JP6596523B2 - 鞍乗り型車両の内燃機関 - Google Patents

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本発明は、鞍乗り型車両の内燃機関に関するものである。
従来、例えば特許文献1に見られるように、
軸方向において、左右一対のクランクウエイト(20w)が設けられたクランク軸(20)と、
前記左右一対のクランクウエイト(20w)の間に位置するバランサーウエイト(55w)が設けられたバランサー軸(55)と、
前記左右のクランクウエイト(20w)が収容されるクランクウエイト室(Cc(図5、図17))と、前記バランサーウエイト(55w)が収納されるバランサーウエイト室(Cc(図5,図17))とを一体に有するクランク室(Cc)を形成するとともに前記クランク軸(20)とバランサー軸(55)とを支持する左右割りのクランクケース(11L,11R)とを備え、
前記左右一対のクランクウエイト(20w)の回転軌跡と、前記左右一対のクランクウエイト(20w)の間に位置するバランサーウエイト(55w)の回転軌跡とが軸方向視で部分的にオーバーラップする鞍乗り型車両の内燃機関が知られている。
特開2009−121326号公報
上述した鞍乗り型車両の内燃機関では、クランク室内に滞留する潤滑オイル(滞留オイル)によるフリクションを低減すべく、スカベンジングポンプ(70)を設けてクランク室内に滞留する潤滑オイルを抜き取る構造となっているが、滞留オイルによるフリクションのさらなる低減が望まれる。
本発明が解決しようとする課題は、滞留オイルによるフリクションのさらなる低減を図ることのできる鞍乗り型車両の内燃機関を提供することである。
記課題を解決するために本発明の鞍乗り型車両の内燃機関は、
軸方向において、左右一対のクランクウエイトが設けられたクランク軸と、
前記左右のクランクウエイトが収容されるクランクウエイト室を有するとともに前記クランク軸を支持する左右割りのクランクケースとを備えた鞍乗り型車両の内燃機関であって、
前記クランクウエイト室の下部にはスカベンジングポンプへのオイル排出口が設けられ、
このオイル排出口の前記クランク軸の回転方向下流側の一部において、前記一対のクランクウエイトの外周面にそれぞれ対向して、前記クランクウエイト室の壁面よりクランクウエイトの外周面に近接する一対の円弧状段部が設けられてこの円弧状段部の内周面は前記クランクウエイトの外周面と対向し、これら一対の円弧状段部同士の間には、前記クランク軸に連結されるコンロッドの逃げ部が形成され、このコンロッドの逃げ部と前記オイル排出口との境に、前記円弧状段部と連続する堰が設けられることを特徴とする。
この鞍乗り型車両の内燃機関によれば、
オイル排出口の前記クランク軸の回転方向下流側の一部において、前記一対のクランクウエイトの外周面にそれぞれ対向して、前記クランクウエイト室の壁面よりクランクウエイトの外周面に近接する一対の円弧状段部が設けられているので、当該円弧状段部の分だけ、クランク室のケースボリュームを低減することができ、その分、クランク室内の潤滑オイルの滞留量を削減することができる。
したがって、この鞍乗り型車両の内燃機関によれば、滞留オイルによるフリクションのさらなる低減を図ることができる。
また、円弧状段部の内周面は前記クランクウエイトの外周面と対向し、これら一対の円弧状段部同士の間には、前記クランク軸に連結されるコンロッドの逃げ部が形成され、このコンロッドの逃げ部と前記オイル排出口との境に、前記円弧状段部と連続する堰が設けられているので、クランクウエイトおよびコンロッドに連れ回ろうとするオイルがオイル排出口近くにおいて円弧状段部および前記堰部で掻き落とされるので、滞留オイルの排出効率が高められて滞留オイルによるフリクションのさらなる低減を図ることができる。
また、上記課題を解決するために本発明の鞍乗り型車両の内燃機関は、
軸方向において、左右一対のクランクウエイトが設けられたクランク軸と、
前記左右のクランクウエイトが収容されるクランクウエイト室を有するとともに前記クランク軸を支持する左右割りのクランクケースとを備えた鞍乗り型車両の内燃機関であって、
前記クランクウエイト室の下部にはスカベンジングポンプへのオイル排出口が設けられ、
このオイル排出口の前記クランク軸の回転方向下流側の一部において、前記一対のクランクウエイトの外周面にそれぞれ対向して、前記クランクウエイト室の壁面よりクランクウエイトの外周面に近接する一対の円弧状段部が設けられてこの円弧状段部の内周面は前記クランクウエイトの外周面と対向し、この円弧状段部の内周面と前記オイル排出口との境に、前記円弧状段部と連続する堰が設けられることを特徴とする。
この鞍乗り型車両の内燃機関においては、
前記クランク軸の回転方向に関し、前記堰の下流部に、オイルを前記スカベンジングポンプへ導く穴が設けられている構成とすることができる。
本発明に係る鞍乗り型車両の内燃機関の実施の形態を搭載した鞍乗り型車両の一例である自動二輪車の左側面図。 本発明に係る鞍乗り型車両の内燃機関の実施の形態の要部を示す縦断面図。 同じく横断面図(図7における3−3断面図に相当する図)。 右クランクケースを示す図で、(a)は図(b)における部分省略a−a断面図、(b)は左側面図、(c)は図(b)におけるc−c断面図、(d)は図(b)における部分省略d−d断面図。 左クランクケースの右側面図。 右クランクケースの部分右側面図。 作動説明図。 図8における一部省略拡大8−8断面図。
以下、本発明に係る鞍乗り型車両の内燃機関の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとし、以下の説明において、前後、左右、上下は、操縦者から見た方向に従い、必要に応じて図面に車両の前方をFr、後方をRr、左側をL、右側をR、上方をU、下方をD、として示す。各図において、同一部分ないし相当する部分には、同一の符号を付してある。
図1は、本発明に係る鞍乗り型車両の内燃機関機の一実施の形態を搭載した鞍乗り型車両の一例である自動二輪車の概略側面図である。
同図に示すように、この自動二輪車は、メインフレームMFと、このメインフレームMFの前部にハンドルHで操舵可能に設けられた前輪WFと、メインフレームMFに搭載された内燃機関(エンジン)Eと、メインフレームMFの後部にスイングアームSAを介して支持され、前記エンジンEで駆動される後輪WRとを備えている。
後輪WRの駆動方式は適宜の方式を採用し得るが、この実施の形態では、エンジンEの出力軸に固定した駆動スプロケット1と後輪WRの従動スプロケット2とを連結した駆動チェーン3で後輪WRを駆動するようになっている。
Tは燃料タンク、Sは運転者が座るシート、STは足を掛けるステップである。
図2、図3に示すように、この実施の形態の内燃機関Eは、
軸方向において、左右一対のクランクウエイト21(L,R)が設けられたクランク軸20と、
前記左右一対のクランクウエイト21(L,R)の間に位置するバランサーウエイト31が設けられたバランサー軸30と、
前記左右のクランクウエイト21(L,R)が収容されるクランクウエイト室11(L,R)と前記バランサーウエイト31が収納されるバランサーウエイト室13とを一体に有するクランク室12を形成するとともに前記クランク軸20とバランサー軸30とを支持する左右割りのクランクケース10(L,R)とを備えている。
図2に示すように、左右一対のクランクウエイト21(L,R)の回転軌跡T2と、左右一対のクランクウエイト21(L,R)の間に位置するバランサーウエイト31の回転軌跡T3とは、軸方向視(図2)で部分的にオーバーラップする。オーバーラップ部をOLで示す。
そして、図4,図5にも示すように、バランサーウエイト室13には、バランサーウエイト31の左右の側面32(L,R(図3参照))に対向する左右の壁面14(L,R)を、前記オーバーラップ部OL以外の部位においてクランクウエイト室11(L,R)の壁面11sよりもバランサーウエイト31の側面32(L,R)に近接させる段部15(L,R)が設けられている。
この実施の形態では、段部15をバランサーウエイト室13の左右の壁面14(L,R)に設けたが、左右の壁面のうち少なくとも一方の壁面にのみ設けることもできる。
この鞍乗り型車両の内燃機関によれば、
バランサーウエイト室13の、バランサーウエイト31の左右の側面32(L,R)に対向する左右の壁面14(L,R)のうち少なくとも一方の壁面を、オーバーラップ部OL以外の部位においてクランクウエイト室11(L,R)の壁面11sよりもバランサーウエイト31の側面32(L,R)に近接させる段部15(L,R)を設けたことによって、当該段部15(L,R)の分だけ、クランク室12のケースボリュームを低減することができ、その分、クランク室12内の潤滑オイルの滞留量を削減することができる。
したがって、この鞍乗り型車両の内燃機関によれば、滞留オイルによるフリクションの低減を図ることができる。
図2に示すように、クランクウエイト室11の下部にはスカベンジングポンプ40へのオイル排出口16が設けられ、図4,図5にも示すように、前記段部15(L,R)からオイル排出口16へ向かうガイド壁17(L,R)が設けられている。
このように構成すると、前記段部15(L,R)およびガイド壁17(L,R)で掻き取られたオイル(図示せず)がガイド壁17(L,R)によってオイル排出口16へ向かいやすくなるので、滞留オイルの排出効率が高められて滞留オイルによるフリクションのさらなる低減を図ることができる。
図2において、矢印R1はクランク軸20の回転方向、矢印R2はバランサー軸30の回転方向をそれぞれ示している。
図3に示すように、クランク軸20の右側には歯車23が設けられており、この歯車23が、バランサー軸30に設けられた歯車33に噛み合っている。これによって、バランサー軸30(したがってバランサーウエイト31)がクランク軸20(クランクウエイト21)と反対方向に回転駆動される。
また、クランク軸20の左側にはスプロケット24が設けられており、このスプロケット24がチェーン43を介して、スカベンジングポンプ40の軸41の端部に設けられたスプロケット44に連結されている。これによって、スカベンジングポンプ40が回転駆動される。
クランク軸20の右端には、変速機構(図1参照)へ動力を出力する駆動歯車22が設けられている。
図4〜図6(主として図4,図5)において、10cはクランク軸20を支持する穴、10bはバランサー軸30を支持する穴、10tは変速機構TMの収納室である。
図2において、50はコンロッド、60はシリンダブロック、70はピストンである。
図3に示すように、左右のクランクケース10(L,R)は適所がボルトBで締結固定される。図4,図5においてクロスハッチング部が接合面(割面)である。
図4(a)、図6に示すように、前記段部15の、バランサーウエイト室13の外側は凹状に形成され、該凹部15cには補強リブ15rが設けられている。
このように構成すると、段部15の補強による軽量化を図ることができる。
図2〜図5に示すように、前記クランクウエイト室11(L,R)の、前記クランク軸20を挟んでバランサーウエイト室13と反対側に位置する側壁11s2には、円弧状段部18(L,R)が設けられ、この円弧状段部18(L,R)の内周面18cはクランクウエイト21(L,R)の外周面21c(図2)と対向する。円弧状段部18(L,R)は、オイル排出口(16)の、クランク軸(20)の回転方向下流側に設けられている。
このように構成すると、円弧状段部18(L,R)の分だけ、クランク室12のケースボリュームを低減することができ、その分、クランク室12内の潤滑オイルの滞留量を削減することができる。また、クランクウエイト21(L,R)の外周(21c)に連れ回ろうとするオイルが円弧状段部18(L,R)で掻き落とされるので、滞留オイルの排出効率が高められて滞留オイルによるフリクションのさらなる低減を図ることができる。
円弧状段部18(L,R)は、一対のクランクウエイト21(L,R)の外周面21cにそれぞれ対向して一対設けられ、これら一対の円弧状段部18(L,R)同士の間には、クランク軸20に連結されるコンロッド50の逃げ部19(図7参照)が形成されている。そして、このコンロッド50の逃げ部19と前記オイル排出口16との境19bに、前記円弧状段部18(L,R)と連続する堰18bが設けられている。
このように構成すると、クランクウエイト21(L,R)およびコンロッド50に連れ回ろうとするオイルがオイル排出口16近くにおいて円弧状段部18(L,R)および前記堰部18bで掻き落とされるので、滞留オイルの排出効率が高められて滞留オイルによるフリクションのさらなる低減を図ることができる。
図7等において、19hは、コンロッド50の逃げ部19のオイルをスカベンジングポンプ40へ導く穴である。
図2,および図4(b)(d)において、11c(R)は、接合面10dよりも多少下げた側面視で円弧状段部である。同様の円弧状段部11C(L)は左クランクケース(図5)にも設けられている。このような円弧状段部11c(L,R)を設けることにより、接合面10dの面積を狭くして接合時の面圧を確保しつつクランク室12のケースボリュームをさらに低減して、潤滑オイルの滞留量をさらに削減することができる。また、11hは接合面10dに設けた凹部であり、接合面10dの面積を狭くして接合時の面圧確保を図ったものである。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
10(L,R):クランクケース、11(L,R):クランクウエイト室、12:クランク室、13:バランサーウエイト室、15(L,R):段部、15c:凹部、15r:補強リブ、16:オイル排出口、17(L,R):ガイド壁、18(L,R):円弧状段部、18b:堰、19:逃げ部、20:クランク軸、21(L,R):クランクウエイト、30:バランサー軸、31:バランサーウエイト、40:スカベンジングポンプ。

Claims (3)

  1. 軸方向において、左右一対のクランクウエイト(21L,R)が設けられたクランク軸(20)と、
    前記左右のクランクウエイト(21L,R)が収容されるクランクウエイト室(11L,R)を有するとともに前記クランク軸(20)を支持する左右割りのクランクケース(10L,R)とを備えた鞍乗り型車両の内燃機関であって、
    前記クランクウエイト室(11L,R)の下部にはスカベンジングポンプ(40)へのオイル排出口(16)が設けられ、
    このオイル排出口(16)の前記クランク軸(20)の回転方向下流側の一部において、前記一対のクランクウエイト(21L,R)の外周面(21c)にそれぞれ対向して、前記クランクウエイト室(11L,R)の壁面(11s)よりクランクウエイト(21L,R)の外周面(21c)に近接する一対の円弧状段部18(L,R)が設けられてこの円弧状段部(18L,R)の内周面(18c)は前記クランクウエイト(21L,R)の外周面(21c)と対向し、これら一対の円弧状段部(18L,R)同士の間には、前記クランク軸(20)に連結されるコンロッド(50)の逃げ部(19)が形成され、このコンロッド(50)の逃げ部(19)と前記オイル排出口(16)との境(19b)に、前記円弧状段部(18L,R)と連続する堰(18b)が設けられることを特徴とする鞍乗り型車両の内燃機関。
  2. 軸方向において、左右一対のクランクウエイト(21L,R)が設けられたクランク軸(20)と、
    前記左右のクランクウエイト(21L,R)が収容されるクランクウエイト室(11L,R)を有するとともに前記クランク軸(20)を支持する左右割りのクランクケース(10L,R)とを備えた鞍乗り型車両の内燃機関であって、
    前記クランクウエイト室(11L,R)の下部にはスカベンジングポンプ(40)へのオイル排出口(16)が設けられ、
    このオイル排出口(16)の前記クランク軸(20)の回転方向下流側の一部において、前記一対のクランクウエイト(21L,R)の外周面(21c)にそれぞれ対向して、前記クランクウエイト室(11L,R)の壁面(11s)よりクランクウエイト(21L,R)の外周面(21c)に近接する一対の円弧状段部18(L,R)が設けられてこの円弧状段部(18L,R)の内周面(18c)は前記クランクウエイト(21L,R)の外周面(21c)と対向し、この円弧状段部(18L,R)の内周面(18c)と前記オイル排出口(16)との境(19b)に、前記円弧状段部(18L,R)と連続する堰(18b)が設けられることを特徴とする鞍乗り型車両の内燃機関。
  3. 請求項1または2において、
    前記クランク軸(20)の回転方向(R1)に関し、前記堰(18b)の下流部に、オイルを前記スカベンジングポンプ(40)へ導く穴(19h)が設けられていることを特徴とする鞍乗り型車両の内燃機関。
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