JP6596439B2 - マイクロ鉗子 - Google Patents

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Description

本発明は、患者の手術に用いるマイクロ鉗子と呼ばれる小型医療器具に関するものであり、例えば、患者の眼内に挿入することにより眼内において物理的な治療処置を行うための医療器具に関するものである。
眼内に存在する硝子体は、眼内に入射される光を屈折させたり、眼の形状を保つ機能を有しているが、時として網膜を引っ張ったり、出血等を起因とする混濁により網膜への光の到達の邪魔をする。硝子体手術は、混濁を硝子体と共に切除したり、網膜上に異常増殖した細胞膜を取り除いたりして網膜の機能を回復させるために行われる。例えば網膜上に異常増殖した細胞膜の厚さは数十μm程度であることから、硝子体手術ではマイクロメートルオーダーの対象物を挟持可能なマイクロ鉗子(硝子体鉗子)と呼ばれる非常に繊細なデバイスが用いられ、デバイスを使用する術者においても正確な手技精度を有することが求められる。
薄い細胞膜等を挟持するために、マイクロ鉗子の先端には鋏状の挟持部が形成されている。挟持部の開閉操作は、先端に挟持部が設けられた線状部の外方に配置された筒状体を線状部の軸方向に移動させて、筒状体から鋏を露出させたり、筒状体に鋏を収納することにより行う。マイクロ鉗子はこのように繊細なデバイスであることから、挟持対象物に対する挟持方向の位置合わせや、軸方向における筒状体の移動を容易に行えることが重要である。
例えば、特許文献1には、弾性部材から形成された駆動把持部を有する鉗子が記載されている。特許文献1に記載された鉗子は、鉗子の把持部を握ると駆動デバイスが伸長して、これに伴い駆動把持部の先端部が開閉するものであり、この鉗子は全周方向において対象物を把持することが可能である。
特許文献2には、弾性アームを備える駆動ハンドルを径方向の内方に圧縮して押すことによって、弾性アームが内方および外方に撓んでハンドルロッド状のリングが往復運動をすることにより筒体とシャフトが軸方向に移動するマイクロ手術器具が記載されている。
米国特許第6488695号明細書 米国特許出願公開第2012/0116361号明細書
しかしながら、特許文献1および2に記載された鉗子は、操作の際に挟持位置や挟持方向がぶれるという課題を有していた。
具体的には、特許文献1および2に記載された鉗子において挟持部を鉗子の長軸を中心に回転させて、挟持方向を調整するためには、術者が腕や手首を捻りながら鉗子の筐体自体を回転させる必要があることから術者の手のぶれが大きくなる傾向にあり、術者が熟練していない場合、誤って眼内を傷つける可能性があった。
そこで第1の観点では、鉗子の筐体自体を回転させることなく挟持部の挟持方向を調節可能なマイクロ鉗子を提供することを目的とする。
また、特許文献1および2に記載された鉗子において挟持部を開閉するためには、ハンドルの径方向の内方に向かって親指と人差し指で均等の力を加えて略同時に押す必要があることから、術者が熟練していない場合、挟持部の位置や挟持方向がぶれて眼内を傷つけるおそれがあった。
そこで第2の観点は、ハンドルの径方向の内方に力を加えなくても、鉗子の挟持部の開閉操作を安定して行うことができるマイクロ鉗子を提供することを目的とする。
上記目的を達成し得た第1の観点および第2の観点の双方の特徴を有する本発明のマイクロ鉗子は;側部に開口部を有する筐体と;筐体内に、筐体の長軸を中心に回転可能に保持されており、かつ開口部において一部が露出している回転体と;対象物を挟持する挟持部と;一方に挟持部が設けられており、他方が回転体と接続されている線状部と;筐体内に、筐体の長軸方向に移動可能に保持されており、かつ開口部において一部が露出している開閉操作部と;開閉操作部と接続される筒状部と;を有しており;開閉操作部を挟持部側に移動させることにより、挟持部は筒状部内に収められて閉状態になり;開閉操作部を挟持部と反対側に移動させることにより、挟持部は筒状部から外部に進出して開状態になることを特徴とするものである。
本発明のマイクロ鉗子では、回転体の回転操作によって対象物に挟持部の挟持方向を合わせることができるため、筐体自体を筐体の長軸を中心に回転させる必要がない。これにより、術者は腕や手首を捻らずに済むため挟持方向を安定して調節可能である。また、本発明のマイクロ鉗子では、筐体を把持して固定した状態で開閉操作部を操作できるため、開閉操作を安定して行うことができる。このように、本発明のマイクロ鉗子は、安定して操作を行うことができるため、挟持位置のずれや挟持対象物の誤り等の医療事故の発生確率を低減することができるものである。
上記マイクロ鉗子において、回転体は、筐体の長軸方向の挟持部側に凹み部が形成されており、凹み部で開閉操作部と係合していることが好ましい。回転体と開閉操作部が係合して固定されるため、回転体の回転軸と筒状部の長軸方向とを合わせることができる。また回転体を径方向の内方に押圧しても、回転体が凹み難いため、回転体が筐体内に入り込んで円滑な回転動作が妨げられることを抑止できる。回転体が凹み難いのは、回転操作部の内方に開閉操作部が位置しており、回転体を支える役目をしているためである。
上記マイクロ鉗子は、手術時に体内に挿入し、鉗子等の手術機器の体内への導入口の役割を果たすトルカーの内腔に筒状部を挿入することにより用いられる。したがって、内径が1.1mm以下のトルカーの内腔に上記マイクロ鉗子の筒状部を挿入するためには、筒状部の外径が1.1mm以下であることが好ましい。
上記マイクロ鉗子には、回転体の回転位置を固定する固定手段が設けられることが好ましい。回転体の回転位置を固定することができるため、術者の意図に反して回転体が操作されることを抑止できる。
上記マイクロ鉗子において、線状部が、中実状又は中空状であることが好ましい。このような線状部は製造が容易であるため、工業的に量産することが可能である。
上記マイクロ鉗子において、筐体の長軸方向の挟持部側と反対側において、回転体が筐体と係合していることが好ましい。回転体が筐体と係合していれば、筐体の長軸方向と、回転体および線状部の回転軸方向がずれるのを抑止することができる。
上記マイクロ鉗子において、筐体と開閉操作部が、弾性部材を介して接続されていることが好ましい。弾性部材の復元力によって挟持部の開操作又は閉操作のいずれかを行うことができるため、挟持部の開閉操作を容易に行うことができる。
上記マイクロ鉗子において、弾性部材がコイルスプリングであることが好ましい。コイルスプリングは工業的に量産が可能であり、またマイクロ鉗子内への設置も容易に行うことができる。
上記マイクロ鉗子において、開閉操作部が、筐体の長軸に対して離れる方向に突起した指当て片を有することが好ましい。指当て片が突起していれば、術者は開閉操作部の位置を容易に把握することができるため、筐体の開閉操作部の位置を目視によって確認する必要がない。
上記マイクロ鉗子において、前記指当て片の外方端部は、前記開口部の最外縁部よりも低く形成されていることが好ましい。指当て片が筐体から突出していないため、手技中に常に指を開口部付近に当接させていても把持し難くなることがない。
上記マイクロ鉗子において、筐体の周方向における開口部の開口範囲は、筐体の周方向に対して60度以上、180度以下であることが好ましい。このように開口部が設けられれば、回転体の操作性を損なわずに筐体を安定して把持することが可能である。
上記マイクロ鉗子において、開口部において、回転体と開閉操作部の両方が露出していることが好ましい。回転体と開閉操作部を同一の指によって操作しやすくなるため、挟持操作の効率化が図られる。
上記マイクロ鉗子において、開口部が2つ形成されて、一方の開口部において回転体が、他方の開口部において開閉操作部が、それぞれ露出していることが好ましい。回転体と開閉操作部をそれぞれ異なる指によって操作することが容易になる。
本発明のマイクロ鉗子は、挟持部の挟持位置、挟持方向のぶれや挟持対象物の誤り等の医療事故の発生確率を低減することができるものである。
特に、第1の観点に基づく本発明のマイクロ鉗子は、回転体を回転させることによって挟持部の挟持方向を挟持対象物に合わせることができるため、筐体自体を筐体の長軸を中心に回転させる必要がなく、術者は腕や手首を捻る必要がない。
また、第2の観点に基づく本発明のマイクロ鉗子は、筐体を安定して把持した状態で挟持部の開閉操作を行うことができるものである。
図1は、実施の形態1に係るマイクロ鉗子の斜視図を表す。 図2は、実施の形態1に係るマイクロ鉗子の軸方向に沿った断面図(一部側面図)を表す。 図3は、図1のマイクロ鉗子の先端部の組立図を表す。 図4は、実施の形態1に係る回転体と線状部の接続を示す斜視図を表す。 図5は、実施の形態1に係るマイクロ鉗子の軸方向に沿った断面図(一部側面図)である。 図6は、実施の形態2に係るマイクロ鉗子の斜視図を表す。 図7は、実施の形態2に係る開閉操作部と筒状部の接続を示す斜視図を表す。 図8は、実施の形態2に係るマイクロ鉗子の軸方向に沿った断面図(一部側面図)を表す。 図9は、実施の形態3に係るマイクロ鉗子の斜視図を表す。 図10は、実施の形態3に係る回転体と線状部の接続を示す斜視図を表す。 図11は、実施の形態3に係る開閉操作部と筒状部の接続を示す斜視図を表す。 図12は、実施の形態3に係るマイクロ鉗子の軸方向に沿った断面図(一部側面図)を表す。 図13は、実施の形態3に係る開閉操作部と回転体の係合を示す斜視図を表す。 図14は、実施の形態3に係る開閉操作部の側面図を表す。 図15は、実施の形態3に係る回転体の正面図を表す。
(第1の観点に基づく実施の形態1)
実施の形態1である回転体が設けられるマイクロ鉗子は;側部に開口部を有する筐体と;筐体内に、筐体の長軸を中心に回転可能に保持されており、かつ開口部において一部が露出している回転体と;対象物を挟持する挟持部と;一方に挟持部が設けられており、他方が回転体と接続されている線状部と;を有している。回転体が設けられるマイクロ鉗子は回転体を回転させることによって挟持部の挟持方向を挟持対象物に合わせることができるため、筐体自体を長軸を中心に回転させる必要がない。このため、挟持位置のずれや挟持対象物の誤り等の医療事故の発生確率を低減することができる。
(第2の観点に基づく実施の形態2)
さらに、実施の形態2である長軸方向に移動可能な開閉操作部が設けられるマイクロ鉗子は;側部に開口部を有する筐体と;筐体内に、筐体の長軸方向に移動可能に保持されており、かつ開口部において一部が露出している開閉操作部と;開閉操作部と接続される筒状部と;対象物を挟持する挟持部と;筒状部の内腔に配され、一方に挟持部が設けられている線状部と;を有しており、開閉操作部を挟持部側に移動させることにより、挟持部は筒状部内に収められて閉状態になり、開閉操作部を挟持部と反対側に移動させることにより、挟持部は筒状部から外部に進出して開状態になる。長軸方向に移動可能な開閉操作部が設けられるマイクロ鉗子は、筐体を安定して把持した状態で挟持部の開閉操作を行うことができるため、挟持位置のずれや挟持対象物の誤り等の医療事故の発生確率を低減することができる。
(第1の観点および第2の観点の双方の特徴を有する実施の形態3)
上記第1の観点と第2の観点の双方の特徴を有する本発明のマイクロ鉗子は、側部に開口部を有する筐体と;筐体内に、筐体の長軸を中心に回転可能に保持されており、かつ開口部において一部が露出している回転体と;対象物を挟持する挟持部と;一方に挟持部が設けられており、他方が回転体と接続されている線状部と;筐体内に、筐体の長軸方向に移動可能に保持されており、かつ開口部において一部が露出している開閉操作部と;開閉操作部と接続される筒状部と;を有しており;開閉操作部を挟持部側に移動させることにより、挟持部は筒状部内に収められて閉状態になり;開閉操作部を挟持部と反対側に移動させることにより、挟持部は筒状部から外部に進出して開状態になる。本発明のマイクロ鉗子では、回転体の回転操作によって対象物に挟持部の挟持方向を合わせることができるため、筐体自体を筐体の長軸を中心に回転させる必要がない。これにより、術者は腕や手首を捻らずに済むため挟持方向を安定して調節可能である。また、本発明のマイクロ鉗子では、筐体を把持して固定した状態で開閉操作部を操作できるため、開閉操作を安定して行うことができる。以上のとおり、本発明のマイクロ鉗子は、安定して操作を行うことができるため、挟持位置のずれや挟持対象物の誤り等の医療事故の発生確率を低減することができる。
マイクロ鉗子は、一般に27G〜19G(内径が0.4mm以上1.1mm以下)の大きさのトルカーと呼ばれる筒状体の内腔に挿入して用いられる。例えば硝子体手術であれば、眼球上に複数のトルカーを留置し、当該トルカーの穴(内腔)からマイクロ鉗子の他、照明器具、環流液注入装置等が眼内に挿入される。本発明においてG(ゲージ)はBirmingham Wire Gaugeによる大きさを表す。
マイクロ鉗子の持ち方は、術者によって異なるが、例えば鉛筆を持つように親指、人差し指、中指の3本の指で把持したり、筆を持つように親指、人差し指、中指、薬指の4本の指で筐体の挟持部側を把持したりする。いずれの持ち方においても、親指と人差し指の間にある水かき部で筐体の中央から後方を支持するのが一般的である。
以下、下記実施の形態に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、各図面において、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、本発明の特徴の理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
本発明においてマイクロ鉗子の軸方向とは筐体の長軸方向を指し、長軸方向において、マイクロ鉗子の前方とは挟持部側の方向を指し、マイクロ鉗子の後方とは筐体の挟持部と反対側の方向を指す。マイクロ鉗子の径方向とは筐体の径方向を指し、径方向において内方とは筐体の中心側に向かう方向を指し、外方とは筐体の放射方向を指す。
上記第1の観点に対応する実施の形態1では回転体が設けられるマイクロ鉗子、上記第2の観点に対応する実施の形態2では筐体の長軸方向に移動可能な開閉操作部が設けられるマイクロ鉗子、上記第1の観点と第2の観点の双方の特徴を有する実施の形態3では回転体と開閉操作部の両方が設けられるマイクロ鉗子について説明する。
(実施の形態1)
図1は、上記第1の観点に対応する実施の形態1に係るマイクロ鉗子10の斜視図を表し、図2は実施の形態1に係るマイクロ鉗子10の軸方向に沿った断面図(一部側面図)を表し、図3は図1のマイクロ鉗子10の先端部100の組立図を表す。本発明のマイクロ鉗子10は、筐体20と、筐体20内に回転体30と線状部40とを有している。筐体20は、側部23に開口部25を有し、筐体20の内部には回転体30が保持されている。術者は筐体20の側部23を把持することにより、マイクロ鉗子10の操作を行う。
より詳細には、回転体30は筐体20の周方向に回転可能に、筐体20の長軸方向(図1のZ方向)に保持されており、かつ開口部25において回転体30の一部が露出している。また、回転体30は線状部40と接続されている。従って、筐体20の開口部25から露出している回転体30に指を当接させて回転体30の接線方向に力を加えると、回転体30は、図1に示すように例えばA方向に回転し、回転体30に接続されている線状部40および挟持部50もA方向に回転する。
筐体20は、術者が片手で把持して操作するのに適した大きさおよび形状であることが好ましく、例えば、円筒状、四角筒状、五角筒状、六角筒状、或いはそれ以上の多角筒状を有していることが好ましい。また、筐体20の先端部分は、術者からみた死角を減らすため、先細りのテーパー状であることが好ましい。また、筐体20は術者が片手で把持できる程度の大きさを有していることが好ましく、例えば、筆記具、歯ブラシ、電気メス等と同様、例えば、長さを8cm〜25cm程度、最大径を1cm〜5cm程度、最小径を0.5cm〜4cm程度とすることもできる。さらに筐体20を把持しやすくするために、筐体20の側部23に凹凸や、ゴムや合成樹脂等の高摩擦係数を有する滑り止め部材が設けられてもよい。
開口部25の形状は特に限定されないが、広すぎると回転体30を有効に保持できず回転体30に軸ぶれが生ずる可能性もあり、狭すぎると回転体30の露出面積が狭くなってしまうため、術者の指が回転体30に接触し難くなってしまう。このように回転体30の軸ぶれ抑止と露出面積の確保という二つの要件を満足するために適した開口部25の形状は、図1に示すように開口部25の上方向から見て、つまり平面視において四角形である。他方、術者が回転体30の回転量を指先の感覚でも把握できるように、筐体20の長軸方向における開口部25の幅を、回転体30の回転方向に向かってテーパー状に幅狭に、或いは、テーパー状に幅広にすることもできる。
筐体20の周方向における開口部25の開口範囲は、筐体20の周方向に対して60度以上、180度以下であることが好ましい。このように開口部25が設けられれば、回転体30の操作性を損なわずに筐体20を安定して把持することが可能となる。軸の安定性を確保するために、筐体20の周方向における開口部25の開口範囲の上限は170度以下であることがより好ましく、160度以下であることがさらに好ましく、150度以下であることがより一層好ましい。一方、筐体20の周方向における開口部25の開口範囲が狭すぎると、術者は回転体30を回転させるために開口部25の周方向に沿って指を繰り返し往復させる必要があり操作性が低下する。このため、筐体20の周方向における開口部25の開口範囲の下限は70度以上であることがより好ましく、80度以上であることがさらに好ましく、90度以上であることがより一層好ましい。なお、数値範囲は、上記の開口範囲の上限および下限の値を自由に組み合わせて設定することができる。本明細書の他のいかなる数値範囲限定も同様である。
回転体30が術者の意図に反して操作されることを抑止するために、マイクロ鉗子10には、回転体30の回転位置を固定する固定手段が設けられることが好ましい。図示はしていないが、例えば固定手段として回転体30の外側面に筐体20の長軸方向に沿って複数の溝を設けることができる。この溝と係合する突起部を筐体20の内側面上に設けておけば、回転体30を所望の位置に停止させた後、回転体30全体を筐体20の前方に移動させて、固定手段である溝と筐体20の内側の突起部とを係合させて回転体30の回転位置を固定することが可能である。
回転体30の後方に、筐体20と係合する係合手段を設けることもできる。つまり、筐体20の長軸方向の後方において、回転体30を筐体20に係合させることが好ましい。図2に示すように、回転体30にはシャフト部30sが設けられており、シャフト部30sの後方には外径がシャフト部30sよりも大きい拡径部30eが設けられている。一方、筐体20内のシャフト部30sの後方には、内径がシャフト部30sよりも大きく、拡径部30eよりも小さい幅狭部20nが設けられている。回転体30が筐体20の長軸方向に移動しようとすると、拡径部30eは幅狭部20nに引っかかる。従って、筐体20の長軸方向に対して回転体30および線状部40の位置がずれるのを抑止することができる。
回転体30と線状部40とを直接固定している場合には回転体30の回転角と線状部40の回転角とは同じになるが、ギアを介して回転体30と線状部40とを接続すれば、回転体30の回転よりも線状部40の回転の比を上げることも可能であり、術者の指の動きを小さな範囲に抑え、手ぶれを小さく抑えつつ、挟持部50を大きく回転させることが可能である。
線状部40の長軸方向に直交する断面の外形は、例えば、円形状、楕円形状、四角形状とすることが可能である。また、線状部40は、中実状であることが好ましい。中実状の線状部40は、製造が容易であり工業的に量産可能であるため、製造コストを抑えることができる。他方、線状部40を中空状にすることにより柔軟性を向上させることもできる。この場合、線状部40の断面全体に対する中空部の面積は、20%〜80%、好ましくは30%〜70%、より好ましくは40%〜60%である。
図3に示すように、線状部40は後述する筒状部70の内腔に配置されている。線状部40が筒状部70の長軸方向に円滑に移動可能となるために、線状部40の最大径は、筒状部70の最小内径の90%以下、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下にする。また、長軸方向において線状部40は筐体20および筒状部70に収納可能な長さを有していればよい。
線状部40の材料は、生体適合性を有していることが好ましいが、本発明に用いられる線状部40は捻れ方向にも大きな負荷がかかるため、ある程度の強度が必要である。従って、線状部40の材料は、金属材料、硬質プラスチック材料、カーボン材料等であることが好ましい。金属材料を用いる場合には、例えば、ステンレス、ニッケルチタン合金、コバルトニッケル合金等を用いることができる。ステンレスを用いる場合には、線状部40が脆くならないようにするため、炭素量は低く抑えることが好ましい。
図4は、実施の形態1に係る回転体30と線状部40の接続を示す斜視図であり、図5は実施の形態1に係るマイクロ鉗子10の軸方向に沿った断面図(一部側面図)である。
回転体30と線状部40との接続は、以下のように行うことができる。例えば図4および図5に示すように、線状部40の後方の長軸方向と直交する方向に第1貫通孔40a、シャフト部30sの前方の長軸方向と直交する方向に第2貫通孔30aを設けて、第1貫通孔40aと第2貫通孔30aとが重なるように配置する。ボルト等の接続部材80をシャフト部30sの外方から第1貫通孔40aおよび第2貫通孔30aを貫通するように挿入して、シャフト部30sの外方に露出した接続部材80の先端をナットで留めることにより、回転体30と線状部40を接続する。
回転体30と線状部40の接続方法は、上述したボルトやナット以外に、例えばレーザー溶接、半田溶接、ロウ付け、接着、カシメ、ネジ等の接続方法を用いることができる。このとき、回転体30の軸ぶれ抑止のため、回転体30の軸中心と線状部40の軸中心とが重なるように接続されることが好ましい。
挟持部50は、把持対象物(例えば眼内に異常増殖した細胞膜)を掴み、当該対象物を患者の眼内から取り除くために使用することができるものであり、図3に示すように線状部40の一方に設けられている。つまり、挟持部50は線状部40を介して回転体30と接続されているため、上述したとおり回転体30の回転に伴い挟持部50は回転する。このように回転体30を回転させることで、挟持部50が対象物を挟持する方向や角度を調節することができる。つまり、本発明においては筐体20自体を回転させなくても挟持部50の挟持方向を調節することが可能である。
挟持部50は硝子体手術を行う術者の要求に応じて、任意の形状に形成することが可能であり、例えば、ピンセット先端の挟持部の形状にすることができる。
挟持部50の材料は、線状部40と同様に生体適合性を有していることが好ましく、例えば、ステンレス、ニッケルチタン合金、コバルトニッケル合金等を用いることができる。
挟持部50と線状部40は同じ材料で一体的に形成されてもよいし、挟持部50と線状部40をそれぞれ個別の部材として形成してから連結してもよい。挟持部50と線状部40の連結方法は特に限定されないが、例えばレーザー溶接、半田溶接、カシメ等を用いることができる。
また、本発明には線状部40の外方に筒状部70が設けられるマイクロ鉗子10も含まれる。筒状部70は、非挟持対象である人体組織等を傷つけないように内腔に線状部40および挟持部50を収納する。図1および図5に示すように、マイクロ鉗子10の筐体20の側部23には径方向に移動可能であり、棒状体を斜めに切った形状の開閉操作部60が設けられている。筒状部70の外方には、開閉操作部60に沿うように、後方が先細りとなっている鍔部70bを有する錐状部材70mが設けられている。図5では、錐状部材70mとして円筒体の外方の一部に鍔部70bを設けたものを例として示したが、角筒体に鍔部70bを設けたものであってもよい。
開閉操作部60を筐体20の径方向の内方に押圧すると、錐状部材70mの鍔部70bは線状部40に対して前方に押し出されて筒状部70は前方に移動するため、線状部40および挟持部50は筒状部70に収められて挟持部50は閉状態になる。一方、開閉操作部60の押圧を解除すると、挟持部50は筒状部70から露出して開状態になる。このように開閉操作部60の押圧および解除を行うことにより挟持部50の開閉操作を行うことができる。
マイクロ鉗子10は、トルカーの内腔に筒状部70を挿入することにより用いられる。このため、筒状部70の外径は、例えば0.4mm以上であることが好ましく、0.45mm以上であることがより好ましく、0.5mm以上であることがさらに好ましく、1.1mm以下であることが好ましく、1.05mm以下であることがより好ましく、1.0mm以下であることがさらに好ましい。
筒状部70の材料は、生体適合性を有していることが好ましく、例えば、金属材料、硬質プラスチック材料、カーボン材料等であることが好ましい。金属材料を用いる場合は、例えば、ステンレス等を用いることができ、プラスチック材料を用いる場合には、例えば、ポリカーボネート、ABS樹脂等を用いることができる。
筒状部70と錐状部材70mは、挟持部50と線状部40の形成方法と同様に、同じ材料で一体的に形成されてもよいし、筒状部70と錐状部材70mをそれぞれ個別の部材として形成してから連結してもよい。筒状部70と錐状部材70mの連結方法は、例えばレーザー溶接、半田溶接、カシメ等を用いることができる。
また図5に示すように、筐体20と錐状部材70mが、弾性部材110を介して接続されていることが好ましい。図5において、錐状部材70mは、挟持部50側の外径が、鍔部70bの最大外径よりも小さいシャフト部70sを有しており、シャフト部70sの外方に弾性部材110としてコイルスプリングが設けられている。指で開閉操作部60を押圧して筒状部70を前方に移動させると、開閉操作部60と係合する錐状部材70mの鍔部70bが前方に移動するため、挟持部50は筒状部70内に収められて閉状態になり、コイルスプリングは筐体20の長軸方向に圧縮されて弾性エネルギーが蓄積される。開閉操作部60の押圧を解除するとコイルスプリングは圧縮前の形状に復元されて、錐状部材70mは押圧前の筐体20の長軸方向位置に戻るため、挟持部50は筒状部70から外部に露出して開状態になる。このように弾性部材110を介して筐体20と開閉操作部60を接続することにより挟持部50の開閉操作を容易に行うことができる。
弾性部材110の種類は限定されるものではないが、特にコイルスプリングであることが好ましい。コイルスプリングは工業的に量産が可能であり、また、錐状部材70mのシャフト部70sの外方に位置させるだけでよいため、マイクロ鉗子10内への設置も容易に行うことができる。コイルスプリングの形状、材料、ピッチは、開閉操作部60や筐体20の形状や術者の使用感の好み等を踏まえて適宜設定することができる。
従来のマイクロ鉗子は、筐体の回転とともに筒状部も回転するために患者の身体に負担をかけるものであったが、本実施の形態におけるマイクロ鉗子10は、筐体20自体を筐体20の長軸を中心に回転させる必要がない。また、本発明の実施の形態におけるマイクロ鉗子10は、回転体30と筒状部70が接続されていないため、回転体30を回転させても筒状部70は回転せず、低侵襲での治療が可能となる。
(実施の形態2)
図6は、上記第2の観点に対応する本発明の実施の形態2に係るマイクロ鉗子11の斜視図を表す。なお、実施の形態1のマイクロ鉗子10と同様の構成要素の説明は省略する。
マイクロ鉗子11は、側部23に開口部26を有する筐体21と、筐体21内に筐体21の長軸方向に移動可能に保持されており、かつ開口部26において一部が露出している開閉操作部61と、開閉操作部61と接続される筒状部71と、対象物を挟持する挟持部51と、筒状部71の内腔に配され、一方に挟持部51が設けられている線状部とを有している。
開閉操作部61は、筐体21の長軸方向における挟持部51に対する筒状部71の位置を変えることにより挟持部51を開状態又は閉状態にして、患者の対象組織の挟持動作を行うものである。本実施の形態2においては、筐体21の側部23に形成される開口部26から開閉操作部61が露出している。このため、開口部26に指を当接して、露出している開閉操作部61を挟持部51側に移動させることにより、開状態となっている挟持部51は、筒状部71が挟持部51に対して前方に移動するのに伴い、挟持部51の後方から筒状部71に覆われる。この際、挟持部51は筒状部71の内側面の形状に沿って径方向に徐々に小さくなり、最終的に挟持部51は筒状部71内に収められて閉状態となる。これに対して、開閉操作部61を挟持部51と反対側、つまり筐体21の後方に移動させることにより、筒状部71は挟持部51に対して後方に移動する。この際、挟持部51は筒状部71の内側面の形状に沿って径方向に徐々に大きくなり、最終的に挟持部51は筒状部71から外部に進出して開状態となる。このように開閉操作部61を操作することにより、筒状部71を筐体21の長軸方向に移動することができる。
図7は実施の形態2における開閉操作部61と筒状部71の接続を示す斜視図を表し、図8は実施の形態2におけるマイクロ鉗子11の軸方向に沿った断面図(一部側面図)を表す。開閉操作部61と筒状部71の接続は以下のように行うことができる。開閉操作部61に、筐体21の長軸方向と直交する方向に第3貫通孔61aと、開閉操作部61内に筒状部71の少なくとも一部を収める孔部61hとを設けておく。開閉操作部61の孔部61h内に筒状部71の後方を差し込み、例えば、いもネジ等の接続部材81,82を第3貫通孔61aから挿入して筒状部71を外方から締め付けることにより開閉操作部61と筒状部71を接続する。
開閉操作部61と筒状部71との接続方法は、上述したネジ留め以外に、例えばレーザー溶接、半田溶接、ロウ付け、接着、カシメ等の接続方法を用いることができる。このとき、開閉操作部61の軸中心と筒状部71の軸中心とが重なるように接続されることが好ましい。
線状部41の後方を筐体21内に保持するために、開閉操作部61の後方には支持部材90が設けられてもよい。支持部材90は、例えば、内側に線状部41を収納可能な円筒体や角筒体とすることができる。線状部41は、筐体21の長軸方向に移動しないように支持部材90に接続されている。従って、線状部41および支持部材90に対して開閉操作部61を筐体21の長軸方向の前後に移動させれば、開閉操作部61に接続された筒状部71を長軸方向前後に移動することができるため、挟持部51の開閉操作を行うことが可能となる。
開閉操作部61を最も前方に移動させたときに、支持部材90の一部が開閉操作部61の孔部61h内に収められ、或いは嵌合して収められることが好ましい。図8に示すように、支持部材90の一部が孔部61h内に収められるように配置すれば、開閉操作部61を筐体21の長軸方向前後に移動させる際の支持部材90の軸ぶれを抑止できる。従って、開閉操作部61を筐体21の長軸方向前後に動かして筒状部71を長軸方向前後に移動させたときに、線状部41が長軸方向前後に移動するのを抑止するだけではなく線状部41の軸ぶれも抑止できるため、挟持部51の開閉操作をより安定して行うことが可能となる。
線状部41と支持部材90との接続は、実施の形態1の回転体30と線状部40との接続と同様に以下のように行うことができる。例えば図7および図8に示すように、線状部41の後方の長軸方向と直交する方向に第1貫通孔41a、支持部材90の前方の長軸方向と直交する方向に第4貫通孔90aを設けて、第1貫通孔41aと第4貫通孔90aが重なるように配置する。ボルト等の接続部材83を支持部材90の外方から第1貫通孔41aおよび第4貫通孔90aを貫通するように挿入して、支持部材90の外方に露出したボルトの先端をナットで留めることにより、線状部41と支持部材90を接続する。
線状部41と支持部材90との接続方法は、開閉操作部61と筒状部71との接続方法と同様に、例えばレーザー溶接、半田溶接、ロウ付け、接着、カシメ、ネジ等の接続方法を用いることができる。このとき、線状部41の軸中心と支持部材90の軸中心とが重なるように接続されることが好ましい。
なお、実施の形態2では線状部41の後方を筐体21内に保持するために、支持部材90を用いたが、部材数を少なくするために線状部41と筐体21を直接的に接続することもできる。
図7および図8に示すように、開閉操作部61が筐体21の長軸に対して離れる方向、つまり径方向の外方に突起した指当て片65を有することが好ましい。指当て片65が径方向の外方に突起していれば、術者は開閉操作部61の位置を容易に把握することができるため、筐体21の開閉操作部61の位置を目視によって確認する必要がない。これにより挟持部51の開閉操作をスムーズに行うことができるため、効率良く手術を進めることができる。
図8に示すように、マイクロ鉗子11の軸方向に沿った断面において、指当て片65の外方端部65tが開口部26の最外縁部26mよりも低く形成されていることが好ましい。指当て片65が筐体21から突起していないため、手技中に常に指を開口部26の最外縁部26mに当接させていても把持し難くなることがない。なお、開口部26の最外縁部26mとは開閉操作部61の軸中心から径方向外方に向かって最も遠くに位置する縁部を意味し、指当て片65の外方端部65tとは開閉操作部61の軸中心から径方向外方に向かって最も遠くに位置する指当て片65の端部を意味する。
また、筐体21を長軸方向の挟持部51側から見ても、挟持部51と反対側から見ても、指当て片65が筐体21に隠れて見えないことが好ましい。指当て片65が筐体21から突起していないため、手技中に常に指を開口部26の最外縁部26mに当接させていても把持し難くなることがない。
また、図8に示すように筐体21内における開閉操作部61の保持を容易にするために、筐体21の内腔は開閉操作部61の外形と係合する形状をしていることが好ましい。さらに筐体21と開閉操作部61が、弾性部材111を介して接続されていることが好ましい。図8において開閉操作部61は、挟持部51側の外径が開口側の外径よりも小さいシャフト部61sを有しており、シャフト部61sの外方に弾性部材111としてコイルスプリングが設けられている。指で挟持部51側に開閉操作部61を押圧して移動させた状態を維持すると、挟持部51は筒状部71内に収められて閉状態になり、コイルスプリングは筐体21の長軸方向に圧縮されて弾性エネルギーが蓄積される。開閉操作部61の押圧を解除するとコイルスプリングは圧縮前の形状に復元されて開閉操作部61は筐体21の後方に押し戻るため、挟持部51は筒状部71から外部に露出して開状態になる。このように弾性部材111を介して筐体21と開閉操作部61を接続することにより挟持部51の開閉操作を容易に行うことができる。
弾性部材111の種類は限定されるものではないが、特にコイルスプリングであることが好ましい。コイルスプリングは工業的に量産が可能であり、また、開閉操作部61のシャフト部61sの外方に位置させるだけでよいため、マイクロ鉗子11内への設置も容易に行うことができる。コイルスプリングの形状、材料、ピッチは、開閉操作部61や筐体21の形状や術者の使用感の好み等を踏まえて適宜設定することができる。
図8において、筒状部71の一部は筐体21内に収納されているが、このとき筒状部71と筐体21とを形成する材料の剛性が異なる場合には、異なる2つの材料の境界における応力値は増大するため、マイクロ鉗子11が破損する可能性が高まることが懸念される。従って、図8に示すように筒状部71と筐体21との間に緩衝部材120が設けられることが好ましい。特に、応力が集中しやすい筐体21の前方と筒状部71との間に緩衝部材120が設けられることが好ましい。緩衝部材120は弾性を有していることが好ましく、例えば、ゴムや合成樹脂等から形成することができる。
(実施の形態3)
図9は、上記第1の観点および第2の観点の双方の特徴を有する実施の形態3に係るマイクロ鉗子12の斜視図を表す。なお、実施の形態1,2のマイクロ鉗子10,11と同様の構成要素の説明は省略する。
マイクロ鉗子12は、側部23に開口部27を有する筐体22と、筐体22内に筐体22の長軸を中心に回転可能に保持されており、かつ開口部27において一部が露出している回転体32と、筐体22の長軸方向に移動可能に保持されており、かつ開口部27において一部が露出している開閉操作部62とを有している。
図10は、実施の形態3に係る回転体32と線状部42の接続を示す斜視図を表し、図11は、実施の形態3に係る開閉操作部62と筒状部72の接続を示す斜視図を表し、図12は、実施の形態3におけるマイクロ鉗子12の軸方向に沿った断面図(一部側面図)を表す。線状部42は一方に挟持部52が設けられて他方が回転体32と接続されており、筒状部72は開閉操作部62と接続されている。
回転体32と線状部42との接続は、実施の形態1の回転体30と線状部40との接続と同様に行うことができる。例えば、図10および図12に示すように、線状部42の後方の長軸方向と直交する方向に第1貫通孔42a、シャフト部32sの前方の長軸方向と直交する方向に第2貫通孔32aを設けて、第1貫通孔42aと第2貫通孔32aが重なるように配置する。ボルト等の接続部材84をシャフト部32sの外方から第1貫通孔42aおよび第2貫通孔32aを貫通するように挿入して、シャフト部32sの外方に露出した接続部材84の先端をナットで留めることにより、線状部42と回転体32を接続する。
線状部42と回転体32との接続は、実施の形態1と同様に、例えばレーザー溶接、半田溶接、ロウ付け、接着、カシメ、ネジ等の接続方法を用いることができる。
開閉操作部62と筒状部72との接続は、実施の形態2の開閉操作部61と筒状部71と同様に行うことができる。例えば、図11および図12に示すように、開閉操作部62に、筐体21の長軸方向と直交する方向に第3貫通孔62aと、開閉操作部62内に筒状部72の少なくとも一部を収める孔部62hと設けておく。開閉操作部62の孔部62h内に筒状部72の後方を差し込み、例えば、いもネジ等の接続部材85,86を第3貫通孔62aに挿入して筒状部72を外方から締め付けることにより開閉操作部62と筒状部72を接続する。
開閉操作部62と筒状部72との接続は、実施の形態2と同様に、例えばレーザー溶接、半田溶接、ロウ付け、接着、カシメ、ネジ等の接続方法を用いることができる。
開閉操作部62を挟持部52側に移動させることにより、挟持部52は筒状部72内に収められて閉状態になり、開閉操作部62を挟持部52と反対側、つまり筐体22の後方に移動させることにより、挟持部52は筒状部72から外部に露出して開状態になる。本発明のマイクロ鉗子12は、回転体32の回転操作によって挟持部52の挟持方向を挟持対象物に合わせることができるため、筐体22自体を長軸を中心に回転させる必要がない。また、本発明のマイクロ鉗子12は、回転体32と筒状部72が接続されていないため、回転体32を回転させても筒状部72は回転せず、低侵襲での治療が可能となる。さらに、本発明のマイクロ鉗子12は、筐体22を安定して把持した状態で挟持部52の開閉操作を行うことができる。従って、マイクロ鉗子12は挟持位置のずれや挟持対象物の誤り等の医療事故の発生確率を低減することができるものである。
実施の形態2と同様の理由から、図12に示すように開閉操作部62が筐体22の長軸に対して離れる方向、つまり径方向の外方に突起した指当て片66を有することが好ましい。また、実施の形態2と同様に、マイクロ鉗子12の軸方向に沿った断面において、指当て片66の外方端部66tが開口部27の最外縁部27mよりも低く形成されていることが好ましい。さらに、実施の形態2と同様に、筐体22を長軸方向の挟持部52側から見ても、挟持部52と反対側から見ても、指当て片66が筐体22に隠れて見えないことが好ましい。
図13は、実施の形態3に係る回転体32と開閉操作部62の係合を示す斜視図を表す。回転体32は、外周に凸部36が設けられており、シャフト部32sを有している。図14は実施の形態3に係る開閉操作部62の側面図を表す。筐体22の長軸方向において、開閉操作部62は指当て片66を境に前部62fと後部62bに分けることができる。具体的には図14に示すように、筐体22の長軸方向における開閉操作部62の前部62fと後部62bの境界を指当て片66の後方端部66bの位置とすることができる。開閉操作部62の前部62fの前方は筒状部72と接続されるシャフト部62sが設けられている。
回転体32内の前方には凹み部35が形成されて、回転体32は、凹み部35で開閉操作部62と係合していることが好ましい。つまり筐体22の長軸方向において開閉操作部62が最も前方に位置して挟持部52が閉状態になっても、開閉操作部62の後部62bの少なくとも一部が回転体32の凹み部35に収納されていることが好ましい。開閉操作部62は回転体32に拘束されるため、開閉操作部62および回転体32が径方向に位置ずれすることを抑止できる。また、回転体32内に開閉操作部62の後部62bが保持されていれば、回転体32を径方向の内方に押圧しても回転体32は変形せずに押圧前の形態を維持することができる。このため、回転体32が筐体22内に入り込んでしまって円滑な回転動作が妨げられることを抑止できる。
筐体22に設けられる開口部27の数は特に制限されない。例えば、図9に示すように開口部27が1つの場合には回転体32と開閉操作部62の両方が1つの開口部27で露出されるため、回転体32と開閉操作部62を1本の指で操作しやすくなる。
また、図示はしていないが、開口部27が2つ形成されて、一方の開口部において回転体32が、他方の開口部において開閉操作部62が、それぞれ露出している場合には、回転体32と開閉操作部62をそれぞれ異なる指で操作することが容易になる。
径方向において、開閉操作部62の指当て片66の少なくとも一部が回転体32の最大半径32mよりも外方に位置していることが好ましい。図15は実施の形態3に係る回転体32の正面図である。ここで回転体32の最大半径32mとは、回転体32の外周に設けられる少なくとも3つの凸部36によって一義的に形成される仮想円37の半径である。このように開閉操作部62の指当て片66と回転体32を配置すれば、開閉操作部62の操作性を向上することができる。
本願は、2014年10月24日に出願された日本国特許出願第2014−217254号に基づく優先権の利益を主張するものである。2014年10月24日に出願された日本国特許出願第2014−217254号の明細書の全内容が、本願に参考のため援用される。
10、11、12:マイクロ鉗子
20、21、22:筐体
23:側部
25、26、27:開口部
30、32:回転体
35:凹み部
40、41、42:線状部
50、51、52:挟持部
60、61、62:開閉操作部
65、66:指当て片
70、71、72:筒状部
100:マイクロ鉗子の先端部
110、111:弾性部材
120:緩衝部材

Claims (13)

  1. 側部に開口部を有する筐体と、
    該筐体内に、前記筐体の長軸を中心に回転可能に保持されており、かつ前記開口部において一部が露出している回転体と、
    対象物を挟持する挟持部と、
    一方に前記挟持部が設けられており、他方が前記回転体と接続されている線状部と、
    前記筐体内に、前記筐体の長軸方向に移動可能に保持されており、かつ前記開口部において一部が露出している開閉操作部と、
    前記開閉操作部と接続される筒状部と、を有しており、
    前記開閉操作部を前記挟持部側に移動させることにより、前記挟持部は前記筒状部内に収められて閉状態になり、
    前記開閉操作部を前記挟持部と反対側に移動させることにより、前記挟持部は前記筒状部から外部に進出して開状態になるマイクロ鉗子。
  2. 前記回転体は、前記筐体の長軸方向の前記挟持部側に凹み部が形成されており、該凹み部で前記開閉操作部と係合している請求項1に記載のマイクロ鉗子。
  3. 前記筒状部の外径が1.1mm以下である請求項1または2に記載のマイクロ鉗子。
  4. 前記回転体の回転位置を固定する固定手段が設けられる請求項1乃至3のいずれか一項に記載のマイクロ鉗子。
  5. 前記線状部が、中実状又は中空状である請求項1乃至4のいずれか一項に記載のマイクロ鉗子。
  6. 前記筐体の長軸方向の前記挟持部側と反対側において、前記回転体が前記筐体と係合している請求項1乃至5のいずれか一項に記載のマイクロ鉗子。
  7. 前記筐体と前記開閉操作部が、弾性部材を介して接続されている請求項1乃至6のいずれか一項に記載のマイクロ鉗子。
  8. 前記弾性部材がコイルスプリングである請求項7に記載のマイクロ鉗子。
  9. 前記開閉操作部が、前記筐体の長軸に対して離れる方向に突起した指当て片を有する請求項1乃至8のいずれか一項に記載のマイクロ鉗子。
  10. 前記指当て片の外方端部は、前記開口部の最外縁部よりも低く形成されている請求項9に記載のマイクロ鉗子。
  11. 前記筐体の周方向における前記開口部の開口範囲は、前記筐体の周方向に対して60度以上、180度以下である請求項1乃至10のいずれか一項に記載のマイクロ鉗子。
  12. 前記開口部において、前記回転体と前記開閉操作部の両方が露出している請求項1乃至11に記載のマイクロ鉗子。
  13. 前記開口部が2つ形成されて、一方の開口部において前記回転体が、他方の開口部において前記開閉操作部が、それぞれ露出している請求項1乃至12に記載のマイクロ鉗子。
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