JP6565964B2 - 圧電アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、対象部材を駆動する圧電アクチュエータに関する。
圧電アクチュエータは、圧電素子の圧電効果および逆圧電効果を利用し、機械的な変位と電気的な変位とを相互に変換するアクチュエータであり、対象物に直線的な変位を与えるリニアアクチュエータ等として様々な分野で利用されている。
圧電アクチュエータにより得られる機械的変位は比較的微小であるため、アクチュエータは、たとえばカメラ等のレンズ駆動用等として、精密かつ正確な制御が要求される用途に対して好適に利用される。たとえば、このような圧電アクチュエータとして、圧電素子部の一方の端面に可動部であるシャフトを接続し、他方の端面に慣性部である錘を接続したものが提案されている(特許文献1参照)。
特開2007−274777号
しかしながら、近年、アクチュエータの小型化に伴い、シャフトが圧電素子部に対して相対的に長尺化し、また、圧電素子部の断面積も縮小傾向にある。これにより、アクチュエータの圧電素子部に対して、従来に比べて大きな応力が加えられる状況が生じ、圧電素子部の損傷や折れを防止するための対策が求められている。
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、小型でありながら、圧電素子部の損傷や折れを防止することができ、耐久性に優れた圧電アクチュエータを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る圧電アクチュエータは、
可動部であるシャフトと、
慣性部である錘と、
前記シャフトが接続される第1端面と、前記第1端面に対向しており前記錘が接続される第2端面と、互いに対向する2つの外部電極形成面と2つの前記外部電極形成面を接続しており互いに対向する2つの外部電極非形成面とを含み前記第1端面と前記第2端面とを接続する4つの側面と、を有する略直方体の圧電素子部と、
前記シャフトと前記圧電素子部とを連結する接着樹脂部と、
前記錘と前記圧電素子部とを連結する連結部と、
前記外部電極形成面に垂直な断面において、前記接着樹脂部における前記錘に近い側の端部である第1境界部と前記外部電極形成面との間に挟まれるように、前記外部電極形成面に設けられる第1素子保護層と、
前記外部電極非形成面に垂直な断面において、前記接着樹脂部における前記錘に近い側の端部である第2境界部と前記外部電極非形成面との間に挟まれるように、前記外部電極非形成面に設けられる第2素子保護層と、を有し、
前記第1素子保護層の面積は、前記第2素子保護層の面積より狭いことを特徴とする。
本発明に係る圧電アクチュエータは、シャフトと圧電素子部とを連結する接着樹脂部の第1境界部と外部電極形成面との間に第1素子保護層が設けられており、接着樹脂部の第2境界部と外部電極非形成面との間に第2素子保護層が設けられている。接着樹脂部の第1境界部及び第2境界部周辺の圧電素子部には、冷熱サイクルなどの経た後にクラックなどの損傷が発生しやすいという問題があるが、本発明に係る圧電アクチュエータは、第1素子保護層と第2保護層とを有するため、圧電素子部にクラックなどの損傷が発生する問題を防止できる。このような圧電アクチュエータでは、第1及び第2境界部が、第1及び第2保護層を介して外部電極形成面及び外部電極非形成面に接続しているため、接着樹脂部と圧電素子部との線膨張係数の違いから圧電素子部に生じる応力を、緩和することができると考えられる。また、第1素子保護層の面積が、第2素子保護層の面積より狭いため、第1素子保護層から露出する外部電極形成面に対して、圧電素子部に電圧を印加するための配線部等を、容易に接続することが可能である。
また、たとえば、前記接着樹脂部は、前記外部電極形成面に垂直な断面において、前記第1境界部から前記シャフトに近い側に向かって徐々に厚みが増す第1厚み変化部を有してもよく、
前記第1素子保護層は、前記第1厚み変化部と前記外部電極形成面との間に挟まれるように設けられていてもよく、
前記接着樹脂部は、前記外部電極非形成面に垂直な断面において、前記第2境界部から前記シャフトに近い側に向かって徐々に厚みが増す第2厚み変化部を有してもよく、
前記第2素子保護層は、前記第2厚み変化部と前記外部電極非形成面との間に挟まれるように設けられていてもよい。
第1及び第2厚み変化部を有する接着樹脂部は、第1および第2境界部近傍および第1及び第2厚み変化部に対向する圧電素子部に、応力が集中する傾向がある。しかし、第1及び第2素子保護層を、第1及び第2厚み変化部と外部電極形成面及び外部電極非形成面との間に配置することにより、圧電素子部における第1及び第2厚み変化部に対向する部分に、応力が集中する問題を防止できる。
また、例えば、前記第1素子保護層および前記第2素子保護層の弾性率は、前記接着樹脂部の弾性率より低くてもよい。
弾性率の低い第1及び第2素子保護層は、第1及び第2素子保護層が容易に変形することができるため、接着樹脂部が温度変化により膨張又は収縮した場合に、接着樹脂部の変形に伴う力が圧電素子部に伝わることを防止し、圧電素子部に応力が生じる問題を防止できる。
また、例えば、前記外部電極形成面に垂直な断面における前記第1素子保護層の厚みは、前記外部電極非形成面に垂直な断面における前記第2素子保護層の厚みより薄くてもよい。
外部電極形成面に形成された外部電極は、圧電素子部の素子本体と接着樹脂部との間に配置されることにより、第1素子保護層と同様に、接着樹脂部の変形に伴う力が圧電素子部に伝わることを防止する効果を奏する。したがって、第1素子保護層を薄くし、第2素子保護層を厚くすることにより、圧電素子部の外部電極形成面側と、外部電極非形成面側とを、同様に保護することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧電アクチュエータを示す概略斜視図である。 図2は、図1に示す圧電アクチュエータに含まれる圧電素子部、第1素子保護層及び第2素子保護層を表す斜視図である。 図3は、図1に示す圧電アクチュエータの外部電極形成面に垂直な部分断面図である。 図4は、図1に示す圧電アクチュエータの外部電極非形成面に垂直な部分断面図である。 図5は、本発明の第2実施形態に係る圧電アクチュエータを示す概略斜視図である。 図6は、図5に示す圧電アクチュエータの外部電極形成面に垂直な部分断面図である。 図7は、図5に示す圧電アクチュエータの外部電極非形成面に垂直な部分断面図である。 図8は、本発明の第3実施形態に係る圧電アクチュエータを示す概略斜視図である。 図9は、本発明の第4実施形態に係る圧電アクチュエータを示す概略斜視図である。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧電アクチュエータ10を示す概略斜視図である。図1に示すように、圧電アクチュエータ10は、シャフト12、圧電素子部20、配線部30、錘40、接着樹脂部50、連結部56、第1素子保護層61、第2素子保護層62等を有する。
圧電アクチュエータ10のシャフト12は、圧電素子部20におけるZ軸正方向の端面である第1端面20aに接続されている。シャフト12は、圧電素子部20の変形に伴い変位する可動部である。例えば、圧電アクチュエータ10がレンズ駆動モジュールとして使用される場合、シャフト12には、図示しない移動部材が、移動自在に係合される。移動部材は光学系等を保持しており、移動部材及びこれに保持される光学系は、圧電アクチュエータ10の駆動力により、シャフト12に沿ってZ軸方向に変位することができる。
圧電アクチュエータ10のシャフト12は、円柱状であり、シャフト12において圧電素子部20の第1端面20aに対向するシャフト対向面12aの面積は、第1端面20aの面積より広い。また、シャフト12のZ軸方向の長さは、圧電素子部20のZ軸方向の長さより長く、これにより移動部材の移動距離を長くすることが可能である。ただし、シャフト12の形状及び大きさは特に限定されず、シャフト12は円柱状以外の柱状又は棒状であってもよく、シャフト対向面12aの面積は第1端面20aの面積より狭くてもよい。
シャフト12の材質は特に限定されないが、例えば金属やカーボン若しくは樹脂等を採用することができる。
図1に示すように、接着樹脂部50は、シャフト12と圧電素子部20とを連結する。接着樹脂部50は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の樹脂で構成されており、たとえば、シャフト12と圧電素子部20とを固定するエポキシ樹脂系接着剤等が硬化した接着剤硬化部で構成される。接着樹脂部50は、圧電素子部20の第1端面20aの外周を取り囲むように形成されている。
なお、図1等に示す圧電アクチュエータ10の説明では、圧電素子部20の第1及び第2端面20a、20b(図2参照)の法線方向をZ軸方向、圧電素子部20の外部電極形成面20cの法線方向をY軸方向、圧電素子部20の外部電極非形成面20eの法線方向をX軸方向として説明を行う。
図1に示すように、圧電素子部50におけるZ軸負方向の端面である第2端面20bには、錘40が接続されている。圧電素子部20において、第2端面20bは、シャフト12が接続されている第1端面20aに対向する。
錘40は慣性部であり、第1端面20aに接続されるシャフト12に変位を与えるための慣性体として機能する。錘40は、例えば、圧電素子部20及びシャフト12より比重の大きい材料で構成される。錘40の材質は特に限定されないが、例えば、タングステン等の比重の大きい金属又はそのような金属を含む合金等を採用することができる。
錘40は、直方体の外形状を有しており、錘40において圧電素子部20の第2端面20bに対向する対向面の面積は、第2端面20bの面積より広い。ただし、錘40の形状は直方体に限定されず、平板状、円柱状等の他の形状であってもよい。
図1に示すように、連結部56は、錘40と圧電素子部20とを連結する。連結部56は、樹脂等で構成されており、たとえば、接着樹脂部と同様に、接着剤硬化部で構成される。連結部56は、圧電素子部20の第2端面20bの外周を取り囲むように形成されている。
連結部56は、外部電極24と配線部30との接続部分を被覆しており、外力等により配線部30と外部電極24との電気的な接続が解除されてしまう問題を防止している。図1に示すように、圧電素子部20の2つの外部電極24には、それぞれ配線部30が接続されている。圧電素子部20には、配線部30を介して電圧を印加することができ、圧電素子部20は、印加された電圧に応じた変形を生じる。配線部30は、例えば、被覆電線やリードフレーム等で構成されるが、圧電素子部20に電圧を印加できるものであれば、どのようなものであってもよい。
図2は、圧電素子部20と、圧電素子部20の表面に設けられた第1素子保護層61及び第2素子保護層62を表す斜視図である。図2に示すように、圧電素子部20は、略矩形の外形状を有しており、2つの端面と4つの側面とを有している。圧電素子部20が有する2つの端面のうち、Z軸正方向側を向く第1端面20aには、図1に示すシャフト12が接続される。図1に示すように、シャフト12と圧電素子部20とは、接着樹脂部50によって連結されている。
圧電素子部20が有する2つの端面のうち、Z軸負方向側を向く第2端面20bには、錘40が接続されている。第1端面20aと第2端面20bとは互いに対向しており、圧電素子部20は、シャフト12と錘40とによって、Z方向の両側を挟まれている。
圧電素子部20が有する4つの側面は、いずれも第1端面20aと第2端面20bとを接続している。圧電素子部20が有する4つの側面は、互いに対向する2つの外部電極形成面20cと、互いに対向する2つの外部電極非形成面20eとで構成される。外部電極形成面20cには、配線部30に電気的に接続される外部電極24が層状に形成されているのに対して、外部電極非形成面20eには、外部電極24が形成されていない。また、外部電極形成面20cは、2つの外部電極非形成面20eを接続しており、外部電極非形成面20eは、2つの外部電極形成面20cを接続している。
図3は、図1に示す圧電アクチュエータ10の外部電極形成面20cに垂直な部分断面図である。圧電素子部20は、内部電極層22と圧電体層23とがZ軸方向に交互に積層された積層体である素子本体21と、素子本体21の表面に形成された外部電極24とを有する。素子本体21は、圧電素子部20全体より僅かに小さい直方体形状であり、外部電極24の厚みは特に限定されないが、0.1〜20m程度である。
図3に示すように、圧電素子部20の外部電極形成面20cは、外部電極24で構成されている。外部電極24は、Y軸正方向側を向く素子本体21の側面を覆うように形成されている。Y軸正方向側を向く素子本体21の側面に形成される外部電極24には、素子本体21に含まれる内部電極層22のうち半分が接続している。なお、図3では示していないが、Y軸負方向を向く素子本体21の側面にも、Y軸正方向側と同様に、外部電極形成面20cを構成する外部電極24が形成されている。Y軸負方向側を向く外部電極24には、素子本体21に含まれる内部電極層22のうち残りの半分が接続している。
圧電素子部20における圧電体層23の厚みは、特に制限されないが、好ましくは5〜50μm程度である。また、圧電体層23の材質は、圧電効果あるいは逆圧電効果を示す材料であれば、特に制限されず、たとえば、PbZrxTi1−xO3、BaTiO3などが挙げられる。また、特性向上等のための成分が含有されていてもよく、その含有量は、所望の特性に応じて適宜決定すればよい。
内部電極層22を構成する導電材としては、たとえば、Ag、Pd、Au、Pt等の貴金属およびこれらの合金(Ag−Pdなど)、あるいはCu、Ni等の卑金属およびこれらの合金などが挙げられるが、特に限定されない。外部電極24を構成する導電材料も特に限定されず、内部電極を構成する導電材と同様の材料を用いることができる。なお、さらに、外部電極24の外側には、上記各種金属のメッキ層やスパッタ層が形成してあってもよい。
図2及び図3に示すように、圧電素子部20の外部電極形成面20cには、第1素子保護層61が設けられている。第1素子保護層61は、外部電極形成面20cに垂直な断面(図3に示す断面)において、接着樹脂部50の第1境界部51と外部電極形成面20cとの間に挟まれるように配置されている。なお、第1境界部51は、図1に示すように、シャフト12と圧電素子部20とを連結する接着樹脂部50における錘40に近い側の端部のうち、外部電極形成面20cに垂直な断面に現れる部分である。
図2および図3に示すように、第1素子保護層61は、外部電極形成面20cに形成される外部電極24の上に重ねて設けられており、外部電極24の一部を被覆する。ただし、第1素子保護層61は、外部電極非形成面20eに設けられる第2素子保護層62や、第1素子保護層61の下層に形成された外部電極24より面積が狭いため、外部電極24の一部、特に錘40に近い側の一部は、第1素子保護層61に覆われておらず、図1に示す配線部30は、外部電極24における第1素子保護層61に覆われていない部分に接続されている。
図2及び図3に示すように、第1素子保護層61は、外部電極形成面20cのうち、Z軸方向に関してシャフト12に近い側に設けられている。図3に示すように、外部電極形成面20cにおけるシャフト12に近い側の部分は、シャフト12に接続する接着樹脂部50に覆われており、この部分の接着樹脂部50は、図3に示すような外部電極形成面20cに垂直な断面において、第1境界部51からシャフト12に近い側に向かって徐々に厚みが増す第1厚み変化部50aとなっている。
図3に示すように、第1素子保護層61は、第1厚み変化部50aと外部電極形成面20cとの間に挟まれるように設けられており、第1厚み変化部50a及び第1境界部51は、外部電極形成面20cに対して直接対向せず、かつ、直接接続しないようになっている。なお、接着樹脂部50は、第1素子保護層61が配置されていることにより、外部電極形成面20cには直接対向していないが、圧電素子部20の第1端面20aに対しては、直接対向及び接続している。なお、図2及び図3には示されていないが、Y軸負方向側を向く外部電極形成面20cにも、Y軸正方向側を向く外部電極形成面20cと同様に、第1素子保護層61が設けられている。
図4は、図1に示す圧電アクチュエータ10の外部電極非形成面20eに垂直な部分断面図である。図4に示すように、圧電素子部20の外部電極非形成面20eには外部電極24が形成されていない。すなわち、X軸負方向を向く外部電極非形成面20eは、素子本体21における内部電極層22と圧電体層23とで構成される。図4に示す外部電極非形成面20eを構成する内部電極層22には、一方の外部電極24(Y軸正方向側)に接続する内部電極層22と、他方の外部電極24(Y軸負方向側)に接続する内部電極層22の両方が含まれる。なお、図4では示されていないが、X軸正方向を向く外部電極非形成面20eも、内部電極層22と圧電体層23とで構成される。
図2及び図4に示すように、圧電素子部20の外部電極非形成面20eには、第2素子保護層62が設けられている。第2素子保護層62は、外部電極非形成面20eに垂直な断面(図4に示す断面)において、接着樹脂部50の第2境界部52と外部電極非形成面20eとの間に挟まれるように配置されている。なお、第2境界部52は、図1に示すように、シャフト12と圧電素子部20とを連結する接着樹脂部50における錘40に近い側の端部のうち、外部電極非形成面20eに垂直な断面に現れる部分である。
図2および図4に示すように、第2素子保護層62は、外部電極非形成面20eを覆うように設けられており、外部電極非形成面20eの全体を被覆する。ただし、第2素子保護層62は、外部電極非形成面20eの一部を覆うものであってもよい。
図2及び図4に示すように、第2素子保護層62は、外部電極非形成面20eにおいて、Z軸方向に連続するように設けられている。図4に示すように、外部電極非形成面20eにおけるシャフト12に近い側の部分は、図3に示す電極形成面20cと同様に、シャフト12に接続する接着樹脂部50に覆われている。そして、この部分の接着樹脂部50は、図4に示すような外部電極形成面20cに垂直な断面において、第2境界部52からシャフト12に近い側に向かって徐々に厚みが増す第2厚み変化部となっている。
図4に示すように、第2素子保護層62におけるシャフト12に近い側の部分は、第2厚み変化部50bと外部電極非形成面20eとの間に挟まれるように設けられている。したがって、接着樹脂部50の第2厚み変化部50b及び第2境界部52は、外部電極非形成面20eに対して直接対向せず、かつ、直接接続しないようになっている。なお、図2及び図4には示されていないが、X軸正方向側を向く外部電極非形成面20eにも、X軸負方向側を向く外部電極非形成面20eと同様に、第2素子保護層62が設けられている。
第1素子保護層61及び第2素子保護層62は、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂で構成することができるが、第1素子保護層61及び第2素子保護層62は、圧電素子部20に生じる応力を緩和できるものであれば、構成材料は特に限定されない。ここで、第1素子保護層61及び第2素子保護層62の弾性率は、接着樹脂部50の弾性率より低いことが好ましい。弾性率の低い第1及び第2素子保護層61、62は、外力および応力によって容易に変形することができるため、接着樹脂部50が温度変化により膨張又は収縮した場合に、接着樹脂部50の変形に伴う力が圧電素子部20に伝わることを防止し、圧電素子部20に応力が生じる問題を防止できる。
たとえば、第1素子保護層61及び第2素子保護層62の弾性率は、2.0〜5.0GPa程度とすることができ、接着樹脂部50の弾性率は、4.0〜7.0GPa程度とすることができる。これにより、接着樹脂部50によって圧電素子部20とシャフト12とを確実に連結しつつ、圧電素子部20における応力の集中やそれに伴うクラック等の発生を好適に防止できる。
第1素子保護層61の厚みは、たとえば、5〜20μmとすることができ、第2素子保護層62の厚みは、たとえば、10〜30μmとすることができる。ここで、図3に示す第1素子保護層61の厚みは、図4に示す第2素子保護層62の厚みより薄いことが好ましい。外部電極24は、圧電素子部20の素子本体21と接着樹脂部50との間に配置されることにより、第1素子保護層61と同様に、接着樹脂部50の変形に伴う力が圧電素子部20に伝わることを防止する効果を奏する。したがって、外部電極非形成面20eに設けられる第2素子保護層62を厚くすることにより、圧電素子部20の外部電極形成面20c側と、外部電極非形成面20e側とを、同様に保護することができる。
図1に示す圧電アクチュエータ10は、たとえば以下のような工程により製造される。まず、図2に示す圧電素子部20を製造し、その後、圧電素子部20における外部電極形成面20cに第1素子保護層61を形成し、外部電極非形成面20dに第2素子保護層62を形成する。圧電素子部20の製造は、内部電極層22および圧電体層23の原材料で構成されるグリーンシートを積層してグリーンシート積層体を製造し、そのグリーンシート積層体を焼成して素子本体21を製造し、素子本体21における1対の対向する側面に外部電極24を形成することにより行われる。外部電極24の形成は、メッキ等により行うことができる。
また、外部電極形成面20cに第1素子保護層61を形成し、外部電極非形成面20eに第2素子保護層62を形成する工程は、第1素子保護層61および第2素子保護層62の原材料となる樹脂ペーストを外部電極形成面20cおよび外部電極非形成面20eに塗布し、乾燥等させることにより行われる。なお、第1素子保護層61と第2素子保護層62とは、どちらを先に形成してもよく、また、第1素子保護層61の材質と第2素子保護層62の材質とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。また、図3および図4に示す実施形態では、圧電素子部20の第1端面20a及び第2端面20bには、第1素子保護層61又は第2素子保護層62のような樹脂層を設けていないが、第1素子保護層61と第2素子保護層62の材料が、第1端面20a及び第2端面20bにまで広がっていてもかまわない。
さらに、図2に示すような側面に第1素子保護層61及び第2素子保護層62が設けられた圧電素子部20に対して、配線部30を各外部電極24に接続した後、シャフト12及び錘40を、第1端面20aと第2端面20bとに接合することにより、図1に示すような圧電アクチュエータ10を得る。シャフト12と圧電素子部20との接合および錘40と圧電素子部20との接合は、たとえば接合面に接着剤を塗布した後に各部材を接合し、塗布した接着剤を硬化させることにより行うことができる。この場合、シャフト12と圧電素子部20とを接合する接着剤が硬化したものが接着樹脂部50となり、錘40と圧電素子部20とを接合する接着剤が硬化したものが連結部56となる。
以上のように、図1から図4に示す圧電アクチュエータ10では、シャフト12と圧電素子部20とを連結する接着樹脂部50の第1境界部51及び第2境界部52が、直接圧電素子部20における素子本体21表面や外部電極24表面に接続しておらず、第1素子保護層61や第2素子保護層62を介して接続している。第1素子保護層61や第2素子保護層62は、接着樹脂部50と圧電素子部20との線膨張係数の違いなどから圧電素子部20に生じる応力を緩和することにより、温度環境の変動等に起因して、圧電素子部20にクラックが発生したり、圧電素子部20が損傷したりする問題を防止できる。
また、圧電アクチュエータ10では、接着樹脂部50が第1厚み変化部50aおよび第2厚み変化部50bを有するため、圧電素子部20とシャフト12とを強固に接合することが可能である。また、第1厚み変化部50a及び第2厚み変化部50bを有する構造では、冷熱サイクルなどの経た後に、第1境界部51及び第2境界部52周辺の圧電素子部20に応力が集中する問題が発生し得るが、本実施形態に係る圧電アクチュエータ10では、圧電素子部20と第1境界部51及び第2境界部52との間に第1及び第2素子保護層61、62が設けられるため、このような問題を好適に防止できる。
また、圧電アクチュエータ10では、第1素子保護層61の面積が、第2素子保護層62の面積および外部電極24の面積より狭いため、外部電極24の一部が第1素子保護層61に被覆されない。そのため、外部電極形成面20cに第1素子保護層61を設けた後であっても、外部電極24に対して、配線部30を容易に接続することが可能であり、組み立てが容易である。
第2実施形態
図5は、本発明の第2実施形態に係る圧電アクチュエータ110を示す概略斜視図である。第2実施形態に係る圧電アクチュエータ110は、可動部であるシャフト112の太さと、シャフト112と圧電素子部20とを連結する接着樹脂部150の形状が異なることを除き、第1実施形態に係る圧電アクチュエータ10と同様である。したがって、圧電アクチュエータ110の説明では、第1実施形態に係る圧電アクチュエータ10との相違点のみを説明し、共通点については説明を省略する。
図5に示すように、圧電アクチュエータ110のシャフト112において圧電素子部20の第1端面20aに対向するシャフト対向面112a(図6及び図7参照)の面積は、第1端面20aの面積より狭い。
図6は、図5に示す圧電アクチュエータ110の外部電極形成面20cに垂直な部分断面図である。図6に示すように、シャフト112と圧電素子部20とを接続する接着樹脂部150は、第1実施形態に係る接着樹脂部50とは異なり、圧電素子部20の第1端面20aよりZ軸正方向側(シャフト112側)に位置する部分が大きい。しかし、接着樹脂部150の一部は、第1端面20aよりZ軸負方向側(錘40側)に広がっており、さらにその一部が、図6に示すような外部電極形成面20cに垂直な断面において、第1境界部151からシャフト12に近い側に向かって徐々に厚みが増す第1厚み変化部150aとなっている。
また、図6に示す接着樹脂部150の第1境界部151も、図3に示す第1境界部51と同様に、圧電素子部20の外部電極形成面20cに対して、第1素子保護層61を介して対向している。すなわち、第1素子保護層61は、外部電極形成面20cに垂直な断面(図6に示す断面)において、接着樹脂部150の第1境界部151と外部電極形成面20cとの間に挟まれるように配置されている。
さらに、接着樹脂部150の第1厚み変化部150aは、図3に示す第1厚み変化部50aに比べて小さいが、図3に示す第1厚み変化部50aと同様に、中間に第1素子保護層61が挟まれていることにより、外部電極形成面20cに対して直接対向せず、かつ、直接接続しないようになっている。
図7は、図5に示す圧電アクチュエータ110の外部電極非形成面20eに垂直な部分断面図である。接着樹脂部150は、図7に示すような外部電極非形成面20eに垂直な断面において、第2境界部152からシャフト12に近い側に向かって徐々に厚みが増す第2厚み変化部150bを有している。接着樹脂部150の第2厚み変化部150bは、図4に示す第2厚み変化部50bに比べて小さいが、図4に示す第2厚み変化部50bと同様に、中間に第2素子保護層62が挟まれていることにより、外部電極非形成面20eに対して直接対向せず、かつ、直接接続しないようになっている。
また、図7に示す接着樹脂部150の第2境界部152も、図4に示す第2境界部52と同様に、圧電素子部20の外部電極非形成面20eに対して、第2素子保護層62を介して対向している。すなわち、第2素子保護層62は、外部電極非形成面20eに垂直な断面(図7に示す断面)において、接着樹脂部150の第2境界部152と外部電極非形成面20eとの間に挟まれるように配置されている。
第2実施形態に係る圧電アクチュエータ110でも、圧電アクチュエータ10と同様に、第1素子保護層61や第2素子保護層62は、接着樹脂部150と圧電素子部20との線膨張係数の違いなどから圧電素子部20に生じる応力を緩和することができ、温度環境の変動等に起因して、圧電素子部20にクラックが発生したり、圧電素子部20が損傷したりする問題を防止できる。また、第2実施形態に係る圧電アクチュエータ110は、第1実施形態に係る圧電アクチュエータ10と同様の効果を奏する。
第3実施形態
図8は、本発明の第3実施形態に係る圧電アクチュエータ210を示す概略斜視図である。第3実施形態に係る圧電アクチュエータ210は、第2素子保護層62の上に抵抗層264が設けられていることを除き、第1実施形態に係る圧電アクチュエータ10と同様である。したがって、圧電アクチュエータ210の説明では、第1実施形態に係る圧電アクチュエータ10との相違点のみを説明し、共通点については説明を省略する。
図8に示すように、圧電アクチュエータ210において、圧電素子部20の外部電極非形成面20eは第2素子保護層62で被覆されており、さらに第2素子保護層62の上には、抵抗層264が重ねて設けられている。抵抗層264は、Y軸方向に沿って第2素子保護層62を横断する帯状の形状を有しており、対向する2つの外部電極形成面20cに形成される2つの外部電極24を、互いに接続している。
抵抗層264は、第2素子保護層62より低く、外部電極24及び内部電極層22より高い電気抵抗を有しており、圧電素子部20における焦電効果により発生する電荷が移動できるようになっている。これにより、圧電アクチュエータ210は、焦電効果による圧電素子部20の分極度低下を防止することができる。また、抵抗層264は、第2素子保護層62の上に設けられているため、素子本体21の内部電極層22に直接接触しない。このような抵抗層264の抵抗値は、抵抗層264の断面積と、外部電極24間を抵抗層264により接続する接続長さにより正確に制御することができるため、製造誤差が少ない。なお、抵抗層264を形成する数は2つに限られず、1つまたは3つ以上であってもかまわない。
抵抗層264は、たとえば導電性のフィラーを含む樹脂等で構成される。その他、第3実施形態に係る圧電アクチュエータ210は、第1実施形態に係る圧電アクチュエータ10と同様の効果を奏する。
第4実施形態
図9は、本発明の第4実施形態に係る圧電アクチュエータ310を示す概略斜視図である。第4実施形態に係る圧電アクチュエータ310は、第2素子保護層62の上に抵抗層264が設けられていることを除き、第2実施形態に係る圧電アクチュエータ110と同様である。したがって、圧電アクチュエータ310の説明では、第2実施形態に係る圧電アクチュエータ110との相違点のみを説明し、共通点については説明を省略する。
図9に示すように、圧電アクチュエータ310において、圧電素子部20の外部電極非形成面20eは第2素子保護層62で被覆されており、さらに第2素子保護層62の上には、抵抗層264が重ねて設けられている。なお、抵抗層264は、図8に示す圧電アクチュエータ210が有する抵抗層264と同様である。
圧電アクチュエータ310も、第3実施形態に係る圧電アクチュエータ210と同様に、焦電効果による圧電素子部20の分極度低下を防止することができる。その他、第4実施形態に係る圧電アクチュエータ310は、第2実施形態に係る圧電アクチュエータ210及び第3実施形態に係る圧電アクチュエータ310と同様の効果を奏する。
以上、実施形態を挙げて本発明に係る圧電アクチュエータ310を説明してきたが、本発明は上述した実施形態のみに限定されるものではなく、他の多くの実施形態や変形例を有することは言うまでもない。たとえば、第1素子保護層61及び第2素子保護層62は、圧電素子部20の側面と接着樹脂部150との間に挟まれるように設けられていればどのような形状であってもよく、実施形態に示される以外の形状を有していてもよい。
10、110、210、310…圧電アクチュエータ
12、112…シャフト
12a、112a…シャフト対向面
20…圧電素子部
20a…第1端面
20b…第2端面
20c…外部電極形成面
20e…外部電極非形成面
21…素子本体
22…内部電極層
23…圧電体層
24…外部電極
30…配線部
40…錘
50、150…接着樹脂部
50a、150a…第1厚み変化部
50b、150b…第2厚み変化部
51、151…第1境界部
52、152…第2境界部
56…連結部
61…第1素子保護層
62…第2素子保護層
264…抵抗層

Claims (4)

  1. 可動部であるシャフトと、
    慣性部である錘と、
    前記シャフトが接続される第1端面と、前記第1端面に対向しており前記錘が接続される第2端面と、互いに対向する2つの外部電極形成面と2つの前記外部電極形成面を接続しており互いに対向する2つの外部電極非形成面とを含み前記第1端面と前記第2端面とを接続する4つの側面と、を有する略直方体の圧電素子部と、
    前記シャフトと前記圧電素子部とを連結する接着樹脂部と、
    前記錘と前記圧電素子部とを連結する連結部と、
    前記外部電極形成面に垂直な断面において、前記接着樹脂部における前記錘に近い側の端部である第1境界部と前記外部電極形成面との間に挟まれるように、前記外部電極形成面に設けられる第1素子保護層と、
    前記外部電極非形成面に垂直な断面において、前記接着樹脂部における前記錘に近い側の端部である第2境界部と前記外部電極非形成面との間に挟まれるように、前記外部電極非形成面に設けられる第2素子保護層と、を有し、
    前記第1素子保護層の面積は、前記第2素子保護層の面積より狭く、
    前記第1素子保護層および前記第2素子保護層の弾性率は、前記接着樹脂部の弾性率より低いことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 前記外部電極形成面に垂直な断面における前記第1素子保護層の厚みは、前記外部電極非形成面に垂直な断面における前記第2素子保護層の厚みより薄いことを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  3. 可動部であるシャフトと、
    慣性部である錘と、
    前記シャフトが接続される第1端面と、前記第1端面に対向しており前記錘が接続される第2端面と、互いに対向する2つの外部電極形成面と2つの前記外部電極形成面を接続しており互いに対向する2つの外部電極非形成面とを含み前記第1端面と前記第2端面とを接続する4つの側面と、を有する略直方体の圧電素子部と、
    前記シャフトと前記圧電素子部とを連結する接着樹脂部と、
    前記錘と前記圧電素子部とを連結する連結部と、
    前記外部電極形成面に垂直な断面において、前記接着樹脂部における前記錘に近い側の端部である第1境界部と前記外部電極形成面との間に挟まれるように、前記外部電極形成面に設けられる第1素子保護層と、
    前記外部電極非形成面に垂直な断面において、前記接着樹脂部における前記錘に近い側の端部である第2境界部と前記外部電極非形成面との間に挟まれるように、前記外部電極非形成面に設けられる第2素子保護層と、を有し、
    前記第1素子保護層の面積は、前記第2素子保護層の面積より狭く、
    前記外部電極形成面に垂直な断面における前記第1素子保護層の厚みは、前記外部電極非形成面に垂直な断面における前記第2素子保護層の厚みより薄いことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  4. 前記接着樹脂部は、前記外部電極形成面に垂直な断面において、前記第1境界部から前記シャフトに近い側に向かって徐々に厚みが増す第1厚み変化部を有し、
    前記第1素子保護層は、前記第1厚み変化部と前記外部電極形成面との間に挟まれるように設けられており、
    前記接着樹脂部は、前記外部電極非形成面に垂直な断面において、前記第2境界部から前記シャフトに近い側に向かって徐々に厚みが増す第2厚み変化部を有し、
    前記第2素子保護層は、前記第2厚み変化部と前記外部電極非形成面との間に挟まれるように設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
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