JP6561973B2 - コイル部品を樹脂モールド成形する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、トランス装置などに用いられるコイル部品を絶縁性樹脂でモールド成形する方法に関する。
特許文献1には、平角銅線などの導体板を複数巻回して形成された構造を有したコイル部品(縦巻コイル)を、絶縁性を有する熱可塑性樹脂などでモールド成形したトランス装置(モールドコイル)が、開示されている。
特開平10−303036号公報
例えば、図5(a)に示すような導体板を1回巻回して形成された第1コイル121と導体板を1回巻回して形成された第2コイル122とが連結された構造のコイル部品125を、第1コイル121と第2コイル122との間に基板を挟むための所定の空間を設けて樹脂モールド成形する場合、成形圧によるコイル部品125の変形を防止して、第1コイル121と第2コイル122との位置精度を確保する必要がある。
この対策としては、例えば、樹脂モールド成形用の金型に、第1コイル121を両面から保持する押えピンおよび第2コイル122を両面から保持する押えピンをそれぞれ設置し、押えピンで各コイルを保持した状態のまま成形を実施することで、成形圧によりコイル部品125が変形して第1コイル121と第2コイル122との位置精度が悪化してしまうことを防ぐ方法が考えられる。
しかしながら、上述した方法の場合、成形後に金型から取り外された樹脂モールド成形後のコイル部品125には、図5(b)および図6に示すように、押えピンが設置されていた位置に第1コイル121および第2コイル122が露出するピンホール124pが残る。このピンホール124pが残ることによって、コイル部品125と他の部品との間の絶縁性、例えば第1コイル121および第2コイル122とこれらコイルの空間124gに挿入される基板110との絶縁性を、確保することが困難となる。
ここで、上記ピンホール124pを蓋などの別部品で埋める対応策も考えられる。しかし、この場合、別部品による部品点数の増加や、ピンホール124pに別部品を埋めるための樹脂モールド成形工程とは異なる新たな工程(接着剤接合、振動溶着、超音波溶着、レーザー溶着などの工程)の追加、が生じる。このため、コイル部品を樹脂モールド成形するための製造コストが上昇するといった問題がある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、製造コストの上昇を抑制しつつ、コイル部品と他の部品との間の絶縁性を確保することができる、コイル部品を樹脂モールド成形する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、導体板を1回以上巻回して形成された第1コイルと導体板を1回以上巻回して形成された第2コイルとが連結されたコイル部品を、第1コイルと第2コイルとの間に基板を挟んで基板に実装される形状に樹脂モールド成形する方法であって、外縁部の少なくとも一部を露出させた状態で第1コイルを絶縁性樹脂で覆った略環状の第1樹脂部を成形すると共に、外縁部の少なくとも一部を露出させた状態で第2コイルを絶縁性樹脂で覆った略環状の第2樹脂部を成形する、一次成形工程と、第1コイルの露出している外縁部を絶縁性樹脂で覆いつつ第1樹脂部と接合される略環状の第3樹脂部を成形すると共に、第2コイルの露出している外縁部を絶縁性樹脂で覆いつつ第2樹脂部と接合される略環状の第4樹脂部を成形する、二次成形工程と、を含み、一次成形工程では、第1樹脂部のうち基板を挟む側となる部分の外周に凸形状の第1溶着リブを成形すると共に、第2樹脂部のうち基板を挟む側となる部分の外周に凸形状の第2溶着リブを成形し、二次成形工程では、第1溶着リブを溶融させて第1樹脂部と第3樹脂部との界面を溶着すると共に、第2溶着リブを溶融させて第2樹脂部と第4樹脂部との界面を溶着する、ことを特徴とする。
この本発明の一態様では、一次成形工程において、第1樹脂部のうち基板を挟む側となる部分の外周に凸形状の第1溶着リブを成形し、また第2樹脂部のうち基板を挟む側となる部分の外周に凸形状の第2溶着リブを成形する。そして、二次成形工程において、一次成形工程で成形した第1溶着リブを溶融させて第1樹脂部と第3樹脂部との界面で樹脂部同士を溶着し、また一次成形工程で成形した第2溶着リブを溶融させて第2樹脂部と第4樹脂部との界面で樹脂部同士を溶着する。
これにより、成形後のコイル部品において、第1コイルの第1樹脂部と第3樹脂部とを隙間なく密着させることができ、かつ、第2コイルの第2樹脂部と第4樹脂部とを隙間なく密着させることができる。従って、コイル部品と他の部品との間の絶縁性を確保することができる。具体的には、第1コイルおよび第2コイルと、第1コイルと第2コイルとの間に挟まれる基板との、絶縁性を確保することができる。
また、本発明の一態様では、一次成形工程で成形した溶着リブを、二次成形工程で溶融させて樹脂部間の界面で樹脂部同士を溶着しているので、従来のようにピンホールを埋めるための別部品などが不要となる。よって、コイル部品を樹脂モールド成形するための製造コストの上昇を抑制することができる。
さらに、本発明の一態様では、二次成形工程を、一次成形工程と同じ絶縁性樹脂をインサートしてコイル部品をモールド成形する工程としているため、一次成形工程とは異なる新たな工程(接着剤接合、振動溶着、超音波溶着、レーザー溶着などの工程)の追加が不要となる。よって、コイル部品を樹脂モールド成形するための製造コストの上昇を抑制することができる。
以上述べたように、本発明のコイル部品を樹脂モールド成形する方法によれば、コイル部品の製造コストの上昇を抑制しつつ、コイル部品と他の部品との間の絶縁性を確保することができる。
本発明の一実施形態に係る樹脂モールド成形する方法を適用可能なコイル部品を構成に含むトランス装置の一例を示す図 図1に示す第2コイル部の詳細な構造を説明する図 本発明の一実施形態に係るコイル部品を樹脂モールド成形する方法を説明する図 図3のコイル部品におけるA方向矢視図 図3のコイル部品におけるB−B線断面図 従来のコイル部品を樹脂モールド成形する方法の一例を説明する図 図5のコイル部品におけるC−C線断面図
[概要]
本発明のコイル部品を樹脂モールド成形する方法は、位置精度を確保するためにコイル部品の一部をモールドする一次成形工程において、溶着リブを設けておく。そして、二次成形工程においてコイル部品全体をモールドすると共に溶着リブを溶融させて、一次成形工程の成形樹脂部と二次成形工程の成形樹脂部との界面を隙間なく溶着する。これにより、成形品の界面での絶縁性が確保される。
[トランス装置の構造]
まず、図1および図2を参照して、本発明のコイル部品を樹脂モールド成形する方法を適用することが可能なトランス装置1の構造を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る樹脂モールド成形する方法を適用可能なコイル部品を構成に含んだトランス装置1の構造を、装置の構成部品を展開して説明する図である。図1に例示したトランス装置1は、第1コイル部11が形成された基板10、第2コイル部20、上側コア部30、および下側コア部40、の部品で構成されている。図2は、図1における第2コイル部20のさらに詳細な構造を説明する図である。
本発明の一実施形態に係る樹脂モールド成形する方法を適用可能なコイル部品は、本実施形態および図面で説明する「コイル部品25」に該当する。
本実施形態に係るトランス装置1は、これらの第2コイル部20、上側コア部30、および下側コア部40の構成部品が、図1に示した矢印の方向から矢印の番号順にそれぞれ基板10(第1コイル部11)に組み付けられて実装されることで形成される。
このようにして組み付けられたトランス装置1は、第1コイル部11と第2コイル部20とが、上側コア部30および下側コア部40を介して磁気結合された構造を有する素子となる。
・基板10および第1コイル部11
基板10は、電気を流通させる導体パターンが印刷されたプリント基板であり、実装部品などを導体パターンで配線接続して所定の電気回路を構成する。この基板10は、多層構造であっても、単層構造であってもよい。
基板10には、後述する下側コア部40の中脚部40aを挿通させる挿入孔12a、下側コア部40の外脚部40bを挿通させる挿入孔12b、および下側コア部40の外脚部40cを挿通させる挿入孔12cが、それぞれ設けられている。
また、基板10の挿入孔12aの周囲には、平面状に1回以上巻回されてなる渦巻き状の導体パターンが形成されている。基板10が多層構造である場合には、各層において渦巻き状の導体パターンが形成されてもよい。この渦巻き状の導体パターンによる第1コイル部11は、トランス装置1における高圧側のコイルを構成する。
また、基板10には、後述する第2コイル部20の連結部24cが挿嵌されるスリット13が設けられている。このスリット13は、連結部24cを奥の端部13wに当接するまで挿入して嵌合させることによって、第1コイル部11の巻心と第2コイル部20の巻心とを一致させる位置決めを、簡単に実現できるように形成されている。
・第2コイル部20
第2コイル部20は、トランス装置1における低圧側のコイルを構成する。この第2コイル部20は、図2に示すように、2つの第1コイル21と第2コイル22とを連結箇所23で繋げたコイル部品25を、絶縁性を有する熱可塑性樹脂(以下「絶縁性樹脂」という)24で覆った構造(樹脂モールド構造)をしている。
第1コイル21および第2コイル22は、それぞれ、例えば平角銅線などの導体板を1回巻回(エッジワイズ巻)して形成された、空心状のコイルである。第1コイル21と第2コイル22とは、コイル内径およびコイル外形を共に同じとして形成されている。この第1コイル21と第2コイル22とは、双方の巻心を一致させ、かつ、所定の間隔を空けて略平行に、連結箇所23で電気的に連結されている。所定の間隔は、後述する絶縁性樹脂24で覆われた上側リング24uと下側リング24dとの間に、所定の空間24gを設けることができる任意の寸法に設計される。
第1コイル21には、絶縁性樹脂24の外側に伸びる第1接続端子21tが接続されている。また、第2コイル22には、絶縁性樹脂24の外側に伸びる第2接続端子22tが接続されている。
第1コイル21は、その周囲を所定の厚みを持たせて絶縁性樹脂24で覆われることによって、コイル内径側に貫通孔を有した環状の上側リング24uを形成する。第2コイル22は、その周囲を所定の厚みを持たせて絶縁性樹脂24で覆われることによって、コイル内径側に貫通孔を有した環状の下側リング24dを形成する。また、第1コイル21と第2コイル22とを連結する連結箇所23も、その周囲を所定の厚みを持たせて絶縁性樹脂24で覆われることによって、連結部24cを形成する。
第1コイル21および第2コイル22は、上側リング24uと下側リング24dとの間に所定の空間24gが形成されるように、樹脂モールドされる。所定の空間24gは、例えば、基板10が挿入できて挟める寸法(基板10の厚み以上)に設計することができる。また、連結箇所23は、連結部24cが基板10に設けられたスリット13の幅以下の厚みとなるように、樹脂モールドされる。
この上側リング24uの空間24gと反対側の表面には、上側コア部30を嵌め込んで位置決めを行う、一対のV字状の上側ガイド部24urが立設されている。この上側ガイド部24urは、上側コア部30の外形が模られており、対向する内側の側面が上側コア部30の側面と当接する形状に形成される。
また、下側リング24dの空間24gと反対側の表面には、下側コア部40を嵌め込んで位置決めを行う、一対のV字状の下側ガイド部24drが立設されている。この下側ガイド部24drは、下側コア部40の外形が模られており、対向する内側の側面が下側コア部40の側面と当接する形状に形成される。より具体的には、下側ガイド部24drは、側面に沿って嵌め込まれる下側コア部40の中脚部40a、外脚部40b、および外脚部40cを、基板10に設けられた挿入孔12a、挿入孔12b、および挿入孔12cに案内できる位置に、立設される。
上述の上側ガイド部24urは、第2コイル部20に嵌め込まれる上側コア部30と下側コア部40との水平方向の位置を合わせることができる箇所に、立設される。より具体的には、上側ガイド部24urは、第2コイル部20の軸心方向において、下側ガイド部24drと一致する位置に立設される。
なお、図2の例では、コイル部品25の第1コイル21および第2コイル22を、導体板を1回巻回して形成した例を説明した。しかし、第1コイル21および第2コイル22は、導体板を2回以上巻回して形成してもよいし、第1コイル21と第2コイル22とが異なる巻回回数であってもよい。
・上側コア部30および下側コア部40
上側コア部30は、例えばフェライト材などの磁性材料で形成された、平面視で蝶型を有する平板状のいわゆるI形コアである。上側コア部30は、第2コイル部20の上側リング24u表面に立設された一対の上側ガイド部24urに嵌め込まれるように、一方の側面対の中央部が窪んで形成されている。
下側コア部40は、例えばフェライト材などの磁性材料で形成され、平面視で蝶型を有する平板状の本体部40pと、中脚部40aと、外脚部40bと、外脚部40cとを有する、いわゆるE型コアである。本体部40pは、第2コイル部20の下側リング24d表面に立設された一対の下側ガイド部24drに嵌め込まれるように、一方の側面対の中央部が窪んで形成されている。外脚部40bは、本体部40pの長手方向の一端部に、基板10の挿入孔12bに挿通可能に立設されている。外脚部40cは、本体部40pの長手方向の他端部に、基板10の挿入孔12cに挿通可能に立設されている。中脚部40aは、外脚部40bと外脚部40cとの間に、基板10の挿入孔12aに挿通可能に立設されている。中脚部40a、外脚部40b、および外脚部40cは、本体部40pから同じ高さで、端面が本体部40pと平行に形成されている。
この一対の上側コア部30と下側コア部40とは、上側コア部30の一方平面に下側コア部40の各脚部の端面を接合させることで、中脚部40aと外脚部40bおよび中脚部40aと外脚部40cとによって、第2コイル部20の巻線および第1コイル部11の巻線を貫く磁束が通る閉磁気回路(閉磁路)を形成する。
[樹脂モールド成形方法]
次に、図3、図4A、および図4Bを参照して、本実施形態に係るコイル部品を樹脂モールド成形する方法を説明する。本発明の方法では、一次成形工程と二次成形工程とに分けて、コイル部品25を、第1コイル21と第2コイル22との間に基板10を挟んで基板10に実装される形状に樹脂モールド成形する。
図3は、本発明の一実施形態に係るコイル部品25を樹脂モールド成形する方法を説明する図である。図4Aは、図3(b)に示す一次成形工程終了後におけるコイル部品25のA方向から見た矢視図である。図4Bは、図3(c)に示す二次成形工程終了後におけるコイル部品25(つまり、第2コイル部20)のB−B線で切断した断面図である。
(一次成形工程)
一次成形工程では、まず、絶縁性樹脂24を用いたモールド成形の実施中に生じる成形圧によってコイル部品25が変形して第1コイル21と第2コイル22との位置精度が悪化してしまうことを防ぐため、第1コイル21を両面から保持し、かつ、第2コイル22を両面から保持した状態で、樹脂モールド成形を行うことができるように、第1コイル21および第2コイル22の一部を絶縁性樹脂24で覆った形状の樹脂部を成形する。
本実施形態では、例えば、第1コイル21の外縁部21eを両面で保持し、かつ、第2コイル22の外縁部22eを両面で保持する(図4Aの矢印を参照)。これを実現するために、一次成形工程で、第1コイル21を保持する外縁部21eの少なくとも一部を露出させた状態で、第1コイル21を絶縁性樹脂24で覆った略環状の第1樹脂部24u1を成形すると共に、第2コイル22を保持する外縁部22eの少なくとも一部を露出させた状態で、第2コイル22を絶縁性樹脂24で覆った略環状の第2樹脂部24d1を成形する(図3(b)および図4Aを参照)。
これにより、第1コイル21の両面および第2コイル22の両面をそれぞれ保持した状態で、樹脂モールド成形を実施できるため、一次成形工程が終了して第1樹脂部24u1および第2樹脂部24d1が成形されたコイル部品25は、第1コイル21と第2コイル22との位置精度が悪化しない。
また、この一次成形工程では、次に、本一次成形工程で成形した樹脂部(第1樹脂部24u1および第2樹脂部24d1)とその後の二次成形工程によって成形する樹脂部(後述する第3樹脂部24u2および第4樹脂部24d2)との界面を隙間なく密着させるため、当該界面において樹脂部同士を溶着することができる手段を成形する。
本実施形態では、例えば、この界面における樹脂部同士の溶着を実現するために、一次成形工程では、第1樹脂部24u1のうち基板10を挟む側(つまり第2コイル22側)となる部分の外周に凸形状の微小な第1溶着リブ24uribを成形すると共に、第2樹脂部24d1のうち基板10を挟む側(つまり第1コイル21側)となる部分の外周に凸形状の微小な第2溶着リブ24dribを成形する(図4Aを参照)。この第1溶着リブ24uribおよび第2溶着リブ24dribは、一次成形工程で成形した樹脂部(第1樹脂部24u1および第2樹脂部24d1)とその後の二次成形工程によって成形する樹脂部との界面のいずれかにおいて、樹脂モールド成形された第1コイル21および第2コイル22を、外部(大気など)から遮断するために設けられる。
より具体的には、この第1溶着リブ24uribおよび第2溶着リブ24dribは、少なくとも絶縁性が必要な方向に設けられればよい。よって、本実施形態で例示する第2コイル部20のように第1コイル21(上側リング24u)と第2コイル22(下側リング24d)との間に基板10を挟む(挿入する)場合には、第1コイル21(上側リング24u)と基板10との間および第2コイル22(下側リング24d)と基板10との間に、それぞれ第1溶着リブ24uribおよび第2溶着リブ24dribが設けられる。なお、図4Aでは、第1樹脂部24u1の第2コイル22に向けて垂直に延びる壁の部分に第1溶着リブ24uribが、第2樹脂部24d1の第1コイル21に向けて垂直に延びる壁の部分に第2溶着リブ24dribが、それぞれ設けられている。
(二次成形工程)
二次成形工程では、上記一次成形工程後のコイル部品25において第1コイル21および第2コイル22の露出した部分を完全に樹脂モールドする形状の樹脂部を成形する。
本実施形態では、二次成形工程で、第1コイル21の露出している外縁部21eを絶縁性樹脂24で覆いつつ、第1樹脂部24u1と接合される略環状の第3樹脂部24u2を成形すると共に、第2コイル22の露出している外縁部22eを絶縁性樹脂24で覆いつつ、第2樹脂部24d1と接合される略環状の第4樹脂部24d2を成形する(図3(c)および図4Bを参照)。
この二次成形工程では、絶縁性樹脂24を用いたモールド成形中に、第1樹脂部24u1に設けられた第1溶着リブ24uribが溶融し、第1樹脂部24u1と第3樹脂部24u2との界面を溶着すると共に、第2樹脂部24d1に設けられた第2溶着リブ24dribが溶融し、第2樹脂部24d1と第4樹脂部24d2との界面を溶着する。これにより、第1コイル21の第1樹脂部24u1と第3樹脂部24u2とを隙間なく密着させることができ、かつ、第2コイル22の第2樹脂部24d1と第4樹脂部24d2とを隙間なく密着させることができる。
この第1樹脂部24u1と第3樹脂部24u2とが隙間なく密着した状態で樹脂モールドされた第1コイル21は、上側リング24uを構成する。また、第2樹脂部24d1と第4樹脂部24d2とが隙間なく密着した状態で樹脂モールドされた第2コイル22は、下側リング24dを構成する。
[実施形態の作用・効果]
以上のように、本発明の一実施形態に係るコイル部品25を樹脂モールド成形する方法によれば、一次成形工程において、外縁部21eの少なくとも一部を露出させた状態で第1コイル21を絶縁性樹脂24で覆った略環状の第1樹脂部24u1を成形すると共に、外縁部22eの少なくとも一部を露出させた状態で第2コイル22を絶縁性樹脂24で覆った略環状の第2樹脂部24d1を成形する。
よって、一次成形工程において、露出した外縁部21eおよび外縁部22eの箇所で第1コイル21の両面および第2コイル22の両面をそれぞれ保持しながら、コイル部品25の樹脂モールド成形を実施することができる。これにより、成形圧によってコイル部品25が変形して第1コイルと第2コイルとの位置精度が悪化してしまうことを防げる。
また、本発明の一態様では、一次成形工程において、第1樹脂部24u1のうち基板10を挟む側となる部分の外周に凸形状の微小な第1溶着リブ24uribを成形し、また第2樹脂部24d1のうち基板10を挟む側となる部分の外周に凸形状の微小な第2溶着リブ24dribを成形する。そして、二次成形工程において、一次成形工程で成形した第1溶着リブ24uribを溶融させて第1樹脂部24u1と第3樹脂部24u2との界面で樹脂部同士を溶着し、また一次成形工程で成形した第2溶着リブ24dribを溶融させて第2樹脂部24d1と第4樹脂部24d2との界面で樹脂部同士を溶着する。
これにより、樹脂モールド成形後のコイル部品25(つまり、第2コイル部20)において、第1コイル21の第1樹脂部24u1と第3樹脂部24u2とを隙間なく密着させることができ、かつ、第2コイル22の第2樹脂部24d1と第4樹脂部24d2とを隙間なく密着させることができる。
従って、コイル部品25と他の部品との間の絶縁性を確保することができる。より具体的には、第1コイル21および第2コイル22と、第1コイル21と第2コイル22との空間24gに挟まれる基板10の配線との、絶縁性を確保することができる。また、結露や被水(水こぼし)などによって第1樹脂部24u1と第3樹脂部24u2との界面や第2樹脂部24d1と第4樹脂部24d2との界面付近に水滴などが付着しても、毛細管現象で樹脂部同士の界面に水が浸入することを防止できるので、沿面距離が短くなって絶縁性が確保できなくなる虞がなくなる。よって、絶縁性を安定して確保することができる。
また、本発明の一態様では、一次成形工程で成形した第1溶着リブ24uribおよび第2溶着リブ24dribを二次成形工程で溶融させて各樹脂部間の界面で樹脂部同士を溶着させているので、従来のようにピンホールを埋めるための別部品などが不要となる。よって、コイル部品25を樹脂モールド成形するための製造コストの上昇を抑制することができる。
さらに、本発明の一態様では、二次成形工程を、一次成形工程と同じ絶縁性樹脂24をインサートしてコイル部品25をモールド成形する工程としているため、一次成形工程とは異なる新たな工程(接着剤接合、振動溶着、超音波溶着、レーザー溶着などの工程)の追加が不要となる。よって、コイル部品25を樹脂モールド成形するための製造コストの上昇を抑制することができる。
本発明の樹脂モールド成形する方法は、トランス装置などに用いられるコイル部品などに利用可能であり、特に製造コストの上昇を抑制しつつ、コイル部品と他の部品との間の絶縁性を確保したい場合などに有用である。
1 トランス装置
10 基板
11 第1コイル部
20 第2コイル部
21、121 第1コイル
22、122 第2コイル
21e、22e 外縁部
24 絶縁性樹脂
24u 上側リング
24d 下側リング
24u1 第1樹脂部
24d1 第2樹脂部
24u2 第3樹脂部
24d2 第4樹脂部
24urib 第1溶着リブ
24drib 第2溶着リブ
25 コイル部品
30 上側コア部
40 下側コア部

Claims (1)

  1. 導体板を1回以上巻回して形成された第1コイルと導体板を1回以上巻回して形成された第2コイルとが連結されたコイル部品を、当該第1コイルと当該第2コイルとの間に基板を挟んで基板に実装される形状に樹脂モールド成形する方法であって、
    外縁部の少なくとも一部を露出させた状態で前記第1コイルを絶縁性樹脂で覆った略環状の第1樹脂部を成形すると共に、外縁部の少なくとも一部を露出させた状態で前記第2コイルを絶縁性樹脂で覆った略環状の第2樹脂部を成形する、一次成形工程と、
    前記第1コイルの露出している外縁部を絶縁性樹脂で覆いつつ前記第1樹脂部と接合される略環状の第3樹脂部を成形すると共に、前記第2コイルの露出している外縁部を絶縁性樹脂で覆いつつ前記第2樹脂部と接合される略環状の第4樹脂部を成形する、二次成形工程と、を含み、
    前記一次成形工程では、前記第1樹脂部のうち前記基板を挟む側となる部分の外周に凸形状の第1溶着リブを成形すると共に、前記第2樹脂部のうち前記基板を挟む側となる部分の外周に凸形状の第2溶着リブを成形し、
    前記二次成形工程では、前記第1溶着リブを溶融させて前記第1樹脂部と前記第3樹脂部との界面を溶着すると共に、前記第2溶着リブを溶融させて前記第2樹脂部と前記第4樹脂部との界面を溶着する、
    ことを特徴とする、コイル部品を樹脂モールド成形する方法。
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