実施例1では、投影装置100の一例として、液晶パネルを用いたプロジェクタ100について説明する。なお、投影装置100は、ディスプレイ等の表示装置で合っても良い。図1は、プロジェクタ100の構成の一例を示すブロック図を示す。
プロジェクタ100は、CPU110、ROM111、RAM112、操作部113、画像入力部130及び画像処理部140を有する。さらに、プロジェクタ100は、液晶制御部150、液晶素子151R,151G,151B、光源制御部160、光源161、色分離部162、色合成部163、光学系制御部170及び投影光学系171を有する。さらに、プロジェクタ100は、記録再生部191、記録媒体192、通信部193、撮像部194、表示制御部195及び表示部196を有する。
CPU110は、プロジェクタ100の各部を制御する。ROM111は、CPU110で実行される制御プログラムを記憶する。RAM112は、CPU110のワークメモリとして一時的に制御プログラムやデータを格納する。また、CPU110は、記録再生部191により記録媒体192から再生された静止画データや動画データを一時的にRAM112に記憶し、ROM111に記憶されたプログラムを用いて、それぞれの画像や映像を再生処理できる。CPU110は、通信部193より受信した静止画データや動画データを一時的にRAM112に記憶し、ROM111に記憶されたプログラムを用いて、それぞれの画像や映像を再生することできる。また、CPU110は、撮像部194により得られた画像や映像を一時的にRAM112に記憶し、ROM111に記憶されたプログラムを用いて、静止画データや動画データに変換して記録媒体192に記録させることもできる。
操作部113は、ユーザの指示を受け付け、操作部113へ操作に応じた指示信号をCPU110に送信する。操作部113は、例えば、スイッチやダイヤル、及び表示部196上に設けられたタッチパネルなどからなる。操作部113は、リモコンからの無線信号を受信し、受信信号に基づいて所定の指示信号をCPU110に送信する信号受信部(赤外線受信部など)を含む。CPU110は、操作部113や通信部193から入力される制御信号に従い、プロジェクタ100の各部を制御する。
画像入力部130は、外部装置から映像信号を入力する手段であり、例えば、コンポジット端子、S映像端子、D端子、コンポーネント端子、アナログRGB端子、DVI−I端子、DVI−D端子またはHDMI(登録商標)端子等を含む。画像入力部130は、アナログ映像信号をデジタル映像信号に変換する変換手段を有する。画像入力部130は、入力した映像信号を画像処理部140に送信する。画像入力部130は、通信ケーブルを介して映像信号を外部装置から受信するものであってもよく、無線通信により外部装置から映像信号を受信するものであっても良い。外部装置は、映像信号を出力できるものであれば、パーソナルコンピュータ、カメラ、携帯電話、スマートフォン、ハードディスクレコーダ又はゲーム機などであってもよい。
画像処理部140は、画像入力部130により入力された映像信号に対して、フレーム数、画素数及び画像形状などの変更処理を行って液晶制御部150に供給する。画像処理部140は、フレーム間引き処理、フレーム補間処理、解像度変換処理及び歪み補正処理(キーストン補正処理)等の処理を実行可能である。また、画像処理部140は、画像入力部130から受信した映像信号以外にも、CPU110によって再生された画像や映像に対して前述の変更処理を施すこともできる。
液晶制御部150は、画像処理部140から供給される1フレームの映像信号に応じて、液晶素子(表示手段)151R,151G,151Bの画素単位の透過率を制御する。液晶制御部150は、画像処理部140で処理された映像信号のR(赤色)信号に応じて液晶素子151Rを駆動し、G(緑色)信号に応じて液晶素子151Gを駆動し、B(青色)信号に応じて液晶素子151Bを駆動する。色分離部162は、光源161からの白色照明光を赤色光、緑色光及び青色光に分離し、分離された照明光を液晶素子151R,151G,151Bに供給する。これにより、液晶素子151Rは、表示対象となるRGB画像の赤色画像を表示し、液晶素子151Gは、表示対象となるRGB画像の緑色画像を表示し、液晶素子151Bは、表示対象となるRGB画像の青色画像を表示する。液晶素子151R,151G,151Bはそれぞれ、色分離部162で分離された照明光を空間強度変調してそれぞれの色の光学画像を生成する光変調手段である。
液晶素子(液晶表示パネル)151R,151G,151Bはそれぞれ、投影すべき画像を表示する画像表示領域より大きな表示可能領域を有する表示手段である。表示可能領域は、各液晶素子が画像を表示することができる領域であり、画像表示領域は、各液晶素子が画像を表示する領域である。画像表示領域は、表示可能領域に含まれ、画像表示領域の大きさは、表示可能領域の大きさ以下である。液晶素子151R(第1の表示手段)には、赤色(R)の光が入射され、液晶素子151G(第2の表示手段)には、緑色(G)の光が入射され、液晶素子151B(第3の表示手段)には、青色(B)の光が入射される。液晶制御部150は、各液晶素子151R,151G,151Bの表示可能領域内における画像表示領域の位置を制御する表示位置制御手段としての機能を具備する。詳細は後述するが、本実施例は、この機能を使って液晶素子(液晶表示パネル)151R,151G,151Bの表示画像間の色ずれの手動調整を可能とする。
光源制御部160は、光源161がオンまたはオフとなるように制御し、光源161がオンである場合における光量を制御する。光源161は、液晶素子151R,151G,151Bの照明光を生成する。光源161は、例えば、ハロゲンランプ、キセノンランプ又は高圧水銀ランプなどを含む。光源161の出力光は、色分離部162に供給される。光源161の出力光は、色分離部162によって赤色用、緑色用及び青色用に分離または分割され、各分離光が液晶素子151R,151G,151Bに入射する。色分離部162は、光源161の出力光を赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)に分離する素子であり、例えば、ダイクロイックミラーやプリズムなどを含む。なお、光源161として、各色に対応する光を出力するLED等を使用する場合、色分離部162は不要となる。
色合成部163は、液晶素子151R,151G,151Bの透過光を合成する。これにより、表示対象となる画像の本来の色を示す光学画像が生成される。色合成部163は、液晶素子151R、151G、151Bを透過した赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の光学画像を空間的に合成する素子であり、例えば、ダイクロイックミラーやプリズムなどを含む。色合成部163により合成された光学画像はフルカラーの画像であり、投影光学系171により不図示のスクリーンに投影される。本実施例では、後述するように、液晶素子151R,151G,151Bの横方向での相対的位置関係を手動で調整できる。
投影光学系171は、複数のレンズ及びレンズ駆動用アクチュエータを含み、レンズをアクチュエータにより駆動することで、スクリーンに投影される投影画像の拡大、縮小及び焦点調整などを行う。光学系制御部170は、投影光学系171の倍率及び焦点を制御する。
記録再生部191は、記録媒体192から静止画データや動画データを再生し、撮像部194により得られた画像や映像の静止画データや動画データをCPU110から受信して記録媒体192に記録する。記録再生部191はまた、通信部193により受信される静止画データや動画データを記録媒体192に記録する。記録媒体192は、静止画データ、動画データ、及びプロジェクタ100を制御する制御データなどを記録できる。記録媒体192は、プロジェクタ100に着脱可能な記録媒体であっても、プロジェクタ100に内蔵された記録媒体であってもよい。
通信部193は外部機器と通信し、外部機器から制御信号、静止画データ及び動画データなどを受信する。通信部193は例えば、無線LAN、有線LAN、USB又はBluetooth(登録商標)などを利用でき、通信方式は特定のものに限定されない。画像入力部130の端子が例えばHDMI(登録商標)端子である場合、通信部193は、その端子を介してCEC通信を行うものであっても良い。外部機器は例えば、パーソナルコンピュータ、カメラ、携帯電話、スマートフォン、ハードディスクレコーダ、ゲーム機又はリモコンなどである。
撮像部194は、投影光学系171により不図示のスクリーンに投影された画像を撮影する。撮像部194は、撮影画像データをCPU110に送信する。CPU110は、撮像部194からの画像データを一時的にRAM112に記憶し、ROM111に記憶されたプログラムに基づいて、静止画データ又は動画データに変換する。撮像部194は、光学像を画像信号に変換する撮像素子、被写体の光学像を撮像素子に入射するレンズ、レンズを駆動するアクチュエータ、アクチュエータを制御するマイクロプロセッサ、撮像素子の出力画像信号をデジタル信号に変換するAD変換部などを含む。なお、撮像部194は、例えば、不図示のスクリーンとは逆方向の視聴者側を撮影するものであっても良い。
表示制御部195は、プロジェクタ100を操作するための操作画面やスイッチアイコン等の画像を表示部196に表示させる。表示部196は、例えば、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、有機ELディスプレイまたはLEDディスプレイであっても良い。また、表示部196は、特定のボタンをユーザに認識可能に掲示するために、各ボタンに対応するLED等を発光させるものであってもよい。
図2は、画像処理部140の構成の一例を示すブロック図である。画像処理部140は、各種画像処理部210、OSD重畳部220及びマーカー重畳部230を有する。
元画像信号s201は、画像入力部130、記録再生部191及び通信部193のいずれか一つから画像処理部140に入力される。タイミング信号s202は、元画像信号s201に同期した垂直同期信号、水平同期信号またはクロックなどのタイミング信号であって、元画像信号s201の供給元である画像入力部130、記録再生部191及び通信部193のいずれか一つから供給される。画像処理部140内の各部は、タイミング信号s202に基づいて動作するが、画像処理部140の内部でタイミング信号を作り直して使用してもよい。
各種画像処理部210は、CPU110と連携して動作し、元画像信号s201に各種画像処理を施し、生成した画像処理信号s203をOSD重畳部220に出力する。各種画像処理は例えば、IP変換、フレームレート変換、解像度変換、γ変換、色域変換、色補正及びエッジ強調などである。
OSD重畳部220は、CPU110の指示により、操作部113や不図示のリモコンからの情報に応じた調整用メニューをOSD画像として画像処理信号s203に重畳することによって、OSD重畳信号s204を生成する。OSD重畳部220は、生成したOSD重畳信号s204をマーカー重畳部230に出力する。
マーカー重畳部230は、CPU110の指示により、操作部113や通信部193から受信する制御信号に応じて、所定のマーカーをOSD重畳信号s204に重畳し、マーカー重畳信号s205を生成する。
画像処理部140は、上記のように生成されたマーカー重畳信号s205を液晶制御部150に供給し、液晶制御部150は、マーカー重畳信号s205に応じた画像を液晶素子151R、151G、151Bに表示させる。
プロジェクタ100によって行われる調整処理を説明する。ここでの調整処理とは、ユーザに色ずれを調整させるために、プロジェクタ100によって行われる処理である。調整処理が行われる場合、ユーザの操作に応じて、色ずれは、電気的に補正される。色ずれを電気的に補正する処理は、レジストレーション調整または画素ずれ調整等と呼ばれる。以下、実施例1では、色ずれを電気的に補正する処理を「レジ調整」と呼ぶ。
図3は、CPU110によって実行される調整処理の一例を示すフローチャートである。なお、図3に示す調整処理は、調整用メニューを表示するようにユーザが操作部113を操作した場合に実行される。
S301で、CPU110は、ユーザが操作部113を操作することによって、プロジェクタ100がレジ調整モードに遷移した否かを判断する。CPU110は、プロジェクタ100がレジ調整モードに遷移した場合(S301でYes)、S302へ遷移する。レジ調整モードとは、ユーザによって行われた操作に応じて、色ずれを電気的に補正するためのモードである。
色ずれを低減するためには、以下のような操作をユーザが行う必要がある。まず、ユーザは、操作部113を操作することによって、液晶素子151R、液晶素子151G及び液晶素子151Bのいずれか一つを選択する。その後、ユーザは、操作部113を操作することによって、選択した液晶素子における画像表示領域の位置を、選択されていない他の二つの液晶素子の画像表示領域の位置に合わせる必要がある。しかしながら、ユーザは、選択されていない他の二つの液晶素子の画像表示領域の位置を知ることができなかったので、選択した液晶素子における画像表示領域の位置をうまく調整することができなかった。そこで、CPU110は、S302及びS303を実行することによって、ユーザの操作を容易にしつつ、選択した液晶素子における画像表示領域の位置を適切に調整できるようにする。
S302で、CPU110は、液晶制御部150から液晶素子151R、液晶素子151G及び液晶素子151Bの各レジ調整量を取得する。液晶素子151Rに対するレジ調整量とは、例えば、画像表示領域における液晶素子151Rの位置がユーザによってどれくらい変更されたかを示す情報である。また、液晶素子151Gに対するレジ調整量とは、例えば、画像表示領域における液晶素子151Gの位置がユーザによってどれくらい変更されたかを示す情報である。また、液晶素子151Bに対するレジ調整量とは、例えば、画像表示領域における液晶素子151Bの位置がユーザによってどれくらい変更されたかを示す情報である。
S303で、CPU110は、S302で取得したレジ調整値に基づいて表示処理を行う。S303における表示処理は、ユーザに行わせる調整を簡単にするための所定画像を表示するようにマーカー重畳部230を制御する処理である。表示される所定画像は、現在選択されている液晶素子の画像表示領域の位置を示す画像と、現在選択されている液晶素子の画像表示領域の位置の変更可能な範囲を示す画像とを含む。さらに、所定画像は、現在選択されていない各液晶素子の画像表示領域の位置を示す画像と、現在選択されていない各液晶素子の画像表示領域の位置の変更可能な範囲を示す画像を含む。
図4を参照して、S303での表示処理で表示される所定画像の例を説明する。図4(a)は、液晶素子151R及び液晶素子151Gの構成例を示す。液晶素子151Bも、液晶素子151R及び液晶素子151Gと同様な構成を有するが、
説明を簡単にするために、液晶素子151Bについては説明を省略する。
液晶素子151Rの全体の画素を含む領域を総画素領域(表示可能領域)420rと呼び、総画素領域420rのうち、スクリーンに画像を表示させるために用いられる領域を画像表示領域410rと呼ぶ。また、液晶素子151Gの全体の画素を含む領域を総画素領域420g(表示可能領域)と呼び、総画素領域420gのうち、スクリーンに画像を表示させるために用いられる領域を画像表示領域410gと呼ぶ。
例えば、ユーザは、操作部113を用いて液晶素子151R、151G及び151Bの中から液晶素子151Rを選択した場合、操作部113を用いて、総画素領域420r内における画像表示領域410rの位置を変更できる。このとき、液晶素子151Gは、ユーザによって選択されていないので、ユーザが操作部113を操作したとしても、総画素領域420g内における画像表示領域410gの位置は変更されない。
以下、ユーザが操作部113を用いて液晶素子151R、液晶素子151G及び液晶素子151Bの中から液晶素子151Rを選択した場合を、一例として、S303の処理について説明する。この場合、S303において、CPU110は、表示処理として、位置調整マーカーmk401r、現在位置マーカーmk402r、位置調整マーカーmk401g及び現在位置マーカーmk402gを表示するようにマーカー重畳部230を制御する。
位置調整マーカーmk401rは、現在選択されている液晶素子151Rの画像表示領域410rの位置の変更可能な範囲を示す画像である。位置調整マーカーmk401rは、総画素領域420r内の特定の位置に表示される。位置調整マーカーmk401rが総画素領域420r内で表示される位置は、ユーザが操作部113を操作したとしても変更されない。
現在位置マーカーmk402rは、現在選択されている液晶素子151Rの画像表示領域410rの現在位置を示す画像である。現在位置マーカーmk402rは、総画素領域420rにおける画像表示領域410rの現在位置を、位置調整マーカーmk401rに対して相対的に示す。現在位置マーカーmk402rは、画像表示領域410r内の特定の位置に表示される。現在位置マーカーmk402rが画像表示領域410r内で表示される位置は、ユーザが操作部113を操作した場合、操作部113に対して行われた操作に応じて変更される。
図4(a)に示すように、現在位置マーカーmk402rは、位置調整マーカーmk401r内に表示される。現在位置マーカーmk402rが位置調整マーカーmk401r内で移動可能な範囲が、画像表示領域410rの位置の変更可能な範囲となる。すなわち、位置調整マーカーmk401r内において、現在位置マーカーmk402rが上方向に移動可能な範囲Wd1rは、総画素領域420g内で画像表示領域410rが上方向に移動可能な範囲W1rに対応する。同様に、現在位置マーカーmk402rが右方向に移動可能な範囲Wd2rは、総画素領域420g内で画像表示領域410rが右方向に移動可能な範囲W2rに対応する。現在位置マーカーmk402rが下方向に移動可能な範囲Wd3rは、総画素領域420g内で画像表示領域410rが下方向に移動可能な範囲W3rに対応する。現在位置マーカーmk402rが左向に移動可能な範囲Wd4rは、総画素領域420g内で画像表示領域410rが左方向に移動可能な範囲W4rに対応する。現在位置マーカーmk402rは、位置調整マーカーmk401r内でしか移動できず、画像表示領域410rは、総画素領域420g内でしか移動できない。
位置調整マーカーmk401gは、現在選択されていない液晶素子151Gの画像表示領域410gの位置の変更可能な範囲を示す画像である。位置調整マーカーmk401gは、総画素領域420g内の特定の位置に表示される。位置調整マーカーmk401gが総画素領域420gに表示される位置は、ユーザが操作部113を操作したとしても変更されない。
現在位置マーカーmk402gは、現在選択されていない液晶素子151Gの画像表示領域410gの現在位置を示す画像である。現在位置マーカーmk402rは、総画素領域420gにおける画像表示領域410gの現在位置を、位置調整マーカーmk401gに対して相対的に示す。現在位置マーカーmk402gは、画像表示領域410g内の特定の位置に表示される。現在位置マーカーmk402gが画像表示領域410r内で表示される位置は、ユーザが操作部113を操作した場合、操作部113に対して行われたとしても変更されない。
図4(a)に示すように、現在位置マーカーmk402gは、位置調整マーカーmk401g内に表示される。現在位置マーカーmk402gが位置調整マーカーmk401g内で移動可能な範囲が、画像表示領域410gの位置変更可能範囲となる。すなわち、現在位置マーカーmk402gが右方向に移動可能な範囲Wd2gは、総画素領域420g内で画像表示領域410gが右方向に移動可能な範囲W2gに対応する。現在位置マーカーmk402gが下方向に移動可能な範囲Wd3gは、総画素領域420g内で画像表示領域410gが下方向に移動可能な範囲W3gに対応する。現在位置マーカーmk402gが左方向に移動可能な範囲Wd4gは、総画素領域420g内で画像表示領域410gが左方向に移動可能な範囲W4gに対応する。なお、現在位置マーカーmk402gは、位置調整マーカーmk401g内でしか移動できず、画像表示領域410gは、総画素領域420g内でしか移動できない。図4(a)に示す例では、現在位置マーカーmk402gは、上方向に移動できず、画像表示領域410gは、上方向に移動できない。
S303の表示処理が行われた場合、CPU110は、図4(b)に示すような画像をスクリーンに投影するようにプロジェクタ100を制御する。位置調整マーカーmk401r、現在位置マーカーmk402r、位置調整マーカーmk401g、現在位置マーカーmk402g、画像表示領域410r及び画像表示領域410gが、図4(b)に示す位置関係でスクリーンに表示される。ユーザは、図4(b)に示される表示を確認しながら、現在位置マーカーmk402rが現在位置マーカーmk402gに重なるように操作部113を操作することができる。
図4(b)に示す例では、ユーザは、液晶素子151Rの画像表示領域410rの位置を変更可能な範囲と、液晶素子151Gの画像表示領域410gの位置を変更可能な範囲とを視覚的に確認しつつ、画像表示領域410rの位置を調整できる。そのため、プロジェクタ100は、画像表示領域410gの位置とずれていく方向に画像表示領域410rの位置を変更してしまうような調整をユーザに行わせないようにすることが防止できる。
図4(b)のような表示がS303によって行われた場合、ユーザは、画像表示領域410rの位置を下方向に移動させるような操作を操作部113で行えばよいことが視覚的にわかるので、容易に色ずれを調整できる。
S303では、CPU110は、位置調整マーカーmk401r、現在位置マーカーmk402r、位置調整マーカーmk401g及び現在位置マーカーmk402gをスクリーンに表示するようにしても良い。
ユーザは、S303で表示される画像を確認しながら、画像表示領域410rの位置を調整するように操作部113を操作する。S304において、CPU110は、操作部113に入力されたユーザからの操作に従ってレジストレーション調整を実施する。図5を参照して、S304で行われるレジストレーション調整処理について説明する。
図5(a)は、画像信号と垂直同期信号Vsyncの関係を示す。画像信号上の画像510は、垂直同期信号Vsyncを基準に一定のタイミングで入力される。各液晶素子の画像表示領域に表示される画像によって画像510は描画される。CPU110の指示を受けた液晶制御部150が、液晶素子151R、151G、151Bのそれぞれに、垂直同期信号Vsyncを基準に個別に生成したパネル描画開始信号VSTと画像信号を供給する。液晶素子151R、151G、151Bは、入力されたパネル描画開始信号VSTを基準に表示画素数分だけ画像信号の描画を開始する(図4(b)参照)。つまり、パネル描画開始信号VSTによってパネル描画領域520上の画像510の描画位置が決まり、スクリーン上で表示される画像510の表示位置が決まる。液晶制御部150が生成するパネル描画開始信号VSTの位相を垂直同期信号Vsyncに対してずらすことで、画像510の表示位置を調整できる。例えば、CPU110は、液晶素子151Rに供給されるパネル描画開始信号VSTの、垂直同期信号Vsyncに対する位相量を制御することで、液晶素子151Rの画像表示領域410rの位置を調整できる。
S304で、選択された液晶素子151Rの画像表示領域410rの位置が調整されると、CPU110は、ユーザからの操作に応じて、液晶素子151Rに供給されるパネル描画開始信号VSTの位相をずらすように液晶制御部150を制御する。
S304が行われた後、ユーザは、レジ調整を続行するか完了するかの選択と、調整対象となる液晶素子の変更を行うことができる。S305において、CPU110は、ユーザからの操作部113への操作に従って、レジ調整を完了するか否かを判定する。レジ調整を完了するとCPU110によって判定された場合、CPU110は、S302に戻る。
ユーザが操作部113でレジ調整の完了を選択すると(S305でY)、S306で、CPU110は、S303の表示処理を終了するようにマーカー重畳部230を制御する。これにより、位置調整マーカーmk401r、現在位置マーカーmk402r、位置調整マーカーmk401g及び現在位置マーカーmk402gは、スクリーンに表示されなくなる。
以上説明したように、実施例1によれば、ユーザはスクリーン上で各液晶素子の画像表示領域の移動可能範囲を確認しながらレジ調整を行うことが可能となる。これにより適切にユーザがレジ調整を行うことが可能になり、ユーザにレジ調整をやり直しさせるような事態を低減することができる。
上記説明では、現在位置マーカーmk402r、mk402gの形状を矩形で説明したが、これに限定されるものではない。例えば、1画素以上の幅を有する十字の線分で画像表示領域に比例するサイズを表示するものであっても良い。また、現在位置マーカーmk402r、mk402gは、画像表示領域に対応する4辺形の4辺または4隅を示すものあればよく、例えば、T字の形状、十字の形状、または鉤括弧(「、」)などの角部を明示する形状などであってもよい。位置調整マーカーmk401r、mk401gについても、表示可能領域に対応する4辺形の4辺または4隅を示すものあればよい。なお、現在位置マーカーmk402r、mk402gの形状に応じて、位置調整マーカーmk401r、mk401gは生成される。
現在位置マーカーmk402r,mk402g及び位置調整マーカーmk401r,mk401gの階調値に関して、白または黒に相当する階調に限定されない。例えば、背景となる映像信号の階調を考慮してその補色となる色に相当する階調のマーカーを表示しても良い。あるいは、時間分割してマーカーを点滅させるようにしても良い。
S303において、画像表示領域410r外にマーカーmk600rを表示し、画像表示領域410g外にマーカーmk600gを表示するようにしても良い。実施例2において、画像表示領域410r外にマーカーmk600rを表示し、画像表示領域410g外にマーカーmk600gを表示する場合について説明を行う。実施例2において、実施例1と異なる処理と機能について、説明を行うが、実施例1と共通する処理や機能については説明を省略する。実施例2におけるS303について以下説明を行う。
ユーザが操作部113を用いて液晶素子151R、液晶素子151G及び液晶素子151Bの中から液晶素子151Rを選択した場合を一例に挙げて、実施例2の動作について説明する。
CPU110は、S303で、画像表示領域410r、画像表示領域410g、マーカーmk600r及びマーカーmk600gを所定画像としてスクリーンに表示する。マーカーmk600r及びマーカーmk600gの一例を図6に示す。
図6(a)に示すように、液晶素子151Rの総画素領域(表示可能領域)420rの中にその一部として画像表示領域410rを有する。液晶素子151Gの総画素領域(表示可能領域)420gの中にその一部として画像表示領域410gを有する。マーカーmk600rは、総画素領域(表示可能領域)420rの画像表示領域410r以外の領域を特定色で塗りつぶした画像からなり、マーカーmk600gは、総画素領域420gの画像表示領域410g以外の領域を特定色で塗りつぶした画像である。マーカーmk600rによって示される領域は、画像表示領域410rが移動可能な範囲を示し、マーカーmk600gによって示される領域は、画像表示領域410gが移動可能な範囲を示す。
液晶素子151Rがユーザによって選択され、S303の表示処理が実行されたとする。このとき、CPU110は、図6(b)に示すようにマーカーmk600r及びマーカーmk600g、画像表示領域410r及び画像表示領域410gをスクリーンに表示させる。ユーザは、マーカーmk600r,mk600g及び画像表示領域410r,410gを参照して、画像表示領域410rが画像表示領域410gに重なるように、操作部113により、画像表示領域410rの位置を調整する。図6(b)に示す例では、選択された液晶素子151Rの画像表示領域410rの位置変更可能範囲と、選択されていない液晶素子151Gの画像表示領域410gの位置変更可能範囲とを視覚的に確認しつつ、画像表示領域410rの位置を調整できる。画像表示領域410gの位置とずれていく方向に画像表示領域410rの位置を変更してしまう調整を低減することができる。
実施例2でも、ユーザが液晶素子151Gまたは液晶素子151Bをレジ調整の対象として選択した場合も、実施例2におけるS303において、液晶素子151Rが選択された場合と同様の処理を行う。
マーカーmk600r及びマーカーmk600gは、特定の色で塗りつぶすタイプの表現に限定されない。例えば、液晶素子の総画素領域の最外郭の画素のみ階調を制御することでマーカーmk600r及びマーカーmk600gを表示するようにしても良い。
また、実施例1と同様に、マーカーmk600r及びマーカーmk600gの階調値に関して白または黒に相当する階調に限定されない。例えば、背景となる映像信号の階調を考慮してその補色となる色に相当する階調のマーカーを表示しても良い。また、マーカーmk600r及びマーカーmk600gを点滅させるようにしても良い。
CPU110がマーカー重畳部230に指示を出し、OSD重畳信号s204の画像表示領域以外の領域の階調を制御することによって、マーカーmk600r及びマーカーmk600gの表示を行うこともできる。
実施例2においては、総画素領域420r、420g内で画像表示領域410r、410gの外側の領域に画像表示領域410r,410gの移動可能範囲を表示するようにした。このようにすることで、ユーザは、スクリーン上に表示されている画像表示領域410r、410gがレジ調整可能な相対的な範囲を目視で確認できる。
以上説明したように、画像表示領域410r,410gの移動可能範囲を総画素領域内の表示画像より外の領域に重畳して表示することで、ユーザは、画像表示領域の位置調整可能な範囲を視覚的に認識できる。これにより、適切にユーザがレジ調整を行うことが可能になり、ユーザにレジ調整をやり直しさせるような事態を低減することができる。
(他の実施例)
本発明に係るプロジェクタ100は、実施例1及び2で説明したプロジェクタ100に限定されるものではない。例えば、本発明に係るプロジェクタ100は、複数の装置から構成されるシステムにより実現することも可能である。
また、実施例1及び2で説明した様々な処理及び機能は、コンピュータプログラムにより実現することも可能である。この場合、本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ(CPU等を含む)で実行可能であり、本実施例で説明した様々な機能を実現することになる。
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ上で稼動しているOS(Operating System)などを利用して、本実施例で説明した様々な処理及び機能を実現してもよいことは言うまでもない。
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体から読み出され、コンピュータで実行されることになる。コンピュータ読取可能な記録媒体には、ハードディスク装置、光ディスク、CD−ROM、CD−R、メモリカード、ROM等を用いることができる。また、本発明に係るコンピュータプログラムは、通信インターフェースを介して外部装置からコンピュータに提供され、当該コンピュータで実行されるようにしてもよい。