2015年6月3日付で出願され、および「Compositions, Systems, and Methods for Sequencing Polynucleotides Using Tethers Anchored to Polymerases Adjacent to Nanopores(ナノポアに隣接するポリメラーゼに固定されたテザーを用いるポリヌクレオチドの配列決定のための組成物、システム、および方法)」と題する米国仮特許出願第62/170,563号。
2014年6月3日付で出願され、および「Compositions, Systems, and Methods for Detecting Events Using Tethers Anchored to or Adjacent to Nanopores(ナノポアに固定され、または隣接するテザーを用いた事象の検出のための組成物、システム、および方法)」と題する米国仮特許出願第62/007,248号;
2015年5月5日付で出願され、および「Compositions, Systems, and Methods for Detecting Events Using Tethers Anchored to or Adjacent to Nanopores」と題する米国仮特許出願第62/157,371号;および
2015年6月2日付で出願され、および「Compositions, Systems, and Methods for Detecting Events Using Tethers Anchored to or Adjacent to Nanopores」と題する米国特許出願第14/728,721号。
詳細な記載
本発明の実施形態は、ナノポア(ナノ細孔とも言う)に隣接するポリメラーゼに固定されたテザーを用いてポリヌクレオチドを配列決定するための組成物、システム、および方法を提供する。
より一層具体的には、本発明の組成物、システム、および方法は、ローバスト(堅牢、頑強とも言う)で、再現可能で、高感度であり、および高いスループットを有する様式でポリヌクレオチドを配列決定するのに好適に用いることができる。たとえば、本発明の組成物は、ナノポア、およびナノポアに隣接して配置されるポリメラーゼに固定される持続性(永久とも言う)テザーを含むことができる。ナノポアは、第一および第二の側、および第一および第二の側にわたる(を貫通する、を通して延びるとも言う)開口部(アパーチャとも言う)を含むことができる。持続性テザーは、ヘッド(頭部とも言う)およびテール(尾部とも言う)領域、およびそれらの間に配置される細長い(伸長したとも言う)本体を含むことができる。特定の実施形態では、テザーのヘッド領域はポリメラーゼに固定され、それは、ナノポアの第1の側に隣接して配置され、および細長い本体は、ナノポアの開口部において生じる(存在するとも言う)。加えて、本組成物は、複数のヌクレオチドを含むことができ、それらのそれぞれは細長いタグを含む。テザーまたは細長いタグ、またはそれらの双方は、ポリヌクレオチド、例は、鋳型ポリヌクレオチドの配列決定を容易にする一またはそれよりも多く(一以上とも言う)の特色を含むことができる。たとえば、テザーまたは細長いタグ、またはそれらの双方は、一以上の特色を含むことができ、それらは、第一のシグナル状態(信号状態とも言う)をヌクレオチドに作用するポリメラーゼに基づいて提供し、および一以上の特色を含むことができ、それらは、第二のシグナル状態を、ヌクレオチドが、配列決定されるポリヌクレオチドの配列において次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的ではないかに基づいて提供する。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼによって作用されるヌクレオチドの同一性は、第一のシグナル状態に基づいて決定され得る。加えて、いくつかの実施形態では、配列決定されるポリヌクレオチドの配列における次のヌクレオチドに対するそのヌクレオチドの相補性は、第二のシグナル状態に基づいて決定され得、それは、そのヌクレオチドが、配列決定されるポリヌクレオチドに相補的であるかどうかを区別するのを助けることができ、またはその代わりに、ポリメラーゼが、配列決定されるポリヌクレオチドの配列において次のヌクレオチドに相補的ではないヌクレオチドに一時的に作用するが、そのヌクレオチドを増殖中の相補的なポリヌクレオチドに付加することはない。このように、第二のシグナル状態は、核酸配列決定適用の間、例えば、エラーチェック機能を提供することによってベースコールする際に有用であり得る。そのような第一および第二のシグナル状態は、ヌクレオチドの同一性をそれぞれ表すことができ、またはそのようなヌクレオチドがマッチ(一致とも言う)またはミスマッチ(不一致とも言う)であるかどうかは、必ずしも互いに異なる時間に生じる必要はなく、および実際にもう一つと同じ時間に生じることができる。たとえば、測定されるシグナル(例は、光学的または電気的なもの)は、一よりも多く(複数とも言う)のシグナル状態(例は、二つのシグナル状態)の複合体を含むことができ、それらのシグナル状態のそれぞれは、ヌクレオチドの同一性の一以上、またはそのようなヌクレオチドがマッチまたはミスマッチであるかどうかについての情報を提供する。
以前に知られた方法が合成による配列決定(SBS)のために開発された。たとえば、一本鎖DNA(ssDNA)は、バリア(障壁とも言う)、たとえば、脂質二重層などのようなものに埋め込まれた生物学的ナノポア、たとえば、タンパク質ナノポアなどのようなものを、ナノポアを横切って適用(印加とも言う)される電位に応答して通過することができる。「ストランド」シーケンシング(「ストランド」配列決定とも言う)と称することができるものにおいて、ssDNAのヌクレオチドがポア狭窄部を通過するとき、それらのヌクレオチドの組合せは、狭窄部を通過する特定の組合せにおけるヌクレオチドの同一性に対応する独特のカレント(電流、流れとも言う)またはフラックス(磁束、流束とも言う)ブロッケード(blockades、遮断、封鎖とも言う)を作り出すことができる。配列決定されるこれらのストランド(鎖とも言う)は、ポアまたはポリメラーゼに永続的に付着していない。むしろ、これらのストランドは、ストランドの正味の位置がポアに対して変化するようにポアを通ってトランスロケーション(転位とも言う)する。しかし、ssDNAの非常に迅速な転位速度(約1nt/μsec)、ならびに単一ヌクレオチドよりむしろ、ヌクレオチドの組合せを包含する狭窄の実効解像度(native resolution)は、そのようなカレントまたはフラックスブロッケードの正確な測定を、ヌクレオチド毎のベースで(on a nucleotide-by-nucleotide basis)妨げる可能性がある。酵素の「モータ」は、転位速度を、データ獲得とより一層適合する速度(ヌクレオチド当たりのミリ秒)にまで遅くするために使用された。しかしながら、そのようなモータは、ストランド配列決定の構成において用いるとき、エラーモード、たとえば、スキッピング、スリッピングおよびトグリングなどのようなものを導入することがあり、それらは、ssDNAにおいてヌクレオチドの確実な検出を抑制することがある。これらの、および他のモータ独立性エラーモードは、ストランド配列決定の間に起こり得、モータおよびナノポアの狭窄部間に存在するssDNAの「スプリングネス(弾力性とも言う)」または弾性に起因し得る。そのような弾力性は、ssDNAの配列の関数であることができ、および狭窄部を通過するヌクレオチドの同じ組合せについて、異なるカレントまたはフラックスをもたらすことができ、それはその組合せの異なるインスタンス(例とも言う)がそれぞれ異なるssDNA配列によって取り囲まれる場合である。さらに、狭窄が比較的小さく、例は、約2ntであり、およびブラウン運動が常に存在するので、ポアの「読取りヘッド」は効果的に約4ヌクレオチドのサイズであり得、例は、狭窄部は、一回に約4ヌクレオチドの組合せを読み、したがって、互いに区別される必要がある4^4(256)のカレントまたはフラックスが存在するので、各ヌクレオチドを一意に識別することがより一層困難にされる。
したがって、SBSにおいて改善、例えば、安価で、正確で、長時間の読み取り、高スループットの、SBSのための組成物、システム、および方法について必要性が残る。ナノポア、例えば、生物学的ナノポアを用いるSBSは、ナノスケールの再現性およびこれらのタンパク質の生産の容易さのために、この必要性に対する潜在的解決策の一つを表す。まとめると、モーターフリーで(例は、ナノポアを通る標的ストランドの通過を調節するモータとしてよりはむしろ、ナノポアに接合される検出器としての核の酵素を用い)、ブラウン運動に対してより一層寛容で、および単一ヌクレオチド分解能をもつアプローチは、ナノポアDNA配列決定の分野を大きく前進させることが期待できる。
まず、ここに使用されるいくつかの用語について簡単に説明する。次に、いくつかの模範的な組成、本組成と共に使用することができる測定回路(例えば、電気的または光学的測定回路)を含む模範的なシステム、本組成と共に使用することができる模範的な方法、およびそのような方法の間に使用することができる組成のいくつかの具体例が説明されるであろう。
模範的な用語
ここに使用されるように、用語「ポア(細孔とも言う)」は、分子がポアの第1の側からポアの第2の側へそれを横切ることを可能にする開口部を含む構造を意味することが意図される。すなわち、開口部は、ポアの第1および第2の側を通って延びる。ポアの開口部を通過することができる分子には、例えば、イオンまたは水溶性分子、たとえば、核酸、タンパク質、ヌクレオチド、およびアミノ酸などのようなものを含み得る。ポアはバリア内に配置することができる。ポアの開口部の少なくとも一部分が100nmまたはそれよりも小さい(100nm以下とも言う)、例えば10nm以下、または2nm以下の幅を有するとき、ポアは、必ずしも要しないが、「ナノポア」と称することができる。随意に、開口部の一部分は、ポアの第1および第2の側の一方または両方よりも狭くすることができ、その場合、開口部のその部分を「狭窄部」と称することができる。あるいは、または追加的に、ポアの開口部、またはポアの狭窄部(存在する場合)、またはその両方は、0.1nmよりも大きく、0.5nm、1nm、10nmまたはそれらよりも大きいことがあり得る。ポアは、複数の狭窄部、例えば、少なくとも2つ、または3つ、または4つ、または5つ、または5つよりも多くの狭窄部を含むことができる。
ここに使用されるように、「バリア(障壁とも言う)」は、バリアの一方の側からバリアの他方の側への分子の通過を普通は抑制する構造を意味することを意図する。通過が抑制される分子には、例えば、イオン、または水溶性分子、例えば、核酸、タンパク質、ヌクレオチド、およびアミノ酸などのようなものが含まれ得る。ポアはバリア内に配置することができ、およびポアの開口部は、バリアの一方の側からバリアの他方の側への分子の通過を可能にすることができる。バリアには、生物学的起源の膜、および非生物学的バリア、例えば、固形状態の膜などのようなものが含まれる。
ここに使用されるように、「テザー」は、ヘッド領域、テール領域、およびこれらの間の細長い本体を有する細長いメンバー(細長い部材とも言う)を意味することを意図する。テザーには、分子が含まれる。テザーは、必ずしも要しないが、細長い状態であってもよく、例えば、細長い分子が含まれうる。例えば、テザーの細長い本体は、二次または三次コンフィグレーション(立体配置)、例えば、ヘアピン、折り畳み、螺旋立体配置、またはその種の他のものなどのようなものをもつことができる。テザーは、ポリマー、たとえば、ポリヌクレオチドまたは合成ポリマーなどのようなものを含み得る。テザーは、例えば、約5nmから約500nmまで、例えば、約10nmから約100nmまでの範囲におよぶ長さ(例えば、伸展状態または最大伸長状態で測定される)を有することができる。テザーは、例えば、約1nmから約50nmまで、例えば、約2nmから約20nmまでの範囲の幅を有することができる。テザーは線状でも分枝状でもよい。テザーは、組成物が使用される条件の下、例えば、検出方法において、ここに記載の組成物から除去されないとき、「持続性(永久、永遠とも言う)」であると考えることができる。循環(cyclic)または反復反応で使用されるテザーはまた、一つのサイクルから次のサイクルへのテザーの位置に、または反応の一つの反応から繰り返しまで正味の変化がない場合、「持続性」であると考えることもできる。持続性テザーの位置は、サイクルまたは反応にわたって位置の正味の変化がない場合でも、個々のサイクルまたは反応の間に変化し得ることが理解されるであろう。
ここに使用されるように、テザーの「ヘッド(頭部とも言う)領域」は、別のメンバーに取り付けられるテザーの官能基を意味することを意図する。そのような付着は、化学結合、例えば、共有結合、水素結合、イオン結合、双極子-双極子結合、ロンドン分散力、またはそれらの任意の適切な組合せを介して形成され得る。一実施態様では、そのような付着は、頭部領域の第1のオリゴヌクレオチドと別のメンバーの第2のオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションを通して形成することができる。あるいは、そのような付着は、物理的または生物学的相互作用、例えば、頭部領域の第1のタンパク質構造と他のメンバーの頭部領域の分離を抑制する第2のタンパク質構造との間の相互作用を用いて形成することができる。テザーの頭部領域を取り付けることができる模範的なメンバーには、ポア、例えば、ポアの第1または第2の側、ポアが配置されるバリア、および分子、例えば、タンパク質などのようなものが含まれ、ポアの第1または第2の側のいずれかに配置される。テザーの頭部領域が、ポアの第1の側または第2の側のいずれかにて配置される別のメンバーに取り付けられる場合、テザーの頭部領域はポアに隣接すると言うことができる。頭部領域は、必ずしも要しないが、テザーの端部に位置することができる。
ここに使用されるように、「固定され」は、持続性である第1のメンバーと第2のメンバーとの間の付着が、例えば、ポリヌクレオチドの配列決定のために有用であるように十分に安定であるか、または例えば、移動可能であるが、取り付けられるメンバーが使用される条件下で正味の動きを受けないことを意味することを意図する。いくつかの実施形態では、そのような持続性付着は、付着するメンバーが使用される条件下で、例えば、検出方法において通常は不可逆的である。他の実施形態では、そのような持続性付着は可逆的であるが、それが少なくともポリヌクレオチドの配列決定に使用される期間にわたって持続する。例えば、テザーは、ポリヌクレオチドを配列決定するためにテザーの使用中にポリメラーゼに持続的に付着させ、または隣接させることができ、およびその後除去することができ、または別のテザーと交換することができる。共有結合は、第1のメンバーを第2のメンバーに固定するのに好適に使用できるアタッチメント(連結装置とも言う)の一例に過ぎない。他の例には、オリゴヌクレオチド間の二重鎖、ペプチド-ペプチド相互作用、およびストレプトアビジン-ビオチンまたはストレプトアビジン-デスチオビオチンが含まれる。
ここに使用されるように、テザーの「テール(尾部とも言う)領域」は、頭部領域から遠位に配置されるテザーの一部分を意味することを意図する。尾部領域は、頭部領域から自由に伸びることができ、例えば、任意の他の部材に付着されなくてもよい。あるいは、尾部領域は付着させることができる。そのような付着は、化学結合を介して、例えば、共有結合、水素結合、イオン結合、双極子-双極子結合、ロンドン分散力、またはそれらの任意の適切な組合せを介して形成され得る。一実施形態では、そのような付着は、尾部領域の第1のオリゴヌクレオチドと別の部材の第2のヌクレオチドのハイブリダイゼーションを通して形成することができる。あるいはまた、そのような付着は、物理的または生物学的相互作用、例えば、尾部領域の第1のタンパク質構造、および他の部材から尾部領域の分離を抑制する他の部材の第2のタンパク質構造の間の相互作用を用いて形成することができる。尾部領域が付着する任意の部材は、必ずしも要しないが、頭部領域が付着されるのと同じ部材であってもよい。尾部領域は、必ずしも要しないが、テザーの端部に位置することができる。
ここに使用されるように、「細長い本体」は、部材の一部分、例えば、テザーなどのようなものを意味することを意図し、すなわち、ポアの開口部の少なくとも一部分内に配置されるのに十分に長く、および狭い。細長い本体が、作用されるヌクレオチドに付着するとき、そのような細長い本体は、テザーの細長い本体からの区別を容易にするために「細長いタグ」と称することができる。細長い本体は、生物起源または非生物起源の任意の適切な物質、またはそれらの組合せで形成することができる。一例では、細長い本体には、ポリマーが含まれる。ポリマーは、生物学的ポリマーまたは合成ポリマーであり得る。適切に細長い本体内に含めることができる模範的な生物学的ポリマーには、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、ポリサッカライド(多糖とも言う)、ポリヌクレオチドアナログ(ポリヌクレオチド類似体とも言う)、およびポリペプチドアナログが含まれる。細長い本体において使用に適する模範的なポリヌクレオチドおよびポリヌクレオチドアナログには、DNA、エナンチオマーDNA、RNA、PNA(ペプチド-核酸)、モルホリノ、およびLNA(ロックド核酸)が含まれる。模範的な合成ポリペプチドには、荷電アミノ酸ならびに親水性残基および中性残基が含まれ得る。細長い本体内に適切に含めることができる模範的な合成ポリマーには、PEG(ポリエチレングリコール)、PPG(ポリプロピレングリコール)、PVA(ポリビニルアルコール)、PE(ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、PVC(ポリ塩化ビニル)、PS(ポリスチレン)、NYLON(脂肪族ポリアミド)、TEFLON(R)(TEFLON(商標))(テトラフルオロエチレン)、熱可塑性ポリウレタン、ポリアルデヒド、ポリオレフィン、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ω-アルケン酸エステル)、ポリ(アルキルメタクリラート)、および他の重合体化学物質および生物学的リンカー、たとえば、Hermanson(ヘルマンソン)、Bioconjugate Techniques(バイオコンジュゲート・テクニークズ)、第3版、Academic Press(アカデミック・プレス)、London(英国、ロンドン)(2013)に記載されているようなものが含まれる。さらに、細長い本体は、随意に、別の一部分と相互作用することができる一部分を含むことができる。そのような一部分には、例えば、生物学的ポリマーDNA、RNA、PNA、LNA、モルホリノ、またはエナンチオマーDNAが含まれ得る。細長い本体の領域は、レポーター読み出しの特定の実装に依存して、荷電または中性にすることができる。
ここに使用されるように、「レポーター領域」は、変化の際に、適切な検出方法またはシステムを使用して検出可能な一部分を意味することが意図される。そのような変化には、制限されないが、運動が含まれ得る。運動は、およそ10nm以下、またはおよそ5nm以下、またはおよそ2nm以下、またはおよそ1nm以下、またはおよそ0.5nm以下、またはおよそ0.2nm以下、またはさらにおよそ0.1nm以下であることができ、およびレポーター領域および適切な検出方法またはシステムを用いて検出することができる。一部分は、検出可能な物理的、化学的、電気的、光学的、または生物学的特性または他の適切なフラックスブロッケード特性を有することができる。例えば、一部分は、光学的検出または特徴付けを容易にする光学特性を有することができる。光学特性には、蛍光およびラマン信号の生成が含まれる。1つの例示的な例では、一部分は、検出され得る特定の波長の光を放出するように、対応するFRETアクセプター(FRET受容器とも言う)またはドナー(供与体とも言う)と相互作用する蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)ドナーまたはアクセプターである。ドナーおよびアクセプターはFRET対パートナーであると考えることができる。あるいは、例えば、一部分は電気的またはフラックスブロッケード特性を有することができる。電気的またはフラックスブロッケード特性には、帯電、例えば、正電荷、または負電荷が含まれる。あるいは、例えば、一部分は物理的特性を有することができる。物理的特性には、本一部分の容量および形状が含まれる。例示的な一例では、開口部内の一部分の移動は、開口部またはそこでの狭窄部を通るブロッケージ(妨害、閉塞とも言う)カレントまたはフラックスを調整することによって、開口部またはその狭窄部を通るカレントまたはフラックスの測定可能な変化を引き起こす。あるいは、例えば、本一部分は、化学的または生物学的な検出を容易にする化学的または生物学的特性を有することができる。化学的または生物学的特性には、化学的または生物学的基、例えば、放射性基または酵素活性を有する基の存在が含まれる。本一部分の一以上の電気的、物理的、化学的、生物学的、または他のフラックスブロッケード特性は、開口部または狭窄部を通るカレントの測定可能な変化または光信号を提供することができる。1の例示的な例では、開口内の本一部分の動きは、開口部または狭窄部を通るカレントにおいて測定可能な変化を引き起こし、または開口部または構成(construction)を通る分子のフラックスの測定可能な変化を引き起こし、そのフラックスにおける変化は電気的に、化学的に、生物学的に、または光学的に検出可能である。無塩基(abasic、脱塩基とも言う)ヌクレオチドは、その動きが開口部または狭窄部を通るカレントの測定可能な変化、または開口部または狭窄部を通る分子のフラックスでの測定可能な変化を引き起こすことができる部分の1つの非制限的な例である。
ここに使用される「動き」または「運動」は、並進、回転、またはコンフォメーション(立体配座)、またはそれらの組合せであることができる。
ここに使用されるように、ヌクレオチドでのポリメラーゼの「作用」には、ポリメラーゼでの活性部位に入るヌクレオチドが含まれることができる。ヌクレオチドに対するポリメラーゼの作用にはまた、制限されないが、ヌクレオチドまたはそのヌクレオチドの一部分への化学的変化を引き起こすポリメラーゼが含まれ得る。化学的変化には、ヌクレオチドの一部分を除去するポリメラーゼ、ヌクレオチドを別の分子に付加するポリメラーゼ、ヌクレオチド結合またはポリメラーゼからの脱結合、ヌクレオチドまたはその一部分を修飾するポリメラーゼ、および化学結合を形成または切断するポリメラーゼ、例えば、ポリヌクレオチド合成の間、およびその他同種類のものが含まれ得る。例えば、ヌクレオチドに対するポリメラーゼの作用には、ヌクレオチドをポリヌクレオチドに付加することを含むことができる。ポリメラーゼのヌクレオチドへの作用には、随意に、ポリメラーゼ、ヌクレオチド、またはそれらの両方の動きおよび化学変化の両方を含むことができる。非制限的な、純粋に例示的な例として、ヌクレオチドに対するポリメラーゼの作用には、一以上の、次の:ヌクレオチドを試験するポリメラーゼ、ヌクレオチドが、配列決定されるポリヌクレオチドにおいて次のヌクレオチドに対してミスマッチである場合にヌクレオチドを拒絶するポリメラーゼ、エキソヌクレアーゼ活性を用いてポリヌクレオチドからヌクレオチドを切除するポリメラーゼ、ピロホスホリシス(pyrophosphorylysis)を用いてポリヌクレオチドからヌクレオチドを切除するポリメラーゼが含まれる。図8は、模範的反応パラメーター、例は、速度定数および滞留時間を、反応スキームについて例示し、そこでは、ポリメラーゼによって作用されるヌクレオチドはそれぞれマッチまたはミスマッチである〔出典、Johnson(ジョンソン)、「The kinetic and chemical mechanism of high-fidelity DNA polymerases(高忠実度DNAポリメラーゼの反応速度論的および化学的メカニズム)」、Biochim Biophys Acta(バイオキミカ・エト・バイオフィジカ・アクタ)1804(5):1041-1048(2010)、ここに参照することによって、その全体の内容を組み込む。〕。ポリメラーゼ、たとえば、T7 Polなどのようなものは、典型的には、正しいマッチヌクレオチドに対する結合親和性の増加(例えば、約10倍優先度の正しい対ミスマッチ)、ミスマッチヌクレオチドについての触媒速度の大幅な低下(例えば、ミスマッチについては1000倍遅い)、およびクローズド触媒状態からのミスマッチヌクレオチドについてのオフ速度の大幅な増加(例えば、ミスマッチについては約300倍速い)の組合せに基づく。
ここに使用されるように、「コンフォメーション変化(立体配座変化)」は、分子の形状においての変化(例えば、分子の相対的な原子座標における変化)を意味することが意図される。そのようなコンフォメーション変化は、分子の別の部分に対して移動する分子の部分を含むことができる。分子の一部分の化学的反応性は、分子のその部分、または別の部分の相対的な動きに応答して変化し得る。分子は、刺激に応答してコンフォメーション変化を起こすことができる。そのような刺激には、制限されないが、分子に加えられる変化または力、他の分子との相互作用、または環境因子を含むことができる。分子に適用される変化または力には、分子またはその一部分に加えられる物理的な力、分子に適用される電場、または分子またはその一部分との化学反応、またはそれらの組合せ、例えば、基質の結合、触媒、および/または生成物の放出が含まれ得る。他の分子との相互作用には、別の分子の存在、別の分子の濃度、別の分子による作用またはそれへの作用、またはそれらの組合せが含まれ得る。別の分子との例示的な相互作用には、2つのオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション、またはヌクレオチドへのポリメラーゼの作用が含まれる。環境因子は、pHにおける変化または温度での変化、またはそれらの組合せを含み得る。
ここに使用されるように、用語「ヌクレオチド」は、糖および少なくとも1つのホスファート(リン酸塩、リン酸とも言う)基を含み、および随意にまた核酸塩基も含む分子を意味することが意図される。ヌクレオチドには、デオキシリボヌクレオチド、修飾デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、修飾リボヌクレオチド、ペプチドヌクレオチド、修飾ペプチドヌクレオチド、修飾ホスファート糖骨格ヌクレオチド(modified phosphate sugar backbone nucleotide)、およびそれらの混合物が含まれる。ヌクレオチドの例には、アデノシン一リン酸(AMP)、アデノシン二リン酸(ADP)、アデノシン三リン酸(ATP)、チミジン一リン酸(TMP)、チミジン二リン酸(TDP)、チミジン三リン酸(TTP)、シチジン一リン酸(CMP)、シチジン二リン酸(CDP)、シチジン三リン酸(CTP)、グアノシン一リン酸(GMP)、グアノシン二リン酸(GDP)、グアノシン三リン酸(GTP)、ウリジン一リン酸(UMP)、ウリジン二リン酸(UDP)、ウリジン三リン酸(UTP)、デオキシアデノシン一リン酸(dAMP)、デオキシアデノシン二リン酸(dADP)、デオキシアデノシン三リン酸(dATP)、デオキシチミジン一リン酸(dTMP)、デオキシチミジン二リン酸(dTDP)、デオキシチミジン三リン酸(dTTP)、デオキシシチジン二リン酸(dCDP)、デオキシシチジン三リン酸(dCTP)、デオキシグアノシン一リン酸(dGMP)、デオキシグアノシン二リン酸(dGDP)、デオキシグアノシン三リン酸(dGTP)、デオキシウリジン一リン酸(dUMP)、デオキシウリジン二リン酸(dUDP)、およびデオキシウリジン三リン酸(dUTP)が含まれる。
用語「ヌクレオチド」はまた、自然に生じるヌクレオチドと比較して修飾された核酸塩基、糖および/またはリン酸部分を含む一種のヌクレオチドである任意のヌクレオチド類似体を包含することが意図される。ポリヌクレオチドにおいて含まれることができる模範的な修飾核酸塩基には、自然な骨格またはアナログ構造を有するかどうかにかかわらず、イノシン、キササニン(xathanine)、ヒポキササニン、イソシトシン、イソグアニン、2-アミノプリン、5-メチルシトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、2-アミノアデニン、6-メチルアデニン、6-メチルグアニン、2-プロピルグアニン、2-プロピルアデニン、2-チオウラシル、2-チオチミン、2-チオシトシン、15-ハロウラシル、15-ハロシトシン、5-プロピニルウラシル、5-プロピニルシトシン、6-アゾウラシル、6-アゾシトシン、6-アゾチミン、5-ウラシル、4-チオウラシル、8-ハロアデニンまたはグアニン、8-アミノアデニンまたはグアニン、8-チオールアデニンまたはグアニン、8-チオアルキルアデニンまたはグアニン、8-ヒドロキシアデニンまたはグアニン、5-ハロ置換ウラシルまたはシトシン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、8-アザグアニン、8-アザアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、3-デアザグアニン、3-デアザアデニンまたはその種の他のものなどが含まれる。当技術において知られるように、一定のヌクレオチドアナログは、ポリヌクレオチド、例えば、ヌクレオチドアナログ、たとえば、アデノシン5'-ホスホスルファートなどのようなもの中に組み込まれることができない。
リン酸部分で修飾される模範的なヌクレオチドには、例えば、Lee(リー)ら、「Synthesis and reactivity of novel γ-phosphate modified ATP analogues(新規γ-リン酸修飾ATP類似体の合成および反応性」、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters(バイオオルガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ)19:3804-3807(2009);Kumar(クマール)ら、「PEG-labeled nucleotides and nanopore detection for single molecule DNA sequencing by synthesis(合成による単一分子DNA配列決定のためのPEG標識ヌクレオチドおよびナノポア検出)」、Scientific Reports(サイエンティフィク・レポーツ)2:684(2012);Kumarら、「Terminal phosphate labeled nucleotides: synthesis, applications, and linker effect on incorporation by DNA polymerases(末端リン酸標識ヌクレオチド:DNAポリメラーゼによる組込みに対する合成、適用およびリンカー効果)」、Nucleosides、Nucleotides and Nucleic Acids(ヌクレオシヅ、ヌクレオチヅ&ヌクレイック・アシッヅ)24:401-408(2005)、およびMulder(ムルダー)ら、「Nucleotide modification at the γ-phosphate leads to the improved fidelity of HIV-1 reverse transcriptase(γリン酸でのヌクレオチド修飾はHIV-1逆転写酵素の改良された忠実度を導く)」、Nucleic Acids Research(ヌクレイック・アシッヅ・リサーチ)33:4865-4873(2005)によって記載されたヌクレオチド類似体が含まれ、それらの全体の内容は参照によりここに組み込まれる。Leeらは、以下の構造を有する一定の模範的なγ-リン酸修飾ATP類似体を記載する:
Kumarら(2012)は、dNTPまたはNTPの末端リン酸(dNTP/NTP)への、またはテトラホスファートヌクレオチドの末端リン酸(dN4P/N4P)に結合することができる異なる長さのPEG-クマリンタグを開示する。模範的な長さには、例えば、クマリン-PEG16-dN4P/N4P、クマリン-PEG20-dN4P/N4P、クマリン-PEG24-dN4P/N4P、およびクマリン-PEG36-dN4P/N4Pが含まれる。Kumarら(2005)は、リンカーを伴ってか、または伴わずに付着した色素を含む、テトラ-およびペンタ-ホスファート修飾ヌクレオチドを開示する。Kumarら(2005)に記載されるように、リンカーを伴わずに付着した模範的色素には、DDAO、RESORFIN(レゾルフィン)、COUMARINS(クマリン)、アルキル-キサンテン(alkyl-XANTHENES)、ニトロフェノール、ヒドロキシ-インドール、ELF、およびBBTが含まれ;リンカーを介して付着した模範的な色素には、R110、REG、TAMRA、ROX、Cy色素およびET色素が含まれ;および模範的なリンカーには、ジアミノプロパン、ジアミノヘプタン、ジアミノドデカン、EEA、PAP、ジアミノシクロヘキサン、ジアミノ-キシレン、およびペンタ-リジンが含まれる。Mulderらは、化学的に修飾されたヌクレオチド、例えば、ヌクレオチドのγ-ホスファートに付着した1-アミノナフタレン-5-スルホナート(ANS)、例えば、γ-P-アミノナフタレン-5-スルホナートデオキシまたはリボヌクレオチド(dNTPまたはNTP)、例えば、ANS-ATP、ANS-CTP、ANS-GTP、およびANS-TTPおよび/またはこれらまたは他のヌクレオチドのデオキシ形態などのようなものを含めて開示する。
ここに使用されるように、用語「ポリヌクレオチド」は、互いに結合されるヌクレオチドの配列を含む分子に言及する。ポリヌクレオチドの例には、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、およびそれらの類似体が含まれる。ポリヌクレオチドは、ヌクレオチドの一本鎖配列、たとえば、RNAまたは一本鎖DNAなどのようなもの、二本鎖ヌクレオチド配列、たとえば、二本鎖DNAなどのようなものであることができ、またはヌクレオチドの一本鎖および二本鎖配列の混合物を含むことができる。二本鎖DNA(dsDNA)には、ゲノムDNA、およびPCRおよび増幅産物が含まれる。一本鎖DNA(ssDNA)はdsDNAに変換することができ、および逆もまた同様である。ポリヌクレオチド中のヌクレオチドの正確な配列は知られていても、または未知であってもよい。以下は、ポリヌクレオチドの模範的な例である:遺伝子または遺伝子フラグメント(遺伝子断片とも言う)(例えば、プローブ、プライマー、発現配列タグ(EST)または遺伝子発現の連続分析(SAGE)タグ)、ゲノムDNA、ゲノムDNA断片、エキソン、イントロン、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA、リボソームRNA、リボザイム、cDNA、組換えポリヌクレオチド、合成ポリヌクレオチド、分枝ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意配列の分離DNA、任意配列の分離RNA、核酸プローブ、プライマーまたは増幅コピーで上記のいずれかに該当するもの。
ここに使用されるように、「ハイブリダイズする」は、第1のポリヌクレオチドを第2のポリヌクレオチドに非共有結合的に結合させることを意味することを意図する。第1および第2のポリヌクレオチド間の結合の強さは、それらのポリヌクレオチド間の相補性と共に増加する。
ここに使用されるように、用語「タンパク質」は三次元構造に折り畳まれるポリペプチドを含むか、またはそれからなる分子を意味することが意図される。ポリペプチドには、三次元構造に折り畳まれるとき、タンパク質に生物学的活性を付与する一部分が含まれる。
ここに使用されるように、用語「酵素」は、別の分子を触媒的に修飾する分子を意味することが意図される。酵素は、タンパク質、ならびに一定の他のタイプの分子、たとえば、ポリヌクレオチドなどのようなものを含み得る。タンパク質でもある酵素の例には、ポリメラーゼ、エキソヌクレアーゼおよびヘリカーゼが含まれる。
ここに使用されるように、「ポリメラーゼ」は、ヌクレオチドをポリヌクレオチドに重合することによってポリヌクレオチドを組み立てる活性部位を有する酵素を意味することが意図される。ポリメラーゼは、プライミングされた一本鎖ポリヌクレオチド鋳型に結合することができ、および鋳型のものに相補的な配列を有するポリヌクレオチドを形成するために、成長プライマーにヌクレオチドを連続的に付加することができる。
ヌクレオチドを配列決定するための模範的な組成、システム、および方法
ここで、ナノポアに隣接するポリメラーゼに固定されたテザーを含む模範的な組成について、図1A-1Dを参照して説明する。一態様の下では、組成は、第1の側部、第2の側部、および第1および第2の側部を貫通する開口部が含まれるナノポア部を含む。本組成はまた、複数のヌクレオチドを含むことができ、そこでは、各々のヌクレオチドは細長いタグを含む。本組成はまた、第1および第2のポリヌクレオチドを含み得、第1のポリヌクレオチドは第2のポリヌクレオチドに相補的である。本組成はまた、ナノポア部の第1の側部に隣接して配置されるポリメラーゼを含むことができ、ポリメラーゼは、複数のヌクレオチドのヌクレオチドを第2のポリヌクレオチドの配列に基づいて第1のポリヌクレオチドに付加するように構成される。本組成はまた、ヘッド領域、テール領域、およびその間に配置される細長い本体を含む持続性テザーを含むことができ、ヘッド領域はポリメラーゼに固定され、細長い本体はナノポア部の開口部で生じる。本組成はまた、細長い本体上に配置される第1の一部分を含み得、そこでは、第1の一部分は、ポリメラーゼが作用する第1ヌクレオチドの細長いタグに結合するように構成される。本組成はまた、細長い本体上に配置された1以上のレポーター領域を含み得、ここで、1以上のレポーター領域は、第1のヌクレオチドが第2のポリヌクレオチドの配列における次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的でないときを指し示すように構成される。
例えば、図1Aは、ナノポア部100、持続性テザー部110、複数のヌクレオチド120(そのうちの1つを図示の簡略化のために示す)、ポリメラーゼ130、第1ポリヌクレオチド140、および第2ポリヌクレオチド150が含まれる模範的な組成の断面を概略的に例示する。ナノポア部100は、第1の側部101、第2の側部102、開口部103、および狭窄部104を含む。持続性テザー部110は、ヘッド領域111、テール領域112、および細長い本体113を含む。図1Aに例示する実施態様において、ポリメラーゼ130はナノポア部100の第1の側部101に隣接して配置され、持続性テザー部110のヘッド領域111はポリメラーゼ130に固定され、持続性テザー部110のテール領域112はナノポア部100の第2の側部102に自由に配置され、持続性テザー部110の細長い本体113は、第1の一部分115と1以上のレポーター領域114とを含む。ヌクレオチド120は、第2の一部分122を含む細長いタグ121を含む。ポリメラーゼ130は、第2のポリヌクレオチド150の配列に基づいて、複数のヌクレオチド120のヌクレオチドを第1のポリヌクレオチド140に加えるように構成される。
図1Bに例示されるように、ヌクレオチド120に作用するポリメラーゼ130に基づいて、持続性テザー部110の細長い本体113の第1の一部分115は、例えば、第2の一部分122に結合するように構成されるヌクレオチド120の細長いタグ121に結合するように構成される。たとえば、ポリメラーゼ130は、第1の一部分115と第2の部分122とが互いに相互作用する、例は、互いに結合する(それは互いに二本鎖を形成するとも言うことができる)のに十分な時間、第1の一部分115に比較的近接して第2の一部分122を配置するヌクレオチド120を受容し、および結合する活性部位(具体的には図示していない)を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、第1の一部分115は第1のオリゴヌクレオチドを含み、および第2の一部分122は第1のオリゴヌクレオチドに相補的であり、および第1のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズする第2のオリゴヌクレオチドを含む。
第1の一部分115は、ヌクレオチド120に作用するポリメラーゼ130に応答して少なくとも第1のシグナル状態を生成するように構成することができ、およびヌクレオチド120は、ここでの他のどこかでより一層詳細に述べられるような方法で第1のシグナル状態に基づいて識別可能であることができる。例えば、一部分115と一部分122との間の二重鎖の形成は、1以上のレポーター領域114を、開口部103内の位置に配置することになるように生じさせることができ、それは開口部103を通る独特のカレントまたはフラックスをもたらし、それに基づいてヌクレオチド120を識別することができる。例示的に、第1の信号状態は電気信号または光信号を含むことができる。
さらに、持続性テザー部110の細長い本体113の1以上のレポーター領域114は、ヌクレオチド120が第2のポリヌクレオチド150の配列において次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的でないときを指し示すように構成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、開口部103内の1以上のレポーター領域114の位置はポリメラーゼ130の特定のコンフォメーションに基づくことができ、それはヌクレオチド120が第2のポリヌクレオチド150の配列において次のヌクレオチドとのマッチであるか、またはミスマッチであるかどうかに基づくことができる。マッチおよびミスマッチのヌクレオチド間のポリメラーゼコンフォメーションおよび動力学における相違に関してより一層詳細な点は、次の参考文献が参照され、それらのそれぞれの全体の内容は、ここに参照することによって組み込まれる:Freudenthal(フロイデンタール)ら、「New structural snapshots provide molecular insights into the mechanism of high fidelity DNA synthesis(新しい構造スナップショットは高忠実度DNA合成のその機構に分子洞察を提供する)」、DNA Repair(DNA修復)、doi:10.2016/j.dnarep/2015.04.007(2015年4月30日にオンラインで入手可能);Freudenthalら、「Watching a DNA polymerase in action(作用中のDNAポリメラーゼの観察)」、Cell Cycle(セル・サイクル)13:691-692、doi:10.4161/cc.27789(2014)、およびFreudenthalら、「Observing a DNA polymerase choose right from wrong(DNAポリメラーゼを観察することは正否を選択する)」Cell(セル)154:157-168、doi:10.1016/j.cell.2013.05.048(2013)。
例えば、図1Bに例示するように、ポリメラーゼ130は、ヌクレオチド120が第2のポリヌクレオチド150の配列において次のヌクレオチドとのマッチであることに基づいて修飾されたコンフォメーション130'を有することができ、これにより1以上のレポーター領域114が、開口部103内の位置に配置されるようにされ、それは、開口部103を通る独特なカレントまたはフラックスをもたらし、それに基づいて、ヌクレオチド120がマッチであると判定することができる。これに対して、図1Bに示すように、ポリメラーゼ130は、第2のポリヌクレオチド150の配列において次のヌクレオチドとマッチしないヌクレオチド120に基づいて修飾されたコンフォメーション130''を有することができ、その結果、1以上のレポーター領域114が開口部103内の位置に配置されるようにされ、それは開口部103を通した独特なカレントまたはフラックスをもたらし、それに基づいてヌクレオチド120がミスマッチであると決定することができる。
図1Bに例示する実施態様において、レポーター領域(群、複数でもよいことを示す)114は、一部分115および一部分122が互いに結合している間、マッチまたはミスマッチの指標を提供することができる。あるいは別法として、図1Dに例示するように、ポリメラーゼ130は再度、第2のポリヌクレオチド150の配列において次のヌクレオチドとマッチするヌクレオチド120に基づいて修飾されたコンフォメーション130'を有することができ、これによりレポーター領域(群)114が開口部103内の位置に配置されるようにされ、それは開口部103を通して独特なカレントまたはフラックスをもたらし、それに基づいてヌクレオチド120がマッチであるか、またはミスマッチであるかを決定することができる。しかし、一部分115および一部分122は、レポーター領域114がそのような指示を提供するためには必ずしも互いに結合する必要はない。例えば、一部分115と一部分122とは、例は、開口部103内の熱揺らぎに応答して、または第1の側101と第2の側102との間の十分な電位差の適用に応答して互いから解離することができ、および開口部103内のレポーター領域(郡)114の位置は、その一方で、一部分115および122が互いに解離し、ヌクレオチド120がマッチであるか、またはミスマッチであるかどうかを指し示すことができる。これと比較して、ヌクレオチド120がミスマッチである場合、そのとき、ポリメラーゼ130は、図1Cに示されるものと類似のコンフォメーション130''を有することができ、それは、開口部103内の位置にレポーター領域(群)114が配置されるようにし、それは、開口部103を通して独特なカレントまたはフラックスを生じさせ、それに基づいてヌクレオチド120がミスマッチであることを決定することができる。
さらに、ポリメラーゼ130は、ヌクレオチド120がマッチであることに基づいて、ヌクレオチド120を第1のポリヌクレオチドに組み込むことができ、およびヌクレオチド120から細長いタグ121を開裂させることができ、それは、ナノポア部100のシス側(例えば、第1の側)に拡散し得る。追加的に、ポリメラーゼ130は、ヌクレオチド120を第1のポリヌクレオチド140に好首尾に組み込むポリメラーゼ130に基づいて、2以上のリン酸サブユニット、例は、2、3、4、5、または6のリン酸サブユニットを有してよいポロホスファート(ピロリン酸、ピロリン酸塩とも言う)または他のリンオキシアニオン(phosphorous oxyanion)を放出することができる(具体的に図示していない)。さらに、ヌクレオチド120を第1のポリヌクレオチド140に好首尾に組み込まないポリメラーゼ130に基づいて、ポリメラーゼ130はピロリン酸を放出しない。
レポーター領域114は、ポリメラーゼ130によって作用されるヌクレオチド120に起因するか、または第2のポリヌクレオチド150の配列において次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的でないヌクレオチド120に起因する1以上の効果に基づいて、例は、ヌクレオチド120がポリメラーゼ130にか、またはポリメラーゼ130の活性部位に結合しているか、またはポリメラーゼ130の活性部位に存在するか、ポリメラーゼ130が第1のポリヌクレオチド140にヌクレオチド120を好首尾に組み込むか、または好首尾に組み込まないかの1以上の効果に基づいて、1以上のシグナルを生成するように構成される。そのような例示的な第2のシグナル状態の詳細については、以下に、図3、4A-4F、5A-5D、および6を参照してより一層詳細に説明する。第1のヌクレオチドがポリメラーゼ130によって作用されるかどうか、または第1のヌクレオチドが第2のポリヌクレオチドの次のヌクレオチドと相補的であるか、または相補的でないかどうか、または双方がポリメラーゼ130によって作用されるかどうか、および第1のヌクレオチドが第2のポリヌクレオチドの次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的でないかどうかは、1以上のシグナルに基づいて検出可能であることができる。例示的に、1以上のシグナルのそれぞれは、無関係に電気信号または光信号を含むことができる。
随意に、細長い本体113は、1よりも多くのレポーター領域を含むことができ、例えば、任意の適切な数のレポーター領域、例は、1、または2、または3、または4、または5、または5よりも多くのレポーター領域を含み得る。そのようなレポーター領域はそれぞれ、互いのレポーター領域と同じであってもよい。あるいは、そのようなレポーター領域の各々は、互いのレポーター領域と異なることができる。または、いくつかのレポーター領域は互いに同じであり得るが、その一方、いくつかのレポーター領域は互いに異なることができる。1つの例示的な、非制限的な例において、細長い本体113は、レポーター領域114を規定する1以上の無塩基ヌクレオチドが含まれるポリヌクレオチドを含む。無塩基ヌクレオチドは、例えば、Wilson(ウィルスン)、「Electronic Control of DNA Polymerase Binding and Unbinding to Single DNA Molecules Tethered in a Nanopore(ナノポアにつながれた単一のDNA分子へのDNAポリメラーゼの結合および結合解除の電子制御)」、Ph.D. Thesis(博士論文)、University of California Santa Cruz(カリフォルニア大学サンタクルーズ校)(2009)に記載されるように、ナノポア部の開口部内て検出することができ、その全体の内容は参照によりここに組み込まれる。例示的に、1以上の無塩基ヌクレオチドまたは他の適切なレポーター領域(群)114の移動または存在は、開口部103または狭窄部104を通してカレントにおいて測定可能な変化、開口部103または狭窄部104を通して分子のフラックスにおいて測定可能な変化、または光信号を生じることができる。例えば、開口部103または狭窄部104を通して分子のフラックスにおける変化は、電気的、化学的、生物学的、または光学的に検出することができる。
図1A-1Dにおいて例示する実施態様において、テザー部110の頭部領域111、尾部領域112、および細長い本体113は、任意の適切な材料または材料の組合せを含むことができる。例えば、頭部領域111は、化学結合を介して、例えば、共有結合、水素結合、イオン結合、双極子-双極子結合、ロンドン分散力、またはそれらの任意の適切な組合せを介して、ポリメラーゼ130に固定されるように構成することができる。例えば、頭部領域111は、ポリメラーゼ130の第2の一部分に結合、例えば、共有結合される第1の一部分を含むことができる。頭部領域111をポリメラーゼ130に固定することができる模範的な共有結合には、炭素-炭素結合、炭素-窒素結合、炭素-酸素結合、酸素-酸素結合、硫黄-硫黄結合、リン-酸素結合、リン-硫黄結合、アミド結合、チオエーテル結合、ヒドラジド結合、炭素-硫黄結合、およびオキシアミンとカルボニルとの反応(アルデヒドおよびケトン)、たとえば、ホスフィンおよびアジドなどのようなStaudinger(シュタウディンガー)試薬対の、または例えば、アジドおよびアルキンなどのようなクリック化学対から生じる結合が含まれる。しかしながら、付着は共有結合である必要はない。例えば、そのような付着は、頭部領域の第1のオリゴヌクレオチドのポリメラーゼ130の第2のオリゴヌクレオチドへのハイブリダイゼーションを通じて形成され得る。あるいは、そのような付着は、物理的または生物学的相互作用、例は、頭部領域の第1のタンパク質構造およびポリメラーゼ130の第2のタンパク質構造の間の相互作用を用いて形成することができ、それはポリメラーゼ130からの頭部領域の脱離を抑制する。例えば、頭部領域111は、第1のアルファヘリックスを含み得、およびポリメラーゼは、頭部領域111にロックして頭部領域111のポリメラーゼからの解離を抑制する第2のアルファヘリックスを含むことができる。受容体とリガンドとの間の相互作用もまた有用であり、その例には、アビジン-ビオチン、またはそれらの類似体;抗体-エピトープ;レクチン-炭水化物、およびその他同種類のものなどが含まれる。
細長い本体113は、頭部領域111に付着、例えば、共有結合されることができ、および尾部領域112は、頭部領域111から遠位の細長い本体113の端部を規定することができる。細長い本体113は、生物学的起源または非生物学的起源、またはそれらの組合せの任意の適切な物質を含むことができる。ここにより一層詳細に説明するように、細長い本体113には、ポリメラーゼ130が作用しているヌクレオチドが第2のポリヌクレオチド150の配列において次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的でないときを指し示す1以上のレポーター領域を含むことができる。ポリメラーゼ130が作用するヌクレオチド120の細長いタグ121と相互作用、例えば、結合することができる第1の一部分115を含むことができる。細長い本体113内に含めることができる模範的な生物学的物質には、生物学的ポリマー、たとえば、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖類、および上記のアナログなどのようなものが含まれる。細長い本体113内に適切に含めることができる模範的な合成ポリマーには、PEG(ポリエチレングリコール)、PPG(ポリプロピレングリコール)、PVA(ポリビニルアルコール)、PE(ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、PVC(ポリ塩化ビニル)、PS(ポリスチレン)、NYLON(脂肪族ポリアミド)、TEFLON(R)(テトラフルオロエチレン)、熱可塑性ポリウレタン、ポリアルデヒド、ポリオレフィン、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ω-アルケン酸エステル)、ポリ(アルキルメタクリレート)、および他の高分子化学的および生物学的リンカー、たとえば、Hermansonらの、上文にさらに記載されるものなどのようなものが含まれる。
ナノポア部100は、テザー部110の頭部領域111がポリメラーゼ130に固定化され、およびテザー部110の細長い本体113が、例えば、テザー部110内に存在し、例は、ナノポア部100の開口部103において配置され得るように、ポリメラーゼ130をナノポア部100の第1の側部101に隣接して配置することを可能にする任意の適切な構成を有することができる。いくつかの実施形態では、ナノポア部100は、生物学的ポア、固形状態のポア、または生物学的および固形状態のハイブリッドポアであることができる。生物学的ポアは、生物学的起源の1以上の物質から作られるポアを意味することを意図する。「生物学的起源」は、生物学的環境、たとえば、生物または細胞などのようなもの、または生物学的に利用可能な構造の合成的に製造された形態から誘導または分離された物質に言及される。生物学的ポアには、例えば、ポリペプチドポアおよびポリヌクレオチドポアが含まれる。
ポリペプチドポアは、1以上のポリペプチドから作製されるポアを意味することが意図される。1以上のポリペプチドには、モノマー、ホモポリマーまたはヘテロポリマーが含まれ得る。ポリペプチドポアの構造には、例えば、α-ヘリックス束ポアおよびβ-バレルポアならびに当技術でよく知られる他のすべてが含まれる。模範的なポリペプチドポアには、α溶血素、Mycobacterium smegmatis(マイコバクテリウム・スメグマチス)ポリンA、グラミシジンA、マルトポリン、OmpF、OmpC、PhoE、Tsx、F-線毛、SP1、ミトコンドリアポリン(VDAC)、Tom40、外膜ホスホリパーゼA、およびNeisseria autotransporter(ナイセリア・オートトランスポーター、髄膜炎菌)リポタンパク質(NaIP)が含まれる。「Mycobacterium smegmatis porin A(MspA)」は、マイコバクテリアによって産生される膜ポリンであり、親水性分子が細菌に侵入することを可能にする。MspAは、緊密に相互連結された八量体および膜貫通ベータ-バレルを形成し、それはゴブレットに似ており、および中心狭窄部が含まれる。α-溶血素に関するさらなる詳細については、米国特許第6,015,714号を参照され、その全体の内容は参照によりここに組み込まれる。SP1に関するさらなる詳細については、Wang(ワン)ら、Chem. Commun.(ケミカル・コミュニケーションズ)、49:1741-1743、2013が参照され、その全体の内容は参照によりここに組み込まれる。MspAに関するさらなる詳細については、Butler(バトラー)ら、「Single-molecule DNA detection with an engineered MspA protein nanopore(操作されたMspAタンパク質のナノポアを用いる単一分子DNA検出)」、Proc. Natl. Acad. Sci.(プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリカ)105:20647-20652(2008)およびDerrington(デリントン)ら、「Nanopore DNA sequencing with MspA(MspAによるナノポアDNAシーケンシング)」、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、107:16060-16065(2010)が参照され、それらの両方の全体の内容は参照によりここに組み込まれる。他のポアには、例えば、Norcadia farcinica(ノカルジア・ファルシニカ)由来のMspA相同体、およびリセニンが含まれる。リセニンに関するさらなる詳細については、PCT国際公開第WO 2013/153359号が参照され、その全体の内容は参照によりここに組み込まれる。
ポリヌクレオチドポアは、1以上の核酸ポリマーから作成されるポアを意味することが意図される。ポリヌクレオチドポアには、例えば、ポリヌクレオチドorigami(折り紙)を含むことができる。
固形状態のポアは、非生物学的起源の1以上の物質から作成されるポアを意味することが意図される。「固形状態」は生物学的起源ではない物質に言及する。固形状態のポアは、無機または有機物質で作ることができる。固形状態のポアには、例えば、窒化ケイ素ポア、二酸化ケイ素ポア、およびグラフェンポアが含まれる。
生物学的および固形状態のハイブリッドポアは、生物起源および非生物起源の両方の材料から作製されるハイブリッドポアを意味することが意図される。生物起源の物質は、上文で規定されており、および例えば、ポリペプチドおよびポリヌクレオチドが含まれる。生物学的および固形状態のハイブリッドポアには、例えば、ポリペプチド-固形状態ハイブリッドポアおよびポリヌクレオチド-固形状態ポアが含まれる。
異なるタイプのナノポアは、複数の観点で互いに異なる寸法を有することができることが理解されるべきである。例えば、図1Aに例示されるように、ナノポア部100は、ナノポア部100の厚さ、例は、開口部103に隣接する第1の側部101の外面および第2の側部102の外面の間の厚さを規定する第1の寸法H1を有するものとして特徴付けることができる。ナノポア部100が狭窄部104を含む実施態様において、ナノポア部100はまた、狭窄部の深さ、例は、開口部103に隣接する狭窄部104の第1の側101と最も狭い部分との間の深さを規定する第2の寸法H2を有するとして特徴付けることができる。ナノポア部100はまた、開口部103の直径、例は、開口部の最も広い点での開口部103の直径を規定する第1の直径D1を有するものとして特徴付けることもできる。ナノポア部100が狭窄部104を含む実施形態において、ナノポア部100はまた、狭窄部直径、例は、狭窄部の最も狭い点での狭窄部104の直径を規定する第2の直径D2を有するものとして特徴付けることができる。ナノポア部100のそのような寸法は制限的であると解釈すべきではなく、ナノポア部100の他の寸法を適切に規定することができることを理解されるべきである。例えば、ナノポア部100の第1の寸法H1は、例は、ナノポア部100が比較的厚いポアを配置された比較的薄いバリアを含む場合、横方向の寸法に沿って変化することができる。または、例えば、ナノポア部100が狭窄部104を含む実施形態では、ナノポア部100の第2の寸法H2は、狭窄部104の第1の側部101の外面に対する相対的な位置に依存して変化することができる。すなわち、狭窄部104は、ナノポア部100内の任意の適切な位置に位置させ配置することができ、および実際には、第1の側部101または第2の側部102の外面の遠位に配置することさえもできる。開口部103および狭窄部104は、必ずしも完全な円形である必要はなく、および他の任意の適切な寸法を使用するように特徴付けることができる。さらに、ナノポア部100は、複数の狭窄部を含むことができ、それらの各々は、適切な寸法を用いて適切に特徴付けることができる。
いくつかの実施形態では、ナノポア100の第1の寸法H1は、約100nm以下、または約50nm以下、または約20nm以下、または約10nm以下、または約5nm以下、または約2nm以下である。例えば、H1は、約2nmおよび約100nmの間、または約5nmおよび約50nmの間、または約10nmおよび約20nmの間であることができる。狭窄部104を含む実施形態において、ナノポア部100の第2の寸法H2は、約100nm以下、または約50nm以下、または約20nm以下、または約10nm以下、または約5nm以下、または約2nm以下、または約1nm以下である。例えば、H2は、約1nmおよび約100nmの間、または約2nmおよび約50nmの間、または約5nmおよび約20nmの間であり得る。例示的に、H1は約5nmおよび約50nmの間であり、およびH2は約1nmおよび約5nmの間であることができる。模範的な一実施形態においては、H1は約10nmであり、およびH2は約5nmである。別の模範的な実施形態においては、H1は約10nmであり、およびH2は約6nmである。別の模範的な実施形態において、H1は約10nmであり、およびH2は約7nmである。別の模範的な実施形態では、H1は約10nmであり、およびH2は約8nmである。別の模範的な実施形態では、H1は約10nmであり、およびH2は約9nmである。別の模範的な実施形態では、H1は約10nmであり、およびH2は約10nmである。別の模範的な実施形態では、H1は約5nmであり、およびH2は約2nmである。別の模範的な実施形態では、H1は約5nmであり、およびH2は約3nmである。別の模範的な実施形態では、H1は約5nmであり、およびH2は約4nmである。別の模範的な実施形態では、H1は約5nmであり、およびH2は約5nmである。「およそ」および「約」という用語は、述べられる値の上下10%範囲内を意味することが意図される。
いくつかの実施形態では、ナノポア部100の開口部103の第1の直径D1は、約100nm以下、または約50nm以下、または約20nm以下、または約10nm以下、または約5nm以下、または約2nm以下である。例えば、D1は、約2nmおよび約100nmの間、または約5nmおよび約50nmの間、または約10nmおよび約20nmの間であることができる。狭窄部104を含む実施形態において、ナノポア部100の狭窄部104の第2の直径D2は、約100nm以下、または約50nm以下、または約20nm以下、または約10nm以下、または約5nm以下、または約2nm以下、または約1nm以下である。例えば、D2は、約1nmおよび約100nmの間、または約2nmおよび約50nmの間、または約5nmおよび約20nmの間であり得る。例示的に、D1は約5nmおよび約50nmの間であり、およびD2(該当する場合)は約1nmおよび約5nmの間であり得る。
例示的な一実施形態では、D1は約5ないし10nmであり、およびD2は約1ないし1.2nmである。別の例示的な実施形態では、D1は約5ないし10nmであり、およびD2は約1.2ないし1.4nmである。さらに別の例示的な実施形態では、D1は約5ないし10nmであり、D2は約1.4ないし1.6nmである。さらに別の例示的な実施形態では、D1は約5ないし10nmであり、およびD2は約1.6ないし1.8nmである。さらに別の例示的な実施形態では、D1は約5ないし10nmであり、およびD2は約1.8ないし2.0nmである。ポアがMspAである例示的な実施形態では、D1は、例えば、約4.8nmであり、およびD2は、例えば、約1.1ないし1.2nmであり、H1は、例えば、約9.6nmであり、およびH2は、例えば、約7.9ないし8.1nmである。ポアがα-溶血素である例示的な実施形態では、D1は、例えば、約2.6nmであることができ、D2は、例えば、約1.4ないし1.5nmであることができ、H1は、例えば、約10nmであることができ、およびH2は、例えば、約5nmであることができる。他の適切な寸法の組合せが、他の種類のポアに対して適切に選択され得る。
持続性テザー部110の特性は、ナノポア部100の1以上の寸法に基づいて適切に選定することができる。例えば、テザー部110の細長い本体113は、D1またはD2、またはD1とD2の両方に基づいて選定される幅をもつことができる。例えば、細長い本体113の幅は、細長い本体113が開口部103内で可動であるように選定することができ、例えば、細長い本体113が開口部103の第1の直径D1よりも小さい幅を有する。狭窄部104を含む実施態様では、細長い本体113の幅はまた、細長い本体113の少なくとも一部分が、狭窄部104に隣接して移動可能であるように選定することができ、例えば、第2の直径D2に等しいか、またはそれより小さい幅を有する。随意に、狭窄部104を含む実施形態では、細長い本体113の幅は、細長い本体113の少なくとも一部分が狭窄部104を通して移動可能であるよう選定することができ、例えば、第2の直径D2よりも十分に小さい幅を有する。ナノポア部100が複数の狭窄部を含む場合(具体的には図示しないが)、そのとき、細長い本体113の幅は、細長い本体113がそのような狭窄部のいくらかまたはすべてを通して適切に移動可能なように選定することができる。
テザー部110の細長い本体113の長さは、H1またはH2、またはH1およびH2の両方に基づいて選定することができる。例えば、細長い本体113がH1よりも短くなるように選定することができ、その結果、尾部領域112は、細長い本体113が狭窄部104を通して第2の側部102に向けて十分に延びたとしてもナノポア部100の第2の側部102の外面を超えて延びない。または、例えば、狭窄部104を含む実施形態では、細長い本体113の長さはH2よりも短くなるように選定することができ、その結果、尾部領域112は、細長い本体113が第2の側部102に向けて十分に延びたとしても尾部領域112はナノポア部100の狭窄部104を超えて延びない。他の実施形態では、細長い本体113の長さはH1よりも長くなるように選定することができ、その結果、尾部領域112は、細長い本体113が狭窄部104を通して第2の側部102に向けて十分に延びた場合、ナノポア部100の第2の側部102の外面を超えて延びない。または、例えば、狭窄部104を含む実施形態では、細長い本体113の長さは、H2よりも長くなるように選定することができ、その結果、尾部領域112は、細長い本体113が第2の側部103に向かって十分に延びた場合、ナノポア部100の狭窄部104を超えて伸びる。
細長い本体113の長さは、細長い本体113の比較的自由な移動を、開口部103内で、ナノポア部100の少なくとも第1の側部101上で、実質的に立体障害または細長い本体自体によって引き起こされる他の干渉を実質的に伴わずに可能にするように選定することができる。すなわち、細長い本体113は、ナノポア部100の第1の側部101での開口部103の容量の一部分だけしか占有しないように、例えば、ナノポア部100の第1の側部101での開口部103の容量の50%未満しか占有しないように、またはナノポア部100の第1の側部101での開口部103の容量の20%未満しか占有しないように、またはナノポア部100の第1の側部101での開口部103の容量の10%未満しか占有しないように、またはナノポア部100の第1の側部101での開口部103の容量の5%未満しか占有しないように、またはナノポア部100の第1の側部101での開口部103の容量の1%未満しか占有しないように構成することができる。さらに、図1A-1Dに例示する実施形態では、テザー部110の尾部領域112は、ナノポア部100に、または任意の他の部材に結合されてない場合があり、従って、頭部領域111に関して細長い本体113の全体が比較的自由に動くことができる。図4A-4F、5A-5D、および6を参照する以下に記載するような実施態様において、尾部領域112は、ポリメラーゼ130のナノポア部100からの解離を抑制するように、別の部材に取り付けられ得る。
1つの非制限的な例において、1以上のレポーター領域114は、細長い本体113の並進、回転、またはコンフォメーション移動の運動または存在(またはそれらの組み合わせ)を促進することができ、それは、ヌクレオチド120に作用するポリメラーゼ130に応答するか、または第2のポリヌクレオチド140の配列において次のヌクレオチドに相補的であるかまたは相補的でないヌクレオチド120に基づくポリメラーゼ130のコンフォメーション変化に応答するか、またはヌクレオチド120に作用するポリメラーゼ130および第2のポリヌクレオチド140の配列において次のヌクレオチドに相補的であるかまたは相補的でないヌクレオチド120に基づくポリメラーゼ130のコンフォメーション変化の両方に応答する。一の模範的な実施形態では、開口部103の寸法D1は、細長い本体113の移動を測定するためにレポーター領域(群)の使用を容易にするように適切に選定される。例えば、開口部103は、1以上のレポーター領域114と測定可能に相互作用するようにレポーター領域(群)114の動きに対応して十分に狭くすることができる。一例として、レポーター領域114は、電気的またはフラックスブロッケード特性を有し、および開口部103は、レポーター領域(群)114の移動が開口部103を通したカレントまたはフラックスにおいて検出可能な変化を引き起こすように選定された幅を有する。例えば、より一層大きなヌクレオチド(例えば、AおよびGなどのようなもの)は、それらが開口部において配置されるとき、例えば、MspAの狭窄部において配置される細長いタグを有し、より一層小さな伸長タグを有するTと比較して、より一層多くのブロッケージをもたらし得る。オープンポア(開気孔とも言う)カレントまたはフラックスの%として、ブロッケージカレントまたはフラックスの模範的な範囲には、0ないし10%、10%ないし20%、20%ないし30%、30%ないし40%、40%ないし50%、60%ないし70%、70%ないし80%、80%ないし90%、および90%ないし100%が含まれる。1つの模範的な実施形態において、範囲は、MspAについて180mVのバイアスおよび110pAのオープンポアカレントまたはフラックスを有する300mMのKClにおいて20%および70%の間である。レポーター領域114の他の非制限的な例は、ここにおいてより一層詳細に提供される。
図1Aは、ナノポア部100、ポリメラーゼ130、および持続性テザー部110の構成要素の1つの模範的な配置を例示するが、他の配置を適切に使用できることを理解すべきである。たとえば、代わりに、ポリメラーゼ130で、それに固定された頭部領域111をもつものは、第2の側部102に隣接して配置することができる。または例えば、代わりに、持続性テザー110の尾部領域112をナノポア部100の第1の側部101に配置することができる。または例えば、代わりに、持続性テザー110の尾部領域112は、ナノポア部100の第1の側部101または第2の側部102のいずれかに、またはナノポア部100の第1の側部101または第2の側部102のいずれかに配置される別の部材に固定することができる。そのような特色の組合せのいくらかはここに、および参照によってここに組み込まれる仮特許出願に記載されるが、そのような特色の組合せのすべてが企図され、およびここでの教示に基づいて容易に想到され得ることを理解すべきである。
本細長い本体の長さは、本尾部領域がナノポア部100に対して任意の適切な位置に配置され得るように、適切に変動させ得る。例えば、細長い本体113は、尾部領域112が配置されるナノポア部100の第2の側部102を越えて、図1A-1Dに例示する様式において配置されるのに十分な長さである必要は必ずしもない。その代わりに、細長い本体113は、尾部領域112がナノポア部100の第1の側部101に配置されるように十分な長さであることができ、または尾部領域112がナノポア部100の第2の側部102に配置されるが第2の側部102を超えないように十分な長さであることができる。追加的に、本尾部領域は、必ずしも自由に伸びる必要はないが、代わりに任意の適切な部材に取り付けることができる。
さらに、任意の適切なタイプのナノポア部100、任意の適切なタイプのポリメラーゼ130、および任意の適切なタイプの持続性テザー部110がここに提供されるような実施態様、例えば、図1A-1Dに例示されるなどのようなものにおいて使用することができることが認められるべきである。例えば、さらに上記のように、ナノポアには、生物学的ポア、固体状態ポア、または生物学的および固形状態ハイブリッドポアが含まれ得る。例えば、ナノポア部100は、1以上の固形物質を含むことができる。固形状態のナノポアにおける使用に適した模範的な固形状態物質には、シリコン(Si)、窒化ケイ素(SiNまたはSiNx)、グラフェン、および酸化ケイ素(SiO2またはSiOx)が含まれる。固形状態ナノポアに関するさらなる詳細については、以下の参考文献を参照し、それらのそれぞれの全体の内容はここに参照することによって組み込まれる:Dekker(デッカー)、「Solid-state nanopores(固形状態のナノポア)」、Nature Nanotechnology(ネイチャー・ナノテクノロジー)2:209-215(2007); Schneider(シュナイダー)ら、「DNA Translocation through Graphene Nanopores(グラフェン・ナノポアによるDNA転位)」、Nano Letters(ナノ・レターズ)10:3163-3167(2010);Merchant(マーチャント)ら、Nano Letters 10:2915-2921(2010);およびGaraj(ガラ)ら、「Graphene as a subnanometre trans-electrode membrane(サブナノメートル・トランス-電極膜としてのグラフェン)」Nature(ネイチャー)467:190-193(2010)。生物学的ポアには、例えば、ポリペプチドポアおよびポリヌクレオチドポアが含まれる。生物学的ポアは、生物学的起源の膜、または固形状態膜を含むバリア内に配置することができる。生物学的ナノポアの非制限的な例には、MspAおよびアルファ溶血素が含まれる。生物学的起源の模範的な膜には、脂質二重層が含まれる。模範的な固形状態膜には、シリコンおよびグラフェンが含まれる。模範的なハイブリッドナノポアおよびその調製に関するさらなる詳細については、以下の参考文献を参照し、それらのそれぞれの全体の内容はここに参照することによって組み込まれる:Hall(ホール)ら、「Hybrid pore formation by directed insertion of alpha hemolysin into solid-state nanopores(アルファヘモリシンの固形状態ナノポアへの直接挿入によるハイブリッドポア形成)」、Nature Nanotechnology、5:874-877(2010)およびCabello-Aguilar(カペヨ-アギラール)ら、「Slow translocation of polynucleotides and their discrimination by α-hemolysin inside a single track-etched nanopore designed by atomic layer deposition(原子層堆積によって設計された単一のトラックエッチングされたナノポア内のポリヌクレオチドの低速転座およびα-溶血素によるそれらの識別)」Nanoscale(ナノスケール)5: 9582-9586(2013)。
例えば、図7A-7Dおよび8を参照して以下により詳細に説明するなどのようないくつかの実施形態では、図1A-1Dにおいて例示するポリメラーゼ130は随意に、図1A-1Dに例示する組成の使用中に1以上の反応パラメーターを遅らせてポリヌクレオチドを配列決定するように修飾することができる。例えば、ポリメラーゼ130は随意に、ヌクレオチド130の第1のポリヌクレオチド140への組み込みに応答するピロリン酸の放出を遅らせるように修飾することができる。
さらに、テザーのヘッド基は、任意の数の方法においてポリメラーゼに付着され得ることが認められるべきである。例えば、上記のHermansonによって記載されるなどのようなよく知られるバイオコンジュゲート化学を用いることができる。例示的な実施形態では、ポリメラーゼは、アタッチメント(連結部とも言う)、例えば、システインなどのようなもの、またはペプチドリンカー、例えば、SpyTag(スパイタグ)などのようなものを形成するための化学的部分が含まれる。スパイタグおよびその連結部を形成するためのその使用に関するさらなる情報は、例えば、以下の参考文献に見出すことができ、それらの各々の全体の内容は参照によりここに組み込まれる:Zakeri(ツァケリ)ら、「Peptide tag forming a rapid covalent bond to a protein, through engineering a bacterial adhesin(細菌のアドヘシンを工学的に操作することを通して、タンパク質に急速共有結合を形成するペプチドタグ)」、Proc. Nat. Acad. Sci. USA(プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリカ)、109:E690-E697(2012)およびFierer(フィエラー)ら、「SpyLigase peptide-peptide ligation polymerases affibodies to enhance magnetic cancer cell capture(磁気ガン細胞捕獲を増強するためのスパイリガーゼペプチド-ペプチド連結ポリメラーゼアフィボディ)」、Proc. Nat. Acad. Sci. USA、111:E1176-E1181(2014)。他の模範的なリンカーリンカーには、次の:NHS-エステル、イソシアナート、およびアミンへのイソチシアネートリンカーコンジュゲーション、マレイミドからシステインへ、アジドを用いるアルキンへのクリックケミストリー、Halotag(ハロタグ)、融合タグでSpycatcher-Spytag(スパイキャッチャ-スパイタグ)などのようなものの使用、および他の同様のタンパク質-タンパク質バイオコンジュゲーション方法が含まれる。使用することができる模範的な連結についてのさらなる情報に関しては、以下の参考文献を参照し、それらのそれぞれの全体の内容が参照することによってここに組み込まれる:Hermanson、Bioconjugate Techniques、2nd Ed.Elsevier、2008;およびLiu(リュー)ら、「Specific Enzyme Immobilization Approaches and Their Application with Nanomaterials(特異的酵素固定化アプローチおよびそれらのナノ材料による応用)」、Topics in Catalysis(トピックス・イン・カタリシス)55(16-18):1146-1156(2012)。
ここで、ナノポアに隣接するポリメラーゼに固定されたテザーを用いてポリヌクレオチドを配列決定するための模範的なシステムを、図2A-2Bを参照して説明する。図2Aは、システム270を概略的に例示し、それには、組成、たとえば、図1A-1Dにおいて例示するなどのようなもの、および細長い本体113の第1の一部分115の、ヌクレオチド120の細長いタグ121への結合の一方または双方に基づいてカレントまたはフラックス状態を測定するように構成された測定回路(例えば、電気的または光学的測定回路)で、それによってポリメラーゼ130が作用され、およびそのヌクレオチドが第2のポリヌクレオチドの配列において次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的でないとき、1以上のレポーター領域114による指示が含まれる(第2のポリヌクレオチドは図2Aには具体的に示されていないが、図1A-1Dに示されるように類似して構成することができる)。システム270は、ナノポア部100、持続性テザー部110、ヌクレオチド120、および測定回路230を含む。ナノポア部100は、第1の側部101、第2の側部102、開口部103、および狭窄部104を含む。持続性テザー部110は、頭部領域111、尾部領域112、および細長い本体113を含む。ヌクレオチド120は、細長いタグ121および第2の一部分122を含む。ポリメラーゼ130は、ここでの他の箇所に記載されているのと類似して構成することができる。さらに、細長い本体113は、ポリメラーゼ130が作用するヌクレオチド120の細長いタグ121に結合するように構成される第1の一部分115、ならびにヌクレオチド120が第2のポリヌクレオチドの配列において次のヌクレオチドといつ相補的であるか、または相補的でないかを指し示すように構成されるレポーター領域(群)114を含むことができる(具体的には、図2Aには例示しないが、図1A-1Dを参照して上述のように類似して構成することができる)。
1つの例示的な例では、ナノポア100、テザー110、ヌクレオチド120、ポリメラーゼ130、および第1および第2のポリヌクレオチドで、例えば、図1A-1Dに例示するなどのようなものは、導電性流体、例えば、塩水溶液に浸漬することができる。測定回路230は、第1の電極231および第2の電極232と連通することができ、および第1の電極231と第2の電極232との間に電圧を印加して、ナノポア100を横切って電圧を付与するように構成することができる。直流(DC)または交流(AC)電圧のいずれをも適切に使用することができる。いくつかの実施形態では、測定回路230は、さらに、第1の電極231および第2の電極232を使用して、開口部103を通るカレントまたはフラックスの大きさを測定するように構成することができる。いくらかの実施態様において、測定回路230は、さらに、光学的、生物学的、または科学的センサを含むことができ、それらはそれぞれ、開口部203を通る分子フラックスの大きさを光学的、生物学的、または化学的に感知するように構成される。模範的な光学センサは、CCDsおよびフォトダイオードを含む。いくつかの実施形態では、測定回路は、光学的に検出可能なシグナルを生成するように、開口部103を通る分子フラックスと化学的または生物学的に反応する1以上の薬剤を含む。図2に例示するシステム270を使用して生成することができる模範的な信号(例えば、光学的または電気的信号)は、以下、図4Fおよび6を参照して説明される。
テザー110の細長い本体113の第1の一部分115は、ヌクレオチド120に作用するポリメラーゼ130に応答する少なくとも1のシグナルを生成するように構成されることができ、ヌクレオチド120がそのようなシグナルに基づき識別可能である。例えば、図1Bを参照して上述したように、および図2Aに例示するように、第1の一部分115は、例えば、細長いタグ121の第2の一部分122と相互作用する、例えば、それに結合する、例えば、ハイブリダイズすることができる。第1の一部分115の第2の一部分122への結合は、ナノポア100の狭窄部104を通過することが不可能であるように十分に大きなデュプレックス(二重鎖とも言う)を規定することができ、および代わりに、第1の電極231および第2の電極232がナノポア100を横切って適用される電圧の下で狭窄部104の内部またはそれに隣接して留まることができる。細長いタグ121の一部分122は、ヌクレオチド120が、開口部103を通したカレントまたはフラックスの状態に基づいて識別可能であるように、二重鎖を狭窄部104内に、またはそれに隣接して与えられるときに選定することができる。例えば、異なるタイプのヌクレオチド120(例えば、A、C、T、またはG)の各々は、互いに異なるそれぞれの細長いタグ121を含むことができ、例えば、各々は互いに異なる第1の一部分115の異なる部分に結合する異なる第2の一部分122を含む。1つの非制限的な例において、細長いタグ121は第1のヌクレオチド配列を含み、および第1の一部分115は第1のヌクレオチド配列に相補的な第2のヌクレオチド配列を含む。測定回路230は、開口部103を通して対応するカレントまたはフラックス状態を測定するように構成することができる。そのようなカレントまたはフラックス状態は、そのようなカレントまたはフラックス状態に基づいて識別可能な細長いタグ、ヌクレオチド120に基づくことができる。
例えば、第1のヌクレオチド120の細長いタグ121の一部分122(例えば、A、C、T、またはGのうちの1つ)は、第2のヌクレオチド120の細長いタグ121の一部分122であるのとは異なるヌクレオチド配列(例えば、A、C、T、またはGのうちの別のもの)、および第3のヌクレオチド120の細長いタグ122の一部分122であるものとは異なるヌクレオチド配列(例えば、A、C、T、またはGのさらに別のもの)、および第4のヌクレオチド120の細長いタグ122の一部分122であるものとは異なるヌクレオチド配列(例えば、A、C、T、またはGの残余の1つ)を含むことができる。例示的には、異なる一部分のそれぞれは、互いとは異なる第1の一部分115に結合(例えば、ハイブリッド形成)し、および得られる二重鎖が狭窄部104内に、またはそれに隣接して提供されるとき(またはさもなければ、狭窄部104と相互作用して)、互いに異なるカレントまたはフラックス状態がもたらされる。追加的に、または代替的に、結果として得られる二重鎖の狭窄部104において、またはそれに隣接しての提供は(またはさもなければ、狭窄部104と相互作用して)、開口部103内の位置でのレポーター領域114の配置を生じさせることができ、他の二重鎖であるのと異なり、そのヌクレオチドに対応するカレントまたはフラックス状態をもたらす。したがって、開口部を通したカレントまたはフラックス状態に基づいて、ポリメラーゼ130によって作用される特定のヌクレオチド120の細長いタグ122に対応して、そのようなヌクレオチドは識別可能である。
レポーター領域(群)114は、細長い本体113の1以上の他の領域とは異なる物理的、化学的、光学的、電気的、生物学的、または他の適切なフラックスブロッケード特性を有することができ、およびヌクレオチド120を識別するように、またはヌクレオチド120がポリメラーゼ130によって作用されるとき、または第2のポリヌクレオチドの配列において次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的でないときを指し示し(図2Aには特に示されていないが、図1A-1Dに例示されるように構成され得る)、または双方の、ヌクレオチド120を識別し、およびヌクレオチド120がポリメラーゼ130によって作用されるとき、または第2のポリヌクレオチドの配列における次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的でないときを指し示すことのために構成することができる。例えば、レポーター領域(群)は、作用されるヌクレオチドを個々に識別するか、またはそのヌクレオチドが第2のヌクレオチドの次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的でないかどうかを指し示し、または双方の、作用されるヌクレオチドを個々に識別し、およびそのヌクレオチドが第2のポリヌクレオチドの次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的でないかを個々に指し示すことの1以上の独特なカレントまたはフラックスシグネチャー(例えば、シグナル状態)を提供または生成することができる。例えば、レポーター領域(群)は、ポリメラーゼ130の活性部位によって結合され、またはそこに存在するヌクレオチド120のいくつか、またはすべてに応答してシグナル状態(例えば、カレントまたはフラックス状態)を生成することができ、ヌクレオチド120は配列決定されるポリヌクレオチドにおいて次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的でなく、またはポリメラーゼ130は、ヌクレオチド120を、第2のポリヌクレオチド中に、次のヌクレオチドを補完する位置で好首尾に組み込む(図2Aには具体的に示されていないが、図1A-1Dに例示されるように構成し得る)。
例えば、ポリメラーゼ130のコンフォメーション変化の大きさまたは持続時間(time duration、時間分とも言う)は、ヌクレオチド120が第2のポリヌクレオチドの次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的でないこと、および大きさまたは持続時間、または双方に応答することができ、その対応するシグナルは、ポリメラーゼ130のコンフォメーション変化に基づくことができる。例示的には、いくつかの実施形態において、測定回路130は、狭窄部104に対応するレポーター領域(群)114の位置を検出するように構成することができ、その位置は、ポリメラーゼ130が作用されるヌクレオチドが、第2のポリヌクレオチドの配列における次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的ではないときを指し示すことができる。例えば、レポーター領域(群)114の位置は、ポリメラーゼ130のコンフォメーション変化に基づくことができ、それは、ポリメラーゼ130がここでの他の箇所に記載されるような様式において第1のポリヌクレオチドにヌクレオチド120を好首尾に付加するときに起こりうる。追加的に、ここでの他の箇所に記載されているように、いくつかの実施形態では、狭窄部104に対応するレポーター領域(群)114の位置は、ヌクレオチド120の同一性に基づくことができる。したがって、特定のシグナル状態(例えば、カレントまたはフラックス状態)は、システム270によって測定されることができ(例えば、光学的にまたは電気的に)、双方の、ヌクレオチド120の同一性およびヌクレオチド120が配列決定されるポリヌクレオチドにおいて次のヌクレオチドに相補的であるか否かどうかを指し示すことができる。
別の例として、レポーター領域114は、細長い本体113の他のいくつかのか、またはすべての領域とは異なる物理的特性を有し得る。例えば、レポーター領域114は、細長い本体113の他の領域と比較されるように、開口部103を通して差動ブロッケージカレントまたはフラックスを生じさせることができる。追加的に、または代替的に、レポーター領域114は、細長い本体113のいくつかのか、またはすべての他の領域とは異なる電気的またはフラックスブロッケード特性を有することができる。例えば、レポーター領域114は静電荷を含むことができ、その一方で、細長い本体113の他の領域のいくつかか、またはすべては異なる静電荷を含むことができ、または荷電されないことができる(例えば、電気的に中性であってもよい)。あるいは、例えば、レポーター領域114は荷電されないことができ、その一方で、細長い本体113の他の領域のいくつかか、またはすべては静電荷を含み得る。あるいは、例えば、レポーター領域114は物理的特性を有することができる。物理的特性には、レポーター領域114の容量および形状が含まれる。1つの例示的な例では、開口部103内のレポーター領域114の移動は、開口部、またはその中の随意の狭窄部104を通したカレントまたはフラックスにおいて、測定可能な変化を、開口部または狭窄部を通してブロッケージカレントまたはフラックスを調整することによって引き起こす。あるいは、例えば、レポーター領域114は、化学的または生物学的検出を容易にする化学的または生物学的特性を有することができる。化学的または生物学的特性には、化学的または生物学的基、例えば、放射性基または酵素活性を有する基の存在が含まれる。
レポーター領域114の1以上の電気的、物理的、化学的、光学的、生物学的、または他のフラックスブロッケード特性は、開口部103または狭窄部104を通したカレントにおける測定可能な変化、開口部103または狭窄部104を通した分子のフラックスにおける測定可能な変化、または光信号を提供することができる。例示的な一例では、開口部103内のレポーター領域114の移動または存在は、開口部103または狭窄部104を通したカレントにおいての測定可能な変化を引き起こすか、または開口部103または狭窄部104を通した分子のフラックスにおいての測定可能な変化を引き起こし、そのフラックスにおいての変化は、電気的、化学的、生物学的、または光学的に検出可能であることができる。例えば、開口部103または狭窄部104内のレポーター領域114の存在または移動は、イオンカレントブロッケードまたは分子フラックスブロッケードを引き起こすことができ、それらは光学的、電気的、化学的、または生物学的に検出することができる。例示的には、トランス側での分子の勾配は、レポーター領域114によって部分的にブロックされ得る自然な分子フラックスを生成し得る。測定回路130は、そのような分子フラックスを、ルミネセンスのフラックス(例えば、蛍光または化学発光分子、または他の試薬の存在において化学発光性になる試薬のフラックス)を用いて非電気的に測定するように構成することができる。例えば、Ca2+は、ナノポアの一方の側から他方の側に流入し、そこではそれはカルシウム感受性色素、たとえば、Fluo(フルオ)-2、Fluo-4、Fluo-8、またはその種の他のものなどのようなものに遭遇することができ、蛍光を誘発することができる。使用することができる他の試薬対には、制限されないが、ルミノールおよび酸化剤、カルシウムおよびエクオリン、またはATPおよびルシフェラーゼが、2〜3の例を挙げると、含まれる。開口部または狭窄部を通した分子フラックスの光学的検出に関するさらなる詳細については、Ivankin(イワンキン)ら、「Label-Free Optical Detection of Biomolecular Translocation through Nanopore Arrays(ナノポアアレイによる生体分子転位のラベルフリー光学的検出)」、ACSNano(ACSナノ)8(10)10774-10781(2014)を参照し、その全体の内容は、ここに参照することによって組み込まれる。
非制限的な実施形態では、たとえば、図4A-4F、5A-5D、および6を参照して以下により一層詳細に説明するなどのように、ナノポア100を横切って十分に高い電圧を印加すると、第1の一部分115および第2の一部分122によって形成される二重鎖が互いに解離し、その後1以上のレポーター領域114は、ポリメラーゼ130のコンフォメーション状態に基づく開口部103内の位置に配置されるようになり得る。したがって、第1のシグナル状態に基づいて、ヌクレオチド120を識別することができ、および第2のシグナル状態は、ポリメラーゼ130のコンフォメーション状態を指し示すことができ、それは、ヌクレオチド120が第2のポリヌクレオチドの配列における次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的ではないときを指し示すことができる。ナノポア100を横切る電圧は、第1の一部分と第2の一部分の相互の繰り返しの結合を容易にするように繰り返し反転されることができ、続いて第1のシグナル状態の測定が続き、その後の第1の一部分および第2の一部分の互いからの解離が続き、次いで第2のシグナル所内の測定が、ポリメラーゼ130が作用されるヌクレオチド120を識別するために、望ましい回数続き、およびヌクレオチド120が第2のポリヌクレオチドの配列において次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的でないかどうかを決定するように、望ましい精度で続く。
この関連で、以前に知られるリアルタイム単一分子配列決定技術は、比較的エラーを起こしがちで、および比較的低い精度しか示さず、それは、そのような技術は実際に作用されるヌクレオチドが第2のポリヌクレオチドの配列において次の核酸に相補的であるか、または相補的でないかどうか、またはそのようなヌクレオチドが代わりにポリメラーゼおよびプライミングされた核酸との「ミスマッチ」複合体のメンバーである場合を十分に区別することができないかもしれないからである。対照的に、本発明の組成物、システム、および方法は、作用されるヌクレオチドを、例えば、第1のシグナル状態に基づいて識別することができ、およびまた、そのヌクレオチドが第2のポリヌクレオチドの配列において次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的でない(すなわち、マッチ)かどうかを、第2のシグナル状態に基づいて識別することができ、および従って、ポリヌクレオチド配列決定の精度を大いに高めることができる。たとえば、ここに提供されるなどのように、そのヌクレオチドが、第2のポリヌクレオチドの配列において次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的でないかどうかを指し示すシグナル状態を生成するための他のスキームは、同様にポリヌクレオチド配列決定の精度を大きく高めることができることが認められるべきである。
例えば、1以上のレポーター領域114のそれぞれは、細長い本体113のいくらかまたはすべての他の領域とは異なる物理的特性を有することができる。いくつかの実施形態では、レポーター領域(群)114は、細長い本体113の他の領域と比べ、開口部103を通して差動ブロッケージカレントまたはフラックスを生じることができる。追加的に、または代替的に、レポーター領域(群)114は、細長い本体113の他のいくらかのか、またはすべての領域とは異なる電気的またはフラックスブロッケード特性を有することができる。例えば、レポーター領域(群)114は、静電荷を含むことができ、その一方で、細長い本体113の他の領域のいくつかか、またはすべては、異なる静電荷を含むことができ、または非荷電であることができる(例えば、電気的に中性であり得る)。あるいは、例えば、レポーター領域(群)114は、非荷電であることができ、その一方で、細長い本体113の他の領域のいくつかか、またはすべては、静電荷を含むことができる。開口部103を通したカレントまたはフラックスの状態(例えば、大きさ)は、開口部103内のレポーター領域(群)114の位置に基づくことができ、それはポリメラーゼ130のコンフォメーション状態に基づくことができ、およびカレントまたはフラックス状態についての期間は、1以上のレポーター領域の位置の変化の持続時間に基づくことができる。1つの例示的な非制限的な例において、細長い本体113は、1以上のレポーター領域114を規定する1以上の無塩基ヌクレオチドが含まれるポリヌクレオチドを含む。
例示的な一実施形態では、ナノポア100は生物学的ナノポアである。生物学的ナノポアの非制限的な例としては、MspAおよびアルファ溶血素が含まれる。テザー111のレポーター領域114は、生物学的ナノポアの1以上の狭窄部104内にか、またはそれに隣接して配置されるように構成される1以上の無塩基残基を含み得る。いずれかのポアの狭窄部を通した1以上の適切に配置された無塩基残基の移動は、容易に検出可能なシグナル、例えば、狭窄部(群)104を通したカレントまたはフラックスの検出可能な変化をもたらし得る。生物学的ナノポア、例えば、MspAおよびα溶血素などのようなものは、レポーター領域(群)114の効果に焦点を当てるように働くことができる狭窄部を有利に含むことができる。例えば、MspAは、およそ1.2nmの直径およびおよそ0.5nmの長さを有する単一の狭窄部を含み、適切な空間分解能を提供することができ、それは、狭窄部を通したイオン性のカレントまたはフラックスブロッケードは、主として、ナノポアの狭い領域(狭窄部)を貫通する細長い本体セグメントに基づくからである。
1つの例示的な実施形態では、1以上のレポーター領域114は、静電気電荷およびシステム270によって生成される第1および第2のシグナル状態を含み、それはヌクレオチド120に作用するポリメラーゼにそれぞれ応答し(第1のシグナル状態について)、およびヌクレオチド120が第2のポリヌクレオチドの次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的でないときを指し示し(第2のシグナル状態について)、それぞれ狭窄部104を通したカレントまたはフラックスの状態を含む。しかしながら、測定回路230が、任意の適切なレポーター領域(群)の測定を容易にし、および必ずしも狭窄部104を通したカレントまたはフラックスの測定に基づくこと、またはレポーター領域(群)の移動においてさえも必要としない任意の要素または要素の組合せを含み、または連通することができることは理解するべきである。さらに、レポーター領域(群)114は、必ずしもテザー110に付着させる必要はなく、およびその代わりに作用されるヌクレオチド120または他の分子に付着させることができ、またはポリメラーゼ130に付着させることができる。例えば、He(ホー)らへの米国特許出願公開第2011/0312529号は、その全体の内容がここに参照することによって組み込まれ、それは、ポリメラーゼのコンフォメーション状態を指し示し、例えば、コンフォメーション標識することができる模範的な修飾ポリメラーゼを開示する。
1以上のレポーター領域、例えば、レポーター領域(群)114または組成物およびシステムの他の場所に配置されるレポーター領域の特定の特性は、それらのレポーター領域(群)の測定を容易にするためにシステム270の特定の構成に基づいて選定することができる。例えば、1以上のレポーター領域は、光学特性を有することができ、およびシステム270は、光学特性を測定するため、および1以上のシグナル状態を生成するために、ヌクレオチド120の識別性に、またはポリメラーゼ130が作用されるヌクレオチド120が、第2のポリヌクレオチドの配列において次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的でないときに(図2Aには具体的に示さないが、図1A-1Dを参照して記載するように構成することができる)基づき、またはポリメラーゼ130を作用されるヌクレオチド120が第2のポリヌクレオチドの配列において次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的でないときの双方に基づいて構成される光学センサを含むか、またはそれと連通することができる。1つの例示的な実施形態では、レポーター領域114または組成物およびシステムにおいて他の場所に配置される他のレポーター領域は、第1のFRET対パートナー、例えば、FRETドナーまたはアクセプターを含むことができ、それは対応する第2のFRET対パートナー、例えば、FRETアクセプターまたはドナーと相互作用し、測定回路230を構成して検出する特定の波長の光を放射することができる。または、例えば、レポーター領域114または組成物およびシステムの他の場所に配置される他のレポーター領域は、化学的または生物学的特性を有することができ、およびシステム270は、化学的または生物学的特性を測定するために構成され、およびポリメラーゼ130を作用されるヌクレオチド120が、第2のポリヌクレオチドの配列において次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的でないとき第2のシグナル状態を生成する化学的または生物学的センサ(図2Aには具体的に示さないが、図1A-1Dを参照して説明したように構成される)を含むか、またはそれと連通されることができる。別の例として、レポーター領域は、開口部または狭窄部を通した分子のフラックスを調節する分子フラックスブロッケードを提供することができ、そのフラックスは、光学的、電気的、化学的、または生物学的に検出され得る。
1つの非制限的な例において、測定回路230は、ヌクレオチド120を第1のポリヌクレオチドに好首尾に組み込むポリメラーゼ130に応答するピロリン酸または他のリンオキシアニオンの放出に応答してレポーター領域(群)114によって生成されるシグナル状態を測定するために構成することができる(特に図2Aに例示しないが、図1A-1Dを参照して説明したように構成することができる)。例えば、レポーター領域(群)114は、図11A-11Cを参照して以下に記載する方法と同様の方法でヌクレオチド120を第1のポリヌクレオチドに好首尾に組み込む、ポリメラーゼ130に応答して放出されるピロリン酸に結合するように構成することができる。
これに関して、ポリメラーゼ130は随意に、第一のポリヌクレオチドへのヌクレオチド120の組込みに応答してピロリン酸の放出を遅らせるように修飾し得ることに注目される。例えば、いくつかの実施形態では、ポリメラーゼ130には、修飾された組換えΦ29、B103、GA-1、PZA、Φ15、BS32、M2Y、Nf、G1、Cp-1、PRD1、PZE、SF5、Cp-5、Cp-7、PR4、PR5、PR722、またはL17ポリメラーゼが含まれる。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼ130には、次の:位置484でのアミノ酸置換、位置198でのアミノ酸置換、および位置381でのアミノ酸置換からなる群より選ばれる少なくとも1のアミノ酸置換または置換の組合せを有する修飾組換えΦ29DNAポリメラーゼが含まれ得る。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼ130は、E375Y、K512Y、T368F、A484E、A484Y、N387L、T372Q、T372L、K478Y、1370W、F198W、およびL381Aからなる群より選ばれる少なくとも1のアミノ酸置換または置換の組合せを有する修飾組換えΦ29DNAポリメラーゼを含み得る。ヌクレオチドのポリヌクレオチドへの組込みに応答するピロリン酸の放出を遅らせることができる模範的な修飾ポリメラーゼに関するさらなる詳細については、Bjornson(ビョルンソン)らへの米国特許第8,133,672号を参照し、その全体の内容はここに参照することによって組み込まれる。
別の非制限的な例において、測定回路230は、ヌクレオチド120を第1のポリヌクレオチドに好首尾に組み込むポリメラーゼ130に応答して、細長いタグ121の放出に応答して、レポーター領域(群)114によって生成されるシグナル状態を測定するように構成される(図2Aには特に例示しないが、図1A-1Dを参照して説明したように構成することができる)。例えば、レポーター領域(群)114は、ヌクレオチド120を第1のポリヌクレオチドに好首尾に組み込むポリメラーゼ130に応答して放出される細長いタグ121の一部分に結合するように構成することができる。例示的には、新たに開裂されたピロリン酸を認識し、およびオリゴヌクレオチドを曝露するためにコンフォメーション変化を起こすことができるアロステリックアプタマーがタグのリンカー部分上に位置する場合、このアプタマーは、取り込みが成功することによりテザーに結合するオリゴヌクレオチドを曝露することができる。この結合は新しいストリッピング信号状態を生成することができる。例えば、1つの非制限的な実施形態において、ヌクレオチドに付着した細長いタグは、図11A-11Cに示されるような様式でテザーとハイブリダイズすることが可能な2つの一部分を含むことができる。そのような一部分の1つは、ホスファート(リン酸塩)に近接することができ、および従ってテザーから離れ、およびポリメラーゼ活性部位の近くに保持されることができる。第2のそのような一部分は、ヌクレオチドに対して遠位であることができ、およびヌクレオチドがポリメラーゼ活性部位にある間にテザーに結合することが可能であり得る。ヌクレオチドが活性部位において保持され、および電圧サイクル(AC)、たとえば、ここの他の場所に記載されるなどのようなものが起こる限り、第1のストリッピング信号を遠位の一部分によって作り出すことができる。この遠位の一部分の信号は、活性部位においてヌクレオチドのタイプを指し示すことができる。ホスファート開裂および組込みを伴わないで活性部位を離れるヌクレオチドに基づいて、近位の一部分はテザーとハイブリダイズすることができ、およびヌクレオチドへのその残りの付着により影響を受けるストリッピング信号を生成し得る。そのような信号状態は組み込まれてないヌクレオチドを指し示すことができる。ホスファート開裂および取り込みが起こることに基づいて、近位の一部分はテザーとハイブリダイズすることができ、およびヌクレオチドはもはや存在しないので、異なるストリッピング信号を生成することができる。そのような信号状態はヌクレオチドの組込みおよびホスファート開裂の指示であることができる。
複数のポリヌクレオチドを互いに平行に配列決定するように、ナノポアのアレイを提供することができることが認められるべきである。例えば、図2Bは、ナノポアのアレイのそれぞれの開口部内の1以上のそれぞれのレポーター領域の動きを測定するように構成された測定回路240を含むシステム260の平面図を概略的に例示する。複数のシステム250は、そのそれぞれを、図2Aを参照して上述したシステム270と同様に構成することができ、互いに共通の基材において一体的に配置することができ、または別々に用意し、および互いに隣接して配置することができる。各システム250は、ナノポア100、テザー(テザーは具体的には図示されていない)、およびアドレス指定可能な電極241を含むことができる。測定回路240は、測定回路230と同様に構成することができ、各システム250の各アドレス指定可能な電極241と、適切な通信経路、たとえば、導体などのようなものを介して(単一のシステム250だけについて例示される通信)、および共通電極242と電気的に連通していることができる。測定回路240は、各ナノポア100を横切る電圧を、そのナノポアアドレス指定可能な電極241を横切り、および共通の電極242を横切る電圧を適用することによって選択的に適用されるように、および適用された電圧でそのナノポアを通してカレントまたはフラックスを選択的に測定するために構成することができる。類似アレイは、他のタイプの検出システム、例えば、光、化学、または生物学的検出システムのために容易に想定することができる。
ポリヌクレオチドを配列決定するためのいくつかの模範的な方法、およびこのような方法の間に使用することができる模範的な組成物について、次に説明する。一態様の下では、ある方法は、第1の側、第2の側、および第1および第2の側を通して拡がる開口部が含まれるナノポアを提供すること;複数のヌクレオチドを提供することであり、そこでは、各ヌクレオチドは細長いタグを含み;および第1および第2のポリヌクレオチドを提供することであり、第1のポリヌクレオチドは第2のポリヌクレオチドに相補的であることを含む。本方法はまた、ナノポアの第1の側に隣接して配置されるポリメラーゼを提供することを含むことができ、そのポリメラーゼは複数のヌクレオチドのヌクレオチドを第2のポリヌクレオチドの配列に基づいて第1のポリヌクレオチドに付加するように構成され、そこでは、ポリメラーゼは、ヘッド領域、テール領域、およびそれらの間に配置される細長い本体を含む持続性テザーに固定され、細長い本体はナノポアの開口部において生じる。本方法はまた、細長い本体上に配置される第1の一部分への細長いタグの結合に基づいて、第1のヌクレオチドがポリメラーゼによって作用されることを決定すること;および細長い本体上に配置される1以上のレポーター領域とともに、第1のヌクレオチドが第2のポリヌクレオチドの配列において次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的でないときを指し示すことを含むことができる。
例えば、図3は、ナノポアに隣接するポリメラーゼに固定されたテザーを含む組成物を用いてポリヌクレオチドを配列決定するための例示的な方法300を示す。方法300は、第1の側、第2の側、および第1および第2の側を通して拡がる開口部を含むナノポアを提供すること(ステップ301)を含む。ナノポアは、任意の適切な構成、例えば、図1A-1Dを参照して上述したなどのようなものを有することができる。例えば、図1Aに示すナノポア100は、第1の側101、第2の側102、および第1および第2の側を通して拡がる開口部103を含む。
また、ステップ301は、必ずしも必要ではないが、ナノポアを調製することを含むことができる。たとえば、ステップ301は、バリアを画定すること、およびバリア上またはそれにおいてナノポアを配置することを含むことができる。ナノポアを調製する方法は当技術において知られる。例えば、MspAナノポアを調製する例示的な方法は、Butlerら、「Single-molecule DNA detection with an engineered MspA protein nanopore」、Proc. Natl. Acad. Sci. 105:20647-20652(2008)において見出され、その全体の内容は参照によりここに組み込まれる。あるいは、例えば、アルファ溶血素ナノポアを調製する例示的な方法は、Howorkaら、「Sequence-specific detection of individual DNA strands using engineered nanopores」Nature Biotechnology 19:636-639(2001)において、およびClarke(クラーク)ら、「Continuous base identification for single-molecule nanopore DNA sequencing(単一分子ナノポアDNA配列決定のための連続塩基識別))」(Nature Nanotechnology 4:265-270(2009)において見出すことができ、それらの双方の全体の内容は参照によりここに組み込まれる。
図3に例示される方法300はまた、複数のヌクレオチドを提供することを含み、そこでは、各々のヌクレオチドは、細長いタグを含む(ステップ302)。例えば、図9Aは、図1A-1Dに記載されるテザー110の第1の一部分115とポリメラーゼ130が作用しているヌクレオチドを検出する際の使用中に相互作用する第2の一部分922が含まれる細長いタグ921を含む模範的なヌクレオチド920を概略的に例示する。図9Aに例示する非制限的な例において、模範的ヌクレオチド920、例えば、Tの細長いタグ921は、ヌクレオチド920のガンマホスファートに、例えば、デルタホスファート連結を介して付着するオリゴヌクレオチドの部分922を含むことができる。オリゴヌクレオチドの部分922は、テザー110の一部分115内の対応するヌクレオチドの配列にハイブリダイズするように選定される任意の適切なヌクレオチドの配列を含み得る。たとえば、図9Aにおいて例示するオリゴヌクレオチドの部分922は、模範的な配列5'CATAT3'を含むことができ、および一部分115は相補的配列5'ATGC3'を含むことができる。
各々の異なるタイプのヌクレオチドは、図9Aに例示するものに類似する様式において、図1に示されるものと類似の方法で、そのガンマホスファートに付着する対応した細長いタグを含むことができる。例えば、図9B-9Cは、ポリヌクレオチドを配列決定する際の使用中に模範的なテザーと相互作用するそれぞれの一部分が含まれる細長いタグを含む模範的なヌクレオチドを概略的に例示する。図9Bに示すように、A、T、C、およびGのヌクレオチドは、互いに異なる一部分、例えば、三角形、ダイヤモンド、四角形、および円形によってそれぞれ表されるようなものが含まれるそれぞれの細長いタグを含むことができる。特定の一部分は、持続性テザーの対応する一部分と相互作用、例えば、ハイブリッド形成するように適切に選定され得、およびテザーへの異なるそれぞれのコンフォメーション変化を誘導することができる。図9Cは、図9Bに例示する細長いタグに含めることができる一部分の非制限的な例を示す。そのような一部分の各々は、テザーの別の、それぞれのコンフォメーション変化を誘導するように、持続性テザーの対応する一部分の別の、それぞれの部分と相互作用、例えば、ハイブリダイズすることができる。
例えば、図9Dは、ヘッド領域911、テール領域912、および1以上のレポーター領域914および一部分915が含まれる細長い本体913を含む模範的なテザーを概略的に例示する。ヘッド領域911は、化学的なリンカー、たとえば、ポアでのシステイン(Cys)残基へのコンジュゲーションのための3'マレイミド(「Mal」)基などのようなものが含まれる。テール領域912は、帯電する5'リン酸基(「phos」)を含むことができ、および従って適用電圧に応答してポアの開口部を通してテザーの供給を助ける。細長い本体913は、ポリマー、例えば、ポリヌクレオチド、例えば、図9Cに例示するなどのようなものを含むことができ、または任意の他の適切なポリマー、例えば、生物学的ポリマーまたは合成ポリマーなどのようなものを含み得る。レポーター領域914には、「X」として表示される1つ以上の無塩基ヌクレオチドが含まれ、および1つの模範的な実施形態では、マレイミドから約14-15塩基に位置することができ、それは一定のナノポアタイプについてポアの口から約ポア狭窄部までの距離H2であり得る。一部分915は、ヌクレオチドの配列、例えば、GGGTATATを含むことができ、それとともに、作用されるA、T、C、およびGヌクレオチドに付着される部分のそれぞれが互いに異なるように相互作用、例えば、ハイブリダイズすることができる。
ここに提供されるように、ポリメラーゼに付着される持続性テザーの一部分および作用されるヌクレオチドの一部分の間の異なるタイプの相互作用は、それに基づいてヌクレオチドを識別することができるシグナル状態を生成し得るか、またはそれに基づいてそのヌクレオチドが、配列決定されるポリヌクレオチドにおいて次のヌクレオチドに相補的であるかどうかを決定することができる。図10A-10Bは、本発明のいくつかの実施形態による、ポリヌクレオチドの配列決定における使用中の模範的なヌクレオチドの細長いたタグの一部分とのハイブリダイゼーションに応答する模範的なテザーの動きを概略的に例示する。テザーのヘッド領域1011は、狭窄部1004を随意に含むナノポア100に隣接して配置されるポリメラーゼ1030に固定され、および細長い本体1013は、例えば、レポーター領域1014が狭窄部1014内にか、それに隣接して配置されるように、開口部1003を通して拡がる。図10A-10Bに例示する実施態様において、細長い本体1013には、ポリヌクレオチド、たとえば、ssDNAなどのようなものが含まれ、そのヌクレオチドは水平バー1016によって表される。レポーター領域1014は、ポリヌクレオチドの1以上の無塩基部位、例えば、ssDNAなどのようなものを含む。一部分1015には、ポリメラーゼ1030によって作用されるヌクレオチドの細長いタグの対応する一部分、例えば、ヌクレオチドの相補的な配列にハイブリダイズするように選定されるヌクレオチドの配列が含まれる(ヌクレオチドが作用され、およびその細長いタグは。図10A-10Bには具体的に示されていない)。
図10Aに例示するように、一部分1015が作用するヌクレオチドの対応する部分に結合する前に、ヌクレオチド1016は約5オングストロームだけ互いに離間される。さらに、ポリメラーゼ1030は、ポリメラーゼの活性状態において結合されないか、または存在しないヌクレオチドに対応するコンフォメーション状態を有することができる。図10Bに例示されるように、相互作用する、例えば、ハイブリダイズする部分1015に応答して、作用されるヌクレオチドの対応する部分、例えば、二本鎖DNA二重鎖を形成する部分に応答して、本部分1015内のヌクレオチド1016間の間隔は約3.3オングストロームまで減少する。テザーの長さの変化は、それぞれ一部分1015内に含まれるssDNAからの二本鎖DNA(dsDNA)および作用されるヌクレオチドのタグの一部分の生成によって誘導することができる。例えば、ssDNAは、ヌクレオチドあたり約1.5オングストロームだけdsDNAよりも長く、それは本システム、例えば、図2Aに例示されるシステム270または図2Cに例示されるシステム260の分解能限界内である。各ヌクレオチドは、一部分1015とのその一部分のハイブリダイゼーションの際の異なる長さのdsDNAを作り出すように選定される対応するオリゴヌクレオチドの一部分を含むことができ、したがって、ポリメラーゼ1050によって作用されるヌクレオチドに対応する距離だけテザーが短くされる。いくらかの実施態様において、十分トートな(張った)テザー、適用電圧に応答してポアを横切って延びるテザーなどのようなものの短縮の量の式は、次の:
Ds=N*(Lss-Lds) (1)
として表すことができ、式中、Nはハイブリダイズする塩基の数であり、Dsはそれいによってテザーが短くなる距離であり、LssはssDNAにおけるヌクレオチド間の長さ(およそ5オングストローム)であり、およびLdsはdsDNAにおいてヌクレオチド間の長さ(およそ3.3オングストローム)である。図10Bにおいて短い、黒い縦線は、テザーを短くし、およびレポーター領域1014を新しい位置に移動させる5塩基ハイブリダイゼーション事象を指し示す。6、7または8塩基の二重鎖は、図10(B)に示されるよりもさらに短く、たとえば、図9C-9Dにおいて例示するようにすることができる。
さらに、作用されるヌクレオチドが配列決定されるポリヌクレオチド(具体的に示されていないポリヌクレオチド)において次のヌクレオチドと相補的であるか否かに基づいて、ポリメラーゼ1030のコンフォメーションが変化し得る。例えば、図10Bに例示されるように、ポリメラーゼ1030は、配列決定されるポリヌクレオチドの配列において次のヌクレオチドと一致するヌクレオチドに基づいて修飾されたコンフォメーション1030'を有することができ、それは、レポーター領域(群)1014が、開口部1003内の位置で配置されるようにされ、それが開口部1003を通して独特なカレントまたはフラックスをもたらし、それに基づいて、そのヌクレオチドがマッチするかどうかを決定することができる。それに比較して、ポリメラーゼ1030は、配列決定されるポリヌクレオチドの配列において次のヌクレオチドに対してマッチでないヌクレオチドに基づいて異なる修飾コンフォメーション(例えば、コンフォメーション1030''、例えば、図10Cに例示されるなどのようなもの)を有することができ、それは、レポーター領域(群)1014が開口部1003内の位置に配置されるようにされ、そのことは、開口部1003を通して独特なカレントまたはフラックスをもたらし、それに基づいて、そのヌクレオチドがミスマッチであるかどうかを決定することができる。これに関して、特定のシグナル状態(例えば、カレントまたはフラックス状態)が、ヌクレオチドの同一性およびヌクレオチドのマッチまたはミスマッチのどちらかの双方を指し示すことができることに注目される。したがって、ヌクレオチドの同一性またはそのようなヌクレオチドがマッチか、またはミスマッチかどうかを表すことができる異なるシグナル状態は、必ずしも互いに異なる時間に生じる必要はなく、および実際には他のものと同時に起こり得ることを理解すべきである。例えば、測定されたシグナル(例えば、光学的または電気的)は、一よりも多くのシグナル状態(例えば、2つのシグナル状態)の複合体を含むことができ、それらのシグナル状態のそれぞれは、ヌクレオチドの同一性、またはそのようなヌクレオチドがマッチであるか、またはミスマッチであるかどうかについての一以上についての情報を提供する。
図9A-9Dに例示する一部分は、純粋に例示的であることを意図し、および本発明を制限するものではない。しかしながら、作用されるヌクレオチドに付着する一部分は、以下のパラメーターの1以上、および随意に以下のパラメーターのすべてを満足するように選ぶことができる:
1.互いに異なるタイプのヌクレオチドに付着する一部分は、互いに区別可能な方法で、例えば、ポアの狭窄部を通したカレントまたはフラックスの測定を介してテザーの一部分と相互作用することができる。
2.ヌクレオチドの一部分およびテザーの対応する部分の間の二重鎖の安定性は、「フリー(遊離)」ヌクレオチド(ポリメラーゼによって作用されないヌクレオチド、および従ってテザーと一時的に相互作用するヌクレオチド)に付着するそのような一部分は、テザーの一部分と短時間、例えば、1ミリ秒未満の間だけしか相互作用しない。例えば、ヌクレオチドの一部分およびテザーの一部分の間の二重鎖の安定性は、二重鎖のTmまたは融解温度として表すことができる。システムの動作温度は、約20℃、または室温であると予想される。約5-8ヌクレオチド長である一部分は、Tm<12℃をもつと予想され、それは、室温で十分に低い安定性を提供することができ、その「遊離」ヌクレオチドに付着する部分はテザーの一部分とわずかにしか相互作用しない。
3.ヌクレオチドの一部分およびテザーの対応する一部分の間の二重鎖の安定性は十分に高く、それは数ミリ秒間(例えば、1ないし30ミリ秒)にわたって組込み中にヌクレオチドがポリメラーゼによって作用され、および適所に保たれ、そのような作用は、テザーの一部分と比較してヌクレオチドの一部分の有効濃度を増加させ、二重鎖の有効Tmが20℃、または例えば、システムの予想される動作温度よりも高く、たとえば、それは30℃より高いか、または40℃より高いか、または50℃より高くなるように、一部分間の反応を推進し、および安定性を増加させる。
4.作用されるヌクレオチドの細長いタグの長さ、例えば、一部分およびガンマホスファートの間の長さは、一部分がテザーの対応する部分に安定にハイブリダイズするとき十分に長いものであることができ、ヌクレオチドに与える力は実質的にない。この長さが短すぎる場合、テザーはヌクレオチドの細長いタグに力を与えることができ、それは低下したポリメラーゼ効率をもたらすと予想される。
5.テザーがポリメラーゼに付着するとともに、ポリメラーゼの活性部位でのヌクレオチドがマッチか、またはミスマッチであるかどうかに基づいて、レポーターの位置が変動することが予想され得、なぜなら、ポリメラーゼのコンフォメーションは、配列決定されるポリヌクレオチドにおいて次のヌクレオチドに対するヌクレオチドの相補性、および従って開口部内のレポーター領域の相対的な位置、例えば、狭窄部に対する相対位置によって影響され得るからである。このようにして、ヌクレオチドの同一性ならびにヌクレオチドの相補性は、ポア狭窄部におけるレポーターの位置に基づいて識別することができる。
オリゴヌクレオチドを互いにハイブリダイズさせることについてのさらなる情報については、Turner(ターナー)らへの米国特許第8,652,779号を参照し、その全体の内容は参照によりここに組み込まれる。Turnerらによると、そのようなサイズスケールでは、オリゴヌクレオチドは、ポリメラーゼがヌクレオチドを組み込むことができるよりも約100倍速いその配置空間をサンプリングすべきである。そのような原理を本発明の組成に適用すると、作用されるヌクレオチドの一部分がテザーの対応する部分を、難なく「見つけ出」し、および相互作用し、そしてまた、その一部分が作用されるヌクレオチドから開裂されて後にテザーから解離する可能性が高いと考えられる。
図9Dに例示される模範的な一部分において、作用されるヌクレオチドに結合される各一部分は、5ないし8の間の塩基を含む対応するテザーの一部分915と単一のマッチングハイブリダイゼーションだけを有することが注目される。完全なハイブリダイゼーションが引き起こされない他のハイブリダイゼーションオプションが存在する一方、そのようなオプションは、十分な長さのオプションよりも著しく低い安定性しかないと予想され得る。
再び図1A-1Cを参照すると、ヌクレオチド120に対するポリメラーゼ130の作用は、テザー110の一部分115に比較的近接近して一部分122を維持することができ、一部分122および115の間で、目下ポリメラーゼ130によって作用されないヌクレオチドに付着する一部分に対して選択的に一時的なハイブリダイゼーションを誘発することができるオリゴヌクレオチド部分122の局所的濃度における一過性の増加がもたらされる。追加的に、上記に述べたように、ポリメラーゼ130は、ポリヌクレオチドにヌクレオチド120を組み込む際、細長いタグ121を開裂することができ、それに応答して、一部分122は一部分155から解離することができる。細長いタグを含むヌクレオチドを提供するための適切な方法は難なく想到することができる。
図3に例示する方法300はまた、第1および第2のポリヌクレオチドを提供することを含み、第1のポリヌクレオチドは第2のポリヌクレオチドに相補的である(ステップ303)。例えば、ステップ303は、配列決定されることが望ましい「標的」または「鋳型」とも称することができる第2のポリヌクレオチドを提供することを含むことができる。ステップ303はまた、第2のポリヌクレオチドに相補的であるが、第2のポリヌクレオチドよりも短いことができる第1のポリヌクレオチドを、既知の方法を用いて提供することを含むことができる。例示的には、第1のポリヌクレオチドは、第2のポリヌクレオチドの一部に相補的であり、および第2のポリヌクレオチドの一部分とハイブリダイズするプライマーを含むことができる。
図3に例示する方法300はまた、ナノポアの第1の側に隣接して配置されるポリメラーゼを提供することを含む(ステップ304)。ポリメラーゼは、複数のヌクレオチドのヌクレオチド(ステップ302で提供される)を、第1のポリヌクレオチド(ステップ303で提供される)に、第2のポリヌクレオチドの配列に基づいて(ステップ303においても提供される)、付加するように構成され得る。例示的な適切なポリメラーゼは、ここの他の箇所に記載されているか、または当技術で知られる。随意に、ポリメラーゼは、例えば、Heらの米国特許出願公開第2011/0312529号に記載されるように、ポリメラーゼのコンフォメーションに基づいてシグナルを生成するように、または例えば、米国特許第8,133,672号に記載されるように、ピロホスファートの放出を遅らせるように、修飾することができ、それらの双方の全体の内容はここに参照することによって組み込む。
さらに、ステップ304において提供されるポリメラーゼは、ヘッド領域、テール領域、およびその間の細長い本体を含む持続性テザーに固定することができ、細長い本体には、1以上のレポーター領域が含まれ、ヘッド領域には、ナノポアの第1の側または第2の側に、または隣接して固定される。テザーは、任意の適切な構成、例えば、図1A-1Dまたはここで提供する他のものを参照して上述したようなものを有することができる。例えば、テザーの細長い本体は、例えば、ナノポアの厚さを規定する第1の寸法H1よりも長い長さ、例えば、図1A-1Dに例示するようなものであり得る。あるいは、例えば、細長い本体は、ナノポアの厚さを規定する第1の寸法H1に等しい長さ、または第1の寸法H1よりも短い長さであってもよい。あるいは、例えば、狭窄部を含む実施形態では、細長い本体は、狭窄部の深さを規定する第2の寸法H2、例えば、図1A-1Dに例示するようなものよりも長い長さであってもよい。あるいは、例えば、狭窄部を含む実施形態では、細長い本体は、第2の寸法H2よりも短い長さであり得る。あるいは、例えば、1以上のレポーター領域は、ヘッド領域がポリメラーゼに固定されているときに、細長い本体が完全にまたは部分的に延びるように選定される細長い本体に沿った位置に配置することができ、ポリメラーゼはナノポアに隣接し、および細長い本体の第1の一部分115が細長いタグの第2の一部分122から解離し、レポーター領域(群)は、ナノポアの開口内に、例えば、狭窄部に隣接し、またはその中に、例えば、図1A-1Dに例示するなどのように位置可能(positionable)である。そのような特色の任意の適切な組合せは使用されることができる。
また、ステップ304は、必ずしも必要ではないが、テザーを用意することを含むことができる。例えば、ステップ304は、ヘッド領域、テール領域、および1以上のレポーター領域を規定するその部分を含む細長い本体を規定することを含むことができる。例えば、ここでの他の箇所に記載されるように、テザーはDNAを含むことができる。十分な長さのDNAオリゴヌクレオチドは、当技術でよく知られる手順を用いて調製することができる。例えば、5'または3'の第一級アミンを有するオリゴヌクレオチドは、販売者、たとえば、Integrated DNA Technologies, Inc.(インテグレーテッドDNAテクノロジー社)(Coralville(コラルビル)、IA(米国アイオワ州))などのようなものから商業上購入することができる。オリゴヌクレオチドは、1以上の無塩基の一部分を含むように順序付けることができ、それは、ここに記載の1以上のレポーター領域として使用することができる。二官能性リンカー、例えば、スルホ-SMCC(スルホスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシラート)などのようなものは、アミン反応基(NHS)およびチオール反応基(マレイミド)を含み、商業的供給源から、例えば、Thermo Fisher Scientific、Inc.(サーモ・フィッシャー・サイエンティフィク社)(Rockford(ロックフォード)、Illinois(米国イリノイ州))から難なく得ることができる。そのようなリンカーは、当技術でよく知られる適切な反応条件下でオリゴヌクレオチドと反応させて安定なアミド結合を形成することができる。未反応のスルホ-SMCCからオリゴヌクレオチドを精製した後、修飾オリゴヌクレオチド(今回そのマレイミド基によりチオール反応性であるもの)をポリメラーゼと反応させることができる。ポリメラーゼは、チオール(SH)基を還元形態で有する少なくとも1つの溶媒に接近可能なシステイン残基を含むように、予め調製することができる。還元された形態は、例えば、容易に入手可能な市販化合物である5mMトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)とのインキュベーションによって得ることができ、例えば、それは難なく入手可能な商業上の化合物である。修飾されたオリゴヌクレオチドは、マレイミドが安定なチオエーテル結合を形成するように、還元されたポリメラーゼと、そして当該分野でよく知られる反応条件下で、例えば、モル過剰で組み合わせることができる。ポリメラーゼ-オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、過剰の未反応オリゴヌクレオチドから精製することができる。別の例では、ポリエチレングリコール(PEG)に基づくテザー、例えば、マレイミド-PEGへの包含にとって適した化合物は、商業的供給元、例えば、Laysan Bio、Inc.(ライサン・バイオ社)(Arab(アラブ)、Alabama(米国アラバマ州))などのようなものから難なく入手可能である。例えば、マレイミドは、上記と類似の様式で還元されたシステインチオールにコンジュゲートすることができる。1以上の適切なレポーター領域をPEG内に画定することができる。別の例では、オリゴヌクレオチドとアルファ溶血素ナノポアとの間のジスルフィド結合は、ある様式、例えば、Howorkaら、「Kinetics of duplex formation for individual DNA strands within a single protein nanopore」、PNAS 98:12996-13301(2001)に記載されるようなものにおいて調製することができ、その全体の内容はここに参照することにより組み込まれる。
ステップ304は、テザーの細長い本体をナノポアの開口部内に配置することをさらに含むことができる。細長い本体の長さに基づいて、細長い本体は、必ずしも必要ではないが、ナノポアの開口部の全部を通って延びることができる。例えば、図1A-1Dを参照して上述したなどのような実施形態では、テザーの細長い本体は随意に、テザーのテール領域がナノポアの狭窄部(存在する場合)の他の側に配置されるのにテザーのヘッド領域のものより十分な長さであることができ、および随意にテザーのヘッド領域のようにナノポアの他の側を超えて配置することができる。例示的には、テザーの細長い本体は、テザーの細長い本体に適切な方向性の力を加えることによって、ナノポアの開口部内に配置することができる。例えば、電圧は、図2A-2Cを参照してここに説明されるような様式で、ナノポアを横断して印加されることができ、およびテザーの細長い本体は、電圧に基づいて、テザーのテール領域をテザーのヘッド領域が取り付けられている側とは反対側のナノポアの側に引き付ける少なくとも1つの荷電した一部分を含むことができ、またはそこでテザーのヘッド領域が第1の部材に取り付けられ、およびテザーの細長い本体のすべてまたは一部分をナノポアの開口部内に配置するようにテール領域の移動を引き起こす。
さらに、ステップ304は随意に、ポリメラーゼをナノポアの第1の側に隣接して配置することを含むことができる。例えば、ポリメラーゼは、化学結合、例えば、共有結合、水素結合、イオン結合、双極子-双極子結合、ロンドン分散力、またはそれらの任意の適切な組合せを用いて、ナノポアの第1の側に、または隣接して付着させることができる。あるいは、例えば、ポリメラーゼは、ナノポアの第1の側に、ポリメラーゼ上の第1のタンパク質構造および第1のナノポアにか、または隣接して付着する第2のタンパク質構造の間の相互作用を用いて結合させることができる。例えば、第1および第2の構造は、相互に連結するアルファヘリックスを含み得る。ナノポアの第1の側に隣接するポリメラーゼの付着は、ポリメラーゼがナノポアの第1の側に関して概ね固定された位置に保持されるように、持続性であり得る。
例示的な一実施形態では、ポリメラーゼの、またはナノポアのシステイン残基の還元チオール(-SH)基(またスルフヒドリル基とも呼ばれる)を、ポリメラーゼの、またはナノポアの他のチオール反応性基と反応させることができる。そのような基の例は、マレイミドおよびヨードアセトアミドを含む。より一層詳細には、www.lifetechnologies.com/us/en/home/references/molecular-probes-the-handbook/thiol-reactive-probes/introduction-to-thiol-modification-and-detection.html#head2に記載されているように、ヨードアセトアミド、マレイミド、ベンジルハライド、およびブロモメチルケトンを含め、一次チオール反応性試薬を、安定なチオエーテル生成物を生成するために、チオールのS-アルキル化によって反応することができ;アリール化試薬、例えば、7-ニトロベンズ-2,1,3-オキサジアゾール(NBD)ハライド(ハロゲン化物とも言う)などのようなものは、芳香族ハライドの求核試薬による類似の置換によってチオールまたはアミンと反応することができ;およびなぜなら、チオラートアニオンは中性チオールより良好な求核試薬であるためであり、システインはより一層反応性でそのpKaよりも高い。さらに、www.piercenet.com/method/sulfhydryl-reactive-crosslinker-chemistryにてより一層詳細に記載されているように、スルフヒドリル反応性化学基には、ハロアセチル、マレイミド、アジリジン、アクリロイル、アリール化剤、ビニルスルホン、ピリジルジスルフィド、TNB-チオール(2-ニトロ-5-チオ安息香酸)、およびジスルフィド還元剤が含まれ;そのような基は、アルキル化(例えば、チオエーテル結合の形成を介して)またはジスルフィド交換(例えば、ジスルフィド結合の形成)を介してスルフヒドリルに結合することができる。また、スルフヒドリル交換反応も適切に使用することができる。あるいは、アミン(-NH2)を標的にすることができる。例えば、リジン残基およびポリペプチドN-末端の第一級アミンは、比較的反応性である。アミン残基は、安定なアミド結合を形成することができるN-ヒドロキシスクシンイミドエステル(NHSエステル)、または一級アミンと反応してアミジン結合を形成することができるイミドエステル架橋剤で標的化することができる。多くの他のアミン反応性化合物が存在する。例えば、www.piercenet.com/method/ amine-reactive-crosslinker-chemistryに記載されているように、第一級アミンと化学結合を形成し得る合成化学基には、イソチオシアナート、イソシアナート、アシルアジド、NHSエステル、塩化スルホニル、アルデヒド、グリオキザール、エポキシド、オキシラン、カーボナート、アリールハライド(ハロゲン化アリール)、イミドエステル、カルボジイミド、無水物、およびフルオロフェニルエステルが含まれ;そのような基は、アミンに、例えば、アシル化またはアルキル化を介して結合することができる。さらに他の実施形態では、修飾されたアミノ酸残基を使用して、クリック化学で使用されるアジドまたはアルキンのような新規な官能基を導入することができる。例えば、チオールまたはアミン反応性、例えば、上記などのようなものを、クリック化学反応でさらに使用されるアジドまたはアルキン官能性の付加を可能にするリンカーと共に使用することができる。
図3に示すステップ304は、随意にテザーのテール領域を、ナノポアの第1の側または第1の側の他方または第2の側または第2の部材に取り付けることをさらに含むことができる。任意の適切なアタッチメント、例えば、ここに提供され、または当技術で知られるなどのようなものを、適切に使用することができる。例えば、ステップ304は、随意にテザーのテール領域をナノポアの第2の側に取り付けることを含むことができる。あるいは、例えば、ステップ304は、随意に、テザーのテール領域を、ヘッド領域の反対側のナノポアの側にて配置される第2の部材(例えば、オリゴヌクレオチドなどのようなもの)に取り付けることを含むことができる。これに関して、ポリメラーゼ130がナノポアに結合したままであるためには、必ずしもポリメラーゼ130がナノポアの第1の側に固定される必要はないことに注目される。例えば、いくつかの条件下で、テザーの細長い本体への方向性の力の適用は、テザーのすべてをナノポアの開口部内に配置するように、テール領域の移動を引き起こし得る。十分に大きな力は、テザーに付着するポリメラーゼがナノポア内またはナノポア上に一時的に留まるようにする可能性がある。物理的構成に関して制限されることを意図するものではないが、その結果は、ポリメラーゼによるナノポアの「コーキング(コルク化とも言う)」と呼ばれ得る。テザーへの力を制限すること(例えば、ナノポアを横切って180mV未満を適用すること)、力がシステムに加えられる時間を制限すること、またはコーキング相互作用が避けられるのに十分に大きなタンパク質を使用することによって、コーキングを抑制または回避することができる。代替的または追加的に、逆電圧をシステムに適用して、タンパク質とナノポアとの間の相互作用を逆転させることができる(「アンコーキング」と称される)。コーキングを抑制または回避する、またはアンコーキングを容易にする別の選択肢は、2つの成分間の電荷親和性を減少させるために、タンパク質の表面上のナノポア開口部または相補的電荷から荷電したアミノ酸を除去することである。タンパク質の球状構造を安定化させるために、タンパク質の構造への架橋を加えること(例えば、ジスルフィド架橋または化学的架橋剤のための操作されたシステイン対)がさらに有益であり得る。
コーキングは、ナノポアシステムの他の構成から生じるパターンとは異なる特徴的なカレントまたはフラックスパターンに基づいて観察することができる。明確なパターンは、例えば、ナノポアシステムに正または負のバイアスを適用する場合に観察することができる。したがって、タンパク質に付着し、およびナノポア内腔に配置されるテザーを介してナノポアに局在するタンパク質を含むシステムの組み立てまたは使用中にカレントまたはフラックスパターンを検出することができる。パターンの検出は、組立体を監視し(例えば、コルクを回避するために)、アンコーキングを案内し、またはさもなければ望ましい組立体を最適化するために使用される。
テザーのヘッド領域がポリメラーゼに付着されるので、そのような方向性の力はまた、ポリメラーゼを、ある様式、例えば、ここに記載され、図1A-1Dを参照されるなどのようなものにおいて、ナノポアの開口部に隣接するか、または完全または部分的にその中に配置されることができる。例えば、テザーのヘッド領域が第1の部材に取り付けられる反対側のナノポアの側に向かうテール領域の誘引(attraction、引っ張りとも言う)は、第1の部材を、ナノポアの開口部に隣接する位置への移動を引き起こし得るか、または完全にまたは部分的にナノポアの開口部内に配置される。ポリメラーゼがこのような位置にある間、テザー110のテール領域112は、別の部材に固定されることができ、例えば、テザーのテール領域112上のオリゴヌクレオチドに相補的なあるオリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることができ、およびテール領域112のそのような固定は、ナノポア100からのポリメラーゼの解離を抑制することができる。
図3に例示する方法300は、また、細長い本体上に配置される第1の一部分への細長いタグの結合に基づいて、第1のヌクレオチドがポリメラーゼによって作用されることを決定することを含む(ステップ305)。例えば、図1A-1Dおよび図2A-2Bを参照して上述したように、細長い本体の第1の一部分115と細長いタグの第2の一部分122との間の結合は、第1の信号状態、例えば、検出可能な第1の電気的または光学的信号状態を生じる二重鎖を規定することができ、それは、適切な測定回路、例えば、図2Aに示す測定回路230または図2Bに示す測定回路240によって測定可能である。異なるヌクレオチドは、互いに異なる一部分122を含むことができ、それらの一部分は互いに異なる信号を生成し得、従って得られる信号に基づいてポリメラーゼ130によって作用される特定のヌクレオチドの識別が容易にされる。
図3に例示する方法300は、また、細長い本体に沿って配置された1以上のレポーター領域とともに、第1のヌクレオチドが第2のポリヌクレオチドの配列において次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的でないときを指し示すことを含む(ステップ306)。例えば、図1A-1Dおよび図2A-2Cを参照して上述したように、レポーター領域(群)は、例えば、ポリメラーゼのコンフォメーション変化、ピロリン酸または他の適切なリン酸オキシアニオン、ヌクレオチドの細長いタグの放出、またはその種の他のものなどに基づいて、第2のポリヌクレオチドにおいて次のヌクレオチドに相補的である第1のヌクレオチドに応答する信号状態を生成するように構成することができる。
例えば、ポリメラーゼは、ポリメラーゼがヌクレオチドに結合しない「オープン状態(開状態)」と呼ばれる状態と、ポリメラーゼがヌクレオチドに結合する「クローズ状態(閉状態)」との間で推移することができる。例えば、Xia(シァ)ら、「Alteration in the cavity size adjacent to the active site of RB69 DNA polymerase changes its conformational dynamics(RB69 DNAポリメラーゼの活性部位に隣接する空洞サイズの変化は、そのコンホメーションダイナミクスを変化させる)」、Nucl. Acids Res.(ヌクレイック・アシッズ・リサーチ)(2013)、nar.gkt674を参照し、その全体の内容はここに参照することによって組み込まれる。また、Santoso(サントーソー)ら、「Conformational transitions in DNA polymerase I revealed by single-molecule FRET(単分子FRETによって明らかにされたDNAポリメラーゼIにおけるコンフォメーション推移)」、Proc. Natl. Acad. Sci. U S A、107(2):715-720(2010)を参照し、その全体の内容はここに参照することによって組み込まれる。
ポリメラーゼが開状態から閉状態に移行するとき、またはポリメラーゼが編集モードに切り替わるとき、ヌクレオチド組み込みの触媒サイクルの間に、数ナノメートルのオーダのコンフォメーション変化が起こることが知られる。例えば、図7A-7Bは、2つの異なるポリメラーゼにおける比較的大きなポリメラーゼコンフォメーション変化(>1nm)を模式的に示す。図7Aは、Xiaらによって記載されているように、サム(親指)ドメインとフィンガードメインとの間の相対運動を生じる比較的大きなコンフォメーション変化を示すRB69ポリメラーゼを例示し、オープンとクローズのコンフォメーションとの間で3nmを超える移動が経験される。図7Bは、Santosoらによって開示されるように、ヌクレオチド取り込みの間にコンフォメーション変化を受けるPol I(クレノウ断片、またはKF)を例示する。ポリメラーゼのα-炭素骨格はベージュ色で示される。DNA鋳型鎖はダークグレーであり、プライマー鎖はライトグレーである。活性部位の末端塩基対はマゼンタである。Santosoによれば、2つの側鎖のβ炭素は、ポリメラーゼの配座変化を測定するために、グリーンおよびレッドの球体として示されるフルオロフォア付着部位として使用された。矢印は、オープンおよびクローズドのコンフォメーションにおけるグリーンおよびレッドのCβ位置の間のオングストローム単位での距離を示す。例えば、Olsenら、「Electronic Measurements of Single-Molecule Processing by DNA Polymerase I (Klenow Fragment)(DNAポリメラーゼI(クレノウフラグメント)による単一分子プロセシングの電子測定)」、JACS 135:7855-7860(2013)に記載されているように、ポリメラーゼのコンフォメーション変化が取り込まれるヌクレオチドの同一性に依存し得るという証拠も存在し、その全体の内容はここに参照することによって組み込まれる。本開示のナノポアの実施形態では、テザーがサムドメインに取り付けられる一方で、サムドメインをナノポアに固定することができる。あるいは、テザーがフィンガードメインに取り付けられる一方で、サムドメインをナノポアに固定することができる。いずれの構築物においても、ポリメラーゼ活性の間にフィンガーおよびサムドメインの間に生じる相対的な動きは、テザーおよびナノポアの間の相対的運動として検出され得る。ここに引用した参考文献において光学的プローブ(例えば、FRET対)を取り付けるのに使用される付着化学物質は、ここに記載のナノポアの実施形態で使用することができる。テザーおよびナノポアの間の相対運動として、ポリメラーゼでのコンフォメーション変化が確実に伝達される限り、ポリメラーゼ-ナノポア構築物において他の付着点を使用することができる。
図7C-7Dは、ナノポアに隣接して配置され、およびヌクレオチドでのポリメラーゼの作用に応答するポリメラーゼのコンフォメーション変化を検出するのに使用されるように構成された、ポリメラーゼに付着された持続性テザーを含む例示的な組成物を概略的に例示する。ナノポアは、バリア(具体的には図示しない)、例えば、生物学的起源の膜、例えば、脂質二重層または固体膜などのようなものに配置することができる、生物学的ポア605を含む。持続性テザーは、ヘッド領域611、細長い本体613、および1以上のレポーター領域(群)614を含む。ポリメラーゼ650は、生物学的ポア605に隣接して配置され、および随意に、生物学的ポア605に付着され得る。ポリメラーゼ650は、鋳型ポリヌクレオチド、例えば、シーケンシングされる環状または線状のssDNAを受容して、ssDNAの配列に従いポリヌクレオチドに対してヌクレオチドを連続的に受容し、結合し、および付加することによってssDNAのものと相補的な配列を有するポリヌクレオチドを合成するように構成される。持続性テザーのヘッド領域611は、例えば、ヌクレオチドの受容、ヌクレオチドの結合、またはポリヌクレオチド660へのヌクレオチドの付加に応答してコンフォメーション変化を受け、およびレポーター領域(群)614を狭窄部604に対して十分に異なる位置に移動させるポリメラーゼ650の位置に固定され得、作用されるヌクレオチドが、ssDNAの配列において次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的でないときを指し示すシグナルを生成する。例えば、ヘッド領域611は、ポリメラーゼのフィンガー領域、またはポリメラーゼのサムに付着されることができる。ポリメラーゼのフィンガー領域およびサム領域における模範的な付着点および一部分をこれらの点に対し付着させるための化学物質は、米国特許出願公開第2011/0312529号A1に記載され、それをここに参照することによって組み込む。
ファミリーAおよびBポリメラーゼの構造および機能の更なる詳細については、Patel(パテル)ら、「Getting a grip on how DNA polymerases function(DNAポリメラーゼがどのように機能するかの把握)」、Nature Structural Biology(ネイチャー・ストラクチュラル・バイオロジー)8:656-659(2001)を参照し、その全体の内容は参照によりここに組み込まれる。ポリメラーゼ、例えば、Pol Iなどのようなものの構造および機能の更なる詳細については、以下の参考文献が参照され、それらの各々の全体の内容は参照することによってここに組み込まれる:Olsenら、「Electronic measurements of Single-Molecule Processing by DNA Polymerase I (Klenow Fragment(DNAポリメラーゼIによる単一分子処理の電子測定(クレノウ断片」135 JACS:7855-7860(2013);Torella(トレラ)ら、「Identifying molecular dynamics in single-molecule FRET experiments with burst variance analysis(バースト分散分析を用いた単分子FRET実験での分子動力学の識別)」Biophysics J.(バイオフィジカル・ジャーナル)100: 1568-1577 (2011);Santosoら、「Conformational transitions in DNA polymerase I revealed by single-molecule FRET(単一分子FRETによって明らかにされたDNAポリメラーゼIのコンフォメーション遷移)」、Proc. Natl. Acad. Sci. U S A、107(2): 715-720(2010)、Markiewicz(マルキェヴィッチ)ら、「Single-molecule microscopy reveals new insights into nucleotide selection by DNA polymerase I(単一分子顕微鏡はDNAポリメラーゼIによるヌクレオチド選定への新しい洞察を明らかにする)」、Nucleic Acids Res. (ヌクレイック・アシッヅ・リサーチ)40:7975-7984(2012);Gill(ギル)ら、「DNA Polymerase activity at the single-molecule level(単一分子レベルでのDNAポリメラーゼ活性)」、Biochem. Soc. Trans.(バイオケミカル・ソサエティ・トランスアクションズ)39: 595-599(2011)、およびJohnsonら、「Processive DNA synthesis observed in a polymerase crystal suggests a mechanism for the prevention of frameshift mutations(ポリメラーゼ結晶において観察されるプロセッシブDNA合成はフレームシフト変異の防止のためのメカニズムを示唆する)」、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 100:3895-3900(2003)。ポリメラーゼ活性の間の相対的位置での変化を受ける上記の参考文献(またはここで引用される他の参考文献)から知られる任意の2つの残基またはドメインは、本開示の一実施形態において、それぞれナノポアおよびテザーへの結合点として役立ち得る。
1例では、例えば、測定回路230および電極231、232、例えば、図2Aを参照して上述したようなもの、または測定回路240および電極241、242、例えば、図2Bを参照して上述したようなものを使用して、ナノポア605を横切って電圧を適用することができる。レポーター領域614または細長い本体613には、静電荷が含まれ、それは、適用電圧に応答して、細長い本体613が狭窄部604を通って延びるようにさせ、その結果、レポーター領域(群)614は、狭窄部604内またはそれに隣接して配置され、それは、細長い本体613の第一の一部分615が、作用されるヌクレオチドの細長いタグの第二の一部分に結合していないときである。随意に、適用電圧は細長い本体613を張った状態にすることができ、細長い本体613の第1の一部分615が、作用されるヌクレオチドの細長いタグの第2の一部分に結合していないときである。ここでの他の箇所に記載されているように、細長い本体613の第1の一部分615が作用されるヌクレオチドの細長いタグの第2の一部分に結合するとき、得られる二本鎖は、適用された電圧下でナノポアの狭窄部にとどまるか、またはそれに隣接し、ヌクレオチドを識別することができることに基づく第1のシグナル状態がもたらされる。図7Dにおいて例示されるように、ポリメラーゼ605のタンパク質ドメインが移動するとき、例えば、図7Dに示すものに対するコンフォメーションを変化させ、そのような動きは、ヘッド領域611に力を課すことができ、それは細長い本体613に力を賦課し、そればレポーター領域(群)614に力を課し、開口部603内のレポーター領域(群)614の並進運動がもたらされ、例は、狭窄部604に関する動きがもたらされる。結果として、ポリメラーゼ650のコンフォメーション変化は、開口部603を通るカレントまたはフラックスにおいての測定可能な変化に変換または導入され得、それはまたブロッケードカレントまたはフラックスとも呼ばれ得る。作用されるヌクレオチドがssDNAの次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的でないかどうかは、そのような第2のシグナル状態に基づいて検出可能であり得る。
1つの例示的な実施形態において、レポーター領域(群)614は、修飾されたヌクレオチドを使用して構築される。例えば、無塩基ヌクレオチドは、典型的に、塩基、例えば、10mMの4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)緩衝剤、pH8.0、300mMの塩化カリウム、1mMのMgCl2を、1mMのDL-ジチオスレイトール(DTT)、MSPA M2変異ポア(D90N、D91N、D93N、D118R、D134R&E139K)、1,2-ジフィタノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DPhPC)二重層を横切る180mVを含む条件下で20pAのブロッケードカレントだけしか生成しないdT残基などのようなものを含む残基と比較して70pAのブロッケードカレントを生成する。
ある程度、例えば、わずか数オングストロームのオーダでの無塩基残基の動きは、カレントまたはフラックスにおいて容易に検出可能な変化、例えば、1から数十pAsまでのものを引き起こす可能性がある。いくつかのポリメラーゼはナノメートルのオーダで動き、およびテザーにおいて単一の塩基は約0.5ナノメートルに相当するので、ポリメラーゼのコンフォメーション変化から生じるテザーの動きは、それにテザーが固定され、カレントまたはフラックスを生じさせ、および難なく導入され得る。ポリメラーゼの特定のコンフォメーションは、ポリメラーゼが作用されるヌクレオチドがssDNAにおいて次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的でないかに基づいているため、シグナル状態(カレントまたはフラックス状態)に基づいて決定され得、それは、そのヌクレオチドが、ssDNAにおいて次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的ではないとき、シグナル状態に基づいて決定することができる。さらに、ヌクレオチドの同一性は、コンフォメーション変化の大きさおよびクロード状態において費やされる時間の両方に影響を及ぼすので、シグナル状態(カレントまたはフラックス状態)はまた、潜在的にそれらが組み込まれたときにヌクレオチドを個別に識別することができ、第1のシグナル状態に基づいてステップ305のヌクレオチドの識別性が確認される。例えば、図5Bに示すように、いくつかの実施形態では、ヌクレオチドの同一性は、一部分522とハイブリダイズするレポーター514の位置によって明らかにすることができる。対応するシグナルは、図6、パート「B」に示される。図5Cに示すように、十分なマッチがある場合、ポリメラーゼは特異的コンフォメーションをとることができる。対応するシグナルが図6、パート「D」に描かれる。図6、パート「C」および「D」においてシグナルは区別され、および一意的にマッチまたはミスマッチを示すことができる。
ポリメラーゼのコンフォメーション変化(群)の大きさまたは持続時間、またはその両方は、ポリメラーゼが作用する特定のヌクレオチドに基づくことができる。表1は、単一のポリメラーゼに付着するSWNTでのカレント変化を用いた鋳型のクレノウ断片プロセシングについて測定され、Olsenらによって報告された模範的な単一分子動力学パラメーターを列挙する。表1において、τ
loは、ポリメラーゼのクローズドコンフォメーションにおいて費やされた時間の長さに対応し、r
loはτ
loの平均正規化分散(mean-normalized variance)に対応し、τ
hiはポリメラーゼのオープンコンフォメーションで費やされる時間の長さに対応し、r
hiはτ
hiについての平均正規化分散に対応し、およびその速度は、処理速度、例えば、ポリメラーゼがどの程度迅速に鋳型にヌクレオチドを付加するかに対応する。Olsonらは、平均強度Hが、酵素による機械的閉鎖の程度のプロキシであると報告する。本システム、方法、および組成物について、値Hは、距離の単位で測定したように、ポリメラーゼ上の2つの参照点間のコンフォメーション変化の程度であると考えることができる。例えば、Hは、ヌクレオチドのマッチまたはミスマッチによって影響を受ける機械的閉鎖の大きさに対応し得る。
ここに提供される組成物、方法、およびシステムを使用して、オープン状態τhiの時間の持続、コンフォメーション変化の大きさH、および処理速度に関連するシグナルを、第1のヌクレオチドがssDNAの次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的ではないときを指し示すために用いることができ、およびシグナルは、潜在的に各塩基の固有のシグネチャ(遺伝的な特性とも言う)に従って区別することができる。組み込み速度はまた、選択的使用の修飾ヌクレオチド、例えば、アルファ-またはガンマ-チオールヌクレオチドなどのようなものによって大きく変えることもできる。例えば、Heらへの米国特許出願公開第2011/0312529号明細書を参照し、その内容の全体は参照によりここに組み込まれる。
例示的な一実施形態では、鋳型DNAは環状化され、およびポリメラーゼ650は鎖置換ポリメラーゼ(例えば、Phi29などのようなもの)である。このようにして、鋳型は、ローリングサークルモード、例えば、本技術で知られるなどのようなものにおいて複数回配列決定され得る。そのような実施形態はまた、ssDNAだけが転位することができるので、不注意にテンプレートDNAを狭窄部604内に、または狭窄部604を通して引っ張ることを抑制することができる。狭窄部604を通り抜けることが見出され得る(または線状の鋳型が使用される場合)任意のストレイ(迷い出たとも言う)ssDNAは、迅速に移動すると予想され、およびシグナルにおけるノイズとして現れることが予想される。あるいは、あるものは1以上の正に帯電したレポーター領域(群)614を逆極性下で使用して、そしてレポーター領域(群)だけが狭窄部604に引き込まれ、その一方で負に帯電したDNAがはじかれるようにすることができる。
いくつかの実施形態では、ポリメラーゼ650は、生物学的ポア605の口に取り付け、例えば、固定することができる。これは、例えば、システイン/チオールコンジュゲーション化学を用いて達成することができる。そのような結合は、ポリメラーゼ650が、ポリメラーゼ650のコンフォメーション運動を、レポーター領域(群)614の並進運動までへの移動を増強し得る、再現可能で安定な向きに固定されることを提供することができる。しかし、ポリメラーゼのポアに対するコンジュゲーションの必要性は要求されない。例えば、印加電圧に応答してテザーによって及ぼされる力は、ポリメラーゼを適所に保持するのに十分であり得るか、または他のメンバー(例えば、オリゴヌクレオチド)を、ポリメラーゼのナノポアからの解離が抑制されるようにテザーの尾部端に結合させることができる。
さらに、必要な電場を生成するために、DC(直流)カレントの代わりに急速なAC(交流)カレントを使用することができることに注目される。これには、AgClの電極枯渇を抑制し、デバイスが動作可能な時間を長くするという利点がある。
細長いタグの部分とテザーの部分との間に形成される二重鎖は、熱力学的平衡状態にあり得ることに注目される。二重鎖は、熱力学的平衡において、核酸配列の長さおよび特徴に基づくオンおよびオフ速度を有し得、および二重鎖は時々解離し得ることが理解されるべきである。二重鎖状態で費やされた平均時間(オフ率の逆数)が、組み込み事象中のポリメラーゼ-ヌクレオチド複合体の平均寿命よりも短く、その結果、ヌクレオチドからの組み込みおよびタグ放出後に、タグは拡散して、および入ってくるヌクレオチドタグをブロックしない。実効オン速度(effective on rate)は、ポリメラーゼ-ヌクレオチド複合体の寿命と比較して比較的速い再結合をもたらすほど十分に高く、その結果、組み込み事象が検出され、およびその結果、ヌクレオチド組み込み中に起こる任意の解離事象後の二重鎖が修正される。オン速度は、ヌクレオチドの細長いタグの濃度において疑似一次(pseudo-first order)であり、それは、そのような配置を細長いタグの濃度の確率的センサとみなすことができる。自由に拡散する細長いタグは、比較的低い濃度(例えば、10nMから100nMまで、または100nMから250nMまで、または250nMから500nMまで、または500nMから1uM)を有することができるが、その一方で細長いタグは、比較的高い濃度を効果的に有し、その理由は、それが組込みの間にポリメラーゼによって適所に保持されるヌクレオチドに結合し、従って自由に拡散しないからである。
ここに記載される一定の模範的な実施形態では、テザーの細長い本体およびポリメラーゼによってそれぞれ作用されるヌクレオチドの細長いタグは、一本鎖DNA(ssDNA)を含むことができ、または単独で構成されることでもよい。しかし、他のタイプの分子が適切に使用され得ることを認めるべきである。例えば、以下の特徴のうちの1以上を有する細長い本体を含み、随意に以下の特徴のすべてを含む任意のテザーが随意に使用され得る:
1.細長い本体は、例えば、ポア狭窄部を通るカレントまたはフラックスの測定を介し、一部分が互いに区別されるように異なる種類のヌクレオチドにそれぞれ結合した一部分と相互作用する領域を含むことができる。
2.細長い本体は、印加された電圧に応答してポアの狭窄部を通って引っ張られる帯電領域を含むことができる。そのような構成において、細長い本体を緊張させておくことができる。この荷電された領域は、ポア狭窄部に隣接して配置され、正味の力をもたらすことができる。
3.細長い本体は、ポリメラーゼが作用されるヌクレオチドが、配列決定されるポリヌクレオチドの配列において次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的でないとき、明確に識別可能なシグナル状態を生じる1以上のレポーター領域を含むことができる。レポーター領域(群)およびチャージ領域は、互いに同じであることができ、すなわち、単一の領域はレポーター領域および荷電領域の両方であることができる。さらに、ヌクレオチドの同一性、またはそのようなヌクレオチドがマッチまたはミスマッチであるかどうかを表すことができる異なるシグナル状態は、必ずしも互いに異なる時間に生じる必要はなく、実際には他のものと同時に起こり得ることを理解すべきである。例えば、測定されたシグナル(例えば、光学的または電気的なもの)は、2つ以上のシグナル状態(例えば、2つのシグナル状態)の複合体を含むことができ、それぞれのシグナル状態は、ヌクレオチドの同一性、またはそのようなヌクレオチドがマッチであるか、またはミスマッチであるかどうかの1以上についての情報を提供する。
テザーの細長い本体、または作用するヌクレオチドの細長いタグ、またはその両方に含まれ得る模範的な物質は、ポリマーである。ポリマーには、生物学的ポリマーおよび合成ポリマーが含まれる。テザーの細長い本体、または作用するヌクレオチドの細長いタグ、またはその両方において使用に適する模範的な生物学的ポリマーには、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、ポリサッカライド、ポリヌクレオチドアナログ、およびポリペプチド類似体が含まれる。テザーの細長い本体、または作用するヌクレオチドの細長いタグ、またはその両方において使用するのに適する模範的なポリヌクレオチドおよびポリヌクレオチドアナログには、DNA、エナンチオマーDNA、RNA、PNA(ペプチド-核酸)、モルホリノ、およびLNA(ロックされた核酸)が含まれる。模範的な合成ポリペプチドには、荷電アミノ酸ならびに親水性残基および中性残基が含まれ得る。いくつかの実施形態では、テザーは核酸でなく、またはヌクレオチドを含まない。例えば、テザーは、自然発生ヌクレオチド、自然に発生しないヌクレオチドアナログまたはその両方を排除することができる。ここに記載されているか、またはさもなければ当技術で知られるヌクレオチドの1以上をテザーから除外することができる。
テザーの細長い本体、または作用するヌクレオチドの細長いタグ、またはその両方に使用するのに適し得る他の模範的なポリマーには、合成ポリマー、例えば、PEG(ポリエチレングリコール)、PPG(ポリプロピレングリコール)、PVA(ポリビニルアルコール)、PE(ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、PVC(ポリ塩化ビニル)、PS(ポリスチレン)、NYLON(脂肪族ポリアミド)、TEFLON(R)(テトラフルオロエチレン)、熱可塑性ポリウレタン、ポリアルデヒド、ポリオレフィン、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ω-アルケン酸エステル)、ポリ(アルキルメタクリラート)などのようなもの、および他のポリマーの化学的および生物学的リンカー、例えば、さらに、上記のように、Hermansonに記載されているなどのようなものが含まれる。追加的に、上述のように、テザーの細長い本体の一部分、またはそれに作用するヌクレオチドの細長いタグ、またはその両方は、互いに相互作用する個々の短いヌクレオチド配列であることができる。これらの一部分は、ポリメラーゼと非相互作用性(non-interacting with)であることができ、例えば、RNA、PNAまたはLNA標識、モルホリノ、またはエナンチオマーDNAなどのようなものであることができる。一部分は、テザーの細長い本体の他の部分または作用されるヌクレオチドの細長いタグと同じポリマーで形成される必要はない。細長いタグは、当技術でよく知られるように、ヌクレオチドのガンマリン酸に難なく結合することができる。さらに、1つの例示的な実施形態において、isoGおよびisoC塩基は、ヌクレオチド伸長タグまたはテザー、またはその両方にて、細長いタグまたはテザーの配列決定されるDNAとのハイブリダイゼーションを抑制するように使用することができる。追加的に、他のスキームを、テザーにおいて二次構造、例えば、ヘアピンなどのようなものを短くするために使用することができる。
さらに、テザーは、複数の一部分を含むことができ、それらのそれぞれが与えられるタイプのヌクレオチドに付着する一部分と相互作用するることに注目される。ヌクレオチドの一部分とテザーの対応する部分との間の相互作用は、テザーのレポーター領域(群)を対応する量だけ移動させることができ、その対応する量は、シグナルを介して、例えば、ポアの開口部を通したカレントまたはフラックスを介して対応するヌクレオチドの識別性を促進する。
1の非制限的な例示的実施形態において、ポアは、MspAを含み、そのMspAはヌクレオチド特異的カレントまたはフラックスの十分な分離、例えば、アルファ-溶血素と比較してヌクレオチド特異的カレントまたはフラックスの3.5倍より一層大きな分離を提供することができる。しかし、アルファ-溶血素または他のタイプのポアが、本組成物、システム、および方法と共に適切に使用され得ることは理解されるべきである。
さらに、電圧がポアを横切って適用され、ポアを通るカレントまたはフラックスを介してレポーター領域(群)の動きが測定される実施形態では、電圧は、直流(DC)または交流(AC)のいずれでも用いて適切に印加することができる。AC電流は、電極の寿命を延ばすのに役立ち、タグが動かなくなる場合、切り離された細長いタグをポアから射出するのを助ける。さらに、正に荷電したテザーは、配列決定されるDNAがポアに引き込まれるのを抑制するように、ポアに逆バイアスをかけて使用することができることに注目される。さらに、正に荷電したテザーおよび正に荷電した細長いタグは、ポアにて逆バイアスを用い使用して、配列決定されるDNAがポアに引き込まれるのを抑制することができることに注目される。
さらに、確率的検出方法を採用することができる。この構成では、AC電流を用いて、狭窄部に隣接するハイブリッド化二重鎖を移動させることができる。例えば、図4A-4Eは、ナノポアに固定またはそれに隣接したテザーを含む組成物を概略的に例示し、およびナノポアにわたって電位の変化に応答してナノポアに固定またはそれに隣接するテザーを用いて、ヌクレオチド上のポリメラーゼの作用を検出するのに使用するように構成され、および図4Fは、そのような組成物の使用中に生成され得る模範的なシグナルを例示する。
図4Aにおいて例示する組成物には、第1の側、第2の側、第1および第2の側にわたる開口部、および第1および第2の側の間に配置される狭窄部を含むナノポア400(ナノポア400の構成要素は特に標識されないが、図7C-7Dに例示するものと類似することができる);ナノポア400の第1の側に固定されるヘッド領域、ナノポア400からのポリメラーゼ430の解離を抑制する別の部材460(例えば、オリゴヌクレオチド)に随意に結合されるテール領域、および1以上のレポーター領域414および第1の一部分415(テザー410の他の成分は、特に標識されないが、図7C-7Dに例示するものと類似し得る)を含む細長い本体を含む持続性テザー410;およびポリメラーゼ430が含まれる。図4Aに例示するように、ポリメラーゼ430がヌクレオチドに作用しないとき、ポリメラーゼはオープン状態であり得る。図4Fに例示するシグナルは、図4Aの下で描かれ、ナノポア400を横切って印加される正の電圧、例えば、+180mVの下でポリメラーゼ430のオープン状態の特徴である位置に配置されるレポーター領域(群)414に対応するカレントまたはフラックス状態を含み、そこでは、+180mVは、ナノポアの第1の側で0mVを、およびナノポアの第2の側で+180mVを指し示す。
図4Bに例示する組成物は、第2の一部分422を含む細長いタグ421を含むヌクレオチド420をさらに含む。ポリメラーゼ430は、ヌクレオチド420に作用し、ポリメラーゼ430がクローズド状態、例えば、図4Bに例示するなどのようなものにコンフォメーションを変化させられる。図4Fにおいて例示するシグナルは、図4Bの下に描かれ、ナノポア400を横切って印加される正の電圧(例えば、+180mV)下でポリメラーゼ430のクローズド状態の特徴である位置に配置されるレポーター領域(群)414に対応するカレントまたはフラックス状態を含む。そのような正の電圧の下で、第1の一部分415は、ヌクレオチド420の一部分422からナノポア400の反対側に配置され得、従って、正の電圧下で一部分415と一部分422との間の二重鎖の形成が抑制されることに注目される。一部分415は、テザー410の細長いタグに沿った任意の適切な位置に配置することができ、例えば、テール領域およびレポーター領域(群)414の間に、例えば、図4に例示するなどのようなものに配置することができ、またはヘッド領域に隣接し、テール領域に隣接し、レポーター領域に隣接し、またはヘッド領域およびレポーター領域(群)414の間に存在し得ることに注目される。
図4Cに例示するように、ヌクレオチド420の一部分422およびテザー410の一部分415の間の相互作用は逆電圧下で、例えば、一部分415および422がナノポア400の同じ側に互いに配置される。図4Fに例示するシグナルは、図4C下に描写され、ナノポア400を横切って印加される負の電圧、例えば、-180mVの下でレポーター領域(群)414および二重層423の位置に対応するカレントまたはフラックス状態が含まれ、ここで、-180mVはナノポアの第1の側で0mVを、およびナノポアの第2の側で-180mVを指し示す。レポーター領域414の位置は、感受性にすることができ、それに従い、テザーがポリメラーゼに付着され、上述のFreudenthalの参考文献に記載されているものと類似の様式で、マッチおよびミスマッチヌクレオチドの間が区別される。
例えば、図4Dに例示するなどのように、正の電圧、例えば、+180mVに電圧を逆転させると、二重鎖423は、ナノポアの狭窄部において、またはそれに隣接して留まり得る。図4Fに例示するシグナルは、図4D下に描写され、二重鎖423の位置に対応するカレントまたはフラックス状態、ならびに二重鎖423を規定する特定の部分を、ナノポア400を横切って印加される正の電圧、例えば、+180mVの下で含む。1つのタイプのヌクレオチドに対応するように選定される一部分422に基づいて、シグナルは、ヌクレオチドがポリメラーゼ430によって作用されるかを決定するために使用され得る。一部分415および一部分422の間に形成される二重鎖423は、狭窄部を通して二重鎖の移動を抑制する。
図4Eに例示するように、正の電圧、例えば、+180mVの継続的印加に応答して、二重鎖423は解離することができる。そのような解離は、一部分415および一部分422の間に形成される二重鎖423を「中断」すると考えることができる。いくつかの実施形態では、一部分415は狭窄部を通ってナノポア400の第2の側に配置されるように移動し得る。図4Eのすぐ下の図4Fは、一部分425が一部分422から解離した後の正の電圧下に開口部を通した模範的なカレントまたはフラックスを例示する。図4Fに例示するシグナルは、図4E下に描写され、ナノポア400を横切って印加される正の電圧、例えば、+180mVの下で、ポリメラーゼ430のクローズド状態の特徴である位置に配置されるレポーター領域(群)414に対応するカレントまたはフラックス状態を含む。一部分422は、ナノポア400の第1の側に配置されたままであるように構成することができ、それは、一部分415および422の間の相互作用が一時的に抑制されるように、一部分415がナノポア400の第2の側に配置されることになる場合でもである。図4Cに例示するように、そのような解離に続いて、開口部403を横切って印加される電圧は再び変化してもよく、例えば、第1の電圧に戻して、二重鎖423を規定するように、一部分415および422が互いに相互作用することができる。
レポーター領域(群)414および二重鎖423の相対位置および二重鎖423を規定する特定の部分に対応するシグナルは、任意の適切な様式で検出可能であり得ることを認めるべきである。例えば、本組成物は、測定回路、例えば、図2Aまたは図2Bを参照して上述したなどのようなものと動作可能に連通することができる。測定回路は、ナノポア400の開口部を通したカレントまたはフラックスを検出するように構成することができ、それは、ポリメラーゼ430のコンフォメーション状態に基づいて、およびポリメラーゼ430により作用される特定のヌクレオチド420の一部分422に基づいて経時的に変動し得る。一つの例示的実施態様において、ナノポア400、テザー410、ポリメラーゼ430、およびヌクレオチド420は、導電性流体、例えば、塩類水溶液に浸漬することができる。図2Aに例示する測定回路230または図2Bに例示する測定回路240と同様に構成される測定回路は、第1および第2の電極と連通することができ、および図4Aに例示される「+」および「-」のサインによって表されるように、ナノポア400を横切って電圧を印加するために、それらの電極間に第1の電圧を印加するように、および開口部403を通したカレントまたはフラックスの大きさを第1の電圧にて測定するために、電極を使用するように構成することができる。例えば、図4Fの部分は、図4Aのすぐ下にあり、第1の電圧でのナノポア400の開口部を通した模範的なカレントまたはフラックスを例示する。レポーター領域414は、テザーの細長い本体のいくつか、またはすべての他の領域(特に標識されていない)とは異なる電気またはフラックスブロッケード特性を有することができる。例えば、レポーター領域(群)414は、静電荷を含むことができ、その一方、細長い本体のいくつか、またはすべての他の領域は、異なる静電荷を含むことができ、または帯電していなくてもよい(例えば、電気的に中性であり得る)。あるいはまた、例えば、レポーター領域(群)414は、帯電されなくてもよく、その一方、細長い本体の他の領域のいくつか、またはすべては、静電荷を含み得る。1つの例示的で、非制限的な例において、テザーの細長い本体は、レポーター領域(群)414を規定する1以上の無塩基ヌクレオチドが含まれるポリヌクレオチドを含む。ナノポア400の開口部を通したカレントまたはフラックスの大きさは、開口部403内でのレポーター領域(群)414の相対的な位置、二重鎖423の相対位置、および二重鎖423を規定する一部分に応答して、ポリメラーゼ430のコンフォメーション状態およびポリメラーゼ430の作用を決定することができることに基づいて、ある程度まで変化することができる。
いくつかの実施形態では、ヌクレオチドおよび細長いタグを架橋するテザーおよびリンカーの細長い本体のそれぞれの長さ、一部分415および422のそれぞれの位置、およびレポーター領域(群)414のそれぞれの位置は、ヌクレオチドがポリメラーゼ430によって作用される間にヌクレオチド420への力の適用を抑制または排除し、および従ってそのような力がポリメラーゼの性能を修飾するのを抑制するように同時選定される。1つの例示的な実施形態において、一部分415および一部分422の間の相互作用は二重鎖423を形成する。テザーの細長い本体の長さ、および細長い本体に沿った一部分415の位置は、一部分415が、適切な印加電圧に応答して、例えば、一部分415と一部分422との間の解離を引き起こすように、ナノポア400の狭窄部を通して延びるように、同時選定することができる。二重鎖423のサイズは、ナノポア400の狭窄部を通した二重鎖の移動を抑制し得、およびヌクレオチド420が細長いタグ421を介してヌクレオチド420に適用されたかもしれない力から防護され得る。1つの例示的な実施形態において、レポーター領域(群)414は、一部分415および422が正の電圧の下で互いに解離するとき、ナノポア400の狭窄部内にか、またはそれに隣接して配置されるように、テザー410の細長い本体に沿って適切な位置にて配置される。
別の例では、例として、図5A-5Dのものは、ナノポアに固定され、またはそれに隣接するテザーを含む組成物を概略的に図示し、およびナノポアを横切る電位の変化に応答して、ナノポアに固定され、またはそれに隣接するテザーを用いて、ヌクレオチドでのポリメラーゼの作用を検出することにおいて使用のために構成され、および図6は、そのような組成物の使用の間に生成され得る模範的なシグナルを例示する。
図5Aに例示する組成物には、第1の側、第2の側、第1および第2の側にわたる開口部、および第1および第2の側の間に配置される狭窄部(ナノポア500の構成要素は特に標識されていないが、図7C-7Dに例示されるものに類似することができ);ナノポア500の第1の側に固定されるヘッド領域、ナノポア500からのポリメラーゼ530の解離を抑制する別の部材560(例えば、オリゴヌクレオチド)に随意に結合されるテール領域、および1以上のレポーター領域514および第1の一部分515が含まれる細長い本体(テザー510の他の成分は、特に標識されないが、図7C-7Dに例示されるものと類似していてもよい)を含む持続性テザー510;第2の一部分522が含まれる細長いタグ(標識されていない)を含むヌクレオチド520;およびポリメラーゼ530が含まれる。図5Aに例示されるように、ポリメラーゼ530がヌクレオチド520に作用しないとき、ポリメラーゼはオープン状態またはクローズド状態であり得、それらの各々は非結合状態に関連する独特なシグナルをもつ。図6に例示するシグナルは、「A」(長い破線)を示し、ナノポア500を横切って印加される正の電圧、例えば、+180mVの下で、ポリメラーゼ530の非結合状態の特徴である位置に配置されるレポーター領域(群)514に対応するカレントまたはフラックス状態を含む。
図5Bに例示する組成物は、ヌクレオチド520に作用するポリメラーゼ530を含み、ポリメラーゼ530がコンフォメーションをクローズド状態に変化させられる。さらに、ヌクレオチド520の一部分522およびテザー510の一部分515の間の相互作用は、二重鎖523を規定することができる。正の電圧、例えば、+180mVの下で、二重鎖523は、ナノポア500の狭窄部に詰まるか、または隣接することができる。図6に例示するシグナルは、「B」(実線)で示され、二重鎖523の位置に対応するカレントまたはフラックス状態、ならびに二重鎖523を規定する特定の一部分を、ナノポア500を横切って印加される正の電圧、例えば、+180mVの下で含む。単一のタイプのヌクレオチドに対応するように選定される一部分522に基づいて、シグナルは、どのヌクレオチドがポリメラーゼ530によって作用されるかを決定するために使用され得る。一部分515および一部分522間に形成される二重鎖523は、狭窄部を通した二重鎖の移動を抑制するために十分に大きいことができる。例示的に、各々の異なるヌクレオチドについての「レポーター」は、二重鎖のすぐ近隣(例えば、図5Bでの最後の二重鎖塩基のすぐ下)の塩基を含むことができる。したがって、1つの非制限的な例において、ヌクレオチドを識別するための4つのレポーターが存在し得る。また、5番目のレポーターも存在することができ、それは、円として示されるレポーター514である。レポーター514を使用して、ポリメラーゼ530のコンフォメーション状態を図5Cおよび5Dにおけるようにレポートすることができる。このコンフォメーション状態は、ポリメラーゼが、マッチしたヌクレオチドまたはミスマッチのヌクレオチドを保持するかどうかに依存し得る。
例えば、図5Cに示るように、正の電圧、例えば、+180mVの継続的な印加に応答して、二重鎖523は解離することができる。そのような解離は、一部分515と一部分522との間に形成される二重鎖523を「中断」すると考えることができる。いくらかの実施形態では、一部分515は、狭窄部を通って移動し、ナノポア500の第2の側に配置されることができる。「C」(破線)で示される図6の部分は、一部分525からの一部分515の解離の後、正の電圧下で開口部を通した模範的なカレントまたはフラックスを例示する。カレントまたはフラックスは、「C」で示され、ポリメラーゼ530のクローズド状態に特徴的である位置に配置されるレポーター領域(群)514に対応し、そこでは、正確な(一致の)ヌクレオチド520が、ナノポア500を横切って印加される正の電圧、例えば、+180mVの下で、ポリメラーゼによって結合される。
この例では、ポリメラーゼ530は、配列されるポリヌクレオチドにヌクレオチド520を組み込み、そのヌクレオチドのタグを開裂させ、および次いで、配列決定されるポリヌクレオチドにおいて次のヌクレオチドに相補的であっても、またはそうでなくてもよい別のヌクレオチドに結合する。例えば、図5Cに示す「T」ヌクレオチドは、配列決定されるポリヌクレオチドにおいて次のヌクレオチドにたまたま相補的である(happens to be complementary to)のに対し、その一方、図5Dに示される「T」ヌクレオチドは、配列決定されるポリヌクレオチドにおいて次のヌクレオチドにたまたま相補的ではない。図5Dに示す例では、正の電圧、例えば、+180mVの印加の下で、ポリメラーゼ530は、作用されるヌクレオチドが配列決定されるポリヌクレオチドにおいて次のヌクレオチドとミスマッチであるときにだけ生じる独特なコンフォメーションに変化する場合がある。このことは、ヌクレオチドがマッチした場合、例えば、図5Cに例示されるように、レポーター領域(群)514は、レポーター領域514の位置に対して、ナノポア500の狭窄部においてわずかに位置を変えられる。「D」(点線)で示す図6の部分は、正電圧ポリメラーゼ530下に開口部を通した模範的なカレントまたはフラックスを例示し、ナノポア500を横切って印加される正の電圧、例えば、+180mVの下で、ミスマッチヌクレオチドに対応するコンフォメーションが変化させられる。「D」での点線のシグナルレベルは「C」における破線のシグナルレベルとは異なり、従って、マッチヌクレオチドをミスマッチヌクレオチドから区別することが容易になることに注目される。さらに、各ミスマッチ塩基はまた、独特なポリメラーゼの確証を有することができ、識別可能なシグナル状態がもたらされる。
上記の状態は、例として提供されるが、制限することを意図するものではなく、示されるもの以外の検出可能な状態が生じ得ることに注目される。例えば、ポリメラーゼについて複数の検出可能な状態は、それがオープンおよびクローズドとしてそのような構成に対応するヌクレオチドを有さないときに、またはさらに、複数の状態は、オープンまたはクローズドの状態のいずれかにおいてポリメラーゼに関係するミスマッチヌクレオチドが存在するときに、存在し得る。
レポーター領域(群)514および二重鎖523の相対的位置に対応するシグナルおよび二重鎖523を規定する特定の一部分は、ここでの他の場所で提供されるような任意の適切な様式において検出可能であり得ることを認められるべきである。さらに、作用されるヌクレオチドが配列決定されるポリヌクレオチドの配列において次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的でないときを指し示すシグナルは、電気的または光学的である必要はなく、および実際、任意の適切な様式において生じさせることができる。
さらに、印加電圧に応答して細長い本体の第1の位置部分と細長いタグの第2の位置部分との間の相互作用に基づいて形成され得るような二重鎖の解離は、2以上の動力学的定数によって特徴付けられる第1の経路として特徴付けられ得る。さらに、第1のヌクレオチドが、配列決定されるポリヌクレオチドの配列において次のヌクレオチドに相補的であるか、または相補的でないときの指示、例えば、ポリメラーゼのコンフォメーション変化、ピロリン酸の放出、またはヌクレオチドの細長いタグの放出は、2以上の動力学的定数によって特徴付けられる第2の経路を規定するものとして特徴付けることができる。第1の経路または第2の経路の測定を得る過程の間で測定(例えば、光学的または電気的に測定)されるシグナルの統計的分布は、その経路に対応する速度定数(動力学的定数とも言う)の相対値に基づくことができる。例えば、第1の経路または第2の経路の所定の速度定数が、その経路の他の動力学定数よりも著しく大きいことに基づき、その経路の動力学は、与えられた速度定数によって支配され得、および結果として生じるシグナルの統計的分布は、指数関数で記述することができる。これと比較して、第1の経路または第2の経路の2以上の速度定数は、互いに同じ程度の大きさであるように、またはさらに互いに実質的に同じになるようにさえ選定することができ(例えば、5倍以下、または4倍以下、または3倍以下、または2倍以下だけ互いに異なる)、そうしてその経路の動力学は、いずれかの速度定数によっても支配されず、および結果として生じるシグナルの統計的分布は、ガンマ関数によって記述することができ、そこでは、実質的に観測不可能なゼロ時間または非常に短い事象の確率が実質的にない。これと比較して、指数分布では、実質的に観察不可能な短いか、またはゼロの時間の事象の可能性が高い。
第1または第2の経路の1以上の速度定数は、その経路の1以上の他の速度定数と同じ程度であるように、またはさらにその経路の1以上の他の速度定数と実質的に同じである。例えば、上記のように、ポリメラーゼは、第1のヌクレオチドへのヌクレオチドの組み込みに応答してピロリン酸の放出を遅延させるように修飾することができ、従ってその経路の少なくとも1つの速度定数が修飾される。別の例として、テザーはさらに、ヘアピン構造を形成するように第1の一部分とハイブリダイズする第2の一部分を含むことができる。テザーの第1および第2の一部分は、ナノポアを横切って印加される電圧に応答して2段階プロセスにおいて互いからデハイブリダイズされるように構成することができ、従って、その経路の少なくとも1つの速度定数が修飾される。ヘアピン構造を形成するように構成された標識を有する模範的な四リン酸修飾ヌクレオチドを図12Aに示す。テザーとのハイブリダイゼーションの際に、図12Bに示されるようにヘアピンが形成される。このヘアピンは、2つの剥離速度定数、k1およびk2を有することが期待され、それは図12Bに示される。これらの速度定数は、お互いに同様の大きさになるように設計することができ、その結果、合計するとき、それらはガンマ分布を形成することができる。
ここでの他の箇所で指摘したように、多種多様な組成物が、ヌクレオチドの細長いタグまたはテザーの細長い本体、または双方に適切に含まれ得る。そのような組成物は、DNA、PNA、LNA、RNA、モルホリノ、PEG(ポリエチレングリコール)、およびその他同種類のものなどを含むことができ、および任意の適切な長さを有することができる。適切に修飾されるヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド標識は、そのような異なる組成物に適切に連結することができ、例えば、クリックケミストリー適合性前駆体を用いることが理想的である。一例では、ヌクレオチドはアジド標識され、それは難なく合成されるアルキン標識オリゴヌクレオチドの使用を容易にする。模範的分子には、四リン酸標識ヌクレオチド、例えば、以下に示すなどのようなものが含まれ、そこでは、(A)アジド-P4O13-dTTPに対応し、および(B)アルキン-P4O13-dTTPに対応する。これらのヌクレオチドは、標準のクリックケミストリーを使用することによって、任意の望ましいタグで修飾することができる:
四リン酸ヌクレオチドを作製し、標識することについての参考文献には、以下のものが含まれ、それらの各々の全体の内容は参照によりここに組み込まれる:
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その他の代替実施形態
本発明の様々な例示的な実施形態を上記に説明したが、本発明から離れることなく、そこに様々な変化および修正を行うことができることは、当業者には明らかであろう。ポリヌクレオチド、例えば、DNAまたはRNAなどのようなものの配列決定を参照して、一定の組成物、システム、および方法について上記で議論したが、本組成物、システム、および方法は、任意のタイプの事象、例えば、ナノポアの狭窄部に隣接するレポーター領域の存在または動きに関連づけることができる分子またはその一部分の動きを検出することでの使用のために適応することができる。添付の請求の範囲は、本発明の真の精神および範囲内に入るそのようなすべての変更および修正を含むことが意図される。