固形分を測定したところ、46.0%であった。また、測定した固形分に基づき算出した重合率は、ほぼ100%であった。以上のようにして、Aポリマーブロックの溶液を得た。AポリマーブロックのMnは8,800であり、PDIは1.26であった。
前述の合成例1で用いたものと同様のフラスコに、BDG655.5部、ヨウ素5.1部、V−70 18.5部、DPM0.9部、BzMA352.4部、メタクリル酸ブチル(BMA)71.1部、及びメタクリル酸2−エチルヘキシル(EHMA)74.4部を入れ、45℃に加温して撹拌した。45℃で5時間重合した後、反応溶液の一部をサンプリングして固形分を測定したところ、44.1%であった。また、測定した固形分に基づき算出した重合率は、ほぼ100%であった。以上のようにして、Aポリマーブロックの溶液を得た。AポリマーブロックのMnは13,500であり、PDIは1.31であった。
前述の合成例1で用いたものと同様のフラスコに、BDG490.7部、ヨウ素5.1部、V−70 18.5部、DPM0.9部、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(製品名「FA−512M」(FA−512M)、日立化成社製)393.0部を入れ、45℃に加温して撹拌した。45℃で5時間重合した後、反応溶液の一部をサンプリングして固形分を測定したところ、45.9%であった。また、測定した固形分に基づき算出した重合率は、ほぼ100%であった。以上のようにして、Aポリマーブロックの溶液を得た。AポリマーブロックのMnは9,700であり、PDIは1.28であった。
前述の合成例1で用いたものと同様のフラスコに、BDG578.1部、ヨウ素5.1部、V−70 18.5部、DPM0.9部、及びメタクリル酸ステアリル(SMA)338.6部を入れ、45℃に加温して撹拌した。45℃で5時間重合した後、反応溶液の一部をサンプリングして固形分を測定したところ、37.5%であった。また、測定した固形分に基づき算出した重合率は、ほぼ100%であった。以上のようにして、Aポリマーブロックの溶液を得た。AポリマーブロックのMnは8,400であり、PDIは1.21であった。
前述の合成例1で用いたものと同様のフラスコにBDG455.1部を入れ、70℃に加温した。別容器に予め調製しておいた、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65)10部を溶解させたMMA250.3部、及びMAA43.1部を含有するモノマー溶液を、上記のフラスコ内に1.5時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに70℃で5時間重合させてポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液の固形分は40.3%であった。ポリマー溶液中のポリマーのMnは9,300であり、PDIは2.03であり、酸価(実測値)は95.8mgKOH/gであった。
(参考例1)
3Lビーカーに水酸化酸化アルミニウム(商品名「DISPERAL」、SASOL社製、数平均粒子径10nm)100部、及びイオン交換水1,750部を入れ、ディゾルバーを用いて撹拌混合した。次いで、合成例1で調製したMAP−1 99.8部を添加し、2,000rpmで30分間よく混合して水酸化酸化アルミニウムのスラリーを得た。得られたスラリーのpHは8.3であった。その後、10%酢酸水溶液50.2部(MAP−1中のA−Bブロックコポリマーの酸価の1.5倍モル)を添加した。なお、酢酸水溶液の添加途中でスラリー全体が著しく増粘し、樹脂とともに水酸化酸化アルミニウムが析出したことを確認した。酢酸水溶液添加後の増粘したスラリーのpHは4.6であった。増粘したスラリーを水浴にて加温して内温を70℃とし、30分間維持して析出物を十分に凝集させた。ヌッチェでろ過した後、イオン交換水1Lで3回洗浄し、樹脂処理した水酸化酸化アルミニウムペーストを得た。乾燥機を使用して得られたペーストを80℃で24時間乾燥した後、粉砕機で粉砕し、50メッシュ通しして粗粒を取り除いて、有機無機複合材料(VA−1)を得た。
表3に示す配合としたこと以外は前述の参考例1と同様にして、有機無機複合材料を調製した。表3中、水酸化鉱物のカッコの中の数字は数平均粒子径(nm)を示す。
(実施例6〜11、比較例3)
表4に示す種類及び量(部)の各成分を配合し、ディゾルバーを用いて2時間撹拌した。水酸化鉱物の塊がなくなったことを確認した後、横型メディア分散機を使用して分散処理して水酸化鉱物分散体を得た。表4中の略号の意味を以下に示す。
PGMAc:プロピレングリコールモノメチルエーテル(水溶解度(25℃):16g/L)
アイソパーM:イソパラフィン炭化水素(エクソンモービル社製、水溶解度(25℃):1g/L以下)
MMA:メタクリル酸メチル(水溶解度:1g/L以下)
調製した水酸化鉱物分散体中の水酸化鉱物の数平均粒子径の測定結果を表5に示す。また、水酸化鉱物分散体の初期の粘度、及び水酸化鉱物分散体を45℃で1日間放置した後の粘度(保存後の粘度)の測定結果を表5に示す。なお、水酸化鉱物分散体の粘度は、E型粘度計を使用し、60rpm、25℃の条件で測定した。
(参考例12)
3Lビーカーに、合成例1で調製したMAP−1 249.4部、及びイオン交換水1,750.6部を入れ、ディゾルバーを用いて混合撹拌して、固形分5%の水溶液を得た。得られた水溶液のpHは8.6であった。この水溶液に10%酢酸水溶液125.6部添加して樹脂スラリーを得た。なお、酢酸水溶液の添加途中でスラリー全体が著しく増粘し、樹脂が析出したことを確認した。得られた樹脂スラリーのpHは4.7であった。樹脂スラリーを水浴にて加温して内温を70℃とし、30分間維持して析出した樹脂を十分に凝集させた。ヌッチェでろ過した後、イオン交換水1Lで3回洗浄して樹脂ペーストを得た。得られた樹脂ペーストを80℃で24時間乾燥して樹脂パウダー−1を得た。
(実施例13、14)
表6に示す種類及び量(部)の各成分を配合し、ディゾルバーを用いて2時間撹拌した。水酸化鉱物の塊がなくなったことを確認した後、横型メディア分散機を使用して分散処理して水酸化鉱物分散体を得た。
調製した水酸化鉱物分散体中の水酸化鉱物の数平均粒子径の測定結果を表7に示す。また、水酸化鉱物分散体の初期の粘度、及び水酸化鉱物分散体を45℃で1日間放置した後の粘度(保存後の粘度)の測定結果を表7に示す。なお、水酸化鉱物分散体の粘度は、E型粘度計を使用し、60rpm、25℃の条件で測定した。
(応用例1)
参考例1で得たVA−1 10部、及びメタクリル酸メチル樹脂(比重1.5、MFR2g/min)のペレット132.8部を混合した後、小型ニーダーを使用して250℃で十分溶融混合した。次いで、2軸押出機を用いて押し出した後、造粒して、水酸化酸化アルミニウムを5%含有するペレットを得た。ラボ成型機を使用し、得られたペレットを用いてプレートを作製した。作製したプレートの表面及び断面を薄く裁断して電子顕微鏡で観察したところ、水酸化酸化アルミニウムが均一に分散していることが確認された。
参考例4で得たVC−1 10部、及び低密度ポリエチレン(比重0.918、MFR12g/min)233.3部を、2軸押出機(日本製鋼所社製、TEX30mm)を使用して処理温度180℃で溶融混練し、造粒してペレットを得た。インフレーション成型機を使用し、得られたペレットを用いて、水酸化カルシウムを2.0%含有するフィルムシートを成型した。このフィルムシートをプレス機にてプレスし、厚さ約20μmのシートを作製した。作製したシートを光学顕微鏡にて観察したところ、水酸化カルシウムの凝集物は認められず、均一に分散していることが確認された。
参考例5で得たVA−2を使用したこと以外は、前述の応用例2と同様にして、水酸化酸化アルミニウムを2.0%含有するフィルムシートを成型するとともに、厚さ約20μmのシートを作製した。作製したシートを光学顕微鏡にて観察したところ、水酸化酸化アルミニウムの凝集物は認められず、均一に分散していることが確認された。
比較例2で得たRVC−1を使用したこと以外は、前述の応用例2と同様にして、水酸化カルシウムを2.0%含有するフィルムシートを成型するとともに、厚さ約20μmのシートを作製した。作製したシートを光学顕微鏡にて観察したところ、約50μmの凝集物が多数認められた。これは、水酸化鉱物への吸着部が全体に点在しているランダム構造のポリマー(RM−1)で水酸化カルシウムを処理したため、水酸化カルシウムへのポリマーの吸着力が弱かったためであると考えられる。
(応用例4)
反応容器に窒素ガスを流しながら、実施例11で得たDA−3 49.5部、及びV−65 0.5部を添加した。70℃で5時間塊状重合して、約1.5cm角のポリメタクリル酸メチル(PMMA)成形体を得た。得られた成形体には、重合によって引き起こされる体積収縮が生じてもクラックは生成しなかった。また、分散系が壊れることなく重合が進行し、途中で凝集が生ずることもなかった。
Claims (3)
- 水酸化鉱物、非水系分散媒体、及び前記非水系分散媒体中に前記水酸化鉱物を分散させるフィラー分散剤を含有する水酸化鉱物分散体であって、
前記水酸化鉱物が、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化水酸化鉄、及び水酸化鉄からなる群より選択される少なくとも一種であり、
前記フィラー分散剤が、メタクリル酸系モノマーに由来する構成単位を90質量%以上含有するとともに、数平均分子量が4,000以上20,000以下であり、かつ、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が1.6以下である、Aポリマーブロック及びBポリマーブロックを含むA−Bブロックコポリマーであり、
前記Aポリマーブロックは、アルキルメタクリレート、シクロアルキルメタクリレート、アルキルシクロアルキルメタクリレート、アリールメタクリレート、アリールアルキルメタクリレート、アルコキシアルキルメタクリレート、シクロアルコキシアルキルメタクリレート、シクロアルケノキシアルキルメタクリレート、及びアリーロキシアルキルメタクリレートからなる群より選択される少なくとも一種に由来する構成単位を80質量%以上含有するとともに、数平均分子量が3,000以上15,000以下であり、かつ、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が1.5以下であり、
前記Bポリマーブロックは、カルボキシ基を有するメタクリル酸系モノマーに由来する構成単位を含有するとともに、酸価が100mgKOH/g以上652mgKOH/g以下であり、かつ、数平均分子量が前記Aポリマーブロックの数平均分子量以下であり、
前記非水系分散媒体が、25℃の水への溶解度が20g/L以下である非プロトン性有機溶媒、又は熱可塑性樹脂である水酸化鉱物分散体。 - 前記水酸化鉱物の含有量が5〜50質量%であり、
前記水酸化鉱物の数平均粒子径が500nm以下であり、
前記水酸化鉱物100質量部に対する、前記フィラー分散剤の含有量が、20〜200質量部である請求項1に記載の水酸化鉱物分散体。 - 請求項1又は2に記載の水酸化鉱物分散体の製造方法であって、
有機無機複合材料を、前記非水系分散媒体中に分散させる工程を有し、
前記有機無機複合材料が、水酸化鉱物及びポリマーを含有し、
前記水酸化鉱物が、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化水酸化鉄、及び水酸化鉄からなる群より選択される少なくとも一種であり、
前記ポリマーが、メタクリル酸系モノマーに由来する構成単位を90質量%以上含有するとともに、数平均分子量が4,000以上20,000以下であり、かつ、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が1.6以下である、Aポリマーブロック及びBポリマーブロックを含むA−Bブロックコポリマーであり、
前記Aポリマーブロックは、アルキルメタクリレート、シクロアルキルメタクリレート、アルキルシクロアルキルメタクリレート、アリールメタクリレート、アリールアルキルメタクリレート、アルコキシアルキルメタクリレート、シクロアルコキシアルキルメタクリレート、シクロアルケノキシアルキルメタクリレート、及びアリーロキシアルキルメタクリレートからなる群より選択される少なくとも一種に由来する構成単位を80質量%以上含有するとともに、数平均分子量が3,000以上15,000以下であり、かつ、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が1.5以下であり、
前記Bポリマーブロックは、カルボキシ基を有するメタクリル酸系モノマーに由来する構成単位を含有するとともに、酸価が100mgKOH/g以上652mgKOH/g以下であり、かつ、数平均分子量が前記Aポリマーブロックの数平均分子量以下である水酸化鉱物分散体の製造方法。
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