JP6596576B2 - 関節用超音波処置具 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波振動による機械的な切削作用と熱による融解的な切削作用を併せ持つ関節用超音波処置具及びその処置方法に関する。
一般に、軟骨は、たんぱく質(コラーゲン)を主成分として形成されており、柔らかく弾力性を有している。外科的処置における軟骨の切削は、電気メス等の処置具を用いている。また近年には、超音波処置具を用いて、生体組織だけではなく、骨等の処置対象部位に対しても切削等の外科的処置が実施できることが報告されている。通常、軟骨は、振動を与えても弾性力により吸収されてしまうと想定されており、超音波振動による機械的な切削作用は生じないと考えられていた。
例えば、特許文献1:特開2015−43879号公報等に記載されているような発熱を伴い超音波振動を発生する超音波処置具を用いれば、軟骨や軟骨下骨などの骨(皮質骨及び海綿骨)及び生体組織の全ての部位に対して切削処置が可能である。その一方、全ての部位に対して切削処置が可能であるがために、生体組織と軟骨、軟骨と軟骨下骨をそれぞれ切り分ける切削処置を実現することは容易ではない。例えば、関節手術等では、軟骨、滑膜及び軟骨下骨など切り分けが必要となってくる。術者は、切開処置や切削処置において、下層の部位をなるべく損傷させないように、その切り分ける見極めが重要であり、経験や熟練度が必要とされている。
本発明は、超音波振動による機械的切削により処置対象部位の生体組織又は骨を切削する骨切削部と、超音波振動により熱を発生させて処置対象部位の軟骨を融解させて切削する軟骨切削部とを併せ持つ処置部を有する関節用超音波処置具を提供する。
本発明に従う実施形態は、超音波振動を発生させる超音波振動発生部と、前記超音波振動を伝達する超音波プローブと、前記超音波プローブの先端に設けられ、処置対象部位に所望する処置を行う処置部と、を具備し、前記処置部は、前記処置対象部位のうちの生体組織又は骨に対して複数のエッジを有する面で接し、超音波振動の伝達により叩いて前記生体組織又は骨を機械的に切削する骨切削部と、前記骨切削部と異なる位置に設けられる軟骨切削部であって、前記処置対象部位のうちの軟骨に対して接した状態において、超音波振動の伝達により前記軟骨切削部自体が発熱することにより、前記軟骨を融解的に切削する軟骨切削部と、を有する、関節用超音波処置具を提供する
図1は、第1の実施形態に係る超音波処置具の外観構成の一例を示す図である。 図2は、第1の実施形態に係る超音波処置具の主要な構成を示すブロック図である。 図3は、第1の実施形態におけるプローブに設けられた処置部の概念的な外観構成を示す図である。 図4Aは、第1の実施形態の第1の変形例として、プローブに設けられた処置部を側面から見た概念的な外観構成を示す図である。 図4Bは、第1の実施形態の第1の変形例として、プローブに設けられた処置部を正面から見た概念的な外観構成を示す図である。 図5は、第1の実施形態の第2の変形例として、プローブに設けられた処置部を側面から見た概念的な外観構成を示す図である。 図6は、第1の実施形態の第3の変形例として、プローブに設けられた処置部を側面から見た概念的な外観構成を示す図である。 図7は、第1の実施形態の第4の変形例として、プローブに設けられた処置部を側面から見た概念的な外観構成を示す図である。 図8は、第2の実施形態に係る超音波処置具におけるプローブに設けられた処置部の側面から見た概念的な構成を示す図である。 図9は、第2の実施形態の一変形例として、プローブに設けられた処置部を側面から見た概念的な外観構成を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の超音波処置具は、超音波振動により所望する処置対象部位に外科的処置が可能であり、超音波振動による機械的切削を行う処置対象部位のうちの生体組織又は骨の切削を行う骨切削部と、超音波振動による振動エネルギーを熱エネルギーに変換した発熱により融解的切削を行う処置対象部位のうちの軟骨の切削を行う軟骨切削部と、をプローブの先端側に一体的に併せ持つ処置部を備えている。ここでいう機械的切削とは、超音波振動により処置対象部位を叩いて破砕することを意味しており、以下の説明においては、機械的切削又は破砕的切削と称している。また他にも、機械的切削は、プローブが処置対象部位を叩くという超音波振動の振幅による揺動から、ハンマリング効果又は、ハンマリング作用と称されている場合もある。
軟骨切削部による軟骨に対する切削は、軟骨に押し当てられて局部的に軟骨を融解する温度まで加熱することで生じる。本実施形態では処置部の軟骨切削部は、例えば、超音波振動が加わった際に、プローブ7の内部摩擦による発熱、または、第2の実施形態として後述する残留応力により発熱し、軟骨が融解できる適切な温度に昇温される。その適正な温度としては、接触する処置対象の軟骨部分が45℃〜220℃の範囲となり、より好ましくは、120℃〜160℃の範囲内の温度となるように軟骨切削部の温度設定が行われる。プローブの内部摩擦による発熱は、チタン合金等からなる軟骨切削部に付加されたチタン合金等よりも減衰又は減衰能の大きい金属材料を組み入れることで生じさせることができる。この構成の場合、発熱は、組み入れた金属材料の固有の特性に依存する(例えば、材料が持つ対数減衰率)。
[第1の実施形態]
図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る関節用超音波処置具について説明する。図1は、第1の実施形態に係る関節用超音波処置具(以下、超音波処置具と称する)の外観構成の一例を示す図、図2は、超音波処置具の主要な構成を示すブロック図である。本実施形態は、前述した軟骨切削部に減衰率の大きい金属材料を組み入れて、プローブの内部摩擦により発熱させる構成例である。
この超音波処置具1は、超音波振動によって処置対象部位、例えば、生体組織、軟骨及び骨(軟骨下骨)等に対する切削処置や切開処置を行うための処置具3と、その処置具3に駆動電力を供給する電源装置2と、後述する操作入力部6と同等の機能を有するフットスイッチ11と、で構成される。尚、本実施形態の超音波処置具1においては、技術的特徴の要旨を説明するために最小限のシステム構成を示しており、図示していないが一般的に超音波手術システムとして使用されている構成部位は、備えているものとする。
処置具3は、術者が把持する筒形状のハンドピース4と、ハンドピース4の一端から延出する細長いプローブ7と、プローブ7の周囲を覆うように形成されたシース5と、指示を行うための操作入力部6と、プローブ7の後述する軟骨切削部7cの温度を測定する温度センサ21と、を備えている。ハンドピース4は、電源装置2とケーブル接続され、駆動電力の供給や制御信号の通信が行われている。
ハンドピース4の内部には、超音波振動子12が設けられており、プローブ7に図示しないホーン部等を介して、音響的に連結されている。超音波振動子12は、電源装置2から駆動電力が供給されて超音波振動し、その発生した超音波振動は、プローブ7に伝搬される。プローブ7は、処置部7aとなる先端部分が露出するようにシース5に覆われており、超音波振動子12から伝搬された超音波振動により処置部7aが振動する。
処置部7aは、生体組織や骨を切削するための骨切削部7bと、軟骨を切削するための軟骨切削部7cを有する。後述するように、超音波振動が伝搬され、軟骨切削部7cが加熱された状態で軟骨の切削処置を行い、又は骨切削部7bが振動した状態で骨(例えば軟骨下骨)の切削処置を行う。
また、ハンドピース4は、把持面となる側面のケーブル側に操作入力部6が設けられている。この操作入力部6は、本実施形態で後述するように、術者がハンドピース4を半回転させて持ち替えるため、持ち替えた際に、操作入力部6が指や手に対して障害とならない位置に配置されている。
この操作入力部6は、超音波振動子12の駆動を指示するための複数の操作スイッチ8を備えている。これらの操作スイッチ8は、超音波振動子12に供給される駆動電力のオンオフ操作だけではなく、後述する処置部における超音波の振幅を変えて、小さい振幅(又は低振幅)による熱を発生させる軟骨切削モードと、軟骨切削モード時よりも大きい振幅(高振幅)で処置部を振動させる骨切削モードを切り替える操作を行う切換スイッチ(切換部)をも含んでいる。本実施形態において、フットスイッチ11は、操作入力部6と同等の機能を有している。
電源装置2は、超音波振動子12に駆動電力を供給する出力回路22と、出力回路22を制御する制御回路23とで構成される。
出力回路22は、ハンドピース4内の超音波振動子12とケーブル等により電気的に接続され、超音波振動子12を駆動する駆動電力を供給する。
制御回路23は、内部にメモリ24を備える演算処理機能を搭載する処理回路で構成され、操作入力部6又はフットスイッチ11から入力された指示(オンオフ指示又は超音波の振幅の選択指示等)及び温度センサ21の検出信号に従い、出力回路22から出力される駆動電力を制御する。制御回路23は、温度センサ21の検出信号に基づき、前述した処置に適する温度範囲内(45℃〜220℃の範囲で、より好ましくは、120℃〜160℃)になるように、軟骨切削部7cに供給される駆動電力が制御されている。
尚、軟骨切削部7cの温度制御を行う際に、温度センサ21を搭載しない構成であっても実現できる。これは、例えば、押し付け加重を固定値とした上で、軟骨の温度を45℃〜220℃、好ましくは120℃〜160℃の範囲内の規定の温度となるような振幅値を複数回の実測により求め、平均された振幅値を制御回路23のメモリ24に制御パラメータとして予め記憶させておく。使用時には、制御回路23は、要求された設定温度を実現するためのメモリ24から制御パラメータを読み出し、その制御パラメータに基づく振幅値で超音波振動子12が振動するように出力回路22の駆動電力の値を制御してもよい。
図3には、本実施形態におけるプローブ7に設けられた処置部7aの概念的な外観構成を示している。プローブ7の先端側には、処置部7aが設けられている。
。図3において処置部7aは、下部には突起したフック形状の骨切削部7bが設けられ、その骨切削部7bの反対側の上部には、凹凸の無い平滑面、即ち滑らかな平面又は滑らかな曲面で形成される軟骨切削部7cが設けられている。
通常、超音波振動処置具におけるプローブ7の処置部7aは、超音波振動により叩いて破砕して削り取る機械的切削(所謂、ハンマリング効果又は、ハンマリング作用)で処置対象部位となる生体組織又は骨を破砕するように切削するため、処置対象の骨より硬い硬度と振動に対する耐久性とが必要である。一方、発熱は、これまで切削における利点とはなっていなかったため、また、振動が加わったとしても比較的熱が発生し難い金属材料、すなわち減衰の小さい材料、例えば、チタンやチタン合金を用いて形成されている。
本実施形態における軟骨切削部7cは、超音波振動を用いて処置対象部位となる軟骨を融解する温度まで昇温させるため、発熱しやすい減衰の大きい材料、例えば、ステンレス合金や鉄等を用いている。滅菌処理や腐食耐性の観点から見ると、鉄よりはステンレス合金が好適する。図3においては、例えば、チタン合金からなる骨切削部7bとステンレス合金からなる軟骨切削部7cとが一体的になるように接合されている。この構成において、軟骨切削部7cは、超音波振動が加わると内部摩擦により発熱し、骨切削部7bよりも軟骨切削部7cの方が加熱されやすい。
図3に示すように、プローブ7の先端側のうち、超音波振動により処置対象部位を叩いて削り取るフック形状の突起を中心とする機械的切削領域31aと、先端から軟骨切削部7cの上部平滑部分に掛けて超音波振動により発熱して融解により処置対象部位を削り取る融解切削領域31bを有している。これらの領域を処置対象に押し付けることにより、それぞれに切削が行われる。
これらの骨切削部7bと軟骨切削部7cの接合は、焼嵌め、溶接、熱圧着、ねじ止め又は、インサート成形等の何れかの接合手法を用いれば、一体化させることができる。 このように形成された処置部7aを設けられたプローブ7を備える超音波振動処置具による切削処置について説明する。
まず、術者は、生体組織を切開して関節鏡用のポートを形成するために、ハンドピース4の操作入力部6又はフットスイッチ11を操作して、超音波振動子12を駆動させて、プローブ7を超音波振動させ、処置部7aの骨切削部7bを処置対象となる生体組織に押し付ける。骨切削部7bは生体組織を超音波振動の機械的切削により切削し、軟骨(変性軟骨)が露出するまで切開する。
軟骨が露出した後、術者は、ハンドピース4を図1の矢印に示すプローブ7の長手軸方向で半回転して持ち替えてプローブを反転させ、超音波振動で加熱された軟骨切削部7cを処置対象の軟骨に宛がう。この時、軟骨切削部7cが接触する軟骨の温度が前述した120℃〜160℃程度になり、融解による切削が行われ、軟骨下の骨が露出される。また、骨が露出した場合には、再度、術者は、ハンドピース4をプローブ7の長手軸方向で半回転するようにして持ち替えて、骨切削部7bを超音波振動させて、処置対象の骨に宛がい、その超音波振動による機械的切削により切削を行う。
尚、本実施形態では、ハンドピース4とプローブ7とが固定された構成であったため、骨切削部7bと軟骨切削部7cとを切り換える際に、術者は、ハンドピース4を半回転させて持ち替えている。この固定構造に対して、ハンドピース4とプローブ7との間に回動機構を設けて、ハンドピース4に対してプローブ7が回動するのであれば、術者は、ハンドピース4を持ったままで、プローブ7を回動させれば、骨切削部7bと軟骨切削部7cの向きを切り換えることができる。
以上、本実施形態では、超音波振動による機械的切削を行うプローブ7の処置部7aの一部に、振動エネルギーを熱エネルギーに変換する減衰能の特性を有する金属材料を用いて、融解的切削により軟骨を切削する軟骨切削部7cを構成している。
従って、本実施形態によれば、処置対象が軟骨下骨上に軟骨が積層された構造であった場合には、融解的切削では軟骨下骨を切削し難く、また軟骨切削部7cは平滑な平面又は曲面であり、超音波振動による機械的切削の効率が落ちるため、軟骨のみの切削で停止させることができる。よって、処置対象に応じて、骨切削部7bの超音波振動による機械的切削と、軟骨切削部7cの加熱による融解的切削とを使い分けることで、生体組織と、軟骨と、骨(例えば軟骨下骨)とを低侵襲で容易に切り分けることができる。
本実施形態によれば、軟骨や、骨(軟骨下骨)、海綿骨及び生体組織の全てに対して切削処置が可能であり、さらに、処置対象に宛がうプローブの箇所により、超音波振動による機械的作用で処置対象の生体組織又は骨の切削を行う骨切削部7bと、超音波振動により熱を発生させて処置対象の軟骨の融解による切削を行う軟骨切削部7cとを併せ持つ処置部を備える関節用超音波処置具を実現することができる。
次に、第1の実施形態に係る第1の変形例について説明する。
図4Aには、第1の実施形態に適用できるプローブ41に設けられた処置部41aの側面から見た概念的な外観構成を示し、図4Bは、その処置部を正面から見た概念的な外観構成を示している。この第1の変形例は、前述したプローブ7の処置部7aに設けられた骨切削部7bがフック形状であったものをクロスハッチング形状に変更した構成である。
処置部41aは、前述したと同様に減衰の異なる少なくとも2つの異種金属から一体的に形成される。処置部41aは、前述したチタン合金からなる骨切削部41bと、ステンレス合金からなる軟骨切削部41cとが一体的に形成されている。
軟骨切削部41cは、平滑な平面又は曲面により形成され、前述したように超音波振動が与えられ内部摩擦により熱が発生され、軟骨切削部41cが接触する軟骨の温度が前述した温度範囲120℃〜160℃程度になるように加熱される。
また、骨切削部41bは、正面から見ると、クロスハッチングの網目形状に接触部が形成され、その網目間は溝状に掘られている。この網目形状は、線状に交差する複数の突起部(エッジ)が存在することとなり、側面にも略周囲全体に渡り半円状の溝(エッジ)が形成されている。
図4A及び図4Bに示すように、プローブ41の先端側のうち、超音波振動により処置対象部位を叩いて削り取る網目状の接触部を中心とする機械的切削領域42aと、プローブ先端前面から軟骨切削部41cの上部平滑部分に掛けて、融解により処置対象部位を削り取る融解切削領域42bを有している。
以上の第1の変形例によれば、骨切削部41bは、クロスハッチング部分が処置対象と当接するため、フック形状の骨切削部7bに比べて、存在する複数の突起(エッジ)の接触面積が大きくなり、切削する効率が高くなる。また、さらに、前述した第1の実施形態による超音波処置具と同様な作用効果も奏することができる。
次に、第1の実施形態に係る第2の変形例について説明する。
図5には、第1の実施形態に適用できるプローブ51に設けられた処置部51aの側面から見た概念的な構成を示している。この第2の変形例は、前述したプローブ7の処置部7aに設けられた軟骨切削部7cの構造を変更した構成である。
処置部51aは、前述したチタン合金からなる骨切削部51bと、発熱するためのチタン合金とは減衰率が異なる異種金属からなる複数の小球体(又は、粒状体)52がチタン合金に埋め込まれた構成の軟骨切削部51cとが一体的に形成されている。図5に示すように、プローブ51の先端側のうち、超音波振動により処置対象部位を叩いて削り取るフック形状の突起を中心とする機械的切削領域53aと、プローブ先端前面から軟骨切削部51cの上部平滑部分に掛けて超音波振動により発熱して融解により対象部位を削り取る融解切削領域53bを有している。
軟骨切削部51cは、異種金属として、例えば鉄又はステンレス合金等の超音波振動を与えることで発熱しやすい金属が小球体52の形状でチタン合金に埋め込まれている。チタン合金に埋め込む小球体52の内包量(数量又は、直径等の大きさ)は、実際に超音波振動を与えた際の軟骨切削部51cの発熱状態を実測して設定される。従って、プローブ51の大きさ、形状、発熱温度等により、適宜設定される。また、小球体52を埋め込む分布(密度)は、均一であってもよいし、特に加温したい領域を他の領域よりも密度が高くなるように設計してもよい。
この第2の変形例によれば、前述した第1の実施形態の作用効果に加えて、軟骨切削部51cをチタン合金からなるプローブ51の上部に、チタン合金とは異種金属からなる小球体形状の数や大きさを適宜、設定して埋め込むことで製造時の温度範囲の調整が容易に実施できる。
次に、第1の実施形態に係る第3の変形例について説明する。
図6は、第1の実施形態に適用できるプローブ61に設けられた処置部61aの側面から見た概念的な構成を示している。この第3の変形例は、前述したプローブ7の処置部7aに設けられた軟骨切削部7cの構造を変更した構成である。
図6に示す処置部61aは、前述したチタン合金からなる骨切削部61bと、異種金属が立方柱又は円柱形状からなる異種金属柱63をプローブ61の上部に埋め込んだ構成の軟骨切削部61cが一体的に形成されている。
チタン合金からなるプローブ61の先端部上面に複数の嵌入穴を形成する。例えばステンレス合金からなる異種金属柱63をそれらの嵌入穴に嵌め入れた状態で加熱処理を行い、チタン合金とステンレス合金を一体化させる。図6に示すように、プローブ61の先端側のうち、超音波振動により処置対象部位を叩いて削り取るフック形状の突起を中心とする機械的切削領域62aと、先端から軟骨切削部61cの上部平滑部分に掛けて超音波振動により発熱して融解により処置対象部位を削り取る融解切削領域62bを有している。
さらに、このような異種金属柱63に代わって、鉄やステンレス合金からなるネジを代用することができる。即ち、プローブ61の先端上部面に複数のねじ穴を形成して、それぞれにネジをねじ込む。また、ネジ頭部は削り取り、その切り口を研磨して平坦化する処理を施せばよい。ネジ頭部が例えば皿ネジ等の形状であり、プローブ61の先端上部面と同一面でねじ頭部が浮き出ない構造であれば、必ずしも、除去する必要はない。また、ねじ頭部のドライバー用溝においても、必ずしも除去する必要は無い。
第3の変形例によれば、前述した第1の実施形態の作用効果に加えて、チタン合金等で形成したプローブに対して、後付けで異種金属を埋め込むことができ、軟骨切削部61cを容易に作製することができる。また、異種金属を埋め込むことが容易であり、その埋め込む数量や分布を調整することで、超音波振動により発生する温度を簡易に調整することができる。また、異種金属柱63に代わって、異種金属からなるネジをプローブの先端部上面に形成したネジ穴にネジ込むことで、簡易に軟骨切削部61cを形成することができる。
次に、第1の実施形態に係る第4の変形例について説明する。
図7は、第1の実施形態に適用できるプローブ71に設けられた処置部71aの側面から見た概念的な構成を示している。この第4の変形例は、前述したプローブ7の処置部7aに設けられた軟骨切削部7cの構造を変更した構成である。
本実施形態は、チタン合金からなるプローブ7の先端部前面からプローブの長手軸方向に向かう嵌入穴を形成する。この嵌入穴は、径方向の断面がトラック形状又は矩形に形成される。この嵌入穴の面形状と同じ断面を有する、例えば、ステンレス合金からなる異種金属プレート73を嵌入穴に密に嵌め入れた状態で加熱処理を行い、チタン合金とステンレス合金を一体化させる。図7に示すように、プローブ71の先端側のうち、超音波振動により処置対象部位を叩いて削り取るフック形状の突起を中心とする機械的切削領域72aと、先端から軟骨切削部71cの上部平滑部分に掛けて超音波振動により発熱して融解により処置対象部位を削り取る融解切削領域72bを有している。
第4の変形例によれば、前述した第1の実施形態の作用効果に加えて、チタン合金等で形成したプローブに対して、後付けで異種金属を埋め込むことができ、軟骨切削部71cを容易に作製することができる。また、異種金属を埋め込むことが容易であり、その埋め込む大きさ(断面積及び長さ)を調整することで、超音波振動により発生する温度を簡易に調整することができる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る関節用超音波処置具について説明する。第2の実施形態は、前述した第1の実施形態における金属材料の減衰能を利用して発熱させる構成例を示したが、本実施形態では、残留応力による発熱を利用する構成である。図3、図4A及び図4Bに示した、軟骨切削部7c及び軟骨切削部41cの領域に対して、残留応力を与える。
残留応力は、一般的な手法、例えば、プローブ7の製造時における塑性変形や焼き入れ(加熱と急冷)等により与えておき、振動を加えることで発生させることができる。例えば、製造工程における焼き入れ等の加熱により、局所的な金属材料の膨張を発生させる。この加熱中に溶融した領域は膨張を吸収しているが、局所的に急冷することにより、ゆっくり冷却した領域に対して、残留応力が発生している。その加熱方法としては、熱源への接触、高周波加熱又は、レーザー等の照射等がある。尚、ショットピーニングではない手段、例えば、塑性変形の方が好ましい。
この残留応力を有する軟骨切削部7c,41cを形成することにより、前述したと第1の実施形態と同様に、プローブ7の先端側のうち、機械的切削領域31aのフック形状の突起を中心として、超音波振動により処置対象部位を叩いて削り取ることができる。さらに、融解切削領域31bは、先端から軟骨切削部7cの上部平滑部分に掛けて超音波振動により発熱して融解により処置対象部位を削り取ることができる。
[第3の実施形態]
図8を参照して、本発明の第3の実施形態に係る関節用超音波処置具について説明する。図8は、第3の実施形態に係る超音波処置具におけるプローブ81に設けられた処置部81aの側面から見た概念的な構成を示している。
本実施形態においては、装置構成は、前述した図1に示した超音波処置具と同等の構造を有しているが、図2に示した超音波振動子12が少なくとも2つの異なる超音波振動の振幅で振動するように、出力回路22から少なくとも2つの異なる駆動電力を出力する構成である。また本実施形態は、プローブ81の処置部81aにおける軟骨切削部が骨切削部と同一箇所に設けられている構成である。これ以外の構成は、第1の実施形態の超音波処置具と同等であり、その説明は省略する。
図8に示すように、骨切削部81bを形成する部材をチタン合金からステンレス合金に変えて、フック形状の突起を形成する。この突起は、ステンレス合金で形成されているため、超音波振動を与えると、発熱して軟骨切削部81cとして機能する。ここでは、プローブ81の先端の処置部81aのうち、超音波振動により叩いて処置対象部位を削り取る機械的切削領域82aと、超音波振動により発熱して融解により処置対象部位を削り取る融解切削領域82bが重複する領域となっている。
処置部81aの同じ領域で、機械的切削領域82aと融解切削領域82bとの切り換えるには、超音波振動の振幅の違いにより実現することができる。即ち、超音波振動により処置対象部位を叩いて削り取りを行うハンマリング作用を発生させるためには、処置部81aにおいて、ある程度の大きさの振幅が必要である。これに対して、融解のための発熱は、骨切削に比べて小さい振幅で駆動させることでも発熱作用は生じている。
従って、発熱を伴ってはいるが機械的切削の作用の方が大きい第1の超音波振動を用いて高振幅(第1の振幅)で処置部81aを振動させる骨切削モードと、融解を行うための発熱はできるが機械的切削の作用が生じるほど振幅が発生しない第2の超音波振動を用いて低振幅(第2の振幅)による熱を発生させる軟骨切削モードとの2つの切削モードを用いることで切り換えが可能となる。この切換操作は、操作入力部6の操作スイッチ8、またはフットスイッチ11により行われる。この超音波振動の切り換えは、図1に示すハンドピース4に設けられている操作入力部6の操作スイッチ8の操作により実行できる。
尚、超音波振動の振幅を変える軟骨切削モード及び骨切削モードは、前述した第1の実施形態及び第1乃至4の変形例に対しても適用することは可能である。
また、本実施形態の超音波処置具は、機械的切削領域82aと融解切削領域82bとが処置部81aの同じ領域で切り換えられるため、その都度、ハンドピース4を半回転させて持ち替える必要が無く、術者に対して手術に掛かる負担が軽減できる。
次に、第3の実施形態に係る一変形例について説明する。
図9は、第3の実施形態に適用できるプローブ91に設けられた処置部91aの側面から見た概念的な構成を示している。処置部91aの正面から見たクロスハッチング形状は、図4Bに示した構造と同等である。この変形例は、前述したプローブ81の処置部81aに設けられた骨切削部81b(軟骨切削部81c)がフック形状であったものをクロスハッチング形状に変更した構成である。この構成以外は、第2の実施形態と同様な構成である。
この変形例は、前述した第1の実施形態に係る第1の変形例のクロスハッチング形状の処置部41aのプローブ7の骨切削部41bと同等の形状を有しているが、チタン合金に代わって異種金属として、例えばステンレス合金を用いて形成し、チタン合金からなるプローブ91本体に一体的に形成されている。
本変形例は、図9に示すように、プローブ91は、超音波振動により処置対象部位を叩いて削り取る機械的切削領域92aと、超音波振動により発熱して融解により処置対象部位を削り取る融解切削領域92bとが、処置部91aのフック形状の突起を中心とする同じ領域に設定され、超音波振動の振幅の切り換えにより、機械的切削と融解切削が切り換えることができる。
以上の変形例によれば、骨切削部91b及び軟骨切削部91cは、クロスハッチ部分が処置対象と当接するため、フック形状の骨切削部81bに比べて、接触面積が大きくなり、切削する効率が高くなる。さらに、前述した第2の実施形態による超音波処置具と同様な作用効果を奏することもできる。
以上、前述した各実施形態及び各変形例に基づいて、本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。

Claims (9)

  1. 超音波振動を発生させる超音波振動発生部と、
    前記超音波振動を伝達する超音波プローブと、
    前記超音波プローブの先端に設けられ、処置対象部位に所望する処置を行う処置部と、を具備し、
    前記処置部は、
    前記処置対象部位のうちの生体組織又は骨に対して複数のエッジを有する面で接し、超音波振動の伝達により叩いて前記生体組織又は骨を機械的に切削する骨切削部と、
    前記骨切削部と異なる位置に設けられる軟骨切削部であって、前記処置対象部位のうちの軟骨に対して接した状態において、超音波振動の伝達により前記軟骨切削部自体が発熱することにより、前記軟骨を融解的に切削する軟骨切削部と、
    を有する、関節用超音波処置具。
  2. 前記処置部の前記軟骨切削部は、前記骨切削部とは減衰率が異なる部材により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の関節用超音波処置具。
  3. 前記軟骨切削部は、製造時に与えられる、前記骨切削部よりも大きな残留応力を有する、請求項1に記載の関節用超音波処置具。
  4. 前記軟骨切削部が前記超音波振動の伝達により発熱する温度は、45℃〜220℃の範囲内の温度となることを特徴とする請求項1に記載の関節用超音波処置具。
  5. 前記軟骨切削部は、前記骨切削部と同じ減衰率の部材の中に、球体形状、柱形状又はプレート形状を成し、前記骨切削部とは減衰率が異なる部材が混入されて形成されることを特徴とする請求項1に記載の関節用超音波処置具。
  6. 前記軟骨切削部及び前記骨切削部は異種金属で形成されている、請求項1に記載の関節用超音波処置具。
  7. 前記軟骨切削部は、平滑面に形成されている、請求項1に記載の関節用超音波処置具。
  8. 前記超音波振動発生部は、第1の振幅の第1の超音波振動と、前記第1の振幅よりも小さい第2の振幅の第2の超音波振動を発生させることが可能であり、
    前記第1の超音波振動を用いて前記処置部を振動させ前記骨を前記機械的に切削する作用を生じさせる骨切削モードと、前記第2の超音波振動を用いて前記処置部を振動させ前記軟骨を前記融解的に切削する作用を生じさせる軟骨切削モードと、を切り換え可能な切換部を具備する、請求項1に記載の関節用超音波処置具。
  9. 前記骨切削部は、溝を有する、請求項1に記載の関節用超音波処置具。
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