JP6599190B2 - シールド工事における重金属汚泥水の処理方法 - Google Patents
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Description
前記濃縮泥水中の土砂重量に対して重金属を吸着するための鉄粉を1〜5重量%の割合で混入し、10〜60分の撹拌を行い、前記鉄粉に重金属を吸着させる鉄粉混入撹拌工程と、
前記鉄粉を混入した濃縮泥水を磁気選別機に送り、鉄粉が混入していない浄化土と、鉄粉が混入した汚染土とに分級する分級工程とを備えることを特徴とするシールド工事における重金属汚泥水の処理方法が提供される。
実機よりも小能力の実験用磁気選別機を用いた室内実験において、対象となる重金属含有汚泥水を比重1.4±5%の濃縮泥水に調整した濃縮泥水を用い、この濃縮泥水を前記実験用磁気選別機に送り、鉄粉が混入していない浄化土と、鉄粉が混入した汚染土とに分級する作業を行い、送泥量と浄化土の割合との関係を示す相関図を得て、送泥量の最適範囲を決定し、
実施工において、前記送泥量の最適範囲を実機サイズにスケールアップするために下式(1)に示すスケールアップ係数αを乗じた送泥量によって前記磁気選別機の運転を行う請求項1記載のシールド工事における重金属汚泥水の処理方法が提供される。
本発明に係るシールド工事における重金属汚泥水の処理方法は、図1に示されるように、シールド工事で発生した余剰泥水を濃縮デカンタ5により比重1.4±5%の濃縮泥水に調整する泥水濃縮工程Bと、前記濃縮泥水に対して重金属を吸着するための鉄粉を1〜5重量%の割合で混入し、10〜60分の撹拌を行い、前記鉄粉に重金属を吸着させる鉄粉混入撹拌工程Cと、前記鉄粉を混入した濃縮泥水を磁気選別機9に送り、鉄粉が混入していない浄化土と、鉄粉が混入した汚染土とに分級する分級工程Dとを備えるものである。
実施工における磁気選別機9への送泥量は、前記送泥量の最適範囲を実機サイズにスケールアップするために下式(1)に示すスケールアップ係数αを乗じた送泥量によって前記磁気選別機の運転を行うようにする。
(1)試験材料
A.鉄粉
本試験で用いた鉄粉(JFEミネラル社製)の特殊鉄粉の物性を下表1に示す。この鉄粉は重金属の吸着性能を有する特殊鉄粉であり、砒素のほかに鉛、セレンなど複数の重金属へ適用可能である。
試料土として東京層の硬質シルトを使用した。この試料土を解砕し、乾式10mmで異物などを取り除いた後、湿式2mmで礫などを取り除き、篩を通過した2mmアンダーを「試験原土」として、試験において共通試料として取り扱うこととした。下表2に試験原土の砒素分析結果を示す。
下表3に実験条件、図3に実験フローを示す。試験原土に水を添加し、比重1.4に調整したスラリーにアルミナボールを添加して5分間のアトリッション(摩砕)を行った。アトリッションを行うのは土粒子の塊を解きほぐすことや、土粒子の表面に吸着している重金属を物理的に剥離させ、溶出を促進させるためである。比重1.1、1.2の場合は、水を加え比重調整した。各比重のスラリーに含まれる試験原土重量に対して設定量(1.0、2.0、5.0 wt%)の特殊鉄粉を添加し、2 Lのポリ容器に封入してロータリー式シェイカーにより10分間(および60分間)の混合を行った。この工程で水に溶出した砒素を鉄粉に吸着させる。混合後のスラリーから棒磁石と板磁石を用いて鉄粉のみを磁力選別回収した。鉄粉回収後の土壌スラリーを0.075 mmの篩にて湿式分級し、篩上の0.075〜2.0 mmを土壌分析試料とした。篩下の0.075 mm以下については卓上遠心分離機により固液分離し固形分を土壌分析試料とし液分を上澄液としての液体分析試料とした。
下表4に実験結果一覧を示す。砒素を対象とした鉄粉による吸着実験を行った結果、以下のことが明らかとなった。
(1)試験材料
A.鉄粉
〔試験I〕で用いた鉄粉を用いる。
試料土には、模擬汚染土として笠岡粘土を使用した。下表5に実験で使用した笠岡粘土の物性を示す。
分級機として遠心分離機、磁気選別機の2種類を使用した。
遠心分離機とは、固体と液体の混合液を固体と液体の比重差を利用し分離するもので、遠心力を利用しより効果的に固体と液体を分離することができる。今回の実験では、IHI社製のMW−4を使用した。下表6に遠心分離機の性能を示す。
今回の実験では、日本エリーズマグネチックス社製のドラム回転式磁気選別機の実験機を使用した。下表7に磁気選別機の性能を示す。
図4に実験フロー、下表8、9に各実験条件を示す。粘土溶解槽に試料土、水を加え、比重1.2〜1.4の泥水に調整する。比重調整した泥水をポンプにて撹拌槽へ送り、ここで試料土重量に対して2 %の鉄粉を添加し、均一に撹拌する。次に鉄粉を含む泥水をポンプで圧送し、分級機にて鉄粉を含む重金属汚染土と浄化土に分級した。この時の送泥量は、分級機の処理能力に応じて、遠心分離機は2〜6 m3/h、磁気選別機は0.2〜0.6 m3/hとした。ポンプでの通水時間は3分間とし、開始2分後に各泥水をサンプリングし泥水比重、鉄粉量、土砂量等を計測した。
今回の実験結果から得られるデータから考察するにあたり、「鉄粉回収率」と「浄化土の割合」に着目して実験を行った。鉄粉回収率と浄化土の割合は、下式(2)及び下式(3)より求める。
遠心分離機の鉄粉回収率をみると、遠心力を50 Gとすると最大でも86 %であり目標値である90 %を下回る結果となったが、遠心力を100 G以上とすると最大で99 %となりすべての送泥量で90 %以上を達成した。また、送泥量による変化をみると、各遠心力の場合において送泥量の増加に伴い鉄粉回収率も増加する傾向がみられた。一方、磁気選別機ではすべての送泥量において98 %以上を示した。また、送泥量の増加による鉄粉回収率の変化は見られなかった。
浄化土の割合に着目すると、遠心分離機では、送泥量2 m3/h、遠心力50 Gの場合、95 %に達したが、遠心力を増加させ200 Gとすると75 %まで低下する結果となった。そのほかの送泥量でも遠心力の増加により浄化土の割合が低下する傾向があることが明らかとなった。磁気選別機で送泥量を0.2 m3/hとし、回転数を2.5 rpmから5.0 rpmに増加させても、浄化土の割合は95 %から93 %と低下幅は小さかった。したがって、鉄粉回収率が最も良い遠心力(200 G)もしくは回転数(2.5 rpm)で浄化土の割合を比較すると、遠心分離機より磁気選別機のほうが浄化土の割合が高い結果となった。
(1) 磁気選別機における比重差に関して
図6に示した試験結果を見ると分かるように、浄化土の割合に関して、比重1.2の泥水よりも比重1.4の泥水の方が浄化土の割合が高くなった。この理由は定かではないが下記のように推察できる。
ドラム表面には、泥水が一定量付着する。比重1.2の泥水より比重1.4の泥水の方が鉄粉を多く含むため、ドラム表面には比重1.2の泥水に比べ多くの鉄粉が付着し、ドラム単位面積に占める鉄粉の割合が比重1.2に比べて多くなる。
ドラム表面には、泥水が一定量付着するが、付着した泥水は比重により重量が異なる。軽い泥水であればドラム表面に付着して汚染土側に運ばれてしまうが、重い泥水であればドラム表面から落とされてしまうと考えられる。したがって、比重1.2の泥水は比重1.4と比較して軽い泥水であるため、比重1.4泥水に比べて多くの泥水が汚染土側に運ばれてしまったため、浄化土の割合が低下する。
図6に示した試験結果を見ると分かるように、浄化土の割合に関して、比重1.4のケースで、上側に凸の折れ線となっており、送泥量0.4 m3/hの場合が浄化土の割合が最も高くなっている。従って、この図6の相関図に基づき、所定の数値範囲幅で送泥量の最適範囲を設定し、これに前記スケールアップ係数αを乗じた送泥量によって前記磁気選別機の運転を行うようにすれば、これにより、重金属が混入していない浄化土の割合を可及的に高めることが可能となると推察される。
(1)本形態例では、泥水式又は泥水加圧式シールド工法の例により説明を行ったが、泥土式のシールド工法であっても、掘削した土砂を解砕機により解砕し、水を加えて泥水とした後に、本発明を同様に適用して重金属が混入した土砂の処理を行うことが可能である。
Claims (5)
- シールド工事で発生した余剰泥水を濃縮デカンタにより比重1.4±5%の濃縮泥水に調整する泥水濃縮工程と、
前記濃縮泥水中の土砂重量に対して重金属を吸着するための鉄粉を1〜5重量%の割合で混入し、10〜60分の撹拌を行い、前記鉄粉に重金属を吸着させる鉄粉混入撹拌工程と、
前記鉄粉を混入した濃縮泥水を磁気選別機に送り、鉄粉が混入していない浄化土と、鉄粉が混入した汚染土とに分級する分級工程とを備えることを特徴とするシールド工事における重金属汚泥水の処理方法。 - 前記分級工程において、前記磁気選別機に対する濃縮泥水の送泥量を決定するに当たり、
実機よりも小能力の実験用磁気選別機を用いた室内実験において、対象となる重金属含有汚泥水を比重1.4±5%の濃縮泥水に調整した濃縮泥水を用い、この濃縮泥水を前記実験用磁気選別機に送り、鉄粉が混入していない浄化土と、鉄粉が混入した汚染土とに分級する作業を行い、送泥量と浄化土の割合との関係を示す相関図を得て、送泥量の最適範囲を決定し、
実施工において、前記送泥量の最適範囲を実機サイズにスケールアップするために下式(1)に示すスケールアップ係数αを乗じた送泥量によって前記磁気選別機の運転を行う請求項1記載のシールド工事における重金属汚泥水の処理方法。
- 前記鉄粉は、鉄分90%以上、かさ密度3.0(g/cm3)、平均粒径100μmの物性値のものを用いる請求項1、2いずれかに記載のシールド工事における重金属汚泥水の処理方法。
- 泥水式又は泥水加圧式のシールド機から送られてくる泥水を振動脱水篩によって粒径0.075mmを境に礫・砂分とシルト・粘土分とに分級するとともに、前記シルト・粘土分を調整槽に送給し、この調整槽に貯留された泥水を再び前記シールド機に送る一次処理循環ラインと、前記濃縮デカンタで発生した低比重泥水を前記調整槽に送り比重調整のための希釈水として使用する二次処理循環ラインとを備える請求項1〜3いずれかに記載のシールド工事における重金属汚泥水の処理方法。
- 前記振動脱水篩の前段に前処理機として、シールド機からの泥水を細かく解砕する泥水解砕装置を備える請求項4記載のシールド工事における重金属汚泥水の処理方法。
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