JP6589155B2 - 船尾管用シールリング及び船尾管密封構造 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明に係る船尾管用シールリングは、
プロペラ軸の外周に設けられたライナと、前記プロペラ軸が挿通された船尾管との間の環状隙間を封止するゴム状弾性体製の船尾管用シールリングであって、
前記ライナの外周面に摺動するリップ部と、
前記リップ部よりも径方向外側に設けられ、径方向外側かつ軸方向一方側へ向かって延びた後に屈曲して径方向外側かつ軸方向他方側に延びる屈曲部と、
を備え、
前記屈曲部が、前記軸方向一方側へ向かって延びる部分と前記軸方向他方側に向かって延びる部分とを繋ぐ補強部が周方向に複数形成された補強領域と、前記補強部よりも軸方向の厚さが薄い薄肉領域と、を周方向に備えることを特徴とする。
イナの外周面上に形成されるリップ部のシールラインは概ね波形形状となる。シールラインの波形における谷から山に遷移する部分には、プロペラ軸の回転によって高圧側の領域内の流体が周方向の流れとなって導かれるため、当該部分において動圧が発生する。このようにして発生した動圧は、リップ部の摺動面を押し上げるように作用するため、リップ部の緊迫力が低減される。その結果、リップ部の摺動面の摩耗が抑制される。
プロペラ軸の外周に設けられたライナと、
前記プロペラ軸が挿通された船尾管と、
前記ライナと前記船尾管との間の環状隙間を封止するゴム状弾性体製の船尾管用シールリングと、
を備える船尾管密封構造において、
前記船尾管用シールリングは、
前記ライナの外周面に摺動するリップ部と、
前記リップ部よりも径方向外側に設けられ、径方向外側かつ軸方向一方側へ向かって延びた後に屈曲して径方向外側かつ軸方向他方側に延びる屈曲部と、
を備え、
前記屈曲部が、前記軸方向一方側へ向かって延びる部分と前記軸方向他方側に向かって延びる部分とを繋ぐ補強部が周方向に複数形成された補強領域と、前記補強部よりも軸方向の厚さが薄い薄肉領域と、を周方向に備えることを特徴とする。
されるようになるため、動圧効果を周方向において一定の間隔で発生させることができる。
図1〜図4を参照して、本発明の実施例に係る船尾管用シールリング及び船尾管密封構造について説明する。
図1を参照して、本発明の実施例に係る船尾管密封構造の全体構成について説明する。この船尾管密封構造には、本発明の実施例に係る船尾管用シールリングが用いられている。図1は、実施例に係る船尾管密封構造の構成を示す模式的断面図である。
ム状弾性体製の船尾管用シールリング121,122,123,124を備えている(以下、単に「シールリング」ともいう)。本実施例においては、これら4つのシールリングは同一の形状を有しており、環状のケース110に対して固定されている。ケース110は、船尾管300に対してボルトによって固定された金属製のフランジリング111と、複数の金属製の中間リング112,113,114と、金属製のカバーリング115とから構成される。これらの金属製の5つのリングは、軸方向に挿通される不図示のボルトによって組み合わされている。そして、これら4つのシールリングは、それぞれの外周側がこれら5つのリングの間に締め付けられた状態で固定されている。なお、ケース110と、ケース110に固定された4つのシールリングは、全体で船尾管シール装置とも呼ばれる。
図2〜図4を参照して、本発明の実施例に係る船尾管用シールリングの構成について説明する。図2は、実施例に係る船尾管用シールリングの正面図である。ここで正面図とは、シールリングを軸方向における高圧側から見たときの図である。図3は、実施例に係る船尾管用シールリングの使用時(装着時)における断面図であって、図2におけるAA断面が示されている。なお、AA線は、シールリングの使用時(船尾管密封構造への装着時)には水平方向の線となる。図4は、実施例に係る船尾管用シールリングの使用時における断面図であって、図2におけるBB断面が示されている。なお、BB線は、シールリングの使用時には鉛直方向の線となる。なお、図3、4では、必要に応じて他の部品も描かれており、また、説明のために切断端面のみが描かれている。また、上述のように、本実施例においては、シールリング121,122,123,124は全て同一の形状を有するため、以下においてはシールリング124を例にして説明する。
く径方向内側部1241aと径方向外側部1241bとを繋ぐ補強部1243d,1243e,1243fが周方向に形成された補強領域1243Dと、を備えている。更に、屈曲部1241は、隣り合う補強領域1243A,1243Dの間に、各補強部よりも軸方向の厚さ(以下、「肉厚」ともいう)が薄い薄肉領域1244A,1244Bを備えている。このように、補強領域1243A,1243Dは、径方向において対向する位置に形成されている。また、薄肉領域1244Aは、屈曲部1241における鉛直最上方の位置に配置されており、薄肉領域1244Bは、屈曲部1241における鉛直最下方の位置に配置されている。また、これら6つの補強部(1243a〜1243f)は、図2に示されるように、左右に3つずつ一定の間隔で形成されており、屈曲部1241における鉛直方向(BB線方向)の上方と下方の部位には形成されていない。詳細には、水平方向(AA線方向)の一方側に配置された3つの補強部1243a〜1243cの各々の間に形成された切り欠き1245a,1245bと、水平方向の他方側に配置された補強部1243d〜1243fの各々の間に形成された切り欠き1245c,1245dは、周方向寸法(周方向長さ)が、薄肉領域1244A,1244Bよりも小さく形成されている。なお、切り欠き1245a〜1245dの周方向寸法、すなわち、補強部1243a〜1243cの各々の間の間隔と補強部1243d〜1243fの各々の間の間隔は、一定(同一)である。また、本実施例においては、これら6つの補強部は同一の形状を有しており、それぞれが径方向の幅を一定にして周方向に延びるように形成されている。補強部1243bを例にして詳細に説明すると、図3に示されるように、屈曲部1241における補強部1243bが形成された部位は、径方向(図中の上下方向)及び軸方向(図中の左右方向)の何れにおいても、厚みが増大している。したがって、屈曲部1241における当該部位は、補強部が形成されていない(薄肉領域が形成された)他の部位に比べて低圧側への弾性的な変形が抑制される。これに対し、屈曲部1241における補強部が形成されていない部位、つまり、屈曲部1241における上方と下方の薄肉領域1244A,1244Bが形成された部位は、補強部が形成されている箇所に比べて径方向及び軸方向の何れにおいても厚みが増大していないため、変形の自由度が確保されている。なお、本実施例においては、シールリング1240の各部分は、金型成形によって一体的に形成される。
また、リップ部1240における、補強部によって支持されている部位と、補強部によって支持されていない(薄肉領域が形成された)部位とは、それぞれ密封流体による圧力によりシール箇所が周方向において軸方向に前後する(全周で直線ではなく、波形のように軸方向に前後する)。
特に図3、4を参照して、本実施例に係る船尾管用シールリングの使用時のメカニズムについて説明する。上述したように、シールリング121,122,123,124は、それぞれのリップ部が高圧側と低圧側とをシールするようにケース110に対して固定されているため、これら4つのシールリングのそれぞれに対して、流体の差圧による力が、高圧側から低圧側に向かって軸方向に作用する。シールリング124を例にすると、流体圧力は、屈曲部1241に対して図3、4中の左側から作用する。そのため、屈曲部1241は、全体として軸方向右側に向かって弾性的に変形するが、6つの補強部1243a〜1243fが設けられた部位における軸方向の変形量は、補強部が設けられていない(薄肉領域が形成された)他の部位における変形量よりも小さくなる。これにより、リップ部1240においても、これら6つの補強部近傍の部位における変形量が、他の部位における変形量より小さくなる。したがって、リップ部1240の摺動部がライナ220の外周面上に形成するシールラインSL(リップ部1240とライナ220との接触面の高圧側の端縁全周に相当)は、図3、4に示されるように概ね波形形状となる。
ら6つの補強部は、屈曲部1241の左右に分かれて3つずつ間隔を詰めて形成されているため、シールラインSLは、左右に3つの山が間隔を詰めて形成された波形となる。ここで、点Xは、リップ部1240における補強部1243bの内径方向箇所が形成する山の位置を示している。一方、屈曲部1241における鉛直方向の上方と下方の部位は、補強部が形成されていないため、リップ部1240における鉛直方向の上方と下方の部位が、シールラインSLにおける最も深い谷を形成する(図3、4における点Y参照)。ただし、これは鉛直方向の上方と下方の部位にかかる圧力が同圧の場合であり、プロペラ軸が大径で上方と下方の部位において鉛直方向の上方と下方の部位にかかる圧力が無視できないほど大きい場合は、下方の部位がシールラインSLにおける最も深い谷を形成する。
以上のように、船尾管用シールリング121,122,123,124によれば、ライナ220の外周面上に形成されるシールラインが波形形状となるため、プロペラ軸210の回転によって生じた高圧側流体の流れによって、リップ部の摺動面を押し上げるような動圧が発生する。これにより、ライナ220の外周面に対するリップ部の緊迫力が低減されるため、リップ部の摺動面の摩耗が抑制される。その結果、これら4つのシールリングの締め代の減少を防止することができるため、船尾管密封構造の密封能力を好適に維持す
ることが可能になる。特に本実施例のように、潤滑液として、水や水を主成分としたものなどの粘性の低い液体を使用したとしても、摺動面の摩耗を抑制することが可能になる。
本発明では、船尾管用シールリングの屈曲部に設けられる補強部の個数や形状は、上記の実施例で説明した態様に限られず、その作用効果が発揮される限りにおいて、種々の態様を採用することができる。ここで、補強部の他の形状を変形例として図面を用いて説明する。
110:ケース
121,122,123,124:船尾管用シールリング
130:ガータースプリング
210:プロペラ軸
220:ライナ
230:プロペラ
300:船尾管
1240:リップ部
1241:屈曲部
1241a:径方向内側部
1241b:径方向外側部
1243A,1243B,1243X:補強領域
1243a,1243b,1243c,1243d,1243e,1243f,1243x,1243y,1243z:補強部
1244A,1244B:薄肉領域
1245a,1245b,1245c,1245d:切り欠き
SL:シールライン
Claims (5)
- プロペラ軸の外周に設けられたライナと、前記プロペラ軸が挿通された船尾管との間の環状隙間を封止するゴム状弾性体製の船尾管用シールリングであって、
前記ライナの外周面に摺動するリップ部と、
前記リップ部よりも径方向外側に設けられ、径方向外側かつ軸方向一方側へ向かって延びた後に屈曲して径方向外側かつ軸方向他方側に延びる屈曲部と、
を備え、
前記屈曲部が、前記軸方向一方側へ向かって延びる部分と前記軸方向他方側に向かって延びる部分とを繋ぐ補強部が周方向に複数形成された補強領域と、前記補強部よりも肉厚が薄い薄肉領域と、を周方向に備えることを特徴とする船尾管用シールリング。 - プロペラ軸の外周に設けられたライナと、
前記プロペラ軸が挿通された船尾管と、
前記ライナと前記船尾管との間の環状隙間を封止するゴム状弾性体製の船尾管用シールリングと、
を備える船尾管密封構造において、
前記船尾管用シールリングは、
前記ライナの外周面に摺動するリップ部と、
前記リップ部よりも径方向外側に設けられ、径方向外側かつ軸方向一方側へ向かって延びた後に屈曲して径方向外側かつ軸方向他方側に延びる屈曲部と、
を備え、
前記屈曲部が、前記軸方向一方側へ向かって延びる部分と前記軸方向他方側に向かって延びる部分とを繋ぐ補強部が周方向に複数形成された補強領域と、前記補強部よりも肉厚が薄い薄肉領域と、を周方向に備えることを特徴とする船尾管密封構造。 - 前記薄肉領域が、前記屈曲部における鉛直最下方の位置に配置されることを特徴とする請求項2に記載の船尾管密封構造。
- 前記薄肉領域を複数備え、前記屈曲部における鉛直最下方の位置に配置される前記薄肉領域とは異なる薄肉領域が、前記屈曲部における鉛直最上方の位置に配置されることを特徴とする請求項3に記載の船尾管密封構造。
- 前記補強領域に形成された前記補強部は、周方向に一定の間隔で配置されていることを特徴とする請求項2から4の何れか1項に記載の船尾管密封構造。
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|---|---|---|---|
| JP2016064416A JP6589155B2 (ja) | 2016-03-28 | 2016-03-28 | 船尾管用シールリング及び船尾管密封構造 |
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