JP6590600B2 - 汚染土壌浄化方法 - Google Patents

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本発明は、有害物質で汚染された地下領域の土壌を浄化する汚染土壌浄化方法に関する。
シアン化合物は、炭素と窒素からなる無機物質であり、土壌汚染対策法(以下、土対法という)においては重金属類として第二種特定有害物質に分類されている。シアン化合物には、シアン化物と金属シアノ錯体と称される化合物群がある。シアン化物は、「遊離シアン」とも呼ばれているもので、一般式An(CN)xで表され、Aには水素(H)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、アンモニウム(NH4)、カルシウム(Ca)などがあり、シアン化合物の中で最も毒性の高い形態である。又、金属シアノ錯体は、シアン化水素の金属塩と金属とが過剰のシアン化物イオン(CN-)と化合したもので、一般式An[M(CN)x]で表される。ここで、Mには銀(Ag)、金(Au)、カドミウム(Cd)、コバルト(Co)、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)などの金属が該当し、溶液中に溶存、あるいは懸濁状で存在している。
シアン化合物は、産業排水等に含まれていることがあり、浄化処理で取り除かれるべき性質の物質である。シアン化合物を排出する工場としては、メッキ工場、選鉱精錬所、鉄鋼熱処理工場、コークス製造工場等がある。これら工場では、シアン化合物を銅、亜鉛、ニッケル、金等の建浴過程や、製品製造過程でシアン化合物が副生されるため、工場内にシアン排水処理設備を設置している。「平成20年度土壌汚染対策法の施行状況および土壌汚染調査・対策事例等に関する調査結果:平成22年2月:環境省」(以下、「土対法事例結果」という)によれば、シアン化合物による土壌環境基準超過の業種区分は、金属製品製造業、ガス業、化学工業の順となっている。日本では、中小規模のメッキ工場が多く、全国で約2,000社以上存在する。その多くは戦後の高度経済成長期に都市部周辺に建設されており、操業時のシアン化合物の漏出や設備の経年劣化によるメッキ浴槽や配管からの漏えいにより、潜在的に調査結果以上の工場敷地内で土壌がシアン化合物によって汚染されていることが予想される。
溶液(排水)中でのシアン化合物の存在形態に関しては、排水処理分野で多くの研究が行なわれており、その形態は大部分が遊離シアンと金属シアノ錯体であることが報告されている。これらのシアン化合物を含有する排水の処理方法としては、アルカリ塩素法、オゾン酸化法、電解酸化法、紺青法(難溶性錯化合物沈殿法)、酸分解燃焼法、煮詰法(煮詰高温燃焼法)、湿式加熱分解法、および、吸着法などが知られている。しかし、これらの処理方法においては、安定性の高い金属シアノ錯体、たとえば鉄、コバルト、銀、金のシアノ錯体については適用されなかったり、反応条件が過酷で大規模な設備が必要であったり、生成物の処理がさらに必要であったりするという問題点があった。そこで、生物機能を利用して環境を修復する技術、所謂、バイオレメディエーション(bioremediation)が注目されており、シアン化合物分解能を有する微生物の検索が行なわれている。
現在、シアン化カリウム、シアン化ナトリウムなどの遊離シアンの微生物分解に関しては、遊離シアンの分解菌としてPseudomonas putida、Pseudomonas sp.、Acinetobacter sp.、Fusarium sp.、Klebsiella sp.などの微生物が単離、同定されたという報告がある。
そして、金属シアノ錯体に関しては、ニッケル−シアノ錯体([K2Ni(CN)4])の分解微生物として、Fusarium solani、Trichoderum polysporum が報告されている。又、鉄シアノ錯体であるフェロシアン化カリウム([K4Fe(CN)6])の分解菌としては、Fusarium oxysporum、Scytalidium thermophilum、Penicillium miczynskiが報告されている(いずれも非特許文献1)。また、本願出願人においても、鉄シアノ錯体を分解する種々の微生物を単離、同定している(たとえば特許文献1、2等、本願出願人以外の同定例として特許文献3等)。
しかし、鉄シアノ錯体を分解する場合に、上記微生物は、いずれも好気性条件下で働くものであるため、その微生物の施用形態が限られ、ほとんど酸素供給のない土壌中で鉄シアノ錯体を分解することができないなど、実際に用いるうえで、技術的に種々の問題を抱えているため、実用化には至っていない。なお、特許文献3に記載されている微生物は、嫌気条件下で鉄シアノ錯体を分解する可能性のあるものであるが、分解菌のKlebsiella pnenumoniae はBSL2の病原菌であり、原位置処理法のオーグメンテーション法による嫌気性のシアノ錯体化合物の処理には適さず、やはり、技術的に種々の問題を抱えているため、実用化には至っていない。
また、上述のような事情を鑑みれば、鉄シアノ錯体に代表されるシアン化合物の浄化は土壌中、特に帯水層まで達した汚染土壌に対して適用されることが望まれる。
汚染土壌の処理の実態としては、土地所有者の心理的要因や、不動産取引における経済的側面を考慮して、完全浄化を目的とした掘削除去を選択することが多い。特に重金属類は、鉛やカドミウム等のようにそれ以上の分解は不可能であり、掘削除去による対策費用は5万円/m3以上の高コストであるにも関わらず、第二種特定有害物質の超過事例の83%で掘削除去が採用されている(「土対法事例結果」による)。掘削除去の比率が、83%と非常に高いのは、原位置浄化技術が確立されていないことも大きな理由である。特に、シアン化合物については、原位置浄化技術が適用できる範囲が限られている。不溶化処理は、長期的なモニタリングを必要とし、開発の際には土地造成が制限される。薬剤添加処理(フェントン法)やオゾン注入処理は、安定なフェロシアン(鉄とシアンの錯体)には適用できないなど、一部のシアン化合物に限られる。掘削除去の場合は、別途掘削土壌の無害化処理が必要であり、セメント原料化を代表とする熱処理や、化学処理である不溶化処理、薬剤添加処理、オゾン分解処理、物理処理である分級洗浄処理がある。前述のように、シアン化合物は分解が容易でなく、熱処理が採用されることが多い。また、その熱処理についても、セメント原料化の場合での受入基準は厳しいものとなっており、専用の熱処理施設に処理を委ねるしか手段がない。したがって、シアン化合物の処理費は、通常の重金属処理費に比べても高価なものになっており、より低コストな処理方法として原位置浄化工法の適用が求められている。
特開2000−270847号公報 特開2003−275791号公報 特開2006−281053号公報
Knowles C.J. et. al,Enzyme and MicrobialTechnology 22:223−231,(1998)
現状のシアン汚染土壌のバイオレメディエーションは、栄養剤、溶存酸素水及び空気を土壌中に注入して微生物活性を促すバイオスティムレーションが行なわれている。しかし、この方法の適用には条件があり、汚染サイトが比較的シアン分解の容易な遊離シアンや銅シアノ錯体の汚染土壌であって、なおかつ、適した地層条件(透水性が良く、注入物質の移動が容易に行なわれる帯水層)といった条件を満たす場合において浄化を確認した実証研究がおこなわれている。
一方、汚染土壌にシアン分解能の高いシアン分解微生物を注入して、シアン化合物を分解させて、その汚染土壌を浄化するバイオオーグメンテーションも検討されているが、やはり、地層条件によっては、汚染物質を含有する地下領域の土壌まで微生物を行きわたらせることが困難であるため、有効な汚染土壌浄化方法といえるまでには確立していない。また、地下領域に導入された微生物は、生育環境が大きく変化してしまうことから、所期のシアン分解能力が十分に発揮されるとは限らず、地下領域で大きく活性が低下し、汚染土壌の浄化が行えない場合があることも報告されている。
そこで、本発明の目的は、上記実情に鑑み、シアン化合物を含む汚染土壌を、地層条件によらず効率よく分解浄化することができる汚染土壌浄化方法を提供することにある。
〔構成1〕
上記目的を達成するための本発明の汚染土壌浄化方法は、
有害物質で汚染された地下領域の土壌を浄化する汚染土壌浄化方法であって、
前記地下領域を撹拌・混練して、前記地下領域の土壌に含まれるシアン化合物を地下水に移行させる移行工程と、
前記移行工程後の前記地下領域から前記地下水を揚水する揚水工程と、
前記揚水工程で揚水された前記地下水にシアン分解性微生物を添加して、タンク内で培養するシアン分解工程とを行い、
前記シアン分解性微生物が、受託番号: NITE P-01828、NITE P-01829、NITE P-01856として寄託されている微生物から選ばれる少なくとも一種の微生物を含有するものである点にある。
〔作用効果1〕
すなわち、移行工程を行って、有害物質で汚染された地下領域を撹拌・混練し、不溶性シアン化合物を地下水に移行させるから、不溶状態のシアン化合物によって汚染されている土壌であっても、地下領域に含有するシアン化合物を混練することによって地下水との接触を図ることで溶解して、そのシアン化合物を一旦地下水中に移行させることができる。
地下水中に移行されたシアン化合物は、揚水工程により地上において取り扱うことのできる地下水として回収することができる。
そこで、揚水工程で得られた地下水によりシアン分解性微生物をタンク内でタンク培養するシアン分解工程をおこなえば、地下水に含まれるシアン化合物は、シアン分解性微生物により資化され、無害化される。
ここでシアン化合物としては、遊離シアン、無機シアン、有機シアン、金属シアノ錯体等が挙げられる。金属シアノ錯体としては、比較的水溶性の高い銅シアノ錯体や、難溶性の鉄シアノ錯体等が挙げられる。
その結果、地下領域にあった難分解性シアン化合物がタンク培養により分解浄化されることになる。したがって、地層条件によらず、シアン化合物を原位置にて効率よく分解浄化できる。
また、受託番号:NITE P-01828、NITE P-01829、NITE P-01856として寄託されている微生物は、難分解性の鉄シアノ錯体を分解する能力を有するものである。そのため、これら微生物から選ばれる少なくとも一種の微生物を含有する環境で、揚水工程で得られた地下水に含まれるシアン化合物を分解すると、地下領域に難分解性の鉄シアノ錯体が含まれていたとしても浄化することができるようになる。すなわち、従来浄化困難であると考えられていた土壌に対しても浄化能力を発揮させることができ、幅広く利用することができるものとなる。
〔構成2〕
また、前記移行工程が、前記地下領域を撹拌・混練する撹拌・混練ステップと、不溶性シアン化合物を溶解する可溶化剤を地下領域に供給する可溶化剤添加ステップとを含んでもよい。
〔作用効果2〕
移行工程として撹拌・混練ステップと可溶化剤添加ステップを行うと、シアン化合物が地下水に対して難溶性であっても、可溶化剤によってそのシアン化合物を効率よく地下水中に移行させられる。そのため、地下水中に移行されたシアン化合物は、揚水工程、シアン分解工程により、効率よく無害化される。
なお、撹拌・混練ステップと可溶化剤添加ステップとはいずれの順で行ってもよい。地下領域の土壌に可溶化剤が効率的に接触される形態となることが好ましいのであるが、可溶化剤と撹拌・混練される土壌とが同時に存在すれば、いずれの順序でも最終的に可溶化剤が土壌中のシアン化合物と好適に接触する状態が得られるためであり、地下領域の形態に応じて適宜調整することができる。
したがって、地下領域にシアン化合物を分解可能な微生物がほとんど存在しなくても、タンク培養されるシアン分解性微生物が地下領域にあったシアン化合物を分解浄化するので、簡便かつ確実に汚染土壌を浄化することができるようになった。
汚染土壌浄化方法の工程図 地下水中の全微生物数の変化を示すグラフ 地下水中のシアン分解性微生物数の変化を示すグラフ 地下水中のシアン化合物濃度の変化を示すグラフ
以下に、本発明の実施形態にかかる汚染土壌浄化方法を説明する。尚、以下に好適な実施例を記すが、これら実施例はそれぞれ、本発明をより具体的に例示するために記載されたものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能であり、本発明は、以下の記載に限定されるものではない。
本発明の実施形態にかかる汚染土壌浄化方法は、
有害物質で汚染された地下領域の土壌を浄化する汚染土壌浄化方法であって、
前記地下領域を撹拌・混練する撹拌・混練ステップと、シアン化合物を溶解する可溶化剤を地下領域に供給する可溶化剤添加ステップとを含み、前記地下領域に含まれるシアン化合物を地下水に移行させる移行工程と、
前記移行工程後の前記地下領域から地下水を揚水する揚水工程と、
前記揚水工程で揚水された地下水にシアン分解性微生物を添加してタンク内でタンク培養するシアン分解工程とを行うものである。
上記撹拌・混練ステップは、地盤混練機により行う。地盤混練機は、地下領域の土壌を撹拌・混練する撹拌羽を軸心回りに回転させつつ地盤を掘削するものであり、その撹拌羽の近傍には可溶化剤等の添加剤を撹拌・混練される土壌中に吐出するノズルを備える。これにより、地盤混練機にて有害物質で汚染された地下領域を撹拌・混練する際に、ノズルから不溶性シアン化合物を溶解する可溶化剤を吐出することにより、撹拌・混練ステップと可溶化剤添加ステップとを同時に行う移行工程を実施できるように構成されている。
ここで用いられる可溶化剤としては、新日鉄住金エンジニアリング株式会社製NSバイオアクティーCN3が好適に用いられる。なお、可溶化剤としては不溶性シアン化合物を溶解するものが好ましいが、土壌中に水に不溶状態で存在するシアン化合物を溶解することができるものであれば、どのようなものであってもシアン化合物の浄化に寄与することが明らかである。
移行工程を行うと、有害物質で汚染された地下領域の土壌に含まれる不溶性シアン化合物は、可溶化剤により可溶化し、土壌中に水に移行するので、地下水の帯水層にまで流下して、地下水とともに揚水可能な状態となる。
移行工程を経た土壌は不溶性シアン化合物が地下水に移行した清浄なものとなるので、地下水を除去することによって浄化することができる。実際には、地下水は帯水層まで削設した揚水井から揚水できる。
揚水井から揚水された地下水は、シアン分解性微生物を添加してあるタンクに導入され、タンク内でシアン分解性微生物の培養に用いられる。これにより、地下水中に移行したシアン化合物はシアン分解性微生物により資化され無害化するので、結果として、地下領域の土壌に含まれるシアン化合物は除去され分解浄化される。
ここで、シアン分解性微生物としては、種々公知の微生物が用いられるが、たとえば、Proteobacteria属、
Betaproteobacteria属、
Burkholderiales属、
Burkholderiacea属、
Burkholderia sp.、
Actinobacteria属、
Actinomycetales属、
Norcardioidaceae属、
Norcardioides属、
Rhodococcus sp.、
Alphaproteobacteria属、
Caulobacterales属、
Caulobacteraceae属、
Brevundimonas sp.、
Bacteroidetes属、
Sphingobacteriia属、
Sphingobacteriales属、
Chitinophagaceae属、
Chitinophaga sp.
のいずれかに属すると考えられる受託番号: NITE P-01828、NITE P-01829、NITE P-01856として寄託されている微生物から選ばれる少なくとも一種の微生物は、難分解性のシアン化合物を好適に分解浄化する能力を有することが、本発明者らにより明らかになっており、揚水された地下水中のシアン化合物を効率よく分解浄化するのに寄与する。
タンク内でシアン分解性微生物の培養に用いた排水は、シアン化合物をほとんど含まないものとなるので、環境基準に適合することを確認した後、河川等に廃棄される。なお、環境基準に適合し難い場合には別途再処理を行うこともできるし、地下領域に戻すことによって、地下領域に生育する微生物により、主にシアン化合物以外の成分を分解浄化処理することも可能となる。また、シアン分解性微生物としては、タンク内で培養可能なものを容易に選定でき、地下領域の土壌中における生育可否を確認したり、地下領域の土壌中における生育条件に馴化させる工程等を省略することができ、確実かつ簡易にシアン分解性微生物を培養することができる。
〔微生物の培養試験〕
シアン汚染土壌を地盤混練機により混練しつつ、可溶化剤を注入した地下領域に、揚水井を設け、揚水井から揚水した地下水を採取した。採取した地下水に栄養剤を添加するとともに、このシアン汚染土壌とは別の土壌等から単離された外来のシアン分解性微生物6種類を培養した。この外来のシアン分解性微生物としては、受託番号: NITE P-01828、NITE P-01829、NITE P-01856として寄託されている微生物と、これら微生物と共通する属に属し、類似した性質を有することが確認された他の3種の微生物を別途増殖して用いた。増殖されたシアン分解性微生物6種を、200L容のタンク内に採取した地下水に添加して培養し、タンク内の全微生物数の変化、シアン分解性微生物数の変化、シアン化合物濃度の変化をそれぞれ調べたところ、図2〜4のようになった。なお、図2〜図4の結果は6種すべての微生物を等量添加し、初期値の菌数としたものであるが、いずれの微生物を単独でタンク内に添加しても同様に増殖することは確認されている。
タンク内の微生物数の変化は、タンク内の地下水に得られたシアン分解性微生物6種を投入したのち栄養剤1にて7日間通常培養を行い、再度シアン分解性微生物6種を投入しさらに6日間栄養剤2にて培養を行い、タンク内の培養液を採取して増殖した菌数(cfu/mL)を求めた。図2では、標準寒天培地上で菌数を求めたものを全微生物数とし、図3では、227寒天培地上で菌数を求めたものをシアン分解性微生物数とした。また、図4では、JIS K 0102による測定法に準拠して測定したシアン濃度を、シアン化合物濃度とした。
なお可溶化剤としては、新日鉄住金エンジニアリング株式会社製NSバイオアクティーCN3を用い、栄養剤1,2としては、新日鉄住金エンジニアリング株式会社製NSバイオアクティーCN1、CN2を用いた。また、得られた6種のシアン分解性微生物のうち3種は受託番号: NITE P-01828、NITE P-01829、NITE P-01856として寄託されている新規微生物であった。
また標準寒天培地は、酵母エキス0.25%、ペプトン0.5%、グルコース0.1%、寒天1.5%よりなる培地であり、大多数の微生物が良好に増殖する。一方、227寒天培地は、酵母エキス0.4%、麦芽エキス1.0%、グルコース0.4%、寒天2.0%よりなる培地で外来のシアン分解性微生物6種類が特異的に増殖する。
図2より、揚水井から揚水した地下水を用いてシアン分解性微生物を培養すると、栄養剤1(破線),2(実線)ともに全微生物の増殖に寄与していることがわかる。
また、図3より、増殖した微生物を調べると、栄養剤1によるとシアン分解性微生物は初期的に増殖するものの経時的には生育数に限界がある(破線)ように見えるが、栄養剤2を用いることで、さらに大量に増殖(約10倍)している(実線)ことがわかる。
また、シアン分解性微生物の培養期間中のタンク内のシアン化合物濃度は13日間ほぼ一定割合で低下し、13日間で30%程度の含有シアン濃度が減少していることが分かった。
すなわち、本発明の汚染土壌浄化方法によると、土壌中のシアン化合物を効率よく分解、浄化できることが明らかになった。
〔別実施形態〕
上記実施形態では、移行工程において撹拌・混練ステップと、可溶化剤添加ステップとを同時に行う形態としたが、撹拌・混練ステップとは別に、可溶化剤添加ステップを地表から地下領域にまで可溶化剤を浸透注入させる構成としてもよいし、別途注入井を設けて地下領域に注入する構成にもできる。また、可溶化剤を用いずともシアン化合物が地下水に移行されるのであれば、移行工程を撹拌・混練ステップのみで実行することもできる。
本発明の汚染土壌浄化方法は、簡便かつ確実に汚染土壌を浄化することができるものであるから、原位置で汚染土壌を浄化するバイオオーグメンテーションとしてシアン化合物に汚染された土壌を浄化するのに用いられる。

Claims (2)

  1. 有害物質で汚染された地下領域の土壌を浄化する汚染土壌浄化方法であって、
    前記地下領域を撹拌・混練して、前記地下領域の土壌に含まれるシアン化合物を地下水に移行させる移行工程と、
    前記移行工程後の前記地下領域から前記地下水を揚水する揚水工程と、
    前記揚水工程で揚水された前記地下水にシアン分解性微生物を添加して、タンク内で培養するシアン分解工程とを行い、
    前記シアン分解性微生物が、受託番号: NITE P-01828、NITE P-01829、NITE P-01856として寄託されている微生物から選ばれる少なくとも一種の微生物を含有するものである汚染土壌浄化方法。
  2. 前記移行工程が、前記地下領域を撹拌・混練する撹拌・混練ステップと、不溶性シアン化合物を溶解する可溶化剤を地下領域に供給する可溶化剤添加ステップとを含む請求項1に記載の汚染土壌浄化方法。
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