JP6573239B2 - 自動二輪車 - Google Patents
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Description
特許文献1では、ロール方向の角速度の値に基づいて補助操舵力を制御し、特に低速域での車体のふらつきを低減させるものが提案されている。
また、特許文献2では、傾斜して旋回走行中にブレーキ操作が検出された場合、操向ハンドルの切れ方向に対し、逆方向に操舵補助力を付与して、ブレーキ操作で走行ハンドルに旋回方向へのトルクがかかるのに対して対抗することで、自動二輪車の旋回の特性を向上させるものが提案されている。
上記いずれの先行技術も、操舵力発生手段にのみ用いられる電動モータ等のアクチュエータを設けている。
一方、自動二輪車の姿勢制御に関わる技術として、一般的に駆動輪として用いられる後輪に加えて、前輪にも駆動力を持たせ、前後輪の駆動力を制御することで、走行性能を上げたり、車両の姿勢等に関わる運動の補助に用いたりするものが提案されている。
特許文献3には、ハンドルの操舵操作と連動して、前輪への駆動力を制御する構成を有した自動二輪車における前輪駆動装置が開示されている。この構成においては、ハンドルを回動させて所定の切れ角になるように操舵したときに、前輪に駆動力を供給する。これにより、轍を乗り越えるときに前輪を駆動させることで、走破性が高まる。
特許文献4には、コーナリング(旋回)時に後輪にスリップが生じて前輪と後輪とに相対回転速度差が生じた場合に、前輪に設けられたモータが、前後輪の相対速度が元の回転関係に復帰する方向に駆動される構成の自動二輪車の二輪駆動装置が開示されている。
また、特許文献5には、自動二輪車の横方向の釣り合いを取るため、車体が横方向に傾斜している状態で前輪の駆動トルクと後輪の駆動トルクとが互いに逆方向になるようにすることによって、車体に生じる横方向への付勢力で車体の横方向の釣り合いを取る構成を有した自動二輪車が開示されている。この構成においては、旋回時に乗員によるハンドル操作が行われたときに、その操舵方向に応じて操舵アクチュエータによって前輪を操舵させるとともに、前輪の駆動トルクを低減させ、後輪の駆動トルクを増加させることで、車体を横方向に付勢する付勢力を発生する。これにより、乗員は、体重を横方向に移動させずとも、ハンドル操作を行えば、前輪の駆動トルクと後輪の駆動トルク、及び操舵アクチュエータが制御されて、車体の傾斜角度が操舵角度に対応した角度となるので、自動二輪車の操縦性が高まる。
しかし、補助操舵力を発生させるものは、所定の出力を発生させる専用の操舵補助用のアクチュエータが必要になる。
また、これまでの前後輪の駆動制御による姿勢制御は、他方で、例えば、従来と同じ運転操作をしていながら、姿勢制御により異なる横力が発生する等により車両の挙動に違和感を覚える場合がある。
すなわち、上記した従来の技術のいずれも、車両の自律的な姿勢制御による運転者の違和感を抑制するべく、運転操作を補助、誘導し、運転者の運転操作の結果として車両姿勢を制御させることを、専用のアクチュエータの出力に依らずに実現させるという考え方のものではなく、また、かかる考え方を示唆するものでもない。
請求項2に記載した発明は、前記駆動制御部(42)は、アクセル開状態で前記後輪(25)に制動力を付与する後輪ブレーキ装置(25B)に操作入力がなされたときに、前記後輪駆動装置(26)で発生する後輪駆動力(Fr)を低減させる、請求項1に記載の自動二輪車を提供する。
請求項3に記載した発明は、前記駆動制御部(42)は、前記後輪ブレーキ装置(25B)への操作入力が予め定めた設定値(T1)を越えると、前記前輪駆動装置(16)で発生する前輪駆動力(Ff)、および前記後輪駆動装置(26)で発生する後輪駆動力(Fr)のブレーキ入力に対する変化率を小さくする、請求項2に記載の自動二輪車を提供する。
請求項4に記載した発明は、前記駆動制御部(42)は、前記後輪ブレーキ装置(25B)への操作入力が予め定めた設定値(T1)を越えると、前記前輪駆動装置(16)で発生する前輪駆動力(Ff)のブレーキ入力に対する変化率を0とし、前記前輪駆動力(Ff)を予め定めた設定値(Fs)に維持する、請求項3に記載の自動二輪車を提供する。
請求項5に記載した発明は、運転者が操作するハンドル(17)と、前記ハンドル(17)に連結され、車体(10B)に対して操舵軸(14s)回りに回動して前輪(13)を操舵する操舵機構(14)と、前記前輪(13)を駆動する前輪駆動装置(16)と、後輪(25)を駆動する後輪駆動装置(26)と、前記前輪駆動装置(16)の駆動力(Ff)と前記後輪駆動装置(26)の駆動力(Fr)とを制御する駆動制御部(42)と、を備える自動二輪車(10)において、前記駆動制御部(42)は、前記車体(10B)が直立状態に対して傾斜角(θ)を有した走行状態にあるときに、前記前輪駆動装置(16)の駆動力(Ff)と前記後輪駆動装置(26)の駆動力(Fr)とを制御することで、前記操舵機構(14)に操舵力を発生させるとともに、前記駆動制御部(42)は、前記車体(10B)の傾斜角(θ)が大きいほど、前記前輪駆動装置(16)で発生する前輪駆動力(Ff)を小さくするものであり、前記前輪駆動装置(16)および後輪駆動装置(26)は、それぞれ電動モータであり、前記前輪駆動装置(16)および後輪駆動装置(26)の少なくとも一方は回生機能を有し、前記駆動制御部(42)は、回生による駆動力吸収を含む制御により、前記操舵機構(14)に操舵力を発生させる、自動二輪車を提供する。
また、駆動力制御を有効に使いながら、操舵機構に特別のアクチュエータ等を用いなくても操舵補助を行うことが可能となる。すなわち、他の機能を有する装置を操舵力発生に用いることで、操舵力発生専用の装置を削減する、あるいは出力を小さくして小型化することが可能となり、効率のよい操舵力発生手段を提供することができる。
さらに、運転者は、車体が傾斜角を有しての走行中、前輪および後輪の各駆動力の制御で操舵補助されながら、自分の操作により操舵するので、車両の挙動に対する違和感を覚え難い。すなわち、前後輪の駆動力の制御を、操舵補助を行って運転操作を補助、誘導し、運転者の運転操作の結果として車両の姿勢を制御する目的に用いるので、これまでの前後輪制御に比べて、運転者による操舵と車体の挙動との乖離が小さく、運転者が車体の挙動に違和感を覚えることを抑止した上で、車両姿勢を制御させることができる。
また、後輪ブレーキ装置に操作入力がなされたときに、前輪駆動力を増加させることにより、前輪駆動による操舵補助の効果を高めることができる。すなわち、運転者が車両の姿勢制御の意思に基づき後輪ブレーキ装置を操作した際、前輪駆動力を増加させて適切に操舵補助を行い、車両の姿勢制御をより効果的に行うことができる。また、車両としての速度調整は、前輪駆動力を含めて行うことになり、後輪ブレーキ装置を操作していても、アクセル操作に応じた減速、定速、加速等の適切な速度調整を行うことができる。
請求項2に記載した発明によれば、後輪ブレーキ装置に操作入力がなされたときに、前輪駆動力を増加させることに加え、後輪駆動力を低減させることにより、前輪駆動力を相対的により大きくし、前輪駆動による操舵補助の効果をさらに高めることができる。すなわち、運転者が車両の姿勢制御の意思に基づき後輪ブレーキ装置を操作した際、前輪駆動力を増加させるとともに後輪駆動力を低減させることで、より効果的な操舵補助を行い、車両の姿勢制御を効果的に行うことができる。一方、車両としての速度調整は、前輪と後輪の駆動制御を合わせて行うことで、後輪ブレーキ装置を操作していても、アクセル操作に応じた減速、定速、加速等の適切な速度調整を行うことができる。
請求項3に記載した発明によれば、後輪ブレーキ装置への操作入力が所定以上のときには、前輪駆動力および後輪駆動力の変化率を小さくするので、後輪ブレーキ操作入力が所定以上に増加する際の前輪駆動による操舵補助力の変化を滑らかに移行させることができる。
請求項4に記載した発明によれば、後輪ブレーキ装置への操作入力が所定以上のときは、前輪駆動力を設定値に維持するので、前輪駆動による操舵補助を適度な強さに保つことができる。
請求項5に記載した発明によれば、車体の傾斜角が大きいほど前輪駆動力を小さくするので、車体の傾斜角が大きいときには前輪駆動による操舵補助を弱めて、車両のロール角等の状態に応じた適切な操舵補助力を発生させることができる。
また、前輪駆動装置が電動モータであることで、前輪への動力伝達が容易になり、かつ前輪駆動力を後輪駆動装置とは独立して高い自由度で制御することができる。
そして、前輪駆動装置および後輪駆動装置の少なくとも一方において、回生による駆動力吸収を含む制御を行うことで、前輪駆動装置および後輪駆動装置の何れも電動モータである場合にも、電力消費を抑えることができる。
また、回生制御を含む駆動力制御により、回生を有する駆動輪の駆動力調整域が広がるので、アクセル操作に応じた減速、定速、加速等の速度調整を行いながら、前後輪の駆動力差による制御幅を広げて、操舵補助力をより高めることができる。
また、前輪駆動装置および後輪駆動装置の何れも電動モータであることで、前後輪の駆動力の配分の制御を精緻化することができる。
図3に示すように、自動二輪車10は、前輪駆動装置16と、後輪駆動装置26と、前輪モータ制御部41Fと、後輪モータ制御部41Rと、前輪ブレーキ装置13Bと、後輪ブレーキ装置25Bと、前輪ブレーキ制御部40Fと、後輪ブレーキ制御部40Rと、駆動制御部42と、車体傾斜検出手段43と、アクセル入力量検出手段44と、ブレーキ入力量検出手段45と、車速検出手段46と、操舵トルク検出手段47と、を備えている。
図4を併せて参照し、前輪ブレーキ装置13Bを作動させるブレーキ操作子であるブレーキレバー19aは、アクセル17aの前方に配置されている。アクセル17aは、ハンドル17の右グリップに回動可能に被さるアクセルグリップである。後輪ブレーキ装置25Bを作動させるブレーキペダル19bは、右ステップ29の前方に配置されている。
アクセル入力量検出手段44は、ハンドル17のアクセル17aに連結され、運転者の出力要求量(アクセル開度)を検出する。
ブレーキ入力量検出手段45は、運転者が操作するブレーキ操作子に連結され、運転者のブレーキ操作入力量を検出する。
車速検出手段46は、例えば車輪速センサであり、前後輪13,25にそれぞれ設けられる。車輪速センサの場合、アンチロックブレーキシステム(ABS)の制御にも用いられる。
操舵トルク検出手段47は、例えばハンドル17と操舵軸14sとの間に設けられるトルクセンサであり、ハンドル17と前輪13との間の生じるトルク差を検出する。
バッテリ残量検出手段48は、バッテリ残量計であり、バッテリ31の残量Emを検出する。
まず、自動二輪車10が、車体傾斜検出手段43で検出される車体10Bの傾斜角θ=0°であり、地面Gに対して正面視で直立した直立状態で直進走行を行っている直立走行状態について説明する。
ここで、駆動出力率とは、現在の回転速度で電動モータが出せる最大トルク(直立状態、アクセル開度が100%でかつブレーキ入力がないときの設定駆動トルク)を100%としたとき、これに比した出力の割合をいう。
一方、ブレーキペダル19bへの操作入力がなされると、後輪ブレーキ入力に応じて後輪駆動装置26の制動制御量を増加させる。
図14を参照し、上記制動割合(%)は、車速がV2以上のときでも、バッテリ残量(%)に応じて変化する。すなわち、バッテリ残量が100%に近付くと、回生による制動比率が減少するとともに、BBWによる制動が復活し、バッテリ31の過充電が防止される。
図4、図5に示すように、車体10Bが直立状態から傾斜している場合、前輪13のタイヤのトレッド面が湾曲していることから、操舵機構14の操舵軸(軸線)14sと地面Gとの交点Pcに対し、前輪13の接地点Psは車体10Bの幅方向で旋回方向側(傾斜側)にオフセットしている。
一方、車体10Bが傾斜した旋回走行時に後輪ブレーキを弱めると、前輪13の駆動力が低下し、接地点Psの駆動力を減少させる。このため、操舵機構14への、操舵軸14s回りに舵角を減らそうとする方向のモーメントMo’は、前記モーメントMoに比べて小さくなり、セルフステアを回復させる。
したがって、前輪13の駆動力と後輪25の駆動力とをそれぞれ制御することにより、操舵補助力の制御を精緻化することができる。
具体的には、前輪13の駆動力が増しているときに、後輪25の駆動力を減ずれば、舵角を減らす方向の補助力がより増加する。また、前輪13の駆動力を減じて後輪15の駆動力を増せば、舵角を増す方向の補助力を発生させることが可能になる。
換言すれば、前輪13と後輪25の相対的な駆動力差を適切に制御することで、より効果的な操舵補助制御を実現することができる。
なお、直進走行を継続する場合では、アクセル全開で後輪ブレーキをかけることは想定されるものではないが、自動二輪車10が右ロールから左ロールに移行するような走行(ワインディング走行等)を行う場合の遷移で、図7のマップに示す状態を通過することになる。このとき、車体10Bを旋回状態に持ち込みやすいように、旋回移行時に前輪駆動力Ffを最大限発生させてセルフステアを抑制する。なお、前輪出力を弱めたい場合は、アクセル開度を小さくするか、又は前輪ブレーキをかける。
また、図7のマップにおけるCBSモードでは、後輪ブレーキ入力で前輪駆動力Ffが低減する一方、前輪駆動力Ffが低減した分だけ後輪駆動力Frが増加している。
次に、自動二輪車10の旋回走行を行う場合について説明する。旋回走行状態では、自動二輪車10の車体10Bは、直立状態に対して旋回方向側(右旋回の場合には右側、左旋回の場合には左側)に傾斜角(ロール角)θだけ傾斜している。
後輪ブレーキ入力が設定値T1以上の領域では、前輪13と後輪25との合計駆動力の減少傾向が設定値T1の境界域で顕著にならないように、後輪25の駆動出力率の減少傾向は、前輪13の駆動出力率の増加が止まる分、設定値T1未満の領域に比べて緩やかにしている。また、後輪ブレーキ入力に対する前後輪13,25の合計駆動力の変化が設定値T1の前後で顕著にならないように設定している。なお、駆動力は減少するが、正の駆動力が発生している領域では、自動二輪車10の速度は増加する。
後輪25が制動制御に入っても、前輪13の駆動力と後輪25の制動制御による負の駆動力との合力が正の値であれば、自動二輪車10は加速する。
なお、ロール角θがB°のときも、駆動制御部42は、状態ST1と状態ST2との間で、前輪駆動装置16で発生する前輪駆動力Ffと後輪駆動装置26で発生する後輪駆動力Frとの合計駆動力の減少度合いが同等となるようにしている。
アクセル開度が小さい時、ブレーキ入力が無い限り、前輪13の駆動力は0である。また、前後輪13,25の合計駆動力もアクセル開度100%のときより小さい。後輪駆動装置26は、アクセル開度が100%のときより後輪ブレーキ入力が小さい段階で、制動制御を行う。
この設定は、図10の発生量と反比例の関係にしており、ロール角θが0°付近では操舵補助力がほとんど発生しないことから、前輪駆動出力率は100%とする。一方、ロール角θが大きくなると、同じ駆動トルクでも接地点Psと操舵軸14sとのオフセット量が大きくなり、操舵補助力は大きくなることから、前輪駆動出力率は小さくする。
図11のグラフにおいて、ロール角θがさらに大きくなり、所定値以上になる場合には、後輪ブレーキがかからない状態でも前輪駆動装置16の制動制御を開始させ、旋回方向側への操舵補助力をさらに高めるようにしてもよい。
また、駆動力制御を有効に使いながら、操舵機構14に特別のアクチュエータ等を用いなくても操舵補助を行うことが可能となる。すなわち、他の機能を有する装置を操舵力発生に用いることで、操舵力発生専用の装置を削減する、あるいは出力を小さくして小型化することが可能となり、効率のよい操舵力発生手段を提供することができる。
さらに、運転者は、車体10Bが傾斜角を有しての走行中、前輪13および後輪25の各駆動力の制御で操舵補助されながら、自分の操作により操舵するので、車両の挙動に対する違和感を覚え難い。すなわち、前後輪13,25の駆動力の制御を、操舵補助を行って運転操作を補助、誘導し、運転者の運転操作の結果として車両の姿勢を制御する目的に用いるので、これまでの前後輪制御に比べて、運転者による操舵と車体10Bの挙動との乖離が小さく、運転者が車体10Bの挙動に違和感を覚えることを抑止した上で、車両姿勢を制御させることができる。
この構成によれば、後輪ブレーキ装置25Bに操作入力がなされたときに、前輪駆動力Ffを増加させることにより、前輪駆動による操舵補助の効果を高めることができる。すなわち、運転者が車両の姿勢制御の意思に基づき後輪ブレーキ装置25Bを操作した際、前輪駆動力を増加させて適切に操舵補助を行い、車両の姿勢制御をより効果的に行うことができる。また、車両としての速度調整は、前輪駆動力Ffを含めて行うことになり、後輪ブレーキ装置25Bを操作していても、アクセル操作に応じた減速、定速、加速等の適切な速度調整を行うことができる。
この構成によれば、後輪ブレーキ装置25Bに操作入力がなされたときに、前輪駆動力Ffを増加させることに加え、後輪駆動力Frを低減させることにより、前輪駆動力Ffを相対的により大きくし、前輪駆動による操舵補助の効果をさらに高めることができる。すなわち、運転者が車両の姿勢制御の意思に基づき後輪ブレーキ装置25Bを操作した際、前輪駆動力Ffを増加させるとともに後輪駆動力Frを低減させることで、より効果的な操舵補助を行い、車両の姿勢制御を効果的に行うことができる。一方、車両としての速度調整は、前輪13と後輪25の駆動制御を合わせて行うことで、後輪ブレーキ装置25Bを操作していても、アクセル操作に応じた減速、定速、加速等の適切な速度調整を行うことができる。
この構成によれば、後輪ブレーキ装置25Bへの操作入力が所定以上のときには、前輪駆動力Ffおよび後輪駆動力Frの変化率を小さくするので、後輪ブレーキ操作入力が所定以上に増加する際の前輪駆動による操舵補助力の変化を滑らかに移行させることができる。
この構成によれば、後輪ブレーキ装置25Bへの操作入力が所定以上のときは、前輪駆動力Ffを設定値Fsに維持するので、前輪駆動による操舵補助を適度な強さに保つことができる。
この構成によれば、車体10Bの傾斜角が大きいほど前輪駆動力Ffを小さくするので、車体10Bの傾斜角が大きいときには前輪駆動による操舵補助を弱めて、車両のロール角等の状態に応じた適切な操舵補助力を発生させることができる。
この構成によれば、前輪駆動装置16が電動モータであることで、前輪13への動力伝達が容易になり、かつ前輪駆動力Ffを後輪駆動装置26とは独立して高い自由度で制御することができる。
この構成によれば、前輪駆動装置16および後輪駆動装置26の少なくとも一方において、回生による駆動力吸収を含む制御を行うことで、前輪駆動装置16および後輪駆動装置26の何れも電動モータである場合にも、電力消費を抑えることができる。
また、回生制御を含む駆動力制御により、回生を有する駆動輪の駆動力調整域が広がるので、アクセル操作に応じた減速、定速、加速等の速度調整を行いながら、前後輪13,25の駆動力差による制御幅を広げて、操舵補助力をより高めることができる。
また、前輪駆動装置16および後輪駆動装置26の何れも電動モータであることで、前後輪13,25の駆動力の配分の制御を精緻化することができる。
ロール角の変化による後輪駆動力の減少の傾きについて、前輪駆動力がロール角に応じた所定の出力率に到達した以降は、ロール角が大きいほど後輪駆動力の減衰の傾斜を緩やかにする例を示したが、車両の性質により、例えばロール角によらず後輪駆動力の減衰の傾斜を同じにしてもよく、あるいはロール角が大きいほど後輪駆動力の減衰の傾斜を強め、ブレーキ操作入力に応じた補助力の増加速度を早めるものとしてもよい。
旋回走行時、後輪ブレーキ入力が0のとき等で、前輪は制動制御を効かせて駆動出力率を負に設定し、セルフステアをより強める設定としてもよい。
自動二輪車は、運転者が車体を跨いで乗車する車両に限らず、ステップフロアを有するスクータ型車両や原動機付自転車を含む。また、自動二輪車に限らず、前輪および操舵機構を、ヘッドパイプ周りを含む車体とともに傾斜させて旋回する、鞍乗り型車両への適用も可能である。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
10B 車体
13 前輪
14 操舵機構
14s 操舵軸
16 前輪駆動装置
17 ハンドル
25 後輪
25B 後輪ブレーキ装置
26 後輪駆動装置
42 駆動制御部
Ff 前輪駆動力(駆動力)
Fr 後輪駆動力(駆動力)
Fs 設定値
T1 設定値
θ 傾斜角(ロール角)
Claims (5)
- 運転者が操作するハンドル(17)と、
前記ハンドル(17)に連結され、車体(10B)に対して操舵軸(14s)回りに回動して前輪(13)を操舵する操舵機構(14)と、
前記前輪(13)を駆動する前輪駆動装置(16)と、
後輪(25)を駆動する後輪駆動装置(26)と、
前記前輪駆動装置(16)の駆動力(Ff)と前記後輪駆動装置(26)の駆動力(Fr)とを制御する駆動制御部(42)と、を備える自動二輪車(10)において、
前記駆動制御部(42)は、前記車体(10B)が直立状態に対して傾斜角(θ)を有した走行状態にあるときに、前記前輪駆動装置(16)の駆動力(Ff)と前記後輪駆動装置(26)の駆動力(Fr)とを制御することで、前記操舵機構(14)に操舵力を発生させるとともに、
前記駆動制御部(42)は、アクセル開状態で前記後輪(25)に制動力を付与する後輪ブレーキ装置(25B)に操作入力がなされたときに、前記前輪駆動装置(16)で発生する前輪駆動力(Ff)を増加させる、自動二輪車。 - 前記駆動制御部(42)は、アクセル開状態で前記後輪(25)に制動力を付与する後輪ブレーキ装置(25B)に操作入力がなされたときに、前記後輪駆動装置(26)で発生する後輪駆動力(Fr)を低減させる、請求項1に記載の自動二輪車。
- 前記駆動制御部(42)は、前記後輪ブレーキ装置(25B)への操作入力が予め定めた設定値(T1)を越えると、前記前輪駆動装置(16)で発生する前輪駆動力(Ff)、および前記後輪駆動装置(26)で発生する後輪駆動力(Fr)のブレーキ入力に対する変化率を小さくする、請求項2に記載の自動二輪車。
- 前記駆動制御部(42)は、前記後輪ブレーキ装置(25B)への操作入力が予め定めた設定値(T1)を越えると、前記前輪駆動装置(16)で発生する前輪駆動力(Ff)のブレーキ入力に対する変化率を0とし、前記前輪駆動力(Ff)を予め定めた設定値(Fs)に維持する、請求項3に記載の自動二輪車。
- 運転者が操作するハンドル(17)と、
前記ハンドル(17)に連結され、車体(10B)に対して操舵軸(14s)回りに回動して前輪(13)を操舵する操舵機構(14)と、
前記前輪(13)を駆動する前輪駆動装置(16)と、
後輪(25)を駆動する後輪駆動装置(26)と、
前記前輪駆動装置(16)の駆動力(Ff)と前記後輪駆動装置(26)の駆動力(Fr)とを制御する駆動制御部(42)と、を備える自動二輪車(10)において、
前記駆動制御部(42)は、前記車体(10B)が直立状態に対して傾斜角(θ)を有した走行状態にあるときに、前記前輪駆動装置(16)の駆動力(Ff)と前記後輪駆動装置(26)の駆動力(Fr)とを制御することで、前記操舵機構(14)に操舵力を発生させるとともに、
前記駆動制御部(42)は、前記車体(10B)の傾斜角(θ)が大きいほど、前記前輪駆動装置(16)で発生する前輪駆動力(Ff)を小さくするものであり、
前記前輪駆動装置(16)および後輪駆動装置(26)は、それぞれ電動モータであり、
前記前輪駆動装置(16)および後輪駆動装置(26)の少なくとも一方は回生機能を有し、
前記駆動制御部(42)は、回生による駆動力吸収を含む制御により、前記操舵機構(14)に操舵力を発生させる、自動二輪車。
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