JP6590600B2 - 汚染土壌浄化方法 - Google Patents
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汚染土壌の処理の実態としては、土地所有者の心理的要因や、不動産取引における経済的側面を考慮して、完全浄化を目的とした掘削除去を選択することが多い。特に重金属類は、鉛やカドミウム等のようにそれ以上の分解は不可能であり、掘削除去による対策費用は5万円/m3以上の高コストであるにも関わらず、第二種特定有害物質の超過事例の83%で掘削除去が採用されている(「土対法事例結果」による)。掘削除去の比率が、83%と非常に高いのは、原位置浄化技術が確立されていないことも大きな理由である。特に、シアン化合物については、原位置浄化技術が適用できる範囲が限られている。不溶化処理は、長期的なモニタリングを必要とし、開発の際には土地造成が制限される。薬剤添加処理(フェントン法)やオゾン注入処理は、安定なフェロシアン(鉄とシアンの錯体)には適用できないなど、一部のシアン化合物に限られる。掘削除去の場合は、別途掘削土壌の無害化処理が必要であり、セメント原料化を代表とする熱処理や、化学処理である不溶化処理、薬剤添加処理、オゾン分解処理、物理処理である分級洗浄処理がある。前述のように、シアン化合物は分解が容易でなく、熱処理が採用されることが多い。また、その熱処理についても、セメント原料化の場合での受入基準は厳しいものとなっており、専用の熱処理施設に処理を委ねるしか手段がない。したがって、シアン化合物の処理費は、通常の重金属処理費に比べても高価なものになっており、より低コストな処理方法として原位置浄化工法の適用が求められている。
上記目的を達成するための本発明の汚染土壌浄化方法は、
有害物質で汚染された地下領域の土壌を浄化する汚染土壌浄化方法であって、
前記地下領域を撹拌・混練して、前記地下領域の土壌に含まれるシアン化合物を地下水に移行させる移行工程と、
前記移行工程後の前記地下領域から前記地下水を揚水する揚水工程と、
前記揚水工程で揚水された前記地下水にシアン分解性微生物を添加して、タンク内で培養するシアン分解工程とを行い、
前記シアン分解性微生物が、受託番号: NITE P-01828、NITE P-01829、NITE P-01856として寄託されている微生物から選ばれる少なくとも一種の微生物を含有するものである点にある。
すなわち、移行工程を行って、有害物質で汚染された地下領域を撹拌・混練し、不溶性シアン化合物を地下水に移行させるから、不溶状態のシアン化合物によって汚染されている土壌であっても、地下領域に含有するシアン化合物を混練することによって地下水との接触を図ることで溶解して、そのシアン化合物を一旦地下水中に移行させることができる。
地下水中に移行されたシアン化合物は、揚水工程により地上において取り扱うことのできる地下水として回収することができる。
そこで、揚水工程で得られた地下水によりシアン分解性微生物をタンク内でタンク培養するシアン分解工程をおこなえば、地下水に含まれるシアン化合物は、シアン分解性微生物により資化され、無害化される。
ここでシアン化合物としては、遊離シアン、無機シアン、有機シアン、金属シアノ錯体等が挙げられる。金属シアノ錯体としては、比較的水溶性の高い銅シアノ錯体や、難溶性の鉄シアノ錯体等が挙げられる。
また、受託番号:NITE P-01828、NITE P-01829、NITE P-01856として寄託されている微生物は、難分解性の鉄シアノ錯体を分解する能力を有するものである。そのため、これら微生物から選ばれる少なくとも一種の微生物を含有する環境で、揚水工程で得られた地下水に含まれるシアン化合物を分解すると、地下領域に難分解性の鉄シアノ錯体が含まれていたとしても浄化することができるようになる。すなわち、従来浄化困難であると考えられていた土壌に対しても浄化能力を発揮させることができ、幅広く利用することができるものとなる。
また、前記移行工程が、前記地下領域を撹拌・混練する撹拌・混練ステップと、不溶性シアン化合物を溶解する可溶化剤を地下領域に供給する可溶化剤添加ステップとを含んでもよい。
移行工程として撹拌・混練ステップと可溶化剤添加ステップを行うと、シアン化合物が地下水に対して難溶性であっても、可溶化剤によってそのシアン化合物を効率よく地下水中に移行させられる。そのため、地下水中に移行されたシアン化合物は、揚水工程、シアン分解工程により、効率よく無害化される。
有害物質で汚染された地下領域の土壌を浄化する汚染土壌浄化方法であって、
前記地下領域を撹拌・混練する撹拌・混練ステップと、シアン化合物を溶解する可溶化剤を地下領域に供給する可溶化剤添加ステップとを含み、前記地下領域に含まれるシアン化合物を地下水に移行させる移行工程と、
前記移行工程後の前記地下領域から地下水を揚水する揚水工程と、
前記揚水工程で揚水された地下水にシアン分解性微生物を添加してタンク内でタンク培養するシアン分解工程とを行うものである。
揚水井から揚水された地下水は、シアン分解性微生物を添加してあるタンクに導入され、タンク内でシアン分解性微生物の培養に用いられる。これにより、地下水中に移行したシアン化合物はシアン分解性微生物により資化され無害化するので、結果として、地下領域の土壌に含まれるシアン化合物は除去され分解浄化される。
Betaproteobacteria属、
Burkholderiales属、
Burkholderiacea属、
Burkholderia sp.、
Actinobacteria属、
Actinomycetales属、
Norcardioidaceae属、
Norcardioides属、
Rhodococcus sp.、
Alphaproteobacteria属、
Caulobacterales属、
Caulobacteraceae属、
Brevundimonas sp.、
Bacteroidetes属、
Sphingobacteriia属、
Sphingobacteriales属、
Chitinophagaceae属、
Chitinophaga sp.
のいずれかに属すると考えられる受託番号: NITE P-01828、NITE P-01829、NITE P-01856として寄託されている微生物から選ばれる少なくとも一種の微生物は、難分解性のシアン化合物を好適に分解浄化する能力を有することが、本発明者らにより明らかになっており、揚水された地下水中のシアン化合物を効率よく分解浄化するのに寄与する。
シアン汚染土壌を地盤混練機により混練しつつ、可溶化剤を注入した地下領域に、揚水井を設け、揚水井から揚水した地下水を採取した。採取した地下水に栄養剤を添加するとともに、このシアン汚染土壌とは別の土壌等から単離された外来のシアン分解性微生物6種類を培養した。この外来のシアン分解性微生物としては、受託番号: NITE P-01828、NITE P-01829、NITE P-01856として寄託されている微生物と、これら微生物と共通する属に属し、類似した性質を有することが確認された他の3種の微生物を別途増殖して用いた。増殖されたシアン分解性微生物6種を、200L容のタンク内に採取した地下水に添加して培養し、タンク内の全微生物数の変化、シアン分解性微生物数の変化、シアン化合物濃度の変化をそれぞれ調べたところ、図2〜4のようになった。なお、図2〜図4の結果は6種すべての微生物を等量添加し、初期値の菌数としたものであるが、いずれの微生物を単独でタンク内に添加しても同様に増殖することは確認されている。
また標準寒天培地は、酵母エキス0.25%、ペプトン0.5%、グルコース0.1%、寒天1.5%よりなる培地であり、大多数の微生物が良好に増殖する。一方、227寒天培地は、酵母エキス0.4%、麦芽エキス1.0%、グルコース0.4%、寒天2.0%よりなる培地で外来のシアン分解性微生物6種類が特異的に増殖する。
また、図3より、増殖した微生物を調べると、栄養剤1によるとシアン分解性微生物は初期的に増殖するものの経時的には生育数に限界がある(破線)ように見えるが、栄養剤2を用いることで、さらに大量に増殖(約10倍)している(実線)ことがわかる。
また、シアン分解性微生物の培養期間中のタンク内のシアン化合物濃度は13日間ほぼ一定割合で低下し、13日間で30%程度の含有シアン濃度が減少していることが分かった。
上記実施形態では、移行工程において撹拌・混練ステップと、可溶化剤添加ステップとを同時に行う形態としたが、撹拌・混練ステップとは別に、可溶化剤添加ステップを地表から地下領域にまで可溶化剤を浸透注入させる構成としてもよいし、別途注入井を設けて地下領域に注入する構成にもできる。また、可溶化剤を用いずともシアン化合物が地下水に移行されるのであれば、移行工程を撹拌・混練ステップのみで実行することもできる。
Claims (2)
- 有害物質で汚染された地下領域の土壌を浄化する汚染土壌浄化方法であって、
前記地下領域を撹拌・混練して、前記地下領域の土壌に含まれるシアン化合物を地下水に移行させる移行工程と、
前記移行工程後の前記地下領域から前記地下水を揚水する揚水工程と、
前記揚水工程で揚水された前記地下水にシアン分解性微生物を添加して、タンク内で培養するシアン分解工程とを行い、
前記シアン分解性微生物が、受託番号: NITE P-01828、NITE P-01829、NITE P-01856として寄託されている微生物から選ばれる少なくとも一種の微生物を含有するものである汚染土壌浄化方法。 - 前記移行工程が、前記地下領域を撹拌・混練する撹拌・混練ステップと、不溶性シアン化合物を溶解する可溶化剤を地下領域に供給する可溶化剤添加ステップとを含む請求項1に記載の汚染土壌浄化方法。
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| JP2015172066A JP6590600B2 (ja) | 2015-09-01 | 2015-09-01 | 汚染土壌浄化方法 |
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| CN112775173A (zh) * | 2020-11-30 | 2021-05-11 | 长沙工研院环保有限公司 | 一种原位淋洗-通风强化微生物修复氰化物污染土壤和地下水的方法 |
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