JP6571111B2 - 加飾用複層シートおよび立体成型体 - Google Patents
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Description
(1) 0.3≦Mw(A)/Mw(b1-total)≦4.0
(2) 30,000≦Mw(b2-total)≦140,000
を満たす加飾用複層シート。
[2]: 前記積層体の膜厚が0.05〜0.5mmの範囲内であり、前記アクリル系樹脂層の厚みが0.03〜0.25mmである[1]記載の加飾用複層シート。
[3]: 厚みがd1のシート状の前記アクリル系樹脂層において、当該アクリル系樹脂層を構成する樹脂のガラス転移温度に対して40℃高温にて、当該アクリル系樹脂層を、300mm/secの速度で200%延伸させたときに、0.05mm以上のクラックが生じず、且つ以下の(式1)を満たす[1]又は[2]に記載の加飾用複層シート。
<数1> (H2/d2)―(H1/d1)<1.20 (式1)
(式中のH1は延伸前の前記アクリル系樹脂層のヘイズ値であり、d1は0.2mmである延伸前の前記アクリル系樹脂層の厚みであり、H2は延伸後の前記アクリル系樹脂層のヘイズ値であり、d2は延伸後の前記アクリル系樹脂層の厚みである。)
[4]: 前記基材層の少なくとも一方の面が、(a)有色となっている、および(b)模様が設けられている、の少なくとも一方を満たし、前記基材層と前記アクリル系樹脂層とが押出成形法により一体的に積層された[1]〜[3]のいずれかに記載の加飾用複層シート。
[5]: 前記基材層の少なくとも一方の面が、(a)有色となっている、および(b)模様が設けられている、の少なくとも一方を満たし、0.03〜0.1mmの範囲にある前記アクリル系樹脂層を用い、前記基材層を構成する樹脂および前記アクリル系樹脂層を構成する樹脂のうちのガラス転移温度が高い樹脂のガラス転移温度に対して、40℃高温にて、前記積層体を300mm/secの速度で200%延伸させたときに、0.05mm以上のクラックが生じず、且つ前記アクリル系樹脂層側から、JIS Z8729に規定された物体色の表示方法であるL*a*b*を延伸前後で測定したとき、以下の(式2)を満たす[1]〜[4]のいずれかに記載の加飾用複層シート。
<数2> L*2−L*1<3.5 (式2)
(式中のL*1は、延伸前の前記積層体のL*値であり、L*2は、延伸後の前記積層体のL*値である。)
[6]: 前記基材層として、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂から形成された層を用いた[1]〜[5]のいずれかに記載の加飾用複層シート。
[7]: 前記基材層として、アクリル系樹脂層から形成された層を用いた[1]〜[5]のいずれかに記載の加飾用複層シート。
[8]: 前記基材層として、ポリカーボネート系樹脂から形成された層を用いた[1]〜[5]のいずれかに記載の加飾用複層シート。
[9]: 前記基材層と対向しない前記アクリル系樹脂層の主面におけるJIS Z8741による60°光沢度が、80以上、95以下である[1]〜[8]のいずれかに記載の加飾用複層シート。
[10]: 自動車の内外装に用いられる[1]〜[9]のいずれかに記載の加飾用複層シート。
アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシルなどが挙げられる。これらのうち、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルが好ましい。
アクリル酸エステル重合体ブロック(b2)が、アクリル酸アルキルエステルと(メタ)アクリル酸芳香族エステルとからなる場合、該アクリル酸エステル重合体ブロック(b2)は、アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位50〜90質量%と(メタ)アクリル酸芳香族エステルに由来する構造単位50〜10質量%とを含むことが好ましく、アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位60〜80質量%と(メタ)アクリル酸芳香族エステルに由来する構造単位40〜20質量%とを含むことがより好ましい。
これらのうち、ジブロック共重合体、トリブロック共重合体、星型ブロック共重合体が好ましく、(b1)−(b2)構造のジブロック共重合体、(b1)−(b2)−(b1)構造のトリブロック共重合体、[(b1)−(b2)−]nX構造の星形ブロック共重合体、[(b1)−(b2)−(b1)−]nX構造の星形ブロック共重合体がより好ましい。
重合体ブロック(b3)を構成する主たる構造単位はメタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステル以外の単量体に由来する構造単位である。かかる単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−オクテンなどのオレフィン;ブタジエン、イソプレン、ミルセンなどの共役ジエン;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;酢酸ビニル、ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルケトン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、ε−カプロラクトン、バレロラクトンなどを挙げることができる。
ブロック共重合体(B)の重量平均分子量が小さいと、溶融押出成形において十分な溶融張力を保持できず、良好な板状成形体が得られにくく、また得られた板状成形体の破断強度などの力学物性が低下する傾向がある。一方、ブロック共重合体(B)の重量平均分子量が大きいと、溶融樹脂の粘度が高くなり、溶融押出成形で得られる板状成形体の表面に微細なシボ調の凹凸や未溶融物(高分子量体)に起因するブツが発生し、良好な板状成形体が得られにくい傾向がある。
アクリル系樹脂組成物におけるメタクリル系樹脂(A)の含有量がブロック共重合体(B)に対して少ないと、Tダイを用いた溶融押出成形により得られるシートの表面硬度が低下する傾向がある。
リン系酸化防止剤とヒンダードフェノール系酸化防止剤とを併用する場合、その割合は特に制限されないが、リン系酸化防止剤/ヒンダードフェノール系酸化防止剤の質量比で、下限が1/5以上が好ましく、1/2以上がより好ましく、上限が2/1以下が好ましく、1/1以下がより好ましい。
該熱劣化防止剤としては、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友化学社製;商品名スミライザーGM)、2,4−ジ−t−アミル−6−(3’,5’−ジ−t−アミル−2’−ヒドロキシ−α−メチルベンジル)フェニルアクリレート(住友化学社製;商品名スミライザーGS)などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、トリアジン類、ベンゾエート類、サリシレート類、シアノアクリレート類、蓚酸アニリド類、マロン酸エステル類、ホルムアミジン類などが挙げられる。これらの中でも、ベンゾトリアゾール類、アニリド類が好ましい。紫外線吸収剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
アニリド類としては、2−エチル−2’−エトキシ−オキサルアニリド(クラリアントジャパン社製;商品名サンデユボアVSU)などが挙げられる。
これら紫外線吸収剤のうち、紫外線被照による樹脂劣化が抑えられるという観点からベンゾトリアゾール類がもっとも好ましく用いられる。
該重合体粒子は、単一組成比および単一極限粘度の重合体からなる単層粒子であってもよいし、また組成比または極限粘度の異なる2種以上の重合体からなる多層粒子であってもよい。この中でも、内層に低い極限粘度を有する重合体層を有し、外層に5dl/g以上の高い極限粘度を有する重合体層を有する2層構造の粒子が好ましいものとして挙げられる。
また、ブロック共重合体(B)を、メタクリル系樹脂(A)の単量体単位であるアクリル系モノマーとトルエン等の溶媒の混合溶液に溶解し、該アクリル系モノマーを重合することにより、ブロック共重合体(B)を含む、本発明に用いられるアクリル系樹脂組成物を調製することもできる。
これらのうちでも、熱成形性・加工性、耐候性、耐薬品性、耐擦傷性等の性能面のバランスのよいポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、ABS樹脂を使用することが好ましい。更に、複層シート中に樹脂由来のゲル化物が発生すると成型品の欠点となり収率低下につながるため、樹脂の構造的にゲル化反応が起こりにくいアクリル系樹脂を基材層に使用することがより好ましい。なお、ここでいう「アクリル系樹脂」とは、メタクリル系樹脂、アクリル系樹脂、およびこれらのブロック共重合体、コア−シェル型粒子並びにこれらをブレンドしたもの等を含む。
これらの方法のうち、(1)または(2)の方法では、ラミネート前に、アクリル系樹脂層と基材層の貼り合せ面側にコロナ処理などの表面処理を施してもよい。
<数3> (H2/d2)―(H1/d1)<1.20 (式1)
但し、式中のH1は延伸前のアクリル系樹脂層のヘイズ値であり、d1は延伸前のアクリル系樹脂層の厚みであり、H2は延伸後のアクリル系樹脂層のヘイズ値であり、d2は延伸後のアクリル系樹脂層の厚みである。
上記式1を満たすことにより、このアクリル系樹脂層を用いた複層シートを熱成型した後も、成型前と変らない光沢感を保持できるという効果が得られる。なお、本願のアクリル系樹脂層は、上記厚みに限定されるものではない。即ち、上記条件は、上記条件で測定した場合に得られる特性を特定したものであり、本願発明のアクリル系樹脂層の条件を何ら特定するものではない。
用いる顔料としては、例えばアゾ系顔料、キノン系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリレン系顔料、カオリナイト、白雲母、タルク、炭酸カルシウム、無水/含水ケイ酸、アルミナ、塩基性炭酸マグネシウム、沈降性硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、リトポン、鉄黒、黒鉛、カーボンブラック、黄鉛、黄色酸化鉄、チタンイエロー、モリブデートオレンジ、赤色酸化鉄、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン等が挙げられる。
また、用いる染料としては、例えばアゾ染料、アクリジン染料、ニトロソ染料、ニトロ染料、スチルベンアゾ染料、ケトイミン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、キノリン染料、メチン/ポリメチン染料、アントラキノン染料、チアゾール染料、インダミン/インドフェノール染料、アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料、硫化染料、アミノケトン/オキシケトン染料、インジゴイド染料、フタロシアニン染料、ペリレン染料、ペリノン染料等が挙げられる。
本発明のアクリル系樹脂層を着色することにより、裏打ち層の色調を微調整することができる。例えば、前述のピアノブラック調の複層シートでは、アクリル系樹脂層に青や緑色系の染料を含有させ着色することにより、基材層の赤みや黄色みを補正できるため、より漆黒感を上げることができる。
<数4> L*2−L*1<3.5 (式2)
但し、式中のL*)は、延伸前の前記積層体のL*値であり、L*2は、延伸後の前記積層体のL*値である。
上記式2を満たすことにより、このアクリル系樹脂層を用いた複層シートを熱成型した後も、成型前と変らない色の明度を保持できるという効果を得ることができる。なお、本願の複層シートは、上記条件に限定されるものではない。即ち、上記条件は、上記条件で測定した場合に得られる特性を特定したものであり、本願発明の複層シートの条件を何ら特定するものではない。
本発明の立体成型体は、複層シートが、立体成形物の表面に設けられてなるものである。立体成形物は、本発明の複層シートを熱成形できるものであればよく、限定されないが、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、木質基材またはケナフなどの非木質繊維基材である。立体成形物は、複数種類の材質からできていてもよいが、複層シートを被覆する面は、複層シートが熱成形することを考慮して材質を選定すればよい。
シートの予備成形は、別個の成形機で行ってもよいし、射出成形同時貼合法に用いる射出成形機の金型内で予備成形を行ってもよい。後者の方法、即ち、シートを予備成形した後その片面に溶融樹脂を射出する方法は、インサート成形法と呼ばれる。
シートに本発明の複層シートを用いる場合には、本発明の複層シートのアクリル系樹脂層側が最表面となるように配置(一体化する他のシート側に基材層を配置)することが好ましい。このようにして、最表層に本発明の複層シートのアクリル系樹脂層が設けられた立体成型体を得ることができる。
ブロック共重合体(B)およびメタクリル系樹脂(A)の重合中および重合終了後の重量平均分子量(Mw)および分子量分布はGPC(ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー)によりポリスチレン換算分子量で求めた。
・装置:東ソー社製GPC装置「HLC-8320」
・分離カラム:東ソー社製の「TSKguardcolum SuperHZ-H」、「TSKgel HZM-M」および「TSKgel SuperHZ4000」を直列に連結
・溶離剤:テトラヒドロフラン
・溶離剤流量:0.35mL/min
・カラム温度:40℃
・検出方法:示差屈折率(RI)
各重合体ブロックの構成割合は1H−NMR(1H−核磁気共鳴)測定によって求めた。
・装置:日本電子社製核磁気共鳴装置「JNM-LA400」
・重溶媒:重水素化クロロホルム
任意のアクリル系樹脂組成物を用い、50mmΦベント式の1軸押出機を用いて吐出量26kg/hrにて押出し、幅300mmの単層Tダイより温度260℃にて押出し、80℃と100℃の金属鏡面ロールでニップして8.2m/minの速度にて引取り、厚み200μmの単層シートからなるアクリル系樹脂層(単層シート)を製膜した。
任意のアクリル系樹脂組成物を用い、30mmΦベント式の1軸押出機を用いて吐出量5kg/hrにて押出し、同時に任意の基材層を形成するための熱可塑性樹脂を用い、50mmΦベント式の1軸押出機を用いて23kg/hrにて押出した。そして、それぞれを幅300mmのマルチマニホールドダイを用いて積層させて温度260℃にて押出し、80℃と100℃の金属鏡面ロールでニップして5.9m/minの速度にて引取ることにより、総厚み300μm、アクリル系樹脂層75μmの複層シートを製膜した。
各製造例で得られた樹脂を、JIS K7121に準拠して、示差走査熱量測定装置(島津製作所製、DSC−50(品番))を用いて、230℃まで一度昇温し、次いで室温まで冷却し、その後、室温から230℃までを10℃/分で昇温させる条件にてDSC曲線を測定した。2回目の昇温時に測定されるDSC曲線から求められる中間点ガラス転移温度を本発明におけるガラス転移温度とした。
前述の製膜条件により作製した単層シート状のアクリル系樹脂層および複層シートを其々切り出し、150mm×50mmの試験片を作製し、オートグラフ(島津製作所社製 オートグラフAG−5kN)にセットした。次いで、アクリル系樹脂層を構成する樹脂もしくは基材層を構成する樹脂のどちらか高い方のTgに対し、40℃高い温度雰囲気にて、5kNロードセル、チャック間距離110mm、引張速度300mm/秒で200%の延伸率まで引っ張り、延伸成型体を作製した。
前述の製膜条件により作製したアクリル系樹脂層(単層シート)とその延伸成型体を30mm×30mmに切り出して試験片とした。試験片をヘイズメーター(村上色彩技術研究所製:HAZE METER HM-150)にセットし、JIS−K7136に準拠して延伸前のヘイズH1、延伸後のヘイズH2を測定した。延伸前のシート厚みd1(mm)、延伸後のシート厚みd2(mm)を用いて、下式で定義される延伸前後のヘイズの差を算出した。
<数5> (H2/d2)―(H1/d1)
前述の製膜条件により作製した複層シートとその延伸成型体を、其々30mm×30mmに切り出して試験片とした。鉛筆硬度試験機(東洋精機製作所社製:鉛筆引っかき塗膜硬さ試験機)に試験片をセットし、JIS−K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度を測定し、延伸前後の鉛筆硬度を比較した。
前述の製膜条件により作製した複層シートとその延伸成型体の平面部分を30mm×30mm切り出し試験片とした。分光測色計(日本電色工業社製:Spectro Photometer SE5000)に試験片を透明樹脂層側が測定面になるようにセットし、JIS Z8722に準拠し、C光源、視野角度10度、反射モード(拡散反射)の条件にて、JIS Z8729(2004)に規定された物体色の表示方法であるL*a*b*をアクリル系樹脂層側から測定し、延伸前後のL*値を比較した。L*値は数値が小さいほど濃色を示す。
前述の製膜条件により作製したアクリル系樹脂層(単層シート)と複層シートを150mm×150mmに切り出して試験片とした。真空成形機(山八歯材工業社製 バキュームアダプターI 型)に試験片をセットし、シート表面の温度がアクリル系樹脂層を構成する樹脂もしくは基材層を構成する樹脂のどちらか高いTgに対して、40℃高温となるまで加熱した。次いで、図2に示す幅50mm×奥行き50mm×高さ30mmの立方体状の金型に押し付けて下方から真空引きをすることにより立体成型体を成形した。なお、複層シート1はアクリル系樹脂層2側が立体成型体の表面になるように試験片をセットした。図2におけるRは、曲率半径(mm)を示す。
前述の成型条件により作製した立体成型体の各辺ならびに各頂点部を目視にて確認し、目視て確認できる幅0.05mm以上のクラックと白化の程度を判別した。判別基準を以下に示した。
a:各辺と各頂点部分に白化や破れが見られない。
b:各辺と各角部に白化が見られる。
c:各辺と各角部に白化と破れが見られる。
前述の成型条件により作製した複層シート立体成型体のアクリル系樹脂層側の任意の面にて、グロスチェッカー(HORIBA社製 GROSS CHECKER IG-331)を用いてJIS Z8741に準拠し60°グロス値(60°光沢度)を評価した。この60°グロス値は複層加飾シートのアクリル系樹脂層側の片面において異なる10箇所の領域を測定し、10箇所の平均値を複層加飾シートの表面60°グロス値とした。
内部を脱気し、窒素で置換したブライン冷却できるジャケットおよび撹拌機つきのグラスライニング製3m3反応容器に、室温にて乾燥トルエン735kg、ヘキサメチルトリエチレンテトラミン0.4kg、およびイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム20molを含有するトルエン溶液39.4kgを加え、さらに、sec−ブチルリチウム1.17molを加えた。これにメタクリル酸メチル35.0kgを加え、室温で1時間反応させた。反応液に含まれる重合体をサンプリングして重量平均分子量(以下、Mw(b1-1)と称する)を測定したところ、40,000であった。かかるメタクリル酸メチル重合体はさらにアクリル酸エステルをブロック共重合することで、該メタクリル酸メチル重合体はメタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)(以下、「メタクリル酸メチル重合体ブロック(b1−1)」と称する)となる。
表1に示す以外の条件は、参考例1と同様にして、ブロック共重合体(B−2)〜(B−4)を合成した。表1には、得られたMw(b1−1)、Mw(b2)、得られたブロック共重合体(B−2)〜(B−6)の分析結果を表2に示す。
内部を脱気し、窒素で置換したブライン冷却できるジャケットおよび撹拌機つきのグラスライニング製3m3反応容器に、室温にて乾燥トルエン735kg、ヘキサメチルトリエチレンテトラミン0.4kg、およびイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム20molを含有するトルエン溶液39.4kgを加え、さらに、sec−ブチルリチウム1.17molを加えた。これにメタクリル酸メチル35.0kgを加え、室温で1時間反応させた。反応液に含まれる重合体をサンプリングして重量平均分子量(以下、Mw(b1)と称する)を測定したところ、40,000であった。かかるメタクリル酸メチル重合体はさらにアクリル酸エステルをブロック共重合することで、該メタクリル酸メチル重合体はメタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)(以下、「メタクリル酸メチル重合体ブロック(b1)」と称する)となる。
乾燥トルエンを567kg、ヘキサメチルトリエチレンテトラミンを0.1kg、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム4.1mol、トルエン溶液を8.3kg、sec−ブチルリチウム0.42mol、メタクリル酸メチル33.3kgを用いた以外は、参考例5と同様の方法にてメタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)(以下、「メタクリル酸メチル重合体ブロック(b1)」と称する)を得た。反応液に含まれる重合体をサンプリングして重量平均分子量(以下、Mw(b1-1)と称する)を測定したところ、80,000であった。
メタクリル酸メチル95質量部、アクリル酸メチル5質量部からなる単量体混合物に重合開始剤(2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、水素引抜能:1%、1時間半減期温度:83℃)0.1質量部および連鎖移動剤(n−オクチルメルカプタン)0.77質量部を加え溶解させて原料液を得た。
イオン交換水100質量部、硫酸ナトリウム0.03質量部および懸濁分散剤0.45質量部を混ぜ合わせて混合液を得た。耐圧重合槽に、前記混合液420質量部と前記原料液210質量部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら、温度を70℃にして重合反応を開始させた。重合反応開始後、3時間経過時に、温度を90℃に上げ、撹拌を引き続き1時間行って、ビーズ状共重合体が分散した液を得た。なお、重合槽壁面あるいは撹拌翼にポリマーが若干付着したが、泡立ちもなく、円滑に重合反応が進んだ。
得られた共重合体分散液を適量のイオン交換水で洗浄し、バケット式遠心分離機により、ビーズ状共重合体を取り出し、80℃の熱風乾燥機で12時間乾燥し、ビーズ状のメタクリル樹脂(A)(以下「メタクリル樹脂(A−1)」と称する)を得た。
得られたメタクリル樹脂(A−1)の重量平均分子量Mw(A)は30,000、分子量分布は1.8、ガラス転移温度(Tg)は111℃であった。
連鎖移動剤の量を0.28質量部に変更した以外は、参考例5と同様にして、Mw(A)は80,000、分子量分布1.8、ガラス転移温度は115℃のメタクリル樹脂(A−2)を得た。
連鎖移動剤の量を0.16質量部に変更した以外は、参考例5と同様にして、Mw(A)は130,000、分子量分布1.8の、ガラス転移温度は115℃メタクリル樹脂(A−3)を得た。
ブロック共重合体(B−1)30質量部と、メタクリル樹脂(A−2)70質量部とを、二軸押出機により230℃で溶融混練した。その後、押出し、切断することによって、アクリル系樹脂組成物のペレットを製造した。ガラス転移温度は115℃であった。
得られたアクリル系樹脂組成物を用いて前述の方法で厚さ200μmの透明性樹脂単層シートを製膜し、得られた透明性樹脂単層シートを前述の方法で延伸し、延伸前後のヘイズを前述の方法で測定した。また、得られたメタアクリル樹脂組成物と、カーボンブラック含有黒原着のテクノポリマー社製ABS樹脂「330ABS」(Tg:100℃)を用いて前述の方法で総厚さ300μm、アクリル系樹脂層75μmの共押出し複層シートを製膜し、得られた複層シートを前述の方法で延伸し、延伸前後の鉛筆硬度と測色値L値を前述の方法で測定した。また、複層シートを前述の方法で真空成型することにより得られた複層シート立体成型体の表面光沢度(%)を測定し、破断や白化の有無を目視評価した。結果を表3に示す。
ブロック共重合体(B−2)10質量部と、メタクリル樹脂(A−2)90質量部とを、二軸押出機により230℃で溶融混練した。その後、押出し、切断することによって、アクリル系樹脂組成物のペレットを製造した。
このペレットを用いて実施例1と同じ方法で透明性樹脂単層シートと共押出し複層シート、ならびに複層シート立体成型体を成型し、それぞれの物性を測定した。結果を表3に示す。
ブロック共重合体(B−6)10質量部と、メタクリル樹脂(A−3)90質量部とを、二軸押出機により230℃で溶融混練した。その後、押出し、切断することによって、アクリル系樹脂組成物のペレットを製造した。
このペレットを用いて実施例1と同じ方法で透明性樹脂単層シートと共押出し複層シート、ならびに複層シート立体成型体を成型し、それぞれの物性を測定した。結果を表3に示す。
ブロック共重合体(B−5)30質量部と、メタクリル樹脂(A−2)70質量部とを、二軸押出機により230℃で溶融混練した。その後、押出し、切断することによって、アクリル系樹脂組成物のペレットを製造した。
このペレットを用いて実施例1と同じ方法で透明性樹脂単層シートと共押出し複層シート、ならびに複層シート立体成型体を成型し、それぞれの物性を測定した。結果を表3に示す。
ブロック共重合体(B−5)20質量部と、メタクリル樹脂(A−3)80質量部とを、二軸押出機により230℃で溶融混練した。その後、押出し、切断することによって、アクリル系樹脂組成物のペレットを製造した。
このペレットを用いて実施例1と同じ方法で透明性樹脂単層シートと共押出し複層シート、ならびに複層シート立体成型体を成型し、それぞれの物性を測定した。結果を表3に示す。
ブロック共重合体(B−6)20質量部と、メタクリル樹脂(A−3)80質量部とを、二軸押出機により230℃で溶融混練した。その後、押出し、切断することによって、アクリル系樹脂組成物のペレットを製造した。
このペレットを用いて実施例1と同じ方法で透明性樹脂単層シートと共押出し複層シート、ならびに複層シート立体成型体を成型し、それぞれの物性を測定した。結果を表3に示す。
ブロック共重合体(B−5)20質量部と、メタクリル樹脂(A−2)80質量部とを、二軸押出機により230℃で溶融混練した。その後、押出し、切断することによって、アクリル系樹脂組成物のペレットを製造した。
このペレットを用いて実施例1と同じ方法で透明性樹脂単層シートと共押出し複層シート、ならびに複層シート立体成型体を成型し、それぞれの物性を測定した。結果を表3に示す。
ブロック共重合体(B−5)20質量部と、メタクリル樹脂(A−2)80質量部とを、二軸押出機により230℃で溶融混練した。その後、押出し、切断することによって、アクリル系樹脂組成物のペレットを製造した。また、住化スタイロンポリカーボネート社製、ポリカーボネート「カリバー301−8」(Tg:150度)98質量部、黒色顔料として三菱化学社製「三菱カーボンブラック」1.0質量部、黒色染料としてランクセス社製「MACROLEX Green G」0.3質量部、ランクセス社製「MACROLEX Green 5B」0.7質量部とを、二軸押出機により250℃で溶融混練した。その後、押出し、切断することによって、黒色のポリカーボネート樹脂組成物のペレットを製造した。このペレットを用いて、実施例1と同じ方法で透明性樹脂単層シートと共押出し複層シート、ならびに複層シート立体成型体を成型し、それぞれの物性を測定した。結果を表3に示す。
ブロック共重合体(B−5)20質量部と、メタクリル樹脂(A−2)80質量部とを、二軸押出機により230℃で溶融混練した。その後、押出し、切断することによって、アクリル系樹脂組成物のペレットを製造した。
また、クラレ社製、架橋ゴム粒子配合樹脂「パラペットGR−100」49質量部と、メタクリル樹脂(A−3)49質量部、黒色顔料として三菱化学社製「三菱カーボンブラック」1.0質量部、黒色染料としてランクセス社製「MACROLEX Green G」0.3質量部、ランクセス社製「MACROLEX Green 5B」0.7質量部とを、二軸押出機により230℃で溶融混練した。その後、押出し、切断することによって、黒色のアクリル系樹脂組成物のペレットを製造した。Tgは、108℃であった。
このペレットを用いて、実施例1と同じ方法で透明性樹脂単層シートと共押出し複層シート、ならびに複層シート立体成型体を成型し、それぞれの物性を測定した。結果を表3に示す。
ブロック共重合体(B−5)40質量部と、メタクリル樹脂(A−2)60質量部とを用いる以外は実施例7と同様に成形し、それぞれの物性を測定した。結果を表3に示す。
ブロック共重合体(B)に変えて、クラレ社製、架橋ゴム粒子配合樹脂「パラペットGR−100」20質量部と、メタクリル樹脂(A−2)80質量部とを、二軸押出機により230℃で溶融混錬した。その後、押出し、切断することによって、アクリル系樹脂組成物のペレットを製造した。
このペレットを用いて実施例1と同じ方法で透明性樹脂単層シートと共押出し複層シート、ならびに複層シート立体成型体を成型し、それぞれの物性を測定した。結果を表4に示す。
ブロック共重合体(B)に変えて、クラレ社製、架橋ゴム粒子配合樹脂「パラペットEB−SN」30質量部と、メタクリル樹脂(A−2)70質量部とを、二軸押出機により230℃で溶融混錬した。その後、押出し、切断することによって、アクリル系樹脂組成物のペレットを製造した。
このペレットを用いて実施例1と同じ方法で透明性樹脂単層シートと共押出し複層シート、ならびに複層シート立体成型体を成型し、それぞれの物性を測定した。結果を表4に示す。
ブロック共重合体(B−2)20質量部と、メタクリル樹脂(A−1)80質量部とを、二軸押出機により230℃で溶融混練した。その後、押出し、切断することによって、アクリル系樹脂組成物のペレットを製造した。
このペレットを用いて実施例1と同じ方法で透明性樹脂単層シートと共押出し複層シート、ならびに複層シート立体成型体を成型し、それぞれの物性を測定した。結果を表4に示す。
ブロック共重合体(B−4)20質量部と、メタクリル樹脂(A−1)80質量部とを、二軸押出機により230℃で溶融混練した。その後、押出し、切断することによって、アクリル系樹脂組成物のペレットを製造した。
このペレットを用いて実施例1と同じ方法で透明性樹脂単層シートと共押出し複層シート、ならびに複層シート立体成型体を成型し、それぞれの物性を測定した。結果を表4に示す。
ブロック共重合体(B−3)20質量部と、メタクリル樹脂(A−3)80質量部とを、二軸押出機により230℃で溶融混練した。その後、押出し、切断することによって、アクリル系樹脂組成物のペレットを製造した。
このペレットを用いて実施例1と同じ方法で透明性樹脂単層シートと共押出し複層シート、ならびに複層シート立体成型体を成型し、それぞれの物性を測定した。結果を表4に示す。
ブロック共重合体(B−4)20質量部と、メタクリル樹脂(A−2)80質量部とを、二軸押出機により230℃で溶融混練した。その後、押出し、切断することによって、アクリル系樹脂組成物のペレットを製造した。
このペレットを用いて実施例1と同じ方法で透明性樹脂単層シートと共押出し複層シート、ならびに複層シート立体成型体を成型し、それぞれの物性を測定した。結果を表4に示す。
(1) 0.3≦Mw(A)/Mw(b1-total)≦4.0
(2) 30,000≦Mw(b2-total)≦140,000
を満たし、且つ、メタクリル系樹脂(A)とブロック共重合体(B)との合計100質量部に対して、メタクリル系樹脂(A)が10〜99質量部であり、ブロック共重合体(B)が90〜1質量部で配合したアクリル系樹脂組成物を用いて作製した加飾用複層シートは、優れた加飾性を示すことがわかる。即ち、局所的な延伸率や屈曲率が高くなりやすい複雑な3次元立体形状に成形した際に、成形時の破断や白化を抑制し、且つ優れた表面平滑性と表面硬度、色の深み感を維持できることがわかる。
2 アクリル系樹脂層
3 基材層
4 立体成型用金型
Claims (11)
- アクリル系樹脂層と基材層とを含む積層体からなる加飾用複層シートであって、
前記アクリル系樹脂層は、メタクリル系樹脂(A)およびブロック共重合体(B)を含むアクリル系樹脂組成物を用いて形成され、
メタクリル系樹脂(A)は、メタクリル酸メチルに由来する構造単位を80質量%以上有し、
ブロック共重合体(B)は、メタクリル酸エステルに由来する構造単位を含むメタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)およびアクリル酸エステルに由来する構造単位を含むアクリル酸エステル重合体ブロック(b2)を其々、一分子中に1有するジブロック体からなり、且つメタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)を10〜80質量%、アクリル酸エステル重合体ブロック(b2)を90〜20質量%の割合で含み、
メタクリル系樹脂(A)とブロック共重合体(B)との合計100質量部に対して、メタクリル系樹脂(A)が70〜90質量部であり、ブロック共重合体(B)が30〜10質量部であり、
メタクリル系樹脂(A)の重量平均分子量Mw(A)、ブロック共重合体(B)に含まれる一分子中のメタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)の重量平均分子量Mw(b1-total)、およびブロック共重合体(B)に含まれる一分子中のアクリル酸エステル重合体ブロック(b2)の重量平均分子量Mw(b2-total)としたときに、
(1) 0.3≦Mw(A)/Mw(b1-total)≦4.0
(2) 30,000≦Mw(b2-total)≦140,000
を満たす加飾用複層シート。 - 前記積層体の膜厚が0.05〜0.5mmの範囲内であり、
前記アクリル系樹脂層の厚みが0.03〜0.25mmである請求項1記載の加飾用複層シート。 - 厚みがd1のシート状の前記アクリル系樹脂層において、当該アクリル系樹脂層を構成する樹脂のガラス転移温度に対して40℃高温にて、当該アクリル系樹脂層を、300mm/secの速度で200%延伸させたときに、0.05mm以上のクラックが生じず、且つ以下の式1を満たす請求項1又は2に記載の加飾用複層シート。
<数1> (H2/d2)―(H1/d1)<1.20 (式1)
(式中のH1は延伸前の前記アクリル系樹脂層のヘイズ値であり、d1は0.2mmである延伸前の前記アクリル系樹脂層の厚みであり、H2は延伸後の前記アクリル系樹脂層のヘイズ値であり、d2は延伸後の前記アクリル系樹脂層の厚みである。) - 前記基材層の少なくとも一方の面が、(a)有色となっている、および(b)模様が設けられている、の少なくとも一方を満たし、
前記基材層と前記アクリル系樹脂層とが押出成形法により一体的に積層された請求項1〜3のいずれか1項に記載の加飾用複層シート。 - 前記基材層の少なくとも一方の面が、(a)有色となっている、および(b)模様が設けられている、の少なくとも一方を満たし、
0.03〜0.1mmの範囲にある前記アクリル系樹脂層を用い、
前記基材層を構成する樹脂および前記アクリル系樹脂層を構成する樹脂のうちのガラス転移温度が高い樹脂のガラス転移温度に対して、40℃高温にて、前記積層体を300mm/secの速度で200%延伸させたときに、0.05mm以上のクラックが生じず、且つ前記アクリル系樹脂層側から、JIS Z8729に規定された物体色の表示方法であるL*a*b*を延伸前後で測定したとき、以下の式2を満たす請求項1〜4のいずれか1項に記載の加飾用複層シート。
<数2> L*2−L*1<3.5 (式2)
(式中のL*1は、延伸前の前記積層体のL*値であり、L*2は、延伸後の前記積層体のL*値である。) - 前記基材層として、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂から形成された層を用いた請求項1〜5のいずれか1項に記載の加飾用複層シート。
- 前記基材層として、アクリル系樹脂層から形成された層を用いた請求項1〜5のいずれか1項に記載の加飾用複層シート。
- 前記基材層として、ポリカーボネート系樹脂から形成された層を用いた請求項1〜5のいずれか1項に記載の加飾用複層シート。
- 前記基材層と対向しない前記アクリル系樹脂層の主面におけるJIS Z8741による60°光沢度が、80以上、95以下である請求項1〜8のいずれか1項に記載の加飾用複層シート。
- 自動車の内外装に用いられる請求項1〜9のいずれか1項に記載の加飾用複層シート。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の加飾用複層シートを具備する立体成型体。
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