JP6572646B2 - 印刷制御装置及び印刷装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェットプリンター等の印刷装置を制御する印刷制御装置及び印刷制御装置を備える印刷装置に関する。
従来から、搬送される用紙等の媒体に液体の一例としてのインクを吐出することで、画像を印刷する印刷装置が知られている。この印刷装置の中には、搬送される媒体の斜行量(位置ずれ量)が閾値(第1の閾値)よりも大きい場合には印刷を停止する一方、上記斜行量が閾値以下である場合には、媒体に対する印刷を継続するものがある(例えば、特許文献1)。
特開2003−330334号公報
ところが、上記のような印刷装置において、媒体の大きさ及び当該媒体に印刷しようとする画像の大きさによっては、斜行量が閾値よりも大きい場合であっても、媒体に画像を印刷することができる場合がある。すなわち、この場合において、印刷を停止すると、印刷装置において、単位時間当たりに処理できる印刷ジョブ数が少なくなることで、印刷効率が低下するおそれがある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものである。その目的は、搬送される媒体の斜行に起因する印刷効率の低下を抑制することができる印刷装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する印刷制御装置は、媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、前記媒体の斜行量を検出可能な検出部と、印刷ジョブに基づいて前記媒体に印刷を行う印刷部と、を備えた印刷装置の印刷制御装置である。さらに、印刷制御装置は、前記搬送方向及び前記搬送方向と交差する幅方向において、前記印刷ジョブの印刷範囲が、前記検出部の検出結果に基づいて算出される前記媒体の印刷可能範囲に収まっているか否かを判定し、前記印刷可能範囲に前記印刷範囲が収まっている場合には、前記印刷ジョブに基づく印刷の実行を許可する制御部を備える。
上記構成によれば、検出部の検出結果に基づいて取得される媒体の印刷可能範囲に印刷ジョブの印刷範囲が収まっている場合には、当該印刷ジョブに基づく印刷の実行が許可される。このため、媒体の搬送量の増大に伴って媒体の斜行量が増大する場合などにおいても、印刷ジョブの印刷範囲が媒体の印刷可能範囲に収まる限り、当該媒体に対する印刷が継続される。したがって、搬送される媒体の斜行に起因する印刷効率の低下を抑制することができる。
上記印刷制御装置において、前記制御部は、前記印刷可能範囲に対する前記印刷範囲の配置を調整可能であって、前記印刷可能範囲に前記印刷範囲が収まっていない場合において、前記印刷範囲の幅方向における配置を調整することで、前記印刷範囲が前記印刷可能範囲に収まるときには、前記印刷範囲を調整した前記印刷ジョブに基づく印刷の実行を許可することが望ましい。
媒体の搬送量の増大に伴って媒体の斜行量が増大すると、印刷ジョブの印刷範囲が印刷可能範囲に収まらなくなることがある。この点、上記構成によれば、印刷可能範囲に対して印刷範囲の幅方向における配置を調整することで印刷範囲が印刷可能範囲に収まるときには、印刷範囲を調整した印刷ジョブに基づく印刷が行われる。このため、媒体の斜行量が増大する状況下においても、印刷ジョブに基づく印刷を継続することが可能となり、印刷効率をより高めることができる。
上記印刷制御装置において、前記印刷ジョブが複数あるとき、前記制御部は、複数の前記印刷ジョブのうち、前記印刷範囲が前記印刷可能範囲に収まる前記印刷ジョブに基づく印刷の実行を許可する一方、前記印刷範囲が前記印刷可能範囲に収まらない前記印刷ジョブに基づく印刷の実行を制限することが望ましい。
上記構成によれば、複数の印刷ジョブがある場合、複数の印刷ジョブのうち印刷範囲が印刷可能範囲に収まる印刷ジョブに基づく印刷の実行が許可される。このため、複数の印刷ジョブのうち一部の印刷ジョブの印刷範囲が印刷可能範囲に収まっていない場合に、全ての印刷ジョブに基づく印刷の実行が制限されることを抑制できる点で、印刷効率を高めることができる。また、複数の印刷ジョブのうち一部の印刷ジョブの印刷範囲が印刷可能範囲に収まっていない場合に、全ての印刷ジョブに基づく印刷の実行が許可されることを抑制できる点で、失敗する可能性のある印刷の実行を行わないようにすることができる。
上記印刷制御装置において、前記印刷ジョブが複数あるとき、前記制御部は、複数の前記印刷ジョブの複数の前記印刷範囲が前記印刷可能範囲に収まるか否かを判定し、複数の前記印刷ジョブの複数の前記印刷範囲が前記印刷可能範囲に収まらない場合には、入力された指示に基づいて、複数の前記印刷ジョブのうち前記印刷範囲が前記印刷可能範囲に収まる前記印刷ジョブの中から、印刷の実行を許可する前記印刷ジョブを選択することが望ましい。
上記構成によれば、複数の印刷ジョブがある場合において、複数の印刷ジョブの複数の印刷範囲が印刷可能範囲に収まらない場合には、例えばユーザーから入力された指示に基づいて、複数の印刷ジョブの中から印刷の実行を許可する印刷ジョブが選択される。このため、例えば、複数の印刷ジョブの中に、関連性を有する印刷ジョブがある場合には、当該関連性を有する印刷ジョブに基づく印刷を全て実行させたり、全て実行させなかったりすることができる。こうして、複数の印刷ジョブのうち、区切りのよい印刷ジョブまで、印刷を実行させることができる。
上記印刷制御装置において、前記制御部は、複数の前記印刷ジョブの印刷順序を入れ替え可能であることが望ましい。
印刷ジョブは、その印刷しようとする内容(画像)によって、大きな印刷範囲を有するものもあれば、小さな印刷範囲を有するものもある。このため、媒体の印刷可能範囲の大きさによっては、当該印刷可能範囲に収まる印刷範囲の印刷ジョブもあれば、当該印刷可能範囲に収まる収まらない印刷範囲の印刷ジョブもある。
上記構成によれば、例えば、N個(複数)の印刷ジョブがある場合に、印刷範囲が印刷可能範囲に収まる第Nの印刷ジョブまで印刷が実行され、第N+1の印刷ジョブの印刷範囲が印刷可能範囲に収まらなくなった状況下において、第N+1の印刷ジョブと第N+1よりも後の印刷ジョブ(例えば、第N+2の印刷ジョブ)の印刷順序を入れ替えることができる。そして、第N+1よりも後の印刷ジョブの印刷範囲が印刷可能範囲に収まるのであれば、当該印刷ジョブに基づく印刷が実行される。こうして、複数の印刷ジョブのうち、連続して処理できる印刷ジョブ数が多くなるため、印刷効率を高めることができる。
上記印刷制御装置において、前記印刷ジョブは複数の画像を前記媒体に対して前記搬送方向に並べて印刷するためのものであり、前記印刷ジョブの前記印刷範囲を全体印刷範囲としたとき、前記全体印刷範囲は、複数の前記画像毎の印刷範囲である部分印刷範囲を含み、前記制御部は、前記印刷可能範囲に前記全体印刷範囲が収まっていない場合において、複数の前記部分印刷範囲のうち少なくとも1つの前記部分印刷範囲の前記幅方向における配置を調整することで、前記全体印刷範囲が前記印刷可能範囲に収まるときには、前記部分印刷範囲を調整した前記印刷ジョブに基づく印刷の実行を許可することが望ましい。
印刷ジョブの全体印刷範囲が大きく、印刷可能範囲に収まらない場合であっても、当該印刷ジョブの全体印刷範囲に含まれる複数の部分印刷範囲の幅方向における配置を調整することで、全体印刷範囲を印刷可能範囲に収めることができる場合がある。そこで、上記構成では、複数の部分印刷範囲のうち少なくとも1つの部分印刷範囲の幅方向における配置を調整することで、全体印刷範囲が印刷可能範囲に収まるときには、部分印刷範囲を調整した印刷ジョブに基づく印刷の実行を許可することとした。したがって、この構成によれば、部分印刷範囲の調整を行わない場合と比較して、連続して処理できる印刷ジョブ数が多くなるため、印刷効率を高めることができる。
上記印刷制御装置において、前記制御部は、入力された指示に基づいて、複数の前記部分印刷範囲の中から前記幅方向における配置を調整する前記部分印刷範囲を選択することが望ましい。
複数の画像を印刷するための印刷ジョブに基づく印刷を行う際に、当該印刷ジョブに含まれる複数の画像の媒体に対する印刷位置(部分印刷範囲の配置)が変化することが好ましくない場合がある。この点、上記構成によれば、例えば、ユーザーから入力された指示に基づいて、複数の部分印刷範囲の中から配置を調整する部分印刷範囲を選択することができる。このため、印刷ジョブに含まれる複数の画像のうち、媒体に対する印刷位置を変化させたくない画像については、当該印刷位置を変化させることなく、印刷を実行することが可能となる。
上記印刷制御装置において、前記制御部は、前記印刷ジョブに基づく印刷を実行させるときに、前記媒体の斜行傾向が変化した場合には、その旨を報知する報知処理及び印刷を停止させる停止処理のうち少なくとも一方の処理を実行することが望ましい。
媒体の搬送時に搬送不良が生じない場合には、媒体の搬送量の増大に対する斜行量の増大の割合が変化しにくく、斜行傾向が変化しにくい。一方、媒体の搬送時に搬送不良が生じる場合には、媒体の搬送量の増大に対する斜行量の増大の割合が変化しやすく、斜行傾向が変化しやすい。そして、搬送不良が生じる場合に印刷を継続すると、例えば、印刷可能範囲に印刷ジョブによる印刷内容が印刷されなくなるなどして、印刷が失敗しやすい。なお、ここで言う搬送不良とは、媒体が搬送される経路において当該媒体が詰まる場合や、幅方向における搬送抵抗が一様でなく媒体が傾いて搬送される場合などを言う。
この点、上記構成では、印刷ジョブに基づく印刷を実行している最中に媒体の斜行傾向が変化したときには報知処理及び停止処理のうち少なくとも一方の処理が実行される。したがって、搬送不良が生じる場合の印刷の実行を抑制し、印刷が失敗することを抑制することができる。
上記課題を解決する印刷装置は、上述した印刷制御装置と、媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、前記媒体の斜行を検出可能な検出部と、印刷ジョブに基づいて前記媒体に印刷を行う印刷部と、を備える。
上記構成によれば、印刷装置において、上述した印刷制御装置の奏する作用効果を得ることができる。
上記印刷装置において、前記印刷部は、前記媒体に向けてインクを吐出する吐出部を有し、前記検出部は、前記搬送方向において、前記吐出部と重複する範囲に設けられることが望ましい。
搬送方向において、上流側と下流側とで媒体の斜行傾向が変化することがある。このため、搬送方向において検出部を吐出部から離れた位置に設ける場合に、検出部における媒体の斜行傾向と吐出部における媒体の斜行傾向とが異なると、ある印刷ジョブの印刷範囲が印刷可能範囲に収まっていないにも関わらず、当該印刷ジョブに基づく印刷の実行が許可されるおそれがある。この点、上記構成によれば、搬送方向において、検出部と吐出部とが重複する範囲に設けられているため、上述するような事態の発生を抑制することができる。
第1実施形態の印刷装置の概略構成を示す側面図。 印刷装置の概略構成を示す平面図。 印刷装置の備える検出部の概略構成を示す正面図。 印刷装置の電気的構成を示すブロック図。 斜行した状態で媒体が搬送される様子を示す模式図。 斜行量の異なる媒体の印刷可能範囲を示す模式図。 印刷装置において、媒体に印刷を行うために制御部が実施する処理ルーチンを示すフローチャート。 媒体の印刷可能範囲に対する複数の印刷ジョブの複数の印刷範囲の配置を示す模式図。 第2の印刷ジョブの印刷範囲の配置が調整される様子を示す模式図。 第3の印刷ジョブの印刷範囲の配置が調整される様子を示す模式図。 第4の印刷ジョブの印刷範囲の配置が調整される様子を示す模式図。 印刷範囲が印刷可能範囲に収まる印刷ジョブに基づく印刷が全て終了した状態を示す模式図。 第2実施形態の印刷装置において、媒体に印刷を行うために制御部が実施する処理ルーチンを示すフローチャート。 媒体の印刷可能範囲に対する複数の印刷ジョブの複数の印刷範囲の配置を示す模式図。 第3実施形態の印刷装置において、媒体に印刷を行うために制御部が実施する処理ルーチンの一部を示すフローチャート。 媒体の印刷可能範囲に対する印刷ジョブの印刷範囲の配置を示す模式図。 印刷範囲の配置が調整された複数の印刷ジョブに基づく印刷が実行された状態の媒体を示す模式図。
(第1実施形態)
以下、印刷装置の第1実施形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態の印刷装置は、長尺の用紙などの媒体に液体の一例としてのインクを噴射することで、画像を形成するインクジェット式のラージフォーマットプリンターである。また、本実施形態で言う「画像」には、写真や絵に加え、模様や文字(文章)などを含むものとする。
図1に示すように、印刷装置10は、媒体Mの移動方向に沿って、ロール状に巻回された媒体Mを繰り出す繰出部20と、媒体Mを支持する支持部30と、媒体Mを搬送する搬送部40と、媒体Mに印刷を行う印刷部50と、媒体Mを巻き取る巻取部60と、印刷装置10の各種の設定を行う設定部70と、を備えている。
なお、以降の説明では、媒体Mを搬送する方向と交差する方向を幅方向X(図2参照)とし、繰出部20から巻取部60までの媒体Mを搬送する方向を搬送方向Fとする。また、本実施形態では、幅方向Xにおける一端(図2では右端)を「第1端」とし、幅方向Xにおける他端(図2では左端)を「第2端」とする。なお、幅方向Xは、印刷装置10の上下方向と交差する方向でもある。
図1に示すように、繰出部20は、媒体Mをロール状に巻回したロール体21を保持する保持部22を有している。そして、繰出部20は、ロール体21を一方向(図1では反時計方向)に回転させることで、ロール体21から巻き解いた媒体Mの繰り出しを行う。
図1及び図2に示すように、支持部30は、幅方向X及び搬送方向Fに亘って媒体Mの裏面に接触することで、当該媒体Mを支持する。支持部30は、例えば黒色など、媒体Mと反射率差を有する色であることが望ましい。また、図2に示すように、支持部30の幅方向Xにおける第1端側であって印刷部50よりも搬送方向Fに進んだ位置には、媒体Mの第1端側の端面に接触することで媒体Mの搬送を案内する案内部31が設けられている。
図1及び図2に示すように、搬送部40は、媒体Mの裏面に接触しつつ回転する駆動ローラー41と、媒体Mの表面に接触しつつ回転する従動ローラー42と、駆動ローラー41を回転駆動する搬送モーター43と、を備えている。そして、搬送部40は、駆動ローラー41及び従動ローラー42に媒体Mを挟持させた状態で、搬送モーター43を駆動させることで、媒体Mを搬送方向Fに向かって搬送する。
図1及び図2に示すように、印刷部50は、液滴(インク)を吐出する吐出部51(吐出ヘッド)と、支持部30に支持された媒体Mを検出可能な検出部52と、吐出部51及び検出部52を支持するキャリッジ53と、キャリッジ53を幅方向Xに往復移動可能に支持するガイド軸54と、を備えている。また、印刷部50は、幅方向Xにおける第1端側に設けられる駆動プーリー55と、幅方向Xにおける第2端側に設けられる従動プーリー56と、駆動プーリー55及び従動プーリー56に巻き掛けられるタイミングベルト57と、駆動プーリー55を駆動するキャリッジモーター58と、を備えている。
図3に示すように、検出部52は、検出対象(支持部30及び支持部30に支持された媒体M)に向けて投光する投光部521と、検出対象から反射される光を受光する受光部522と、を有している。また、図2に示すように、検出部52は、搬送方向Fにおいて、吐出部51と重複する範囲に設けられている。言い換えれば、検出部52は、幅方向Xにおいて、吐出部51と隣り合うように設けられている。
そして、印刷部50は、ユーザーから印刷装置10に投入された印刷ジョブに基づいて媒体Mに印刷を行う。詳しくは、印刷部50は、キャリッジモーター58を駆動することで、駆動プーリー55及び従動プーリー56に巻き掛けられたタイミングベルト57を回転させ、当該タイミングベルト57に連結されたキャリッジ53を幅方向Xに移動させる。
また、印刷部50は、キャリッジ53が幅方向Xに移動する際に、吐出部51から支持部30に支持された媒体Mに液滴を吐出させることで、当該媒体Mに印刷を行う。なお、印刷ジョブとは、媒体Mに印刷しようとする画像などの印刷内容に関する情報や、当該画像をどのような位置・大きさ・範囲・回数で印刷するのかといった印刷条件に関する情報が含まれた印刷の指令である。
また、印刷部50の検出部52は、キャリッジ53を幅方向Xに移動させる際に、検出対象に向けて投光するとともに検出対象からの反射光を受光する。こうして、検出部52は、幅方向Xにおける検出位置に対する受光量の分布を検出する。なお、幅方向Xにおける検出位置は、搬送モーター43の出力軸の回転量に基づいて算出することもできるし、キャリッジ53にリニアエンコーダーを設けるとともに当該リニアエンコーダーの出力結果に基づいて算出することもできる。
図1に示すように、巻取部60は、媒体Mをロール状に巻回するロール体61を保持する保持部62を有している。そして、巻取部60は、ロール体61を一方向(図1では反時計方向)に回転させることで、印刷済みの媒体Mの巻き取りを行う。
図1に示すように、設定部70は、ユーザーが印刷装置10に対して印刷の開始を指示したり各種の設定を行ったりする際に操作される操作部71と、印刷装置10の各種の情報を表示する表示部72と、を備えている。操作部71は、例えば、複数のボタンから構成すればよい。また、表示部72は、例えば、液晶ディスプレイなどで構成すればよい。
次に、図4を参照して、印刷装置10の電気的構成について説明する。
図4に示すように、印刷装置10は、装置全体を統括的に制御する印刷制御装置100を備えている。印刷制御装置100は、印刷ジョブに基づく印刷の実行可否を判断する制御部110を有している。また、制御部110は、CPU、ROM及びRAMなどを有するマイクロコンピューターである。
印刷装置10の入力側のインターフェースには、検出部52(受光部522)及び操作部71が接続され、出力側のインターフェースには、繰出部20、搬送モーター43、吐出部51、検出部52(投光部521)、キャリッジモーター58、巻取部60及び表示部72が接続されている。
そして、制御部110は、検出部52(受光部522)の検出結果である幅方向Xにおける反射光の受光量の分布に基づいて、媒体Mが支持部30における何れの位置に支持されているかの情報を取得したり、媒体Mの幅方向Xにおける長さの情報を取得したりする。例えば、媒体Mの反射率が支持部30の反射率よりも高い場合には、幅方向Xにおいて、媒体Mに対応する検出位置における反射光の光量が高くなる一方で支持部30に対応する検出位置における反射光の光量が低くなる。このため、制御部110は、検出位置の反射光の光量が大きい場合には当該検出位置に媒体Mが支持されていると判断し、検出位置の反射光の光量が小さい場合には当該検出位置に媒体Mが支持されていないと判断する。
また、制御部110は、検出部52の検出結果に基づいて、ユーザーから投入された印刷ジョブに基づく印刷を実行するか否かの可否判断を行う。なお、複数の印刷ジョブがある場合、制御部110は、印刷装置10に対して投入されたタイミングが早い印刷ジョブから順に処理する。
次に、図5を参照して、媒体Mの印刷可能範囲PAの演算方法について説明する。
なお、図5において、支持部30の幅方向Xにおける第1端側の端部の位置を「幅方向基準位置PX」とし、幅方向Xに往復移動するキャリッジ53に支持された吐出部51及び検出部52が走査する位置を「搬送方向基準位置PF」とする。また、搬送方向基準位置PFにおいて、幅方向基準位置PXから媒体Mの第1端側の端面までの距離を「斜行量S」とする。
図5に示すように、媒体Mの印刷可能範囲PAを演算する際には、制御部110は、印刷装置10に媒体Mをセットした後の第1のタイミングでの第1の斜行量S1を取得する。続いて、制御部110は、第1のタイミングから媒体Mを搬送方向Fに「基準搬送量Fs」だけ搬送した第2のタイミングでの第2の斜行量S2を取得する。そして、制御部110は、第1の斜行量S1と第2の斜行量S2との差分を基準搬送量Fsで除することで、媒体Mの搬送量の増大量に伴う斜行量Sの増大量の割合を示す斜行傾向値「(以下「斜行傾向値ST」とする。)」を演算する。
このように演算した斜行傾向値STに任意の搬送量を乗じると、任意の搬送量に対する斜行量Sが演算できる。すなわち、制御部110は、媒体Mをどれだけ搬送すると、斜行量Sがどれだけ増大するかを把握できる。
また、本実施形態では、印刷可能範囲PAは、所定幅の余白を設けることで、媒体Mよりも1回り小さな範囲とされている。このため、媒体Mの幅方向Xにおける長さや斜行量Sを把握することができれば、所定幅の余白を差し引くことで、制御部110は、印刷可能範囲PAを演算することができる。
次に、図6を参照して、媒体Mの印刷可能範囲PAと印刷ジョブの印刷範囲PRとの関係について説明する。さて、印刷装置10において、媒体Mが斜行している状況下で、印刷ジョブに基づく印刷を実行すると、当該印刷ジョブにより印刷しようとする画像が媒体Mに対して傾いて印刷されることとなる。したがって、印刷ジョブの印刷範囲PRが媒体Mの印刷可能範囲PAに収まるか否かに関わらず、斜行量Sが所定の判定値以上であるときに印刷の実行を制限することが考えられる。
ところが、このように印刷の実行を制限する場合には、媒体Mの印刷可能範囲PAに印刷ジョブの印刷範囲PRが収まることで、当該印刷ジョブに基づく印刷を実行できるときでも、印刷を実行しなかったり、印刷装置10に媒体Mをセットし直すことをユーザーに要求したりすることとなる。
したがって、例えば、媒体Mから印刷済の画像を切り出す場合など媒体Mに対して傾いて画像が印刷されても問題が生じない場合には、印刷の実行が制限されることにより、印刷装置10が単位時間当たりに処理することのできる印刷ジョブ数が少なくなる。すなわち、印刷装置10の印刷効率(スループット)が低下することとなる。
そこで、本実施形態では、検出部52の検出結果に基づいて取得される斜行量Sに基づいて、媒体Mの印刷可能範囲PAを演算するとともに、搬送方向F及び幅方向Xにおいて、印刷ジョブの印刷範囲PRが、媒体Mの印刷可能範囲PAに収まっているか否かを判定することとした。そして、印刷可能範囲PAに印刷範囲PRが収まっている場合には、印刷ジョブに基づく印刷の実行を許可することとした。
すなわち、斜行量Sが所定の閾値以上であるか否かに関わらず、印刷可能範囲PAに印刷ジョブの印刷範囲PRが収まっていれば、当該印刷ジョブに基づく印刷が実行されることとなる。例えば、図6に実線で示すように、媒体Mの斜行量Sが第1の斜行量S1である場合には印刷可能範囲PAに破線で示す印刷範囲PRが収まるため、当該印刷範囲PRの印刷ジョブに基づく印刷が実行される。
その一方で、図6に二点鎖線で示すように、媒体Mの斜行量Sが第1の斜行量S1よりも大きな第2の斜行量S2である場合には、印刷可能範囲PAに破線で示す印刷範囲PRが収まらなくなるため、当該印刷範囲PRの印刷ジョブに基づく印刷を実行することができなくなる。
ところが、印刷ジョブの印刷範囲PRの幅方向Xにおける配置を媒体Mの印刷可能範囲PAに対して調整(移動)することで、当該印刷ジョブの印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まることがある。例えば、図6に示すように、媒体Mの斜行量Sが第2の斜行量S2である場合であっても、印刷ジョブの印刷範囲PRを幅方向Xにおける第2端側に移動させることで、二点鎖線で示す印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まる。
そこで、本実施形態において、制御部110は、媒体Mの印刷可能範囲PAに印刷ジョブの印刷範囲PRが収まっていない場合において、印刷範囲PRの幅方向Xにおける配置を調整することで、印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まるときには、印刷範囲PRを調整した印刷ジョブに基づく印刷の実行を許可することとした。
また、印刷ジョブが複数あるときには、制御部110は、複数の印刷ジョブのうち、印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まる印刷ジョブに基づく印刷の実行を許可する一方、印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まらない印刷ジョブに基づく印刷の実行を制限することとした。すなわち、制御部110は、印刷範囲PRの幅方向Xにおける配置を調整したとしても、印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まらない場合には、当該印刷ジョブに基づく印刷を実行しないこととなる。
また、複数の印刷ジョブがある場合、制御部110は、先に印刷装置10に投入された印刷ジョブから順次処理するため、印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まらない印刷ジョブの後に、印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まる印刷ジョブが存在している場合もある。
このため、印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まらない印刷ジョブの印刷の実行の可否判断をした後に、残る印刷ジョブに基づく印刷の実行を制限したり、印刷装置10に媒体Mをセットし直すことをユーザーに要求したりすると、当該印刷ジョブの後の印刷ジョブに基づく印刷が一切実行されなくなる点で、印刷効率が低下しやすい。
そこで、本実施形態において、制御部110は、複数の印刷ジョブの印刷順序を入れ替え可能とした。詳しくは、制御部110は、複数の印刷ジョブのうち、印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まらない印刷ジョブの印刷の実行を許可できない場合には、当該印刷ジョブとその次の印刷ジョブの印刷順序を入れ替えることとした。そして、制御部110は、印刷順序の入れ替え後、上記次の印刷ジョブの印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まるのであれば、上記次の印刷ジョブに基づく印刷の実行を許可する一方、上記次の印刷ジョブの印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まらないのであれば、上記次の印刷ジョブに基づく印刷の実行を制限することとした。
また、複数の印刷ジョブに基づく印刷を継続して実行している場合には、媒体Mの搬送経路において媒体Mの詰まりが生じるなど、搬送不良が生じるおそれがある。搬送不良が生じているにもかかわらず、媒体Mに対する印刷を継続すると、吐出部51が媒体Mに接触することで吐出部51の液滴吐出性能が低下したり、媒体Mからはみ出して画像が印刷されたりするおそれがある。
そこで、本実施形態では、媒体Mの搬送開始時の斜行傾向値STである初期斜行傾向値STiが傾向判定値(以下、「傾向判定値STth」とも言う。)以上となる場合には搬送不良が生じていると判断することとした。また、複数の印刷ジョブに基づく印刷を実行中の所定のタイミングにおける斜行傾向値STが傾向判定値STth以上となる場合、すなわち斜行傾向値STが傾向判定値STth以上に変化する場合にも搬送不良が生じていると判断することとした。なお、本実施形態では、上記所定のタイミングは、一つの印刷ジョブに基づく印刷を実行した直後のタイミングとした。
ここで、傾向判定値STthは、印刷の実行に適さない程度に媒体Mが斜行した状態で搬送されているか否かを判定するための値であり、予め実験などで求めてもよいし、ユーザーが任意に設定してもよい。この点で、本実施形態では、斜行傾向値STは、媒体Mの斜行傾向を示す値の一例である。
また、制御部110は、搬送不良が生じていると判断できる場合には、搬送不良が生じている旨を表示部72に表示させるための報知処理を実行するとともに、印刷が行われないように印刷を停止させる停止処理を行うこととした。
次に、図7に示すフローチャートを参照して、媒体Mに印刷を行う際に、制御部110が実施する処理ルーチンについて説明する。なお、本処理ルーチンは、ユーザーによって媒体Mが印刷装置10にセットされた状態で、印刷装置10に印刷ジョブが投入された後に実施される処理ルーチンである。
図7に示すように、本処理ルーチンにおいて、制御部110は、検出部52の検出結果に基づいて、媒体Mの斜行量S(第1の斜行量S1)を取得する(ステップS11)。詳しくは、制御部110は、キャリッジ53を走査方向に移動させつつ、検出部52に検出させた幅方向Xにおける受光量の分布に基づいて、媒体Mの第1の斜行量S1を取得する。
続いて、制御部110は、媒体Mを基準搬送量Fsだけ搬送方向Fに搬送させ(ステップS12)、検出部52の検出結果に基づいて、再度、媒体Mの斜行量S(第2の斜行量S2)を取得する(ステップS13)。そして、制御部110は、第2の斜行量S2から第1の斜行量S1を差し引くことで得られる斜行量Sの増大量を基準搬送量Fsで除することで、初期斜行傾向値STiを演算する(ステップS14)。
続いて、制御部110は、初期斜行傾向値STiが傾向判定値STth以上であるか否かを判定し(ステップS15)、初期斜行傾向値STiが傾向判定値STth以上である場合(ステップS15:YES)、制御部110は、表示部72にエラーを報知させる(ステップS16)。
この場合(ステップS15:YES)に報知されるエラーの内容は、例えば、媒体Mが印刷に適さない程度に斜行しているため、媒体Mを印刷装置10にセットし直す旨をユーザーに促すものである。また、ステップS16が実行される場合には、後述するステップS22の印刷を実行するための処理が実行されない。こうした点で、本実施形態では、ステップS16の処理が「報知処理」及び「停止処理」の一例に相当する。そして、その後、制御部110は、本処理ルーチンを一旦終了する。
先のステップS15において、初期斜行傾向値STiが傾向判定値STth未満である場合(ステップS15:NO)、制御部110は、初期斜行傾向値STiに基づいて、印刷可能範囲PAを演算する(ステップS17)。
そして、制御部110は、印刷ジョブの情報を取得する(ステップS18)。ステップS18では、制御部110は、印刷ジョブが1つだけの場合には、当該印刷ジョブの情報を取得し、印刷ジョブが複数ある場合には、複数の印刷ジョブの中で最初に印刷装置10に投入された印刷ジョブの情報を取得する。すなわち、印刷ジョブは、制御部110のRAM中に設けられたキュー(待ち行列)に順番に記憶されている。
続いて、制御部110は、印刷ジョブの情報から当該印刷ジョブの印刷範囲PRを取得し(ステップS19)、印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まるか否かを判定する(ステップS20)。印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まる場合(ステップS20:YES)、制御部110は、印刷の実行開始前のタイミングにおける斜行量S(第3の斜行量S3)を取得し(ステップS21)、ステップS18で取得した印刷ジョブに基づいて印刷を実行する(ステップS22)。すなわち、制御部110は、吐出部51を幅方向Xに移動させつつ吐出部51から媒体Mに向けてインクを吐出させる吐出動作と、媒体Mを搬送方向Fに単位搬送量だけ搬送する搬送動作と、を交互に行わせる。こうして、制御部110は、印刷ジョブの印刷内容(画像)を媒体Mに印刷させる。
そして、制御部110は、印刷の実行終了後のタイミングにおける斜行量S(第4の斜行量S4)を取得し(ステップS23)、第3の斜行量S3、第4の斜行量S4及びステップS22の実行に伴う媒体Mの搬送量に基づいて斜行傾向値STを演算する(ステップS24)。詳しくは、制御部110は、第4の斜行量S4から第3の斜行量S3を差し引くことで得られる斜行量Sの増大量を、印刷ジョブに基づく印刷の実行に伴う媒体Mの搬送量で除することで、斜行傾向値STを演算する。
続いて、制御部110は、斜行傾向値STが傾向判定値STth以上であるか否かを判定し(ステップS25)、斜行傾向値STが傾向判定値STth未満である場合(ステップS25:NO)、直近の印刷ジョブに基づく印刷が正常に終了したとして、制御部110は、次の印刷ジョブが存在しているか否かを判定する(ステップS26)。次の印刷ジョブが存在していない場合(ステップS26:NO)、すなわち全ての印刷ジョブを処理し終えた場合、制御部110は、本処理ルーチンを一旦終了する。
一方、次の印刷ジョブが存在している場合(ステップS26:YES)、すなわち全ての印刷ジョブを処理し終えてない場合、次の印刷ジョブに基づく印刷を実行するために、制御部110は、その処理を先のステップS18に移行する。なお、ステップS18に処理が移行される場合には、正常に処理された印刷ジョブが、制御部110のRAM(キュー)から消去される。
先のステップS25において、斜行傾向値STが傾向判定値STth以上である場合(ステップS25:YES)、すなわち媒体Mの斜行傾向が変化した場合には、制御部110は、その処理をステップS16に移行する。なお、この場合(ステップS25:YES)には、直近の印刷ジョブに基づく印刷が正常に終了していない可能性が高いため、制御部110は、当該印刷ジョブを制御部110のRAM(キュー)から消去しないことが望ましい。
先のステップS20において、印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まらない場合(ステップS20:NO)、制御部110は、媒体Mの印刷可能範囲PAに対する印刷ジョブの印刷範囲PRの幅方向Xにおける配置を調整し(ステップS27)、調整した印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まるか否かを判定する(ステップS28)。
ここで、印刷範囲PRの配置の調整及び印刷範囲PRが収まるか否かの判定は、次のようにすればよい。例えば、矩形の印刷範囲PRの4隅と矩形の印刷可能範囲PAの4隅に座標を割り振るとともに、印刷範囲PRを幅方向Xに少しずつ(例えば1画素ずつ)移動させる処理と、印刷範囲PRの4隅の座標が印刷可能範囲PA内に収まるか否かを判定する処理とを交互に行うことで実現してもよい。
すなわち、印刷範囲PRを幅方向Xに少しずつ移動させることで、印刷範囲PRの4隅の座標が印刷可能範囲PA内に収まるときに、ステップS28の処理が肯定判定されるようにすればよい。また、印刷範囲PRを幅方向Xに少しずつ移動させる処理を繰り返し行っても、印刷範囲PRの4隅の座標が印刷可能範囲PA内に収まらないときに、ステップS28の処理を否定判定すればよい。なお、印刷範囲PRを移動させる方向は、媒体Mの搬送に伴って斜行量Sが増大する場合には幅方向Xにおける第2端側に向かう方向とし、媒体Mの搬送に伴って斜行量Sが減少する場合には幅方向Xにおける第1端側に向かう方向とすればよい。
調整した印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まる場合(ステップS28:YES)、制御部110は、その処理を先のステップS21に移行する。なお、この場合には、印刷範囲PRを調整した印刷ジョブに基づく印刷が実行されることとなる。一方、調整後の印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まらない場合(ステップS28:NO)、制御部110は、次の印刷ジョブが存在しているか否かを判定する(ステップS29)。
次の印刷ジョブが存在していない場合(ステップS29:NO)、すなわち、現在の印刷ジョブが最後の印刷ジョブである場合、制御部110は、その処理を先のステップS16に移行する。この場合(ステップS29:NO)に報知されるエラーの内容は、例えば、現在の媒体Mの斜行量Sでは印刷を実行できない印刷ジョブがあるため、媒体Mを印刷装置10にセットし直す旨をユーザーに促すものである。
一方、次の印刷ジョブが存在している場合(ステップS29:YES)、制御部110は、当該次の印刷ジョブが新規の印刷ジョブか否かを判定する(ステップS30)。ここで、新規の印刷ジョブとは、未だ当該印刷ジョブに対して、印刷の実行の可否判断、すなわち、ステップS18〜S20の処理を実行していない印刷ジョブを言う。
次の印刷ジョブが新規の印刷ジョブである場合(ステップS30:YES)、制御部110は、印刷ジョブを入れ替え(ステップS31)、その処理を先のステップS18に移行する。詳しくは、制御部110は、当該制御部110のRAM中のキューの先頭の印刷ジョブ(現在の印刷ジョブ)の印刷順序を最後とするとともに、その他の印刷ジョブの印刷順序を「1」だけ繰り上げる。
一方、次の印刷ジョブが新規の印刷ジョブでない場合(ステップS30:NO)、すなわち、全ての印刷ジョブについて印刷の実行の可否判断を行い、印刷の実行が制限される印刷ジョブが残った場合、制御部110は、その処理をステップS16に移行する。この場合(ステップS30:NO)に報知されるエラーの内容は、例えば、現在の媒体Mの斜行量Sでは印刷を実行できない印刷ジョブが複数あるため、媒体Mを印刷装置10にセットし直す旨をユーザーに促すものである。
次に、図8〜図12を参照して、第1実施形態の印刷装置10の作用について説明する。なお、図8〜図12には、斜行した媒体Mの印刷可能範囲PAに対する複数の印刷ジョブの印刷範囲PRの配置を示している。また、図8〜図12では、印刷が済んだ印刷ジョブの印刷範囲PRを実線で示し、配置の調整が行われた印刷ジョブの印刷範囲PRを一点鎖線で示し、配置の調整が行われていない印刷ジョブ、すなわち印刷の実行を待機している印刷ジョブの印刷範囲PRを二点鎖線で示している。
さて、印刷装置10において、複数の印刷ジョブに基づく印刷を開始する場合には、斜行傾向値STが演算される。続いて、斜行傾向値STに基づいて、印刷可能範囲PAが演算される。そして、印刷装置10に対する印刷ジョブの投入順に、当該印刷ジョブに基づく印刷の実行可否が判断される。すなわち、第1の印刷ジョブ、第2の印刷ジョブ、第3の印刷ジョブ及び第4の印刷ジョブの順に、印刷の実行可否が判断される。
図8に示すように、第1の印刷ジョブの印刷範囲PR1は、印刷可能範囲PAに収まっているため、印刷範囲PR1の配置が調整されることなく第1の印刷ジョブに基づく印刷が実行される。続いて、第2の印刷ジョブに基づく印刷の実行可否が判定される。
図9に示すように、第2の印刷ジョブの印刷範囲PR2は、印刷可能範囲PAに収まっていないため、印刷範囲PR2の配置が調整される。詳しくは、第2の印刷ジョブの印刷範囲PR2の配置は、図9に二点差線で示す位置からに一点鎖線で示す位置に移動するように調整される。その結果、配置が調整された第2の印刷ジョブの印刷範囲PR2は、印刷可能範囲PAに収まるため、印刷範囲PR2が調整された第2の印刷ジョブに基づく印刷が実行される。続いて、第3の印刷ジョブに基づく印刷の実行可否が判定される。
図10に示すように、第3の印刷ジョブの印刷範囲PR3は、印刷可能範囲PAに収まっていないため、第2の印刷ジョブと同様に、印刷範囲PR3の配置が調整される。詳しくは、第3の印刷ジョブの印刷範囲PR3の配置は、図10に二点鎖線で示す位置から一点鎖線に移動するように調整される。ところが、配置が調整された第3の印刷ジョブの印刷範囲PR3は、印刷可能範囲PAに収まらないため、第3の印刷ジョブに基づく印刷の実行は制限される。このため、第3の印刷ジョブと次の第4の印刷ジョブとの印刷順序が入れ替えられ、第4の印刷ジョブに基づく印刷の実行可否が判定される。
図11に示すように、第4の印刷ジョブの印刷範囲PR4は、印刷可能範囲PAに収まっていないため、第2の印刷ジョブ及び第3の印刷ジョブと同様に、印刷範囲PRの配置が調整される。詳しくは、第4の印刷ジョブの印刷範囲PR4の配置は、図9に二点差線で示す位置からに一点鎖線で示す位置に移動するように調整される。その結果、配置が調整された第4の印刷ジョブの印刷範囲PR4は、印刷可能範囲PAに収まるため、印刷範囲PR4が調整された第4の印刷ジョブに基づく印刷が実行される。
こうして、図12に示すように、印刷範囲PR1,PR2,PR4が印刷可能範囲PAに収まる第1の印刷ジョブ、第2の印刷ジョブ及び第4の印刷ジョブに基づく印刷は実行される一方、印刷範囲PR3が印刷可能範囲PAに収まらない第3の印刷ジョブに基づく印刷は実行されない。このため、印刷可能な印刷ジョブについては、印刷が全て実行されるため、印刷効率の低下が抑制される。
また、第4の印刷ジョブに基づく印刷が終了すると、第3の印刷ジョブに基づく印刷の実行が制限された状態で、媒体Mの斜行が原因で第3の印刷ジョブに基づく印刷が実行できない旨が報知される。その後、ユーザーによって、媒体Mが斜行しないように当該媒体Mが印刷装置10に再セットされるとともに印刷を再開させる指示がされると、第3の印刷ジョブに基づく印刷が実行される。
以上説明した第1実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)媒体Mの印刷可能範囲PAに印刷ジョブの印刷範囲PRが収まる場合には、当該印刷ジョブに基づく印刷の実行が許可される。このため、媒体Mの搬送量の増大に伴って媒体Mの斜行量Sが増大する場合であっても、印刷ジョブの印刷範囲PRが媒体Mの印刷可能範囲PAに収まる限り、当該媒体Mに対する印刷が継続される。したがって、搬送される媒体Mの斜行に起因する印刷効率の低下を抑制することができる。
(2)印刷可能範囲PAに対して印刷範囲PRの幅方向Xにおける配置を調整することで印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まるときには、印刷範囲PRを調整した印刷ジョブに基づく印刷の実行が許可される。このため、媒体Mの斜行量Sが増大する状況下においても、印刷ジョブに基づく印刷を継続することが可能となり、印刷効率をより高めることができる。
なお、印刷装置10の使用環境として、印刷ジョブの印刷範囲PRに関わらず、幅方向Xにおける長さが最大の媒体Mを印刷装置10にセットする場合がある。この場合には、媒体Mの斜行量Sが増大したとしても、印刷可能範囲PAが幅方向Xに余裕を有しているため、印刷範囲PRの幅方向Xにおける調整により、印刷の実行が可能となる印刷ジョブが多くなりやすい。したがって、幅方向Xにおいて印刷範囲PRよりも長い印刷可能範囲PAを有する媒体Mを印刷装置10にセットする場合には、さらに印刷効率を高めることができる。
(3)複数の印刷ジョブのうち、印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まる印刷ジョブに基づく印刷の実行を許可する一方、印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まらない印刷ジョブに基づく印刷の実行を制限することとした。このため、複数の印刷ジョブのうち一部の印刷ジョブ(例えば、第3の印刷ジョブ)の印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まっていない場合に、全ての印刷ジョブに基づく印刷の実行が制限されることを抑制できる点で印刷効率を高めることができる。また、複数の印刷ジョブのうち一部の印刷ジョブ(例えば、第3の印刷ジョブ)の印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まっていない場合に、当該印刷ジョブを含む全ての印刷ジョブに基づく印刷の実行が許可されることを抑制できる点で、印刷ミスの発生を抑制することができる。
(4)複数の印刷ジョブのうち、第Nの印刷ジョブまで印刷が実行され、第N+1の印刷ジョブ(例えば、第3の印刷ジョブ)の印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まらなくなった状況下となったときに、第N+1の印刷ジョブと第N+2の印刷ジョブ(例えば、第4の印刷ジョブ)との印刷順序を入れ替えることとした。このため、第N+2の印刷ジョブの印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まるのであれば、第N+2の印刷ジョブに基づく印刷が実行される。こうして、第N+1の印刷ジョブに基づく印刷の実行を制限するときに、第N+1の印刷ジョブ以降の印刷ジョブに基づく印刷の実行を全て制限する場合に比較して、連続して処理可能な印刷ジョブ数が多くなり、印刷効率を高めることができる。
(5)印刷ジョブに基づく印刷を実行しているときに、媒体Mの斜行傾向値STが傾向判定値STth以上となると、印刷の実行が制限されるとともに、エラーを報知することとした。したがって、搬送不良が発生している状態で、印刷が実行されることを抑制し、印刷ミスの発生を抑制することができる。
(6)搬送方向Fにおいて、上流側と下流側とで媒体Mの斜行傾向が変化することがある。このため、搬送方向Fにおいて検出部52を吐出部51から離れた位置に設ける場合に、検出部52における媒体Mの斜行傾向と印刷部50における媒体Mの斜行傾向とが異なると、ある印刷ジョブの印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まっていないにも関わらず、当該印刷ジョブに基づく印刷の実行を許可するおそれがある。この点、上記実施形態によれば、搬送方向Fにおいて、検出部52と印刷部50とが重複する範囲に設けられているため、印刷ミスの発生を抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、印刷装置10の第2実施形態について図面を参照して説明する。以降の説明においては、第1実施形態と相違する部分について主に説明し、第1実施形態と同一の部材構成には同一符号を付して重複する説明を省略する。
さて、印刷装置10に投入される複数の印刷ジョブの中に2以上の関連性を有する印刷ジョブが含まれている場合がある。例えば、印刷内容(画像)を共通とする印刷ジョブや、印刷範囲PRを共通とする印刷ジョブが含まれている場合がある。このような場合には、複数の印刷ジョブのうちの1つの印刷ジョブの印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まらなくなることで、関連性を有する複数の印刷ジョブの途中で印刷が中断されることがある。
その一方で、複数の印刷ジョブに基づいて印刷を実行する際に、ユーザーが、関連性を有する複数の印刷ジョブの途中で印刷を中断しないようにしたいと考えたり、区切りの良い印刷ジョブまで印刷を実行させたいと考えたりする場合がある。
そこで、第2実施形態では、印刷ジョブが複数あるとき、制御部110は、複数の印刷ジョブの複数の印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まるか否かを判定し、複数の印刷ジョブの複数の(全ての)印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まらない場合には、ユーザーから入力される指示を受け付けることとした。そして、制御部110は、ユーザーから入力される指示に基づいて、複数の印刷ジョブのうち印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まる印刷ジョブの中から、印刷の実行を許可する印刷ジョブを選択することとした。
次に、図13に示すフローチャートを参照して、複数の印刷ジョブに基づいて印刷を実行する際に制御部110が実施する処理ルーチンについて説明する。
図13に示すように、本処理ルーチンにおいて、印刷可能範囲PAを演算すると(ステップS17)、制御部110は、印刷装置10に投入された印刷ジョブ数Njを取得する(ステップS41)。なお、ステップS41において、取得した印刷ジョブ数Njが「0(零)」未満である場合には、制御部110は、本処理ルーチンを一旦終了するものとする。
続いて、制御部110は、第Nの印刷ジョブの情報を取得する(ステップS42)。ここで、変数Nは、本処理ルーチンの実行を開始する際に「1」がセットされるものとする。すなわち、本処理ルーチンの実行開始後、初めてステップS42の処理を実行する場合には、第1の印刷ジョブに関する情報が取得されることとなる。
そして、制御部110は、先のステップS42を実行することで取得した第Nの印刷ジョブの情報に基づいて、第Nの印刷ジョブの印刷範囲PRを取得し(ステップS43)、第Nの印刷ジョブの印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まっているか否かを判定する(ステップS44)。第Nの印刷ジョブの印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まっている場合(ステップS44:YES)、制御部110は、変数Nを「1」だけインクリメントし(ステップS45)、変数Nが印刷ジョブ数Nj以下か否かを判定する(ステップS46)。
変数Nが印刷ジョブ数Nj以下である場合(ステップS46:YES)、制御部110は、その処理を先のステップS42に移行する。この場合には、次の印刷ジョブについて、ステップS42以降の処理が実行される。なお、変数Nが1よりも大きい場合において、ステップS42以降の処理が実行される場合には、第1の印刷ジョブから第N−1の印刷ジョブに基づく印刷の実行による媒体Mの搬送量を考慮した印刷可能範囲PAに、第Nの印刷ジョブの印刷範囲PRが収まっているか否かが判定される。
一方、変数Nが印刷ジョブ数Njよりも大きい場合(ステップS46:NO)、すなわち、全ての印刷ジョブの印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まる場合(ステップS46:YES)、制御部110は、全ての印刷ジョブに基づく印刷を順次実行する(ステップS47)。そして、全ての印刷の実行が終了すると、制御部110は、本処理ルーチンを一旦終了する。
一方、先のステップS44において、第Nの印刷ジョブの印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まっていない場合(ステップS44:NO)、制御部110は、第1の印刷ジョブから第N−1番目の印刷ジョブまでの印刷ジョブを表示部72に表示させる(ステップS48)。表示部72に表示させる印刷ジョブは、印刷ジョブの番号だけを表示させてもよいし、印刷ジョブによって印刷しようとする画像のサムネイルを表示させてもよい。そして、制御部110は、操作部71を介してユーザーから入力される印刷ジョブ番号Nxを受け付ける(ステップS49)。
ここで、ステップS49において、印刷ジョブを表示部72に表示させる際には、ユーザーに第1の印刷ジョブから第N−1の印刷ジョブまでの印刷ジョブのうち、何れの印刷ジョブまで印刷を実行するかを選択させる旨のメッセージが合わせて表示される。そして、その表示を確認したユーザーは、印刷の実行を希望する印刷ジョブ番号Nx(「1」〜「N−1」)を、操作部71を介して入力する。すなわち、ステップS49で受け付ける印刷ジョブ番号Nxとは、ユーザーが、複数の印刷ジョブのうち何れの印刷ジョブまで印刷の実行を希望するかを示す印刷ジョブの番号である。こうした点で、本実施形態では、印刷ジョブ番号Nxが制御部110に入力される指示の一例に該当する。
そして、制御部110は、第1の印刷ジョブから第Nxの印刷ジョブまで印刷を実行し(ステップS50)、その後、本処理ルーチンを一旦終了する。なお、ステップS50が実行される場合には、第Nx+1の印刷ジョブから第Njの印刷ジョブまでの印刷が実行されないこととなる。このため、印刷装置10に媒体Mをセットし直すことをユーザーに要求するメッセージを表示部72に表示させ、残る印刷ジョブに基づく印刷が実行されるようにしてもよい。
次に、図14を参照して、第2実施形態の印刷装置10の作用について説明する。なお、図14には、斜行した媒体Mの印刷可能範囲PAに対する複数の印刷ジョブの印刷範囲PRの配置を示している。また、図14では、印刷の実行を待機している印刷ジョブの印刷範囲PRを二点鎖線で示している。
さて、印刷装置10において、複数の印刷ジョブに基づく印刷を開始する場合には、斜行傾向値STが演算される。続いて、斜行傾向値STに基づいて、印刷可能範囲PAが演算される。そして、印刷装置10に対する印刷ジョブの投入順に、当該印刷ジョブに基づく印刷の実行可否が判断される。すなわち、第1の印刷ジョブ、第2の印刷ジョブ、第3の印刷ジョブ、第4の印刷ジョブ及び第5の印刷ジョブの順に、印刷の実行可否が判断される。
図14に示すように、第1の印刷ジョブ、第2の印刷ジョブ及び第3の印刷ジョブの印刷範囲PR1,PR2,PR3は印刷可能範囲PAに収まっている一方、第4の印刷ジョブ及び第5の印刷ジョブの印刷範囲PR4,PR5は印刷可能範囲PAに収まっていない。このため、印刷装置10の表示部72には、第1の印刷ジョブから第3の印刷ジョブのうち、何れの印刷ジョブまで印刷を実行するかをユーザーに選択させるメッセージが表示される。
ここで、ユーザーが第1の印刷ジョブと印刷範囲PRが等しい第2の印刷ジョブまで、印刷を実行させたいと考える場合には、その旨が操作部71を介して印刷装置10に入力される。すなわち、印刷ジョブ番号Nxは「2」とされる。すると、印刷装置10は、第1の印刷ジョブ及び第2の印刷ジョブに基づく印刷を実行し、実際には印刷範囲PR3が印刷可能範囲PAに収まっている第3の印刷ジョブに基づく印刷を実行しない。
また、印刷装置10は、印刷範囲PR4,PR5が印刷可能範囲PAに収まっていない第4の印刷ジョブ及び第5の印刷ジョブに基づく印刷も実行しない。こうして、ユーザーが区切りの良いと考える印刷ジョブまで、印刷が実行される。
第2実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)、(3)、(6)に加えて以下に示す効果を得ることができる。
(7)複数の印刷ジョブがある場合において、複数の印刷ジョブのうち少なくとも1つの印刷ジョブの印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まらない場合には、ユーザーから入力される指示に基づいて、何れの印刷ジョブまで印刷の実行を許可するか選択することとした。このため、ユーザーが区切りの良いと思う印刷ジョブまで、印刷を実行させることができる。
(第3実施形態)
次に、印刷装置10の第3実施形態について図面を参照して説明する。以降の説明においては、第1実施形態と相違する部分について主に説明し、第1実施形態と同一の部材構成には同一符号を付して重複する説明を省略する。
さて、第1実施形態及び第2実施形態で説明した印刷ジョブの中には、複数の画像を媒体Mに対して搬送方向Fに並べて印刷するための印刷ジョブがある。例えば、こうした印刷ジョブとしては、同一の画像を複数回に亘って印刷するための印刷ジョブが挙げられる。ここで、印刷ジョブの印刷範囲を「全体印刷範囲PRT」とし、印刷ジョブによって印刷しようとする複数の画像毎の印刷範囲を「部分印刷範囲PRP」としたとする。すなわち、全体印刷範囲PRTは、複数の部分印刷範囲PRPを含む範囲である。
すると、印刷ジョブの全体印刷範囲PRTが印刷可能範囲PAに収まらない場合であっても、当該印刷ジョブの全体印刷範囲PRTに含まれる複数の部分印刷範囲PRPの幅方向Xにおける配置を調整することで、全体印刷範囲PRTを印刷可能範囲PAに収めることができる場合がある。そこで、第3実施形態では、制御部110は、複数の部分印刷範囲PRPのうち少なくとも1つの部分印刷範囲PRPの幅方向Xにおける配置を調整することで、全体印刷範囲PRTが印刷可能範囲PAに収まるときには、部分印刷範囲PRPを調整した印刷ジョブに基づく印刷の実行を許可することとした。
次に、図15に示すフローチャートを参照して、複数の画像を搬送方向Fに並べて印刷するための印刷ジョブに基づいて印刷を実行するために、制御部110が実施する処理ルーチンについて説明する。なお、図15に示すフローチャートには、図7に示すフローチャートと相違する処理を主に記載している。
図15に示すように、本処理ルーチンにおいて、制御部は、全体印刷範囲PRTが印刷可能範囲PAに収まるか否かを判定し(ステップS61)、全体印刷範囲PRTが印刷可能範囲PAに収まる場合(ステップS61:YES)、印刷ジョブに基づく印刷を実行するために、その処理をステップS21に移行する。
一方、全体印刷範囲PRTが印刷可能範囲PAに収まらない場合(ステップS61:NO)、制御部110は、印刷可能範囲PAに対する部分印刷範囲PRPの幅方向Xにおける配置を調整し(ステップS62)、部分印刷範囲PRPの調整により配置が調整された全体印刷範囲PRTが印刷可能範囲PAに収まるか否かを判定する(ステップS63)。
なお、印刷可能範囲PAの配置の調整及び部分印刷範囲PRPが収まるか否かの判定は、第1実施形態における印刷範囲PRの配置の調整及び印刷範囲PRが収まるか否かの判定と同様とすればよい。ただし、印刷可能範囲PAの配置の調整に伴って全体印刷範囲PRTが非矩形となるため、全体印刷範囲PRTを図形とみなしたときの全ての頂点の座標が印刷可能範囲PAに収まるか否かで、全体印刷範囲PRTが印刷可能範囲PAに収まっているか否かを判定すればよい。
調整した全体印刷範囲PRTが印刷可能範囲PAに収まる場合(ステップS63:YES)、制御部110は、その処理をステップS21に移行する。なお、この場合には、全体印刷範囲PRT(部分印刷範囲PRP)を調整した印刷ジョブに基づく印刷が実行される。一方、調整後の全体印刷範囲PRTが印刷可能範囲PAに収まらない場合(ステップS63:NO)、制御部110は、その処理をステップS29に移行する。
次に、図16及び図17を参照して、第3実施形態の印刷装置10の作用について説明する。なお、図16及び図17には、斜行した媒体Mの印刷可能範囲PAに対する複数の印刷ジョブの全体印刷範囲PRTの配置を示している。また、図16及び図17では、印刷が済んだ印刷ジョブの全体印刷範囲PRTを実線で示し、配置の調整が行われていない印刷ジョブ、すなわち印刷の実行を待機している印刷ジョブの全体印刷範囲PRTを二点鎖線で示し、全体印刷範囲PRTに含まれる部分印刷範囲PRPを破線で示している。
さて、印刷装置10において、複数の印刷ジョブに基づく印刷を開始する場合には、斜行傾向値STが演算される。続いて、斜行傾向値STに基づいて、印刷可能範囲PAが演算される。そして、印刷装置10に対する印刷ジョブの投入順に、当該印刷ジョブに基づく印刷の実行可否が判断される。すなわち、第1の印刷ジョブ、第2の印刷ジョブ、第3の印刷ジョブ及び第4の印刷ジョブの順に、印刷の実行可否が判断される。
図16に示すように、第3実施形態では、図8と同様の印刷範囲PRを有する印刷ジョブが投入された場合を想定する。ただし、第3実施形態では、第3の印刷ジョブが、3つの画像を印刷するための印刷ジョブである点が相違している。
図16及び図17に示すように、第1の印刷ジョブの全体印刷範囲PRT1は印刷可能範囲PAに収まるため、全体印刷範囲PRT1の調整が行われることなく第1の印刷ジョブに基づく印刷が実行される。続いて、第2の印刷ジョブの全体印刷範囲PRT2は、配置の調整により、印刷可能範囲PAに収まるため、全体印刷範囲PRT2が調整された第2の印刷ジョブに基づく印刷が実行される。
そして、第3の印刷ジョブに基づく全体印刷範囲PRT3は、配置の調整によっても印刷可能範囲PAに収まらないため、部分印刷範囲PRP1,PRP2,PRP3の配置の調整が行われる。すなわち、図16及び図17に示すように、搬送方向Fに整列していた複数の部分印刷範囲PRP1,PRP2,PRP3が搬送方向Fに向かうに連れて、幅方向Xにおける第2端側に移動するように配置が調整(移動)される。こうして、第3の印刷ジョブの全体印刷範囲PRT3は、部分印刷範囲PRPの調整により、印刷可能範囲PAに収まるため、全体印刷範囲PRT3(部分印刷範囲PRP)が調整された第3の印刷ジョブに基づく印刷が実行される。
そして、第4の印刷ジョブの全体印刷範囲PRT4は、配置の調整により、印刷可能範囲PAに収まるため、全体印刷範囲PRT4が調整された第4の印刷ジョブに基づく印刷が実行される。
こうして、第3実施形態によれば、全体印刷範囲PRTの配置の調整により印刷可能範囲PAに収まらない印刷ジョブがある場合でも、当該印刷ジョブの全体印刷範囲PRTが、部分印刷範囲PRPの配置の調整により印刷可能範囲PAに収まるのであれば、印刷が実行される。
第3実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)〜(6)に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
(8)複数の部分印刷範囲PRPのうち少なくとも1つの部分印刷範囲PRPの幅方向Xにおける配置を調整することで、全体印刷範囲PRTが印刷可能範囲PAに収まるときには、部分印刷範囲PRPを調整した印刷ジョブに基づく印刷の実行を許可することとした。したがって、部分印刷範囲PRPの調整を行わない場合と比較して、連続して処理できる印刷ジョブ数Njが多くなることで、印刷効率をより高めることができる。
なお、上記実施形態は、以下に示すように変更してもよい。
・第3実施形態において、複数の画像を印刷するための印刷ジョブに基づく印刷を行う際に、部分印刷範囲PRPの配置を調整することが望ましくない場合がある。例えば、2以上の画像を2部以上印刷するための印刷ジョブがある場合、部単位で部分印刷範囲PRPの配置が調整されることは許容できても、個別の部分印刷範囲PRPの配置が個別に調整されることは許容できない場合がある。
そこで、第3実施形態において、制御部110は、ユーザーから入力された指示に基づいて、複数の部分印刷範囲PRPの中から幅方向Xにおける配置を調整する部分印刷範囲PRPを選択するようにしてもよい。これによれば、複数の部分印刷範囲PRPの中から配置を調整する部分印刷範囲PRPを選択することができる。このため、印刷ジョブに含まれる複数の画像のうち、媒体Mに対する印刷位置を変化させたくない画像については、当該印刷位置を変化させることなく、印刷を実行することが可能となる。
・図7に示すフローチャートでは、印刷の前後における斜行量S(第3の斜行量S3及び第4の斜行量S4)に基づいて斜行傾向値STを演算し、当該斜行傾向値STと傾向判定値STthとの比較により、搬送エラーが生じているか否かを判定することとしたが、そうでなくてもよい。
例えば、ステップS22において印刷を実行している最中に、搬送動作がされる度に斜行量Sを取得し、当該搬送動作の前後における斜行量Sの増大量に基づいて斜行傾向値STを演算してもよい。そして、こうして演算した斜行傾向値STが傾向判定値STth以上であるか否かを判定してもよい。これによれば、1つの印刷ジョブに基づく印刷の実行中に発生する搬送不良を検出することができる。
・図7に示すフローチャートにおいて、ステップS21,S23,S24,S25の処理を省略してもよい。すなわち、印刷ジョブに基づく印刷を実行している最中に、斜行傾向値STが変化しても、エラーを報知しなくてもよい。
・図7に示すフローチャートにおいて、ステップS27,S28の処理を省略してもよい。すなわち、印刷ジョブに基づく印刷を実行するにあたり、印刷範囲PRの配置の調整を行わなくてもよい。
・図7に示すフローチャートにおいて、ステップS29,S30,S31の処理を省略してもよい。すなわち、ステップS28において、印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まらない場合(ステップS28:NO)、制御部は、エラーを報知してもよい。
・図7に示すフローチャートのステップS16において、印刷ジョブに基づく印刷の実行を停止させる停止処理をするのみでもよいし、媒体Mが印刷の実行に適さない程度に斜行した旨を報知する報知処理をするものみでもよい。
・上記実施形態では、媒体Mの搬送量の増大に伴って斜行量Sが増大するものとしたが、媒体Mの搬送量の増大に伴って斜行量Sが「0(零)」未満に減少する場合も考えられる。この場合には、初期斜行傾向値STi及び斜行傾向値STが「0(零)」未満となるため、傾向判定値STthを「0(零)」未満とすることが望ましい。そして、図7に示すフローチャートのステップS15,S25において、初期斜行傾向値STi及び斜行傾向値STが傾向判定値STth以下か否かを判定することが望ましい。
・図7に示すフローチャートのステップS15,S25において、初期斜行傾向値STi及び斜行傾向値STと傾向判定値STthとの大きさを比較することで判定を行わなくてもよい。例えば、搬送量に応じた推定斜行量を演算するとともに、当該推定斜行量と実際の斜行量との差分の絶対値が所定の判定値以上となったか否かで判定を行ってもよい。すなわち、斜行傾向を示す値が所定の判定値以上となったか否かを判定できるのであれば、他の斜行傾向を示す値に基づいて判定を行ってもよい。
・図13に示すフローチャートのステップS49において、印刷を実行する印刷ジョブ番号Nxのみを受け付けてもよい。すなわち、次のステップS50では、ステップS49において受け付けた印刷ジョブ番号Nxの印刷ジョブのみに基づく印刷を実行してもよい。
・図13に示すフローチャートにおいて、印刷範囲PRが印刷可能範囲PAに収まっていない場合(ステップS44:NO)、ステップS27のように印刷範囲PRの配置を調整してもよい。そして、調整後の印刷範囲PRが印刷可能範囲に収まっている場合、制御部110は、その処理をステップS45に移行する一方、調整後の印刷範囲PRが印刷可能範囲に収まっていない場合、その処理をステップS48に移行してもよい。この構成によれば、第2実施形態において、第1実施形態の効果(2)を得ることができる。
・検出部52は、反射型の光電センサーでなくてもよい。例えば、検出部52は、媒体M及び支持部30を撮像する撮像部(カメラ)であってもよい。この場合、制御部110は、撮像部が撮像した画像を画像処理することで、媒体Mの斜行量Sを演算することが望ましい。
・検出部52は、搬送方向Fにおいて印刷部50と重複する範囲に設けなくてもよい。例えば、検出部52は、キャリッジ53において、印刷部50よりも搬送方向上流側に設けてもよいし、搬送方向下流側に設けてもよい。また、検出部52は、キャリッジ53に設けなくてもよい。また、検出部52は搬送方向Fに間隔をあけて複数配置してもよい。
・媒体Mの全範囲に印刷を行う、いわゆる縁なし印刷を行う場合には、印刷可能範囲PAは、媒体Mの全範囲とすればよい。
・印刷装置10は、キャリッジ53を備えず、媒体Mの幅全体と対応した長尺状の固定された吐出部51を備える、いわゆるフルラインタイプの印刷装置10に変更してもよい。この場合の吐出部51は、ノズルが形成された複数の単位ヘッドを並列配置することによって印刷範囲PRが媒体Mの幅全体に亘るようにしてもよいし、単一の長尺ヘッドに媒体Mの幅全体に亘るように多数のノズルを配置することによって、印刷範囲PRが媒体Mの幅全体に亘るようにしてもよい。
・吐出部51が噴射する液体はインクに限らず、例えば機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体などであってもよい。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材(画素材料)などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を噴射して記録を行う構成にしてもよい。
・媒体Mは長尺の媒体でなくてもよい。例えば、単票紙であってもよい。
・媒体Mは用紙に限らず、プラスチックフィルムや薄い板材などでもよいし、捺染装置などに用いられる布帛であってもよい。
10…印刷装置、30…支持部、40…搬送部、50…印刷部、51…吐出部、52…検出部、100…印刷制御装置、110…制御部、M…媒体、PA…印刷可能範囲、PR(PR1,PR2,PR3,PR4,PR5)…印刷範囲、PRT(PRT1,PRT2,PRT3,PRT4)…全体印刷範囲、PRP(PRP1,PRP2,PRP3)…部分印刷範囲、S…斜行量、ST…斜行傾向値、STi…初期斜行傾向値、STth…傾向判定値、F…搬送方向、X…幅方向。

Claims (7)

  1. 媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、前記媒体の斜行量を検出可能な検出部と、印刷ジ
    ョブに基づいて前記媒体に印刷を行う印刷部と、を備えた印刷装置の印刷制御装置であっ
    て、
    前記搬送方向及び前記搬送方向と交差する幅方向において、前記印刷ジョブの印刷範囲
    が、前記検出部の検出結果に基づいて算出される前記媒体の印刷可能範囲に収まっている
    か否かを判定し、
    前記印刷可能範囲に前記印刷範囲が収まっている場合には、前記印刷ジョブに基づく印
    刷の実行を許可する
    制御部を備え、
    前記印刷ジョブが複数あるとき、
    前記制御部は、前記検出部で検出された前記斜行量から斜行傾向値を演算し、該斜行傾
    向値に基づいて前記媒体の前記印刷可能範囲を演算することで、複数の前記印刷ジョブの
    複数の前記印刷範囲が前記印刷可能範囲に収まるか否かを判定し、複数の前記印刷ジョブ
    の複数の前記印刷範囲が前記印刷可能範囲に収まらない場合には、入力された指示に基づ
    いて、複数の前記印刷ジョブのうち前記印刷範囲が前記印刷可能範囲に収まる前記印刷ジ
    ョブの中から、印刷の実行を許可する前記印刷ジョブを選択する
    ことを特徴とする印刷制御装置。
  2. 前記制御部は、前記印刷可能範囲に対する前記印刷範囲の配置を調整可能であって、
    前記印刷可能範囲に前記印刷範囲が収まっていない場合において、
    前記印刷範囲の前記幅方向における配置を調整することで、前記印刷範囲が前記印刷可
    能範囲に収まるときには、前記印刷範囲を調整した前記印刷ジョブに基づく印刷の実行を
    許可する
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
  3. 前記印刷ジョブが複数あるとき、
    前記制御部は、複数の前記印刷ジョブのうち、前記印刷範囲が前記印刷可能範囲に収ま
    る前記印刷ジョブに基づく印刷の実行を許可する一方、前記印刷範囲が前記印刷可能範囲
    に収まらない前記印刷ジョブに基づく印刷の実行を制限する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷制御装置。
  4. 前記制御部は、複数の前記印刷ジョブの印刷順序を入れ替え可能である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の印刷制御装置。
  5. 前記印刷ジョブは複数の画像を前記媒体に対して前記搬送方向に並べて印刷するための
    ものであり、前記印刷ジョブの前記印刷範囲を全体印刷範囲としたとき、
    前記全体印刷範囲は、複数の前記画像毎の印刷範囲である部分印刷範囲を含み、
    前記制御部は、前記印刷可能範囲に前記全体印刷範囲が収まっていない場合において、
    複数の前記部分印刷範囲のうち少なくとも1つの前記部分印刷範囲の前記幅方向におけ
    る配置を調整することで、前記全体印刷範囲が前記印刷可能範囲に収まるときには、前記
    部分印刷範囲を調整した前記印刷ジョブに基づく印刷の実行を許可する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の印刷制御装置。
  6. 前記制御部は、入力された指示に基づいて、複数の前記部分印刷範囲の中から前記幅方
    向における配置を調整する前記部分印刷範囲を選択する
    ことを特徴とする請求項5に記載の印刷制御装置。
  7. 前記制御部は、前記印刷ジョブに基づく印刷を実行させるときに、前記媒体の斜行傾向
    が変化した場合には、前記斜行傾向の変化を報知する報知処理及び印刷を停止させる停止処理のうち少
    なくとも一方の処理を実行する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項6のうち何れか一項に記載の印刷制御装置。
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