JP6590195B2 - 新規抗がん剤 - Google Patents

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Description

本発明は、新規な抗がん剤に関する。より詳細には、本発明は、高いがん細胞増殖抑制作用と低い正常細胞毒性作用を有する抗がん剤、特に優れた抗前立腺がん作用及び抗膀胱がん作用を有する抗がん剤に関する。
欧米において罹患率、死亡率のトップを占める前立腺がんは、本邦においても食生活の欧米化により急激な罹患率の上昇が認められている。この前立腺がんの早期がんは手術療法等で根治可能となっているが、手術療法が難しい高齢者の前立腺がんや進行がんに対してはホルモン療法が行われる。
一方、膀胱がんは、日本における発症数は年間1万8千人程度で、毎年約6千人が亡くなる、泌尿器系の中でも最も多いがんである。男性に多く発症し(男性:女性=4:1)、再発率が高いのも特徴である。外科的手術(TUR−Bt、膀胱全摘)、膀胱注入療法(BCG、塩酸ピラルビシン)、放射線療法、化学療法(1st:CG療法、2nd:M−VAC療法,PAC療法)が主に現行治療法として行われている。
ナフトピジルはα1受容体遮断薬として、前立腺肥大に伴う排尿障害改善薬として広く活用されている、また、副作用も少なく安全な医薬品として考えられている。
近年、ナフトピジルの前立腺がんでの有効性が報告されている(非特許文献1)。また、前立腺肥大の治療にナフトピジルを使用している患者において、前立腺がんへ移行する確率が減少していることが報告されている(非特許文献2)。さらに、膀胱がんにおいても、ナフトピジルがインビトロやインビボでがん増殖抑制作用を有することが報告されている(非特許文献3、非特許文献4)。
Y. Hori et al., Cancer prevention research 2011, 4, 87-96 D. Yamada et al., Int. J. Urol. 2013, 20, 1220-1227 Gotoh et al., Pharmacology. 2012, 90(5-6), 242-246 中川佑介ら、第22回泌尿器科分子・細胞研究会泌尿器学会、AP−11
本発明は、新規な抗がん剤、特に前立腺がんや膀胱がんに優れた抗がん作用を有する抗がん剤を提供することを目的とする。さらに、高い抗がん作用に加え、正常細胞への毒性は低いという利点を有する抗がん剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討を行った。具体的には、近年、前立腺がん発症リスクを減少させる効果が確認されたナフトピジルに着目した。
ナフトピジルは下記式
で表される構造を有する。
通常、多くの薬物に関して、代謝は2つの相で起こる。第I相反応には、新たなあるいは修飾された官能基の形成や開裂(酸化,還元,加水分解)が含まれる。第II相反応には、内因性物質(例,グルクロン酸,硫酸塩,グリシン)との抱合が含まれる。第II相反応によって形成された代謝産物は、第I相反応で形成された代謝産物より極性が大きい為、腎臓(尿)や肝臓(胆汁)によってより速やかに排泄される傾向にある。薬物によっては、第I相反応または第II相反応のいずれか、あるいは両方の反応を受ける場合がある。
ナフトピジルは生体への投与後、速やかに代謝されることが知られている(図1参照)。しかしながら、ナフトピジル及びその代謝産物に関し、物性や活性が詳細に調べられた報告はない。本発明者らは、ナフトピジルの代謝産物の中に、がん細胞への高い毒性と、正常細胞への低い毒性を併せ持つ、抗がん剤として優れた作用を有する化合物があることを見出し、当該化合物のインビトロ及びインビボでの効果を確認して本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下を提供する。
[1]ナフトピジルの代謝産物又はそれらの医薬上許容され得る塩を有効成分として含有する抗がん剤。
[2]ナフトピジルの代謝産物が水酸化体である、上記[1]記載の抗がん剤。
[3]ナフトピジルの代謝産物がフェニル水酸化体である、上記[1]記載の抗がん剤。
[4]ナフトピジルの代謝産物が抱合体である、上記[1]記載の抗がん剤。
[5]ナフトピジルの代謝産物が、下記式:
で表される化合物である、上記[1]記載の抗がん剤。
[6]がんが、前立腺がん、膀胱がん、腎臓がん、肺がん、大腸がん、胃がん、膵臓がん、乳がん、肝臓がん、胆管がん、白血病及び悪性中皮腫からなる群から選択される少なくとも1種である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の抗がん剤。
[7]がんが前立腺がん、膀胱がん、腎臓がん、肺がん及び悪性中皮腫からなる群から選択される少なくとも1種である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の抗がん剤。
本発明化合物はがん細胞への高い毒性と、正常細胞への低い毒性を併せ持つので、抗がん剤、特に前立腺がん、膀胱がん、腎臓がん、肺がん及び悪性中皮腫に対する抗がん剤として有用である。
ナフトピジルの体内動態(代謝産物)を示す図である。 ナフトピジルと本発明化合物との抗腫瘍効果を比較した結果を示すグラフである。Xenograftモデルを用いて検討した。縦軸は腫瘍体積を横軸は試験化合物投与後の経過日数を、それぞれ示す。
以下、本発明を説明する。本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味を有する。
本発明は抗がん剤(以下、単に本発明の抗がん剤とも称する)を提供する。本発明において抗がん剤とは、抗がん作用を有し、がんの予防及び/又は治療に用いられる医薬を意味する。本明細書中で用いられる場合、「予防」とは、疾患を発症していない被験体に対して有効成分を投与する行為であり、例えば、発症を防止することを目的とする。「治療」とは、疾患を発症している被験体において、該疾患や症状を軽減すること、あるいは該症状の悪化を防ぐこと又は遅延させることを意味する。
本発明の抗がん剤において有効成分として含められる化合物は、ナフトピジルの代謝産物(以下、単に本発明化合物とも称する)である。通常、薬物の代謝は2つの相(第I相、第II相)で起こる。第I相反応は、薬物の酸化、水酸化、加水分解、還元、水和等の反応が挙げられる。第II相反応はグルクロン酸抱合、硫酸抱合、グルタチオン抱合等の反応が挙げられる。これらの薬物代謝は、主としてチトクロームP−450等の薬物代謝酵素が担う。本願発明において、好ましいナフトピジルの代謝産物は、水酸化体(以下、単に本発明の水酸化体とも称する)であり、好ましくはフェニル基部分に水酸基が導入された化合物(以下、本発明のフェニル水酸化体とも称する)である。
ナフトピジルの代謝産物としては、例えば、図1に記載される化合物が挙げられる。好ましくはフェニル水酸化体であり、薬理学的特性や物理化学的特性においてより優れているという点で、下記式(1):
で表される化合物(以下、単に式(1)化合物とも称する)が特に好ましい。
フェニル水酸化体を含め、ナフトピジルの代謝産物は自体公知の方法により製造することができる。例えばKutscher, Bernhard; Engel, Jurgen; Fleischhauer, Ilona; Niebch, Georg Archiv der Pharmazie (Weinheim, Germany) (1993), 326 (10), 803-6等に記載の方法により製造することができる。また、後述の実施例に記載の方法により製造することができる。
本発明では、ナフトピジル又はその代謝産物を誘導体化した化合物を本発明の抗がん剤の有効成分として用いることもできる。ここで、「誘導体化」とは、リード化合物(ここではナフトピジル又はその代謝産物)中の特定の原子又は基を、他の原子又は基で置換することにより得られる化合物、あるいはリード化合物に対する付加反応により得られる化合物を意味する。例えば、ナフトピジルのナフチル基部分に水酸基が導入された化合物が挙げられる。また、フェニル基部分に水酸基が導入された化合物であって、当該水酸基の導入位置が式(1)化合物におけるそれとは異なる化合物が挙げられる。
本発明化合物は、その医薬上許容され得る塩としても用いることができる。当該塩としては、例えば、トリフルオロ酢酸、酢酸、乳酸、コハク酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、安息香酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ケイ皮酸、フマル酸、ホスホン酸、塩酸、硝酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、スルファミン酸、硫酸等の酸との酸付加塩;例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等の金属塩;例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン等の有機塩基との塩等が挙げられる。
本発明化合物は、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体等の異性体を有するが、いずれか一方の異性体も、異性体の混合物も本発明において用いることができる。これらの異性体は、自体公知の合成手法、分離手法(濃縮、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、再結晶等)によりそれぞれを単品として得ることができる。
本発明化合物は、結晶であっても無晶形であってもよい。例えば、フェニル水酸化体が結晶である場合、結晶形が単一であっても結晶形混合物であってもフェニル水酸化体に包含される。結晶は、自体公知の結晶化法を適用して、結晶化することによって製造することができる。
本発明化合物は、溶媒和物(例えば、水和物等)であっても、無溶媒和物であってもよく、いずれも本発明化合物に包含される。
本発明化合物は、同位元素(例、H,14C,35S,125I等)等で標識されていてもよい。
本発明化合物は、がん細胞に対して選択的な増殖抑制作用を有し、哺乳動物(例、ヒト、サル、ネコ、ブタ、ウマ、ウシ、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ウサギ等)、好ましくはヒトに対するがんの予防及び/又は治療薬として有用である。ここで、「選択的」とは、がん細胞に対しては増殖抑制作用を示すのに正常細胞には示さないか、あるいは示しても有意にその程度が低いことを意味する。対象となるがんとしては、膀胱がん、前立腺がん、腎臓がん、肺がん、大腸がん、胃がん、膵臓がん、乳がん、肝臓がん、胆管がん、白血病、悪性中皮腫等が挙げられるが、好ましくは前立腺がん、膀胱がん、腎臓がん、肺がん及び悪性中皮腫であり、特に好ましくは、膀胱がん、腎臓がん、肺がん及び悪性中皮腫である。
がん細胞の増殖抑制作用は、当分野で通常実施されている方法に準じて、あるいは当該方法を必要に応じて改変することによってインビトロ及び/又はインビボにおいて測定することができる。例えば、後述の実施例に記載の方法によって測定することができる。
本発明化合物を有効成分として含有する抗がん剤中における本発明化合物の含有量は製剤全体に対して通常、約0.01〜約99.9重量%、好ましくは約0.1〜約50重量%である。
本発明化合物の投与量は、年令、体重、一般的健康状態、性別、食事、投与時間、投与方法、排泄速度、薬物の組み合わせ、患者のその時に治療を行なっている病状の程度に応じ、それらあるいはその他の要因を考慮して決められる。
投与量は対象疾患、症状、投与対象、投与方法等によって異なるが、例えば、本発明化合物を、1日量約0.01〜10mg/Kg(体重)程度、好ましくは約0.5〜5mg/Kg(体重)程度、更に好ましくは約0.1〜1mg/Kg(体重)程度を1回又は2ないし3回に分けて投与するのが好ましい。
本発明化合物は、対象となる疾患に応じて、他の薬剤と組み合せて用いることができる。これらの併用薬剤は低分子化合物であっても良く、また高分子の蛋白、ポリペプチド、抗体あるいはワクチンなどでも良い。この場合、本発明化合物と併用薬剤の投与時期は限定されず、投与時に本発明化合物と併用薬剤とが組み合わされていればよい。例えば、シスプラチン、ゲムシタビン、カルボプラチン、タキソール、タキソテール、メトトレキセート、ビンブラスチン、アドリアマイシン等、本発明化合物とは異なる作用機序によって抗がん作用を示す他の抗がん剤と併用が可能である。
本発明化合物は、薬学的に許容される担体と配合し、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等の固形製剤;シロップ剤、注射剤等の液状製剤;貼付剤、軟膏剤、硬膏剤等の経皮吸収剤;吸入剤;坐剤として、適宜製剤化することができる。
本発明化合物を含有する医薬は、経口又は非経口投与され、上記した化合物を1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用して用いてもよい。
薬学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用されている各種有機あるいは無機担体物質を用いることができる。具体的には、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等を配合することができる。又、必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の製剤添加物を用いることもできる。
賦形剤の例としては、乳糖、白糖、ブドウ糖、でんぷん、蔗糖、微結晶セルロース、カンゾウ末、マンニトール、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム等が挙げられる。
滑沢剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、精製タルク、コロイドシリカ等が挙げられる。
結合剤の例としては、結晶セルロース、白糖、マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
崩壊剤の例としては、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム等が挙げられる。
溶剤の好適な例としては、例えば注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油等が挙げられる。
溶解補助剤の好適な例としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
懸濁化剤の例としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
等張化剤の好適な例として、例えば塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール等が挙げられる。
緩衝剤の好適な例として、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩及びクエン酸塩等の緩衝液等が挙げられる。
無痛化剤の好適な例として、例えばベンジルアルコール等が挙げられる。
防腐剤の好適な例として、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸等が挙げられる。
抗酸化剤の好適な例として、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸等が挙げられる。
着色剤の好適な例として、例えばタール色素、カラメル、三二酸化鉄、酸化チタン、リボフラビン類等が挙げられる。
甘味剤の好適な例として、ブドウ糖、果糖、転化糖、ソルビトール、キシリトール、グリセリン、単シロップ等が挙げられる。
以下に製造例及び試験例を用いて本発明を詳述するが、本発明は以下の例に何ら限定されるものではない。また、使用する試薬及び材料は特に限定されない限り商業的に入手可能である。
製造例 ナフトピジルの代謝産物及びその誘導体の合成
製造例1:ナフトピジルの合成
2−((1−ナフチルオキシ)メチル)オキシラン(100 mg, 0.50 mmmol)のエタノール(1 mL)溶液に4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン(95 mL, 0.60 mmol)を室温で添加した。反応混合物を減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、ナフトピジル(199 mg, 100%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.72-2.76 (m, 4H), 2.92-2.95 (m, 2H), 3.09-3.18 (m, 4H), 3.87 (s, 3H), 4.16 (dd, J = 9.6 and 5.0 Hz, 1H), 4.24 (dd, J = 9.6 and 5.0 Hz, 1H), 4.28-4.34 (m, 1H), 6.84 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.91-6.98 (m, 2H), 7.00-7.04 (m, 1H), 7.39 (t, J = 8.2 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.47-7.51 (m, 2H), 7.79-7.81 (m, 1H), 8.26-8.29 (m, 1H); ESI-HRMS (positive ion, sodium formate) calcd. for C24H29N2O3([M+H+]):393.2173; Found 393.2148.
製造例2:2−(4−(2−ヒドロキシ−3−(ナフタレン−1−イルオキシ)プロピル)ピペラジン−1−イル)フェノール(化合物1)
2−((1−ナフチルオキシ)メチル)オキシラン(100 mg, 0.50 mmmol)のエタノール(1 mL)溶液に4−(2−ヒドロキシフェニル)ピペラジン(95 mL, 0.60 mmol)を室温で添加した。反応混合物を減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、化合物1(82 mg, 43%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.65-2.82 (m, 4H), 2.82-3.10 (m, 6H), 4.18 (dd, J = 9.2 and 4.6 Hz, 1H), 4.25 (dd, J = 9.2 and 5.0 Hz, 1H), 4.27-4.35 (m, 1H), 6.85 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.87 (dd, J = 7.8 and 1.3 Hz, 1H), 6.96 (dd, J = 7.8 and 1.4 Hz, 1H), 7.09 (td, J = 7.8 and 1.4 Hz), 7.19 (dd, J = 7.8 and 1.4 Hz, 1H), 7.38 (t, J = 8.2 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.47-7.51 (m, 2H), 7.79-7.81 (m, 1H), 8.26-8.29 (m, 1H).
製造例3:4−{4−[2−ヒドロキシ−3−(ナフタレン−1−イルオキシ)−プロピル]−ピペラジン−1−イル}−3−メトキシ−フェノール(化合物2)
2−(ナフタレン−1−イルオキシメチル)−オキシラン(105 mg, 0.52 mmol)および4−(4−ヒドロキシ−2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン臭化水素酸塩(152 mg, 0.52 mmol)のエタノール(1 mL)溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(81μL, 0.63 mmol)を加えた。70℃で3時間撹拌し、室温まで冷却した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物2(51 mg, 25%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.70-2.79 (m, 4H), 2.91-2.94 (dd, J = 10.5 and 5.0 Hz, 2H), 3.04(br s, 4H), 3.79 (s, 3H), 4.16 (dd, J = 9.6 and 5.0 Hz), 4.23 (dd, J = 9.6 and 5.0 Hz, 1H), 4.28-4.34 (m, 1H), 6.35 (dd, J = 8.2 and 2.7 Hz), 6.41 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 6.80 (d, J = 8.2 Hz), 6.83 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.37 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 8.6 Hz, 1H) 7.46-7.52 (m, 2H), 7.78-7.82 (m, 1H), 8.24-8.28 (m, 1H); ESI-HRMS(positive ion, sodium formate) : calcd for C24H28N2O4H+([M+H]+) 409.2121; found 409.2142.
製造例4:4−(4−(2−ヒドロキシ−3−(ナフタレン−1−イルオキシ)プロピル)ピペラジン−1−イル)ベンゼン−1,3−ジオール(化合物3)
2−(ナフタレン−1−イルオキシメチル)−オキシラン(105 mg, 0.52 mmol)のエタノール(1 mL)溶液に、1−(2,4−ビス(メトキシメトキシ)フェニル)ピペラジン(148 mg, 0.52 mmol)を加えた。70℃で10時間撹拌し、室温まで冷却した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、1−(4−(2,4−ビス(メトキシメトキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)−3−(ナフタレン−1−イルオキシ)プロパン−2−オール(90 mg, 36%)を得た。
1−(4−(2,4−ビス(メトキシメトキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)−3−(ナフタレン−1−イルオキシ)プロパン−2−オール(90 mg, 0.19 mmol)のジオキサン(1 mL)溶液に、4N塩酸のジオキサン溶液(1 mL)を加えた。室温で12時間撹拌した後、反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。水相を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物3(8.0 mg, 10%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.60-2.82 (m, 4H), 2.82-2.94 (m, 6H), 4.16 (dd, J = 9.2 and 5.0 Hz), 4.23 (dd, J = 9.2 and 5.0 Hz, 1H), 4.28-4.34 (m, 1H), 6.35 (dd, J = 8.2 and 2.7 Hz), 6.47 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 6.84 (d, J = 8.2 Hz), 7.05 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.37 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 8.6 Hz, 1H) 7.46-7.52 (m, 2H), 7.78-7.82 (m, 1H), 8.24-8.28 (m, 1H).
製造例5:4−(2−ヒドロキシ−3−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)プロポキシ)ナフタレン−1−オール(化合物4)
2−((4−ベンジルオキシ)ナフタレン−1−イルオキシメチル)−オキシラン(100 mg, 0.34 mmol)のエタノール(1 mL)溶液に、4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン(73 μL, 0.41 mmol)を室温で添加した。70℃で3時間撹拌後、反応混合物を減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、1−((4−(ベンジルオキシ)ナフタレン−1−イル)オキシ)−3−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)プロパン−2−オール(110 mg, 64%)を得た。
1−((4−(ベンジルオキシ)ナフタレン−1−イル)オキシ)−3−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)プロパン−2−オールのクロロホルム(2 mL)およびメタノール(3 mL)溶液に、10%パラジウム炭素(44 mg)を加え、水素気流下、室温で12時間激しく攪拌した後、さらに、10%パラジウム炭素(22 mg)を加え、水素気流下、室温で6時間激しく攪拌した。セライトろ過後、得られた固体をメタノールで洗浄し、化合物4(23 mg, 28%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.06-3.19 (m, 2H), 3.30-3.65 (m, 6H), 3.66-3.73 (m, 2H), 3.81 (s, 3H), 4.01 (dd, J = 9.6 and 5.0 Hz), 4.09 (dd, J = 9.6 and 4.6 Hz, 1H), 4.53-4.60 (m, 1H), 6.77 (d, J = 8.2 Hz), 6.82 (d, J = 8.2 Hz), 6.90-7.06 (m, 4H), 7.47-7.52 (m, 2H), 8.06-8.10 (m, 1H), 8.22-8.28 (m, 1H). ESI-HRMS (positive ion, sodium formate):calcd for C24H29N2O4 +([M+H]+) 409.2122; found 409.2163.
製造例6:4−(2−ヒドロキシ−3−(4−(2−ヒドロキシフェニル)ピペラジン−1−イル)プロポキシ)ナフタレン−1−オール(化合物5)
2−((4−ベンジルオキシ)ナフタレン−1−イルオキシメチル)−オキシラン(184 mg, 0.60 mmol)のジメチルホルムアミド(10 mL)溶液に、4−(2−ヒドロキシフェニル)ピペラジン(118 mg, 0.66 mmol)を50〜60℃で3日間撹拌後、反応混合物を酢酸エチル−水混合液に注ぎ、有機層を分液によって得た。得られた有機層を水で十分に洗浄後、飽和NaCl水で洗浄し、MgSOを加え乾燥させた。ろ過によって、不溶物を除去後、ろ液を減圧濃縮した。得られたシラップ状1−((4−(ベンジルオキシ)ナフタレン−1−イル)オキシ)−3−(4−(2−ヒドロキシフェニル)ピペラジン−1−イル)プロパン−2−オール(164 mg, 56%)を得た。この化合物はこれ以上の精製を行わずに、次のステップに用いた。
1−((4−(ベンジルオキシ)ナフタレン−1−イル)オキシ)−3−(4−(2−ヒドロキシフェニル)ピペラジン−1−イル)プロパン−2−オール(164 mg, 0.44 mmol)のメタノール(10 mL)溶液に、10%パラジウム炭素(35 mg)を加え、水素気流下、室温で3時間激しく攪拌した。セライトろ過後、得られた固体をイソプロピルエーテルで十分に洗浄し、化合物5(93 mg, 70%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.0-3.8(m, 10H), 4.01 (m, 2H), 4.48 (m, 1H), 4.53-4.60 (m, 1H), 6.0 (br.s, 1H), 6.7-6.95 (m, 6H), 7.45 (m, 2H), 8.04 (m, 1H), 8.17 (m, 1H). 9.29 (s, 1H), 9.67(s, 1H), 1.08 (br.s, 1H); ESI-HRMS (positive ion, sodium formate):calcd for C24H29N2O4 +([M+H]+) 393.1820; found 393.1819.
製造例7: 4−{4−[2−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシナフタレン−1−イルオキシ)−プロピル]−ピペラジン−1−イル}−3−メトキシ-フェノール(化合物6)
2−((4−ベンジルオキシ)ナフタレン−1−イルオキシメチル)−オキシラン(105 mg, 0.34 mmol)および4−(4−ヒドロキシ−2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン臭化水素酸塩(99 mg, 0.34 mmol)のエタノール(1 mL)溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(74μL, 0.41 mmol)を加えた。70℃で1時間撹拌後、反応混合物を減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、4−{4−[3−(4−ベンジルオキシナフタレン−1−イルオキシ)−2−ヒドロキシ−プロピル]−ピペラジン−1−イル}−3−メトキシ−フェノール(150 mg, 86%)を得た。
4−{4−[3−(4−ベンジルオキシキシナフタレン−1−イルオキシ)−2−ヒドロキシ−プロピル]−ピペラジン−1−イル}−3−メトキシ−フェノール(150 mg, 0.29 mmol)のメタノール(1 mL)溶液に、10%パラジウム炭素(44 mg)を加え、水素気流下、室温で12時間激しく攪拌した後、さらに、10%パラジウム炭素(75 mg)を加え、水素気流下、室温で6時間激しく攪拌した。セライトろ過後、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、化合物6(70 mg, 57%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.05-3.25 (m, 2H), 3.26-3.65 (m, 6H), 3.66-3.73 (m, 2H), 3.76 (s, 3H), 4.01 (dd, J = 10.0 and 5.0 Hz), 4.09 (dd, J = 10.0 and 5.0 Hz, 1H), 4.51-4.60 (m, 1H), 6.33 (dd, J = 8.3 and 2.7 Hz, 1H), 6.46 (dd, J = 2.7 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.80 (d, J = 8.2 Hz, Hz, 1H), 6.86 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.45-7.53 (m, 2H), 8.05-8.15 (m, 1H), 8.19-8.26 (m, 1H), 8.33 (s, 1H), 10.3-10.7 (br. s, 1H); ESI-HRMS (positive ion, sodium formate) : calcd for C24H29N2O5 +([M+H]+) 425.2076; found 425.1961.
製造例8:4−(4−(2−ヒドロキシ−3−((4−ヒドロキシナフタレン−1−イル)オキシ)プロピル)ピペラジン−1−イル)ベンゼン−1,3−ジオール(化合物7)
2−((4−ベンジルオキシ)ナフタレン−1−イルオキシメチル)−オキシラン(100 mg, 0.33 mmol)のエタノール(1 mL)溶液に、1−(2,4−ビス(メトキシメトキシ)フェニル)ピペラジン(92 mg, 0.33 mmol)を加えた。60℃で3時間撹拌後、反応混合物を減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、3−((4−ベンジルオキシ)ナフタレン−1−イルオキシ)−1−(4−(2,4−ビス(メトキシメトキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)−プロパン−2−オール(101 mg, 51%)を得た。
3−((4−ベンジルオキシ)ナフタレン−1−イルオキシ)−1−(4−(2,4−ビス(メトキシメトキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)−プロパン−2−オール(100 mg, 0.17 mmol)のジオキサン(1 mL)溶液に、4N塩酸のジオキサン溶液(1 mL)を加えた。室温で1時間撹拌した後、反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。水相を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し減圧濃縮した後、得られた4−(4−(2−ヒドロキシ−3−((4−ヒドロキシナフタレン−1−イル)オキシ)プロピル)ピペラジン−1−イル)ベンゼン−1,3−ジオールの粗生成物を精製することなく、次の段階に用いた。
4−(4−(2−ヒドロキシ−3−((4−ヒドロキシナフタレン−1−イル)オキシ)プロピル)ピペラジン−1−イル)ベンゼン−1,3−ジオールをメタノール(1 mL)に溶解した後、10%パラジウム炭素(44 mg)を加え、水素雰囲気下、室温で12時間激しく攪拌した後、さらに、10%パラジウム炭素(75 mg)を加え、水素雰囲気下、室温で12時間激しく攪拌した。セライトろ過後、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、化合物7(45 mg, 55%)を得た。
1H-NMR (600 MHz, CD3OD) δ 3.00-3.89 (m, 10H), 4.12 (dd, J = 8.4 and 4.8 Hz), 4.18 (dd, J = 8.4 and 3.6 Hz, 1H), 4.51-4.62 (m, 1H), 6.33 (d, J = 8.3 and 2.7 Hz, 1H), 6.28 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.35 (s, 1H), 6.72 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 6.78 (d, J = 6.6 Hz, Hz, 1H), 6.94 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.45-7.53 (m, 2H), 8.12-8.18 (m, 1H), 8.19-8.26 (m, 1H).
製造例9:1−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]−3−(ナフタレン−1−イルオキシ)プロパン−2−オール(化合物8)
ナフトピジル(100 mg, 0.26 mmol)およびmCPBA(44 mg, 0.26 mmol)のジクロロメタン(1 mL)溶液を室温で終夜撹拌後、反応混合物をクロロホルムと飽和NaHCO水溶液に加え、抽出した。抽出した有機層を水、飽和NaCl水で洗浄し、MgSOを加え乾燥させた。ろ過によって、不溶物を除去後、ろ液を減圧濃縮した。得られた結晶様粉末をイソプロピルエーテルで十分に洗浄し、化合物8(38.3 mg, 36.8%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.0-3.8 (m, H), 3.88 (s, 3H), 4.07 (t, J = 8.2 Hz, 1H), 4.37 (m, 1H), 4.91 (m, 1H), 6.84 (d, J = 7.3 Hz, 1H) , 6.90 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.9-7.0 (m, 2H), 7.0-7.15 (m, 2H), 7.3-7.6 (m, 4H), 7.80 (d, J = 7.3 Hz, 1H) , 8.13 (d, J = 7.3 Hz, 1H); ESI-HRMS (positive ion, sodium formate) : calcd for C24H29N2O5 +([M+H]+) 409.2122; found 409.2148.
試験例1:がん細胞増殖に及ぼす影響
ヒト膀胱がん細胞であるKK47細胞(九州大学、内藤誠二教授より供与された)を用いて各試験化合物の細胞増殖抑制作用を調べた。
試験化合物は製造例で合成した9化合物(試験化合物)を用いた。
細胞増殖抑制作用は以下の細胞活性測定法により評価した。
[細胞活性測定法]
(1)96ウェルプレートに各種細胞を播種する。
(2)播種12時間から24時間後、培地を取り除き、段階希釈した各試験化合物を含む培地に交換する。
(3)培地交換24時間もしくは48時間後に、培地を取り除き、MTT(Thiazolyl Blue Tetrazolium Bromide)を含む培地に交換する。
(4)培地交換3時間後、反応停止液を入れ、570nmの吸光度から650nmの吸光度を引いた値を細胞活性とした。コントロール群(試験化合物を添加していない群)の細胞活性を100として、細胞活性が50になるときの薬剤の濃度をIC50とした。
(5)IC50=10^(LOG(A/B)*(50-C)/(D-C)+LOG(B))
A:細胞活性50に最も近い濃度の高い方
B:細胞活性50に最も近い濃度の低い方
C:Bの濃度での阻害率
D:Aの濃度での阻害率
結果を表1に示す。
ナフトピジル代謝産物に優れたがん細胞増殖抑制作用が確認され、特に化合物2はナフトピジルより高いがん細胞増殖抑制作用を示した。
試験例2 細胞増殖に及ぼす影響
試験例1でより高いがん細胞増殖抑制作用が確認された化合物2を用いてその細胞増殖に及ぼす影響をナフトピジルと比較した。
がん細胞としては、KK47細胞(九州大学、内藤誠二教授より供与された)、T24細胞(ATCC)及び5637細胞(ATCC)を用いた。いずれも膀胱がん細胞株である。正常細胞として、CHO細胞(卵巣細胞;徳島大学、蛯名洋介教授より供与された)、Met5A細胞(中皮細胞;ATCC)及びHEK293細胞(胎児腎細胞;ATCC)を用いた。
各細胞を用いて試験例1と同様にして、ナフトピジル及び化合物2の細胞増殖抑制作用を調べた。
結果を表2に示す。
表2から、化合物2の方が、がん細胞に対する選択毒性が高いことがわかった。
試験例3 膀胱がんXenograftモデルを用いた抗腫瘍作用の評価
膀胱がんXenograftモデルの作製は下記に従った。
(1)日本クレアより購入したヌードマウス(BALB/cAJcl−nu/nu)を一週間馴化させる。
(2)マウス1匹に対して10個のKK47細胞を準備する。
(3)セボフルラン(マイラン製薬)により吸入にて麻酔を行い、KK47細胞を21ゲージの注射針を付けた1mLシリンジにより皮下に注射する。
(4)1週間ほど飼育する。
(5)腫瘍が形成されたマウスに対して、試験化合物での治療を行う。
試験化合物としては、ナフトピジル、化合物2、シスプラチンを用いた。
(6)経時的に形成された腫瘍の体積を測定する。
腫瘍体積は(長径)×(短径)×0.5の式を用いて計算した。
結果を図2に示す。
尚、シスプラチン処置群は、体重の著しい減少が確認されたため評価を中止し安楽死させた。
試験例4 各種細胞の細胞増殖に及ぼす各種化合物の影響
製造例1〜8で合成した8化合物(ナフトピジル、化合物1〜7)を用いて、これらの化合物が各種細胞の増殖に及ぼす影響について調べた。
細胞は以下を用いた。
がん細胞
PC3(前立腺がん由来;ATCCより入手)
DU145(前立腺がん由来;ATCCより入手)
KK47細胞(膀胱がん由来;九州大学、内藤誠二教授より供与された)
T24細胞(膀胱がん由来;ATCCより入手)
786O細胞(腎臓がん由来;ATCCより入手)
SBC3(小細胞がん由来;ATCCより入手)
NCI−H2052(中皮腫由来;ATCCより入手)
NCI−H2452(中皮腫由来;ATCCより入手)
正常細胞
HEK293細胞(胎児腎細胞;ATCCより入手)
HRPTEC細胞(ヒト近位尿細管細胞;KURABOより入手)
PNT1A細胞(ヒト前立腺上皮細胞;ECACCより入手)
各細胞を用いて試験例1と同様にして、ナフトピジル及び化合物1〜7の細胞増殖抑制作用を調べた。
結果を表3に示す。
これらの結果より、本発明化合物ががん細胞に対し強い細胞増殖抑制作用を示す一方で、正常細胞の細胞増殖に対する影響は弱いことがわかる。特に化合物2はいずれの正常細胞に対してもIC50が50μM以上であり、正常細胞に対する毒性が極めて低く、かつ各種がん細胞に強い細胞増殖抑制作用を発揮することが確認された。
試験例5 溶解性の評価
公知の手法に基づいて、本発明化合物の溶解性を測定した。簡便には、一定量のサンプルを秤量し、水に溶解して不溶物を沈降させた後、上清中の化合物濃度を測定した。測定にはUVモニターを用い、予め作成しておいた検量線から濃度を算出した。
結果、本発明化合物は優れた水溶性を示した。
本発明化合物はがん細胞への高い毒性と、正常細胞への低い毒性を併せ持つので、抗がん剤、特に前立腺がん、膀胱がん、腎臓がん、肺がん及び悪性中皮腫に対する抗がん剤として有用である。

Claims (3)

  1. ナフトピジルの代謝産物又はそれらの医薬上許容され得る塩を有効成分として含有する抗がん剤であって、
    該ナフトピジルの代謝産物が、下記式:

    (式中、Meはメチル基を表す)
    で表される化合物である、抗がん剤
  2. がんが、前立腺がん、膀胱がん、腎臓がん、肺がん、大腸がん、胃がん、膵臓がん、乳がん、肝臓がん、胆管がん、白血病及び悪性中皮腫からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の抗がん剤。
  3. がんが前立腺がん、膀胱がん、腎臓がん、肺がん及び悪性中皮腫からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の抗がん剤。
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