JP6614112B2 - 前照灯制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の前照灯の照射方向を変化させる照射方向可変手段を制御するための前照灯制御装置に関する。
従来より、車両の前照灯の照射方向を、ステアリングホイールの操舵角と連動させて左右方向に動かす制御方法や、地図データベースとして記憶されている道路地図のカーブに応じて、前照灯の照射方向を左右方向に動かす制御方法が提案されている。
特開2008−100682号公報
しかしながら、上記した前照灯の制御方法にあっては、単に車両の操舵角又は地図データベースのデータに基づき、前照灯の照射方向を変更するにすぎない。従って例えば、後者の地図データベースのデータに基づき、その地図上のカーブに合わせて照射方向を変更したとしても、当該カーブの道幅如何によっては、個々の車両の走行位置にばらつきが生じることにより、必ずしも適切な前照灯の照射方向とはならない場合が想定される。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、前照灯の照射方向を、より好適に変化させることができる前照灯制御装置を提供することにある。
請求項1記載の前照灯制御装置において、前照灯(11)の照射角は、道路地図データ上の車両の現在位置にて推定される車両の向きに対応させて導出するものとしても、実際の車両の向きとの差分で補正される。このため、前照灯による照射を、実際の車両の向きに応じて、より好適な光軸方向に変化させることができる。
本発明の一実施形態を示す前照灯制御装置の全体構成を概略的に示す機能ブロック図 スイブル制御の処理手順を示すフローチャート 照射角の導出や補正を説明するための模式図
以下、本発明の一実施形態について図1〜図3を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態の全体のシステムは、乗用車等の車両に搭載されるECU(Electronic Control Unit)としての前照灯ECU1及びその他ECU2、並びに自車位置標定装置3を備えて構成されている。
前照灯ECU1は、車両の前面に左右に配設されたヘッドライト11の照射方向を制御するための前照灯制御装置1である。即ち、前照灯としてのヘッドライト11は、車両の前方に向かって照射光を照射するものであり、夫々のヘッドライト11には、その照射方向である光軸方向を変化させるための各アクチュエータ12が付設されている。詳しい図示は省略するが、アクチュエータ12は例えば、光軸の傾きを左右方向に変更するための水平方向制御モータ12sと、光軸の傾きを上下方向に変更するための鉛直方向制御モータ12tとで構成され、それらモータ12s,12tの駆動により、光軸の傾きを上下方向と左右方向とに自在に変化させる。尚、図1では説明の便宜上、左右のヘッドライト11と夫々のモータ12s,12tのうち、一方の構成要素11,12s,12tのみを示している。また、各モータ12s,12tは、照射方向可変手段に相当する。
前照灯制御装置1は、各種演算処理を実行する中央処理装置としてのCPU1a、制御プログラム等を格納したROMや各種データを格納するRAM等を含む記憶部1b、入出力部1cを備えて構成されている。前照灯制御装置1は、取得手段としての入出力部1cにて自車位置標定装置3等からの各種信号或いは各種データを取得するとともに、それらデータに基づき前記制御プログラムに従い各アクチュエータ12s,12tを制御して、左右のヘッドライト11の光軸方向を調整するようになっている。尚、図1において、各機能を明瞭にするために、車両ECUといった各種ECUをその他ECU2として、前照灯制御装置1と区別して記載したが、それらの演算処理機能を1つのマイクロコンピュータを中心に構成する装置とすることもできる。
図1に示す自車位置標定装置3は、自車の現在位置を検出し或いは道路地図データに基づいて指定された目的地までの推奨経路の探索や案内を行う、ロケータやナビゲーション装置等を総称するものである。即ち、自車位置標定装置3は、GNSS(Global Navigation Satellite Systems)受信機31、ジャイロセンサ32、Gセンサたる加速度センサ33、車速センサ34、推測航法部35、マップマッチング部36、地図データ格納部37を備える。
GNSS受信機31は、GNSSアンテナ31aによって受信したGPS(Global Positioning System)信号を受けて、このGPS信号に基づき車両の現在位置を表す現在位置座標を求める(図3のX,Y参照)。推測航法部35は、GNSS受信機31からの現在位置信号と、ジャイロセンサ32により検出された検出信号と、車速センサ34から出力された車速信号と、加速度センサ33から出力された加速度信号とを受けて、これらの信号に基づき、車両の速度、車両の方位及び車両の走行軌跡等の情報を作成して記憶する。
マップマッチング部36は、地図データ格納部37に格納された道路網や道路構造を特定可能な道路地図データと、推測航法部35からの車両の速度並びに車両の方位及び車両の位置の情報と、GNSS受信機31からの現在位置信号とに基づいて、当該道路地図データ上の車両の現在位置に相当する現在位置データを特定する。道路地図データには、路面勾配つまり道路の上り勾配若しくは下り勾配の傾斜を表す傾斜データや、道路におけるカーブの曲率に関する曲率データ等、道路構造に関するデータが含まれる。
また、自車位置標定装置3における加速度センサ33、ジャイロセンサ32、車速センサ34は、実際の車両の向きの特定が可能なセンサ信号を出力する。具体的には、加速度センサ33は、自車が位置する路面勾配に応じて、水平面に対する実際の車両の上下方向の傾斜を特定する検出信号を出力する。
ジャイロセンサ32は、自車に加えられる回転運動の角速度の検出信号を出力する。この検出信号により、車両の方位変化を算出して実際の車両の方位を推定することができる。また、車速センサ34として例えば、自車における左右の車輪の速度を検出する2つの車輪速センサで構成した場合、左車輪速を検出する左車輪速センサ34Lからの検出信号と、右車輪速を検出する右車輪速センサ34Rからの検出信号とが出力される。これらセンサ34L,34Rの検出信号により、その内外輪差に基づいて実際の車両の方位を推定することができる。
前照灯制御装置1では、上記した自車位置標定装置3側の各センサ32〜34の信号に基づき推測航法部35から出力された車両の傾きや方位に関するデータを用いるものとする。即ち例えば、前照灯制御装置1は、実際の車両の向きを特定する手段、或いは特定された車両の向きを取得する手段として構成された車両向き特定手段であり、ジャイロセンサ32又は2つの車輪速センサ34L,34Rの入力信号に基づき推測航法部35から出力され、入出力部1cを介して取得される実際の車両の方位のデータを特定する。尚、図1に示すように、前照灯制御装置1には、運転者により操作される車両のステアリングホイール20の操舵角を検出するための操舵角センサ21の検出信号も入力されるようになっている。操舵角センサ21は、ステアリングホイール20の操作量を角度で検出し、その操舵角データつまり車両の進行方向のデータを検出するための操舵角検出手段である。
続いて、前照灯制御装置1によるヘッドライト11の光軸方向の偏向制御について、図2のフローチャートを参照しながら説明する。以下では便宜上、光軸方向を左右に偏向制御する所謂スイブル制御について主に説明し、上下の偏向制御については後述するものとする。また、スイブル制御については、操舵角に追従して当該操舵角データに基づき行うことができるが、道路地図データ及び現在位置データに基づき行うものとする。尚、図2において、係るフローチャートのルーチンは、前照灯制御装置1のCPU1aにより例えば100msecを所定周期として当該100msec毎に繰返し実行されるものとし、「S1,S2,…」は、各ステップの番号を表すものとする。
先ず、CPU1aは、自車位置標定装置3から取得される道路地図データと現在位置データとに基づき、現在自車の走行している道路がカーブであるか否か、前記推奨経路における自車の前方にカーブの入口が存在するか否か、またはカーブの入口までの間に分岐点が存在しないか否かを、順次判定する(S1)。
換言すれば、カーブ走行中であるとの条件と、カーブ入口手前で当該カーブ方向に案内されているとの条件と、カーブ入口までに分岐点がないとの条件とのうち、少なくとも1つの条件を満たすと判定した場合(S1:YES)、ステップS2へ移行する一方、1つの条件も満たさないと判定した場合(S1:NO)、この処理を終了する(エンド)。
また、CPU1aは、ステップS1において、自車位置標定装置3から取得される車両の速度に応じて、100msec後の自車の位置を現在位置として上記の条件を満たすか否かを判定することで、前記所定周期における1周期分、前もって照射角の導出を行うようになっている。具体的には例えば、車両の速度を時速100kmと仮定したとき、100msec後の車両の位置は、現在位置データから特定される車両の現在位置よりも約2.78m先にずれることが推定される。それ故、CPU1aは、カーブ走行中であるか否かを、車両の速度と現在位置データとに基づき、現時点の位置よりも約2.78m先の位置を基準として判定するため、カーブに進入する前の当該先の位置からカーブ走行中である(S1:YES)とする。
更に、カーブ入口までに分岐点がないとの条件を満たす場合(S1:YES)、自車が必ず当該カーブに進入すると判定できるため、前もってスイブル制御を行うことができることとなる。
ステップS2において、CPU1aは導出手段として現在位置データ等から求めた当該先の位置と道路地図データとに基づき、ヘッドライト11のスイブル角としての照射角を導出する。スイブル角は例えば、当該先の位置における前記曲率データとしての曲率半径R(図3参照)と当該スイブル角との関係を予め規定した図示しないマップ乃至データテーブルを照合することにより導出される。このスイブル角は例えば、光軸の左右方向たる水平方向における基準光軸方向、つまり車両の前後方向を指向する初期方向を予め設定された基準角度「0(零)度」として、当該基準角度からの左右方向の角度差で表される。
導出されたスイブル角は、車両の速度に応じて補正する(S3)。この場合の補正の程度は、速度の高低に応じて予め規定されるものとし、例えば、車両の速度が比較的高い場合にはスイブル角を比較的大きくする一方、速度が比較的低い場合にはスイブル角θを比較的小さくするように補正する。
そして、CPU1aは、前記先の位置を現在位置として、道路の曲率半径Rに沿う車両の方位と実際の車両の方位と、の差分を補正値として算出し(S4)、ステップS2,S3で求めたスイブル角を当該補正値で補正する(S5)。これにより、CPU1aは、その補正後の最適なスイブル角で車両の前方を照射するように水平方向制御モータ12sを制御する(S6)。
図3(a)及び(b)は、係るスイブル制御のスイブル角ΔΦ及び補正値Δθを例示する説明図であり、上記した一連のステップS2〜S6について同図を参照しながら詳述する。ここで、同図に示す車両A,Bは、何れも現在位置座標(X,Y)にあるものとする。図3(a)の車両Aは、道路半径Rに沿って走行し、同図の一点鎖線Lで示すように曲率半径Rに相応する進行方向の方位を指向する一方、図3(a)の車両Bは、道路半径Rに比して右方向への操舵量が大きいこと等に起因して、車両Bの方位が道路半径Rに沿っていない状態を表すものとする。また、一点鎖線Lは、半径Rの仮想円における自車位置での接線方向を指向するものとする。
即ち、図3(a)の車両Aについて、自車位置標定装置3から取得した曲率半径Rや車両の速度に基づいて、目標となるスイブル角ΔΦが算出されるとともに(S2,S3)、センサ34L,34Rの検出信号に基づき実際の車両Aの方位を特定する。この場合に特定される実際の車両Aの方位は、当該車両Aが道路半径Rに沿って走行している状態にあるため、道路地図データ乃至曲率半径Rに基づき推定される現在位置(X,Y)の車両Aの方位と一致する。従って、この場合CPU1aにより、道路地図データ上の現在位置(X,Y)にて推定される車両Aの方位と実際の車両Aの方位との差分Δθである補正値は0(零)として算出される(S4、S5)。それ故、CPU1aは、前記基準角度に対する光軸の角度ΔΦを最適スイブル角として、現在の光軸の角度から最適スイブル角ΔΦまで変化させるように水平方向制御モータ12sを制御する(S6)。この処理により、ヘッドライト11の光軸方向は、図3(a)のΔΦで示す角度[deg]に変更され、その最適スイブル角ΔΦで車両Aの前方を照射する。
一方、図3(b)の車両Bについても、車両Aと同様、曲率半径Rや車両の速度に基づきスイブル角ΔΦが算出されるとともに(S2,S3)、センサ34L,34Rの検出信号に基づき実際の車両Bの方位を特定する。この場合、CPU1aは、特定した実際の車両Bの方位と、道路地図データ上の現在位置(X,Y)にて推定される方位つまり車両Aの方位と、の差分Δθを算出する(S4)。また、CPU1aは、算出した差分Δθを補正値として、スイブル角ΔΦから補正値Δθを差し引くことにより補正する(S5)。つまり、右旋回にかかる道路地図データに基づき、基準角度から右へのスイブル制御をプラス方向とした場合、車両Bの差分Δθは、本来の方位を指向するように差し引いた左へのマイナス方向として調整される。それ故、CPU1aは、前記基準角度に対する光軸の角度(ΔΦ−Δθ)を最適スイブル角として変化させるように水平方向制御モータ12sを制御する(S6)。この処理により、ヘッドライト11の光軸方向は、図3(b)のΔΦ−Δθで示す角度[deg]に変更され、その最適スイブル角(ΔΦ−Δθ)で車両Bの前方を照射する。
以上のように、CPU1aを有する前照灯制御装置1は、導出手段として導出した照射角ΔΦについて、道路地図データ及び現在位置データに基づき推定される現在位置(X,Y)での道路方向に沿った車両の向きと、車両向き特定手段として特定した実際の車両の向きと、の差分Δθを補正値として補正する。
これによれば、ヘッドライト11の照射角ΔΦは、道路地図データ上の車両の現在位置(X,Y)にて推定される車両の向きに対応させて導出するものとしても、実際の車両の向きとの差分Δθで補正される。このため、ヘッドライト11による照射を、実際の車両の向きに応じて、より好適な光軸方向に変化させることができる。
前照灯制御装置1は、車両向き特定手段としてジャイロセンサ32及び車輪速センサ34L,34Rのうちの少なくとも何れか一方のセンサ信号に基づき実際の車両の方位を特定する。
これによれば、前照灯制御装置1によって、車両の向きを方位として特定し、上記した照射角の導出と補正により、最適なスイブル角(ΔΦ−Δθ)を求めることができる。従って例えば、車両の所謂アウトインアウト走法においても、或いは比較的幅広な道路や車線の無い道路のカーブであっても、実際の運転状況に応じた所期の光軸方向に設定することができ、安全面からも好適なスイブル制御を行うことができる。
前照灯制御装置1における演算は、上記した100msecに限らず、例えば1sec或いは1secより短い周期の演算タイミング毎に実行してもよい。
このように、前照灯制御装置1は、所定周期の演算タイミング毎に、照射角の導出と補正を行うものであるが、速度特定手段として車両の速度を特定し、当該速度に応じて1周期後の車両の位置を現在位置(X,Y)として求めることで、当該1周期分、前もって照射角の導出を行うものとした。この事前演算により、水平方向制御モータ12sの駆動制御を、当該1周期分、早めて実行することができ、演算周期を変えることなく、演算タイミングに起因する制御の遅れを確実に解消することができる。尚、前もって行う照射角の導出は、当該1周期分に限らず、少なくとも当該1周期分、つまりカーブ進入前の、より早いタイミングで行うようにしてもよい。
(その他の実施形態)
以下では、前照灯制御装置1により、ヘッドライト11の光軸方向を上下に変化させる偏向制御について、既述した実施形態と実質的に異なる点を述べることとする。
前照灯制御装置1は、前記加速度センサ33により自車の傾斜を検出し、その傾斜に応じた光軸方向の偏向制御を行う。もっとも、加速度センサ33は、水平面に対する車両の傾きを検出することができるが、路面に対する傾きとして検出するものではないため、坂道等の道路構造如何によっては実際の路面に応じた光軸方向に設定できない虞も生じうる。また例えば水平面では、その平坦な路面に応じた後述の基準光軸方向に設定されるものとしても、急な坂道手前の平坦な路面では、運転者にとって前方の坂道の路面の一部しか照らされない事態も生じうる。
そこで、前照灯制御装置1は、導出手段としてヘッドライト11の上下方向の照射角を導出する際、道路地図データに含まれる傾斜データと、この傾斜データに対応して予め作成された照射角テーブルのデータとを参照するものとする。ここで、照射角テーブルは、例えば急な坂道手前では当該坂道を好適に照らすように、路面の傾きつまり傾斜データに応じて、最適な照射範囲が得られるように上下方向の照射角を予め規定したデータテーブルであり、自身の記憶部1bに予め記憶されている。そして、前照灯制御装置1は、照射角テーブルと現在位置データとに基づき、現在位置にて該当する照射角に設定する。このようにして設定された照射角を、以下では「当該位置に応じた照射角」と称する。
また、前照灯制御装置1は、車両向き特定手段として加速度センサ33の信号に基づき、水平面に対する実際の車両の上下方向の傾斜を特定する。そして、前照灯制御装置1は、傾斜データの表す路面の傾きと、水平面に対する実際の車両の上下方向の傾斜と、の差分を補正値として、当該位置に応じた照射角を補正する。
ここで、ヘッドライト11の上下方向の照射角は、例えば光軸の上下方向における基準光軸方向、つまり光軸の上下方向における初期方向の角度を基準角度として、当該基準角度からの上下方向の角度差で表すものとする。また、車両のノーズが下がる方向の傾斜をプラス方向の角度と捉え、車両のテールが下がる方向の傾斜をマイナス方向の角度と捉えるものとする。例えば、現在位置における傾斜データの表す路面の傾き[deg]と、水平面に対する実際の車両の上下方向の傾斜[deg]と、の差分がプラス2[deg]の場合、その差を無くすようにマイナス2[deg]の補正値が算出される。
それ故、CPU1aは、当該位置に応じた照射角、即ち基準角度に対する現時点の光軸の角度を、マイナス2[deg]補正した最適照射角として、当該最適照射角へ変化させるように鉛直方向制御モータ12tを制御する。この処理により、ヘッドライト11の光軸方向は上下方向における最適照射角に変更され、前記の坂道手前でも照射角テーブルに基づく最適照射角で車両の前方を照射することができ、安定した照射範囲をえることができる。また、路面に対する車両の傾斜は、当該車両に積載される荷重や加減速等により変化するが、係る変化や道路構造如何に係わらず、適切な光軸方向の偏向制御を行うことができる。
係る偏向制御については、図2のフローチャットのステップS1〜S6と併せて実行できることは勿論であり、ステップS1〜S6に代えて当該偏向制御を実行することもできる。そこで、以下では便宜上、当該偏向制御に係るステップをS1´〜S6´で表し、S1´〜S6´のフローチャートの図示を省略したかたちで説明する。
即ち、CPU1aは、ステップS1´において、上り勾配若しくは下り勾配の走行中であるとの条件を判定する。この場合、当該条件と併せてステップS1と同様に、複数の条件を判定する等、他の条件を加えて判定してもよい。
次いで、CPU1aは、ヘッドライト11の照射角を導出するために、取得した道路地図データや現在位置データ、車両の速度等に基づき、前記の先の位置を現在位置として、傾斜データを求めると共に、照射角テーブルを照合して当該位置に応じた照射角に設定する(S2´,S3´)。そして、CPU1aは、現在位置として、傾斜データの表す路面の傾きつまり当該路面で推定される車両の傾きと、水平面に対する実際の車両の上下方向の傾斜と、の差分を補正値として、当該位置に応じた上下方向の照射角を補正する(S4´,S5´)。これにより、CPU1aは、その補正後の最適な照射角で車両の前方を照射するように鉛直方向制御モータ12tを制御する(S6´)。こうして、上下方向の照射角の制御についても、演算周期を変えることなく、演算タイミングに起因する制御の遅れを確実に解消することができる等、上記した実施形態と同様の作用効果を奏する。
以上のように、前照灯制御装置1は、補正手段として道路地図データ及び現在位置データに基づき現在位置にて推定される傾斜データと実際の車両の上下方向の傾斜と、の差分を補正値として、ヘッドライト11の上下方向の照射角を補正する。これによれば、安定した照射範囲をえることができ、坂道でも適切な照射角に設定することができる。
尚、ナビゲーション装置やこれに用いられる道路地図の精度に関して、従来に比して地図精度等の高い装置が供されており、係る装置を自車位置標定装置3に取り入れることにより、又、上記した光軸方向の偏向制御を、左右方向と上下方向とで併せて実行し或いは各別に実行することにより、総じて高精度で好適な光軸方向の調整を行うことができ、照射範囲を良好に確保することができる。
尚、本発明は上記し且つ図面に示した各実施形態に限定されるものではなく、上記した実施形態や変形例を組み合わせたり、構成要素の一部を省略したりする等、適宜変更して実施し得るものである。
例えば、取得手段としての前照灯制御装置1により取得される道路地図データは、自車位置標定装置3から取得せずに、外部の図示しないサーバから提供されるデータとして取得してもよい。
照射方向可変手段は、モータ12s,12tに限らず、各種のアクチュエータを用いて構成してもよい。車両向き特定手段は、ジャイロセンサ32の信号に基づき車両の方位や車両の傾きを特定してもよいし、図示しない2つのGPSアンテナを車両に搭載することにより、夫々の位置を特定することで車両の方位を特定する等、適宜特定方法を変更してもよい。尚、前記2つのGPSアンテナについては、相互に車両において離間した位置に配設され、夫々の当該アンテナを介して受信するGPS信号たる測位信号に基づき実際の車両の方位を特定するものであるが、その特定につき周知の構成を採用しうることから詳細な説明を省略する。また、前照灯制御装置1は、係る測位信号や各センサ32,34L,34Rの入力信号に基づき、実際の車両の方位を特定できる構成であればよく、推測航法部35を介して或いは当該航法部35等を介さずに直接的に当該方位を特定する機能を有していてもよい。
また、上記した「当該位置に応じた照射角」は、照射角テーブルに基づくことなく、前記傾斜データに基づき、前照灯制御装置1で演算により導出してもよい。
この他、周期や角度等で表した数値は、上記した値に限らず、適宜変更して実施しうるものである。
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
図面中、1…前照灯制御装置(取得手段、車両向き特定手段、導出手段、補正手段、制御手段)、11…前照灯、12…照射方向可変手段、 21…操舵角検出手段。

Claims (5)

  1. 車両の前照灯(11)の照射方向を変化させるための照射方向可変手段(12)を制御する前照灯制御装置(1)であって、
    道路網や道路構造を特定可能な道路地図データ及び当該道路地図データ上の車両の現在位置に相当する現在位置データ、或いは操舵角検出手段(21)で検出された操舵角データの取得が可能な取得手段(1)と、
    実際の車両の向きを特定する手段、或いは特定された車両の向きを取得する手段として構成された車両向き特定手段(1)と、
    前記取得手段により取得された前記道路地図データ及び前記現在位置データ、又は前記操舵角データに基づいて、前記前照灯の照射角を導出する導出手段(1)と、
    前記道路地図データ及び前記現在位置データに基づき推定される前記現在位置での道路方向に沿った車両の向きと、前記車両向き特定手段により特定される実際の車両の向きと、の差分を補正値として、前記導出手段により導出された照射角を補正する補正手段(1)と、
    前記補正手段により補正された照射角で、前記車両の前方を照射するように前記照射方向可変手段を制御する制御手段(1)と、
    を備える前照灯制御装置。
  2. 前記車両向き特定手段による車両の向きの特定は、
    ジャイロセンサ(32)と車輪速センサ(34L,34R)とのうちの少なくとも何れか一方のセンサ信号、又はGPSアンテナを介して受信される測位信号に基づき実際の車両の方位を特定することによる請求項1記載の前照灯制御装置。
  3. 前記導出手段は、前記道路地図データ及び前記現在位置データに基づいて、前記前照灯の左右方向のスイブル角を導出し、
    前記補正手段は、前記道路地図データ上の現在位置にて推定される道路半径に沿った車両の方位と、前記実際の車両の方位と、の差分を補正値として、前記導出手段により導出されたスイブル角を補正する請求項1または2記載の前照灯制御装置。
  4. 前記補正手段は、前記道路地図データ上の現在位置にて推定される道路の上り勾配若しくは下り勾配の傾斜を表す傾斜データと、前記実際の車両の上下方向の傾斜と、の差分を補正値として、前記前照灯の上下方向の照射角を補正する請求項1から3の何れか一項記載の前照灯制御装置。
  5. 前記照射角について、所定周期の演算タイミング毎に、その導出と補正が行われるとともに、前記車両の速度を特定する速度特定手段(1)を備え、
    前記速度特定手段で特定された速度に応じて、前記所定周期における1周期後若しくはそれ以降の車両の位置を前記現在位置として求めることにより、少なくとも当該1周期分、前もって前記導出手段による前記照射角の導出を行い、
    前記照射方向可変手段による前記前照灯の照射方向を少なくとも当該1周期分、早めて変化させるように構成されている請求項1から4の何れか一項記載の前照灯制御装置。
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