JP6599748B2 - カストリ線の位置決定装置、カッティングシステム、カストリ線の位置決定用のコンピュータプログラム、および、カストリ線の位置決定方法 - Google Patents

カストリ線の位置決定装置、カッティングシステム、カストリ線の位置決定用のコンピュータプログラム、および、カストリ線の位置決定方法 Download PDF

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Description

本発明は、カストリ線の位置決定装置、カッティングシステム、カストリ線の位置決定用のコンピュータプログラム、および、カストリ線の位置決定方法に関する。
従来から、シートを切断するカッティング装置が知られている。例えば、この種のカッティング装置は、シートに対して二次元的に相対移動可能に構成されたキャリッジと、キャリッジに搭載されたカッターとを備えている。なお、本明細書において、「切断」には、シートの厚み方向の全てを切断する場合の他に、厚み方向の一部を切断する場合も含まれる。すなわち、「切断」には、厚み方向にシートが貫通する場合の他に、厚み方向の一部のみが切断され、厚み方向にシートが貫通しない場合も含まれる。
ところで、カッティング装置によって切断されるシートとして、例えば、ベースシートと、接着剤を介して、ベースシートの表面に貼付された表面シートとを備えたシートが挙げられる(特許文献1参照)。表面シートは、文字または図形などの必要な対象物を示す領域(以下、有効領域という。)と、有効領域を除いた領域(以下、非有効領域という。)とを有する。例えば、有効領域内の表面シートをベースシートに残し、非有効領域内の表面シートはベースシートから剥がされる。
ところで、非有効領域内の表面シートをベースシートから剥がす場合、対象物の形状によっては、非有効領域内の表面シートがベースシートから綺麗に剥がれないことがあった。その結果、対象物が裂けたり、千切れたりするおそれがあった。そこで、対象物が裂けること、または、千切れることを抑制するために、非有効領域内の表面シートに切り目を形成すことが行われる。ここでは、上記切り目のことを「カストリ線」と称する。
特開平6−238594号公報
ところで、従来では、カッティング装置によって切断されるシートにおいて、表面シートのどの位置にカストリ線を配置するかは、ユーザの経験則に基づいて行われていた。そのため、ユーザによっては、カストリ線を最適な位置に配置することができないおそれがあった。カストリ線が最適な位置に配置されない場合、非有効領域内の表面シートをベースシートから適切に剥がすことができずに、所望な対象物が破損することがあった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、カッティング装置によって切断されるシートにおいて、最適な位置にカストリ線を配置することが可能なカストリ線の位置決定装置、カッティングシステム、カストリ線の位置決定用のコンピュータプログラム、および、カストリ線の位置決定方法を提供することである。
本発明に係るカストリ線の位置決定装置は、ベースシートと、接着材料を介して前記ベースシートの表面に貼付され、対象物が配置された表面シートとを有し、かつ、カッティング装置によって前記表面シート上の前記対象物の輪郭線に沿って前記表面シートが切断されるシートにおいて、前記表面シートに切り目であるカストリ線を配置する位置を決定するカストリ線の位置決定装置である。前記輪郭線は、アンカーポイントを有するベジェ曲線である。前記表面シートは、前記対象物が配置された領域である有効領域と、前記対象物を除いた領域である非有効領域とを有する。前記位置決定装置は、記憶部と、二値化処理部と、細線化処理部と、分岐点抽出部と、分岐点選択部と、アンカーポイント選択部と、端点設定部と、カストリ線設定部とを備えている。前記記憶部には、前記表面シートを画像データ化した表面シート画像が記憶されている。前記二値化処理部は、前記表面シート画像に対して、前記有効領域に対応した画素に白色を施し、前記非有効領域に対応した画素に黒色を施すという二値化処理を行う。前記細線化処理部は、前記二値化処理が行われた前記表面シート画像において、細線化処理を行い、前記対象物の周りを囲むように配置された線である囲み線と、前記対象物と前記囲み線との間に配置された内線とを得る。前記分岐点抽出部は、前記囲み線と前記内線、または、前記内線同士が交差する点である分岐点を複数抽出する。前記分岐点選択部は、複数の前記分岐点から一の分岐点を選択し、前記一の分岐点を選択分岐点とする。前記アンカーポイント選択部は、前記輪郭線上の前記アンカーポイントのうち、前記選択分岐点から最も近い位置に配置された前記アンカーポイントを選択アンカーポイントに選択する。前記端点設定部は、前記選択アンカーポイントを前記カストリ線の一の端点に設定し、前記選択アンカーポイントから前記選択分岐点に向かって延びた直線において、前記表面シート画像の端線および前記輪郭線の何れかと最初に交差した交点を前記カストリ線の他の端点に設定する。前記カストリ線設定部は、前記一の端点と、前記他の端点とを結ぶ線を前記カストリ線に設定する。
上記位置決定装置によれば、細線化処理によって得られた囲み線と内線、または、内線同士が交差する点を分岐点として複数抽出する。そして、複数の分岐点から一の分岐点を選択分岐点として選択し、選択分岐点から最も近い位置に配置されたアンカーポイントと、選択分岐点とを結ぶ線をカストリ線として設定している。このようにして設定されたカストリ線は、表面シートのうち、非有効領域内の表面シートを剥がす際に生じる力の向きが大きく変更する部分またはその周辺を通る線となる。剥がす際に生じる力の向きが大きく変更する部分では、表面シートをベースシートから剥がし難い。よって、本発明のように、表面シートをベースシートから剥がす際に生じる力の向きが大きく変更する部分またはその周辺を通る位置にカストリ線を配置することで、表面シートをベースシートから適切に剥がし易くなる。したがって、表面シートをベースシートから剥がし易いような適切な位置にカストリ線を配置することができる。
本発明に係るカストリ線の位置決定方法は、ベースシートと、接着材料を介して前記ベースシートの表面に貼付され、対象物が配置された表面シートとを有し、かつ、カッティング装置によって前記表面シート上の前記対象物の輪郭線に沿って前記表面シートが切断されるシートにおいて、前記表面シートに切り目であるカストリ線を配置する位置を決定するカストリ線の位置決定方法である。前記輪郭線は、アンカーポイントを有するベジェ曲線である。前記表面シートは、前記対象物が配置された領域である有効領域と、前記対象物を除いた領域である非有効領域とを有する。前記位置決定方法は、二値化処理工程と、細線化処理工程と、分岐点抽出工程と、分岐点選択工程と、アンカーポイント選択工程と、端点設定工程と、カストリ線設定工程とを包含する。前記二値化処理工程では、前記表面シートを画像データ化した表面シート画像に対して、前記有効領域に対応した画素に白色を施し、前記非有効領域に対応した画素に黒色を施すという二値化処理を行う。前記細線化処理工程では、前記二値化処理を行った前記表面シート画像において、細線化処理を行い、前記対象物の周りを囲むように配置された線である囲み線と、前記対象物と前記囲み線との間に配置された内線とを得る。前記分岐点抽出工程では、前記囲み線と前記内線、または、前記内線同士が交差する点である分岐点を複数抽出する。前記分岐点選択工程では、複数の前記分岐点から一の分岐点を選択し、前記一の分岐点を選択分岐点とする。前記アンカーポイント選択工程では、前記輪郭線上の前記アンカーポイントのうち、前記選択分岐点から最も近い位置に配置された前記アンカーポイントを選択アンカーポイントに選択する。前記端点設定工程では、前記選択アンカーポイントを前記カストリ線の一の端点に設定し、前記選択アンカーポイントから前記選択分岐点に向かって延びた直線において、前記表面シート画像の端線および前記輪郭線の何れかと最初に交差した交点を前記カストリ線の他の端点に設定する。前記カストリ線設定工程では、前記一の端点と、前記他の端点とを結ぶ線を前記カストリ線に設定する。
本発明によれば、カッティング装置によって切断されるシートにおいて、最適な位置にカストリ線を配置することができる。
実施形態に係るカッティングシステムを示す斜視図である。 カッティングヘッドを示す斜視図である。 カッティングヘッドを示す斜視図である。 カッターを示す正面図である。 カッティングシステムのブロック図である。 シートを示す模式図である。 図6のVII−VII断面における断面図である。 シートを示す模式図であり、表面シートを剥がす際に生じる力の向きについて説明した図である。 ベジェ曲線の説明図である。 カストリ線を配置する位置を決定する手順を示したフローチャートである。 カストリ線を配置する位置を決定する手順を説明する表面シート画像の模式図である。 カストリ線を配置する位置を決定する手順を説明する表面シート画像の模式図である。 注目領域を示した図である。 注目領域を示した図である。 カストリ線を配置する位置を決定する手順を説明する表面シート画像の模式図である。 カストリ線が配置された表面シート画像の模式図である。 他の実施形態に係るカストリ線を示す図であって、表面シート画像の模式図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るカストリ線の位置決定装置(以下、単に「位置決定装置」ともいう。)を備えたカッティングシステムについて説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
<実施形態>
図1は、本実施形態に係るカッティングシステム1を示した模式図であり、カッティング装置10を示す斜視図である。なお、図面中の符号F、Re、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を示している。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、カッティングシステム1の設置態様を何ら限定するものではない。また、符号Yは主走査方向を示している。符号Xは、主走査方向Yを平面視において直交する副走査方向を示している。ただし、主走査方向Yおよび副走査方向Xは特に限定される訳ではなく、適宜に設定可能である。
図1に示すように、カッティングシステム1は、カッティング装置10と、カストリ線の位置決定装置100(図5参照)とを備えている。
カッティング装置10は、シールなどのシート5を所望の形状に切断する装置である。本実施形態に係るカッティング装置10は、本体部12と、左サイドカバー16Lおよび右サイドカバー16Rと、中央壁18と、プラテン20と、グリッドローラ22と、ピンチローラ24と、ガイドレール26と、ベルト28と、カッティングヘッド30とを備えている。
本体部12は、スタンド14に支持されている。本体部12は、主走査方向Yに延びている。左サイドカバー16Lは、本体部12の左端に設けられている。右サイドカバー16Rは、本体部12の右端に設けられている。本体部12には、上下方向に延びた中央壁18が設けられている。中央壁18は、主走査方向Yに延びている。中央壁18は、左サイドカバー16Lと、右サイドカバー16Rと連結する。ここでは、右サイドカバー16Rには、操作パネル17が設けられている。操作パネル17には、カッティング装置10の状態などが表示される。
本体部12には、シート5を支持するプラテン20が配置されている。プラテン20には、円筒状のグリッドローラ22が設けられている。グリッドローラ22は、その上面部を露出させた状態でプラテン20に埋設されている。グリッドローラ22には、フィードモータ22a(図5参照)が接続しており、グリッドローラ22は、フィードモータ22aによって駆動される。グリッドローラ22は、シート5を副走査方向Xに移動させる送り機構である。グリッドローラ22の上方には、複数のピンチローラ24が配置されている。ピンチローラ24は、グリッドローラ22に上下方向で対向している。ピンチローラ24は、シート5の厚さに応じて上下方向の位置を設定可能に構成されている。ここでは、ピンチローラ24とグリッドローラ22との間にシート5が挟み込まれる。グリッドローラ22およびピンチローラ24は、シート5を狭持しながらシート5を副走査方向Xに搬送する。
ガイドレール26は中央壁18に設けられている。ガイドレール26は、プラテン20の上方に配置されている。ガイドレール26は、プラテン20と平行に配置されている。ガイドレール26は、主走査方向Yに延びている。ガイドレール26は、前方に突出した係合部27を有している。
ベルト28は、中央壁18の壁面に対して平行に配置されている。ベルト28は、主走査方向Yに延びている。ベルト28は無端状のベルトである。ここでは、ベルト28の右端および左端には、図示しないプーリが巻き掛けられている。一方のプーリは、当該プーリを駆動する駆動モータ28a(図5参照)に接続されている。駆動モータ28aは、上記プーリを介してベルト28に接続されている。駆動モータ28aが回転すると上記プーリが回転し、ベルト28が主走査方向Yに走行する。ここでは、ベルト28には、後述するキャリッジ32が固定されている。駆動モータ28aの回転によって、キャリッジ32をシート5に対して主走査方向Yに相対移動させることができる。
カッティングヘッド30は、ガイドレール26に沿って主走査方向Yに移動可能である。カッティングヘッド30は、シート5を切断する。図2および図3は、カッティングヘッド30を示す斜視図である。なお、図3は、図2のカッティングヘッド30にカバー44を取り付けた図である。図2に示すように、カッティングヘッド30は、キャリッジ32と、カッター38と、円筒型のボイスコイルモータ40と、カバー44(図3参照)と、を備えている。
キャリッジ32は、後述のホルダ35を支持し、シート5に対して相対移動可能となっている。キャリッジ32は、ガイドレール26(図1参照)に摺動自在に装着されている。キャリッジ32は、ベルト28に固定されている。ベルト28が駆動すると、キャリッジ32はガイドレール26に沿って主走査方向Yに移動する。キャリッジ32は、カッター38およびボイスコイルモータ40を主走査方向Yに移動させる。キャリッジ32は、カッター38とボイスコイルモータ40とを支持するキャリッジベース33を備えている。
さらに、キャリッジ32は、ガイド34(図1参照)と、固定プレート37とを備えている。図1に示すように、ガイド34は、ガイドレール26の係合部27に係合する。ガイド34は、ガイドレール26に対して摺動可能である。図2に示すように、固定プレート37はベルト28に固定される。ガイド34とキャリッジベース33とは、互いにボルトなどによって固定されている。キャリッジ32はガイドレール26に支持されている。
図2に示すように、ボイスコイルモータ40は、キャリッジ32に搭載されている。ボイスコイルモータ40は、キャリッジベース33に支持されている。ボイスコイルモータ40は、ホルダ35に連結され、ホルダ35に対して少なくともシート5(図1参照)に対して接近する方向の力を与える。本実施形態では、ボイスコイルモータ40は、ホルダ35に対して上向きまたは下向きの力を与える。ボイスコイルモータ40は、ボイスコイルモータ40に供給される供給信号(すなわち、電流信号)によりホルダ35に与える力の大きさが変更可能に構成されている。なお、ボイスコイルモータ40には従来公知のものを利用することができる。
カッター38はキャリッジ32に搭載されている。カッター38は、上下方向に移動可能なホルダ35に保持されている。ホルダ35は、カッター38をシート5(図1参照)に対して接近および離反が可能なように支持する。本実施形態では、カッター38は、ホルダ35の左方に配置されている。ホルダ35とキャリッジベース33との間には、ばね46が設けられている。ホルダ35は、ばね46によって上向きの付勢力を受けている。ホルダ35は、ボイスコイルモータ40と連結している。ホルダ35は、ボイスコイルモータ40から上向きの力を受けると上方に移動する。ホルダ35は、ボイスコイルモータ40から下向きの力を受けると下方に移動する。これによって、ホルダ35に保持されたカッター38は、ボイスコイルモータ40の駆動力を受けて上下方向に移動するように構成されている。
図4は、カッター38を示す正面図である。図4に示すように、カッター38は、棒状に延び、ホルダ35(図3参照)に保持された本体部38aと、本体部38aの下端に固定された刃38bと、本体部38aに設けられたフランジ部38cとを備えている。シート5(図1参照)は、カッター38の刃38bによって切断される。上述したように、カッター38は、キャリッジ32によって主走査方向Yに移動する。したがって、カッター38の刃38bは、主走査方向Yに移動するようになっている。
図1に示すように、カバー44はキャリッジ32に取り付けられている。図3に示すように、カバー44は、カッティングヘッド30、キャリッジ32、キャリッジベース33、ボイスコイルモータ40、および、ばね46を覆っている。カバー44は、ホルダ35の一部を覆っている。カッター38は、カバー44によって覆われていない。このようなカバー44を設けることによって、切断時に生じる切粉がカバー44の内方に侵入することを抑制することができる。
図1に示すように、カッティング装置10において、シート5を切断する際には、ボイスコイルモータ40(図2参照)によってカッター38の刃38b(図4参照)の上下方向の位置を調整する。そして、刃38bの上下方向の位置が調整し終わると、駆動モータ28a(図5参照)によって刃38bを主走査方向Yに移動させつつ、上述のグリッドローラ22によってシート5を副走査方向Xに移動させる。このようにして、シート5が所定の形状に切断される。
図5は、カッティングシステム1のブロック図である。図5に示すように、カッティング装置10は、制御装置45を備えている。制御装置45は、グリッドローラ22に接続されたフィードモータ22aに接続されている。制御装置45は、フィードモータ22aを駆動させることによって、グリッドローラ22を駆動させることで、シート5を副走査方向Xに移動させる。制御装置45は、ベルト28を主走査方向Yに走行させる駆動モータ28aに接続されている。制御装置45は、駆動モータ28aを駆動させてベルト28を走行さることで、ベルト28に固定されたキャリッジ32を主走査方向Yに移動させる。また、制御装置45は、ボイスコイルモータ40に接続されている。制御装置45は、ボイスコイルモータ40の駆動を制御することで、ボイスコイルモータ40に連結されたホルダ35(図2参照)、および、ホルダ35に保持されたカッター38(図2参照)の上下方向の移動を制御する。なお、制御装置45の構成は特に限定されない。例えば、制御装置45は、コンピュータであり、中央演算処理装置(以下、CPUという。)と、CPUが実行するプログラムなどが格納されたROMと、RAMなどを備えていてもよい。
以上、カッティング装置10について説明した。ところで、カッティング装置10によって切断されるシート5の一例として、シールが挙げられる。図6は、シート5を示す模式図である。図7は、図6のVII−VII断面における断面図である。図6に示すように、シート5は、ベースシート51と、接着剤などの接着部材52(図7参照)を介して、ベースシート51の表面に貼付される表面シート53とを備えている。表面シート53は、接着部材52と共にベースシート51から簡単に剥がせるようになっている。表面シート53は、所望の対象物54が配置された領域である有効領域55と、表面シート53の全領域のうち有効領域55を除いた領域である非有効領域56とを有している。ここでは、有効領域55は、必要な領域である。非有効領域56は、不必要な領域であり、非有効領域56内の表面シート53は処分されるシートである。なお、ここでは、有効領域55内の表面シート53のことを「対象物シート」と称し、非有効領域56内の表面シート53のことを「不要シート」と称する。
ここでは、有効領域55と非有効領域56との境目を示す線は、所望の対象物54の輪郭線58である。シート5において、輪郭線58には、切り目が形成されている。ここで、「切り目」とは、図7に示すように、表面シート53側からベースシート51の上部までに亘る深さの切り込み59のことである。この切り込み59は、カッティング装置10によって形成される。本実施形態では、輪郭線58に切り込み59が形成されていることによって、有効領域55と非有効領域56とを簡単に切り離すことができる。また、輪郭線58に切り込み59が形成されていることによって、有効領域55の対象物54(対象物シート)をベースシート51上に残した状態で、非有効領域56内の表面シート53(不要シート)のみをベースシート51から剥がすことができる。
ところで、図6のようなシート5において、非有効領域56内の表面シート53をベースシート51から剥がす際、対象物54の形状によっては、非有効領域56内の表面シート53がベースシート51から綺麗に剥がれないことがあった。その結果、対象物54が裂けたり、千切れたりするおそれがあった。そこで、このような対象物54が裂けること、および、千切れることを抑制するために、非有効領域56内の表面シート53に切り目を形成することが行われる。本実施形態では、上述のように、輪郭線58以外に切り目が入れられる線のことを「カストリ線」という。「カストリ線」は、非有効領域56内の不要シートをベースシート51から綺麗に剥がすことを補助する線である。例えば、図6において、線60がカストリ線であり、表面シート53の非有効領域56内に配置されている。
従来では、例えば、図6のシート5において、非有効領域56内の表面シート53のどの位置にカストリ線60を配置するかは、ユーザの経験則に基づいて行われていた。そのため、ユーザによっては、カストリ線60を最適な位置に配置することができないことがあった。カストリ線60が最適な位置に配置されない場合、非有効領域56内の不要な表面シート53をベースシート51から適切に剥がすことができずに、対象物54が破損すること、または、非有効領域56内の表面シート53の一部が千切れて、ベースシート51に残ることがあった。
そこで、本願出願人は、カストリ線をどのような位置に配置することで、非有効領域56内の表面シート53をベースシート51から適切に剥がすことができるかを検討した。まず、本願出願人は、非有効領域56内の表面シート53をベースシート51から剥がす際に生じる力の向きに着目した。図8は、シート5を示す模式図であり、表面シート53をベースシート51から剥がす際に生じる力の向きについて説明した図である。図8において、点A0は、ユーザが表面シート53を剥がす位置であって、ユーザの指が添えられる位置を示している。また、方向A1は、表面シート53を剥がす方向を示し、方向A2〜A5は、力の向きを示している。図8に示すように、対象物54が配置された領域である有効領域55内の表面シート53をベースシート51に残し、非有効領域56内の表面シート53をベースシート51から剥がす際、例えば、ユーザが点A0に指を添えた状態で、矢印A1の向きに沿って表面シート53は剥がされる。このとき、対象物54の上部54aの周辺に位置する非有効領域56の表面シート53を剥がす際、方向A2、A3、A4およびA5の順に、力の向きが変更する。図8において、方向A3から方向A4に力の向きが変更するとき、および、方向A4から方向A5に力の向きが変更するとき、力の向きが大きく変更する。本願出願人は、このように力の向きが大きく変更する部分では、ユーザが力の向きをコントロールし難く、非有効領域56内の表面シート53をベースシート51から適切に剥がすことができないことを見出した。また、本願出願人は、力の向きが大きく変更する部分およびその周辺では、対象物54に破損などが生じ易いことを見出した。そこで、本願出願人は、上述のように、力の向きが大きく変更する部分またはその周辺を通るようにカストリ線を配置することで、表面シート53をベースシート51から適切に剥がし易くなることを見出した。また、本願出願人は、力の向きが大きく変更する部分またはその周辺を通るような位置にカストリ線を配置するには、細線化アルゴリズム(細線化処理)を用いるとよいことを見出した。この細線化処理については、後述する。
本実施形態では、剥がす力の向きが大きく変更する部分またはその周辺を通るような表面シート53の位置にカストリ線を自動で配置することを、カストリ線の位置決定装置100が行う。ここでは、位置決定装置100は、細線化アルゴリズム(細線化処理)を用いることで、剥がす力の向きが大きく変更する部分またはその周辺を通る位置にカストリ線を配置する。そして、カッティング装置10が、位置決定装置100によって配置されたカストリ線に沿って、切り目を形成する。
本実施形態において用いられるシート5の対象物54の輪郭線58は、ベジェ曲線である。すなわち、有効領域55と非有効領域56との境目を示す線は、ベジェ曲線である。ここでは、ベジェ曲線について簡単に説明する。図9は、ベジェ曲線70の説明図である。図9に示すように、例えば、ベジェ曲線70は、両端に設定された2つのアンカーポイント71と、各アンカーポイント71から所定の方向に配置された2つの方向点72とを有している。各アンカーポイント71と方向点72とを結ぶ線分73は、ハンドルと称される。例えば、ベジェ曲線70を得るためには、まず、各ハンドル73の中点73aと、2つの方向点72を結んだ線分75の中点75aを算出する。次に、各中点73aと中点75aとを結んだ2つの線分77を算出し、各線分77の中点77aを求める。そして、2つの中点77aを結ぶ線分79を算出し、線分79の中点79aを求める。このようにして得られた2つのアンカーポイント71と中点79aとを通る曲線がベジェ曲線70となる。なお、ここでは、2つのハンドル73が設定されているが、ハンドル73の数は1つであってもよい。ハンドル73の数を複数にすることによって、滑らかな曲線を有するベジェ曲線70を得ることができる。
次に、カストリ線の位置決定装置100(図5参照)について詳述する。位置決定装置100は、カッティング装置10と別体であってもよいし、カッティング装置10に内蔵されていてもよい。例えば、位置決定装置100は、コンピュータであり、CPUと、CPUが実行するプログラムなどを格納したROMと、RAMなどを備えていてもよい。ここでは、コンピュータ内に保存されたプログラムを使用して、カストリ線を配置する位置を決定する。位置決定装置100は、カッティングシステム1のための専用のコンピュータであってもよく、汎用のコンピュータであってもよい。
図5に示すように、位置決定装置100は、記憶部112と、二値化処理部114と、細線化処理部116と、分岐点抽出部118と、分岐点選択部119と、アンカーポイント選択部120と、端点設定部122と、カストリ線設定部124と、終了判定部126と、を備えている。なお、上述した位置決定装置100の各部は、ソフトウェアによって構成されていてもよいし、ハードウェアによって構成されていてもよい。各部の詳細な説明は、後述のフローチャートに沿って行う。
図10は、カストリ線を配置する位置を決定する手順を示したフローチャートである。次に、図8のような対象物54が配置されている表面シート53に対して、カストリ線を配置する位置を決定する手順について図10のフローチャートを用いて説明する。本実施形態では、位置決定装置100は、表面シート53を画像化した表面シート画像53aを用いて、カストリ線を配置する位置を決定する。この表面シート画像53aは、記憶部112に記憶されている。
まず、ステップS100では、二値化処理部114は、表面シート53の画像である表面シート画像53aに対して、二値化処理を行う。この二値化処理は、公知であるため、二値化処理の詳しい説明は省略する。ここでは、二値化処理部114は、表面シート画像53aの領域のうち、カストリ線を配置したい領域に対応した画素を黒色に施す。また、二値化処理部114は、表面シート画像53aの領域のうち、カストリ線を配置したくない領域に対応した画素を白色に施す。ここでは、「カストリ線を配置したくない領域」とは、表面シート画像53aの領域のうち対象物54が配置された領域である。図面において、黒色に施された領域は、斜線で示した領域である。図11の例では、二値化処理部114は、非有効領域56に対応した画素を黒色に施し、対象物54が配置された領域である有効領域55に対応した画素を白色に施す。
次に、ステップS102では、細線化処理部116は、二値化処理が行われた表面シート画像53aに対して、細線化処理を行う。ここで、「細線化処理」とは、黒色に施された領域(ここでは、非有効領域56)において、各所定の範囲内の中央値を算出し、算出した中央値に対応した画素の色を黒色のままにし、非有効領域56の他の領域(中央値以外の領域)に対応した画素を白色に施す処理である。なお、細線化処理は、公知の技術であるため、詳しい説明は省略する。図11の表面シート画像53aに対して細線化処理を行ったものが図12に示した表面シート画像53aである。細線化処理を行うことによって、図12に示すように、対象物54の周りを囲むように配置された複数の線61と、線61と対象物54との間、および、対象物54の輪郭線58同士の間の領域に配置された複数の線62とが得られる。ここでは、対象物54の周りを囲むように配置された線61のことを「囲み線」と称する。囲み線61と対象物54との間、および、対象物54の輪郭線58同士の間の領域に配置された線62のことを「内線」と称する。
次に、ステップS104では、分岐点抽出部118は、細線化処理が行われた表面シート画像53a(図12参照)に対して、分岐点を抽出する。ここで、「分岐点」とは、囲み線61と内線62、または、複数の内線62同士が交わる点のことである。本実施形態では、分岐点抽出部118は、図12のように細線化処理が行われた表面シート画像53aにおいて、囲み線61および内線62上の複数の画素について次の処理を行う。
以下の説明において、分岐点か否かを判定する画素のことを「注目画素」と称する。注目画素とは、囲み線61および内線62上の何れかの画素である。まず、分岐点抽出部118は、図13に示すように、注目画素65aを中心に、所定の範囲の領域である注目領域66aを抽出する。所定の範囲は、記憶部112に予め記憶されている。本実施形態では、所定の範囲は、3画素×3画素である。すなわち、注目領域66aは、3画素×3画素の領域である。ただし、所定の範囲は特に限定されず、例えば、5画素×5画素であってもよい。分岐点抽出部118は、3画素×3画素の注目領域66aにおいて、注目画素65aを除いた画素67a(以下、周囲画素という。)の中から黒色に施された画素の数(以下、周囲画素数という。)を算出する。そして、分岐点抽出部118は、注目領域66aの周囲画素数が所定の周囲画素数以上であると判定した場合、このときの注目画素65aに対応した点を分岐点とする。ここで、所定の周囲画素数は、本発明の「所定の数」に対応する。所定の周囲画素数は、記憶部112に予め記憶されている。また、所定の周囲画素数の具体的な数値は特に限定されず、上記所定の範囲によって適宜変更される。本実施形態では、所定の周囲画素数は「3」である。例えば、図13では、黒色に施された周囲画素67aは3画素あり、周囲画素数は「3」である。このとき、周囲画素数が3以上であるため、分岐点抽出部118は、注目画素65aは分岐点であると判定し、注目画素65aに対応した点を分岐点とする。一方、図14の注目領域66bでは、黒色に施された周囲画素67bは2画素であり、周囲画素数は「2」である。このとき、周囲画素数は3未満であるため、分岐点抽出部118は、注目画素65bは分岐点ではないと判定し、注目画素65bに対応した点を分岐点とはしない。
例えば、分岐点抽出部118によって分岐点を抽出する処理を図12の表面シート画像53aに対して行うことで、図15に示すように、8つの分岐点80a〜80gおよび81を抽出することができる。なお、本実施形態では、非有効領域56のうち、有効領域55によって囲まれていない領域56aに配置された分岐点は採用され、有効領域55によって囲まれた領域56b、56cに配置された分岐点は除外される。本実施形態では、有効領域55によって囲まれた領域56b、56cの面積は小さいため、領域56b、56cにカストリ線を配置すると、剥がす作業が煩雑になると判断される。そのため、面積が小さい領域56b、56c内には、カストリ線を配置しないようにするために、領域56b、56cに配置された分岐点は除外される。図15の例では、1つの分岐点81が除外され、他の7つの分岐点80a〜80gが採用される。
次に、ステップS106では、分岐点選択部119は、分岐点抽出部118によって抽出された複数の分岐点80a〜80gの中から、1つの分岐点を選択し、選択した分岐点を選択分岐点とする。なお、1つの分岐点を選択する手順は特に限定されず、所定の順に沿って分岐点を選択することができる。本実施形態では、例えば、分岐点80a〜80gは、記憶部112に記憶された配列に格納されており、1回目のステップS106では、分岐点選択部119は、図15に示すように、分岐点80aを選択し、分岐点80aを選択分岐点82とする。図示は省略するが、2回目以降のステップS106では、分岐点選択部119は、順に、分岐点80b、80c、80d、80e、80f、80gを選択し、選択した分岐点を選択分岐点とする。
次に、ステップS108では、アンカーポイント選択部120は、対象物54の輪郭線58上のアンカーポイントの中から、選択分岐点82から最も近い位置に配置されたアンカーポイント83を選択する。
次に、ステップS110では、アンカーポイント選択部120は、選択分岐点82から最も近い位置に配置されたアンカーポイント83が、他のカストリ線の端点に既に設定されているか否かを判定する。ここで、図示は省略するが、選択されたアンカーポイント83が他のカストリ線の端点に既に設定されているとアンカーポイント選択部120によって判定された場合、後述するステップS116の終了処理に進む。一方、図15に示すように、アンカーポイント選択部120によって、アンカーポイント83が他のカストリ線の端点として既に設定されていないと判定された場合、アンカーポイント83を選択アンカーポイントに設定し、次に、ステップS112に進む。
ステップS112では、端点設定部122は、カストリ線の両端点を設定する。ここでは、端点設定部122は、カストリ線の一方の端点を選択アンカーポイント83に設定する。そして、端点設定部122は、選択アンカーポイント83から選択分岐点82に向かって延びた直線90において、対象物54の輪郭線58および表面シート画像53aの端線のうち何れかと直線90とが最初に交差した交点84を、カストリ線の他方の端点に設定する。図15では、交点84は、選択アンカーポイント83から選択分岐点82に向かって延びた直線90と、表面シート画像53aの端線53bとが交差する点である。
次に、ステップS114では、カストリ線設定部124は、端点設定部122によって設定された両端点である選択アンカーポイント83と、交点84とを結ぶ直線をカストリ線91に設定する。
その後、ステップS116では、終了判定部126は、終了判定を行う。ここでは、終了判定部126は、次に選択分岐点に選択される分岐点がある場合、カストリ線の設定を終了しないと判定し、ステップS106に戻る。一方、終了判定部126は、選択分岐点に選択される分岐点がない、すなわち、全ての分岐点に対して選択し終わった場合、カストリ線を設定する処理を終了する。
以上のように、各分岐点80a〜80gに対して、処理に応じてカストリ線91を設定する。その結果、図16に示すようなカストリ線91が得られる。なお、図16では、符号は適宜省略されている。
なお、位置決定装置100によって、カストリ線91を配置する表面シート53の位置を決定した後、カッティング装置10は、決定したカストリ線91に沿って、切り込みを入れる。
以上のように、本実施形態では、図15に示すように、細線化処理によって得られた囲み線61と内線62、または、複数の内線62同士が交差する点80a〜80gを分岐点として抽出する。そして、複数の分岐点80a〜80gから一の分岐点(例えば、分岐点80a)を選択分岐点82として選択し、選択分岐点82から最も近い位置に配置されたアンカーポイント83と、選択分岐点82とを結ぶ線90をカストリ線91として設定している。このようにして配置されたカストリ線91は、表面シート53のうち、非有効領域56内の表面シート53を剥がす際に生じる力(図8の矢印A2〜A5)の向きが大きく変更する部分またはその周辺を通る線となる。上述のように、剥がす際に生じる力の向きが大きく変更する部分では、表面シート53をベースシート51から剥がし難い。よって、本実施形態のように、表面シート53をベースシート51から剥がす際に生じる力の向きが大きく変更する部分またはその周辺を通る位置にカストリ線91を配置することで、表面シート53をベースシート51から適切に剥がし易くなる。したがって、図16に示すように、表面シート53をベースシート51から剥がし易いような適切な位置にカストリ線91を配置することができる。
本実施形態では、アンカーポイント選択部120は、図10のステップS110において、選択分岐点82から最も近い位置に配置されたアンカーポイント83が既に配置された他のカストリ線の端点である場合、選択分岐点82から最も近い位置に配置されたアンカーポイント83を選択アンカーポイントに設定しない。カストリ線91が他のカストリ線と交差すると、その交差した点の周囲の非有効領域56の形状が複雑になるため、非有効領域56内の表面シート53をベースシート51から剥がし難くなることがあり得る。しかしながら、本実施形態では、既に配置されたカストリ線と交差することなく、カストリ線91を配置するため、非有効領域56の形状が複雑になることを起因とした剥がし難さを抑制することができる。
本実施形態では、分岐点抽出部118は、細線化処理によって得られた囲み線61および内線62に対応した画素から一の画素を注目画素65a(図13参照)として抽出する。そして、分岐点抽出部118は、図13に示すように、注目画素65aを中心に所定の範囲の画素(ここでは、3画素×3画素)を含む領域を注目領域66aとして抽出する。その後、分岐点抽出部118は、注目画素65aを除いた注目領域66a内の周囲画素67aのうち、黒色に施された画素の数を算出し、その画素の数が所定の数以上の場合、注目画素65aに対応した点を分岐点として抽出する。このことによって、注目画素65aの周りの周囲画素67aのうち、黒色に施された画素を算出するという簡易的な方法で、分岐点80a〜80gを容易に抽出することができる。
以上、本実施形態に係るカストリ線の位置決定装置100を備えたカッティングシステム1について説明した。本発明に係るカストリ線の位置決定装置を備えたカッティングシステムは、上記実施形態に係るカッティングシステム1に限らず、他の種々の形態で実施することができる。次に、他の実施形態について簡単に説明する。なお、以下の説明では、既に説明した構成と同様の構成には同じ符号を使用し、その説明は省略することとする。
<他の実施形態>
上記実施形態では、図16に示すように、カストリ線91は、直線であった。しかしながら、カストリ線は、直線に限定されない。例えば、図16のカストリ線91は、曲線であってもよい。図17は、他の実施形態に係るカストリ線92を示す図であって、表面シート画像53aの模式図である。図17におけるカストリ線92は、上記実施形態において得られたカストリ線91に対して、形状を変更させたものである。
図17に示すように、カストリ線設定部124は、カストリ線92に対して、凸部93を設けてもよい。例えば、凸部93は、カストリ線92から所定の方向に凸となるように平面上に設けられている。この所定の方向は、記憶部112に予め記憶されている。例えば、所定の方向は、表面シート画像53aの中心95を軸とした反時計回りの方向である。なお、所定の方向は、表面シート画像53aの中心95を軸として時計回りの方向であってもよい。本実施形態では、全てのカストリ線92に対して、カストリ線92から反時計回りの方向に向かって延びた凸部93が設けられているが、一部のカストリ線92に設けられる凸部93の向きが時計回りの向きであってもよい。
本実施形態では、凸部93は、カストリ線92の中央部分に設けられている。しかし、凸部93の位置は、カストリ線92の中央部分に限定されない。例えば、凸部93の位置は、カストリ線92の一端部側に設けられていてもよい。ここでは、1つのカストリ線92に対する凸部93の数は、1つである。しかし、1つのカストリ線92に対する凸部93の数は1つに限定されず、2つ以上であってもよい。本実施形態では、全てのカストリ線92に対して、凸部93が設けられているが、一部のカストリ線92の凸部93を省略することは可能である。
凸部93の大きさは、凸部93の一部が対象物54と重ならないような大きさである。凸部93の形状は特に限定されない。本実施形態では、凸部93は半円形状に形成されているが、矩形状に形成されていてもよい。
以上のように、カストリ線92に凸部93を設けることによって、ユーザが凸部93に手を添えながら表面シート53をベースシート51から剥がすことができる。よって、非有効領域56の表面シート53をベースシート51から剥がし易い。本実施形態では、カストリ線92の中央部分に凸部93が設けられている。このことによって、ユーザは、非有効領域56内の表面シート53にバランスよく力を掛けることができる。
<変形例>
上記各実施形態では、カストリ線の位置決定装置100は、1つの対象物54が配置された表面シート53に対して、カストリ線の配置位置を決定していた。しかしながら、本発明の位置決定装置は、複数の対象物(例えば、3つの対象物)が配置された表面シート53に対して、カストリ線の配置位置を決定することが可能である。この場合、位置決定装置は、複数の対象物を1つの対象物と見なして、カストリ線の配置位置を決定してもよい。一方、位置決定装置は、複数の対象物をそれぞれ独立した対象物と見なして、各対象物に対して、カストリ線の配置位置を決定してもよい。
全てのカストリ線92に設けられた凸部93は、表面シート画像53aの中心95を軸とした反時計回りの方向に向かって設けられている。この場合、例えば、ユーザが凸部93に右手を添えながら表面シート53を剥がす際に、剥がし易くなる。
前述したように、位置決定装置100の記憶部112と、二値化処理部114と、細線化処理部116と、分岐点抽出部118と、分岐点選択部119と、アンカーポイント選択部120と、端点設定部122と、カストリ線設定部124と、終了判定部126とは、ソフトウェアによって構成されていてもよい。すなわち、上記各部は、コンピュータプログラムがコンピュータに読み込まれることにより、当該コンピュータによって実現されるようになっていてもよい。本発明には、コンピュータを上記各部として機能させるためのコンピュータプログラムが含まれる。また、本発明には、当該コンピュータプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体が含まれる。また、上記各部は、位置決定装置100に構成された回路によって実現されるものであってもよい。
5 シート
53 表面シート
53a 表面シート画像
54 対象物
58 輪郭線
60 カストリ線
61 囲み線
62 内線
80a〜80g 分岐点
82 選択分岐点
83 アンカーポイント
91 カストリ線
100 位置決定装置(カストリ線の位置決定装置)
112 記憶部
114 二値化処理部
116 細線化処理部
118 分岐点抽出部
119 分岐点選択部
120 アンカーポイント選択部
122 端点設定部
124 カストリ線設定部

Claims (12)

  1. ベースシートと、接着材料を介して前記ベースシートの表面に貼付され、対象物が配置された表面シートとを有し、かつ、カッティング装置によって前記表面シート上の前記対象物の輪郭線に沿って前記表面シートが切断されるシートにおいて、前記表面シートに切り目であるカストリ線を配置する位置を決定するカストリ線の位置決定装置であって、
    前記輪郭線は、アンカーポイントを有するベジェ曲線であり、
    前記表面シートは、前記対象物が配置された領域である有効領域と、前記対象物を除いた領域である非有効領域とを有し、
    前記表面シートを画像データ化した表面シート画像が記憶された記憶部と、
    前記表面シート画像に対して、前記有効領域に対応した画素に白色を施し、前記非有効領域に対応した画素に黒色を施すという二値化処理を行う二値化処理部と、
    前記二値化処理が行われた前記表面シート画像において、細線化処理を行い、前記対象物の周りを囲むように配置された線である囲み線と、前記対象物と前記囲み線との間に配置された内線とを得る細線化処理部と、
    前記囲み線と前記内線、または、前記内線同士が交差する点である分岐点を複数抽出する分岐点抽出部と、
    複数の前記分岐点から一の分岐点を選択し、前記一の分岐点を選択分岐点とする分岐点選択部と、
    前記輪郭線上の前記アンカーポイントのうち、前記選択分岐点から最も近い位置に配置された前記アンカーポイントを選択アンカーポイントに選択するアンカーポイント選択部と、
    前記選択アンカーポイントを前記カストリ線の一の端点に設定し、前記選択アンカーポイントから前記選択分岐点に向かって延びた直線において、前記表面シート画像の端線および前記輪郭線の何れかと最初に交差した交点を前記カストリ線の他の端点に設定する端点設定部と、
    前記一の端点と、前記他の端点とを結ぶ線を前記カストリ線に設定するカストリ線設定部と、
    を備えた、カストリ線の位置決定装置。
  2. 前記カストリ線設定部は、前記一の端点と前記他の端点とを結んだ前記カストリ線に対して、所定の方向に延びた凸部を設ける、請求項1に記載されたカストリ線の位置決定装置。
  3. 前記凸部は、前記一の端点と前記他の端点とを結んだ前記カストリ線の中央部分に設けられている、請求項2に記載されたカストリ線の位置決定装置。
  4. 前記表面シート画像には、他のカストリ線が配置されており、
    前記アンカーポイント選択部は、前記選択分岐点から最も近い位置に配置された前記アンカーポイントが前記他のカストリ線の端点である場合、前記選択分岐点から最も近い位置に配置された前記アンカーポイントを前記選択アンカーポイントに設定しない、請求項1から3までの何れか一つに記載されたカストリ線の位置決定装置。
  5. 前記分岐点抽出部は、前記細線化処理によって得られた前記囲み線および前記内線に対応した画素から一の画素を抽出すると共に、前記一の画素を中心に所定の範囲の画素を含む領域を注目領域として抽出し、前記一の画素を除いた前記注目領域の画素のうち、黒色に施された画素の数を算出し、前記画素の数が所定の数以上の場合、前記一の画素に対応した点を前記分岐点として抽出する、請求項1から4までの何れか一つに記載されたカストリ線の位置決定装置。
  6. 前記カッティング装置と、
    請求項1から5までの何れか一つに記載されたカストリ線の位置決定装置と、
    を備えた、カッティングシステム。
  7. 請求項1から5までの何れか一つに記載されたカストリ線の位置決定装置において、
    前記記憶部、前記二値化処理部、前記細線化処理部、前記分岐点抽出部、前記分岐点選択部、前記アンカーポイント選択部、前記端点設定部、および、前記カストリ線設定部をコンピュータに実現させるためのカストリ線の位置決定用のコンピュータプログラム。
  8. ベースシートと、接着材料を介して前記ベースシートの表面に貼付され、対象物が配置された表面シートとを有し、かつ、カッティング装置によって前記表面シート上の前記対象物の輪郭線に沿って前記表面シートが切断されるシートにおいて、前記表面シートに切り目であるカストリ線を配置する位置を決定するカストリ線の位置決定方法であって、
    前記輪郭線は、アンカーポイントを有するベジェ曲線であり、
    前記表面シートは、前記対象物が配置された領域である有効領域と、前記対象物を除いた領域である非有効領域とを有し、
    前記表面シートを画像データ化した表面シート画像に対して、前記有効領域に対応した画素に白色を施し、前記非有効領域に対応した画素に黒色を施すという二値化処理を行う二値化処理工程と、
    前記二値化処理を行った前記表面シート画像において、細線化処理を行い、前記対象物の周りを囲むように配置された線である囲み線と、前記対象物と前記囲み線との間に配置された内線とを得る細線化処理工程と、
    前記囲み線と前記内線、または、前記内線同士が交差する点である分岐点を複数抽出する分岐点抽出工程と、
    複数の前記分岐点から一の分岐点を選択し、前記一の分岐点を選択分岐点とする分岐点選択工程と、
    前記輪郭線上の前記アンカーポイントのうち、前記選択分岐点から最も近い位置に配置された前記アンカーポイントを選択アンカーポイントに選択するアンカーポイント選択工程と、
    前記選択アンカーポイントを前記カストリ線の一の端点に設定し、前記選択アンカーポイントから前記選択分岐点に向かって延びた直線において、前記表面シート画像の端線および前記輪郭線の何れかと最初に交差した交点を前記カストリ線の他の端点に設定する端点設定工程と、
    前記一の端点と、前記他の端点とを結ぶ線を前記カストリ線に設定するカストリ線設定工程と、
    を包含する、カストリ線の位置決定方法。
  9. 前記カストリ線設定工程では、前記一の端点と前記他の端点とを結んだ前記カストリ線に対して、所定の方向に延びた凸部を設ける、請求項8に記載されたカストリ線の位置決定方法。
  10. 前記カストリ線設定工程では、前記一の端点と前記他の端点とを結んだ前記カストリ線の中央部分に前記凸部を設ける、請求項9に記載されたカストリ線の位置決定方法。
  11. 前記表面シート画像には、他のカストリ線が配置されており、
    前記アンカーポイント選択工程では、前記選択分岐点から最も近い位置に配置された前記アンカーポイントが前記他のカストリ線の端点である場合、前記選択分岐点から最も近い位置に配置された前記アンカーポイントを前記選択アンカーポイントに設定しない、請求項8から10までの何れか一つに記載されたカストリ線の位置決定方法。
  12. 前記分岐点抽出工程では、前記細線化処理によって得た前記囲み線および前記内線に対応した画素から一の画素を抽出すると共に、前記一の画素を中心に所定の範囲の画素を含む領域を注目領域として抽出し、前記一の画素を除いた前記注目領域の画素のうち、黒色に施された画素の数を算出し、前記画素の数が所定の数以上の場合、前記一の画素に対応した点を前記分岐点として抽出する、請求項8から11までの何れか一つに記載されたカストリ線の位置決定方法。
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